JP6059613B2 - 鉄道車両用台車 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両用台車に関する。
一般的な鉄道車両用台車は、車軸の両端部に車輪を有する輪軸と、輪軸を回転自由に保持する軸箱と、台車の骨格をなす台車枠等から構成されている。軸箱は、軸箱支持装置によって台車枠に対して、鉄道車両の進行方向からみて前後方向、左右方向、上下方向に弾性支持されている。
鉄道車両が高速走行した場合、台車が激しく左右方向、ヨー方向に揺れ始める、蛇行動と呼ばれる、自励振動による不安定現象が発生する可能性がある。このため、蛇行動が生じる限界速度を営業速度に対して十分に高くし、安定性を確保するように設計する必要があるため、軸箱支持装置による軸箱の前後方向の支持剛性は、比較的高く設定される。
一方、鉄道車両が曲線を通過する際には、車輪とレール間の左右方向に生じる力である横圧が発生する。著大な横圧は、車輪及びレールの摩耗を促進し、車輪レール間のきしみ等による振動・騒音の発生を招き、軌道破壊、脱線の発生を確実に予防するため、保守費が高騰するという問題がある。
そのため、走行安全性や、保守費の削減、周辺環境への配慮といった観点から、横圧は低減されることが望ましい。そのためには、軸箱の前後方向の支持剛性を低く設定して、輪軸が曲線方向にスムースに追随させることが有効である。
このように、鉄道車両では、高速走行時と曲線走行時とで、輪軸及び台車の支持剛性の最適値が異なるため、高速走行安定性と曲線通過性能はトレードオフの関係となり、両走行性能をバランスさせるため、台車支持構造の最適設計が必要となる。
この相反する要求に対して、例えば、特許文献1には、内部に流体室と流路を備えたピン付きゴムブッシュが開示されている。
欧州特許第1457706号
特許文献1に示される鉄道車両用のピン付きゴムブッシュは、軸ハリ式の鉄道車両用台車に適用されるもので、ピンと、外筒と内筒と、弾性要素と、流体室と、流路で構成されている。
このピン付きゴムブッシュは、外筒と内筒の間に流体室と流路を形成しなければならないため、通常のピン付きゴムブッシュに比べ寸法が大きくなる。そのため、このピン付きゴムブッシュに対応した形状の台車枠と軸ハリを新たに設計する必要があり、既存のものに対して大幅な設計変更が必要となる。しかも、大きなピン付きゴムブッシュを搭載可能なスペースを確保するため、設計の自由度が減少する。しかも、通常のピン付きゴムブッシュ程度にまで寸法を小さくすると、ゴムの剛性が増大するため、十分な横圧低減効果が得られない。また、このピン付きゴムブッシュは、通常のピン付きゴムブッシュと比較して質量が増大するため、軌道に与える影響が大きくなる可能性がある。
そこで、本発明の目的は、既存の台車枠の大幅な設計変更を強いられることなく、しかも、軌道に与える影響を最小限にとどめられるよう、小型軽量でしかも信頼性の高い手段により、高速走行時の安定性確保と、曲線通過時の横圧低減を両立させた鉄道車両用台車を提供することにある。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、本発明の鉄道台車では、台車枠の前後方向に軸箱がリンクによって支持されている鉄道車両用台車であって、前記リンクは、ロッド部材と、前記ロッド部の長手方向の両端部に備えられる円筒部と、前記円筒部の内部に備えられるゴムブッシュと、を備えており、前記円筒部の内部で前記ロッド部材側の部分と前記ゴムブッシュとの間に流体室を設け、前記流体室は前記ロッドの長手方向に延びる流路によって互いに接続されると共に、自らの室内に前記流路の方向に対向する位置に突出するストッパを有し、前記流体室と前記流路によって形成される密閉空間に作動流体を封入し、前記リンクに作用する長手方向の力が、前記ゴムブッシュにおける前後方向の弾性変形と、当該弾性変形に伴い一方の前記流体室から他方の前記流体室に移動する前記作動流体の摩擦抵抗と、を介して伝達されるようにした。
上記の構成により、リンクの軸方向に作用する力、すなわち、前後方向に作用する力は、ゴムブッシュの前後方向の弾性変形と、一方の流体室から他方の流体室に作動流体が移動する際の摩擦抵抗により伝達される。したがって、リンクの軸方向の剛性は、ゴムブッシュによるものと、作動流体が流路を移動する際の抵抗によるものとの和となる。
リンクの軸方向の剛性は、高速走行時に作用する高周波の力に対しては、作動流体が流路を移動する際の流路抵抗の増大により高剛性に、曲線通過時に作用する低周波の力に対しては、作動流体が流路を移動する際の流路抵抗の減少により低剛性となる。このように、鉄道車両の走行状態に応じて、リンクの軸方向の剛性が最適な値に調整される。
このため、既存の台車枠の大幅な設計変更を行うことなく、単にリンクの構造を変更した、小型、軽量な手段によって、高速走行時の安定性の確保と、曲線通過時の横圧低減を両立させた鉄道車両用台車を提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
図1は、本発明の実施例1の鉄道車両用台車の側面図である。 図2は、図1に示す実施例1で採用するリンクの断面図である。 図3は、図2のリンクに装備されるゴムブッシュの構造を示す図(図2のA−A断面)である。 図4は、図2に示す実施例1によるリンクが奏する、軸方向剛性の周波数特性を示すグラフである。 図5は、実施例1において、他の軸箱支持方式による鉄道車両用台車の側面図である。 図6は、実施例2によるリンクの断面図である。 図7は、実施例3によるリンクの断面図である。 図8は、実施例4によるリンクの断面図である。 図9は、実施例5によるリンクの断面図である。 図10は、実施例6によるリンクの断面図である。 図11は、実施例7によるリンクの断面図である。 図12は、実施例8によるリンクの側面図である。 図13は、実施例8によるリンクの平面図である。 図14は、従来のリンクの断面図である。
以下、本発明の実施例を、図面を用いて説明する。
[実施例1]
本発明の実施例1について説明する。
図1に、1つのリンクで1つの軸箱を支持する形式の軸箱支持装置を備えた鉄道車両用台車の側面図を示す。鉄道車両用台車1は、台車1の骨格をなす台車枠2と、車軸の両端部に車輪を有する輪軸3と、輪軸3を回転可能に保持している軸箱4と、この軸箱4を前後方向に支持するリンク5と、台車枠2の上面に備えられる空気バネ6などから構成されている。
従来のリンク5は、図14に示すように、ロッド部材10、その両端に一体的に接合された円筒部20a、20bと、軸箱4から輪軸3と平行に延出するピン12a、台車枠2の下方から輪軸3と平行に延出するピン12bとからなり、鉄道車両用台車1の進行方向からみて、略前後方向に延び、しかも、略水平となるよう、軸箱4と台車枠2とを連結するものである。ピン12a、12bは円筒部22a、22bに一体に備えられており、リンク5の内部において円筒部22a、22bは、円筒部20a、20bの内側に備えられるゴムブッシュ11a、11bを介して結合されている。
図2に、本実施例のリンク5の断面図を示す。なお、従来のリンクと共通するものについては、同一の符号を付している。
リンク5は、従来と同様、ロッド部材10、その両端に一体的に接合された円筒部20a、20bと、軸箱4から輪軸3と平行に延出するピン12a、台車枠2の下方から輪軸3と平行に延出するピン12bとからなり、鉄道車両用台車1の進行方向からみて、略前後方向に延び、しかも、略水平となるよう、軸箱4と台車枠2とを連結する。なお、このリンク5は、図1に示す輪軸3の片側だけではなく、輪軸3の他方側にも設けられている。また、図2は、図1において、鉄道車両用台車1の左側に位置する備えられるリンク5を示しているが、右側に位置するリンク5も、ピン12aと12bが左右逆の位置になる点を除き、同様の構造を備えている。
円筒部20aの内周面と、ピン12aの円筒部22aとの間には、図2において、左側に流体室13aが形成されるよう、ゴムブッシュ11aが加硫接着などにより接着されている。
円筒部20aの左側に形成された流体室13aと、円筒部20bの右側に形成された流体室13bとは、互いに対向し、ロッド部材10と両円筒部20a、20bの内部を貫通する流路14により接続されている。
図3は、図2を流路14の軸方向からみた際の、ゴムブッシュ11aの構造を示すものであり、円筒状のゴム部材の一方の側面中央部に、流体室13aを形成する切り抜き部が形成されており、円筒部20aとピン12a、円筒部20bとピン12b間を密封する構造となっている。ゴムブッシュ11bもゴムブッシュ11aと同様の構造で流体室13bを形成し、図2に示す流路14により、流体室13a、流路14、流体室13bにより密封空間が形成され、その内部に作動流体が、好ましくは一部空間を残すように封入されている。このように、リンク5は、ピン12a、12bと、ロッド部材10の両端に接合された円筒部20a、20bの内周面をゴムブッシュ11a、11bを介して、台車枠2と軸箱4とを接続し、軸箱4を台車枠2に対して前後方向に弾性的に支持する。なお、ゴムブッシュ11a、11bは、流体室13a、11bを形成する切り抜き部を除き、その外周面が、円筒部20a、20bの内周面中央部に、その内周面が、ピン12aの円筒部22a外周面中央部に加硫接着されており、流体室13a、11bから作動流体が漏洩するのを確実に防止している。
以下、本実施例によって、高速走行時の安定性の確保と、曲線通過時の横圧低減の両立が可能になるメカニズムについて説明する。
軸箱4を介して、輪軸3からの図2の矢印Aに示す前後方向の力が、リンク5に作用する場合、言い換えると、リンク5に軸方向の力が作用する場合、ゴムブッシュ11a、11bが軸方向の一方側に押圧され、流体室13a、13bの一方が収縮し、他方が膨張するよう、弾性的に変形する。
このとき、流体室13内の作動流体は流路14を介して、圧縮された流体室側から膨張した流体室側に移動する。つまり、リンク5に軸方向の力が作用すると、ゴムブッシュ11及び作動流体によって軸方向の力が伝達される。
図2に示すようにリンク5に軸方向の力が作用すると、作動流体は流路14を矢印Aの方向に移動し、軸方向の力を伝達する。すなわち、輪軸3とそれを保持する軸箱4は、リンク5によって台車枠2に対し、前後方向、及び、輪軸3の他側に設けられたリンク5と連携し、ヨー方向に弾性的に支持される。
ここで、円管内の2点間の摩擦損失が、管の長さ、流体の粘性係数、断面平均速度の二乗に比例し、管の径に反比例するという原理から、鉄道車両が高速直線走行を行う場合など、リンク5に作用する軸方向の力が高周波で振動する場合、作動流体が流路14を高速で移動するため、摩擦損失、すなわち抵抗力が急激に増加し、大きな抵抗を生じる。
一方、曲線走行や緩速走行では、リンク5に作用する軸方向の力が低周波で振動し、作動流体が低速で移動するため、抵抗力が減少する。
作動流体により発生する抵抗力と、ゴムブッシュ11による剛性の和が、リンク5の総合的な剛性となるため、リンク5の軸方向に高周波の力が作用すると、リンク5の動的な剛性は高くなる。
一方、リンク5に作用する軸方向の力が低周波である場合、作動流体は流路14を遅く移動するため、発生する摩擦抵抗は減少する。これにより、曲線走行時や緩速走行時など、リンク5に作用する軸方向に力が低周波になると、リンク5の動的な剛性は小さくなる。つまり、リンク5が奏する軸方向剛性の周波数特性は、図4に示されるようになり、高周波では高剛性、低周波では低剛性となる。
この特性は、流路14の径、長さ、そして、作動流体の粘性等によって変化するため、これらを最適に組み合わせることにより、鉄道車両の設計上の最高速度や、各路線の運行状態に併せて、高速直線走行において最適な高剛性、曲線走行や緩速走行に最適な柔剛性が得られるようになる。
高速走行時に発生する不安定な自励振動である蛇行動を抑制することにより、走行安定性を確保するには、輪軸3の蛇行する動きを抑制することが必要となる。一般的に高速走行時の蛇行動周波数は数Hz程度であることが知られている。
ここで輪軸3が蛇行し始める際に、軸箱4を介して輪軸3からリンク5の軸方向に作用する力も数Hz程度となる。このとき流体室13が変形することで作動流体が流路14を速く移動し抵抗を生じ、この抵抗は大きいため、リンク5の軸方向の動的な剛性は大きくなる。リンク5は軸箱4を前後方向に支持しているため、軸箱4の前後方向の支持剛性は大きくなり、輪軸3のヨー方向の支持剛性は大きくなる。その結果蛇行動の発生は抑制され、高速走行時の走行安定性が確保される。
一方、横圧低減が必要となる曲線通過時においても、軸箱4を介して輪軸3からリンク5の軸方向に力が作用する。この力は、輪軸3がレールに沿うように、レールからヨー方向のモーメントを受ける際に生じるものであり、その周波数は走行安定性が問題となる周波数よりも大幅に低い。すなわち、曲線通過時にリンク5の軸方向に作用する力は低周波であり準静的と考えられるため、流体室13の変形により作動流体が流路14を移動する際に抵抗は殆んど生じず、リンク5の軸方向の動的な剛性は小さくなる。リンク5は軸箱4を前後方向に支持しているため、軸箱4の前後方向の支持剛性は小さくなり、輪軸3のヨー方向の支持剛性は小さくなる。その結果輪軸3が曲線通過時に、レールから曲線に沿わせるようなヨー方向のモーメントを受けると、輪軸3はスムースに曲線方向に沿うようになり、著大な横圧を発生することなく曲線を通過できる。
なお、流体室13a、流路14、流体室13bにより密封空間に、圧縮性流体である空気を一部残存させることで、非圧縮性流体である作動流体の圧力伝達特性を緩和させることができるので、鉄道車両の仕様や、最高速度、走行する曲線区間の曲率等に合わせて最適な横圧低減効果が得られるよう、空気残存量を調整することが好ましい。
以上説明した本実施例による鉄道車両用台車では、ゴムブッシュ11と作動流体によって軸方向の力を伝達するよう構成したリンク5によって、輪軸3を保持する軸箱4の前後方向支持剛性を、走行安定性に関する高周波の力が作用するときには高く、曲線通過に関する低周波の力が作用するときには低くすることができる。このため、相反する要求である、高速走行時の安定性確保と、曲線通過時の横圧低減を両立することができる。
図1に示す鉄道車両用台車では、1つのリンクで1つの軸箱を支持する構成としているが、図5に示すように、2つのリンクで1つの軸箱を支持する鉄道車両用台車に適用しても同様の効果を得ることができる。このとき、台車中心側のリンク5aと、台車端部側のリンク5bの双方を図2に断面図を示した、流体室13と流路14を有するリンクとしてもよいし、台車中心側のリンク5aもしくは台車端部側のリンク5bのどちらか一方を、図14に示す通常のリンクとしてもよい。
軸箱を支持する2つのリンクの両方を、流体室13と流路14を有するリンクとした場合は、1つのリンクで軸箱4を支持する場合に対して、高周波の力が作用した場合の軸箱4の前後方向支持剛性をさらに高く設定することができるので、走行安定性に有利になる。また、高周波の力が作用したときの軸箱4の前後方向支持剛性を、1本のリンクで軸箱4を支持する台車と同程度に設定しておけば、低周波の力が作用した場合の軸箱4の前後方向支持剛性を、1本のリンクで軸箱4を支持する台車に対してより低減することができる。
軸箱を支持する2つのリンクのどちらか一方を通常のリンクとした場合は、作動流体が漏れる等の事象により、流体室13と流路14を有するリンクの支持剛性が高周波の入力に対しても高くならない場合においても、通常のリンクによる軸箱4の前後方向支持剛性は維持されるので、安全性が高まる。
以下に記す実施例2から実施例8においても、実施例1で詳述した効果と同様の効果を奏する点を明記したうえで、以下に記す各実施例に対応する効果の記載を省略する。
[実施例2]
次に図6を用いて、本発明の実施例2について説明する。既に説明した図2、図3に示された同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については説明を省略する。
本実施例のリンク5は、ゴムブッシュ11内に、流路14と対向するよう、凸形状のゴムストッパ15a、15bを有している。ゴムストッパ15は、リンク5に過大な軸方向の力が加わり流体室13が過剰に圧縮された際に、ピン12の外周部とリンク5の部材10が、流体室13を介して接触することを防ぐことができる。このため流体室13の損傷を防ぐことができ、またピン12や部材10に過大な力が作用することを防止するため、実施例1で詳述した効果に加え、リンク5の寿命を長くすることができる。
[実施例3]
図7を用いて、本発明の実施例3について説明する。既に説明した図2、図3、図6に示された同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については説明を省略する。
本実施例では、ラビリンス構造16をリンク5の流路14に、作動流体の流れる向きと直交し、流れを屈曲させるようにくい違い形に設けている。このため、作動流体は流路14を移動する際、矢印Bに示すように流れの向きを変えながら移動する。そのため、リンク5に軸方向の力が加わり作動流体が流路14を移動する際の抵抗が、流路14内にラビリンス構造16を設けない場合に対して増大するため、圧力損失を大きくすることができる。そのため、リンク5の軸方向の動的な剛性を大きくすることができ、実施例1、実施例2で詳述した効果を、鉄道車両の仕様や、最高速度、走行する曲線区間の曲率等に合わせて最適なものに選定することができる。
なお、ラビリンス構造の具体的な形状は、図7に示すものに限定せず、リンク5に作用する軸方向の力により作動流体が流路14を移動する際に、高速走行、曲線走行等に応じて、最適な圧力損失特性が得られる形状であれば、どのような形状でもよい。
例えば、図7ではリンクの軸方向に対してラビリンス構造が垂直に配置されているが、これに角度を持たせてもよいし、あるいは鉤状にしても良い。また、図7に示すリンク5はゴムストッパ15を有する構成としているが、これを有さないリンク5に対しラビリンス構造16を設けてもよい。
[実施例4]
図8を用いて、本発明の実施例4について説明する。既に説明した図2、図3、図6に示された同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については説明を省略する。
本実施例では、絞り17をリンク5の流路14の内部に圧入している。そのため、リンク5に軸方向の力が加わり作動流体が流路14を移動する際の抵抗が、流路14内に絞り17を設けない場合に対して増大するため、圧力損失を大きくすることができる。そのため、リンク5の軸方向の動的な剛性を大きくすることができ、実施例1、実施例2で詳述した効果を、鉄道車両の仕様や、最高速度、走行する曲線区間の曲率等に合わせて最適なものに選定することができる。
絞り17は、図8に示すものに限定せず、高速走行、曲線走行に応じて、最適な圧力損失特性が得られるよう、作動流体が流路14を移動する際の圧力損失を調整する効果のあるものであれば、さらに個数を増やしたり絞り径をそれぞれ選定することができる。
また、図8に示すリンク5は、ストッパゴム15を有する構成としているが、これを有さないリンク5を用いて、絞り17を設けるようにしてもよい。
[実施例5]
図9を用いて、本発明の実施例5について説明する。既に説明した図2、図3、図6に示された同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については説明を省略する。
本実施例のリンク5は、流路14を螺旋状に構成している。そのため、流路14を直線状とした場合に対して流路14を長く構成できる。よって、リンク5に軸方向の力が加わり作動流体が流路14を移動する際の距離が長くなるため、流路14を直線状とした場合に対して圧力損失が増大し、リンク5の軸方向の動的な剛性を大きくすることができる。
なお、本実施例では、螺旋状の流路14を形成するため、ロッド部材10は、円筒部20a、20bに接合される両端部10a、10aと、両端部10a、10a間に溶接などの接合部20により管状部10bと、この管状部10bの内部に嵌合される、外周面に螺旋溝が形成された圧入部材10cとにより形成されている。
[実施例6]
図10を用いて、本発明の実施例6について説明する。既に説明した図2、図3、図6に示された同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については説明を省略する。
本実施例のリンク5では、流路14をリンクの軸方向にU字状に折り返して、流体室13aと流体室13bを接続するよう構成している。そのため、流路14を直線状とした場合に対して流路14を長く構成できる。よって、リンク5に軸方向の力が加わり作動流体が流路14を移動する際の距離が長くなるため、流路14を直線状とした場合に対して圧力損失が増大し、リンク5の軸方向の動的な剛性を大きくすることができる。
本実施例では、U字状に折り返された流路14を形成するため、管状部材10bに流路14を複数本形成し、両端部10a、10aの管状部材10bとの接合面に形成された凹部により、各流路14の端部が連結されるようにしている。
[実施例7]
図11を用いて、本発明の実施例7について説明する。既に説明した図2、図3、図6に示された同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については説明を省略する。
本実施例のリンク5では、流路14を複数設けている。そのため、流路の目詰まり等により、リンクの動的な剛性が変化することを防げる。また、特定の流路にのみラビリンスや絞り等を設けて、作動流体の流れを制御することができる。
[実施例8]
図12、図13を用いて、本発明の実施例8について説明する。既に説明した図2、図3に示された同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については説明を省略する。
図12は本実施例によるリンクの側面図、図13は本実施例によるリンクの平面図である。
本実施例では流路14はリンク5の外部に設けられ、流路支え18によって保持されている。このように流路14をリンク5の外部に設けることで、リンク内部の加工が不要になるため、製造が容易になる。また流路14にラビリンス構造や絞りを設けることも容易になる。
以上の実施例では、鉄道車両用台車1において、台車枠2に対して軸箱4を支持する、流体室13と流路14を有するリンク5について説明したが、このリンク5を軸箱4を支持する以外の目的に用いてもよく、例えば台車の牽引力を車体に伝達するための、Zリンク式や1本リンク式の牽引装置のリンクに用いてもよい。
Zリンク式は2つのリンクを軸方向を車両進行方向として枕木方向に間隔を設け配置し、リンクの一端を台車枠、もう一端を中間体と接続し、車体から下方に伸びた中心ピンを中間体と接続する方式である。この方式では台車の牽引力は、台車からリンク、中間体、中心ピンを介して車体に伝達される。
1本リンク式は、1つのリンクを用いる方式で、リンクの軸方向を車両進行方向として一端を台車枠、もう一端を車体から下方に伸びた中心ピンに接続する方式である。この方式では台車の牽引力は、台車からリンク、中心ピンを介して車体に伝達される。
Zリンク式、1本リンク式ともに、リンクの軸方向の力の伝達により、台車の牽引力が車体に伝達される点は共通である。
以上説明したように、本発明のリンクは軸方向の力が高周波では高剛性、低周波では低剛性となる。そのため、台車と車体の間で高周波の力が作用する走行安定性が問題となる場合には、リンクは高剛性となる。そのため、台車は車体に対して強く拘束されるので、通常のリンクを用いる場合に対して走行安定性を向上できる。
一方、リンクに作用する力が低周波の場合は低剛性となるため、台車と車体間の振動伝達率が低くなり、台車から牽引装置を介して車体に伝わる振動が低減可能となる。そのため、台車に起因する車体の前後方向の振動や、台車の前後方向の振動により励起される車体の上下方向の曲げ振動を低減することができ、前後方向や上下方向の乗心地を改善することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 台車
2 台車枠
3 輪軸
4 軸箱
5 リンク
6 空気ばね
10 ロッド部材
11 ゴムブッシュ
12 ピン
13 流体室
14 流路
15 ゴムストッパ
16 ラビリンス構造
17 絞り
18 流路支え

Claims (8)

  1. 台車枠の前後方向に軸箱がリンクによって支持されている鉄道車両用台車であって、
    前記リンクは、
    ロッド部材と、
    前記ロッド部材の長手方向の両端部に備えられる円筒部と、
    前記円筒部の内部に備えられるゴムブッシュと、
    を備えており、
    前記円筒部の内部で前記ロッド部材側の部分と前記ゴムブッシュとの間に流体室を設け
    前記流体室は前記ロッド部材の長手方向に延びる流路によって互いに接続されると共に、自らの室内に前記流路の方向に対向する位置に突出するストッパを有し
    前記流体室と前記流路によって形成される密閉空間に作動流体を封入し、
    前記リンクに作用する長手方向の力が、前記ゴムブッシュにおける前後方向の弾性変形と、当該弾性変形に伴い一方の前記流体室から他方の前記流体室に移動する前記作動流体の摩擦抵抗と、を介して伝達されることを特徴とする鉄道車両用台車。
  2. 前記ゴムブッシュの前後方向弾性係数、前記流路の径、長さ、前記作動流体の粘性係数のうち、少なくともひとつを、高速走行時に前記リンクに発生する前後方向振動の周波数、及び、曲線走行時あるいは緩速走行時に前記リンクに発生する前後方向振動の周波数に合わせて選定したことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用台車。
  3. 前記流路を、前記ロッド部材の内部に形成されたラビリンス構造としたことを特徴とする請求項1または2に記載の鉄道車両用台車。
  4. 前記流路の内部に絞りを設けたことを特徴とする請求項またはに記載の鉄道車両用台車。
  5. 前記流路を螺旋状としたことを特徴とする請求項またはに記載の鉄道車両用台車。
  6. 前記流路を前記リンクの軸方向に折り返したことを特徴とする請求項またはに記載の鉄道車両用台車。
  7. 前記流路を複数設けたことを特徴とする請求項またはに記載の鉄道車両用台車。
  8. 前記流路を前記リンクの外部に設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の鉄道車両用台車。
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