JP2011088512A - 案内装置を有する軌条式車両 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明では、案内装置を有する軌条式車両において、案内輪5は、主案内レール31に接して転動する主案内輪51と、分岐案内レール32に接して転動する分岐案内輪52とから構成され、案内枠4は、車幅方向に延びる案内アーム10と案内リンク12とを備え、案内アーム10と案内リンク12とは、第1の回動軸13を介して回動自在に連結され、案内リンク12は、両端に主案内輪51と分岐案内輪52とが回動自在に取付けられた第2の回動軸16を備え、案内アーム10と案内リンク12との間には、緩衝機構19が設けられ、案内輪5が案内レール3に接触して案内リンク12が第1の回動軸13を中心として回動する際に、緩衝機構19が案内リンク12の回動を抑制するようになっている。
【選択図】 図2
Description
しかも、図17の従来例においては、案内輪受74をL型案内アーム72と一体で構成した構造となっているので、案内輪受74にかかる荷重が緩和されることなく、そのままL型案内アーム72に伝わることになる。つまり、図17の従来例では、案内輪受74とL型案内アーム72との間で荷重を吸収する構造とはなっていないという問題もあった。
さらに、案内アームと案内リンクとを分割して、これらの間に緩衝機構を設けるような簡易な構造であるため、車両側の案内装置の重量を軽減することができる。これにより、車両側の案内装置に重量による慣性の悪影響が出にくく、案内装置の各部品の回転等の動作がスムーズとなり、緩衝機構における荷重の吸収効果をより高めることができる。
また、軸部材が円筒状受け部材内で変位したときに、スリットが潰れた段階で円筒状弾性部材の剛性が上がり、軸部材の変位が制限されることになる。したがって、この構成によれば、別個にストッパを設けることなく、案内リンクの過剰な回動を制限することができる。
さらに、案内輪が案内アームと連結部材とによって両持ちで支持されるような構造となるので、案内輪が案内レールに接触して案内リンクが第1の回動軸を中心として回動する際に、第1の回動軸周りに荷重が集中することがなくなり、第1の回動軸を支持するブッシュなどの偏磨耗などをより軽減することができる。これにより、車両の保守の労力がより軽減される。
また、案内輪の外幅寸法が調整することができる構成となっているので、案内装置の各部の加工精度を緩くすることができ、その結果、車両製造時のコストを低減することができる。
さらに、案内輪が案内アームと板状弾性部材とによって両持ちで支持されるような構造となるので、案内輪が案内レールに接触して案内リンクが第1の回動軸を中心として回動する際に、第1の回動軸周りに荷重が集中することがなくなり、第1の回動軸を支持するブッシュなどの偏磨耗などをより軽減することができる。これにより、車両の保守の労力がより軽減される。
また、板状弾性部材は、磨耗することもなく経年変化もない部材であるため、他の磨耗が生じるような部品に比べて交換回数が減り、車両の保守の労力がより軽減される。
また、案内輪の外幅寸法が調整することができる構成となっているので、案内装置の各部の加工精度を緩くすることができ、その結果、車両製造時のコストを低減することができる。
以下、本発明の第1実施形態に係る軌条式車両を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る軌条式車両の台車の平面図であり、図2は、本発明の第1実施形態に係る軌条式車両の案内装置の平面図である。また、図3は、図2のA−A線断面図である。
図2は、図中の上方に向かって走行路線2がカーブしている箇所とする。図2の主案内レール31は、カーブの外側に立設されたものを平行移動させて表示しており、一方、分岐案内レール32については、カーブの内側に立設されたものを平行移動させて表示している。これら主案内レール31と分岐案内レール32は、緩衝機構19の寸法決めのために表示しており、この実施形態においては、緩衝機構19がカーブで接触しないように、主案内レール31と分岐案内レール32との間におさまるように寸法決めを行う必要がある。
一方、分岐案内輪52が分岐案内レール32に接触して車幅方向内側から力を受けると、案内リンク12が第1の回動軸13を中心に矢印Y方向に回動する。この際も同様に、緩衝機構19の緩衝ゴム21がせん断変形することにより案内リンク12の回動が抑制されるようになっている。
この構成によれば、従来と異なり、案内アーム10と案内リンク12とを分割した上で、案内アーム10と案内リンク12との間に緩衝機構19を設けるような構造となっているので、案内アーム10と案内リンク12との間で案内輪5から受ける荷重を吸収することができ、案内枠4へ伝わる荷重や振動等をより軽減することができる。その結果、従来に比べて車両の乗客の乗り心地を向上させることができる。しかも、車両の台車1への荷重や振動等が軽減されることにより、台車1の各部品の磨耗や損傷が減少し、車両の保守の労力がより軽減される。
さらに、案内アーム10と案内リンク12とを分割して、これらの間に緩衝機構19を設けるような簡易な構造であるため、車両側の案内装置の重量を軽減することができる。これにより、車両側の案内装置に重量による慣性の悪影響が出にくく、案内装置の各部品の回転等の動作がスムーズとなり、緩衝機構19における荷重の吸収効果をより高めることができる。
以下、本発明の第2実施形態に係る軌条式車両を、図面を参照しながら説明する。図4は、本発明の第2実施形態に係る軌条式車両の案内装置の平面図である。図5は、図4のA−A線断面図であり、図6は、図4のB−B線断面図である。なお、前述した実施形態で説明したものと同様の部分については、同一の符号を付して重複する説明は省略する。
一方、分岐案内輪52が分岐案内レール32に接触して車幅方向内側から力を受けると、案内リンク12が第1の回動軸13を中心に矢印Y方向に回動する。この際も同様に、緩衝機構19の円筒状緩衝ゴム27がせん断変形することにより案内リンク12の回動が抑制されるようになっている。
また、軸部材25が円筒状受け部材26内で変位したときに、スリット29が潰れた段階で円筒状緩衝ゴム27の剛性が上がり、軸部材25の変位が制限されることになる。したがって、この構成によれば、別個にストッパを設けることなく、案内リンク12の過剰な回動を制限することができる。
以下、本発明の第3実施形態に係る軌条式車両を、図面を参照しながら説明する。図7は、本発明の第3実施形態に係る軌条式車両の案内装置の平面図である。図8は、図7のA−A線断面図であり、図9は図7のB−B線断面図である。なお、前述した実施形態で説明したものと同様の部分については、同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図7及び9に示すように、横梁9には、案内リンク12の第2の支持部18と同じ方向に延出する緩衝機構受け部30が設けられている。緩衝機構受け部30は、上側板状部材33と下側板状部材34とから構成され、これら上側及び下側板状部材33,34は、間隔をおいて互いに平行になるように配置されている。
一方、分岐案内輪52が分岐案内レール32に接触して車幅方向内側から力を受けると、案内リンク12が第1の回動軸13を中心に矢印Y方向に回動する。この際、緩衝ロッド39の引張方向の弾性力により案内リンク12の回動が抑制されるようになっている。
また、緩衝ロッド39と各軸状部材35,38との結合部には、ターンバックルが設けられているので、案内輪5の外幅寸法の調整を行うことができる。しかも、案内輪5の外幅寸法が調整することができる構成となっているので、案内装置の各部の加工精度を緩くすることができ、その結果、車両製造時のコストを低減することができる。
以下、本発明の第4実施形態に係る軌条式車両を、図面を参照しながら説明する。図10は、本発明の第4実施形態に係る軌条式車両の案内装置の平面図である。図11は、図10のA−A線断面図であり、図12は図10のB−B線断面図である。なお、前述した実施形態で説明したものと同様の部分については、同一の符号を付して重複する説明は省略する。
一方、分岐案内輪52が分岐案内レール32に接触して車幅方向内側から力を受けると、案内リンク12が第1の回動軸13を中心に矢印Y方向に回動する。この際も同様に、弾性部材44の緩衝ゴム49がせん断変形することにより案内リンク12の回動が抑制されるようになっている。
また、案内輪5の外幅寸法が調整することができる構成となっているので、案内装置の各部の加工精度を緩くすることができ、その結果、車両製造時のコストを低減することができる。
以下、本発明の第5実施形態に係る軌条式車両を、図面を参照しながら説明する。図13は、本発明の第5実施形態に係る軌条式車両の案内装置の平面図である。図14は、図13のA−A線断面図である。なお、前述した実施形態で説明したものと同様の部分については、同一の符号を付して重複する説明は省略する。
一方、分岐案内輪52が分岐案内レール32に接触して車幅方向内側から力を受けると、案内リンク12が第1の回動軸13を中心に矢印Y方向に回動する。この際も同様に、緩衝機構19の円筒状緩衝ゴム60がせん断変形することにより案内リンク12の回動が抑制されるようになっている。
また、軸部材58が円筒状受け部材59内で変位したときに、スリット62が潰れた段階で円筒状緩衝ゴム60の剛性が上がり、軸部材58の変位が制限されることになる。したがって、この構成によれば、別個にストッパを設けることなく、案内リンク12の過剰な回動を制限することができる。
以下、本発明の第6実施形態に係る軌条式車両を、図面を参照しながら説明する。図15は、本発明の第6実施形態に係る軌条式車両の案内装置の平面図である。図16は、図15の板状弾性部材を側面から見た図である。なお、前述した実施形態で説明したものと同様の部分については、同一の符号を付して重複する説明は省略する。
一方、分岐案内輪52が分岐案内レール32に接触して車幅方向内側から力を受けると、案内リンク12が第1の回動軸13を中心に矢印Y方向に回動する。この際も同様に、板状弾性部材63のたわみ性により案内リンク12の回動が抑制されるようになっている。
2 走行軌道
3 案内レール
31 主案内レール
32 分岐案内レール
4 案内枠
5 案内輪
51 主案内輪
52 分岐案内輪
6 車軸
7 走行輪
8 縦梁
9 横梁
10 案内アーム
11 案内輪受け
12 案内リンク
13 第1の回動軸
14 第1の回動軸のフランジ
15 締結部材
16 第2の回動軸
17 第1の支持部
18 第2の支持部
19 緩衝機構
20 座板
21,49 緩衝ゴム
22,50 金属板
23,53 ストッパ
24,54 ストッパ受け
25,58 軸部材
26,59 円筒状受け部材
27,60 円筒状緩衝ゴム
28 締結部材
29,62 スリット
30 緩衝機構受け部
33,34 板状部材
35 第1の軸状部材
36 支持部材
37 締結部材
38 第2の軸状部材
39 緩衝ロッド
40 第1の弾性ブッシュ
41 第2の弾性ブッシュ
42 緩衝機構支持部
43 連結部材
44 弾性部材
45 第1の板状部
46 第2の板状部
47 第3の支持部
48 座板
55,64 溝
56,65 溝受け部
57,66 長穴
61 円筒部61
63 板状弾性部材
67 丸穴
71 (従来)横梁
72 (従来)L型案内アーム
73 (従来)ピン
74 (従来)案内輪受
75 (従来)主案内輪
76 (従来)分岐案内輪
77 (従来)ガイド軸
78 (従来)緩衝ゴム
79 (従来)ゴム座
81 (従来)案内アーム
82 (従来)進退棒
83 (従来)案内筒
84 (従来)案内輪ブラケット
85 (従来)案内輪
86 (従来)ガイド部
87 (従来)ガイド棒
88 (従来)緩衝ばね
91 (従来)案内枠
92 (従来)案内横梁
93 (従来)案内輪
94 (従来)緩衝ロッド
95 (従来)案内レール
Claims (12)
- 走行軌道の両側に設置される案内レールと、車両側の案内枠に取付けられる案内輪とを備え、該案内輪が前記案内レールに接して転動することによって前記車両を案内する案内装置を有する軌条式車両において、
前記案内輪は、前記案内レールのうち走行軌道に沿って設置される主案内レールに接して転動する主案内輪と、前記案内レールのうち前記走行軌道の分岐箇所に設置される分岐案内レールに接して転動する分岐案内輪とから構成され、前記案内枠は、車幅方向に延びる案内アームと該案内アームの車幅方向両側に取付けられる案内リンクとを備え、前記案内アームと前記案内リンクとは、第1の回動軸を介して回動自在に連結され、前記案内リンクは、両端に前記主案内輪と前記分岐案内輪とが回動自在に取付けられた第2の回動軸を備え、前記案内アームと前記案内リンクとの間には、緩衝機構が設けられており、前記案内輪が前記案内レールに接触して前記案内リンクが前記第1の回動軸を中心として回動する際に、前記緩衝機構が前記案内リンクの回動を抑制するようになっていることを特徴とする案内装置を有する軌条式車両。 - 前記緩衝機構は、前記第1の回動軸を挟んで前記案内輪に対して反対側に配置されており、前記緩衝機構は、弾性部材であることを特徴とする請求項1に記載の案内装置を有する軌条式車両。
- 前記弾性部材は、前記第1の回動軸と平行となるように配置されるとともにその両端が前記案内アームと前記案内リンクとに取付けられており、前記弾性部材は、前記案内アームが前記第1の回動軸を中心として回動する際にかかる荷重をせん断方向で受けるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の案内装置を有する軌条式車両。
- 前記緩衝機構は、前記第1の回動軸を挟んで前記案内輪に対して反対側に配置されており、前記緩衝機構は、前記案内アームと前記案内リンクとの間において前記第1の回動軸に対して平行に配置された軸部材と、該軸部材の周囲を囲うように配置された円筒状受け部材と、前記軸部材と前記円筒状受け部材との間に配置された円筒状弾性部材とから構成され、前記円筒状弾性部材には、前記案内輪にかかる荷重方向と平面的に直交する方向に複数のスリットが形成されており、前記複数のスリットが、前記軸部材を挟んで対称に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の案内装置を有する軌条式車両。
- 前記案内アームは、車幅方向の外側端部に案内輪受けを備え、前記案内リンクは、前記案内輪受けに前記第1の回動軸を介して回転自在に取付けられ、前記緩衝機構は、前記第1の回動軸を挟んで前記案内輪に対して反対側に配置されており、前記緩衝機構は、前記案内リンクにおける第1の回動軸側の端部と前記案内枠とを連結する緩衝ばねであることを特徴とする請求項1に記載の案内装置を有する軌条式車両。
- 前記案内リンクと前記緩衝ばねとは、弾性ブッシュ又は球面ブッシュを介して軸結合され、前記案内アームと前記緩衝ばねとは、弾性ブッシュ又は球面ブッシュを介して軸結合されていることを特徴とする請求項5に記載の案内装置を有する軌条式車両。
- 前記緩衝機構は、前記案内輪を挟んで前記第1の回動軸に対して反対側の前記案内リンクの端部と前記案内枠とを連結する連結部材と、該連結部材と前記案内枠との間に配置された弾性部材とから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の案内装置を有する軌条式車両。
- 前記弾性部材は、前記第1の回動軸と平行となるように配置されるとともにその両端が前記連結部材と前記案内枠とに取付けられており、前記弾性部材は、前記案内アームが前記第1の回動軸を中心として回動する際にかかる荷重をせん断方向で受けるように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の案内装置を有する軌条式車両。
- 前記緩衝機構は、前記案内輪を挟んで前記第1の回動軸に対して反対側の前記案内リンクの端部と前記案内枠とを連結する連結部材と、該連結部材と前記案内アームとの間において前記第1の回動軸に対して平行に配置された軸部材と、該軸部材の周囲を囲うように配置された円筒状受け部材と、前記軸部材と前記円筒状受け部材との間に配置された円筒状弾性部材とから構成され、該円筒状弾性部材には、前記案内輪にかかる荷重方向と平面的に直交する方向に複数のスリットが形成されており、前記複数のスリットが、前記軸部材を挟んで対称に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の案内装置を有する軌条式車両。
- 前記案内リンクの連結部材側端部の外側表面には、垂直方向に延びる溝が車幅方向に複数並列して形成され、前記連結部材の案内リンク側端部の外側表面には、垂直方向に延びる溝受け部が車幅方向に複数並列して形成され、前記案内リンクと前記連結部材とは、前記溝と前記溝受け部とが係合することにより互いに連結されていることを特徴とする請求項7ないし9のいずれか一項に記載の案内装置を有する軌条式車両。
- 前記緩衝機構は、前記案内輪を挟んで前記第1の回動軸に対して反対側に配置されており、前記緩衝機構は、前記案内リンクの第1の回動軸側の端部に対して反対側の端部と前記案内枠とを連結する板状弾性部材であり、該板状弾性部材は、前記案内リンクから前記案内枠に向かってクランク状に形成されるとともに、その幅方向が垂直方向になるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の案内装置を有する軌条式車両。
- 前記案内リンクの弾性部材側端部の外側表面には、垂直方向に延びる溝が車幅方向に複数並列して形成され、前記板状弾性部材の案内リンク側端部の外側表面には、垂直方向に延びる溝受け部が車幅方向に複数並列して形成され、前記案内リンクと前記板状弾性部材とは、前記溝と前記溝受け部とが係合することにより互いに連結されていることを特徴とする請求項11に記載の案内装置を有する軌条式車両。
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