JP2013147350A - シート処理装置、画像形成システムおよびシート処理方法 - Google Patents

Abstract

【課題】シート処理装置の小型化を図る。
【解決手段】シートＰを搬送路２４０に沿って搬送する入口ローラ２０３と、入口ローラ２０３によって搬送されたシートＰを装置外に、または搬送路（第１の搬送路）２４０から分岐した分岐路（第２の搬送路）２４１に搬送可能な排紙ローラ２０５と、分岐路２４１側にシートＰを案内する分岐爪２０４と、案内されたシートＰの端部を整合する突き当て面２４２と、整合されたシート（束）ＰＢに対して綴じ処理する綴じ具２１０と、を備えたシート処理装置２０１において、分岐爪２０４によってシートＰが分岐路２４１側に案内されるとき、当該シートＰは搬送路２４０と分岐路２４１に跨って集積されるように構成し、その集積された状態で綴じ具２１０による綴じ処理を可能とした。
【選択図】図１４

Description

本発明は、シート処理装置、画像形成システムおよびシート処理方法に係り、特に用紙、転写紙、シートなどのシート状記録媒体（以下、本明細書では、特許請求の範囲を含め「シート」と称する。）に対して綴じ処理を実行するシート処理装置、このシート処理装置と、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらのうち少なくとも２つの機能を複合して有するデジタル複合機などの画像形成装置とを備えた画像形成システム、およびシート処理装置で実行されるシート処理方法に関する。

複写機、プリンタあるいはデジタル複合機（MFP:Multi Function Peripheral）などの画像形成装置の周辺技術では、当該装置で画像を形成した後、装置外に排出されたシートを集積トレイに一旦集積し、整合した後、金属針を使用するステープラで綴じ処理をするシート処理装置が知られている。このようなシート処理装置は、フィニッシャとも称され、画像形成後のシートに対して自動的に多数部の綴じ処理を実行するので、利便性に富み、効率的であることから広く普及している。

このようなシート処理装置として、例えば特許第３６１７９３６号公報（特許文献１）に開示された発明が公知である。この発明は、装置内部に設けられた後処理用トレイと、この後処理用トレイへ向けてシートを案内する搬送路と、シートを搬送するシート搬送手段を有し、シートを上記後処理用トレイにスタックし、綴じ処理等の処理をした後排紙トレイに排出するシート処理装置において、搬送路の所定位置でシートの逆流ができないように形成されているとともに、前記所定位置の下流に分岐路が形成され、シート搬送手段を制御する制御手段を有し、シート搬送手段は制御手段による制御により、所定位置を通り過ぎたシートを逆流させて分岐路に待機させることが可能であり、且つ、分岐路に待機させた１枚または複数枚のシートと次に搬送されるシートを重ね合わせ状態で後処理用トレイへ向けて搬送することを可能としたものである。

従来のこの種の装置では、ステープル処理を行う際に集積トレイにシートを一旦集め、整合した後、ステープルし、排紙トレイに排出するようになっている。その過程で、整合し、ステープルする間はシートを集積トレイに収容できないため、画像形成装置からの出力を一旦停止しなくてはならなかった。これに対し、前記特許文献１に記載のシート処理装置は、搬送路内での用紙のスイッチバックによる重ね合わせ滞留を可能としたものである。その結果、画像形成装置から出力される用紙を一旦停止させることなく整合し、ステープル処理することができ、効率的な後処理が可能となっている。

しかし、特許文献１記載のシート処理装置では、装置内で用紙の重ね合わせを行うので、その分小型化を図ることができるが、後処理用トレイとシートを待機させる分岐路が別々に設けられていることから、小型化に限界があった。そのため、装置全体の大きさは複写機、あるいはプリンタと同程度の大きさとなってしまうものが多く、当然のことながら、画像形成装置内に納めることができる程度まで小型化することは難しかった。

そこで、本発明が解決しようとする課題は、画像形成装置内に納めることができる程度まで、シート処理装置の小型化を図ることにある。

前記課題を解決するため、本発明は、シートを第１の搬送路に沿って搬送する第１の搬送手段と、前記第１の搬送手段で搬送されたシートを装置外に、または前記第１の搬送路から分岐した第２の搬送路側に搬送可能な第２の搬送手段と、前記第２の搬送路側にシートを案内する案内手段と、前記案内されたシートの端部を整合する第１の整合手段と、前記整合されたシートに対して綴じ処理する綴じ手段と、を備えたシート処理装置であって、前記案内手段によってシートが前記第２の搬送路側に案内されるとき、当該シートは前記第１の搬送路と前記第２の搬送路に跨って集積されることを特徴とする。

本発明によれば、シート処理装置の小型化を図ることができる。なお、前記以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明によって明らかになる。

本発明の実施形態における実施例１に係る画像形成システムの２つの態様を示す図である。 図１におけるシート後処理装置の平面図である。 図１におけるシート後処理装置の正面図である。 図３における分岐爪がシート搬送状態であるときの分岐爪を中心とするシート後処理装置の要部を示す図である。 図３における分岐爪がシートをスイッチバックさせるとき分岐爪を中心とするシート後処理装置の要部を示す図である。 綴じ具の非綴じ時の状態を示す図である。 図６の綴じ具の綴じ時の状態を示す図である。 実施例１におけるシート後処理装置でオンライン綴じを行う場合のイニシャル動作完了時の状態を示す動作説明図である。 図８の状態から１枚目のシートが画像形成装置より排紙され、シート後処理装置に搬入された直後の状態を示す動作説明図である。 図９の状態からシート後端が入口ローラのニップから離脱して分岐路を超えたときの状態を示す動作説明図である。 図１０の状態からシートをスイッチバックしてシートの搬送方向を整合するときの状態を示す動作説明図である。 図１１の状態から分岐路に１枚目のシートを待機させ、次の２枚目のシートを搬入するときの状態を示す動作説明図である。 図１２の状態から２枚目のシートが搬入されてきたときの状態を示す動作説明図である。 図１３の状態から最終紙を整合してシート束を形成したときの状態を示す動作説明図である。 図１４の状態から綴じ動作時を行うときの状態を示す動作説明図である。 図１５の状態からシート束を排紙するときの状態を示す動作説明図である。 シート後処理装置と画像形成装置からなる画像形成システムの制御構成を示すブロック図である。 実施例２に係る画像形成システムの２つの態様を示す図である。 実施例２におけるシート後処理装置でオンライン綴じを行う場合のイニシャル動作完了時の状態を示す動作説明図である。 図１９の状態から１枚目のシートが画像形成装置より排紙され、シート後処理装置に搬入された直後の状態を示す動作説明図である。 図２０の状態からシート後端が入口ローラのニップから離脱して分岐路を超えたときの状態を示す動作説明図である。 図２１の状態からシートをスイッチバックしてシートの搬送方向を整合するときの状態を示す動作説明図である。 図２２の状態から分岐路に１枚目のシートを待機させ、次の２枚目のシートを搬入するときの状態を示す動作説明図である。 図２３の状態から２枚目のシートが搬入されてきたときの状態を示す動作説明図である。 図２４の状態から最終紙を整合してシート束を形成したときの状態を示す動作説明図である。 図２５の状態から綴じ動作時を行うときの状態を示す動作説明図である。 図２６の状態からシート束を排紙するときの状態を示す動作説明図である。

本発明は、既存の搬送路でシートを重ね合わせて整合し、綴じ処理を可能としたものである。

以下、本発明の実施形態について、実施例を挙げ、図面を参照しながら説明する。

図１は実施例１に係る画像形成システムの２つの態様を示す図である。本実施例に係る画像形成システム１００は、画像形成装置１０１とシート処理装置としてのシート後処理装置（フィニッシャ）２０１とからなる。シート後処理装置２０１は、綴じ装置が画像形成装置１０１からのシート搬送路内に設けられた所謂搬送路綴じ装置である。図１（ａ）は、画像形成装置１０１の搬送路内に設置された態様を、図１（ｂ）は搬送路外に設置された態様をそれぞれ示す。

このシート後処理装置２０１は、搬送路内でシートを重ね合わせ整合する整合機能と、整合されたシート束を搬送路内で綴じる綴じ機能とを備えている。図１（ａ）の態様は画像形成装置１０１の胴内で後処理することから胴内処理装置とも呼ばれている。このように本実施例に係るシート後処理装置２０１は小型で、画像形成装置１０１の形態に応じて胴内でも側面でも簡単に取り付け、あるいは配置することが可能である。

画像形成装置１０１は、画像処理部および給紙部を含む画像形成エンジン部１０５と、画像読み取って画像データに変換する読み取りエンジン部１０３と、読み取りエンジン部１０３に読み取る原稿を自動的に送り込む自動原稿給送装置（ＡＤＦ）１０４を備えている。図１（ａ）の態様では、画像形成後のシートの排出が画像形成装置１０１の胴内に排紙部が設けられ、図１（ｂ）の態様では、画像形成後のシートは画像形成装置１０１の外部に排紙部が設けられる。そして、この排紙部の後段にシート後処理装置２０１が設置されている。

図２は図１におけるシート後処理装置２０１の平面図、図３は正面図である。これらの図において、シート後処理装置２０１は、第１の搬送路としてのシート搬送路２４０に沿って入口側から入口センサ２０２、入口ローラ（対）２０３、分岐爪２０４、綴じ具２１０および排紙ローラ（対）２０５を備えている。入口センサ２０２は、画像形成装置１０１の排紙ローラ（対）１０２から排紙され、シート後処理装置２０１に搬入されたシートの先端、後端およびシートの有無を検知する。入口センサ２０２としては、例えば反射型の光センサが使用される。なお、反射型の光センサに代えて透過型の光センサを使用することもできる。

第１の搬送手段としての入口ローラ２０３は、シート後処理装置２０１の入口に位置し、画像形成装置１０１の排紙ローラ１０２によって排紙されるシートを受け取り、ステープル装置２０２内に搬入する機能を有する。また、後述するが、停止、回転、搬送量を制御可能な駆動源（駆動モータ）と、この駆動源を制御するモータドライバおよびＣＰＵ２０１ａ（後述）も備えている。入口ローラ２０３は対となるローラとのニップに画像形成装置１０１側から搬送されてきたシートの先端部を突き当て、スキュー補正も行う。

入口ローラ２０３の後段には案内手段としての分岐爪２０４が配置されている。分岐爪２０４はシート後端を第２の搬送路としての分岐路２４１に導くために設けられている。この場合には、シート後端が分岐爪２０４を越えた後、分岐爪２０４は図示時計回り方向に回転し、シートを搬入方向と逆の方向に搬送する。これにより、シート後端側は分岐路２４１側に導かれる。分岐爪２０４は後述するが、ソレノイドによって駆動され、揺動動作を行う。なお、ソレノイドに代えてモータとすることもできる。分岐爪２０４は図示反時計回り方向に駆動され、回転したとき、分岐路２４１の搬送面にシートあるいはシート束を押圧することが可能である。これにより分岐爪２０４はシートあるいはシート束を分岐路２４１で固定することができる。

第２の搬送手段としての排紙ローラ２０５はシート後処理装置２０１の搬送路２４０の最後段の出口直前に位置し、シートの搬送、シフト、排出を行う機能を有する。また、入口ローラ２０３と同様に排紙ローラ２０５の停止、回転、搬送量を制御可能な駆動源（駆動モータ）を備え、この駆動源はモータドライバ及びＣＰＵ２０１ａによって制御される。排紙ローラ２０５のシフトはシフト機構２０５Ｍによって行われる。シフト機構２０５Ｍは、シフトリンク２０６、シフトカム２０７、シフトカムスタッド２０８、シフトホームポジションセンサ２０９および図示しないシフトカム２０７の駆動モータからなる。なお、シートのシフトは本実施例では、排紙ローラ２０５で行っているが、1つ上流の入口ローラ２０３で行うこともできる。

シフトリンク２０６は排紙ローラ２０５の軸端２０５ａに設けられ、シフトの移動力を受ける。シフトカム２０７はシフトカムスタッド２０８を有し、回転をする円盤状の部品であり、この部品の回転によってシフトカムスタッド２０８を介しシフトリンク長穴部２０７ａに移動可能に挿入された排紙ローラ２０５をシート搬送方向と直交する方向に移動させる。この移動が所謂シフトである。シフトカムスタッド２０８はシフトリンク長穴部２０７ａと連動し、シフトカム２０７の回転運動を排紙ローラ２０５の軸方向の直動運動に変換する機能を有する。シフトホームポジションセンサ２０９はシフトリンク２０６の位置を検出し、シフトホームポジションセンサ２０９で検出した位置をホームポジションとする。シフトカム２０７は、このホームポジションを基準に回転制御される。この制御はモータドライバとＣＰＵ２０１ａによって実行される。

綴じ具２１０は、シート端検知センサ２２０、綴じ具ホームポジションセンサ２２１および綴じ具移動のためのガイドレール２３０を備えている。綴じ具２１０は、シート束ＰＢを綴じる機構で、所謂ステープラと称されるものである。本実施例では一対の歯型２６１で挟み込み、加圧することによってシートを変形させ、シートの繊維を絡めて綴じる機能を備えたもので、この種の綴じは圧着綴じとも称される。この綴じ方式の他に、半抜き加工、切曲げ、切り曲げてさらに穴に通すなどの綴じ方の綴じ具を使用する（ハンド）ステープラも知られている。

いずれにしてもサプライ消費を抑制し、あるいはリサイクルし易くし、そのままシュレッダにかけられるなどのことから省資源に大きく貢献する。そのため、シート後処理装置、所謂フィニッシャにおいても、金属針を使わず、圧着綴じのようにシート単体で綴じ処理が可能なステープラの搭載が望まれている。

なお、圧着綴じを行うハンドステープラとしては、例えば実公昭３６−１３２０６号公報に開示された綴じ具が公知であり、切り曲げてさらに穴に通して綴じるハンドステープラとしては、例えば実公昭３７−７２０８号公報に開示された綴じ具が公知である。

シート端検知センサ２２０はシートの側端を検出するセンサで、シートを揃えるときに、このセンサ検知位置を基準に揃える。綴じ具ホームポジションセンサ２２１はシート幅方向に移動可能な綴じ具の位置を検出するセンサで、最大サイズのシートが搬送されても邪魔にならない位置に綴じ具２１０が位置するポジションをホームポジションとし、その位置を検出する。ガイドレール２３０は綴じ具２１０がシート幅方向に安定して移動可能なように、その綴じ具２１０の移動をガイドするレールである。ガイドレール２３０は、綴じ具２１０がホームポジションから最小シートサイズのシートを綴じることができる位置までシート後処理装置２０１の搬送路２４０のシート搬送方向に直交する方向に移動可能なように設置されている。なお、綴じ具２１０は図示しない駆動モータを含む移動機構によってガイドレール２３０に沿って移動する。

搬送路２４０は受け入れたシートを搬送し、排出する搬送経路であって、シート後処理装置２０１の入口側から出口側まで貫通している。分岐路２４１はシートを反転搬送して（スイッチバックさせて）後端側から搬入される搬送路であり、搬送２４０から分岐している。この搬送路２４０内に綴じ具２１０が設けられている。

分岐路２４１はシートを重ね合わせて整合するために設けられ、集積手段として機能する。突き当て面２４２は、分岐路２４１の末端に設けられ、シート後端を突き当て整合する基準面である。歯型２６１は、本実施例では一対の凹凸が噛み合うような形状の加圧挟持材であり、シート束を挟み込んで加圧することにより、前記圧着綴じ機能を有する。

図４および図５は分岐爪２０４を中心とするシート後処理装置２０１の要部を示す図で、図４は分岐爪２０４がシート搬送にあるときの、図５はシートをスイッチバックさせるときの関連機構の詳細をそれぞれ示す。分岐爪２０４は、シートの搬送経路を搬送路２４０と分岐路２４１のいずれかに切り換えるために支軸２０４ｂに関して予め設定された角度範囲で揺動可能に設けられている。分岐爪２０４は図中の右側より受け入れたシートが抵抗なく下流側に搬送できる位置、すなわち図４の位置がホームポジションとなっており、スプリング２５１により常時図示反時計回り方向に弾性的に加圧されている。

スプリング２５１は分岐爪可動レバー部２０４ａに掛けられ、分岐爪可動レバー部２０４ａには分岐ソレノイド２５０のプランジャが連結されている。なお、分岐路２４１の搬送面と分岐爪２０４は図５の状態でシートが分岐路２４１に搬送された後、図４の状態になると、分岐路２４１内にあるシートを両者間で挟持し、保持することができる。搬送経路の切り換えは、分岐ソレノイド２５０をＯＮすると、分岐爪２４０は図５において矢印Ｒ１方向に回転し、搬送路２４０を閉鎖して分岐路２４１を開放することにより、分岐路２４１にシートを導くことができる。

図６および図７は本実施例に係る綴じ具２１０の詳細を示す図である。綴じ具２１０は、歯型２６１、加圧レバー２６２、リンク群２６３、駆動モータ２６５、偏心カム２６６およびカムホームポジションセンサ２６７を構成要素として含んでいる。歯型２６１は上下対となり噛み合う形状の加圧部材である。この歯型２６１は複数に組み合わせたリンク群２６３の作動端に位置し、動作端である加圧レバー２６２の加圧および加圧解除動作によって接離する。

加圧レバー２６２は、回転する偏心カム２６６によって回動する。この偏心カム２６６は駆動モータ２６５より駆動力を与えられて回転し、カムホームポジションセンサ２６７の検知情報に基づいてカムの回転位置が制御される。回転位置は偏心カム２６６の回転軸２６６ａとカム表面との距離を規定し、この距離に基づいて加圧レバー２６２の押圧量が決まる。カムホームポジションセンサ２６７が偏心カム２６６の被検知対象であるフィラー２６６ｂを検知した位置がホームポジションである。図６に示すように、偏心カム２６６の回転位置がホームポジションにあるとき、歯型２６１は開いた状態となっている。この状態では、綴じ処理は不能であり、シート束の受け入れが可能な状態である。

シート束を綴じる場合には、図６に示した歯型２６１が開いた状態で、歯型２６１間にシート束を挿入し、駆動モータ２６５を回転させる。駆動モータ２６５が回転を開始すると、偏心カム２６６は図７中矢印Ｒ２方向へ回転する。この回転に応じて、偏心カム２６６のカム面が変位し、加圧レバー２６２は図中矢印Ｒ３方向に回転する。その回転力は、てこを利用したリンク群を介して力を増し、その作動端の歯型２６１に伝達される。

偏心カム２６６が一定量回転した時点で、上下の歯型２６１は噛み合い、シート束を挟み込み、加圧する。この加圧によってシート束は変形し、隣接した用紙同士の繊維が絡み合い、綴じられる。その後、駆動モータ２６５が逆回転し、カムホームポジションセンサ２６７の検知情報で停止する。これにより、上下の歯型２６１は図６の状態に戻り、シート束を移動させることが可能な状態となる。また、レバー２６２はバネ性を有しており、過負荷が加わったときは撓んで、その過負荷を逃がすようになっている。

図８ないし図１６はシート後処理装置２０１の綴じ具２１０によるオンライン綴じの綴じ動作を示す動作説明図である。なお、各図において（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図である。また、本実施例でオンライン綴じとは、図１に示すように画像形成装置１０１の排紙口にシート後処理装置２０１を設置し、画像形成装置１０１で画像形成されたシートをシート後処理装置２０１に連続的に受け入れて整合し、綴じ処理を行うことを言う。これに対して後述のマニュアル綴じとは、画像形成装置２０１若しくは別途印字出力されたシートをシート後処理装置２０１の綴じ具２１０で綴じるものである。マニュアル綴じは画像形成装置２０１の排紙から一連の動作で綴じるものでないので、オフライン綴じに含まれる。

図８はオンライン綴じ動作のイニシャル動作完了時の状態を示す図である。画像形成装置１０１から画像形成されたシートの出力が開始されると、各部はホームポジションに移動し、イニシャル処理を完了する。図８はこのときの状態を示す。

図９は画像形成装置１０１から１枚目のシートＰ１が排紙され、シート後処理装置２０１に搬入された直後の状態を示す図である。画像形成装置１０１からシートＰ１が後処理装置２０１に搬入される前に、シート後処理装置２０１のＣＰＵ２０１ａは画像形成装置１０１のＣＰＵから用紙処理の制御モードに関するモード情報とシート情報を受け取り、その情報に基づき、受け入れ待機状態になる。

制御モードには、ストレートモード、シフトモードおよび綴じモードの３つのモードが設定されている。ストレートモードにおいては、受け入れ待機状態で入口ローラ２０３および排紙ローラ２０５はシート搬送方向に回転を開始し、シートＰ１，・・・Ｐｎが順次搬送され、排出されて最終紙Ｐｎが排出された後、入口ローラ２０８および排紙ローラ２０５は停止する。なお、ｎは２以上の正の整数である。なお、何枚目かのシートを特定せずに概括的にいう場合にはシートＰとして説明する。

シフトモードにおいては、受け入れ待機状態で入口ローラ２０３および排紙ローラ２０５は搬送方向に回転を開始する。シフト排紙動作は、シートＰ１を受け入れて搬送し、シートＰ１の後端が入口ローラ２０３を抜けたところで、シフトカム２０７が一定量回転し排紙ローラ２０５が軸方向に移動する。このときシートＰ１も排紙ローラ２０５の移動と共に移動する。また、シートＰ１が排出されると、シフトカム２０７が回転してホームポジションに復帰し、次のシートＰ２の搬入に備える。この排紙ローラ２０５のシフト動作を同じ部のシートＰｎの排出が完了するまで繰り返す。これにより、一部（一冊）分のシート束ＰＢが一方にシフトした状態で排紙され、積層される。次の部の１枚目のシートＰ１が搬入された場合、シフトカム２０７は前の部とは逆方向に回転し、シートＰ１は前の部とは逆側に移動し、排出される。

綴じモードにおいては、受け入れ待機状態で入口ローラ２０３は停止しており、排紙ローラ２０５が搬送方向に回転を開始する。また、綴じ具２１０はシート幅より一定量退避した待機位置に移動して待機する。この場合、入口ローラ２０３はレジストローラとしても機能する。すなわち、１枚目のシートＰ１がシート後処理装置２０１に搬入され、シート先端を入口センサ２０２が検知すると、シート先端が入口ローラ２０３のニップに突き当たる。そして、一定量の撓みを生じさせる距離だけ画像形成装置１０１の排紙ローラ１０２によってシートＰ１は搬送される。前記距離搬送された後、入口ローラ２０３の回転が開始される。これによりシートＰ１のスキュー補正が行われる。図９（ａ）および（ｂ）はこのときの状態を示す。

図１０はシート後端が入口ローラ２０３のニップから離脱して分岐路２４１を超えたときの状態を示す図である。シートＰ１は、シート後端の入口センサ２０２による検知情報から搬送量がカウントされ、シート搬送位置の位置情報はＣＰＵ２０１ａによって把握されている。シート後端が入口ローラ２０３のニップを通過したら、入口ローラ２０３は次のシートＰ２の受け入れのために回転を停止する。それと同じタイミングでシフトカム２０７が図１０の矢印Ｒ４方向（図示時計回り方向）に回転し、シートＰ１をニップした状態で排紙ローラ２０５は軸方向に移動を開始する。これによりシートＰ１は図１０において矢印Ｄ１方向に斜行しながら搬送される。

その後、綴じ具２１０に併設または組み込まれたシート端検知センサ２２０がシートＰの側端部を検知すると、シフトカム２０７は停止する。停止後、シフトカム２０７は逆方向に回転し、シート端検知センサ２２０がシートＰの非検知状態でシフトカム２０７は停止する。そして、前記動作が完了し、シート後端が分岐爪２０４先端を通過した所定の位置で排紙ローラ２０５は停止する。

図１１はシートＰ１をスイッチバックしてシートＰ１の搬送方向を整合するときの状態を示す図である。図１０の状態から分岐爪２０４を図示矢印Ｒ５方向に回転させ、搬送経路を分岐路２４１に切り換えた後、排紙ローラ２５０を逆回転させる。これによりシートＰ１は矢印Ｄ２方向にスイッチバックされ、シート後端が分岐路２４１に搬入され、さらに、突き当て面２４２に突き当てられる。このシート後端の突き当てによりシート後端は突き当て面２４２を基準に揃えられる。シートＰ１が揃えられると、排紙ローラ２０５は停止する。

排紙ローラ２０５はシートＰ１が突き当て面２４２に突き当たるとスリップし、搬送力が付与されないようになっている。すなわち、シートＰ１がスイッチバックして突き当て面２４２に突き当たり、シート後端が突き当て面２４２を基準に揃えられると、それ以上、搬送されてシートが座屈しないように設定されている。

図１２は分岐路２４１に１枚目のシートＰ１を待機させ、次の２枚目のシートＰ２を搬入するときの状態を示す図である。先行の１枚目のシートＰ１が突き当て面２４２を基準に揃えられた後、分岐爪２０４を図示矢印Ｒ６方向に回転させる。これにより分岐爪２０４の下面である接触面２０４ｃが、分岐路２４１に位置しているシート後端を分岐路２４１の表面に強力に押さえ付け、動かない状態にして待機する。後行の２枚目のシートＰ２が画像形成装置１０１から搬入されてくると、先行のシートＰ１と同様に入口ローラ２０３でスキュー補正を行う。次いで、入口ローラ２０３の回転が開始するのと同時に排紙ローラ２０５も搬送方向に回転を開始する。

図１３は２枚目のシートＰ２が搬入されてきたときの状態を示す図である。図１２の状態から２枚目のシートＰ２、さらに３枚目以降のシートＰ３，・・・，Ｐｎが搬送されてきたときも、図１０および図１１に示した動作を実行し、順次、画像形成装置１０１から搬送されてくるシートを予め設定した位置に移動させて重ね合わせ、整合状態のシート束ＰＢを搬送路２４０および分岐路２４１に跨ってスタック（集積）する。

図１４は最終紙Ｐｎを整合してシート束ＰＢを形成したときの状態を示す図である。最終紙Ｐｎを整合状態のシート束ＰＢとして動作完了したら、排紙ローラ２０４を一定量搬送方向に回転させ停止する。この動作でシート後端を突き当て面２４２に突き当てたときに発生した撓みを解消させる。その後、分岐爪２０４を図示矢印Ｒ５方向に回転させ、接触面２０４ｃを分岐路２４１から離間させることによりシート束ＰＢへの加圧力を開放する。これによりシート束ＰＢは分岐爪２０４による拘束力が解除され、排紙ローラ２０５による搬送が可能となる。

図１５は綴じ動作時の状態を示す図である。図１４の状態から排紙ローラ２０５を搬送方向に回転させ、綴じ具２１０の歯型２６１の位置とシート束ＰＢの綴じ位置が一致する距離分シート束ＰＢを搬送し、その位置で停止させる。これによりシート束ＰＢの搬送方向の加工位置が歯型２６１の搬送方向の位置と合致する。そして、綴じ具２１０を綴じ具２１０の歯型２６１の位置とシートの加工位置が一致する距離分だけ図示矢印Ｄ３方向に移動させ、停止する。これによりシート束ＰＢの幅方向の加工位置が歯型２６１の位置と搬送方向および幅方向で合致することになる。

このとき、分岐爪２０４は図示矢印Ｒ６方向に回転し、シート受け入れ状態に復帰する。その後、綴じ具駆動モータ２６５をＯＮし、歯型２６１によってシート束ＰＢを加圧し、絞ることによって圧着綴じを行う。なお、本実施例では、圧着綴じを行う綴じ具２１０を使用した例を例示しているが、半抜き加工、切曲げ、切り曲げてさらに穴に通すなどの綴じ方の綴じ具を使用しても良いことは言うまでもない。

図１６はシート束ＰＢを排紙するときの状態を示す図である。図１５に示したようにして綴じられたシート束ＰＢは、排紙ローラ２０５の回転により排出される。シート束ＰＢが排出され後、シフトカム２０７を矢印Ｒ７方向に回転させ、ホームポジション（図８の位置）に復帰させる。これと並行して綴じ具２０１を図示矢印Ｄ４方向に移動させ、ホームポジション（図８の位置）に復帰させる。これにより、一部（一冊）のシート束ＰＢの整合動作を綴じ動作が完了する。次の部がある場合には、図８から図１６の動作を繰り返し、同様にして圧着綴じされた一部のシート束ＰＢを作成する。

図１７はシート後処理装置２０１と画像形成装置１０１からなる画像形成システムの制御構成を示すブロック図である。シート後処理装置全体および各部の制御はシート後処理装置２０１の制御回路によって実行される。

シート後処理装置２０１はＣＰＵ２０１ａ、Ｉ／Ｏインターフェイス２０１ｂ等を有するマイクロコンピュータを搭載した制御回路を備え、ＣＰＵ２０１ａには、画像形成装置１０１のＣＰＵあるいは操作パネル１１０の各スイッチ等、および図示しない各センサからの信号が通信インターフェイス１２０を介して入力され、ＣＰＵ２０１ａは入力された信号に基づいて所定の制御を実行する。すなわち、シート後処理装置２０１の制御は画像形成装置１０１のＣＰＵからの指示若しくは情報に基づいて実行される。利用者の操作指示は画像形成装置１０１の操作パネル１１０あるいはシート後処理装置２０１に設けられた操作パネル２７３から行われる。

これにより、画像形成装置１０１からはシート後処理装置２０１へ操作パネル１１０からの操作信号が送信され、また、シート後処理装置２０１の処理状態や機能が操作パネル１１０を介して利用者に通知される。また、制御回路はシート後処理装置２０１に設けられた操作パネル２７３との間で制御信号を送受するためのＩ／０インターフェイス２０１ｃを備え、シート後処理装置２０１の操作パネル２７３からの操作信号はＩ／０インターフェイス２０１ｃを介してＣＰＵ２０１ａに入力される。

さらに、ＣＰＵ２０１ａは、ドライバ、モータドライバを介してソレノイドおよびモータを駆動制御し、インターフェイスから装置内のセンサ情報を取得する。また、制御対象やセンサに応じてＩ／０インターフェイス２０１ｂを介してモータドライバによってモータの駆動制御を行い、センサからセンサ情報を取得する。なお、前記制御は、図示しないＲＯＭに格納されたプログラムコードをＣＰＵ２０１ａが読み込んで図示しないＲＡＭに展開し、当該ＲＡＭをワークエリアおよびデータバッファとして使用しながら前記プログラムコードで定義されたプログラムに基づいて実行される。

本実施例２は、実施例１において搬送路２４０のシート端部側に設置した綴じ具２１０を分岐路２４１の末端部に配置した例である。この例では、分岐路２４１は実施例１よりも延長され、その末端部に綴じ具２１０が配置されている。その他の各部は実施例１と同一なので、重複する各部の説明は省略し、異なる点について説明する。

図１８は実施例２に係る画像形成システムの２つの態様を示す図である。本実施例に係る画像形成システム１００においても、図１に示した実施例１のシステムと同様であり、シート後処理装置２０１の構成が異なるだけである。

本実施例に係るシート後処理装置２０１は、搬送路２４０から分岐した分岐路２４１はシートを重ね合わせて整合するために設けられ、集積手段およびステープルトレイとして機能する。突き当て面２４２は、分岐路２４１の末端に設けられ、シート後端を突き当て整合する基準面であり、所謂、後端基準フェンスの内面に相当する。本実施例では、分岐路２４１は図１８に示すように実施例１における分岐路２４１よりも延長され、その後端の図示奥側の角部に綴じ具２１０が配置されている。綴じ具２１０は実施例１と同様に第２の搬送路を構成する分岐路２４１内に設けられている。

また、実施例１において綴じ具２１０に設けられたシート端検知センサ２２０は、綴じ具２１０に代えて設けられたセンサホルダ２２２に取り付けられている。センサホルダ２２２はガイドレール２３０によってシート搬送方向と直交する方向に実施例１における綴じ具２１０と同様に移動可能である。

図１９ないし図２７は実施例２におけるシート後処理装置２０１の綴じ具２１０によるオンライン綴じの綴じ動作を示す動作説明図である。なお、各図において（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図である。

図１９はオンライン綴じ動作のイニシャル動作完了時の状態を示す図である。画像形成装置１０１から画像形成されたシートの出力が開始されると、各部はホームポジションに移動し、イニシャル処理を完了する。図１９はこのときの状態を示す。

図２０は画像形成装置１０１から１枚目のシートＰ１が排紙され、シート後処理装置２０１に搬入された直後の状態を示す図である。画像形成装置１０１からシートＰ１が後処理装置２０１に搬入される前に、シート後処理装置２０１のＣＰＵ２０１ａは画像形成装置１０１のＣＰＵから用紙処理の制御モードに関するモード情報とシート情報を受け取り、その情報に基づき、受け入れ待機状態になる。

制御モードには、ストレートモード、シフトモードおよび綴じモードの３つのモードが設定されている。ストレートモードおよびシフトモードは実施例１と同様である。

綴じモードにおいては、受け入れ待機状態で入口ローラ２０３は停止しており、排紙ローラ２０５が搬送方向に回転を開始する。また、綴じ具２１０はシート幅より一定量退避した待機位置に移動して待機する。この場合、入口ローラ２０３はレジストローラとしても機能する。すなわち、１枚目のシートＰ１がシート後処理装置２０１に搬入され、シート先端を入口センサ２０２が検知すると、シート先端が入口ローラ２０３のニップに突き当たる。そして、一定量の撓みを生じさせる距離だけ画像形成装置１０１の排紙ローラ１０２によってシートＰ１は搬送される。前記距離搬送された後、入口ローラ２０３の回転が開始される。これによりシートＰ１のスキュー補正が行われる。図２０（ａ）および（ｂ）はこのときの状態を示す。

図２１はシート後端が入口ローラ２０３のニップから離脱して分岐路２４１を超えたときの状態を示す図である。シートＰ１は、シート後端の入口センサ２０２による検知情報から搬送量がカウントされ、シート搬送位置の位置情報はＣＰＵ２０１ａによって把握されている。シート後端が入口ローラ２０３のニップを通過したら、入口ローラ２０３は次のシートＰ２の受け入れのために回転を停止する。それと同じタイミングでシフトカム２０７が図１０の矢印Ｒ４方向（図示時計回り方向）に回転し、シートＰ１をニップした状態で排紙ローラ２０５は軸方向に移動を開始する。これによりシートＰ１は図２０において矢印Ｄ１方向に斜行しながら搬送される。

その後、センサホルダ２２２に取り付けられたシート端検知センサ２２０がシートＰの側端部を検知すると、シフトカム２０７は停止する。停止後、逆方向に回転し、シート端検知センサ２２０がシートＰの非検知状態でシフトカム２０７は停止する。そして、前記動作が完了し、シート後端が分岐爪２０４先端を通過した所定の位置で排紙ローラ２０５は停止する。

図２２はシートＰ１をスイッチバックしてシートＰ１の搬送方向を整合するときの状態を示す図である。図２１の状態から分岐爪２０４を図示矢印Ｒ５方向に回転させ、搬送経路を分岐路２４１に切り換えた後、排紙ローラ２５０を逆回転させる。これによりシートＰ１は矢印Ｄ２方向にスイッチバックされ、シート後端が分岐路２４１に搬入され、さらに、後端基準フェンスの突き当て面２４２に突き当てられる。このシート後端の突き当てによりシート後端は突き当て面２４２を基準に揃えられる。シートＰ１が揃えられると、排紙ローラ２０５は停止する。

排紙ローラ２０５はシートＰ１が突き当て面２４２に突き当たるとスリップし、搬送力が付与されないようになっている。すなわち、シートＰ１がスイッチバックして突き当て面２４２に突き当たり、シート後端が突き当て面２４２を基準に揃えられると、それ以上、搬送されてシートが座屈しないように設定されている。

図２３は分岐路２４１に１枚目のシートＰ１を待機させ、次の２枚目のシートＰ２を搬入するときの状態を示す図である。先行の１枚目のシートＰ１が突き当て面２４２を基準に揃えられた後、分岐爪２０４を図示矢印Ｒ６方向に回転させる。これにより分岐路２４１に位置しているシート後端を分岐爪２０４の下面である接触面２０４ｃが分岐路２４１の表面に強力に押さえ付け、動かない状態にして待機する。後行の２枚目のシートＰ２が画像形成装置１０１から搬入されてくると、先行のシートＰ１と同様に入口ローラ２０３でスキュー補正を行う。次いで、入口ローラ２０３の回転が開始するのと同時に排紙ローラ２０５も搬送方向に回転を開始する。

図２４は２枚目のシートＰ２が搬入されてきたときの状態を示す図である。図２３の状態から２枚目のシートＰ２、さらに３枚目以降のシートＰ３，・・・，Ｐｎが搬送されてきたときも、図２１および図２２に示した動作を実行し、順次、画像形成装置１０１から搬送されてくるシートを予め設定した位置に移動させて重ね合わせ、整合状態のシート束ＰＢを搬送路２４０および分岐路２４１に跨ってスタック（集積）する。

図２５は最終紙Ｐｎを整合してシート束ＰＢを形成したときの状態を示す図である。最終紙Ｐｎを整合状態のシート束ＰＢとして動作完了したら、排紙ローラ２０４を一定量搬送方向に回転させ停止する。この動作でシート後端を突き当て面２４２に突き当てたときに発生した撓みを解消させる。その後、分岐爪２０４を図示矢印Ｒ５方向に回転させ、接触面２０４ｃを分岐路２４１から離間させることによりシート束ＰＢへの加圧力を開放する。これによりシート束ＰＢは分岐爪２０４による拘束力が解除され、排紙ローラ２０５による搬送が可能となる。

図２６は綴じ動作時の状態を示す図である。図２５のシート束ＰＢの整合終了の状態から綴じ具２１０を綴じ位置まで図示矢印Ｄ３方向に移動させる。これによりシート束ＰＢの所定の綴じ位置に位置したことになる。このとき、分岐爪２０４は図示矢印Ｒ６方向に回転し、シート受け入れ状態に復帰する。他方、この位置で綴じ具２１０による綴じ処理を行う。綴じ具２１０による綴じ処理は、シート束ＰＢに対してドライバでステープル針を押し込み、クリンチャでステープル針を曲げて綴じる公知の綴じ動作によって行われる。

なお、本実施例２では、綴じ具２１０によってステープル針を使用してシート束ＰＢの角部を綴じているが、実施例１と同様に圧着綴じを行う綴じ具２１０、半抜き加工、切曲げ、切り曲げてさらに穴に通すなどの綴じ方の綴じ具を使用しても良いことは言うまでもない。

図２７はシート束ＰＢを排紙するときの状態を示す図である。図２６に示したようにして綴じられたシート束ＰＢは、排紙ローラ２０５の回転により排出される。シート束ＰＢが排出され後、シフトカム２０７を矢印Ｒ７方向に回転させ、ホームポジション（図１９の位置）に復帰させる。これと並行して綴じ具２１１を図示矢印Ｄ４方向に移動させ、ホームポジション（図１９の位置）に復帰させる。これにより、一部（一冊）のシート束ＰＢの整合動作を綴じ動作が完了する。次の部がある場合には、図１９から図２７６の動作を繰り返し、同様にして圧着綴じされた一部のシート束ＰＢを作成する。

その他、特に説明しない各部は、前述のように実施例１と同様に構成され、同様に機能する。

また、実施例１においては、シート束の搬送量（停止位置：綴じ位置）を制御することにより、シートの搬送方向端部の複数箇所を綴じ具２１０により綴じることが可能である。他方、実施例２においては、綴じ具２１０をシート束ＰＢの後端に沿って移動させることが可能な移動機構を設ければ、シートの搬送方向と直交する端部の複数箇所を綴じ具２１０により綴じることが可能である。移動機構としては、例えば、実施例１のガイドレール２３０を設置し、このガイドレールに沿って移動できるように構成すればよい。

以上のように、本実施形態によれば、以下のような効果を奏する。

１） 本実施形態では、シートＰを第１の搬送路（搬送路２４０）に沿って搬送する第１の搬送手段（入口ローラ２０３と、第１の搬送手段（入口ローラ２０３）によって搬送されたシートＰを装置外に、または第１の搬送路（搬送路２４０）から分岐した第２の搬送路（分岐路２４１）に搬送可能な第２の搬送手段（排紙ローラ２０５）と、第２の搬送路（分岐路２４１）側にシートＰを案内する案内手段（分岐爪２０４）と、案内されたシートＰの端部を整合する第１の整合手段（突き当て面２４２）と、整合されたシート（束）ＰＢに対して綴じ処理する綴じ手段（綴じ具２１０）と、を備えたシート処理装置（シート後処理装置２０１）において、案内手段（分岐爪２０４）によってシートＰが第２の搬送路（分岐路２４１）側に案内されるとき、当該シートＰは第１の搬送路（搬送路２４０）と第２の搬送路（分岐路２４１）に跨って集積されるように構成した。この構成により、第１の搬送路（搬送路２４０）と第２の搬送路（分岐路２４１）に跨って集積されたシート束ＰＢに対して綴じ手段（綴じ具２１０）によって綴じ処理が行われるので、綴じるために使用する集積手段を別途設ける必要がなくなり、シート処理装置の小型化を図ることができる。すなわち、シートの集積手段と分岐路を第１および第２の搬送路で兼用させる構成としたので、シート処理装置の小型化が可能になる。この小型化により、画像形成装置１０１の胴内でシート整合し、綴じ具２１０で綴じ処理可能なシート処理装置とすることができる。

２） 第１の搬送路（搬送路２４０）内に綴じ手段（綴じ具２１０）が配置されるので、シート処理装置の小型化を図ることができる。

３） 第２の搬送路（分岐路２４１）内に綴じ手段（綴じ具２１０）が配置されるので、シート処理装置の小型化を図ることができる。
４） 第１の整合手段は、前記シート後端が突き当てられる突き当て面２４２を備え、前記第２の搬送路（分岐路２４１）側に案内されたシートを前記突き当て面２４２基準で前記シートの搬送方向を整合するので、第２の搬送路（分岐路２４１）側で確実にシートの搬送方向を整合することができる。

５） 案内手段（分岐爪２４０）は、シートＰを第２の搬送路（分岐路２４１）側に案内するときには、第２の搬送路（分岐路２４１）を開放し、シートＰの後端が突き当て面２４２基準で整合された後、次のシートＰが搬送されてくるときには第２の搬送路（分岐路２４０）を閉鎖して先のシートを第１および第２の搬送路（搬送路２４０，分岐路２４１）に跨った状態で保持するので、綴じるときに複数枚のシートＰを集積する集積手段を別途設ける必要がなくなり、その分、小型化を図ることができる。

６） 第２の整合手段は、シートの搬送方向と直交する方向を整合するシフト機構２０５Ｍおよびシートの側端部を検知するシート端検出手段（シート端検知センサ２２０）を備え、シフト機構２０５Ｍによって移動するシートＰの側端部をシート端検出手段（シート端検知センサ２２０）によって検出し、検出した位置を基準に前記シートＰの移動を停止させることによりシートＰの搬送方向と直交する方向を整合するので、シートＰの搬送方向と直交する方向を第１の搬送路（搬送路２４０）側で整合することができる。

７） 前記第２の整合手段によりシート搬送方向と直交する方向を先に整合し、前記第１の整合手段によりシート搬送方向をその後整合し、シートが１枚搬送されてくる毎に、先に搬送されてきた整合済のシートを第１の搬送路（搬送路２４０）と第２の搬送路（分岐路２４１）に跨った状態で保持し、その状態で次のシートを整合するので、先に整合されたシートＰ若しくはシート束ＰＢの整合性を損なうことなく、１枚ずつ確実に整合することができる。

８） 綴じ手段として、シート束を加圧し、シートの圧着または変形によるシート間の保持力を利用して綴じ処理を行う綴じ具２１０、例えば、重ね合わせた用紙を歯型によって加圧し、絞りを行うことによって圧着させる圧着綴じ具、半抜き加工によって綴じる綴じ具、切曲げによって綴じる綴じ具、切り曲げてさらに穴に通す綴じ具などの金属針を使用しない綴じ具を使用することにより、
・低コスト、省スペース、省資源、省エネルギの要求に応えた少数枚のシート綴じが可能なシート処理装置を提供することができる。
・オフィスユーザの大半の綴じ枚数である５枚程度の少数枚を搬送路内で綴じることができるので、オフィスユーザの用紙綴じ作業の大部分を効率化することが可能となる。
・従来、オフィスでフィニッシャの導入を考えた場合、効率化とコストを勘案し、購入するか購入を止めるかの２択しかなかったが、搬送路内で少数枚の用紙綴じが可能な低コスト、省スペース、省資源、省エネルギを達成可能なフィニッシャも選択の範囲に入るので、オフィスユースにあったシステムの構築が可能となる。
・駆動量電力の削減、小型化、サプライ消費の抑制、リサイクル性の向上により省資源に大きく貢献できる。
・綴じ具の駆動用電力の削減、サプライ消費の抑制、リサイクル性の向上、シュレッダによる破砕処理時の操作性の向上を図ることができる。

９） ２）ないし８）の構成を含む１）の構成のシート処理装置２０１と画像形成装置１０１とにより画像形成システムを構成すると、前記効果を奏する画像形成システムを提供することができる。

なお、本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施例は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。

１００ 画像形成システム
１０１ 画像形成装置
２０１ シート後処理装置（フィニッシャ：シート処理装置）
２０１ａ ＣＰＵ
２０３ 入口ローラ
２０４ 分岐爪
２０５ 排紙ローラ
２０５Ｍ シフト機構
２１０ 綴じ具
２２０ シート端検知センサ
２４０ 搬送路
２４１ 分岐路
２４２ 突き当て面
Ｐ，Ｐ１，・・・，Ｐｎ シート
ＰＢ シート束

特許第３６１７９３６号公報

Claims (11)

1. シートを第１の搬送路に沿って搬送する第１の搬送手段と、
   前記第１の搬送手段で搬送されたシートを装置外に、または前記第１の搬送路から分岐した第２の搬送路側に搬送可能な第２の搬送手段と、
   前記第２の搬送路側にシートを案内する案内手段と、
   前記案内されたシートの端部を整合する第１の整合手段と、
   前記整合されたシートに対して綴じ処理する綴じ手段と、
   を備えたシート処理装置であって、
   前記案内手段によってシートが前記第２の搬送路側に案内されるとき、当該シートは前記第１の搬送路と前記第２の搬送路に跨って集積されることを特徴とするシート処理装置。
2. 請求項１記載のシート処理装置であって、
   前記綴じ手段は、前記第１の搬送路内に配置されていることを特徴とするシート処理装置。
3. 請求項１記載のシート処理装置であって、
   前記綴じ手段は、前記第２の搬送路内に配置されていることを特徴とするシート処理装置。
4. 請求項１ないし３のいずれか１項に記載のシート処理装置であって、
   前記第１の整合手段は、前記シート後端が突き当てられる突き当て面を備え、
   前記第２の搬送路側に案内されたシートを前記突き当て面基準で前記シートの搬送方向を整合すること
   を特徴とするシート処理装置。
5. 請求項１ないし４のいずれか１項に記載のシート処理装置であって、
   前記案内手段は、前記シートを第２の搬送路側に案内するときには、前記第２の搬送路を開放し、前記シート後端が前記突き当て面基準で整合された後、次のシートが搬送されてくるときには前記第２の搬送路を閉鎖して先のシートを前記第１の搬送路と前記第２の搬送路に跨った状態で保持すること
   を特徴とするシート処理装置。
6. 請求項４または５に記載のシート処理装置であって、
   前記シートの搬送方向と直交する方向を整合する第２の整合手段をさらに備えていること
   を特徴とするシート処理装置。
7. 請求項６に記載のシート処理装置であって、
   前記第２の整合手段は、前記シートを搬送しながらシート搬送方向と直交する方向に移動させるシフト機構および前記シートの側端部を検知するシート端検知手段を備え、
   前記シフト機構によって移動する前記シートの側端部を前記シート端検出手段によって検出し、検出した位置を基準に前記シートの移動を停止させることにより前記シートの搬送方向と直交する方向を整合すること
   を特徴とするシート処理装置。
8. 請求項６または７に記載のシート処理装置であって、
   前記第２の整合手段により前記シート搬送方向と直交する方向を先に整合し、前記第１の整合手段により前記シート搬送方向をその後整合し、シートが１枚搬送されてくる毎に、先に搬送されてきた整合済のシートを前記第１の搬送路と前記第２の搬送路に跨った状態で保持し、その状態で次のシートを整合すること
   を特徴とするシート処理装置。
9. 請求項１ないし８のいずれか１項に記載のシート処理装置であって、
   前記綴じ手段は、シート束を加圧し、シートの圧着または変形によるシート間の保持力を利用して綴じ処理を行うこと
   を特徴とするシート処理装置。
10. 請求項１ないし９のいずれか１項に記載のシート処理装置を備えていること
    を特徴とする画像形成システム。
11. 第１の搬送手段によりシートを第１の搬送路に沿って搬送する第１の搬送工程と、
    前記第１の搬送工程で搬送されたシートを装置外側または前記第１の搬送路から分岐した第２の搬送路側に案内手段によって案内し、第２の搬送手段によって搬送する第２の搬送工程と、
    前記第２の搬送手段によって前記第２の搬送路に案内されたシートの端部を整合手段によって整合し、前記第１の搬送路と前記第２の搬送路に跨って集積する集積工程と、
    前記集積工程で整合され、集積されたシートに対して綴じ手段によって綴じる綴じ工程と、
    を備えたシート処理方法。