JP5168262B2 - 背面形成装置、画像形成システム及び背面形成方法 - Google Patents

背面形成装置、画像形成システム及び背面形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、用紙、記録紙、転写紙などのシート状記録媒体(以下、単に、「シート」と称する)を綴じ処理後、折り処理を施し、綴じて束ねたシート束の背部を平坦に形成する背面形成装置、この背面形成装置と画像形成装置を含む画像形成システム、折り処理されたシート束の折り目部の背面を平坦に形成する背面形成方法、及びコンピュータによって折り処理されたシート束の折り目部の背面を平坦に形成する処理を行うための背面形成制御プログラムに関する。
簡易製本として世の中に幅広く使用されている中綴じ製本において、製本後の折り高さ(膨らみ)を小さくするニーズが非常に高い。製本された冊子は数十部積み重ねられた状態で、運搬や納品など取り回すことが通常行われている。しかし、半折りして製作される中綴じ製本冊子は膨らんでいることから、積み重ねると不安定ですぐに崩れてしまう。
すなわち、シート束を中綴じし、中折り(2つ折り)した場合、2つ折りされたシート束は、折り目部近傍において厚み方向に膨らんでしまい、見栄えが悪いものとなる傾向がある。また、シート束が折り目部近傍で膨らむと、冊子として背部側が厚く、小口側が薄くなり同じ方向にシート束を積載した場合に積載部数が大きくなるにしたがって傾きやすくなる。このため、多数のシート束を積み重ねると、傾斜が大きくなって崩れてしまい、多数部のシート束を積載することが困難となる。
これに対し、2つ折りされたシート束の折り目部を背表紙状に平坦化して冊子を形成すると、冊子の膨らみが押さえられ、多数の冊子を積み重ねることができる。すなわち、前述のように膨らんでいる冊子は卓上に数部積み重ねるだけで崩れてしまい、保管や運搬など取り回しに問題があるが、折り目部に対応する背部を平坦化すると、膨らみを最小限に抑えることが可能となり、前記問題は解決される。なお、ここで言う背部とは背面となる背表紙、背表紙に続く表紙部分と裏表紙部分とを含む背面部分(以下、背面部と称する)を意味し、冊子の反小口側の部分に相当する。
そこで、冊子を平坦化する技術に注目すると、例えば特許文献1及び2に記載された発明が公知である。特許文献1(特開2001−260564号公報)記載の発明では、背部が湾曲するように折りたたまれたシート束からなる小冊子の表面と裏面を、背部に隣接して押圧手段で把持して固定し、背部の湾曲を平滑化するのに十分な圧力で成形ローラを突き出た背部の長さ方向に沿って押し戻すように1回もしくは複数回走行させ、背部を平坦にするようにしている。
この発明では、背部の湾曲を平坦化する効果を上げているが、加圧ローラによって局所毎に連続して押圧し、冊子背部に面を形成することから、背面や綴じ部などに皺や破れなどが発生する場合があった。また、ローラを折り目部に沿って移動させるので、加工時間が長くならざるを得なかった。
そこで、特許文献2(特開2007−237562号公報)記載の発明では、折りたたまれた用紙束の背部の周辺以外の部分を厚み方向に挟持する挟持手段と、背部押圧部材に形成された背部押圧面を前記挟持された用紙束の背部に押し付けることにより、背部の反対側の小口方向に背部を押圧する背部押圧手段と、前記押圧された用紙束の背部の周辺を厚み方向に圧縮して、用紙束の背部の周辺を成形する圧縮手段と、を備えた用紙束成形装置を特徴としている。この発明では、背部押圧手段によって小口方向に押圧され、膨らんだ折り目近傍の表紙側及び裏表紙側の部分を圧縮手段によって圧縮することにより成形し、膨らみを抑えるようにしている。
しかしながら、特許文献1記載の発明のように、ローラの接触により部分的に突出部を変形させると、折り目に直交する方向に皺等が発生し、見栄えが悪くなる傾向がある。また、用紙のサイズが大きくなると、移動時間も必要となるため、シート束の枚数によっては生産性が低下することにもなる。すなわち、昨今の省エネ事情により、この種の装置では、効率的に装置を動作させ、省エネ効果を得ることが重要になっている。一般的には、効率性を考慮した場合、用紙の枚数、紙厚、種類によって加圧力や繰返し回数などの加工条件が異なってくる。しかし、特許文献1記載のようなローラを用いた加工では、ローラの繰返し移動回数の選択しか行うことができず、最も効率的な条件設定で加工することができないという問題があった。
また、特許文献2記載の発明では、皺や破れの発生が抑制され、冊子背部に面を形成することができるが、背部を小口方向に押圧し、その後、圧縮手段によって圧縮して表紙及び裏表紙を平坦にするため、突き当て板への冊子突き当て停止後に、挟持手段、背部押圧手段、圧縮手段等の多数の手段を順次動作させる必要があり、加工時間短縮に対する効果は不十分であった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、シート束の背面あるいは綴じ部などに皺、破れなどを発生させることなく、必要最低限のエネルギと時間の消費で効率よく冊子の膨らみを低減することにある。
前記課題を解決するため、本発明は、中折りされたシート束の折り部先端側を平坦状の背面形状に形成する背面形成装置であって、前記シート束の折り部先端側及びシート束の両面側から押し潰すことにより前記背面形状に形成する背面形成手段と、複数の制御動作モードを有し、当該制御動作モードに基づいて前記背面形成手段を動作させる制御手段と、を備え、前記制御動作モードが、前記シート束の構成情報の1つに基づいて設定される第1の動作モードと、前記第1の動作モードで選択された1つのモード及び前記シート束の構成情報の他の1つに基づき、前記背面形成手段による加圧時間を設定する第2の動作モードと、前記第1の動作モードで選択された1つのモード及び前記シート束の構成情報の他の1つに基づき、前記背面形成手段による加圧繰返し回数を設定する第3の動作モードと、を含み、前記制御手段は、前記シート束の構成情報に基づいて前記制御動作モードを選択することを特徴とする
本発明によれば、シート束の背面あるいは綴じ部などに皺、破れなどを発生させることなく、必要最低限のエネルギと時間の消費で効率よく冊子の膨らみを低減することができる。
本発明の実施形態におけるシート処理装置、中綴じ製本装置、及び背面形成装置を備えた背面形成のためのシート処理システムのシステム構成を示す図である。 図1におけるシート後処理装置の詳細を示す正面図である。 シート後処理装置の動作説明図であり、シート束の搬入時の状態を示す。 シート後処理装置の動作説明図であり、シート束の中綴じ時の状態を示す。 シート後処理装置の動作説明図であり、シート束の中折り位置への移動完了時の状態を示す。 シート後処理装置の動作説明図であり、シート束の中折り処理実行時の状態を示す。 シート後処理装置の動作説明図であり、シート束の中折り終了後の排紙時の状態を示す。 図1における背面形成装置の詳細を示す正面図である。 図1におけるシート束を搬送する搬送部の詳細を示す図で、(a)は初期状態を、(b)は搬送時の状態をそれぞれ示す。 図1におけるシート束を搬送する搬送部の他の例の詳細を示す図で、(a)は初期状態を、(b)は搬送時の状態をそれぞれ示す。 背面形成装置の背面形成動作を示す動作説明図であり、シート束搬入時の状態を示す。 背面形成装置の背面形成動作を示す動作説明図であり、シート束先端の付け当て板当接時の状態を示す。 背面形成装置の背面形成動作を示す動作説明図であり、補助挟持板によるシート束の押圧挟持開始時の状態を示す。 背面形成装置の背面形成動作を示す動作説明図であり、補助挟持板によるシート束の押圧挟持終了時の状態を示す。 背面形成装置の背面形成動作を示す動作説明図であり、加圧挟持板によるシート束の押圧挟持終了時の状態を示す。 背面形成装置の背面形成動作を示す動作説明図であり、シート束の背面形成動作を完了し、押圧状態解除時の状態を示す。 背面形成装置の背面形成動作を示す動作説明図であり、シート束の背面形成動作を完了し、シート束搬出時の状態を示す。 搬送ガイド板、補助挟持板、加圧挟持板、及び突き当て板をネジ駆動による上昇下降動作させる駆動機構の一例を示す図である。 シート処理システムを含む製本システムのオンラインの制御構成の概略を示すブロック図である。 冊子を構成するシート枚数と必要な加圧力との関係をグラフで示す図である。 冊子の仕上り厚さと一定の挟持加圧力で加圧する時間との関係をグラフで示す図である。 システムを停止させることなく動作させて目標とする冊子の背部の仕上り厚さを達成する動作の一例について説明するための図で、図20に対応した冊子を構成する枚数と必要加圧力との関係を示す。 システムを停止させることなく動作させて目標とする冊子の背部の仕上り厚さを達成する動作の一例について説明するための図で、図21に対応した冊子の仕上り厚さと一定の挟持加圧力で加圧する時間との関係を示す。 枚数が少数枚のときの冊子枚数と加圧力の関係を示す図で、図22に対応する状態を示す。 枚数が少数枚のときの冊子の仕上り厚さと一定の挟持加圧力で加圧する時間との関係を示す図で、図23に対応する状態を示す。 枚数が多数枚のときの冊子枚数と加圧力の関係を示す図で、図22に対応する状態を示す。 枚数が多数枚のときの冊子の仕上り厚さと一定の挟持加圧力で加圧する時間との関係を示す図で、図23に対応する状態を示す。 シート厚によるモードの設定条件を判定表1として示す図である。 モード設定条件と枚数による加圧時間設定モードの判定条件を判定表2として示す図である。 加圧繰返し回数設定モードの判定条件を判定表3として示す図である。 枚数毎の加圧上限時間の判定条件を判定表4として示す図である。 図28ないし図31に示した判定条件を使用して冊子の条件に応じ、システムの動作を停止させないで目標とする冊子の仕上り厚さを達成ためのモード設定の処理手順を示すフローチャートである。 紙厚70g/m、画像形成装置の処理速度が130PPMにおける処理手順を具体的に示すフローチャートである。 紙厚90g/m、画像形成装置の処理速度が90PPMにおける処理手順を具体的に示すフローチャートである。
本発明は、冊子を形成するシート束の折り目部を平坦に形成し、また、折り目部とその近傍の表紙部分と裏表紙部分を含む冊子背面部を加圧して平坦にすることにより、折り目部を含む背面と表紙及び裏表紙との間をほぼ直角になるように、所謂スクウェアに成形したものである。これにより、多数部の平積みを可能とし、保管及び運搬などの取り回しに際して問題が生じないようにした。このように成形するに際し、シート束の搬送方向上流側から搬送手段、搬送ガイド板、補助挟持手段、加圧挟持手段、突き当て手段、の順で配置し、搬送手段で搬送した中綴じ中折りされたシート束を最下流に位置する突き当て手段に突き当てることによりシート束先端部を搬送路内で膨らませ停止保持し、上流側の搬送ガイド板、補助挟持手段、加圧挟持手段の順に挟持間隔を狭めて加圧していき、膨らみを下流に順次集中させる。そして、最終的にシート束先端部を突き当て手段に押しつつ加圧挟持手段で加圧挟持する。これにより、シート束の背面部を上部小口側から見てコの字状に成形している。
一方、冊子を構成する用紙の条件で最低限必要な加圧力や加圧時間や繰返し回数が変化する。つまり、枚数が少なければ加圧力が低くて良く、枚数が多ければ高い加圧力が必要になる。また、同じ束の厚みでも、薄い紙で構成される束と厚い紙で構成される束では、厚い紙で構成された束の方が曲げにくいことは当業者ではよく知られている事項である。他方、紙には繊維があり繊維と平行に曲げる方が繊維と交差する方向に曲げるよりも曲げやすいということも良く知られている。すなわち、このような情報に基づいて加圧挟持する条件を最適化すると、余分な力(電力)の使用を回避することが可能となる。これにより、省エネに大きな効果を得ると同時に加工処理速度も上がり時間効率の良いシステムを構成することができる。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同等な各部には、同一の参照符号を付し,重複する説明は適宜省略する。
図1は、本実施形態におけるシート後処理装置、中綴じ装置、背部形成装置を備え、背面処理形成のためのシート処理システムのシステム構成を示すブロック図である。なお、このシステムを画像形成装置の後段に接続して背面処理まで実行すると、インラインで画像形成から製本処理まで実行可能な製本システムとして機能する。
このシステムでは、大略、シート後処理装置1のシート束排紙ローラ10から中綴じ処理装置2内に搬入されたシート束に対して中綴じ処理を施し、さらに中折りした後、下排紙ローラ231から背部形成装置3に搬送し、当該背部形成装置3でシート束の折り目部(背面部)を平坦面に形成して装置外に排紙するようになっている。画像形成装置100は入力された画像データ、もしくは読み取った画像の画像データに基づいてシート状の記録媒体に可視画像を形成するもので、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの機能のうち少なくとも2つの機能を備えたデジタル複合機(MFP−図19参照)などがこれに相当する。画像を形成する部分がプリンタエンジン、画像を読み取る部分がスキャナエンジンで、両者が後述の図19におけるエンジン110に対応する。
図2は図1における中綴じ製本装置の詳細な構成を示す図である。同図において、中綴じ製本装置2は入口搬送路241、シートスルー搬送路242、及び中折り搬送路243を備えている。入口搬送路241のシート搬送方向最上流部には、入口ローラ201が設けられ、シート後処理装置1の前記シート束排紙ローラ10から整合されたシート束が装置内に搬入される。なお、以下の説明では、シート搬送方向上流側を単に上流側と、シート搬送方向下流側を単に下流側と称す。
入口搬送路241の入口ローラの201の下流側には、分岐爪202が設けられている。この分岐爪202は図において水平方向に設置され、シート束の搬送方向をシートスルー搬送路242あるいは中折り搬送路243に分岐する。シートスルー搬送路242は、入口搬送路241から水平に延び、後段の図示しない処理装置もしくは排紙トレイにシート束を導く搬送路であり、シート束は上排紙ローラ203によって後段に排紙される。中折り搬送路243は分岐爪202から垂直下方に延び、シート束に対して中綴じ、中折りを行うための搬送路である。
中折り搬送路243は、中折りするための折りプレート215の上部でシート束を案内する束搬送ガイド板上207と、折りプレートの215の下部でシート束を案内する束搬送ガイド板下208を備えている。束搬送ガイド板207には、上部から束搬送ローラ上205、後端叩き爪221、束搬送ローラ下206が設けられている。後端叩き爪221は、図示しない駆動モータによって駆動される後端叩き爪駆動ベルト222に立設されている。後端叩き爪221は駆動ベルト222の往復回転動作により、シート束の後端を後述の可動フェンス側に叩き(押圧し)シート束の整合動作を行う。また、シート束が搬入される際、及びシート束が中折りのための上昇する際には、後端叩き爪221は束搬送ガイド板上207の中折り搬送路243から退避する(図2破線位置)。符号294は後端叩き爪221のホームポジションを検出するための後端叩き爪HPセンサであり、中折り搬送路243から退避した図2破線位置をホームポジションとして検出する。後端叩き爪221は、このホームポジションを基準に制御される。
束搬送ガイド板下208には、上方から中綴じスティプラS1、中綴じジョガーフェンス225、及び可動フェンス210が設けられている。束搬送ガイド板下208は束搬送ガイド板上207を通って搬送されてきたシート束を受け入れるガイド板であり、幅方向には一対の前記中綴じジョガーフェンス225が設置され、下方にシート束先端が当接(支持)し、上下動可能に前記可動フェンス210が設けられている。
中綴じスティプラS1はシート束の中央部を綴じるスティプラである。可動フェンス210はシート束の先端部を支持した状態で上下方向に移動し、シート束の中央位置を中綴じスティプラS1に対向する位置に位置させ、その位置でスティプル処理、すなわち中綴じが行われる。可動フェンス210は可動フェンス駆動機構210aによって支持され、図示上方の可動フェンスHPセンサ292位置から最下方位置まで移動可能である。シート束の先端が当接する可動フェンス210の可動範囲は、中綴じ製本装置2の処理可能な最大サイズから最小サイズまで処理可能なストロークが確保されている。なお、可動フェンス駆動機構210aとしては、例えばラックアンドピニオン機構が使用される。
束搬送ガイド板上207と下208との間、すなわち中折り搬送路243のほぼ中央部には折りプレート215、折りローラ対230、排紙搬送路244、及び下排紙ローラ231が設けられている。折りプレート215は、図示水平方向に往復動可能であり、折り動作を行う際の動作方向には、折りローラ対230のニップが位置し、その延長上に排紙搬送路244が設置されている。下排紙ローラ231は、排紙搬送路244の最下流に設けられ、後段に折り処理されたシート束を排紙する。
束搬送ガイド板上207の下端側には、シート束検知センサ291が設けられ、中折り搬送路243に搬入され、中折り位置を通過するシート束の先端を検知する。また、排紙搬送路224には、折り目部通過センサ293が設けられ、中折りされたシート束の先端を検知し、シート束の通過を認識する。
大略、図2に示すように構成された中綴じ製本装置2では、図3ないし図7の動作説明図に示すようにして中綴じ及び中折り動作が行われる。すなわち、画像形成装置100の操作パネル105(図19参照)から中綴じ中折りが選択されると、当該中綴じ中折りが選択されたシート束は、分岐爪202の反時計方向の偏倚動作により中折り搬送路243側に導かれる。なお、分岐爪202はソレノイドによって駆動される。また、ソレノイドに代えてモータ駆動でも良い。
中折り搬送路243内に搬入されたシート束SBは、入口ローラ201と束搬送ローラ上205によって中折り搬送路243を下方に搬送され、シート束検知センサ291によって通過が確認された後、図3に示すように束搬送ローラ下206によって可動フェンス210にシート束SBの先端が当接する位置まで搬送される。その際、画像形成装置100のCPU100−1からのシートサイズ情報、ここでは、各シート束SBの搬送方向のサイズ情報に応じて可動フェンス210は異なる停止位置で待機している。このとき、図3では、束搬送ローラ下206はニップにシート束SBを挟持し、後端叩き爪221はホームポジション位置に待機している。
この状態で、図4に示すように束搬送ローラ下206の挟持圧が解除され(矢印a方向)、可動フェンス210にシート束先端が当接し、後端がフリーになった状態でスタックされると、後端叩き爪221が駆動され、シート束SBの後端を叩いて搬送方向の最終的な揃えを行う(矢印c方向)。
次いで、中綴じジョガーフェンス225によって幅方向(シート搬送方向に対して直交する方向)、可動フェンス210と後端叩き爪221により搬送方向の揃え動作が実行され、シート束SBの幅方向及び搬送方向の整合動作が完了する。このとき、シートのサイズ情報、シート束を構成するシート束構成情報としての枚数情報、シート束厚み情報によって、後端叩き爪221、中綴じジョガーフェンス225の押し込み量を最適の値に変更し整合する。なお、前記サイズ情報、枚数情報、厚み情報に加えて特殊なシートであることを示す特殊紙情報は後述のモード設定の際にも使用される。
また、束の厚みがあると搬送路内の空間が減少するため、一度の整合動作では整合しきれないケースが多い。そこで、このような場合には、整合回数を増加させる。これにより、より良い整合状態を実現することができる。さらに、上流側でシートを順次重ね合わせる時間はシート枚数が多ければ多いほど増加するので、次のシート束SBを受け入れるまでの時間が長くなる。その結果、整合回数を増加してもシステムとして時間の損失はないことから、効率的に良好な整合状態を実現できる。したがって、上流の処理時間に応じ、整合回数を制御することも可能である。
なお、前記可動フェンス210の待機位置は、通常、シート束SBの中綴じ位置が中綴じスティプラS1の綴じ位置に対向する位置に設定される。この位置で整合すると、可動フェンス210をシート束SBの中綴じ位置に移動させることなく、スタックされた位置でそのまま綴じ処理が可能となるからである。そこで、この待機位置でシート束SBの中央部に中綴じスティプラS1のステッチャを矢印b方向に駆動し、クリンチャとの間で綴じ処理が行われ、シート束SBは中綴じされる。
なお、可動フェンス210は可動フェンスHPセンサ292からのパルス制御により位置決めされ、後端叩き爪221は後端叩き爪HPセンサ294からのパルス制御により位置決めされる。可動フェンス210及び後端叩き爪221の位置決め制御は、中綴じ製本装置2の制御回路のCPU2−1(図19参照)によって実行される。
図4の状態で中綴じされたシート束SBは、図5に示すように束搬送ローラ下206の加圧が解除された状態で可動フェンス210の上方移動に伴って中綴じ位置(シート束SBの搬送方向の中央位置)が折りプレート215に対向する位置まで移送される。この位置も可動フェンスHPセンサ292の検出位置を基準に制御される。
図5の位置にシート束SBが達すると、図6に示すように折りプレート215が折りローラ対230のニップ方向に移動し、シート束SBの綴じられた針部近傍のシート束SBに対して略直角方向から当接し、前記ニップ側に押し出す。シート束SBは折りプレート215により押されて折りローラ対30のニップへと導かれ、予め回転していた折りローラ対230のニップに押し込まれる。折りローラ対230は、ニップに押し込まれたシート束SBを加圧し、搬送する。この加圧搬送動作によりシート束SBの中央に折りが施される。図6は、シート束SBの折り目部先端が折りローラ対230のニップに挟持され、加圧されているときの状態を示す。
図6の状態で中央部が2つ折りされたシート束SBは、図7に示すように折りローラ対230によって搬送され、さらに下排紙ローラ231に挟持されて後段に排出される。このとき、シート束SB後端が折り目部通過センサ293に検知されると、折りプレート215及び可動フェンス210はホームポジションに、束搬送ローラ下206は加圧状態にそれぞれ復帰し、次のシート束SBの搬入に備える。また、次のジョブが同サイズ同枚数であれば、可動フェンス210は再び図3の位置に移動し、待機するようにしても良い。なお、これらの制御も前記制御回路のCPU2−1によって実行される。
図8は図1における背面形成装置3の詳細を示す正面図である。背面形成装置3にはシート束搬送路302に沿って上流側から搬送部、補助挟持部、加圧挟持部、突き当て部、排紙部が設けられている。なお、本明細書では、冊子は中綴じ、中折りされた後のシート束SBを称し、単なるシートSと区別している。
搬送部は上下の搬送ベルト311,312を、補助挟持部は上下の搬送ガイド板315,316及び上下の補助挟持板320,321を、加圧挟持部は上下の加圧挟持板325,326を、突き当て部は突き当て板330を、排紙部は排紙ガイド板335及び上下の排紙ローラ340,341を、それぞれ備え、前記各部により構成される。なお、前記各部は図8では紙面の奥側(紙面と直交する方向)に少なくともシート束SBの搬送幅(搬送方向に直交する方向の幅寸法)以上の幅を有する。
上搬送ベルト311及び下搬送ベルト312はそれぞれ、揺動支点311a,312aに軸支された駆動側プーリ311b,312bと、この駆動側プーリ311b,312bよりも下流側に位置し、前記折りプレート215、折りローラ対230のニップ、下排紙ローラ231のニップを結ぶ線の延長上に設定される搬送中心301挟んで対向した従動側プーリ311c,312c間に掛け渡され、図示しない駆動モータにより駆動される。揺動支点311a,312aはシート束SBの厚さに応じて従動側プーリ311c,312cの間隔が倣うことができるように上下の搬送ベルト311,312を支持している。
図9は、上下の搬送ベルト311,312によってシート束SBを搬送する搬送機構(搬送部)の詳細を示す図である。図9(a)は初期状態を、図9(b)はシート束SBの搬送時の状態をそれぞれ示す。これらの図に示すように、駆動側プーリ311b,312bと従動側プーリ311c,312cはそれぞれ支持板311d,312dで連結され、駆動側プーリ311b,312bと従動側プーリ311c,312c間に上下の搬送ベルト311,312がそれぞれ掛け渡されている。これにより、上下の搬送ベルト311,312は、それぞれ駆動側プーリ311b,312bから駆動力を得て回転する。
一方、従動側プーリ311c,312cの回転軸には、連結軸313aによって回動可能に連結された2つの部材からなるリンク313が接続され、加圧バネ314によって常時近接する方向に弾性付勢力が付与されている。連結軸313aは、背面形成装置3の筐体に設けられた搬送方向に延びた長孔313bに沿って移動可能である。これによりリンク313の従動側プーリ311c,312cの開閉動作に伴って図9(b)に示すように連結軸313aが長孔313bに沿って移動し、シート束SBの厚さに追従してニップ間の距離が変化するとともに、所定の挟持圧を付与することが可能となる。
また、連結軸313aを例えばラックアンドピニオン機構によって長孔313bに沿って移動できるようにし、ピニオンを駆動する駆動モータを制御して連結軸313aの位置を移動させるようにすることもできる。このようにすると、シート束SBの厚さが厚い場合、シート束SBを受け入れるための搬送間隔(従動プーリ311c,312c間のニップ間距離)を設定することが可能となり、シート束SBの従動プーリ311c,312c側の搬送ベルト311,312がシート束SBの折り目部先端SB1に乗り上げる際の圧力を緩和することができる。なお、一旦乗り上げた後、駆動モータへの電源供給を停止すれば、加圧バネ314だけの弾性付勢力で従動側プーリ311c,312cはシート束SBを挟持し、搬送力を付与することができる。
図10は、図9におけるリンク314に代えて揺動軸311a,312aにセクタギヤ311e,312eを設け、両者を噛合させて搬送中心301に対して対称に離間するように構成した例である。この場合も図10(a)は初期状態を、図10(b)はシート束SB搬送時の状態をそれぞれ示す。この場合も、セクタギヤ311e,312eの一方を、減速機構を含む駆動モータにより駆動できるようにしておけば、図9で示した例と同様にシート束SBを受け入れるための搬送間隔を設定することが可能となる。
図8に示すように上下の搬送ベルト311,312の従動側プーリ311c,312cの搬送ニップ近傍には上下の搬送ガイド板315,316が搬送中心301を挟んで対称に配置されている。上下の搬送ガイド板315,316は、それぞれ搬送ニップ近傍から上下の補助挟持板320,321の受け渡し部分まで平坦面で形成され、この平坦面が搬送面として機能する。上下の搬送ガイド板315,316は、それぞれ上下の補助挟持板320,321に上下方向に変位可能でかつ加圧バネ317によって搬送中心301側に加圧(弾発)可能に取り付けられている。また、上下の補助挟持板320,321も上下方向に変位可能に図示しない筐体によってガイドされ、保持されている。なお、上下の搬送ガイド板315,316を省略して上下の補助挟持板320,321のシート束SBに対向する面の形状のみで代用することも可能である。
上下の補助挟持板320,321を備えた補助挟持部は、前述した搬送部の上下の搬送ベルト311,312による近接離間機構と同様に、搬送中心301に対し対称に近接離間動作を行う。この補助挟持部に設けられる近接離間機構は、搬送部で説明したリンク機構、あるいはラックとセクタギヤでの連結機構を使用することによって構成することができる。
変位位置検出の基準位置は補助挟持板HPセンサSN3の検知出力によって決められる。図示しない駆動機構と上下の補助挟持板320,321は搬送部における加圧バネ314と同様にバネ等を介して連結されているため、シート束SBを挟持する際に駆動機構に過負荷による破損が生じることはない。なお、上下の補助挟持板320,321のシート束SBを挟持する押圧挟持面は搬送方向、言い換えれば搬送中心301に対して平行な平坦面となっている。
加圧挟持部は上下の加圧挟持板325,326を備え、上下の加圧挟持板325,326は、前述した搬送部の上下の搬送ベルト311,312による近接離間機構と同様に、搬送中心301に対し対称に近接離間動作を行う。この加圧挟持部に設けられる近接離間機構は、搬送部で説明したリンク機構、あるいはラックとセクタギヤでの連結機構を使用することによって構成することができる。上下の加圧挟持板325,326についても加圧挟持板HPセンサSN4の検知出力によって上下変位位置検出の基準位置が決められる。動作とその他の構成は前述の上下の補助挟持板320,321と同様であるため、説明は省略する。なお、搬送部における駆動モータは必須ではないが、補助挟持部及び加圧挟持部は、駆動モータもしくはその他の駆動源は必須であり、この駆動モータもしくは駆動源による駆動力によってシート束SBの挟持位置、及び退避位置への移動が可能となる。また、上下の加圧挟持板325,326のシート束SBを挟持する押圧挟持面も補助挟持板320,321と同様に、搬送方向、言い換えれば搬送中心301に対して平行な平坦面となっている。
加圧挟持部の下流には突き当て部が設けられている。突き当て部は突き当て板330とこの突き当て板330を昇降移動させる図示しない移動機構とからなる。突き当て板330は搬送路302に対して進出後退可能に変位し、その変位位置検出の基準位置は突き当て板HPセンサSN5の検知出力によって決められる。突き当て板330の天面は搬送路302から退避した位置では、シート束SBの搬送ガイドとして機能する。そのため、当該天面はシート搬送方向、言い換えれば搬送中心301に平行な平坦面として形成されている。前記移動機構は、例えば突き当て板330の両側面(装置の前面側と後面側)に設けられた図示しないラックアンドピニオン機構と、ピニオンを駆動する駆動モータとから構成することができる。このように構成すると、駆動モータの駆動により突き当て板330を昇降動作させ、さらには、所定の位置に位置決めすることができる。
なお、前記上下の搬送ガイド板315,316、前記補助挟持板320,321、前記加圧挟持板325,326、及び突き当て板330は、ネジ駆動とすることもできる。図18はこれらの各部の駆動機構を駆動モータ361,362,363,364と、各駆動モータ361〜364の駆動軸と同軸で設けられたネジ軸361a,362a,363a,364aとから構成した例を示す図である。各駆動モータ361〜364はそれぞれ減速機構を備え、搬送ガイド板315,316、前記補助挟持板320,321、前記加圧挟持板325,326を駆動するネジ軸361a,362a,363aには中央部(ここでは搬送中心301)を境に逆方向にネジが切られている。前記補助挟持板320,321、前記加圧挟持板325,326はそれぞれ各ネジ軸361a,362a,363aの逆方向に切られたネジ部分に取り付けられ、駆動モータ361〜364の回転方向に応じて、近接方向及び離間方向に対称に移動する。対称軸は搬送中心301である。突き当て板330も駆動モータ364と同軸のネジ軸364aによって駆動され、上昇下降動作を行う。
各ネジ軸361a,362a,363a,364aは背面形成装置3の通紙範囲外の奥側に設置され、通紙範囲外の手前側には図示しないガイドロッドが配置されている。これにより、上下の搬送ガイド板315,316、前記補助挟持板320,321、前記加圧挟持板325,326、及び突き当て板330は自身が螺合するネジ軸361a,362a,363a,364aと、自身がスライド可能に案内されるガイドロッドに沿って平行に上昇下降動作を行うことができる。
突き当て部の下流には排紙部が設けられている。排紙部は排紙ガイド板335と上下の排紙ローラ340,341から構成され、背面が加工されたシート束SBは排紙ローラ340,341によって装置へ搬出される。シート束SB加工時の停止位置は、搬送センサSN1により先端部が検出され、その位置からの搬送量により管理される。前記搬送量は、シート束SB先端が突き当て板330に突き当たる距離と、シート束SB先端部を加工するために必要な膨らみ発生距離分とを加えた設定距離とする。この搬送量は駆動モータのパルス管理やエンコーダー制御による。また、下排紙ローラ341の上流側の直近には、排紙センサSN2が設けられ、搬送路302におけるシート束SBの通過を検知する。
図11ないし図17はシート束SBの折り目部を平坦に、かつ、折り面部に隣接する表紙部側と裏表紙部側を平坦状に形成する背面形成装置3の背面形成動作を示す動作説明図である。以下、これらの図を参照して、シート束SBの折り目部先端、言い換えればシート束SBの背面部の平坦形成動作について説明する。
背面形成装置3の図示しない入口センサ又は中綴じ製本装置2の折り目部通過センサ293からのシート束検知信号により、背面形成装置3の各部は用紙受入れ準備の動作をする。受入れ準備動作では、上搬送ベルト311と下搬送ベルト312は回転を開始し、上補助挟持板320と下補助挟持板321は補助挟持板HPセンサSN3の検知位置、すなわちホームポジションに一旦移動した後、搬送中心301に向かって予め設定された搬送ギャップ(離間距離)になるように移動し、その位置で停止する。上加圧挟持板325と下加圧挟持板326も加圧挟持板HPセンサSN4の検出位置(ホームポジション)まで移動し、その後、搬送中心301に向かって予め設定された搬送ギャップ(離間距離)になるように移動し、その位置で停止する。なお、上下の補助挟持板320,321の場合も上下の加圧挟持板325,326の場合も、搬送中心301に対して対称に配置され、対称に動作するので、一方のホームポジションが検出できれば、他方も同じ状態である。そのため、HPセンサSN3,SN4は一方の側だけに設けられている。突き当て板330は突き当て板HPセンサSN5の検出位置(ホームポジション)まで移動した後、搬送中心301に向かって予め設定された距離移動し、搬送路302を塞ぐ位置で停止する。この状態は、図11においてシート束SBが搬入されていない状態に対応する。
この状態で、中綴じ製本装置2の下排紙ローラ231から排紙され、背面形成装置3に搬入されたシート束SBは、回転を開始している上搬送ベルト311と下搬送ベルト312によって図11に示すように機内に搬入される。シート束SBは搬送センサSN1により折り目部先端SB1が検出され、折り目部先端SB1が突き当て板330に突き当たる距離と、折り目部先端SB1を加工するために必要な膨らみSB2の発生のための距離分とを加算した予め設定された距離搬送された後に図12に示すように停止する。前記設定された距離は、紙厚、サイズ、綴じ、枚数、特殊紙等のシート束SB情報に対応して設定される。
図12の状態でシート束SBが停止すると、図13に示すように上補助挟持板320と下補助挟持板321は搬送中心301に向かって移動を開始し、まず、上搬送ガイド板315と下搬送ガイド板316がシート束SBを加圧バネ317の弾性力によって加圧状態で挟持する。上搬送ガイド板315と下搬送ガイド板316により一定の加圧力が加わった時点から、上補助挟持板320と下補助挟持板321はさらに搬送中心301に向かって移動し、上補助挟持板320と下補助挟持板321によりシート束SBの折り目部先端SB1よりも下流側はさらに挟持され、予め設定された加圧力に達した時点で上補助挟持板320と下補助挟持板321の移動は停止し、図14に示すように当該加圧力下でシート束SBは保持状態になる。これにより、シート束SBの折り目部先端SB1は突き当て板330に当接し、折り目部先端SB1の下流側に図13に示した膨らみSB2よりさらに大きな膨らみSB2が発生する。
次いで、図14の上下の補助挟持板320,321の加圧挟持状態から、図15に示すように上加圧挟持板325と下加圧挟持板326が搬送中心301に向かって移動を開始する。この移動に伴って折り目部先端SB1に集められた膨らみSB2は徐々に加圧され、上加圧挟持板325、下加圧挟持板326及び突き当て板330によって形成される空間の形状に倣って変形する。加圧が完了し終わると、シート束SBの折り目部先端SB1は突き当て板330の形状に倣って平坦面となり、シート束SBに平坦状の背面(背表紙)が形成される。また、折り目部近傍の表紙部SB3及び裏表紙部SB4も平坦面に成形される。これによりシート束SBの中綴じ、中折り部にスクウェアな背面部が形成された冊子を提供することができる(図17参照)。
その後、図16に示すように、上補助挟持板320と下補助挟持板321、上加圧挟持板325と下加圧挟持板326はシート束SBから離間して所定位置で停止し、突き当て板330もホームポジション側へ移動し、突き当て板の上面でシート束SBを搬送ガイドできる位置で停止する。
上下の補助挟持板320,321、上下の加圧挟持板325,326、及び突き当て板330が図16に示す待機位置に移動した後、図17に示すように上搬送ベルトと311と下搬送ベルト312、及び上排紙ローラ340と下排紙ローラ341が回転を開始し、シート束SBを背面形成装置3から機外に排出し、一連の背面形成動作は完了する。回転をしている上下の搬送ベルト311,312、及び上下の排紙ローラ340,341は、排紙センサSN2の検知情報で一定時間後に停止する。また、それに併せてその他の可動部もホームポジションに移動する。中綴じ製本装置2から続けてシート束SBが搬送されてくる場合は、上下の搬送ベルト311,312、及び上下の排紙ローラ340,341の回転停止タイミングは、後続のシート束SBの搬送状況に応じて変更される。また、その他の可動部も毎回ホームポジションに戻る必要はなく、シート束SBの受入れ位置も搬送状況やシート束SB情報に対応して移動しても良い。なお、これらの制御は、背面形成装置3の制御回路のCPU3−1によって実行される。
制御回路は図19に示すようにオンライン構成となっている。図19はシート処理システムを含む製本システムのオンラインの制御構成の概略を示すブロック図である。すなわち、エンジン110を備えた画像形成装置(MFP)100に対してシート処理装置1が接続され、このシート処理装置1に中綴じ処理装置2が接続され、この中綴じ処理装置2に背面形成装置3が接続されている。画像形成装置100、シート処理装置1、中綴じ処理装置2及び背面形成装置3はそれぞれCPU100−1,CPU1−1,CPU2−1,CPU3−1と、通信ポート100−2,通信ポート1−2,通信ポート1−3,通信ポート2−2,通信ポート2−3,通信ポート3−2を備え、MFP100とシート処理装置1は通信ポート100−2と通信ポート1−2により、シート処理装置1と中綴じ処理装置2は通信ポート1−3と通信ポート2−2により、中綴じ処理装置2と背面形成装置3は通信ポート2−3と通信ポート3−2より相互に通信可能となっている。また、画像形成装置100には、操作パネル105が設けられ、画像形成装置100のCPU100−1が操作パネル105の表示と操作入力を制御し、操作パネル105をユーザインターフェイスとして機能させている。
画像形成装置100、シート処理装置1、中綴じ処理装置2及び背面形成装置3にそれぞれ搭載されているCPU100−1,CPU1−1,CPU2−1,CPU3−1は、同じく画像形成装置100、シート処理装置1、中綴じ処理装置2及び背面形成装置3にそれぞれ搭載されたROMに格納されたプログラムコードをそれぞれ読み出し、RAMに展開するとともに、RAMをワークエリアとして使用して、前記プログラムコードに記載されたプログラムを実行する。これにより、前述したあるいは以降に述べる各種制御や処理が行われる。これらの各装置は、前記通信ポート100−2,通信ポート1−2,通信ポート1−3,通信ポート2−2,通信ポート2−3,通信ポート3−2を介して直列にライン状(インライン状)に接続されている。オンライン処理の場合には、画像形成装置100のCPU100−1と通信を行い、画像形成装置100のCPU100−1から出力される制御情報に基づいてCPU100−1の制御下で各CPU1−1,2−1,3−1が動作する。
なお、本実施形態でインラインと言うのは、画像形成からシート処理、中綴じ処理、あるいは冊子背面処理が1つの用紙の流れの中で処理されることを意味している。また、制御情報には、前記シート束SB情報が含まれ、シート束SB情報には、さらに、枚数情報、紙厚情報、サイズ情報、又は特殊紙情報のうちの少なくとも枚数情報と紙厚情報が含まれる。また、特殊紙情報が含まれる場合には、特殊紙の種類を判別するためのOHP、ラベル紙、コーティング紙、折りを施した異形紙、又はミシン目付き紙であることを示す情報が付加される。
また、画像形成装置100、シート後処理装置1、中綴じ装置2、背部形成装置3のCPU100−1,CPU1−1,CPU2−1,CPU3−1、図示しないROM、RAMを含む記憶装置、MFP100の操作パネル105などはコンピュータで背面形成処理を実行させる際の資源として機能する。
図20はシート束SBの枚数や厚さなどの冊子条件に対する必要加圧力について説明するための図で、冊子を構成するシート枚数と必要な加圧力との関係が実験値で示されている。縦軸が目標とする冊子仕上り厚さにするための加圧挟持板325,326の必要加圧力(N)で、横軸が冊子を構成するシートの枚数(枚)を示している。図20において実線は用紙厚80g/mの、破線が用紙厚128g/mのそれぞれ実験データであり、必要加圧力は加圧時間一定の場合である。同図から紙厚が厚くなれば必要加圧力は高くなり、枚数が多くなれば当然のことながら必要加圧力は上昇することが分る。
図21は、加圧に要する時間と冊子仕上り高さについて説明するための図である。縦軸が冊子の仕上り厚さ、横軸が一定の挟持加圧力で加圧する時間を表す。同図は冊子の背面部を平坦に形成する際、単純に一定の圧力で冊子背部を加圧挟持し、その状態を維持する場合の特性(加圧時間曲線CPT−実線)と、冊子の背面部(折り部)に繰り返し屈曲を与え、繊維をほぐすことにより仕上り厚さを低減させる場合の特性(加圧繰返し曲線CPN−破線)2つの場合について示している。縦軸は冊子の仕上り厚さ(mm)であり、横軸は加圧時間(秒)、あるいは加圧繰返し回数(回)である。後者では、冊子背面部に対する加圧挟持と冊子背面部からの離間を繰り返すことによって、冊子の背面部(折り部)に繰返し屈曲を与え、繊維をほぐすことにより仕上り厚さを低減させる加圧と加圧解除を繰返して背面形成を行った時間を、前記加圧時間と同じ時間経過でグラフ化している。図21からは、加圧時間を増加させると緩やかに冊子仕上り厚さが低減されていくことが分る。また、同じ時間でも加圧と加圧解除を繰返して成形する方が、仕上り厚さは大きく低減されることも分る。
ここで、冊子の背面部を加圧挟持するのに要するエネルギについて考える。すなわち、冊子の背面部を加圧挟持する場合、加圧力の上昇に比例してエネルギ消費が大きくなる。一方、一定の加圧力で挟持している状態を維持する場合、加圧挟持板325,326の移動にネジ機構やカム機構を用いるようにすると、エネルギの消費を抑えることができる。つまり、許される限り小さな加圧力で、長時間加圧することがエネルギ消費の点では、一番効率が良いことが分る。
しかしながら、画像形成装置100、シート後処理装置1、中綴じ製本装置2、背面形成装置3と連結されたシステムにおいて、システムの処理能力を最大限生かすようにするには、突き当て板330に突き当てた状態で加圧挟持板325,326によってシート束SBの背部を挟持する加圧時間が制限される。このように加圧時間が制限を受けた場合、システムを停止させないで背部形成を行うためには、
1)挟持加圧力を上昇させる(加圧時間設定モード)。
2)繰返し回数を多くする(加圧繰返し回数設定モード)。
の2つの制御動作モードで処理する必要がある。1)の「挟持加圧力を上昇させる」のは図20に示した特性に基づいて処理するもので、2)の「繰返し回数を多くする」のは図21に示した特性に基づいて処理するものである。いずれかの処理(制御動作モード)を選択して背面形成処理を行うと、システムの動作を停止させないで目標とする冊子の仕上り厚さを達成することができる。
以下、図22及び図23を参照して、画像形成装置100と連結された製本システムでシステムを停止させることなく動作させて目標とする冊子の背面部の仕上り厚さを達成する動作の一例について説明する。
前記1)あるいは2)のいずれかの処理(制御動作モード)の切り替えに際しては、背面形成装置3は、冊子を構成する画像形成装置100からの情報、すなわち、紙厚、枚数、用紙幅、特殊紙(OHP、ラベル紙、コーティング紙、折りを施した異形紙、又はミシン目付き紙)の各情報を用いる。
図22は図20に対応した冊子を構成する枚数と必要加圧力との関係を示す図である。図22では、第1段階として冊子を構成する枚数と加圧力で基準ポイントSTを選択する。基準ポイントSTは、基準枚数MSTと基準加圧力PSTにより決定され、図22の例では、最小枚数と最小枚数時の加圧力を基準ポイントSTに設定している。しかし、全体のバランスを考慮して対応可能枚数の中央値付近を基準ポイントSTとして選択し、設定することもできる。
図22では前述のように、80g/m紙の実験データに基づいて○で囲った部分の先端のポイントを基準ポイントSTとして基準枚数MSTと基準加圧力PSTを決定している。基準ポイントSTは実際には、紙厚と用紙幅の情報に基づいて設定され、また、変更される。以下、実線で示した80g/m紙の条件を例にとって説明をする。
第2段階として、図22のデータ測定時の加圧時間を基準加圧時間TSTとして図23の特性のグラフに転記すると、○で囲った基準ポイントSTでは、基準加圧時間TST時の冊子仕上り厚さは目標の値TGと合致する。当然のことながらシステムで許容できる加圧時間RTより基準加圧時間TSTが短いという関係にある。
図24は枚数が少数枚のときの冊子枚数と加圧力の関係を示す図で、少数枚時の必要加圧力を○で囲ってある。この例では、基準枚数MSTが最小枚数、基準加圧力PSTが最小枚数時の加圧力として基準ポイントSTを設定しているので、基準ポイントにおける基準加圧力に対して加圧力が不足(ΔP1)していることが分る。エネルギの消費を抑制するために、基準加圧力PSTのまま加圧時間を増やすことにより目標とする冊子仕上り厚さを達成させるには、図25に示した目標とする仕上り厚さTGのラインと加圧時間曲線CPTが交わる加圧時間設定値T1にすれば良い。ここで、この加圧時間設定値T1がシステムで許容できる加圧時間RTより小さいことを確認し、小さければこの設定値T1に加圧時間を決定する。なお、図25の特性のグラフは図23のグラフと同様に、図24のデータ測定時の加圧時間を基準加圧時間TSTとして転記したものである。
図26は多数枚のときの冊子枚数と加圧力の関係を示す図で、多数枚時の必要か圧力を○で囲ってある。この図から少数枚時より加圧力の不足分(ΔP2)が大きい(ΔP1<ΔP2)ことが分る。このことから、多数枚時には基準加圧力PSTの値から加圧時間を長く取る必要性があることが分る。
そこで、図27に示すように、図26のデータ測定時の加圧時間を基準加圧時間TSTとして図27の特性のグラフに転記すると、目標とする仕上り厚さTGのラインと加圧時間曲線CPTの交わるポイントがシステムで許容できる加圧時間RTを越えてしまっている。すなわち、システムで許容できる加圧時間RTと目標とする仕上り厚さTGの交点はAであり、この交点Aの処理条件では、システムで許容できる加圧時間RT内では、目標とする冊子仕上り厚さTGに届かないことを示している。このことは、少数枚の場合では、加圧時間の設定で対応可能であったが、多数枚の場合には加圧時間の設定だけでは対応不能であることを示している。
一方、加圧繰返し曲線CPNを見ると、目標とする仕上り厚さTGのラインと加圧繰返し曲線CPNの交わるポイントBがシステムで許容できる加圧時間RTを越えていないことが分る。そこで、このように加圧時間で対応不能の場合には、加圧繰返し曲線CPUを使用する設定方法を選択しこの加圧繰返し回数を回数設定値T2とし、この設定値T2に基づいて加圧の繰返し回数を決定する。
以上のような方法で冊子情報毎に実験データを基に設定値を決定し、冊子情報に合せて動作モードを切り替える。
概念的には、図20ないし図27に示したような特性を利用して動作モードを切り替えるが、動作モードの切り替えにはシート厚、加圧時間、シート枚数、画像形成装置の処理能力などによって種々の組み合わせがある。そこで、実際には、これらの相違に応じて適切な処理条件を選択し、実行することになる。
図28ないし図31は前記1)あるいは2)のモード設定のための判定条件を表形式で示す図、図32ないし図34は前記判定条件を使用して冊子の条件に応じ、システムの動作を停止させないで目標とする冊子の仕上り厚さを達成ためのモード設定の処理手順を示すフローチャートである。なお、図28はシート厚によるモードの設定条件を判定表1として、図29は前記モード設定条件と枚数による加圧時間設定モードの判定条件を判定表2として、図30は加圧繰返し回数設定モードの判定条件を判定表3として、図31は枚数毎の加圧上限時間の判定条件を判定表4としてそれぞれ示す。
図28に示した判定表1は、シートの厚みとモード設定との関係を判定するためのもので、ここでは、シート厚を、80g/mと128g/mを閾値として3つに分けている。すなわち、
T≦80g/m の場合 モード設定はA
80g/m<T≦128g/mの場合 モード設定はB
128g/m<T の場合 モード設定はC
である。
図29に示した判定表2は、枚数による加圧時間設定モードにおける加圧時間を判定するもので、モードA(図29(a))では、
シート枚数 加圧時間
1〜5 1秒
6〜10 3秒
11〜15 7秒
16〜20 12秒
に設定され、モードB(図29(b))では、
シート枚数 加圧時間
1〜5 2秒
6〜10 5秒
11〜15 10秒
16〜20 15秒
に設定されている。
図30に示した判定表3は、枚数による加圧繰返し回数設定モードにおける繰返し回数を判定するもので、モードA(図30(a))では、
シート枚数 加圧繰返し回数
1〜5 2回
6〜10 2回
11〜15 3回
16〜20 4回
に設定され、モードB(図30(b))では、
シート枚数 加圧繰返し回数
1〜5 2回
6〜10 3回
11〜15 4回
16〜20 5回
に設定されている。
図31に示した判定表は、接続可能な本体の処理能力に対する枚数毎の加圧上限時間を判定するもので、画像形成装置本体が130PPM(枚/分)の装置(図31(a))では、
シート枚数 加圧時間上限
1〜5 1秒
6〜10 3秒
11〜15 5秒
16〜20 7秒
に設定され、90PPMの装置(図31(b))では、
シート枚数 加圧時間上限
1〜5 1.5秒
6〜10 4.5秒
11〜15 7.5秒
16〜20 10.5秒
に設定され、60PPMの装置(図31(c))では、
シート枚数 加圧時間上限
1〜5 2秒
6〜10 6秒
11〜15 10秒
16〜20 14秒
に設定されている。
なお、ここでは、モード設定に際し、図28に示したようにシートの厚みを例示しているが、この他に、OHP、ラベル紙、コーティング紙、折りを施した異形紙、又はミシン目付き紙などの各々について、予めA,B,Cのモードを設定しておく。これにより、画像形成装置1のCPU側からの特殊紙情報に基づいて前記モードのいずれかが選択できる。また、図28ないし図31の設定に際し、シートのサイズ情報を入れて、さらに細かく設定することも可能である。
図32はモード判定の処理手順を示すフローチャートであり、前記判定表1から4(図28〜図31)を使用する。すなわち、背面処理装置3のCPU3−1は、画像形成装置100のCPU100−1からシートの厚み情報を取得すると(ステップS101)、判定表1(図28)を使用してシートの厚みに応じたモードを判定する(ステップS102)。この判定でCと判定された場合、シート厚は128g/mより大きく、本実施形態における厚み仕様外として処理不能であることを画像形成装置100本体のCPU100−1に通知する。
モードC以外であれば、判定結果のモードであるAモードかBモードのいずれかを選択し(ステップS104)、処理枚数情報を画像形成装置100のCPU100−1から取得する。シート処理枚数を取得すると、判定表2(図29)を参照してシート枚数による加圧時間を判定し(ステップS106)、判定結果に応じて加圧時間を選択する(ステップS107)。一方、判定表4(図31)を参照してシート枚数による加圧上限時間を判定し(ステップS108)、判定結果に基づいて上限時間を選択する(ステップS109)。そして、ステップS110で、ステップS107で選択された加圧時間とステップS109で選択された上限時間を取得し、取得した加圧時間が上限時間以下かどうかを判定する(ステップS111)。
この判定で、加圧時間が上限時間以下であれば(ステップS111−Yes)、加圧時間設定モードで加圧時間を選択し(ステップS112)、その選択された時間とモードと処理条件を決定する(ステップS113)。
これに対し、加圧時間が上限時間を超えていれば(ステップS111−No)、加圧繰返しモードを選択し(ステップS114)、処理枚数情報を取得した(ステップS115)後、判定表3(図30)を参照してシート枚数による加圧繰返し回数を判定し(ステップS116)、判定結果を繰返し回数として選択し(ステップS117)、その選択された回数とモードに処理条件を決定する(ステップS118)。
図33は、シート厚70g/m、10枚中綴じであって、130PPMの処理能力を有する画像形成装置に接続して背面形成処理を実行するときのモード判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
図33において、背面処理装置3のCPU3−1は、画像形成装置100のCPU100−1からシートの厚み情報を取得すると(ステップS101)、判定表1(図28)を使用してシートの厚みに応じたモードを判定する(ステップS102)。ここでは、シートの厚みは70g/mであるので、判定表1で判定されたモードはAである。そこで、ステップS104aでAモードを選択し、処理枚数情報を画像形成装置100のCPU100−1から取得する。シート処理枚数は10枚であることから、判定表2(図29)を参照してシート枚数による加圧時間を判定し(ステップS106)、加圧時間3秒を選択する(ステップS107a)。一方、判定表4(図31)を参照してシート枚数による加圧上限時間を判定し(ステップS108)、上限時間3秒を選択する(ステップS109a)。そして、ステップS110で、ステップS107aで選択された加圧時間3秒とステップS109aで選択された上限時間3秒を取得し、取得した加圧時間が上限時間以下かどうかを判定する(ステップS111a)。
この判定では、加圧時間と上限時間がともに3秒で等しいため、加圧時間が上限時間以下となり(ステップS111a−Yes)、加圧時間設定モードで加圧時間3秒が選択される(ステップS112a)。その結果、ステップS113aにおいて、シート枚数がAモード、加圧時間設定モード、加圧時間3秒が処理条件として決定される。
図34は、シート厚90g/m、15枚中綴じであって、90PPMの処理能力を有する画像形成装置に接続して背面形成処理を実行するときのモード判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
図34において、背面処理装置3のCPU3−1は、画像形成装置100のCPU100−1からシートの厚み情報を取得すると(ステップS101)、判定表1(図28)を使用してシートの厚みに応じたモードを判定する(ステップS102)。ここではシートの厚みは90g/mであるので、判定表1で判定されたモードはBである。そこで、ステップS104bでBモードを選択し、処理枚数情報を画像形成装置100のCPU100−1から取得する。シート処理枚数は15枚であることから、判定表2(図29)を参照してシート枚数による加圧時間を判定し(ステップS106)、加圧時間10秒を選択する(ステップS107b)。一方、判定表4(図31)を参照してシート枚数による加圧上限時間を判定し(ステップS108)、上限時間7.5秒を選択する(ステップS109b)。そして、ステップS110で、ステップS107bで選択された加圧時間とステップS109bで選択された上限時間を取得し、取得した加圧時間が上限時間以下かどうかを判定する(ステップS111b)。
この判定で、加圧時間が10秒、上限時間が7.5秒なので、この判定はNoとなり、背面処理装置3のCPU3−1は加圧繰返しモードを選択する(ステップ114)。次いで、処理枚数情報として15枚という情報を取得した(ステップS115b)、後、判定表3(図30)を参照してシート枚数による加圧繰返し回数を判定する(ステップS116)。この判定で判定表3から繰返し回数として4回を選択し(ステップS117b)、前記シート厚のモードであるBモード、加圧繰返しモード、繰返し回数4回を処理条件として決定する(ステップS118b)。
このようにして図32のモード判定のフローチャートを使用して最終的な処理モードを決定すると、画像形成装置1等と連結されたシステムでシステムを停止させることなく動作させて目標とする冊子の背部の仕上り厚さを達成することができ、効率的な冊子の作成と冊子背部(背面)の平坦化処理が可能となる。
また、前記説明では第1段階で紙厚情報により基準加圧力を決定したが、第1段階で加圧繰返し方法の選択と回数を決定し、第2段階で枚数情報によって加圧時間を決定するようにすることもできる。また、システムで許容できる加圧時間を越えてしまう場合は、挟持加圧力を大きくすることにより、目標とする仕上り厚さを達成するように冊子情報毎に実験データを基に設定値を決定し、冊子情報に合せて動作モードを切り替えるようにすることもできる。
以上のように、本実施形態によれば、用紙の枚数、紙厚、種類によって加圧力や繰返し回数などの効率的な加工条件を選択し、シート束(冊子)に背面処理を行って背部に平坦面を形成するので、必要最低限のエネルギと時間消費で効率よく冊子の膨らみの低減加工を行うことができる。
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された発明の技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。
1 シート後処理装置
3 背面形成装置
3−1 背面形成装置のCPU
100 画像形成装置
311 上搬送ベルト
312 下搬送ベルト
320 上補助挟持板
321 下補助挟持板
325 上加圧挟持板
326 下加圧挟持板
330 突き当て板
SB シート束
SB1 折り目部先端
特開2001−260564号公報 特開2007−237562号公報

Claims (8)

  1. 中折りされたシート束の折り部先端側を平坦状の背面形状に形成する背面形成装置であって、
    前記シート束の折り部先端側及びシート束の両面側から押し潰すことにより前記背面形状に形成する背面形成手段と、
    複数の制御動作モードを有し、当該制御動作モードに基づいて前記背面形成手段を動作させる制御手段と、
    を備え、
    前記制御動作モードが、
    前記シート束の構成情報の1つに基づいて設定される第1の動作モードと、
    前記第1の動作モードで選択された1つのモード及び前記シート束の構成情報の他の1つに基づき、前記背面形成手段による加圧時間を設定する第2の動作モードと、
    前記第1の動作モードで選択された1つのモード及び前記シート束の構成情報の他の1つに基づき、前記背面形成手段による加圧繰返し回数を設定する第3の動作モードと、
    を含み、
    前記制御手段は、前記シート束の構成情報に基づいて前記制御動作モードを選択することを特徴とする背面形成装置。
  2. 中折りされたシート束の折り部先端側を平坦状の背面形状に形成する背面形成装置であって、
    前記シート束の折り部先端側及びシート束の両面側から押し潰すことにより前記背面形状に形成する背面形成手段と、
    複数の制御動作モードを有し、当該制御動作モードに基づいて前記背面形成手段を動作させる制御手段と、
    を備え、
    前記複数の制御動作モードは、前記背面形成手段によって最低限必要な加圧時間だけシート束を加圧する加圧時間設定モードと、前記背面形成手段によって最低限必要な加圧回数だけシート束を繰り返し加圧する加圧繰返し回数設定モードを含み、
    前記制御手段は、前記シート束の構成情報に基づいて前記制御動作モードを選択することを特徴とする背面形成装置。
  3. 請求項1記載の背面形成装置であって、
    前記シート束の構成情報の1つが紙厚情報であり、
    前記シート束の構成情報の他の1つが枚数情報であること
    を特徴とする背面形成装置。
  4. 請求項1記載の背面形成装置であって、
    前記制御動作モードが、前記加圧時間の上限を前段から搬入されるシートの単位時間あたりの搬送枚数によって設定する第4の動作モードをさらに含むこと
    を特徴とする背面形成装置。
  5. 請求項記載の背面形成装置であって、
    前記制御手段は、
    前記シート束の構成情報に基づいて前記第1の動作モードのうちの1つのモードを選択し、
    前記選択された1つのモードに基づいて第2の動作モードにおける加圧時間と第4の動作モードにおける加圧時間の上限時間を取得し、
    前記第2の動作モードにおける加圧時間と前記第4の動作モードにおける加圧時間の上限時間を比較し、
    第3の動作モードで両者の大小に応じて加圧時間と加圧繰返し回数を設定すること
    を特徴とする背面形成装置。
  6. 請求項記載の背面形成装置であって、
    前記背面形成手段は、
    前記シート束を搬送する搬送手段と、
    前記シート束の折り部を突き当てる突き当て手段と、
    前記シート束を厚み方向で挟持する第1及び第2の押圧挟持手段と、
    前記シート束を排紙トレイへ排出する排出手段と、
    を備え、
    シート搬送方向の上流側から下流側に前記搬送手段、前記第1の押圧挟持手段、前記第2の押圧挟持手段、前記突き当て手段、前記排出手段が順に配置され、
    前記制御手段は、前記搬送手段、前記突き当て手段、前記第1及び第2の押圧挟持手段を制御するとともに、前記搬送手段によって中折りされたシート束の先端の折り部を突き当て手段に突き当て、前記第1の押圧挟持手段によって当該シート束の上流側を挟持して折り部に膨らみを形成させ、当該シート束の膨らみを前記第2の押圧挟持手段によって挟持して、前記背面形状を形成すること
    を特徴とする背面形成装置。
  7. 請求項1載の背面形成装置
    画像形成装置とを備えていることを特徴とする画像形成システム
  8. 中折りされたシート束の折り部先端側を平坦状の背面形状に形成する背面形成方法であって、
    シート束の折り部先端側及びシート束の両面側から押し潰すことにより前記背面形状に形成する背面形成手段を有し、
    前記シート束の構成情報に基づいて複数の動作モードから最も効率の良い動作モードを選択して前記背面形成手段を動作させ、前記シート束の背面を平面形状に形成する工程を備え、前記複数の動作モードが、
    前記シート束の構成情報の1つに基づいて設定される第1の動作モード、
    前記第1の動作モードで選択された1つのモード及び前記シート束の構成情報の他の1つに基づき、前記背面形成手段による加圧時間を設定する第2の動作モード、及び
    前記第1の動作モードで選択された1つのモード及び前記シート束の構成情報の他の1つに基づき、前記背面形成手段による加圧繰返し回数を設定する第3の動作モード、
    であり、
    前記シート束の背面を平面形状に形成する工程が、
    前記シート束の構成情報に基づいて前記第1の動作モードのうちの1つのモードを選択する第1の工程、
    前記選択された1つのモードに基づいて第2の動作モードにおける加圧時間及び前段から搬入されるシートの単位時間あたりの搬送枚数によって設定される加圧時間の上限時間を取得する第2の工程、
    前記第2の動作モードにおける加圧時間と前記加圧時間の上限時間から第3の動作モードにおける加圧繰返し回数を設定する第3の工程、
    を含むこと
    を特徴とする背面形成方法。」
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