JP2011057438A - 背面形成装置、及び画像形成システム - Google Patents
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Abstract
【課題】スティプル針の綴じ位置及び綴じ個所の数に拘わらずシート束背面の平坦性を損なうことのないようにする。
【解決手段】突き当て面に中綴じしたスティプル針のシート束SBからの突出部を収納する互いに離間する方向に傾斜した複数の溝mを備えた突き当て部330と、シート束SBの折り目先端SB1が当接する位置における突き当て面の溝部の間隔を変更する変更手段とを有し、中折りされたシート束SBの折シート搬送方向の上流側から下流側に徐々に圧力を加え、折り目部先端SB1を突き当て面に突き当て、前記加圧により折り目部に膨らみを形成させ、折り目部先端の膨らみを加圧挟持板325,326によって挟持して、シート束SBの折り目部先端を平坦状に形成する処理を実行させる。その際、スティプル針は溝部に収納され、押圧力が加えられないので、シート束背面は平坦に保持される。
【選択図】図25
【解決手段】突き当て面に中綴じしたスティプル針のシート束SBからの突出部を収納する互いに離間する方向に傾斜した複数の溝mを備えた突き当て部330と、シート束SBの折り目先端SB1が当接する位置における突き当て面の溝部の間隔を変更する変更手段とを有し、中折りされたシート束SBの折シート搬送方向の上流側から下流側に徐々に圧力を加え、折り目部先端SB1を突き当て面に突き当て、前記加圧により折り目部に膨らみを形成させ、折り目部先端の膨らみを加圧挟持板325,326によって挟持して、シート束SBの折り目部先端を平坦状に形成する処理を実行させる。その際、スティプル針は溝部に収納され、押圧力が加えられないので、シート束背面は平坦に保持される。
【選択図】図25
Description
本発明は、用紙、記録紙、転写紙などのシート状記録媒体(以下、単に、「シート」と称する)を綴じ処理後、折り処理を施し、綴じて束ねたシート束の背部を平坦に形成する背面形成装置、及びシート上に画像を形成する画像形成装置と前記背面形成装置を備えた画像形成システムに関する。
画像形成装置本体の下流側へ配置され、出力される記録紙などに綴じなどの後処理を施すシート処理装置は広く知られているが、昨今その機能は多機能化され、従来の端面綴じに加えて中綴じ処理も一般化している。そこで、アウトプット品質の向上手段として中綴じし、折り処理された冊子の折り品質の向上を意図した技術が提案されている。
すなわち、シート束を中綴じし、中折り(2つ折り)した場合、2つ折りされたシート束は、折り目部近傍において厚み方向に膨らんでしまい、見栄えが悪いものとなる傾向がある。また、シート束が折り目部近傍で膨らむと、冊子として背部側が厚く、小口側が薄くなり同じ方向にシート束を積載した場合に積載部数が大きくなるにしたがって傾きやすくなる。このため、多数のシート束を積み重ねると、傾斜が大きくなり崩れ、多数部のシート束を積載することが困難となる。
これに対し、2つ折りされたシート束の折り目部を背表紙状に平坦化して冊子を形成すると、冊子の膨らみが押さえられ、多数の冊子を積み重ねることができる。すなわち、前述のように膨らんでいる冊子は卓上に数部積み重ねるだけで崩れてしまい、保管や運搬など取り回しに問題があるが、折り目部に対応する背部を平坦化すると膨らみを最小限に抑えることが可能となり、前記問題は解決される。なお、ここで言う背部とは背面となる背表紙、背表紙につづく表紙部分と裏表紙部分とを含む背面部分(以下、背面部と称する)を意味し、冊子の反小口側の部分に相当する。
そこで、例えば特許文献1記載(特開2001−260564号公報)の発明では、背部が湾曲するように折りたたまれたシート束からなる小冊子の表面と裏面を、背部に隣接して押圧手段で把持して固定し、背部の湾曲を平滑化するのに十分な圧力で成形ローラを突き出た背部の長さ方向に沿って押し戻すように1回もしくは複数回走行させ、背部を平坦にするようにしている。
この発明では、背部の湾曲を平坦化する効果を上げているが、加圧ローラによって局所毎に連続して押圧し、冊子背部に面を形成することから、背面や綴じ部などに皺や破れなどが発生する場合があった。また、ローラを折り目部に沿って移動させるので、加工時間が長くならざるを得なかった。
そこで、特許文献2記載(特開2007−237562号公報)の発明では、折りたたまれた用紙束の背部の周辺以外の部分を厚み方向に挟持する挟持手段と、背部押圧部材に形成された背部押圧面を前記挟持された用紙束の背部に押し付けることにより、背部の反対側の小口方向に背部を押圧する背部押圧手段と、前記押圧された用紙束の背部の周辺を厚み方向に圧縮して、用紙束の背部の周辺を成形する圧縮手段と、を備えた用紙束成形装置を特徴としている。この発明では、背部押圧手段によって小口方向に押圧され、膨らんだ折り目近傍の表紙側及び裏表紙側の部分を圧縮手段によって圧縮することにより成形し、膨らみを抑えるようにしている。すなわち、従来の部材を高い圧力で背部に押し付けながら背部に沿って移動させる場合に比べ、成形処理による背部への影響を抑制することができるとしている。また、用紙背面突き当て手段の突き当て面に凹部を設けループステッチなど用紙背面から高く突出する物に対しての影響をなくすようにしている。
特許文献1記載の発明は背面形成のための提案であり、スティプル針がシート束背面から突出していると、その突出部をそのまま用紙搬送方向上流側に押し込むことになり、シート束背面に凹みが生じ、平坦面として仕上げることができず、見栄えが悪くなる。
また、特許文献2記載の発明では、用紙背面突き当て面に凹部を設け、背部から突出するもの影響を排除できるように構成されているが、単にスティプル針を収容する機能を有するだけで、近年の市場で要望されているスティプル針の移動や、2個所、4個所の綴じなどに対応できていない。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、スティプル針の綴じ位置及び綴じ個所の数に拘わらずシート束背面の平坦性を損なうことのないようにすることにある。
前記課題を解決するため、第1の手段は、中折り、中綴じされたシート束の折り部を平坦状の背面形状に形成する背面形成装置であって、前記シート束を搬送する搬送手段と、前記シート束の折り部を突き当てる突き当て手段と、前記シート束を厚み方向で挟持する第1挟持手段及び第2挟持手段と、前記シート束を排紙トレイへ排出する排出手段と、前記搬送手段、前記突き当て手段、前記第1挟持手段、及び前記第2挟持手段を制御する制御手段と、を備え、前記突き当て手段は、突き当て面に前記中綴じしたスティプル針のシート束からの突出部を収納する互いに離間する方向に傾斜した複数の溝部と、前記シート束の折り部が当接する位置における前記突き当て面の前記溝部の間隔を変更する変更手段と、をさらに有し、シート搬送方向の上流側から下流側に前記搬送手段、前記第1挟持手段、前記第2挟持手段、前記突き当て手段、及び前記排出手段が順に配置され、前記制御手段は、前記搬送手段によって中折りされたシート束の折り部を前記突き当て面に突き当て、前記第1挟持手段によって当該シート束の上流側を挟持して折り部に膨らみを形成させ、当該シート束の膨らみを前記第2挟持手段によって挟持して、当該シート束の折り部の背面を平坦状に形成する処理を実行させることと特徴とする。
第2の手段は、第1の手段において、前記制御手段は前記スティプル位置情報に基づいて前記変更手段を制御し、前記間隔を変更することを特徴とする。
第3の手段は、第1の手段において、前記制御手段は前記シート束のシートサイズ情報に基づいて前記変更手段を制御し、前記間隔を変更することを特徴とする。
第4の手段は、第1ないし第3のいずれかの手段において、前記溝部の数はスティプルの数情報に基づいて変更されることを特徴とする。
第5の手段は、第1ないし第4のいずれかの手段において、前記溝部の数が偶数個の場合、前記傾斜が同一方向のものと、180度回転させた傾斜のものとが対となって組み合わされていることを特徴とする。
第6の手段は、第1ないし第5のいずれかの手段において、前記溝部の数が偶数個の場合、内側の対となる組よりも外側の対となる組みの方が前記突出部と平行な方向の溝の幅寸法が大きくなるように設定されていることを特徴とする。
第7の手段は、第1ないし第6のいずれかの手段において、前記溝部が前記突き当て面に形成された空間部からなり、当該空間部に前記突出部が突入し弾性変形する弾性変形手段が装着されていることを特徴とする。
第8の手段は、シートに対して所定の処理を施すシート処理手段を、第1ないし第7のいずれかの手段に係る背面形成装置の前段も備えていることを特徴とする。
第9の手段は、シートに対して画像を形成する画像形成手段と、第1ないし第8のいずれかの手段に係る背面形成装置と、を備えた画像形成システムを特徴とする。
なお、後述の実施形態では、シート束は符号SBに、折り部は折り目部先端SB1に、搬送手段は搬送ベルト311,312に、突き当て手段は突き当て板330に第1挟持手段は補助挟持板320,321に、第2挟持手段は加圧挟持板325,326に、排出手段は排紙ガイド板335及び上下の排紙ローラ340,341に、制御手段はCPU3−1に、溝部は溝m,m1,m1’,m1”,m2,m2’,m2”,m3,m4,m3’,m4’に、突き当て面330aに、変更手段は溝mA、mB、mCと突き当て板330の昇降機構に、空間部は溝mに、シート処理手段はシート後処理装置及び中綴じ製本装置に、それぞれ対応する。
本発明によれば、スティプル針の綴じ位置及び綴じ個所の数に応じて各スティプル針の突出部を収納する溝部を突き当て面に備えているので、シート束の背面を平坦面に形成する際、シート束背面の平坦性を損なうことのないようにすることができる。
本発明では、突き当て板の用紙背部接触面にスティプル針の段差を避ける移動可能な面を複数個設け、スティプル針の段差による背面や綴じ部などにシワや破れなどを発生させずに冊子背部に面を形成するようにしたものである。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同等な各部には、同一の参照符号を付し,重複する説明は適宜省略する。
図1は、本実施形態における画像形成装置、シート後処理装置、中綴じ装置、背面処理装置からなり、画像形成後に背面処理まで実行する製本システムのシステム構成を示す図である。同図では、画像形成装置の後段にシート処理装置としてシート後処理装置1が連結され、シート後処理装置1の後段に中綴じ製本装置2及び背面処理装置3が連結されて1つの製本システムが構成されている。このシステムでは、大略、シート後処理装置1のシート束排紙ローラ10から中綴じ製本装置2内に搬入されたシート束に対して中綴じ処理を施し、さらに中折りした後、下排紙ローラ231から背面処理装置3に搬送し、当該背面処理装置3でシート束の折り目部を平坦面に形成して装置外に排紙するようになっている。画像形成装置は入力された画像データ、もしくは読み取った画像の画像データに基づいてシート状の記録媒体に可視画像を形成するもので、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの機能のうち少なくとも2つの機能を備えたデジタル複合機(MFP100−図18参照)などがこれに相当する。
図2は図1における中綴じ製本装置の詳細な構成を示す図である。同図において、中綴じ製本装置2は入口搬送路241、シートスルー搬送路242、及び中折り搬送路243を備えている。入口搬送路241のシート搬送方向最上流部には、入口ローラ201が設けられ、画像形成装置1の前記シート束排紙ローラ10から整合されたシート束が装置内に搬入される。なお、以下の説明では、シート搬送方向上流側を単に上流側と、シート搬送方向下流側を単に下流側と称す。
入口搬送路241の入口ローラの201の下流側には、分岐爪202が設けられている。この分岐爪202は図において水平方向に設置され、シート束の搬送方向をシートスルー搬送路242あるいは中折り搬送路243に分岐する。シートスルー搬送路242は、入口搬送路241から水平に延び、後段の図示しない処理装置もしくは排紙トレイにシート束を導く搬送路であり、シート束は上排紙ローラ203によって後段に排紙される。中折り搬送路243は分岐爪202から垂直下方に延び、シート束に対して中綴じ、中折りを行うための搬送路である。
中折り搬送路243は、中折りするための折りプレート215の上部でシート束を案内する束搬送ガイド板上207と、折りプレートの215の下部でシート束を案内する束搬送ガイド板下208を備えている。束搬送ガイド板207には、上部から束搬送ローラ上205、後端叩き爪221、束搬送ローラ下206が設けられている。後端叩き爪221は、図示しない駆動モータによって駆動される後端叩き爪駆動ベルト222に立設されている。後端叩き爪221は駆動ベルト222の往復回転動作により、シート束の後端を後述の可動フェンス側に叩き(押圧し)シート束の整合動作を行う。また、シート束が搬入される際、及びシート束が中折りのための上昇する際には、束搬送ガイド板上207の中折り搬送路243から退避する(図2破線位置)。符号294は後端叩き爪221のホームポジションを検出するための後端叩き爪HPセンサであり、中折り搬送路243から退避した図2破線位置をホームポジションとして検出する。後端叩き爪221は、このホームポジションを基準に制御される。
束搬送ガイド板下208には、上方から中綴じスティプラS1、中綴じジョガーフェンス225、及び可動フェンス210が設けられている。束搬送ガイド板下208は束搬送ガイド板上207を通って搬送されてきたシート束を受入れるガイド板であり、幅方向には一対の前記中綴じジョガーフェンス225が設置され、下方にシート束先端が当接(支持)し、上下動可能に前記可動フェンス210が設けられている。
中綴じスティプラS1はシート束の中央部を綴じるスティプラである。可動フェンス210はシート束の先端部を支持した状態で上下方向に移動し、シート束の中央位置を中綴じスティプラS1に対向する位置に位置させ、その位置でスティプル処理、すなわち中綴じが行われる。可動フェンス210は可動フェンス駆動機構210aによって支持されるともに、図示上方の可動フェンスHPセンサ292位置から最下方位置まで移動可能である。シート束の先端が当接する可動フェンスの可動範囲は、中綴じ製本装置2の処理可能な最大サイズから最小サイズまで処理可能なストロークが確保されている。なお、可動フェンス駆動機構210aとしては、例えばラックアンドピニオン機構が使用される。
束搬送ガイド板上207と下208との間、すなわち中折り搬送路243のほぼ中央部には折りプレート215、折りローラ対230、排紙搬送路244、及び下排紙ローラ231が設けられている。折りプレート215は、図示水平方向に往復動可能であり、折り動作を行う際の動作方向には、折りローラ対230のニップが位置し、その延長上に排紙搬送路244が設置されている。下排紙ローラ231は、排紙搬送路244の最下流に設けられ、後段に折り処理されたシート束を排紙する。
束搬送ガイド板上207の下端側には、シート束検知センサ291が設けられ、中折り搬送路243に搬入され、中折り位置を通過するシート束の先端を検知する。また、排紙搬送路224には、折り目部通過センサ293が設けられ、中折りされたシート束の先端を検知し、シート束の通過を認識する。
大略、図2に示すように構成された中綴じ製本装置2では、図3ないし図7の動作説明図に示すようにして中綴じ及び中折り動作が行われる。すなわち、画像形成装置1の図示しない操作パネルから中綴じ中折りが選択されると、当該中綴じ中折りが選択されたシート束は、分岐爪202の反時計方向の偏倚動作により中折り搬送路243側に導かれる。なお、分岐爪202はソレノイドによって駆動される。なお、ソレノイドに代えてモータ駆動でも良い。
中折り搬送路243内に搬入されたシート束SBは、入口ローラ201と束搬送ローラ上205によって中折り搬送路243を下方に搬送され、シート束検知センサ291によって通過が確認された後、図3に示すように束搬送ローラ下206によって可動フェンス210にシート束SBの先端が当接する位置まで搬送される。その際、画像形成装置1からのシートサイズ情報、ここでは、各シート束SBの搬送方向のサイズ情報に応じて可動フェンス210は異なる停止位置で待機している。このとき、図3では、束搬送ローラ下206はニップにシート束SBを挟持し、後端叩き爪221はホームポジション位置に待機している。
この状態で、図4に示すように束搬送ローラ下206の挟持圧が解除され(矢印a方向)、可動フェンス210にシート束先端が当接し、後端がフリーになった状態でスタックされると、後端叩き爪221が駆動され、シート束SBの後端を叩いて搬送方向の最終的な揃えを行う(矢印c方向)。
次いで、中綴じジョガーフェンス225によって幅方向(シート搬送方向に対して直交する方向)、可動フェンス210と後端叩き爪221により搬送方向の揃え動作が実行され、シート束SBの幅方向及び搬送方向の整合動作が完了する。このとき、シートのサイズ情報、シート束の枚数情報、シート束厚み情報によって、後端叩き爪221、中綴じジョガーフェンス225の押し込み量を最適の値に変更し整合する。
また、束の厚みがあると搬送路内の空間が減少するため、一度の整合動作では整合しきれないケースが多い。そこで、このような場合には、整合回数を増加させる。これにより、より良い整合状態を実現することができる。さらに、上流側でシートを順次重ね合わせる時間はシート枚数が多ければ多いほど増加するので、次のシート束SBを受入れるまでの時間が長くなる。その結果、整合回数を増加してもシステムとして時間の損失はないことから、効率的に良好な整合状態を実現できる。従って、上流の処理時間に応じ、整合回数を制御することも可能である。
なお、前記可動フェンス210の待機位置は、通常、シート束SBの中綴じ位置が中綴じスティプラS1の綴じ位置に対向する位置に設定される。この位置で整合すると、可動フェンス210をシート束SBの中綴じ位置に移動させることなく、スタックされた位置でそのまま綴じ処理が可能となるからである。そこで、この待機位置でシート束SBの中央部に中綴じスティプラS1のステッチャを矢印b方向に駆動し、クリンチャとの間で綴じ処理が行われ、シート束SBは中綴じされる。
なお、可動フェンス210は可動フェンスHPセンサ292からのパルス制御により位置決めされ、後端叩き爪221は後端叩き爪HPセンサ294からのパルス制御により位置決めされる。可動フェンス210及び後端叩き爪221の位置決め制御は、中綴じ製本装置2の制御回路のCPU2−1(図18参照)によって実行される。
図4の状態で中綴じされたシート束SBは、図5に示すように束搬送ローラ下206の加圧が解除された状態で可動フェンス210の上方移動に伴って中綴じ位置(シート束SBの搬送方向の中央位置)が折りプレート215に対向する位置まで移送される。この位置も可動フェンスHPセンサ292の検出位置を基準に制御される。
図5の位置にシート束SBが達すると、図6に示すように折りプレート215が折りローラ対230のニップ方向に移動し、シート束SBの綴じられた針部近傍のシート束SBに対して略直角方向から当接し、前記ニップ側に押し出す。シート束SBは折りプレート215により押されて折りローラ対30のニップへと導かれ、予め回転していた折りローラ対230のニップに押し込まれる。折りローラ対230は、ニップに押し込まれたシート束SBを加圧し、搬送する。この加圧搬送動作によりシート束SBの中央に折りが施される。図6は、シート束SBの折り目部先端が折りローラ対230のニップに挟持され、加圧されているときの状態を示す。
図6の状態で中央部が2つ折りされたシート束SBは、図7に示すように折りローラ対230によって搬送され、さらに下排紙ローラ231に挟持されて後段に排出される。このとき、シート束SB後端が折り目部通過センサ293に検知されると、折りプレート215及び可動フェンス210はホームポジションに、束搬送ローラ下206は加圧状態にそれぞれ復帰し、次のシート束SBの搬入に備える。また、次のジョブが同サイズ同枚数であれば、可動フェンス210は再び図3の位置に移動し、待機するようにしても良い。なお、これらの制御も前記中綴じ製本装置2のCPU2−1によって実行される。
図8は図1における背面処理装置3の詳細を示す正面図である。背面処理装置3にはシート束搬送路302に沿って上流側から搬送部、補助挟持部、加圧挟持部、突き当て部、排紙部が設けられている。
搬送部は上下の搬送ベルト311,312を、補助挟持部は上下の搬送ガイド板315,316及び上下の補助挟持板320,321を、加圧挟持部は上下の加圧挟持板325,326を、突き当て部は突き当て板330を、排紙部は排紙ガイド板335及び上下の排紙ローラ340,341を、それぞれ備えている。なお、各部は図8では紙面の奥側に少なくともシート束SBの搬送幅以上の幅を有する。
上搬送ベルト311及び下搬送ベルト312はそれぞれ、揺動支点311a,312aに軸支された駆動側プーリ311b,312bと、この駆動側プーリ311b,312bよりも下流側に位置し、前記折りプレート215、折りローラ対230のニップ、下排紙ローラ231のニップを結ぶ線の延長上に設定される搬送中心301挟んで対向した従動側プーリ311c,312c間に掛け渡され、図示しない駆動モータにより駆動される。揺動支点311a,312aはシート束SBの厚さに応じて従動側プーリ311c,312cの間隔が倣うことができるように上下の搬送ベルト311,312を支持している。
図9は、上下の搬送ベルト311,312によってシート束SBを搬送する搬送機構(搬送部)の詳細を示す図である。図9(a)は初期状態を、図9(b)はシート束SBの搬送時の状態をそれぞれ示す。これらの図に示すように、駆動側プーリ311b,312bと従動側プーリ311c,312cはそれぞれ支持板311d,312dで連結され、駆動側プーリ311b,312bと従動側プーリ311c,312c間に上下の搬送ベルト311,312がそれぞれ掛け渡されている。これにより、上下の搬送ベルト311,312は、それぞれ駆動側プーリ311b,312bから駆動力を得て回転する。
一方、従動側プーリ311c,312cの回転軸には、連結軸313aによって回動可能に連結された2つの部材からなるリンク313が接続され、加圧バネ314によって常時近接する方向に弾性付勢力が付与されている。連結軸313aは、背面処理装置3の筐体に設けられた搬送方向に延びた長孔313bに沿って移動可能である。これによりリンク313の従動側プーリ311c,312cの開閉動作に伴って図9(b)に示すように連結軸313aが長孔313bに沿って移動し、シート束SBの厚さに追従してニップ間の距離が変化するとともに、所定の挟持圧を付与することが可能となる。
また、連結軸313aを例えばラックアンドピニオン機構によって長孔313bに沿って移動できるようにし、ピニオンを駆動する駆動モータを制御して連結軸313aの位置を移動させるようにすることもできる。このようにすると、シート束SBの厚さが厚い場合、シート束SBを受入れるための搬送間隔(従動プーリ311c,312c間のニップ間距離)を設定することが可能となり、シート束SBの従動プーリ311c,312c側の搬送ベルト311,312がシート束SBの折り目部先端SB1に乗り上げる際の圧力を緩和することができる。なお、一旦乗り上げた後、駆動モータへの電源供給を停止すれば、加圧バネ314だけの弾性付勢力で従動側プーリ311c,312cはシート束SBを挟持し、搬送力を付与することができる。
図10は、図9におけるリンク314に代えて揺動軸311a,312aにセクタギヤ311e,312eを設け、両者を噛合させて搬送中心301に対して対称に離間するように構成した例である。この場合も図10(a)は初期状態を、図10(b)はシート束SB搬送時の状態をそれぞれ示す。この場合も、セクタギヤ311e,312eの一方を、減速機構を含む駆動モータにより駆動できるようにしておけば、図9で示した例と同様にシート束SBを受入れるための搬送間隔を設定することが可能となる。
図8に示すように上下の搬送ベルト311,312の従動側プーリ311c,312cの搬送ニップ近傍には上下の搬送ガイド板315,316が搬送中心301を挟んで対称に配置されている。上下の搬送ガイド板315,316は、それぞれ搬送ニップ近傍から上下の補助挟持板320,321の受け渡し部分まで平坦面で形成され、この平坦面が搬送面として機能する。上下の搬送ガイド板315,316は、それぞれ上下の補助挟持板320,321に上下方向に変位可能でかつ加圧バネ317によって搬送中心301側に加圧(弾発)可能に取り付けられている。また、上下の補助挟持板320,321も上下方向に変位可能に図示しない筐体によってガイドされ、保持されている。なお、上下の搬送ガイド板315,316を省略して上下の補助挟持板320,321のシート束SBに対向する面の形状のみで代用することも可能である。
上下の補助挟持板320,321を備えた補助挟持部は、前述した搬送部の上下の搬送ベルト311,312による近接離間機構と同様に、搬送中心301に対し対称に近接離間動作を行う。この補助挟持部に設けられる近接離間機構は、搬送部で説明したリンク機構、あるいはラックとセクタギヤでの連結機構を使用することによって構成することができる。変位位置検出の基準位置は補助挟持板HPセンサSN3の検知出力によって決められる。図示しない駆動機構と上下の補助挟持板320,321は搬送部における加圧バネ314と同様にバネ等を介して連結されているため、シート束SBを挟持する際に駆動機構に過負荷による破損が生じることはない。なお、上下の補助挟持板320,321のシート束SBを挟持する押圧挟持面は搬送方向、言い換えれば搬送中心301に対して平行な平坦面となっている。
加圧挟持部は上下の加圧挟持板325,326を備えた含み、上下の加圧挟持板325,326は、前述した搬送部の上下の搬送ベルト311,312による近接離間機構と同様に、搬送中心301に対し対称に近接離間動作を行う。この加圧挟持部に設けられる近接離間機構は、搬送部で説明したリンク機構、あるいはラックとセクタギヤでの連結機構を使用することによって構成することができる。上下の加圧挟持板325,326についても加圧挟持板HPセンサSN4の検知出力によって上下変位位置検出の基準位置が決められる。動作とその他の構成は前述の補助挟持板320,321と同様であるため、説明は省略する。なお、搬送部における駆動モータは必須ではないが、補助挟持部及び加圧挟持部は、駆動モータもしくはその他の駆動源は必須であり、この駆動モータもしくは駆動源による駆動力によってシート束SBの挟持位置、及び退避位置への移動が可能となる。また、上下の加圧挟持板325,326のシート束SBを挟持する押圧挟持面も補助挟持板320,321と同様に、搬送方向、言い換えれば搬送中心301に対して平行な平坦面となっている。
加圧挟持部の下流には突き当て部が設けられている。突き当て部は突き当て板330とこの突き当て板330を昇降移動させる図示しない移動機構とからなる。突き当て板330は搬送路302に対して進出後退可能に変位し、その変位位置検出の基準位置は突き当て板HPセンサSN5の検知出力によって決められる。突き当て板330の天面は搬送路302から退避した位置では、シート束SBの搬送ガイドとして機能する。そのため、当該天面はシート搬送方向、言い換えれば搬送中心301に平行な平坦面として形成されている。前記移動機構は、例えば突き当て板330の両側面(装置の前面側と後面側)に設けられた図示しないラックアンドピニオン機構と、ピニオンを駆動する駆動モータとから構成することができる。このように構成すると、駆動モータの駆動により突き当て板330を昇降動作させ、更には、所定の位置に位置決めすることができる。
図11ないし図17はシート束SBの折り目部を平坦に、かつ、折り面部に隣接する表紙部側と裏表紙部側を平坦状に形成する背面処理装置3の背面処理動作を示す動作説明図である。以下、これらの図を参照して、シート束SBの折り目部先端、言い換えればシート束SBの背面部の平坦形成動作について説明する。
背面処理装置3の図示しない入口センサ又は中綴じ製本装置2の折り目部通過センサ293からのシート束SB検知信号により、背面処理装置3の各部は用紙受入れ準備の動作をする。受入れ準備動作では、上搬送ベルト311と下搬送ベルト312は回転を開始し、上補助挟持板320と下補助挟持板321は補助挟持板HPセンサSN3の検知位置、すなわちホームポジションに一旦移動した後、搬送中心301に向かって予め設定された搬送ギャップ(離間距離)になるように移動し、その位置で停止する。上加圧挟持板325と下加圧挟持板326も加圧挟持板HPセンサSN4の検出位置(ホームポジション)まで移動し、その後、搬送中心301に向かって予め設定された搬送ギャップ(離間距離)になるように移動し、その位置で停止する。なお、上下の補助挟持板320,321の場合も上下の加圧挟持板325,326の場合も、搬送中心301に対して対称に配置され、対称に動作するので、一方のホームポジションが検出できれば、他方も同じ状態である。そのため、HPセンサSN3,SN4は一方の側だけに設けられている。突き当て板330は突き当て板HPセンサSN5の検出位置(ホームポジション)まで移動した後、搬送中心301に向かって予め設定された距離移動し、搬送路302を塞ぐ位置で停止する。この状態は、図11においてシート束SBが搬入されていない状態に対応する。
この状態で、中綴じ製本装置2の下排紙ローラ231から排紙され、背面処理装置3に搬入されたシート束SBは、回転を開始している上搬送ベルト311と下搬送ベルト312によって図11に示すように機内に搬入される。シート束SBは搬送センサSN1により折り目部先端SB1が検出され、折り目部先端SB1が突き当て板330に突き当たる距離と、折り目部先端SB1を加工するために必要な膨らみSB2の発生のための距離分とを加算した予め設定された距離搬送された後に図12に示すように停止する。前記設定された距離は、紙厚、サイズ、綴じ、枚数、特殊紙等のシート束SB情報に対応して設定される。
図12の状態でシート束SBが停止すると、図13に示すように上補助挟持板320と下補助挟持板321は搬送中心301に向かって移動を開始し、まず、上搬送ガイド板315と下搬送ガイド板316がシート束SBを加圧バネ317の弾性力によって加圧状態で挟持する。上搬送ガイド板315と下搬送ガイド板316により一定の加圧力が加わった時点から、上補助挟持板320と下補助挟持板321はさらに搬送中心301に向かって移動し、上補助挟持板320と下補助挟持板321によりシート束SBの折り目部先端SB1よりも下流側はさらに挟持され、予め設定された加圧力に達した時点で上補助挟持板320と下補助挟持板321の移動は停止し、図14に示すように当該加圧力下でシート束SBは保持状態になる。これにより、シート束SBの折り目部先端SB1は突き当て板330に当接し、折り目部先端SB1の下流側に図13に示した膨らみSB2よりさらに大きな膨らみSB2が発生する。
次いで、図14の上下の補助挟持板320,321の加圧挟持状態から、図15に示すように上加圧挟持板325と下加圧挟持板326が搬送中心301に向かって移動を開始する。この移動に伴って折り目部先端SB1に集められた膨らみSB2は徐々に加圧され、上加圧挟持板325、下加圧挟持板326及び突き当て板330によって形成される空間の形状に倣って変形する。加圧が完了し終わると、シート束SBの折り目部先端SB1は突き当て板330の形状に倣って平坦面となり、シート束SBに平坦状の背面(背表紙)が形成される。また、折り目部近傍の表紙部SB3及び裏表紙部SB4も平坦面に成形される。これによりシート束SBの中綴じ、中折り部にスクウェアな背面部が形成された冊子を提供することができる(図17参照)。
その後、図16に示すように、上補助挟持板320と下補助挟持板321、上加圧挟持板325と下加圧挟持板326はシート束SBから離間して所定位置で停止し、突き当て板330もホームポジション側へ移動し、突き当て板の上面でシート束SBを搬送ガイドできる位置で停止する。
上下の補助挟持板320,321、上下の加圧挟持板325,326、及び突き当て板330が図16に示す待機位置に移動した後、図17に示すように上搬送ベルトと311と下搬送ベルト312、及び上排紙ローラ340と下排紙ローラ341が回転を開始し、シート束SBを背面処理装置3から機外に排出し、一連の背面処理動作は完了する。回転をしている上下の搬送ベルト311,312、及び上下の排紙ローラ340,341は、排紙センサSN2の検知情報で一定時間後に停止する。また、それに併せてその他の可動部もホームポジションに移動する。中綴じ製本装置2から続けてシート束SBが搬送されてくる場合は、上下の搬送ベルト311,312、及び上下の排紙ローラ340,341の回転停止タイミングは、後続のシート束SBの搬送状況に応じて変更される。また、その他の可動部も毎回ホームポジションに戻る必要はなく、シート束SBの受入れ位置も搬送状況やシート束SB情報に対応して移動しても良い。
図18は、製本システムのオンラインの制御構成の概略を示すブロック図である。すなわち、MFP(画像形成装置)100に対してシート処理装置1が接続され、このシート処理装置1に中綴じ製本装置2が接続され、この中綴じ製本装置2に冊子背面処理装置3が接続されている。MFP100、シート処理装置1、中綴じ製本装置2及び冊子背面処理装置3はそれぞれCPU100−1,CPU1−1,CPU2−1,CPU3−1と、通信ポート100−2,通信ポート1−2,通信ポート1−3,通信ポート2−2,通信ポート2−3,通信ポート3−2を備え、MFP100とシート処理装置1は通信ポート100−2と通信ポート1−2により、シート処理装置1と中綴じ製本装置2は通信ポート1−3と通信ポート2−2により、中綴じ製本装置2と(冊子)背面処理装置3は通信ポート2−3と通信ポート3−2より相互に通信可能となっている。また、MFP100には、操作パネル105が設けられ、MFP100のCPU100−1が操作パネル105の表示と操作入力を制御し、操作パネル105をユーザインターフェイスとして機能させている。
MFP100、シート処理装置1、中綴じ製本装置2及び冊子背面処理装置3にそれぞれ搭載されているCPU100−1,CPU1−1,CPU2−1,CPU3−1は、同じくMFP100、シート処理装置1、中綴じ製本装置2及び冊子背面処理装置3にそれぞれ搭載されたROMに格納されたプログラムコードをそれぞれ読み出し、RAMに展開するとともに、RAMをワークエリアとして使用して、前記プログラムコードに記載されたプログラムを実行する。これにより、前述したあるいは以降に述べる各種制御や処理が行われる。これらの各装置は、前記通信ポート100−2,通信ポート1−2,通信ポート1−3,通信ポート2−2,通信ポート2−3,通信ポート3−2を介して直列にライン状(インライン状)に接続されている。オンライン処理の場合には、MFP100のCPU100−1と通信を行い、MFP100のCPU100−1の制御下で制御される。なお、本実施形態でインラインと言うのは、画像形成からシート処理、中綴じ処理、あるいは冊子背面処理が1つの用紙の流れの中で処理されることを意味している。
図19ないし図24は本実施形態における突き当て板330の付き当て面の形状を示す説明図である。図19は、シート束SBの2つ折りした折り目部先端(背部)SB1を突き当て板330に突き当てたときの状態を示す断面図である。同図に示すようにシート束SBが綴じられている部分ではスティプル針Hがシート束SBの背部から突出している。この突出量は、最小でもスティプル針Hの厚さに相当する。すなわち、シート束SBが折られたとき、折られた部分にスティプル針Hの突出部Haが形成されている。そこで、本実施例では、前記突出部Haを避けるために突き当て面330aに溝mを切溝し、スティプル針Hの突出部Haが当該溝mに逃げ、シート束SBの背部は突き当て面330aに突き当たるようにした。これにより、スティプル針Hの突出部Haが突出していたとしても、シート束SBの背面を突き当て板330の突き当て面330aに押し当てる時の前記突出部Haによる段差はなくなっている。したがって、この溝の深さは、最小スティプル針Hの突出部Haの寸法をクリアしていれば良い。
また、図20に示すように突き当て面330aに形成した溝mは突き当て部材330の折り目部先端と平行な方向(スティプル針の長手方向)に対して傾斜しており、図11ないし図17に示したように突き当て板330は上下移動可能な構成になっている。そこで、綴じ位置に対応した2つの溝m1及び溝m2を、両者の中央Cに関して線対称となるように傾斜を付けて形成すると、突き当て板330の上下方向の停止位置により、溝m1と溝m2の間隔を変更することができる。すなわち、スティプラによって2個所止めされたときの主走査方向の針の間隔に応じて溝位置を変更可能となっている。図20では、突き当て板330がより上方に位置すると、溝間隔がより狭くなるという関係となっている。
図21に溝mとスティプル針Hの関係をさらに詳細に示す。同図から分かるように、溝mの幅aはスティプル針Hの幅bよりも大きくなるように、すなわち、
a>b
の関係になるように設定されている。これにより、スティプル針Hと溝mの縁部とが干渉しない。
a>b
の関係になるように設定されている。これにより、スティプル針Hと溝mの縁部とが干渉しない。
また、前記図20の関係に関係について、図22に示すように例えば、傾斜している溝mの三角形の辺の長さのX方向とY方向の比を
c:d=1:2
と言うように設定すると、上下移動の距離(Y方向の距離)と溝m1,溝m2の溝間隔X1の変化を制御することができる。この場合、前述のようにYを変数とすれば、溝間隔X1は自動的に決まる。
c:d=1:2
と言うように設定すると、上下移動の距離(Y方向の距離)と溝m1,溝m2の溝間隔X1の変化を制御することができる。この場合、前述のようにYを変数とすれば、溝間隔X1は自動的に決まる。
図23は2個所綴じと4個所綴じとを別JOBで実行するときの溝の構成を示す図である。図23では、2個所綴じ溝列mAは、例えば図22に対応する溝m1,m2からなり、この下方に4個所綴じ溝mBが形成されている。4個所綴じ溝列mBは図において、溝m3,m1’,m2’,m4からなり、溝m1’、m2’は2個所綴じの場合の溝m1,m2と同等である。この場合も、中央Cを中心に2つずつの溝m3,m1’と溝m2’,m4が対称に配置され、かつそれぞれの溝は図21及び図22で説明した溝の関係(a>b)、辺の関係(c:d=1:2)を備えている。
このように構成すると、突き当て板330の高さを変更し、突き当てる面330aの位置を変更することによって、シート束SBの折り目部先端SB1(背面)が接触する部分の溝の数(2個あるいは4個)を変更可能であり、また、スティプル針Hの間隔についても前記辺の関係から調整することも可能である。
図23の例では、溝m1’と溝m2’の間隔、及び溝m3と溝m4の溝間隔は変更可能であるが溝m1’と溝m3、溝m2’と溝m4の間隔は一定となっている。そこで、図24示すように前記溝列mA、mBに加えて溝列mCの溝パターンを形成し、間隔調整の多様性を図ることができる。
すなわち、図24では、4個所綴じの溝列mBのパターンに対して、溝m3と溝m3’、溝m4と溝m4’とが180度回転した溝列mCのパターンを2個所綴じの溝列mAのパターンの上方に形成した。このようにすることにより、溝m1と溝m2の距離が狭いときと広いときとに対して、溝m1と溝m3、溝m2と溝m4の距離を広い場合と、狭い場合の2通り設定することができる。さらに、溝m1,溝m2の幅よりも溝m3,溝m4の幅のほうを2mm程度広くすることによって、溝m1と溝m3、溝m2と溝m4の距離を微調整することができる。なお、図23では溝m1’と溝m3、溝m2’と溝m4は平行であるが、傾斜角が異なっても良い。
図25は、図24に示した突き当て板330を使用した背面形成装置3の詳細を示す図で、新たに付加した位置検知センサSN5ないしSN8以外は、前記図12に示したものと同一なので、各部の説明は省略する。この図25に示した背面形成装置3では、位置検知センサSN5ないしSN8の検知情報により、突き当て板330の高さ位置が検知され、シート束SBの背面が押し当てられている突き当て板330の高さ方向の位置が分かる。
図26は、溝の位置、間隔、突き当て板330の突き当て面330aの高さ位置の関係を示す説明図である。図26に示すP1,P2,P3の位置では、主走査方向(X方向)に各溝の間隔g,h,iはそれぞれ等しい状態となっており、その位置をスティプル針Hの中央値と設定する。また、P1の位置は位置検知センサSN7、P2の位置は位置検知センサSN8、P3の位置は位置検知センサSN6の検知情報に基づいて設定される。
以上のことを前提に、各モードによる位置調整動作について説明する。
1)2個所綴じの場合
2個所綴じを選択した場合、突き当て板330の待機位置はP1となり、図27及び図28に示すようにスティプル針Hの距離が+の場合は下側に移動し、−の場合は上側に移動する。移動距離は、溝の傾きの比で上下方向に移動し、前述のように例えば溝の傾きの比が1:2でスティプル針Hの距離が中央値よりも1mm広い場合は、突き当て板330は下側に2mm移動する。これらの制御は、前述の制御回路のCPU3−1によって実行される。
1)2個所綴じの場合
2個所綴じを選択した場合、突き当て板330の待機位置はP1となり、図27及び図28に示すようにスティプル針Hの距離が+の場合は下側に移動し、−の場合は上側に移動する。移動距離は、溝の傾きの比で上下方向に移動し、前述のように例えば溝の傾きの比が1:2でスティプル針Hの距離が中央値よりも1mm広い場合は、突き当て板330は下側に2mm移動する。これらの制御は、前述の制御回路のCPU3−1によって実行される。
サイズにより、スティプル針Hの距離が異なる場合も、P1の位置のスティプル針Hの距離を基準に上下動作し、突き当て板330の高さによって溝の距離を決定する。
2)4個所綴じの場合
図29に示すように4個所綴じの場合、内側2個所の距離g’に対し、外側の距離はh’とh”、I’とI”が設定できる。このとき、内側と外側のスティプル針Hの針間隔は、両側で等しくなる。すなわち、h=h’となる。ユーザが内側のスティプル針H間の距離gに対して突き当て板330の上下方向の位置を設定し、そのときに設定可能な外側のスティプル針Hの間隔であるh、iの距離を決定する。外側の溝m3’溝の幅eと、内側の溝m1”の溝の幅fの関係は、外側の溝m3’方が内側の溝m1”より大きく、すなわち、
e>f
となるように設定しているので、距離h,iの微調整が可能となる。これは、内側の溝m1”を内側のスティプル針Hに合わせたときの外側の溝m3’に対する外側のスティプル張りHの調整量が内側よりも大きいので、その分の調整量が外側のスティプル針Hに対して許容され、その許容量が外側h”と内側h’に設定されることから、調整量は最大
h”−h’
となる。このときの設定されたスティプル針Hとの距離による突き当て板330の位置は、2個所綴じのときと同様にP2、もしくはP3の位置からの上下移動で決定する。
図29に示すように4個所綴じの場合、内側2個所の距離g’に対し、外側の距離はh’とh”、I’とI”が設定できる。このとき、内側と外側のスティプル針Hの針間隔は、両側で等しくなる。すなわち、h=h’となる。ユーザが内側のスティプル針H間の距離gに対して突き当て板330の上下方向の位置を設定し、そのときに設定可能な外側のスティプル針Hの間隔であるh、iの距離を決定する。外側の溝m3’溝の幅eと、内側の溝m1”の溝の幅fの関係は、外側の溝m3’方が内側の溝m1”より大きく、すなわち、
e>f
となるように設定しているので、距離h,iの微調整が可能となる。これは、内側の溝m1”を内側のスティプル針Hに合わせたときの外側の溝m3’に対する外側のスティプル張りHの調整量が内側よりも大きいので、その分の調整量が外側のスティプル針Hに対して許容され、その許容量が外側h”と内側h’に設定されることから、調整量は最大
h”−h’
となる。このときの設定されたスティプル針Hとの距離による突き当て板330の位置は、2個所綴じのときと同様にP2、もしくはP3の位置からの上下移動で決定する。
以上のように、突き当て板330に複数の溝を設け、スティプル針Hの突出を逃げることができるようにしたので、スティプル針Hの段差を無くすことが可能となり、シート束背面と突き当て面の段差が緩和され、見栄えの良い背面の形成が可能となる。
本発明では、段差を緩和する為に、溝を用いたが、スティプル針部分にゴムやスポンジのような弾性体を配置し、シート束の背面から突出したスティプル針をシート束の背面側に押込むことのないようにすれば、溝を形成した場合と同様の効果を得ることができる。
なお、前記各モードにおける前記突き当て板の上昇下降動作による、溝の選択は、背面形成装置3のCPU3−1が前段の中綴じ製本装置2のCPU2−1からのスティプル位置情報に基づいて実行される。同様に背面形成装置3のCPU3−1はシート束SBのシートサイズ情報に基づいて溝間隔の調整を行い、溝部の数、本実施形態では、2個所あるいは4個所は綴じ位置の数も、前段の中綴じ製本装置2のCPU2−1から送信されてくるスティプルの数情報に基づいて変更される。
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された発明の技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。
1 画像形成装置
2 シート後処理装置
3 背面形成装置
100−1,1−1,2−1,3−1 CPU
320 上補助挟持板
321 下補助挟持板
325 上加圧挟持板
326 下加圧挟持板
330 突き当て板
330a 突き当て面
H スティプル針
Ha 突出部
m,m1,m1’,m1”,m2,m2’,m2”,m3,m4,m3’,m4’ 溝
mA,mB,mC 溝列
SB シート束
SB1 折り目部先端
SB2 膨らみ
SN5〜8 位置検知センサ
2 シート後処理装置
3 背面形成装置
100−1,1−1,2−1,3−1 CPU
320 上補助挟持板
321 下補助挟持板
325 上加圧挟持板
326 下加圧挟持板
330 突き当て板
330a 突き当て面
H スティプル針
Ha 突出部
m,m1,m1’,m1”,m2,m2’,m2”,m3,m4,m3’,m4’ 溝
mA,mB,mC 溝列
SB シート束
SB1 折り目部先端
SB2 膨らみ
SN5〜8 位置検知センサ
Claims (9)
- 中折り、中綴じされたシート束の折り部を平坦状の背面形状に形成する背面形成装置であって、
前記シート束を搬送する搬送手段と、
前記シート束の折り部を突き当てる突き当て手段と、
前記シート束を厚み方向で挟持する第1挟持手段及び第2挟持手段と、
前記シート束を排紙トレイへ排出する排出手段と、
前記搬送手段、前記突き当て手段、前記第1挟持手段、及び前記第2挟持手段を制御する制御手段と、
を備え、
前記突き当て手段は、
突き当て面に前記中綴じしたスティプル針のシート束からの突出部を収納する互いに離間する方向に傾斜した複数の溝部と、
前記シート束の折り部が当接する位置における前記突き当て面の前記溝部の間隔を変更する変更手段と、
をさらに有し、
シート搬送方向の上流側から下流側に前記搬送手段、前記第1挟持手段、前記第2挟持手段、前記突き当て手段、及び前記排出手段が順に配置され、
前記制御手段は、前記搬送手段によって中折りされたシート束の折り部を前記突き当て面に突き当て、前記第1挟持手段によって当該シート束の上流側を挟持して折り部に膨らみを形成させ、当該シート束の膨らみを前記第2挟持手段によって挟持して、当該シート束の折り部の背面を平坦状に形成する処理を実行させること
と特徴とする背面形成装置。 - 請求項1に記載の背面形成装置であって、
前記制御手段は前記スティプル位置情報に基づいて前記変更手段を制御し、前記間隔を変更すること
を特徴とする背面形成装置。 - 請求項1に記載の背面形成装置であって、
前記制御手段は前記シート束のシートサイズ情報に基づいて前記変更手段を制御し、前記間隔を変更すること
を特徴とする背面形成装置。 - 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の背面形成装置であって、
前記溝部の数はスティプルの数情報に基づいて変更されること
を特徴とする背面形成装置。 - 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の背面形成装置であって、
前記溝部の数が偶数個の場合、前記傾斜が同一方向のものと、180度回転させた傾斜のものとが対となって組み合わされていること
を特徴とする背面形成装置。 - 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の背面形成装置であって、
前記溝部の数が偶数個の場合、内側の対となる組よりも外側の対となる組みの方が前記突出部と平行な方向の溝の幅寸法が大きくなるように設定されていること
を特徴とする背面形成装置。 - 請求項1ないし6記載の背面形成装置であって、
前記溝部が前記突き当て面に形成された空間部からなり、当該空間部に前記突出部が突入し弾性変形する弾性変形手段が装着されていることを特徴とする背面形成装置。 - シートに対して所定の処理を施すシート処理手段と、
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の背面形成装置と、
を備えていることを特徴とするシート処理装置。 - シートに対して画像を形成する画像形成手段と、
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の背面形成装置と、
を備えていることを特徴とする画像形成システム。
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