JP3688461B2 - 車両の案内操向装置 - Google Patents

車両の案内操向装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、案内輪を案内レールに当接させることで、走行軌道に沿って車両を案内しながら走行させる車両の案内操向装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
実開昭64−25959号公報に記載のものと類似の従来技術を、図4、図5を用いて説明する。図4(a)は案内操向装置を搭載した車両の平面図、(b)は側面図である。図において、20は走行面、21はその両側に設けられた案内レール(走行軌道の両側壁で構成される場合もある)である。車両Mの後部及び前部には、一対の車軸1、2がそれぞれ軸線を左右方向に延ばして設けられている。
【0003】
後部の車軸1は駆動軸、前部の車軸2は従動軸であり、駆動軸側について先に述べる。駆動軸である車軸1は、駆動機構に連結されて回転駆動される。車軸1の両端には、自在継手を内装したナックル部(図示略)が設けられ、ナックル部にはキングピン(図示略)により軸受部(図示略)が水平面内で回動自在に支持され、軸受部には走行輪3が垂直面内で回動自在に支持されている。また、ナックル部には、平面視形状がU字型の案内アーム5が走行輪3を囲むように取り付けられ、各案内アーム5の先端には、水平面内で回動自在な主案内輪7が取り付けられている。そして、主案内輪7が案内レール21に接して左右方向の力を受けることにより、案内アーム5、軸受部、走行輪3が一体にキングピンを中心として回動し、車両Mが案内操向されるようになっている。
【0004】
また、図5に示すように、案内アーム5の先端の主案内輪7の下側には、分岐案内輪8が設けられている。主案内輪7と分岐案内輪8は、一体の軸9の上下端にそれぞれ独立して回転するように取り付けられ、その軸9の中央部が、案内軸受10の二つ割りのボスにより固定されている。分岐案内輪8は、走行軌道の分岐部において、案内レール21の下側内方に設置された分岐案内レール21によりガイドされて車両Mを一方の軌道に導くもので、案内レール21が主案内輪7に外方側から接触して力FA(車両の内側に向かう力)を及ぼすのに対し、分岐案内レール21は分岐案内輪8に内方から接触して力FB(車両の外側に向かう力)を及ぼすようになっている。また、車軸1の両端部に設けられた左右の案内アーム5は、タイロッド11により連結されている。また、符号12で示すものは、案内アーム5を中立位置に戻すための中立復帰ロッドである。なお、上記の説明は駆動軸側についてであるが、従動軸(車軸2)側の機構もほぼ同様の構造となっている。
【0005】
上記案内操向装置の作用を述べる。
軌道の直線部を走行する場合には、左右の案内輪7はそれぞれ左右の案内レール21に当接しつつ転動し、軸受部及び走行輪3を直進状態に保持する。また、軌道の曲線部においては、曲線の外側の案内輪7のみが案内レール21に当接しつつ転動し、案内アーム5が、前後の案内輪7が案内レール21に押されて動くことにより、キングピンを中心に回動する。そして、他方の(内側の)案内アーム5も、外側の案内アーム5の回動とともにタイロッド11から力を受けて、キングピンを中心として回動することにより、軸受部及び走行輪3が一体に回動して、車両Mを案内レール21に沿って所定の方向に操向する。
【0006】
この場合、主案内輪7及び分岐案内輪8は、案内アーム5の先端部とほぼ直角をなす案内レール21、22と接触し、車両が案内レール21、22に沿って走行するときに、車両に対して案内レール21、22の変化を案内アーム5を通して走行輪3に伝える。従って、案内レール21、22からの動きは、直接、走行輪3、車軸1、2を通して車両に伝えられ、案内レール21、22に段差等の不整があった場合や、案内レール21、22の線形が急激に変化するような場所を通過する場合には、車両にそのショックが伝達されることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この点、従来のこの種の案内操向装置においては、案内輪7、8として、剛性の低い小型の空気タイヤを使用する場合と、剛性の高いウレタンゴム車輸を使用する場合との2種類があった。
【0008】
しかし、空気タイヤを使用する場合は、案内輪の剛性が低くなることから、緩衝機能を十分に期待することができるものの、その直径が大きくなることから、側方案内方式で分岐案内輪を直下に装備しなければならない新交通システムのような車両構造には適用が難しかった。
【0009】
一方、ウレタンゴム車輪を使用する場合は、その直径を小さくできることから上記の車両構造に適用できるが、案内輪の剛性が高くなるため、案内レールの不整や段差等による衝撃を十分に緩和することができず、衝撃の影響が案内アームを通して車両に及ぶ可能性があった。
【0010】
本発明は、上記事情を考慮し、剛性の高い案内輪を使用した場合でも、案内輪から車両へと伝わるショックを緩和することのできる車両の案内操向装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、走行軌道の両側に設置された案内レールに接して転動する案内輪と、該案内輪を軸受を介して回転自在に支持し案内輪が案内レールより車両の左右方向の力を受けることで変位する案内アームとを備え、該案内アームの変位によって車両を案内操向する車両の案内操向装置において、前記案内輪として、案内レールから車両の内側に向かう力を受ける主案内輪と、案内レールから車両の外側に向かう力を受ける分岐案内輪との2つが設けられ、前記案内アームの先端にL型てこが回動自在に軸支され、該L型てこの一端に前記主案内輪と分岐案内輪とが、案内レールから力を受けたときにL型てこに回転モーメントを発生するように軸受を介して取り付けられ、前記L型てこの他端には緩衝用弾性部材を介して前記案内アームが連結され、前記緩衝用弾性部材は、前記主案内輪から車両の内側に向かう力と分岐案内輪から車両の外側に向かう力の両方を吸収して案内アームへ伝わる衝撃を吸収することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の第1実施形態の案内操向装置の主要部の平面図である。全体的な構成は図4のものと同じであり、ここでは図1を用いて主要部のみ説明する。図1に示した部分は、図4の例えばI部に該当するが、他の部分も図1と同様の構造になっている。
【0016】
図に示す平面視形状がU字型の案内アーム30(図4の案内アーム5に相当する)は、その中間部にて水平面内で揺動自在に支持されており、各先端部に主案内輪7と分岐案内輪8とが軸受10を介して取り付けられている。両案内輪7、8の配置は従来と同じである。そして、主案内輪7あるいは分岐案内輪8が案内レールより車両の左右方向の力を受けることで、案内アーム30が揺動し、案内アーム30の揺動によって、走行輪(本図では図示略)が操向されるようになっている。ここで、案内操向時に、主案内輪7は案内レールから車両の内側に向かう力FAを受け、分岐案内輪8は案内レールから車両の外側に向かう力FBを受ける。
【0017】
この実施形態の装置の場合、軸受10と案内アーム30の先端間には、L型てこ35が介在されている。案内アーム30の先端には、フランジ30a、32によりブラケット31が結合されており、このブラケット31にL型てこ35がピン33により水平面内で回動自在に軸支されている。このL型てこ35の一方のリンク35aは案内アーム30の先端の延長方向に延び、他方のリンク35bは案内アーム30の先端の延長方向と直交する方向(ここでは走行輪側)に延びている。L型てこ35の一方のリンク35aの先端には、他方のリンク35bと同じ側に延びる案内輪取付リンク36が突設され、この案内輪取付リンク36の先端に軸受10や軸9を介して主案内輪7と分岐案内輪8とが水平面内で回転自在に設けられている。そして、これにより、主案内輪7あるいは分岐案内輪8が案内レールから力を受けたときに、L型てこ35に対しピン33回りに矢印(イ)または(ロ)方向の回転モーメントを発生するようになっている。
【0018】
また、L型てこ35の他方のリンク35bの先端は、前記ブラケット31のフランジ32の延長部32aに対し、ガイド軸39を介して連結されている。ガイド軸39は、一端がリンク35bにピン38で回動自在に結合され、他端がボルト40と座金41と筒状の緩衝ゴム(緩衝用弾性部材)51、52とを用いて、前記フランジ32の延長部32aに連結されている。この場合、筒状の緩衝ゴム51、52は、フランジ32の延長部32aの表裏面に、それぞれゴム座43、44、45、46に挟まれて配されている。そして、ガイド軸39の矢印(ハ)方向及び矢印(ニ)方向の両方の動きに対して緩衝作用を発揮するようになっている。なお、緩衝ゴム51、52の代わりにバネを配してもよい。
【0019】
次に作用を説明する。
主案内輪7が案内レールより車両の内側に向かう力FAを受けると、L型てこ35がピン33の回りに矢印(イ)方向に回転しようとする。その動きはガイドロッド39の矢印(ハ)方向の動きとなるが、緩衝ゴム51、52が変形することで、その動きを吸収する。従って、主案内輪7の受ける衝撃は緩衝ゴム51、52によって吸収されることになり、案内アーム30側には伝わらない。また、主案内輪7の大きな動きはL型てこ35を介して案内アーム30に伝わるので、車両が主案内輪7の動きに従って操向される。
【0020】
同様に、分岐案内輪8が分岐案内レールより車両の外側に向かう力FBを受けると、L型てこ35がピン33の回りに矢印(ロ)方向に回転しようとする。その動きはガイドロッド39の矢印(ニ)方向の動きとなるが、緩衝ゴム51、52が変形することで、その動きを吸収する。従って、分岐案内輪8の受ける衝撃は緩衝ゴム51、52によって吸収されることになり、案内アーム30側には伝わらない。また、分岐案内輪8の大きな動きはL型てこ35を介して案内アーム30に伝わるので、車両が分岐案内輪8の動きに従って操向される。
【0021】
このように、主案内輪7及び分岐案内輪8に衝撃が加わっても、その衝撃を緩衝ゴム51、52によって吸収することができるので、案内アーム30を介して伝達される車体側へのショックを和らげることができる。よって、主案内輪7や分岐案内輪8として剛性の高い小径のウレタンゴム車輪を使用した場合にも、車体の振動を少なくして、乗り心地を良くすることができる。また、案内レールから最も近い位置で衝撃を吸収するので、ステアリング系への影響が少なく、ステアリング系の耐久性を高めることができる上、案内輪7、8自体の衝撃負荷も緩和することができるので、案内輪7、8の寿命を延ばすこともできる。
【0022】
次に本発明の第2実施形態を説明する。
図2は本発明の第2実施形態の案内操向装置の平面図、図3は図2のIII−III矢視断面図である。
【0023】
平面視形状がU字型の案内アーム30(図4の案内アーム5に相当する)は、その中間部にて水平面内で揺動自在に支持されており、各先端部に主案内輪7と分岐案内輪8とが軸受10を介して取り付けられている。主案内輪7あるいは分岐案内輪8が案内レールより車両の左右方向の力を受けることにより、案内アーム30が揺動し、案内アーム30の揺動によって走行輪(本図では図示略)が操向され、案内操向時に、主案内輪7が案内レールから車両の内側に向かう力FAを受け、分岐案内輪8が案内レールから車両の外側に向かう力FBを受ける。以上の点は第1実施形態と同じである。
【0024】
違う点は、軸受10と案内アーム30の先端間に案内輪取付アーム65が介在され、その案内輪取付アーム65の先端に主案内輪7と分岐案内輪8とが軸受10、軸9を介して取り付けられ、案内輪取付アーム65と案内アーム30の連結部に、緩衝用弾性部材としての緩衝ゴム70が介在されている点である。
【0025】
詳しく述べると、案内アーム30の先端フランジ30aと、案内アーム30の先端の延長線上に延びる案内輪取付アーム65の基端フランジ66との間に、図3に示すように、ゴム座71、72に挟まれた形で筒状の緩衝ゴム70が配されている。両ゴム座71、72は、案内アーム30の先端フランジ30aに溶接固定された誘導軸75に沿ってスライド自在に組まれ、また、案内輪取付アーム65の基端フランジ66にボルト止めされた、ガイド筒79の内筒面に沿ってスライド自在に嵌まっている。また、ゴム座71とフランジ66の間には、スペーサー78が入れられ、誘導軸75にゴム座72、緩衝ゴム70、ゴム座71の順に組み込まれ、先端で、座金76とナット77により固定されている。
なお、緩衝ゴム70の代わりにばねを配しても良い。
【0026】
次に図3を用いて作用を説明する。
主案内輪7または分岐案内輪8に、案内レールから力FAまたはFBが作用した場合、誘導軸75に沿って案内輪取付アーム65が水平に変位する。
FAの力が作用した場合には、フランジ66でスペーサ78を介してゴム座71が誘導軸75に沿ってスライドし、そのことで緩衝ゴム70が圧縮され、衝撃が緩和される。
また、FBの力が作用した場合は、フランジ66にボルト止めされた、ガイド筒79の先端の引っかかりで、ゴム座72を誘導軸75に沿ってスライドさせ、そのことで、緩衝ゴム70が圧縮され、衝撃が緩和される。
また、主案内輪7または分岐案内輪8の大きな動きは、案内輪取付アーム65を介して案内アーム30に伝わるので、車両が主案内輪7あるいは分岐案内輪8の動きに従って操向される。その結果、第1実施形態と同様な効果を奏する。
【0027】
なお、上記実施形態では、各走行輪ごとに設けたU字型の案内アーム30に案内輪7、8を設けた形式について述べたが、車両の左右方向に延びる直線状の案内アーム(一般に案内バーと呼ばれている)の両端に案内輪を設け、連動手段で案内アームの左右方向変位を走行輪の操向運動として伝える形式の案内操向装置にも本発明は適用できる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、案内アームの先端に緩衝用弾性部材を介して設けたL型てこに主案内輪と分岐案内輪とを軸受を介して取り付けたので、この弾性部材により、案内レールを通して主案内輪及び分岐案内輪に加わる外乱を緩衝吸収することができ、車両への影響を最小限に抑えることができる。従って、剛性の高い小径のウレタンゴム車輪を案内輸として使用することができ、側方案内方式で分岐案内輪を直下に装備しなければならない新交通システムのような車両構造にも標準仕様で適用することができる。また、案内レールから近い位置で外乱を吸収できるので、ステアリング系への影響を軽減できるのはもちろん、案内輪自体の衝撃負荷も緩和することができ、寿命をのばすことができる。更に、主案内輪と分岐案内輪の両方に加わる衝撃を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の要部の平面図である。
【図2】 本発明の第2実施形態の要部の平面図である。
【図3】 図2のIII−III矢視断面図である。
【図4】 従来の車両の案内操向装置の全体構成を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図5】 図4のV−V矢視断面図である。
【符号の説明】
7 主案内輪
8 分岐案内輪
10 軸受
30 案内アーム
35 L型てこ
51,52,70 緩衝ゴム(緩衝用弾性部材)
65 案内輪取付アーム

Claims (1)

  1. 走行軌道の両側に設置された案内レールに接して転動する案内輪と、
    該案内輪を軸受を介して回転自在に支持し案内輪が案内レールより車両の左右方向の力を受けることで変位する案内アームとを備え、該案内アームの変位によって車両を案内操向する車両の案内操向装置において、
    前記案内輪として、案内レールから車両の内側に向かう力を受ける主案内輪と、案内レールから車両の外側に向かう力を受ける分岐案内輪との2つが設けられ、
    前記案内アームの先端にL型てこが回動自在に軸支され、該L型てこの一端に前記主案内輪と分岐案内輪とが、案内レールから力を受けたときにL型てこに回転モーメントを発生するように軸受を介して取り付けられ、前記L型てこの他端には緩衝用弾性部材を介して前記案内アームが連結され、
    前記緩衝用弾性部材は、前記主案内輪から車両の内側に向かう力と分岐案内輪から車両の外側に向かう力の両方を吸収して案内アームへ伝わる衝撃を吸収することを特徴とする車両の案内操向装置。
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