JP2012116696A - モルタル及び/又はコンクリートの界面又は表面処理剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐塩性や耐酸性能を有する界面又は表面処理剤を提供する。
【解決手段】(A)水分散ポリエステル樹脂と(B)アクリル樹脂エマルションを質量比(A:B)1:4〜4:1の範囲で含有することを特徴とするモルタル及び/又はコンクリートの界面又は表面処理剤組成物。
【選択図】なし
【解決手段】(A)水分散ポリエステル樹脂と(B)アクリル樹脂エマルションを質量比(A:B)1:4〜4:1の範囲で含有することを特徴とするモルタル及び/又はコンクリートの界面又は表面処理剤組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、橋脚、橋台、トンネル、床版、下水処理場といった土木用コンクリート構造物、コンクリート建築物自体の補強、及びそれらの補修・補強に用いられる断面修復用モルタルの性能向上に寄与する界面及び表面処理剤組成物に関する
従来、コンクリート構造物のモルタル補修用界面処理剤(プライマー)としては、エチレン酢酸ビニルエマルションやアクリル樹脂エマルション等が用いられる場合が多い。プライマーがない場合、下地コンクリートへ硬化に必要なモルタルの水分が移動し、界面のセメントの硬化が阻害され付着不良となる。プライマーは、このようなドライアウト現象を防止するために、下地コンクリートの吸水を調整する作用がある。また、モルタルやコンクリートの表面に撥水剤を塗布して、防水性や遮塩性を付与する工法も用いられている。
特許文献1には、スチレン・アクリル酸アルキルエステル・メタクリル酸共重合樹脂、ポリオキシエチレン・ノニルフェニルエーテルを主成分とする吸水調整剤が記載されており、これはコンクリート床上面に施工されるセルフレベリング材の付着性を向上させ、気泡を抑制する機能を有するものである。この吸水調整剤はエマルションを乳化重合により製造する際に使用している乳化剤のために親水性があり、塗膜を通してコンクリート内部へ水分、塩分、酸が侵入することが避けられない。また、耐久性についても非常に乏しく、表面処理剤としては問題点がある。
特許文献2には、従来から用いられているアルキルアルコキシシラン及びその縮合物を溶剤で希釈した浸透性吸水防止剤が浸透性、同剤の塗り重ね接着不良の問題点を解決したアルキルアルコキシシラン、アルキルアルコキシシロキサンを含むエマルションが提案されている。しかし、これらはコンクリート表面の撥水材としては、その機能を発揮することが期待できるが、補修モルタルを塗り重ねた場合、撥水性を有するために、水で練混ぜられた補修モルタルが付着しないという問題点がある。
従来のモルタルやコンクリートの界面又は表面処理剤には、耐塩性、耐酸性等の耐久性の向上と、補修用モルタルやコンクリートの付着性とを両立させるものはなかった。
従って、本発明の課題は、コンクリート構造物の補修用モルタル等の吸水調整用プライマーとして、補修用モルタル等を塗り重ねで使用しても十分な付着性能を発揮するとともに、プライマー自身にモルタルやコンクリートの劣化因子である塩分の侵入を抑制する作用を有し、また、補修モルタルの表面塗布剤として使用しても、耐塩性や耐酸性能を有する界面又は表面処理剤を提供することにある。
従って、本発明の課題は、コンクリート構造物の補修用モルタル等の吸水調整用プライマーとして、補修用モルタル等を塗り重ねで使用しても十分な付着性能を発揮するとともに、プライマー自身にモルタルやコンクリートの劣化因子である塩分の侵入を抑制する作用を有し、また、補修モルタルの表面塗布剤として使用しても、耐塩性や耐酸性能を有する界面又は表面処理剤を提供することにある。
そこで、本発明者は、表面処理剤の前記課題を解決すべく種々検討したところ、全く意外にも、水分散ポリエステル樹脂とアクリル樹脂エマルションとを一定の比率で配合した組成物を用いれば、既設の又は補修後のモルタル又はコンクリートの表面に塗布すれば、その表面の耐塩性及び耐酸性を向上させることができるとともに、補修用モルタル又はコンクリートを塗り重ねで使用しても付着性が良好であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、(A)水分散ポリエステル樹脂と(B)アクリル樹脂エマルションを質量比(A:B)1:4〜4:1の範囲で含有することを特徴とするモルタル及び/又はコンクリートの界面又は表面処理剤組成物を提供するものである。
また、本発明は、モルタル及び/又はコンクリートの界面又は表面に、(A)水分散ポリエステル樹脂と(B)アクリル樹脂エマルションを質量比(A:B)1:4〜4:1の範囲で含有する組成物を塗布することを特徴とする、モルタル及び/又はコンクリートの界面又は表面の改質方法を提供するものである。
本発明の界面又は表面処理剤組成物を用いれば、既設のモルタル及び/又はコンクリートの表面、断面補修用モルタル及び/又はコンクリートの表面、既設のモルタル及び/又はコンクリートと断面補修用モルタル及び/又はコンクリートとの界面、並びに断面補修用モルタル及び/又はコンクリートと断面補修用モルタル及び/又はコンクリートとの界面のいずれにおいても、耐塩性及び耐酸性を向上させ、かつ補修用モルタル及び/又はコンクリートの付着性が良好であるため、塗り重ね施工も可能である。
本発明の界面又は表面塗布剤に用いられる(A)水分散ポリエステル樹脂としては、ジ オールとジカルボン酸とから得られるポリエステル樹脂であって水分散型のものである 。当該ジオールとしては、ビスフェノールA、ビスフェノールAにエチレンオキサイド 、プロピレンオキサイド等を付加させたジオール、及び脂肪族ジオールから選ばれる1 種又は2種以上が挙げられる。ジカルボン酸としては、フマール酸、イソフタル酸、マ レイン酸等が挙げられる。
さらに好ましい水分散ポリエステルとしては、ビスフェノールAにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドを付加したアルコールモノマーにフマール酸又はイソフタル酸を重合させたもので、ケトン系溶剤に溶解させ、中和剤を加えてポリエステル中のカルボキシル基をイオン化し、水を加えた後、ケトン系溶剤を留去して水系に転相した自己分散型水系ポリエステル樹脂組成物が挙げられる。
水分散系ポリエステル樹脂の平均分子量は2500〜70000が好ましく、粒径は0.001〜10μmが好ましく、より好ましくは0.001〜1.0μmである。尚、水分散ポリエステルに可塑剤を添加することにより、ポリエステルの塗膜の柔軟性を増加させることもできる。
水分散ポリエステルとしては、花王社製の可塑剤が添加されている商品名「ニュートラック2010」「ニュートラック2011」、可塑剤が添加されていない「ニュートラック2040」等一般に市販されているものを使用することができる。
本発明に用いられる(B)アクリル樹脂エマルションとしては、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルから選ばれる1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸系モノマーとスチレンとの共重合体のエマルションが好ましい。より好ましくは、スチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体エマルション、スチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル−(メタ)アクリル酸共重合体エマルションが挙げられる。ここでアクリル酸アルキルエステルとしては、アルカリによる加水分解を妨げるために、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートやn−ブチル(メタ)アクリレートを使用するのが好ましい。
アクリル樹脂エマルションの不揮発分は30〜60%が好ましく、造膜性の観点から45〜55%がより好ましい。ガラス転移点(Tg)は−20℃〜30℃が好ましく、−20〜10℃と柔らかい樹脂が付着の観点からより好ましい。
アクリル樹脂エマルションとしては、イーテック社製のアクリル系エマルション、高圧ガス工業社製のスチレン・ブチルアクリレート(メタ)アクリル酸アンモニウム塩等一般に市販されているものが使用することができる。
本発明の界面又は表面処理剤組成物においては、耐塩性、耐酸性及び付着性の点から、成分(A)と成分(B)の含有質量比(A:B)は1:4〜4:1であるのが重要であり、3:7〜7:3がより好ましく、2:3〜3:2が特に好ましい。
本発明の界面又は表面処理剤組成物には、前記成分(A)及び成分(B)以外に、消泡剤、安定剤、顔料等を配合することもできる。成分(A)と成分(B)を混合して使用する場合、(A)20〜80質量%と(B)80〜20質量%を混合すればよく、(A)30〜70質量%と(B)70〜30質量%を混合するのが好ましく、(A)40〜60質量%と(B)60〜40質量%を混合するのがさらに好ましい。
成分(A)と成分(B)の混合方法について特に制限はなく、ホモミキサー等通常の攪拌装置で任意の割合で混合できる。
本発明の界面又は表面処理剤組成物は、モルタル及び/又はコンクリートの界面又は表面に塗布することにより使用される。ここで、モルタル及び/又はコンクリートの界面とは、モルタルとモルタルの界面、モルタルとコンクリートの界面、コンクリートとコンクリートの界面をいう。モルタル及び/又はコンクリートの表面とは、モルタル及び/又はコンクリートの表面をいう。モルタル及び/又はコンクリートには、既設のモルタル及び/又はコンクリートだけでなく、断面補修用モルタル及び/又はコンクリートが含まれる。
モルタル及び/又はコンクリートの界面又は表面の具体例としては、既設のモルタル及び/又はコンクリートの表面、断面補修用モルタル及び/又はコンクリートの表面、既設のモルタル及び/又はコンクリートと断面補修用モルタル及び/又はコンクリートとの界面、断面補修用モルタル及び/又はコンクリートと断面補修用モルタル及び/又はコンクリートとの界面が挙げられる。
モルタル及び/又はコンクリートの界面又は表面の具体例としては、既設のモルタル及び/又はコンクリートの表面、断面補修用モルタル及び/又はコンクリートの表面、既設のモルタル及び/又はコンクリートと断面補修用モルタル及び/又はコンクリートとの界面、断面補修用モルタル及び/又はコンクリートと断面補修用モルタル及び/又はコンクリートとの界面が挙げられる。
モルタル及び/又はコンクリートの界面又は表面は、本発明の界面又は表面処理剤組成物を塗布すれば、モルタル及び/又はコンクリートの界面又は表面が改質できる。例えば、モルタル及び/又はコンクリートの表面に本発明組成物を塗布すれば、当該表面に耐塩性及び耐酸性を付与することができる。また、その表面に補修用のモルタル又はコンクリートを塗布するときには、優れた付着性が得られる。さらに、本発明組成物は、モルタル及び/又はコンクリートの界面に塗布すれば、それらの界面の付着性を向上させる。従って、補修用モルタル及び/又はコンクリートの塗り重ね施工に有用である。従って、コンクリート構造物の定期点検時に劣化部分に本発明の界面又は表面処理剤組成物を塗布すれば劣化の進行を防止し、その後の補修工事における断面補修モルタルとも容易に付着することができ、改修工事の工期短縮や工程簡素化に寄与する。
本発明の界面又は表面処理剤組成物をコンクリート下地や補修用モルタルへ塗布するには、ローラー、刷毛、スプレー等を用いる。また、乾燥方法としては、外気の他、室温、加熱乾燥によっても良い。尚、外気で乾燥させる場合は、施工後の降雨によって、ポリエステルやアクリル樹脂が流出しないように必要に応じて養生を行う。塗膜の厚さは、特に限定されないが、10〜100μm、さらに30〜60μmが好ましい。
従来、下水処理場の躯体コンクリートの補修材としては、硫酸5%水溶液にモルタル試験体を1ヶ月間浸漬して、中性化深さが3mm以下の性能を有した耐酸モルタルが用いられてきた。モルタルには、セメントが水和するとき生成する水酸化カルシウム起源のアルカリ性であることから、中性化が早く侵食される。従って、耐酸モルタルは従来、耐酸性能を有する骨材・混和材などを用いて配合設計されてきた。結合材にアルミナセメントを用いて普通モルタルの5倍・10倍の耐酸性能を有する断面修復用耐酸モルタルも開発されてきている。本発明の界面又は表面処理剤組成物を使用することにより、硫酸のモルタルへの侵入が抑制され、耐酸性能が向上する。
以下、界面又は表面処理剤の実施例及び比較例をさらに詳しく本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1<組合せ評価>
イーテック社製アクリル系エマルション「C-420−A1」(B1)と花王社製「ニュートラック2040」(A1)、東亞合成社製水性浸透型吸水防止剤「アクアプルーフ」(A2)、旭化成ジオテック社製シラン・シロキサン系高性能浸透性防水防止材「マジカルリペラー」(A3)又は住友精化社シランエマルション「アクアシール50E」(A4)とを質量比50:50と30:70で混合したものを試料とした。
イーテック社製アクリル系エマルション「C-420−A1」(B1)と花王社製「ニュートラック2040」(A1)、東亞合成社製水性浸透型吸水防止剤「アクアプルーフ」(A2)、旭化成ジオテック社製シラン・シロキサン系高性能浸透性防水防止材「マジカルリペラー」(A3)又は住友精化社シランエマルション「アクアシール50E」(A4)とを質量比50:50と30:70で混合したものを試料とした。
コンクリートJIS平板(300×300×60mm)をサンドブラストにより目粗しを行い、上記調整した界面又は表面処理剤を150g/m2を塗布、24時間後、ポリマーセメント系断面修復材(補修材)TMモルタルα(太平洋マテリアル社製)を10mm厚みで塗りつけたものを試験体とした。
試験体は塗りつけ後、20℃で湿度60%R.H.で養生を実施した。材齢7日及び28日で建研式接着強さ試験器にて、付着強さを測定した。測定結果を表1に示す。
表1の結果、表面処理剤として広く用いられている水性の浸透性吸水防止剤とアクリル系エマルションを混合したが、補修モルタルとの付着は、撥水作用があるために非常に悪く、界面での破断であり付着強さも1N/mm2を下回った。一方、本発明品については2N/mm2以上と非常に良好な付着性能が得られている。
実施例2<界面処理剤としての付着性能>
花王社製「ニュートラック2040」(A1)と、太平洋マテリアル社製エチレン・酢酸ビニル共重合体系エマルション「エフェクト」(C)、イーテック社製アクリル系エマルション「C-420−A1」(B1)又は高圧ガス工業社製スチレン・ブチルアクリレート(メタ)アクリル酸アンモニウム塩「ぺガール809」(B2)とを質量比30:70、50:50、30:70、10:90、90:10で混合したものを試料とした。
花王社製「ニュートラック2040」(A1)と、太平洋マテリアル社製エチレン・酢酸ビニル共重合体系エマルション「エフェクト」(C)、イーテック社製アクリル系エマルション「C-420−A1」(B1)又は高圧ガス工業社製スチレン・ブチルアクリレート(メタ)アクリル酸アンモニウム塩「ぺガール809」(B2)とを質量比30:70、50:50、30:70、10:90、90:10で混合したものを試料とした。
コンクリートJIS平板(300×300×60mm)をサンドブラストにより目粗しを行い、上記調整した界面又は表面処理剤を150g/m2を塗布、24時間後、ポリマーセメント系断面修復材(補修材)TMモルタルα(太平洋マテリアル社製)を10mm厚みで塗りつけたものを試験体とした。
試験体は塗りつけ後、20℃で湿度60%R.H.で養生を実施した。材齢7日及び28日で建研式接着強さ試験器にて、付着強さを測定した。測定結果を表2に示す。
表2より、(A)水分散ポリエステルと(B)アクリル樹脂エマルションとを質量比で1:4〜4:1の範囲で混合した組成物で界面処理すると、付着強さが向上している。一方、(A)水分散ポリエステルと(C)エチレン・酢酸ビニル共重合体エマルションを質量比9:1と7:3で混合した組成物、並びに(A)水分散ポリエステルと(B)アクリル樹脂エマルションを質量比9:1で混合した組成物で界面処理したものは補修モルタルと界面または表面処理剤の界面で破断しており、十分な付着性能ではなかった。
実施例3<表面処理剤としての耐酸性能>
普通セメント(太平洋セメント社製密度3.16)、高炉スラグ微粉末(新日鉄高炉セメント社製エスメント比表面積4000cm2/g)、細骨材(珪砂5号、6号、7号)、メチルセルロース(信越化学工業社製メトローズ90HS4000)、水をそれぞれ400g、100g、500g、0.8g、165gをホバートミキサで練り混ぜた。練混ぜたモルタルをφ75×150mmの簡易型枠で成形し、24時間後脱型し、材齢28日まで水中で養生した。その後2日間20℃60%R.H.で養生後、表1に示す試料を塗布した。
普通セメント(太平洋セメント社製密度3.16)、高炉スラグ微粉末(新日鉄高炉セメント社製エスメント比表面積4000cm2/g)、細骨材(珪砂5号、6号、7号)、メチルセルロース(信越化学工業社製メトローズ90HS4000)、水をそれぞれ400g、100g、500g、0.8g、165gをホバートミキサで練り混ぜた。練混ぜたモルタルをφ75×150mmの簡易型枠で成形し、24時間後脱型し、材齢28日まで水中で養生した。その後2日間20℃60%R.H.で養生後、表1に示す試料を塗布した。
その後、「下水道コンクリート構造物の腐食抑制技術及び防食技術マニュアル」に準じて試験を実施した。すなわち、1日20℃60%R.H.で養生後、試験体を5%硫酸溶液に28日間浸漬した。尚、5%硫酸溶液は試験体1個あたり4.4リットルとして、7日間で全量入れ替えを行った。材齢28日後の重量変化率と硫酸浸透深さの試験結果を表3に示す。
表3より、(A)水分散ポリエステルと(B)アクリル樹脂エマルションとを質量比で1:4〜4:1の範囲で混合した組成物で表面処理すると、耐酸性が向上している(重量変化±10%以下、硫酸浸透深さ3mm以下であり、日本下水道事業団(JS)の規格に適合)。一方、(A)水分散ポリエステルと(C)エチレン・酢酸ビニル共重合体エマルションを混合した組成物、並びに(A)水分散ポリエステルと(B)アクリル樹脂エマルションを質量比1:9で混合した組成物で表面処理しても十分な耐酸性は得られなかった。
実施例4<表面処理剤としての遮塩性能>
普通セメント(太平洋セメント社製密度3.16)、細骨材(珪砂7号・8号)、メチルセルロース(信越化学工業社製メトローズ90HS4000)、SBRエマルション(太平洋CX−B固形分45%)、水をそれぞれ500g、500g、0.3g、75g、225gをホバートミキサで練り混ぜた。練混ぜたモルタルを70×70×2mmの型枠で成形し、材齢7日まで20℃60%R.H.で養生後、表1に示す試料を塗布した。
普通セメント(太平洋セメント社製密度3.16)、細骨材(珪砂7号・8号)、メチルセルロース(信越化学工業社製メトローズ90HS4000)、SBRエマルション(太平洋CX−B固形分45%)、水をそれぞれ500g、500g、0.3g、75g、225gをホバートミキサで練り混ぜた。練混ぜたモルタルを70×70×2mmの型枠で成形し、材齢7日まで20℃60%R.H.で養生後、表1に示す試料を塗布した。
モルタル材齢が28日まで20℃60%R.H.で養生して、日本道路公団試験研究所試験研究推進委員会材料施工研究会試験研究技術資料第121号材料施工資料(第1号)コンクリート保護工平成6年3月「塩害に適用するコンクリート塗装材の品質規格」の試験で遮塩性(耐塩性)試験を実施した。
すなわち、図1に示す測定セルに試験体を挟み、試料を塗布した面のセルに3%食塩水を裏面側には蒸留水を入れて、20℃で30日間放置した後、蒸留水側のセルの塩素イオン量をイオン電極法で定量した。遮塩性は塩素イオン透過量で評価し、表4に示す。
表4より、(A)水分散ポリエステルと(B)アクリル樹脂エマルションとを質量比で1:4〜4:1の範囲で混合した組成物で表面処理すると、耐塩性が向上している(比1.0×10-3mg/cm2−day以下の日本道路公団の規格値に適合)。一方、(A)水分散ポリエステルと(C)エチレン・酢酸ビニル共重合体エマルションを混合した組成物、並びに(A)水分散ポリエステルと(B)アクリル樹脂エマルションを質量比1:9で混合した組成物で表面処理しても十分な耐塩性は得られなかった。
実施例2〜4をまとめると表5となる。尚、表中の○は良好又は規格適合、×は不良又は規格値不適合を表す。
本発明の界面又は表面処理剤組成物は、優れた塗り重ね付着性能と耐酸性・耐塩性を有していることから、橋脚、橋台、トンネル、床版、下水処理場といった土木用コンクリート構造物、コンクリート建築物の補修・補強に用いられる断面修復用モルタルの性能向上に極めて有用である。
Claims (6)
- (A)水分散ポリエステル樹脂と(B)アクリル樹脂エマルションを質量比(A:B)1:4〜4:1の範囲で含有することを特徴とするモルタル及び/又はコンクリートの界面又は表面処理剤組成物。
- モルタル及び/又はコンクリートの界面又は表面が、既設のモルタル及び/又はコンクリートの表面、断面補修用モルタル及び/又はコンクリートの表面、既設のモルタル及び/又はコンクリートと断面補修用モルタル及び/又はコンクリートとの界面、あるいは断面補修用モルタル及び/又はコンクリートと断面補修用モルタル及び/又はコンクリートとの界面である請求項1記載の界面又は表面処理剤組成物。
- モルタル及び/又はコンクリートの界面又は表面に、(A)水分散ポリエステル樹脂と(B)アクリル樹脂エマルションを質量比(A:B)1:4〜4:1の範囲で含有する組成物を塗布することを特徴とする、モルタル及び/又はコンクリートの界面又は表面の処理方法。
- モルタル及び/又はコンクリートの界面又は表面が、既設のモルタル及び/又はコンクリートの表面、断面補修用モルタル及び/又はコンクリートの表面、既設のモルタル及び/又はコンクリートと断面補修用モルタル及び/又はコンクリートとの界面、あるいは断面補修用モルタル及び/又はコンクリートと断面補修用モルタル及び/又はコンクリートとの界面である請求項3記載の界面又は表面の処理方法。
- モルタル及び/又はコンクリートの界面又は表面の耐酸性及び/又は耐塩性を向上させるものである請求項3又は4記載の界面又は表面の処理方法。
- モルタル及び/又はコンクリートの界面の付着性を向上させるものである請求項3又は4記載の界面又は表面の処理方法。
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