JP6213825B2 - 走行台車及び軌道式車両 - Google Patents
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Description
しかしながら、操舵輪の幅寸法が大きくなると、操舵輪と軌道との摩擦力、キングピンオフセット量、セルフアライニングトルク等が大きくなるため、操舵輪の操舵に要する力が大きくなる。すなわち、操舵輪を操舵する際に案内装置がガイドレールから受ける反力が大きくなってしまう。
その一方で、案内装置やガイドレールの強度や耐久性には制約があるため、操舵輪を操舵する際に案内装置がガイドレールから受ける反力を大きくすることが困難である。
以上のように、アシスト機構の補助操舵力が操舵輪に付与されることで、案内装置がガイドレールから受ける反力を小さく抑えながら、操舵輪を操舵することが可能となる。
さらに、旋回アームの旋回角度に対する操舵機構の動きが小さくなることで、操舵輪の操舵角度を精度よく調整することも可能となる。
この場合、走行台車が軌道の直線部分を走行する際に案内装置が反力を受けて旋回しても、旋回ばね及び旋回ダンパによって案内装置をさらに速やかに直進状態に戻すことができる。したがって、走行台車は軌道の直線部分においてより安定した状態で走行することが可能となる。
図1,2に示すように、本実施形態における軌道式車両1(以下、単に車両1と称す)は、軌道2の幅方向両側部に設けられた、いわゆるサイドガイド型のガイドレール3によって案内されて軌道2の走行路4上を走行する。
車両1は、車体5と、走行台車6とを備える。車体5は、走行方向の前後に長い略直方体の中空形状をなしている。この車体5の内部には、乗客を収容可能な空間が形成されている。
緩衝装置17は、車体5と台車枠16との間に設けられている。緩衝装置17は、走行路4の路面上の凹凸などによる振動が車体5に伝わることを防止する。緩衝装置17は、例えばばね部材19を備える。ばね部材19は、例えば車体5の車幅方向に互いに間隔をあけて二つ配されている。ばね部材19は、例えば空気ばねであってもよい。
案内枠21は、横梁23A,23Bと、縦梁(旋回アーム)24と、を備える。横梁23A,23Bは、操舵輪12よりも車幅方向の両外側まで延びて形成されている。また、横梁23A,23Bは、操舵輪12の走行方向の前方および後方にそれぞれ配置されている。縦梁24は、操舵輪12の走行方向に延びており、前後一対の横梁23A,23B同士を車幅方向の中間部分において接続している。縦梁24は、その延在方向の中間部分において台車本体11に対して旋回軸O2回りに旋回可能に取り付けられている。
この案内装置13において、横梁23A,23Bの延在方向に沿う案内装置13の幅寸法は、ガイドレール3間の寸法よりも小さく設定されている。また、案内装置13では、一部の案内輪22がガイドレール3に押し付けられることで、ガイドレール3からの反力を受けて旋回する(図6参照)。
第一連結アーム25の長手方向の第一端は、操舵輪12と共に操舵軸O1回り(操舵輪12の操舵方向)に回動可能に取り付けられている。
また、一方(図2において左側)の操舵機構14Aでは、第二連結アーム26Aが弾性変形可能な弾性部材となっている。第二連結アーム26Aの弾性率は、案内装置13の旋回角度に対する操舵輪12の操舵角度が一義的に定まるように、大きく設定されることが好ましい。また、第二連結アーム26Aの弾性率は、後述するアシスト機構の弾性変形部の弾性率よりも大きく設定されるとよい。
L1>L2
L2>L3
第一操作アーム31の長手方向の第一端は、操舵輪12と共に操舵軸O1回りに回動可能に取り付けられている。第一操作アーム31は、車両1の走行方向に関して操舵軸O1から操舵機構14の第一連結アーム25と逆向きに延びるように設けられている。
第二操作アーム32は、案内装置13の旋回に応じて回転軸O4回りに回転するように、案内装置13に連結されている。本実施形態では、第二操作アーム32の第二端が案内枠21の縦梁24に連結されている。さらに、本実施形態では、第二操作アーム32の第二端が、第三操作アーム34を介して縦梁24に連結されている。第三操作アーム34の第一端は、第二操作アーム32の第二端に回転自在に連結されている。第三操作アーム34の第二端は、縦梁24に回転自在に連結されている。
縦梁24における第二操作アーム32との連結部分は、旋回軸O2と、縦梁24の端部(横梁23A,23Bとの接続部分)との間に位置している。また、縦梁24における第二操作アーム32との連結部分は、縦梁24における第二連結アーム26との連結部分との間に旋回軸O2が配されるように位置している。
弾性変形部33の長手方向の第一端33aは、第一操作アーム31の第二端に回転自在に連結されている。弾性変形部33の第二端33bは、第二操作アーム32のうち回転軸O4から離間した部分に回転自在に連結されている。本実施形態では、第二操作アーム32における弾性変形部33との連結部分が、第二操作アーム32における縦梁24との連結部分と回転軸O4との間に位置している。
以下、本実施形態の弾性変形部33の具体的な構成について説明する。
ピストンロッド36はケース35の第二端から突出している。ピストンロッド36はケース35に対して伸縮可能に設けられている。ピストンロッド36の突出方向の先端は、例えば弾性変形部33の第二端33bをなしている。ケース35内部に位置するピストンロッド36の基端には、ケース35の内部空間をケース35の軸方向に分割する仕切り板39が設けられている。
クッション材38は、その弾性率がばね部材37A,37Bと比較して非常に小さく、外力を付与しても弾性力をほとんど生じない特性を有する。クッション材38は、例えば低反発ウレタン材などからなる。クッション材38は、仕切り板39に対向するケース35の内面と各ばね部材37A,37Bとの間に一つずつ配されている。
例えば、ピストンロッド36をケース35に対して伸ばす方向に所定の変位x1まで変位させた際には、第一ばね部材37Aとケース35内面との間のクッション材38のみが圧縮変形し、第一ばね部材37Aは弾性変形しない。そして、ピストンロッド36を所定の変位x1よりも大きく変位させると、クッション材38が完全に潰れて圧縮変形しないため、第一ばね部材37Aが圧縮され、弾性変形する。この際、第二ばね部材37Bは弾性変形しない。これにより、弾性変形部33には第一ばね部材37Aの弾性変形に伴って、ピストンロッド36を縮める方向への弾性力が発生する。
上記した弾性変形部33の弾性力は、第一操作アーム31を介して操舵輪12に伝えられ、補助操舵力として操舵輪12に付与される。
L3>L4
L1>L5
L6>L7
L7>L4
L2<L5
本実施形態の走行台車6では、旋回ばね41及び旋回ダンパ42の長手方向の各第一端が台車本体11に回転自在に連結されている。旋回ばね41及び旋回ダンパ42の各第二端は、案内装置13のうち旋回軸O2から離れた部分に回転自在に連結されている。
車両1が、図5,6に示すように、軌道2の曲線部分を走行する際には、案内装置13の案内輪22が、曲線部分の外軌側に配されるガイドレール3から、主に前方の外軌側の案内輪22が車幅方向外側からの反力Fを受ける。この反力Fに基づいて、案内装置13は、案内装置13の前方側(横梁23A側)が内軌側のガイドレール3に近づくように旋回軸O2回りに旋回する。また、案内装置13の旋回に伴い、操舵機構14により前述の反力Fを利用した操舵力が操舵輪12に付与されて、操舵輪12が操舵軸O1回りに案内装置13の旋回方向と同じ方向に操舵される。すなわち、操舵輪12を軌道2の曲線部分に沿う車両1の進行方向に向けることができる。これにより、車両1が軌道2の曲線部分に沿って走行する。
案内装置13がガイドレール3からの反力Fを受けて旋回した際には、第二操作アーム32に、これを回転軸O4回りに回転させる力(回転力)が付与される。ここで、第二操作アーム32における第六距離L6は、第二操作アーム32における第七距離L7よりも長い。このため、第二操作アーム32が回転して第一操作アーム31との相対的な距離が変化した際には、弾性変形部33に上記回転力よりも大きな力が作用し、弾性変形部33が弾性変形する。これにより、弾性変形した弾性変形部33の弾性力F1は、第二操作アーム32に作用する回転力よりも大きくなる。すなわち、第二操作アーム32は、所謂「てこ」を構成している。第二操作アーム32において、回転軸O4が「てこ」の支点、案内装置13との連結部分が「てこ」の力点、弾性変形部33との連結部分が「てこ」の作用点となっている。
また、第二操作アーム32が弾性変形部33から受ける補助操舵力(弾性力F1)の反力は、第二操作アーム32の回転軸O4を介して台車本体11で受けるため、案内装置13がガイドレール3から受ける反力を減らしながら、補助操舵力を効率よく操舵輪12に付与することができる。
さらに、縦梁24の旋回角度に対する操舵機構14の動きが小さくなることで、操舵輪12の操舵角度を精度よく調整することも可能となる。
例えば、アシスト機構15は、一方の操舵輪12と案内装置13との間のみに設けられることに限らず、両方の操舵輪12と案内装置13との間にそれぞれ設けられてもよい。
また、アシスト機構15において、第二操作アーム32における弾性変形部33との連結部分の位置は、上記実施形態のように設定されることに限らず、少なくとも第二操作アーム32における第七距離L7が第六距離L6よりも短くなるように、例えば、第二操作アーム32における縦梁24との連結部分の間に回転軸O4が配される位置に設定されてもよい。
また、弾性変形部33は、直進状態からの操舵輪12の操舵角度が所定角度以下である場合に弾性変形しないように構成されることに限らず、例えば、操舵輪12が直進状態から操舵された際に弾性変形するように構成されてもよい。この場合、弾性変形部33は例えばクッション材38を省いて構成されればよい。また、弾性変形部33は、例えば一つのコイルばね等のばね部材のみにより構成されてもよい。
Claims (6)
- 軌道に沿って設けられたガイドレールに案内されて走行する走行台車であって、
操舵輪と、
前記操舵輪を支持する台車本体と、
前記台車本体に対して旋回可能に支持されて、前記ガイドレールからの反力を受けて旋回する案内装置と、
前記案内装置が受けた反力を利用して前記操舵輪に操舵力を付与する操舵機構と、
前記操舵機構による操舵力を補助する補助操舵力を前記操舵輪に付与するアシスト機構と、
を備え、
前記アシスト機構が、
前記操舵輪と共に該操舵輪の操舵方向に回動する第一操作アームと、
前記台車本体に対して回転軸回りに回転可能に取り付けられると共に、前記案内装置に連結され、前記案内装置の旋回に応じて前記回転軸回りに回転する第二操作アームと、
前記第一操作アーム及び前記第二操作アームに連結され、前記第一操作アーム及び前記第二操作アームの相対的な距離の変化に伴って弾性変形可能な弾性変形部と、を備え、
前記第二操作アームにおいて前記回転軸から前記案内装置との連結部分までの距離が、前記回転軸から前記弾性変形部との連結部分までの距離よりも長いことを特徴とする走行台車。 - 前記第二操作アームにおける前記弾性変形部との連結部分が、前記第二操作アームにおける前記案内装置との連結部分及び前記回転軸の間に位置することを特徴とする請求項1に記載の走行台車。
- 前記案内装置が、前記台車本体に対して旋回軸回りに旋回可能に取り付けられる旋回アームを備え、
前記旋回アームにおいて前記旋回軸から前記第二操作アームとの連結部分までの距離が、前記旋回軸から前記操舵機構との連結部分までの距離よりも長いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の走行台車。 - 前記弾性変形部は、直進状態からの前記操舵輪の操舵角度が所定角度以下である場合に弾性変形しないことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の走行台車。
- 前記操舵機構が、前記操舵輪と、前記案内装置とを連結する弾性変形可能な弾性部材を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の走行台車。
- 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の走行台車と、該走行台車に支持される車体と、を備えることを特徴とする軌道式車両。
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