JP6975655B2 - 案内輪緩衝装置、台車、及び車両 - Google Patents
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Description
新交通システムの具体例としては、例えば、APM(Automated People Mover:全自動無人運転車両)や都市内向けAGT(Automated Guideway Transit:自動案内軌条旅客輸送システム)等がある。
取付アームは、車両に取り付けられ、車両の幅方向の外側に延出している。緩衝リンクは、取付アームの先端に設けられ、車両の進行方向に延びている。
案内輪支持部は、緩衝リンクの他端に設けられた回転軸を含む。案内輪支持部は、回転可能な状態で案内輪を支持している。
緩衝用弾性部は、緩衝リンクを鉛直方向に貫通する第二孔と、第二孔に挿入された第二ロッドと、第二ロッドと第二孔との間に設けられた第二弾性ブッシュと、を有する。第二ロッドは、ボルトにより取付アームに固定されている。
しかしながら、このように、第二弾性ブッシュを硬くすると、衝撃吸収能力が低くなるため、乗り心地が悪くなってしまうという問題があった。
用弾性部を備えることで、案内輪が小さい荷重を受けた場合には、変位または変位速度の
大きい緩衝体を用いて、荷重を吸収することが可能となる。一方、案内輪が大きな荷重を
受けた場合には、変位または変位速度が小さい緩衝体を用いて、荷重を吸収することが可
能となる。したがって、乗客の乗り心地を向上させることができる。
また、このように、第1の軸体の外周面と第1の筒状部材の内周面とを連結し、第1の弾性体よりも剛性の低い第2の弾性体(変位が大きい緩衝体)を有することで、案内輪が小さい荷重を受けた場合には、第2の弾性体により荷重を吸収することが可能となる。
また、第2の弾性体よりも剛性の高い第1の弾性体(変位が小さい緩衝体)を有することで、案内輪が大きな荷重を受けた際、第1の弾性体により荷重を吸収することが可能となる。したがって、乗客の乗り心地を向上させることができる。
また、距離調整部材を有することで、案内輪が非常に大きな荷重を受けた場合や第1及
び第2の弾性体に不具合が生じた場合において、距離調整部材と第1の筒状部材の内周面とを接触させることが可能となる。つまり、距離調整部材をストッパーとして機能させることが可能となる。これにより、取付アームに対する案内輪の位置が大きく変位することを抑制できる。
用弾性部を備えることで、案内輪が小さい荷重を受けた場合には、変位または変位速度の
大きい緩衝体を用いて、荷重を吸収することが可能となる。一方、案内輪が大きな荷重を
受けた場合には、変位または変位速度が小さい緩衝体を用いて、荷重を吸収することが可
能となる。したがって、乗客の乗り心地を向上させることができる。
また、このような構成とされた弾性体及び減衰機構を有することで、案内輪が小さい荷重を受けた場合には、弾性体により荷重を吸収することが可能になるとともに、案内輪が大きい荷重を受けた場合には、減衰機構により荷重を吸収することが可能となる。これにより、乗客の乗り心地を向上させることができる。
また、弾性体、及び減衰機構を含む構造体を有することで、弾性体の共振域を低周波数側へシフトさせるとともに、振動伝達率を低下させて共振の発生を抑制することができる。
また、上記構成とされた第1及び第2の弁を有することで、第1の液封室内の液体を第2の液封室へと供給する流路として第1の流路を用いることが可能になるとともに、第2の液封室内の液体を第1の液封室へと供給する流路として第2の流路を用いることが可能となる。
また、第2の流路では、第2の流路を流れる流体が第2の部材を押す際に働く第2のバネの弾性力と、第2の絞り部を流体が通過する際に発生する抵抗により、減衰力を発生させることが可能となる。
したがって、内径が一定とされた第1及び第2の流路のみを用いる場合と比較して、荷重の減衰効果を高めることができる。
これにより、案内輪荷重が直接第1のボルトに付加されることが無くなる(第1のボルトに直接引っ張り荷重が付加されることがなくなる)ため、第1のボルトの緩みの発生や第1のボルトの不具合を抑制できる。
また、本発明の一態様に係る案内輪緩衝装置は、車両の車体の下方に配置された案内枠と接続された取付アームと、前記取付アームに設けられ、一方向に延びる緩衝リンクと、前記緩衝リンクに設けられ、前記取付アームに対して揺動可能な状態で前記緩衝リンクを支持する緩衝リンク支持部と、前記車両の走行軌道に敷設された案内レールと接触することで、摩擦力を受けて転動する案内輪と、前記緩衝リンクに設けられ、前記案内輪を回転可能な状態で支持する案内輪支持部と、前記緩衝リンクを前記取付アームに対して弾性的に支持する緩衝用弾性部と、を備え、前記緩衝用弾性部は、前記案内輪が受ける荷重に対する変位または変位速度が異なる複数の緩衝体を有し、前記緩衝リンク支持部は、前記緩衝リンクを貫通する第2の孔に挿入された第2の筒状部材と、前記第2の筒状部材に挿入されるとともに、前記取付アームに固定される第2の軸体と、前記第2の筒状部材の内周面と対向する前記第2の軸体の外周面、または前記第2の筒状部材の内周面に設けられた第3のストッパー部と、前記第2の軸体と前記第2の筒状部材との間に設けられ、前記第2の軸体と前記第2の筒状部材とを連結する第3の弾性体と、前記第2の軸体の両端部を前記緩衝リンクに固定する第2のボルトと、を備え、前記第2のボルトは、前記案内輪が荷重を受ける方向に対して直交する方向から前記第2の軸体を前記緩衝リンクに固定する。
本発明によれば、荷重に対する変位または変位速度が異なる複数の緩衝体を有する緩衝
用弾性部を備えることで、案内輪が小さい荷重を受けた場合には、変位または変位速度の
大きい緩衝体を用いて、荷重を吸収することが可能となる。一方、案内輪が大きな荷重を
受けた場合には、変位または変位速度が小さい緩衝体を用いて、荷重を吸収することが可
能となる。したがって、乗客の乗り心地を向上させることができる。
また、このように、緩衝リンク支持部が第3のストッパー部を有することで、案内輪が非常に大きな荷重を受けた場合や第1及び第2の弾性体に不具合が生じた場合において、第3のストッパー部と第2の筒状部材または第2の軸体とを接触させることが可能となる。これにより、取付アームに対して案内輪の位置が大きく変位することを抑制できる。
また、案内輪が荷重を受ける方向に対して直交する方向から第2の軸体を緩衝リンクに固定する第2のボルトを有することで、第1のボルトが緩んだ場合でも切欠き部から第1の軸体が外れることを抑制できる。
また、案内輪が荷重を受ける方向に対して直交する方向から第2の軸体を緩衝リンクに固定する第2のボルトを有することで、第1のボルトが緩んだ場合でも切欠き部から第1の軸体が外れることを抑制できる。
図1を参照して、第1の実施形態の車両10について説明する。図1において、X方向は車両10の幅方向(緩衝リンク27の幅方向)、Z方向は鉛直方向をそれぞれ示している。
図1では、車両10の一例として、軌道7の幅方向の両側に設けられ、主案内レール3、及び主案内レール3よりも内側に配置された分岐案内レール4を有する案内レール5によって案内されて軌道7の走行路8上を走行する軌道式車両を例に挙げて図示する。
走行輪15は、車軸(図示せず)の両端に連結されている。走行輪15としては、例えば、ゴムタイヤを用いることが可能である。
一対の縦梁は、一対の横梁22の間に設けられている。一対の縦梁は、一対の横梁22を連結している。
なお、以下の説明において、主案内輪荷重L1及び分岐輪荷重L2のうち、少なくとも一方を指す場合には、「案内輪荷重」という場合がある。
図1〜図7において、同一構成部分には、同一符号を付す。
板状部材40は、第1の突出部41と、切欠き部43と、第1のボルト孔45と、第2の突出部47と、第2のボルト孔49と、を有する。
切欠き部43は、緩衝用弾性部35を構成する第1の軸体58の端部の外周面58cと接触することが可能な形状とされている。切欠き部43は、第1の軸体58の上端部または下端部の一部を収容している。
一端部27Aは、案内輪29の配置領域に対応する端部である。他端部27Bは、第2の突出部47の近傍に位置する端部である。
第1の孔52は、緩衝リンク27の中央部に設けられている。第1の孔52は、緩衝リンク27の中央部をZ方向に貫通している。
第2の孔53は、緩衝リンク27の他端部27Bに設けられている。第2の孔53は、他端部27BをZ方向に貫通している。
軸体28は、上端部及び下端部が緩衝リンク27から突出するように、貫通孔51に挿入されている。
分岐輪33は、分岐する際に分岐案内レール4と接触する外周面33aを有する。分岐輪33は、分岐案内レール4と接触することで、摩擦力を受けて転動する。このとき、分岐輪33には、図2に示すように分岐輪荷重L2が付加される。
なお、主案内輪32と主案内レール3とが接触した状態から、分岐輪33と分岐案内レール4とが接触した状態に切り替わった瞬間において、分岐輪33には非常に大きな分岐輪荷重L2が付加される。
第1の軸体58は、ボルト用切欠き部58A,58Bを有する。ボルト用切欠き部58Aは、第1の軸体58の上端部に設けられている。ボルト用切欠き部58Aには、先に説明した第1のボルト孔45の一部が形成されている。
ボルト用切欠き部58Aは、第1のボルト36の頭部36Aと接触する当接面58aを有する。当接面58aは、Y方向に対して直交する平面とされている。
ボルト用切欠き部58Bは、第1のボルト36の頭部36Aと接触する当接面58bを有する。当接面58bは、Y方向に対して直交する平面とされている。
これにより、案内輪荷重が直接第1のボルト36に付加されることが無くなる(第1のボルト36に直接引っ張り荷重が付加されることがなくなる)ため、第1のボルト36の緩みの発生や第1のボルト36の不具合を抑制できる。
距離調整部材61は、第1の筒状部材56の内周面56aと対向する外周面61aを有する。外周面61aは、第1の弾性体65及び第1のストッパー部63が配置される面である。
このような構成とされた距離調整部材61を有することで、案内輪29が非常に大きな荷重を受けた場合や第1のストッパー部63及び第1の弾性体65に不具合が生じた場合において、距離調整部材61と第1の筒状部材56の内周面56aとを接触させることが可能となる。つまり、距離調整部材61をストッパーとして機能させることが可能となる。これにより、取付アーム25に対する案内輪29の位置が大きく変位することを抑制できる。
外周面61aと内周面56aとの間には、第1のストッパー部63、及び第1の弾性体65を配置するための空間が形成されている。
このような構成とされた第1のストッパー部63は、先に説明した距離調整部材61と同様な効果を得ることができる。また、距離調整部材61の外周面61aに第1のストッパー部63を設けることで、距離調整部材61よりも狭い範囲で取付アーム25に対する案内輪29の位置を規制することができる。
第1の弾性体65は、第1のストッパー部63よりも第1の筒状部材56の内周面56a側に突出している。第1の弾性体65と第1の筒状部材56の内周面56aとの間には、第1の隙間G1よりも狭い第2の隙間G2が形成されている。
第1の弾性体65は、案内輪29が大きな案内輪荷重を受けた際に、大きな案内輪荷重を吸収する。
これにより、第2の弾性体67は、距離調整部材61、第1のストッパー部63、及び第1の弾性体65から離れた状態で、Z方向から距離調整部材61を挟み込むように配置されている。第2の弾性体67は、第1の弾性体65よりも変位の大きい弾性体である。つまり、第2の弾性体67は、第1の弾性体65よりも剛性の低い弾性体である。
第2の弾性体67は、案内輪緩衝装置20−1に小さい案内輪荷重が付加された際、小さい案内輪荷重を吸収する。
第1及び第2の弾性体65,67の材料としては、例えば、剛性が異なるゴム(例えば、ニトリルゴム)を用いることが可能である。
そして、案内輪29に大きな案内荷重が付加された場合には、第1の弾性体65と第1の筒状部材56とが接触することで、第1の弾性体65により大きな案内輪荷重を吸収する。
さらに、案内輪29に第1の弾性体65が受け止めることの困難な大きさの案内輪荷重が付加された場合には、第1のストッパー部63と第1の筒状部材56とが接触することで、取付アーム25に対する案内輪29の位置が大きく変位することを抑制する。
第2の軸体73の上端部及び下端部(両端部)には、先に説明した第2のボルト孔49と、当接用切欠き部81と、ボルト用切欠き部82と、がそれぞれ形成されている。
当接用切欠き部81及びボルト用切欠き部82は、第2の軸体73の一部を切欠くことで形成されている。当接用切欠き部81及びボルト用切欠き部82は、X方向において対向するように配置されている。
第3のストッパー部75としては、例えば、リング形状とされた金属製の部材を用いることが可能である。
このような形状とされた切欠き部86を有することで、切欠き部86から第1の軸体58を外れにくくすることができる。
図9及び図10を参照して、第2の実施形態に係る案内輪緩衝装置90について説明する。図9及び図10では、案内輪緩衝装置90の主要部(第1の実施形態の案内輪緩衝装置20−1と異なる部分)のみ図示する。
緩衝用弾性部91は、緩衝用弾性部35を構成する距離調整部材61、第1のストッパー部63、第1の弾性体65、及び第2の弾性体67に替えて、第1のストッパー部92、一対の液封室である第1及び第2の液封室93,94と、第1の流路96と、第2の流路97と、弾性体99と、第1の空気室101と、第2の空気室102と、を有すること以外は、緩衝用弾性部35と同様に構成されている。
外周面92aは、液封室載置面92b,92cを有する。液封室載置面92b,92cは、X方向において対向する平面とされている。
第1及び第2の液封室93,94は、変位速度が小さい緩衝体である。第1及び第2の液封室93,94には、液体が充填されている。液体としては、例えば、シリコンオイルや液状シリコンゴム等を用いることが可能である。
第1及び第2の流路96,97は、図3に示す案内輪29が大きな案内輪荷重を受けた際、第1の液封室93(または、第2の液封室94)から第2の液封室94(または、第1の液封室93)に液体を移動させる。
このとき、狭い流路である第1及び第2の流路96,97を移動する液体が抵抗を受けるため、大きな案内輪荷重を減衰させることができる。
つまり、第2の実施形態の案内輪緩衝装置90は、第1の液封室93、第2の液封室94、第1の流路96、及び第2の流路97を含む減衰機構100を有する。減衰機構100は、弾性体99が吸収可能な荷重よりも大きな荷重を吸収する。
弾性体99は、変位が大きい緩衝体であり、減衰機構100と比較して小さい荷重に対して荷重吸収効果を発揮しやすい。
案内輪29が小さな案内輪荷重を受けた際、最初に減衰機構100が荷重を受けるが、減衰機構100は弾性体99と比較して小さい荷重では荷重吸収効果を発揮しにくいため、その周囲に配置された弾性体99が優先して荷重を吸収する。このようにして、弾性体99は、小さい案内輪荷重を吸収する。
弾性体99の材料としては、第1の実施形態で説明した第2の弾性体67と同様な材料を用いることが可能である。
第2の空気室102は、第2の液封室94の周囲を囲むようにリング状に形成されている。第2の空気室102は、第1の筒状部材56の近傍に配置されている。なお、第2の空気室102は、第2の液封室94の周囲に配置されていればよく、例えば、互いに離間した複数の空気室により第2の空気室102を構成してもよい。
緩衝用弾性部116は、減衰機構100に替えて、減衰機構118を有すること以外は緩衝用弾性部91と同様に構成されている。
減衰機構118は、減衰機構100を構成する第1及び第2の流路96,97に替えて、絞り部122が形成された流路121を有すること以外は、減衰機構100と同様に構成されている。
緩衝用弾性部126は、減衰機構100に替えて、減衰機構128を有すること以外は緩衝用弾性部91と同様に構成されている。
減衰機構128は、減衰機構100に、さらに第1及び第2の弁131,132を設けたこと以外は、減衰機構100と同様に構成されている。
第1の板バネ131Aは、一部が第2の液封室94に通じる第1の流路96の端と対向するように、液封室載置面92cに配置されている。
ボルト131Bは、液封室載置面92cに第1の板バネ131Aを固定している。
第1の板バネ131Aは、第1の液封室93から第2の液封室94に向かう方向に第1の流路96を流れる液体の圧力が所定圧力を超えた際に開かれ、これ以外の時には閉じられる。
第2の板バネ132Aは、一部が第1の液封室93に通じる第2の流路97の端と対向するように、液封室載置面92bに配置されている。
ボルト132Bは、第2の板バネ132Aが開閉可能な状態で、液封室載置面92bに第2の板バネ132Aを固定している。
第2の板バネ132Aは、第2の液封室94から第1の液封室93に向かう方向に第2の流路97を流れる液体の圧力が所定圧力を超えた際に開かれ、これ以外の時には閉じられる。
また、第1の液封室93内の液体を第2の液封室94へと供給する流路として第1の流路96を用いることが可能になるとともに、第2の液封室94内の液体を第1の液封室93へと供給する流路として第2の流路97を用いることが可能となる。
さらに、上記構成とされた第1及び第2の弁131,132を用いることで、第1及び第2の弁131,132を逆止弁として利用することができる。
このように、第1及び第2の板バネ131A,132Aの剛性が異なることで、分岐輪荷重に対する減衰力と、主案内輪荷重に対する減衰力とを異ならせることができる。
緩衝用弾性部141は、減衰機構100に替えて、減衰機構142を有すること以外は緩衝用弾性部91と同様に構成されている。
減衰機構142は、減衰機構100を構成する第1及び第2の流路96,97に替えて第1及び第2の流路143,145を設け、さらに、第1の絞り部147と、第1の部材148と、第1のバネ149と、第2の絞り部151と、第2の部材153と、第2のバネ154と、を有すること以外は、減衰機構100と同様に構成されている。
第1の流路143は、第1の液封室93側に位置する第1の流路143の端部143Bを構成し、他の部分よりも径の大きい第1の大径部143Aを有する。
第2の流路145は、第2の液封室94側に位置する第2の流路145の端部145Bを構成し、他の部分よりも径の大きい第2の大径部145Aを有する。
第1の部材148は、第1の大径部143A内に配置されている。第1の部材148は、第1の大径部143A内を移動可能で、かつ第1の流路143の他の部分の内径よりも大きい部材である。第1の部材148としては、例えば、球状の部材を用いることが可能である。
第1のバネ149は、第1の大径部143A内のうち、第1の部材148と第1の絞り部147との間に配置されている。
案内輪29(図3参照)が大きな案内輪荷重を受けて、第1の軸体58に向かう方向に第2の液封室94が押された場合、第2の液封室94内の液体は、第1の液封室93に向かう方向に第1の流路143内を移動する。
そして、第1の流路143を流れる液体の圧力が所定圧力を超えると、第1の流路143と第1の部材148との間に隙間が形成され、第1の大径部143A内に液体が流れ込み、その後、第1の絞り部147を介して、第1の液封室93に液体が供給される。
この場合、減衰機構142は、第1の大径部143Aを除いた部分の第1の流路143、及び第1の絞り部147を液体が通過する際に案内輪荷重を減衰させる。
第2のバネ154は、第2の大径部145A内のうち、第2の部材153と第2の絞り部151と間に配置されている。
第2の絞り部151、第2の部材153、及び第2のバネ154よりなる構造体は、先に説明した第1の絞り部147、第1の部材148、及び第1のバネ149よりなる構造体と同様な動作を行う。
このように、第1及び第2のバネ149,154の剛性が異なることで、分岐輪荷重に対する減衰力と、主案内輪荷重に対する減衰力とを異ならせることができる。
図14を参照して、本発明の第3の実施形態に係る案内輪緩衝装置160について説明する。図14において、図5に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
緩衝用弾性部161は、第2の弾性体67と第1の突出部41との間に位置する第1の軸体58の外周面58cにリング形状とされた第2のストッパー部163を設けたこと以外は、緩衝用弾性部35と同様に構成されている。
緩衝用弾性部171は、第2の弾性体67と第1の突出部41との間に位置する第1の筒状部材56の内周面56aにリング形状とされた第2のストッパー部173を設けたこと以外は、緩衝用弾性部35と同様に構成されている。
図16に示す案内輪緩衝装置180のように、距離調整部材61、第1のストッパー部63、及び第1の弾性体65を有していない緩衝用弾性部181に、第2のストッパー部163を適用してもよい。または、第2のストッパー部173を適用してもよい。
図17において、Jは特許文献1に記載された案内輪緩衝装置の緩衝用弾性部の緩衝体として硬いゴムを用いた場合の結果、Lは図16に示す案内輪緩衝装置180を用いた場合(Jの結果を得る際に使用したゴムよりもかなり柔らかいゴムを使用した場合)の結果、Mは案内輪緩衝装置20−1を用いた場合(Jの結果を得る際に使用したゴムよりもかなり柔らかいゴムを使用した場合)の結果である。
図18を参照するに、特許文献1の場合、振動特性のピークにより、案内輪緩衝機構が案内レールとの間で共振し、車両の左右振動が増幅され乗り心地が悪化するとともに、案内輪緩衝機構と案内レールとの間で異音が発生してしまう。
一方、緩衝用弾性部91の場合、異音が発生する周波数を避けるように、振動特性のピークを低周波数側にシフトさせることが可能になる。また、緩衝用弾性部91の場合、第1及び第2の流路96,97を流れる液体による減衰効果により、振動伝達を低下させ、案内輪の振動現象を抑制するとともに、車両の走行の安定性を確保することができる。
4…分岐案内レール
5…案内レール
7…軌道
8…走行路
10…車両
11…車体
13…台車
15…走行輪
18…案内枠
20−1,20−2,90,115,125,140,160,170,180…案内輪緩衝装置
22…横梁
22A,22B…端部
25…取付アーム
25A…基端部
25B…接続部
25C…先端部
27…緩衝リンク
27A…一端部
27B…他端部
28…軸体
29…案内輪
30…案内輪支持部
32…主案内輪
32a,33a,58c,61a,92a…外周面
33…分岐輪
35,91,116,126,141,161,171,181…緩衝用弾性部
36…第1のボルト
36A,79A…頭部
37…緩衝リンク支持部
40…板状部材
41…第1の突出部
41a,47a…面
43…切欠き部
45…第1のボルト孔
47…第2の突出部
49…第2のボルト孔
51…貫通孔
52…第1の孔
53…第2の孔
56…第1の筒状部材
58…第1の軸体
58a,58b…当接面
58c…外周面
58A,58B…ボルト用切欠き部
61…距離調整部材
61a…外周面
63,92…第1のストッパー部
65…第1の弾性体
67…第2の弾性体
72…第2の筒状部材
73…第2の軸体
75…第3のストッパー部
77…第3の弾性体
79…第2のボルト
80…調整ライナー
81…当接用切欠き部
81a,82a…平面
82…ボルト用切欠き部
92b,92c…液封室載置面
93…第1の液封室
94…第2の液封室
96,143…第1の流路
97,145…第2の流路
99…弾性体
100,118,128,142…減衰機構
101…第1の空気室
102…第2の空気室
121…流路
122…絞り部
131…第1の弁
131A…第1の板バネ
131B,132B…ボルト
132A…第2の板バネ
132…第2の弁
143A…第1の大径部
143B,145B…端部
145A…第2の大径部
147…第1の絞り部
148…第1の部材
149…第1のバネ
151…第2の絞り部
153…第2の部材
154…第2のバネ
163,173…第2のストッパー部
L1…主案内輪荷重
L2…分岐輪荷重
G1…第1の隙間
G2…第2の隙間
G3…第3隙間
Claims (20)
- 車両の車体の下方に配置された案内枠と接続された取付アームと、
前記取付アームに設けられ、一方向に延びる緩衝リンクと、
前記緩衝リンクに設けられ、前記取付アームに対して揺動可能な状態で前記緩衝リンクを支持する緩衝リンク支持部と、
前記車両の走行軌道に敷設された案内レールと接触することで、摩擦力を受けて転動する案内輪と、
前記緩衝リンクに設けられ、前記案内輪を回転可能な状態で支持する案内輪支持部と、
前記緩衝リンクを前記取付アームに対して弾性的に支持する緩衝用弾性部と、
を備え、
前記緩衝用弾性部は、前記案内輪が受ける荷重に対する変位または変位速度が異なる複数の緩衝体を有し、
前記緩衝用弾性部は、前記緩衝リンクを貫通する第1の孔内に設けられた第1の筒状部材と、
前記第1の筒状部材に挿入されるとともに、前記取付アームに固定される第1の軸体と、
前記第1の軸体の外周面のうち、前記第1の筒状部材の内周面と対向する面に設けられた距離調整部材と、
前記第1の筒状部材の内周面と対向する前記距離調整部材の外周面に設けられ、前記第1の筒状部材の内周面側に突出する第1の弾性体と、
前記第1の軸体の外周面と前記第1の筒状部材の内周面とを連結するように設けられた第2の弾性体と、
を備え、
前記複数の緩衝体は、前記第1の弾性体、及び第2の弾性体を含み、
前記第1の弾性体は、前記第2の弾性体よりも剛性が高い案内輪緩衝装置。 - 前記距離調整部材の面の一部に設けられ、前記第1の筒状部材の内周面側に突出する第1のストッパー部を有し、
前記第1のストッパー部の突出量は、前記第1の弾性体の突出量よりも小さい請求項1記載の案内輪緩衝装置。 - 前記距離調整部材の形状は、前記第1の軸体の外周面を周方向に囲むリング形状であり、
前記第1のストッパー部の形状、及び前記第1の弾性体の形状は、前記距離調整部材の外周面を囲むリング形状である請求項2記載の案内輪緩衝装置。 - 車両の車体の下方に配置された案内枠と接続された取付アームと、
前記取付アームに設けられ、一方向に延びる緩衝リンクと、
前記緩衝リンクに設けられ、前記取付アームに対して揺動可能な状態で前記緩衝リンクを支持する緩衝リンク支持部と、
前記車両の走行軌道に敷設された案内レールと接触することで、摩擦力を受けて転動する案内輪と、
前記緩衝リンクに設けられ、前記案内輪を回転可能な状態で支持する案内輪支持部と、
前記緩衝リンクを前記取付アームに対して弾性的に支持する緩衝用弾性部と、
を備え、
前記緩衝用弾性部は、前記案内輪が受ける荷重に対する変位または変位速度が異なる複数の緩衝体を有し、
前記緩衝用弾性部は、前記緩衝リンクを貫通する第1の孔内に設けられた第1の筒状部材と、
前記第1の筒状部材に挿入されるとともに、前記取付アームに固定される第1の軸体と、
前記第1の孔内に設けられ、液体が充填された一対の液封室と、
前記一対の液封室を連結するように形成され、前記液体が流れる流路と、
前記第1の軸体と前記第1の筒状部材との間に、前記一対の液封室を封止するように設けられ、かつ前記第1の軸体の外周面と前記第1の筒状部材の内周面とを連結する弾性体と、
を備え、
前記複数の緩衝体は、前記荷重が小さいときに該荷重を吸収する前記弾性体と、前記一対の液封室及び前記流路を含み、該弾性体が吸収できない大きな荷重を吸収する減衰機構とを、を含む案内輪緩衝装置。 - 前記第1の軸体の外周面のうち、前記第1の筒状部材の内周面と対向する面に設けられた第1のストッパー部を有する請求項4記載の案内輪緩衝装置。
- 前記一対の液封室を構成する各液封室の周囲に位置する前記弾性体に形成された空気室を有する請求項4または5記載の案内輪緩衝装置。
- 前記一対の液封室は、前記案内輪が荷重を受ける方向において対向配置されている請求項4から6のうち、いずれか一項記載の案内輪緩衝装置。
- 前記流路には、絞り部が形成されている請求項4から7のうち、いずれか一項記載の案内輪緩衝装置。
- 前記流路は、前記一対の液封室を連結する第1及び第2の流路を有する請求項4から7のうち、いずれか一項記載の案内輪緩衝装置。
- 前記一対の液封室は、第1の液封室と、第2の液封室と、を有しており、
前記第2の液封室に通じる前記第1の流路の端を開閉する第1の弁と、
前記第1の液封室に通じる前記第2の流路の端を開閉する第2の弁と、
を備える請求項9記載の案内輪緩衝装置。 - 前記第1の弁は、前記第1の液封室から前記第2の液封室に向かう方向に前記第1の流路を流れる前記液体により開かれ、
前記第2の弁は、前記第2の液封室から前記第1の液封室に向かう方向に前記第2の流路を流れる前記液体により開かれる請求項10記載の案内輪緩衝装置。 - 前記第1の弁は、前記第1の流路の端を開閉する第1の板バネを有し、
前記第2の弁は、前記第2の流路の端を開閉する第2の板バネを有しており、
前記第1及び第2の板バネは、剛性が異なる請求項10または11記載の案内輪緩衝装置。 - 前記一対の液封室は、第1の液封室と、第2の液封室と、を有しており、
前記第1の流路は、前記第1の液封室側の端部に形成され、他の部分よりも径の大きい第1の大径部を有し、
前記第2の流路は、前記第2の液封室側の端部に形成され、他の部分よりも径の大きい第2の大径部を有しており、
前記第1の大径部内に配置され、前記第1の大径部内を移動可能で、かつ前記第1の流路の前記他の部分の内径よりも大きい第1の部材と、
前記第1の大径部の前記第1の液封室側の端に形成された第1の絞り部と、
前記第1の大径部のうち、前記第1の部材と前記第1の絞り部との間に配置された第1のバネと、
前記第2の大径部内に配置され、前記第2の大径部内を移動可能で、かつ前記第2の流路の前記他の部分の内径よりも大きい第2の部材と、
前記第2の大径部の前記第2の液封室側の端に形成された第2の絞り部と、
前記第2の大径部のうち、前記第2の部材と前記第2の絞り部との間に配置された第2のバネと、
を備える請求項9記載の案内輪緩衝装置。 - 前記第1及び第2のバネは、剛性が異なる請求項13記載の案内輪緩衝装置。
- 前記第1の筒状部材の内周面と対向する前記第1の軸体の外周面または前記第1の筒状部材の内周面に第2のストッパー部を備える請求項2から14のうち、いずれか一項記載の案内輪緩衝装置。
- 前記取付アームには、切欠き部が形成されており、
前記切欠き部は、前記第1の軸体の端部の外周面の一部と接触した状態で該第1の軸体の一部を収容しており、
前記案内輪が荷重を受ける方向に対して直交する方向から前記第1の軸体を前記取付アームに固定する第1のボルトを備える請求項1から請求項14のうち、いずれか一項記載の案内輪緩衝装置。 - 車両の車体の下方に配置された案内枠と接続された取付アームと、
前記取付アームに設けられ、一方向に延びる緩衝リンクと、
前記緩衝リンクに設けられ、前記取付アームに対して揺動可能な状態で前記緩衝リンクを支持する緩衝リンク支持部と、
前記車両の走行軌道に敷設された案内レールと接触することで、摩擦力を受けて転動する案内輪と、
前記緩衝リンクに設けられ、前記案内輪を回転可能な状態で支持する案内輪支持部と、
前記緩衝リンクを前記取付アームに対して弾性的に支持する緩衝用弾性部と、
を備え、
前記緩衝用弾性部は、前記案内輪が受ける荷重に対する変位または変位速度が異なる複数の緩衝体を有し、
前記緩衝リンク支持部は、前記緩衝リンクを貫通する第2の孔に挿入された第2の筒状部材と、
前記第2の筒状部材に挿入されるとともに、前記取付アームに固定される第2の軸体と、
前記第2の筒状部材の内周面と対向する前記第2の軸体の外周面、または前記第2の筒状部材の内周面に設けられた第3のストッパー部と、
前記第2の軸体と前記第2の筒状部材との間に設けられ、前記第2の軸体と前記第2の筒状部材とを連結する第3の弾性体と、
前記第2の軸体の両端部を前記緩衝リンクに固定する第2のボルトと、
を備え、
前記第2のボルトは、前記案内輪が荷重を受ける方向に対して直交する方向から前記第2の軸体を前記緩衝リンクに固定する案内輪緩衝装置。 - 前記緩衝リンク支持部は、前記緩衝リンクを貫通する第2の孔に挿入された第2の筒状部材と、
前記第2の筒状部材に挿入されるとともに、前記取付アームに固定される第2の軸体と、
前記第2の筒状部材の内周面と対向する前記第2の軸体の外周面、または前記第2の筒状部材の内周面に設けられた第3のストッパー部と、
前記第2の軸体と前記第2の筒状部材との間に設けられ、前記第2の軸体と前記第2の筒状部材とを連結する第3の弾性体と、
前記第2の軸体の両端部を前記緩衝リンクに固定する第2のボルトと、
を備え、
前記第2のボルトは、前記案内輪が荷重を受ける方向に対して直交する方向から前記第2の軸体を前記緩衝リンクに固定する請求項1から請求項12のうち、いずれか一項記載の案内輪緩衝装置。 - 請求項1から請求項18のうち、いずれか一項記載の案内輪緩衝装置を備える台車。
- 請求項19記載の台車と、
前記台車上に設けられた前記車体と、
を備える車両。
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