JP2018076882A - 車両のサスペンション構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】乗り心地を向上できる車両のサスペンション構造を提供すること。【解決手段】車輪を回転可能に支持する車輪支持部材と車体との間にリンクが配置され、車輪支持部材や車体とリンクとを防振ブッシュが結合する。防振ブッシュは、車輪に接地荷重が作用しない第1状態から車輪に接地荷重が作用する第2状態への推移に伴い、軸部材の軸線の方向と直交する第1方向に荷重が作用する。防振ブッシュは、第1状態から第2状態への推移に伴い、第1方向の荷重に対する荷重−たわみ曲線において、線形領域の中央に近づく。【選択図】図1

Description

本発明は車両のサスペンション構造に関し、特に乗り心地を向上できる車両のサスペンション構造に関するものである。
車輪を回転可能に支持する車輪支持部材と車体との間に配置されるリンクを車輪支持部材や車体に取り付けるときに防振ブッシュが使われる。防振ブッシュは軸部材と筒部材とをゴム弾性体が結合する非線形特性ばねである。特許文献1には、車両の乗り心地向上のため、走行時に生じる特定の荷重によってゴム弾性体が圧縮される部分にすぐりを設ける技術が開示されている。
特開2005−249022号公報
しかし、非線形特性ばねである防振ブッシュは、車輪に接地荷重が作用した状態では、荷重−たわみ曲線において線形領域から非線形領域へと変化し易くなるので、さらに荷重が入力されると、ばねが硬くなり易い。その結果、リンクを介して車輪から車体へ振動が伝わり易くなるので、乗り心地が低下し易いという問題点がある。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、乗り心地を向上できる車両のサスペンション構造を提供することを目的としている。
課題を解決するための手段および発明の効果
この目的を達成するために請求項1記載の車両のサスペンション構造によれば、車輪を回転可能に支持する車輪支持部材と車体との間にリンクが配置され、車輪支持部材や車体とリンクとを防振ブッシュが結合する。防振ブッシュは軸部材の径方向の外側に筒部材が配置され、筒部材の内周面と軸部材の外周面とをゴム弾性体が結合する。
防振ブッシュは、車輪に接地荷重が作用しない第1状態から車輪に接地荷重が作用する第2状態への推移に伴い、軸部材の軸線の方向と直交する第1方向に荷重が作用する。防振ブッシュは、第1状態から第2状態への推移に伴い、第1方向の荷重に対する荷重−たわみ曲線において、線形領域の中央に近づく。その結果、第2状態では防振ブッシュの線形特性を確保できる。防振ブッシュの軟らかいばね特性によって、通常の走行時に車輪から車体へ入力される振動を減衰できるので、乗り心地を向上できる効果がある。
請求項2記載の車両のサスペンション構造によれば、防振ブッシュは、ゴム弾性体のうち第2状態において圧縮される第1部の第1方向における厚さが、ゴム弾性体のうち第2状態において引っ張られる第2部の第1方向における厚さよりも厚い。ゴム弾性体の第1方向における厚さを利用して防振ブッシュの線形領域を確保するので、請求項1の効果に加え、防振ブッシュの製造を容易にできる効果がある。
請求項3記載の車両のサスペンション構造によれば、防振ブッシュは、第1状態から第2状態への推移に伴い、軸部材の軸線の位置が筒部材の軸線の位置に近づく。従って防振ブッシュは、筒部材の軸線の位置に対して軸部材の軸線の位置をずらすことにより、第1方向におけるゴム弾性体の厚さが設定される。よって、請求項2の効果に加え、防振ブッシュの製造をさらに容易にできる効果がある。
請求項4記載の車両のサスペンション構造によれば、防振ブッシュは、第1方向に位置するゴム弾性体の軸方向の長さが、軸部材の軸線の方向と第1方向とに直交する第2方向に位置するゴム弾性体の軸方向の長さよりも短い。その結果、防振ブッシュに第1方向の荷重が作用するときのコンプライアンスを増加できるので、請求項1から3のいずれかの効果に加え、乗り心地を向上できる効果がある。
本発明の第1実施の形態におけるサスペンション構造の模式図である。 車輪に接地荷重が作用しない第1状態における防振ブッシュの正面図である。 図2のIII−III線における防振ブッシュの断面図である。 図2のIV−IV線における防振ブッシュの断面図である。 車輪に接地荷重が作用する第2状態における防振ブッシュの正面図である。 図5のVI−VI線における防振ブッシュの断面図である。 (a)は第1状態における防振ブッシュの模式図であり、(b)は第2状態における防振ブッシュの模式図であり、(c)は防振ブッシュの荷重−たわみ曲線である。 (a)は第1状態における従来の防振ブッシュの模式図であり、(b)は第2状態における従来の防振ブッシュの模式図であり、(c)は防振ブッシュの荷重−たわみ曲線である。 第2実施の形態におけるサスペンション構造に設けられる防振ブッシュの正面図である。 図9のX−X線における防振ブッシュの断面図である。 図9のXI−XI線における防振ブッシュの断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は本発明の第1実施の形態におけるサスペンション構造10の模式図である。図1では、車両の右後輪の部分が図示されている。本実施の形態におけるサスペンション構造10はマルチリンク式サスペンションであり、車軸11に車輪12が結合し、アクスルハウジング13が車輪12を支持する。アクスルハウジング13は、車輪12を回転可能に支持する車輪支持部材である。
アクスルハウジング13は、第1リンク21から第5リンク25によって車体20に対して移動可能に位置決めされている。第1リンク21は、防振ブッシュ30を介してアクスルハウジング13の上部に連結されると共に、防振ブッシュ31を介して車体20に連結されている。第2リンク22は、防振ブッシュ(図示せず)を介してアクスルハウジング13の上部に連結されると共に、防振ブッシュ32を介して車体20に連結されている。第3リンク23は、防振ブッシュ(図示せず)を介してアクスルハウジング13の中央部に連結されると共に、防振ブッシュ33を介して車体20に連結されている。
第4リンク24は、防振ブッシュ34を介してアクスルハウジング13の下部に連結されると共に、防振ブッシュ35を介して車体20に連結されている。第5リンク25は、防振ブッシュ36を介してアクスルハウジング13の下部に連結されると共に、防振ブッシュ(図示せず)を介して車体20に連結されている。第4リンク24は、車体20に連結されたショックアブソーバ26に組み付けられたコイルスプリング27によって下方に付勢されている。
サスペンション構造10は、車輪12に接地荷重が作用しない状態(以下「第1状態」と称す)から車輪12に接地荷重が作用する状態(以下「第2状態」と称す)へ推移すると、車体20に対して車輪12が鉛直上側へ回転するモーメントMが作用する。このときは、リンクを介して防振ブッシュ30〜36に径方向の荷重が作用する。これらの防振ブッシュ30〜36を代表して、防振ブッシュ30について説明する。
図2は、車輪12に接地荷重が作用しない第1状態における防振ブッシュ30の正面図である。防振ブッシュ30は、軸部材40と、軸部材40の径方向の外側に配置される筒部材50と、筒部材50と軸部材40とを結合するゴム弾性体60とを備えている。
軸部材40は、軸線41を中心とする断面円形の穴部42が軸線41に沿って貫通する金属製の部材である。軸部材40は、軸線41の方向(図2紙面垂直方向)に亘って、軸線41と外周面43との距離が同一の円筒状に形成されている。軸線41と直交する断面において、軸部材40の外周面43は軸線41を中心とする円形である。軸部材40は、穴部42に挿通されたボルト(図示せず)が、アクスルハウジング13(図1参照)に設けられたブラケット(図示せず)に固定されることにより、車両の略前後方向(図1紙面垂直方向)へ軸線41を向けてアクスルハウジング13に取り付けられる。
筒部材50は、軸部材40よりも直径が大きく軸部材40よりも薄肉の金属製の部材である。筒部材50は、軸線51の方向(図2紙面垂直方向)の長さが、軸部材40の軸線41の方向の長さより小さく設定されている。筒部材50は、軸線51の方向に亘って、軸線51と内周面52との距離が同一の円筒状に形成されている。軸線51と直交する断面において、筒部材50の内周面52は軸線51を中心とする円形である。筒部材50は、第1リンク21(図1参照)に圧入されることにより、車両の略前後方向(図1紙面垂直方向)へ軸線51を向けて第1リンク21に取り付けられる。
ゴム弾性体60は、軸部材40の外周面43と筒部材50の内周面52とに加硫接着されている。ゴム弾性体60によって筒部材50に対して軸部材40が弾性支持される防振ブッシュ30は、径方向の荷重に対して非線形のばね特性をもち、径方向の荷重が大きくなると硬くなる。従って、車輪12に接地荷重が作用しない第1状態から車輪12に接地荷重が作用する第2状態へ推移すると、防振ブッシュ30は、ばね特性が硬くなる傾向がある。
第1状態から第2状態への推移に伴うばね特性の硬さの変化を抑制するために、防振ブッシュ30は、筒部材50の軸線51の位置が、軸部材40の軸線41に対して軸線41の方向(図2紙面垂直方向)と直交する第1方向(矢印X方向)へずれている。第1方向は、第1状態から第2状態への推移に伴い、防振ブッシュ30に作用する荷重の方向である。第1方向(矢印X方向)及び軸線41の方向と直交する方向(矢印Y方向)が、第2方向である。
ゴム弾性体60は、軸線41,51を含む平面(図2紙面に垂直な平面)と直交する仮想平面のうちの軸線51を含む仮想平面53を境に、便宜上、第1部61と第2部62とに分けられる。第1部61は、第1状態から第2状態への推移に伴い圧縮される部分であり、第2部62は、第1状態から第2状態への推移に伴い引っ張られる部分である。
第1部61及び第2部62は、軸線51と直交する断面(図2紙面に平行な断面)において、軸線41,51と直交する直線上における外周面43と内周面52との間の第1部61の厚さT1(第1方向における距離、図3参照)が、同じ直線上における外周面43と内周面52との間の第2部62の厚さT2(第1方向における距離、図3参照)より厚く設定される。
図3は図2のIII−III線における防振ブッシュ30の断面図であり、図4は図2のIV−IV線における防振ブッシュ30の断面図である。図5は車輪12に接地荷重が作用する第2状態における防振ブッシュ30の正面図であり、図6は図5のVI−VI線における防振ブッシュ30の断面図である。
図3及び図4に示すように、ゴム弾性体60は、軸線51の方向の内側へ向かって凹むすぐり部63が、第1部61及び第2部62の軸線51の方向の両側の端面に形成されている。すぐり部63は、各端面において第1部61及び第2部62の周方向に連続する。
図3及び図4に示す無荷重時の状態(第1状態)では、軸線41,51を含む面で切断した防振ブッシュ30の断面において、第1部61におけるすぐり部63の長さ(ゴム弾性体60の表面に沿った沿面距離)は、第2部62におけるすぐり部63の長さ(ゴム弾性体60の表面に沿った沿面距離)よりも長い。また、図3に示す第1方向(矢印X方向)におけるすぐり部63の長さは、図4に示す第2方向(矢印Y方向)におけるすぐり部63の長さよりも長い。従って防振ブッシュ30は、無荷重時において、第1方向(矢印X方向)に位置するゴム弾性体60の軸線51の方向における長さは、第2方向(矢印Y方向)に位置するゴム弾性体60の軸線51の方向における長さよりも短い。
防振ブッシュ30は、ゴム弾性体60が、第2部62から第1部61へと第1方向(矢印X方向)に沿って第1リンク21(図1参照)に固定されている。サスペンション構造10が、車輪12に接地荷重が作用しない第1状態から車輪12に接地荷重が作用する第2状態へ推移すると、図5及び図6に示すように、第1部61が第1方向へ圧縮される一方で第2部62が第1方向へ引っ張られて、軸部材40の軸線41の位置と筒部材50の軸線51の位置とが近づく。本実施の形態では、第2状態において、車両の自重のみが負荷されている状態で、防振ブッシュ30は、軸部材40の軸線41の位置と筒部材50の軸線51の位置とが一致する。
次に図7及び図8を参照して防振ブッシュ30のばね特性について説明する。図7(a)は第1状態における防振ブッシュ30の模式図であり、図7(b)は第2状態における防振ブッシュ30の模式図であり、図7(c)は防振ブッシュ30の荷重−たわみ曲線である。図8(a)は第1状態における従来の防振ブッシュ70の模式図であり、図8(b)は第2状態における従来の防振ブッシュ100の模式図であり、図8(c)は防振ブッシュ100の荷重−たわみ曲線である。
なお、従来の防振ブッシュ100は、無荷重時において軸部材40の軸線41と筒部材50の軸線51とが一致している以外は、第1実施の形態で説明した防振ブッシュ30と同様に構成されている。図7(c)及び図8(c)の荷重−たわみ曲線において、横軸は第1方向におけるたわみ量であり、縦軸は第1方向の荷重である。横軸は正の向き(図の右向き)が第1方向(矢印X方向)であり、負の向き(図の左向き)が反第1方向である。防振ブッシュ30,100は、荷重−たわみ曲線において、特性が変化し始める変曲点P1,P2を有する非線形特性ばねである。
図8(a)に示すように従来の防振ブッシュ100は、第1状態において軸部材40の軸線41と筒部材50の軸線51とが一致する。図8(b)に示すように、防振ブッシュ100に第1方向(矢印X方向)の荷重が作用する第2状態では、筒部材50の軸線51の位置から軸部材40の軸線41が第1方向(矢印X方向)へたわみ量+aだけ離れる。図8(c)に示す荷重−たわみ曲線では、第1状態S1から第2状態S2への推移に伴い、たわみ量が変曲点P1,P2間の線形領域Lの中央から+aだけ変曲点P2へ近づく。その結果、車輪12(図1参照)に接地荷重が作用した第2状態S2では、防振ブッシュ100は線形特性から非線形特性へと変化し易くなるので、ばねが硬くなり易い。その結果、ハーシュネス(振動)等が悪化し、乗り心地が低下し易い。
これに対し防振ブッシュ30は、図7(a)に示すように、第1状態において軸部材40の軸線41に対して筒部材50の軸線51が第1方向(矢印X方向)へ−aだけずれているので、その分だけゴム弾性体60の第1部61の厚さT1が第2部62の厚さT2よりも厚い。図7(b)に示すように、防振ブッシュ30に第1方向(矢印X方向)の荷重が作用する第2状態では、第1部61が圧縮されて軸部材40の軸線41が筒部材50の軸線51の位置に近づく(本実施の形態では、軸部材40の軸線41の位置が筒部材50の軸線51の位置と一致する)。
図7(c)に示す荷重−たわみ曲線では、第1状態S1におけるたわみ量は、線形領域Lの中央から−aだけ線形領域Lの端の変曲点P1の近くにあり、第1状態S1から第2状態S2への推移に伴い、変曲点P1の近くから線形領域Lの中央へ近づく。その結果、車輪12(図1参照)に接地荷重が作用した第2状態S2では、線形特性を確保できる。防振ブッシュ30の軟らかいばね特性によって、通常の走行時に車輪12から車体20へ入力される振動を減衰できるので、乗り心地を向上できる。
防振ブッシュ30は、第1状態から第2状態への推移に伴い、軸部材40の軸線41の位置が筒部材50の軸線51の位置に近づくように配置されている。そのため、防振ブッシュ30は、筒部材50の軸線51の位置に対して軸部材40の軸線41の位置をずらした状態で加硫成形型(図示せず)に取り付けられ、ゴム弾性体60が成形され、ゴム弾性体60が軸部材40及び筒部材50に接着される。従来から使われている軸部材40と筒部材50とを用いて防振ブッシュ30を製造できるので、防振ブッシュ30の製造を容易にできる。
防振ブッシュ30は、第1方向(矢印X方向)におけるゴム弾性体60の軸方向の長さが、第2方向(矢印Y方向)におけるゴム弾性体60の軸方向の長さよりも短いので、線形領域Lにおける荷重−たわみ曲線の傾きを小さくできる。第1方向(矢印X方向)のばね定数を小さくできるので、防振ブッシュ30に第1方向(矢印X方向)の荷重が作用するときのコンプライアンスを増加し、乗り心地を向上できる。
防振ブッシュ30は、ゴム弾性体60の第1部61の厚さT1(図3参照)が第2部62の厚さT2より厚く設定されている。第1方向(矢印X方向)の荷重によって圧縮される第1部61の厚さT1が厚いので、第1部61にすぐり部63を形成するスペースを確保できる。従って、防振ブッシュ30の第1方向における線形特性のチューニングをし易くできる。
次に図9から図11を参照して第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、第1状態において防振ブッシュ30の軸部材40の軸線41の位置と筒部材50の軸線51の位置とが異なる場合について説明した。これに対し第2実施の形態では、軸部材80の軸線81(穴部82の中心)の位置と筒部材50の軸線51の位置とを一致させた防振ブッシュ70について説明する。なお、第1実施の形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
図9は第2実施の形態におけるサスペンション構造に設けられる防振ブッシュ70の正面図であり、図10は図9のX−X線における防振ブッシュ70の断面図であり、図11は図9のXI−XI線における防振ブッシュ70の断面図である。図9から図11は、車輪12に接地荷重が作用しない第1状態における防振ブッシュ70が図示されている。防振ブッシュ70は、第1実施の形態で説明したサスペンション構造10の防振ブッシュ30に代えて、第1リンク21に取り付けられる。
図9に示すように防振ブッシュ70は、軸部材80と、軸部材80の径方向の外側に配置される筒部材50と、筒部材50と軸部材80とを結合するゴム弾性体90とを備えている。軸部材80は、軸線81を中心とする断面円形の穴部82が軸線81に沿って貫通する金属製の部材である。
軸部材80は、軸線81と直交する断面において、外周面83が円形に形成されており、外周面83の円の中心と軸線81とがずれている。その結果、軸部材80は、穴部82の径方向の外側の軸部材80の厚さ(外周面83と穴部82との距離)が薄い薄肉部84、及び、穴部82の径方向の外側の軸部材80の厚さ(外周面83と穴部82との距離)が厚い厚肉部85が形成される。厚肉部85は、穴部82を挟んで薄肉部84の反対側に位置する。軸部材80は、穴部82に挿通されたボルト(図示せず)が、アクスルハウジング13(図1参照)に設けられたブラケット(図示せず)に固定されることにより、車両の略前後方向(図1紙面垂直方向)へ軸線81を向けてアクスルハウジング13に取り付けられる。
ゴム弾性体90は、軸部材80の外周面83と筒部材50の内周面52とに加硫接着されている。ゴム弾性体90によって筒部材50に対して軸部材80が弾性支持される防振ブッシュ70は、径方向の荷重において非線形のばね特性をもつ。
防振ブッシュ70は、無荷重時に、筒部材50の軸線51の位置と軸部材80の軸線81の位置とが一致するように軸部材80及び筒部材50が配置される。また、防振ブッシュ70は、軸部材80の薄肉部84及び厚肉部85が、第1方向(矢印X方向)に沿って配置される。第1方向は、車輪12に接地荷重が作用しない第1状態から車輪12に接地荷重が作用する第2状態への推移に伴い防振ブッシュ70に作用する荷重の方向である。
ゴム弾性体90は、薄肉部84と筒部材50とに加硫接着される第1部91と、厚肉部85と筒部材50とに加硫接着される第2部92とを備えている。第1部91は、防振ブッシュ70に作用する第1方向(矢印X方向)の荷重によって圧縮される部分であり、第2部92は、第1方向の荷重によって引っ張られる部分である。第1部91及び第2部92は、軸線81と直交する断面(図9紙面に平行な断面)において、軸線51,81と直交する直線上における外周面83と内周面52との間の第1部91の厚さT1(第1方向における距離、図10参照)が、同じ直線上における外周面83と内周面52との間の第2部92の厚さT2(第1方向における距離、図10参照)より厚く設定される。
図10及び図11に示すように、ゴム弾性体90は、軸線51の方向の内側へ向かって凹むすぐり部93が、第1部91及び第2部92の軸線51の方向の両側の端面に形成されている。すぐり部93は、各端面において第1部91及び第2部92の周方向に連続する。
図10及び図11に示す無荷重時の状態(第1状態)では、軸線51,81を含む面で切断した防振ブッシュ70の断面において、第1部91におけるすぐり部93の長さ(ゴム弾性体90の表面に沿った沿面距離)は、第2部92におけるすぐり部93の長さ(ゴム弾性体90の表面に沿った沿面距離)よりも長い。また、図10に示す第1方向(矢印X方向)におけるすぐり部93の長さは、図11に示す第2方向(矢印Y方向)におけるすぐり部93の長さよりも長い。従って防振ブッシュ70は、無荷重時において、第1方向(矢印X方向)に位置するゴム弾性体90の軸線51の方向における長さは、第2方向(矢印Y方向)に位置するゴム弾性体90の軸線51の方向における長さよりも短い。
防振ブッシュ70は、ゴム弾性体90が、第2部92から第1部91へと第1方向(矢印X方向)を向くように第1リンク21(図1参照)に固定されている。サスペンション構造10が、車輪12に接地荷重が作用しない第1状態から車輪12に接地荷重が作用する第2状態へ推移すると、第1部91が第1方向(矢印X方向)へ圧縮される一方で第2部92が第1方向へ引っ張られて、軸部材80の軸線81の位置が筒部材50の軸線51の位置から離れる。
防振ブッシュ70は、第1状態においてゴム弾性体90の第1部91の厚さT1が第2部92の厚さT2よりも厚いので、荷重−たわみ曲線において(図7(c)参照)、第1状態S1から第2状態S2への推移に伴い、たわみ量が変曲点P1の近くから線形領域Lの中央へ近づく。その結果、車輪12(図1参照)に接地荷重が作用した第2状態では、線形特性を確保できる。防振ブッシュ70は、第1実施の形態で説明した防振ブッシュ30と同様に、通常の走行時に車輪12から車体20へ入力される振動を減衰できるので、乗り心地を向上できる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、防振ブッシュ30,70の軸部材40,80、筒部材50及びゴム弾性体60,90の形状や寸法等は一例であり、適宜設定できる。
上記各実施の形態では、サスペンション構造10の一例としてマルチリンク式サスペンションの場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の構造を任意に採用することは当然可能である。他の構造としては、例えばデュアルリンク式サスペンション、ダブルウィッシュボーン式サスペンション、ストラット式サスペンションが挙げられる。
上記各実施の形態では、車輪支持部材の一例としてアクスルハウジング13の場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。車輪12を回転可能に支持するナックル等の他の車輪支持部材を用いることは当然可能である。
上記各実施の形態では、車両の幅方向(左右方向)に配置されたリンク(第1リンク21)と車輪支持部材(アクスルハウジング13)とを結合し、車両の略前後方向に軸線41を向けた防振ブッシュ30,70について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1リンク21と車体20とを防振ブッシュ30,70で結合すること、第1リンク21以外の他のリンク(第2リンク22から第5リンク25)に防振ブッシュ30,70を配置すること等は当然可能である。また、車両の前後方向に配置されるリンクであって車輪支持部材と車体とを連結するトレーリングリンク等に、車両の略左右方向に軸線41を向けて防振ブッシュ30,70を配置することは当然可能である。
上記各実施の形態では、防振ブッシュ30,70の軸部材40,80及び筒部材50が金属製の場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。軸部材40,80及び筒部材50のいずれか又は全てを合成樹脂製にすることは当然可能である。また、上記各実施の形態では、一体物の軸部材40,80や筒部材50について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。軸部材40,80や筒部材50をそれぞれ複数の部材に分割し、その複数の部材を突き合わせて軸部材40,80や筒部材50を構成することは当然可能である。
上記各実施の形態ではゴム弾性体60,90の第1部61,91及び第2部62,92が同種のゴム材で形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1部61,91と第2部62,92とをばね定数の異なる異種のゴム材で形成することは当然可能である。
上記各実施の形態ではゴム弾性体60,90の第1部61,91及び第2部62,92に形状の同じすぐり部63,93を形成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1部61,91及び第2部62,92のすぐり部63,93の形状を異ならせることは当然可能である。第1部61,91及び第2部62,92のゴム材の種類やすぐり部63,93の形状を異ならせることで、第1部61,91や第2部62,92のばね定数を異ならせることができる。その結果、荷重−たわみ曲線の線形領域Lの傾きを適宜設定できる。
上記各実施の形態では、防振ブッシュ30,70の軸部材40,80や筒部材50の外周面43,83や内周面52が円筒状の場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。外周面43,83や内周面52から径方向に突出する凸部を外周面43,83や内周面52に設けることは当然可能である。凸部を設けることにより、荷重−たわみ曲線の変曲点P1,P2の位置を適宜設定できる。また、軸部材40,80と筒部材50との間に中間筒を配置し、中間筒にゴム弾性体60,90を接着することは当然可能である。中間筒を設けることにより、荷重−たわみ曲線の変曲点P1,P2の位置や線形領域Lの傾きを適宜設定できる。
10 サスペンション構造
12 車輪
13 アクスルハウジング(車輪支持部材)
20 車体
21 第1リンク(リンク)
30,70 防振ブッシュ
40,80 軸部材
41,81 軸線
43,83 外周面
50 筒部材
51 軸線
52 内周面
60,90 ゴム弾性体
61,91 第1部
62,92 第2部
L 線形領域

Claims (4)

  1. 車輪を回転可能に支持する車輪支持部材と車体との間に配置されるリンクと、
    前記車輪支持部材や前記車体と前記リンクとを結合する防振ブッシュと、を備え、
    前記防振ブッシュは、軸部材と、前記軸部材の径方向の外側に配置される筒部材と、前記筒部材の内周面と前記軸部材の外周面とを結合するゴム弾性体と、を備え、
    前記防振ブッシュは、前記車輪に接地荷重が作用しない第1状態から前記車輪に接地荷重が作用する第2状態への推移に伴い、前記軸部材の軸線の方向と直交する第1方向に荷重が作用し、
    前記防振ブッシュは、前記第1方向の荷重に対する荷重−たわみ曲線において、前記第1状態から前記第2状態への推移に伴い、線形領域の中央に近づくことを特徴とする車両のサスペンション構造。
  2. 前記防振ブッシュは、前記ゴム弾性体のうち前記第2状態において圧縮される第1部の前記第1方向における厚さが、前記ゴム弾性体のうち前記第2状態において引っ張られる第2部の前記第1方向における厚さよりも厚いことを特徴とする請求項1記載の車両のサスペンション構造。
  3. 前記防振ブッシュは、前記第1状態から前記第2状態への推移に伴い、前記軸部材の前記軸線の位置が、前記筒部材の軸線の位置に近づくことを特徴とする請求項2記載の車両のサスペンション構造。
  4. 前記防振ブッシュは、前記第1方向に位置する前記ゴム弾性体の軸方向の長さが、前記軸部材の前記軸線の方向と前記第1方向とに直交する第2方向に位置する前記ゴム弾性体の軸方向の長さよりも短いことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両のサスペンション構造。
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