JP2014019526A - シート処理装置及び画像形成システム - Google Patents
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Abstract
【課題】シート束の条件に応じた適切な押圧力での綴じ処理を可能とする。
【解決手段】表面に凹凸を有する対となる押圧部材と、押圧部材に押圧力を付与することにより押圧部材間に挿入されたシート束PBを厚み方向から加圧し、シート束を綴じる押圧力付与手段と、を備えたシート処理装置であって、押圧力付与手段によって付与される押圧力をシート束のシート情報に応じて設定する設定手段を備えている。
【選択図】図7
【解決手段】表面に凹凸を有する対となる押圧部材と、押圧部材に押圧力を付与することにより押圧部材間に挿入されたシート束PBを厚み方向から加圧し、シート束を綴じる押圧力付与手段と、を備えたシート処理装置であって、押圧力付与手段によって付与される押圧力をシート束のシート情報に応じて設定する設定手段を備えている。
【選択図】図7
Description
本発明は、シート処理装置及び画像形成システムに係り、特に用紙、転写紙、シートなどのシート状記録媒体(以下、本明細書では、特許請求の範囲を含め「シート」と称する。)に対して綴じ処理を実行するシート処理装置、及びこのシート処理装置と、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらのうち少なくとも2つの機能を複合して有するデジタル複合機などの画像形成装置とを備えた画像形成システムに関する。
複写機、プリンタあるいはデジタル複合機(MFP:Multi Function Peripheral)などの画像形成装置で画像が形成された後、後処理するシート後処理装置が知られている。シート後処理装置は、装置外に排出されたシートを集積トレイに一旦集積し、整合した後、金属針を使用するステープラで綴じ処理などを行う装置である。この装置は画像形成後のシートに対して無人で、自動的に多数部の綴じ処理を実行するので、利便性に富み、効率的であることから広く普及している。
また、近年は金属針で綴じ処理を行わず、重ね合わせたシートを歯型によって加圧し、絞りを加えることによりシートの繊維同士を絡ませてシート同士を結合する綴じ具も知られている。これらの綴じ具の他に、半抜き加工、切曲げ、切り曲げてさらに穴に通すなどの綴じ方の綴じ具を使用する綴じ具もある。これらは、例えばハンドステープラとも称されている。この種の綴じ具では、サプライ消費を抑制し、リサイクルも容易となり、さらには、金属針を使用していないのでそのままシュレッダにかけられるなどの利点があり、省資源に大きく効果を発揮する。
なお、以下の説明において、重ね合わせたシートを一対の歯型(圧着型)によって加圧し、絞りを加えることによりシートの繊維同士を絡ませてシート同士を結合(圧着)する綴じ方法を絞り圧着綴じと称する。このような絞り圧着綴じによる綴じ処理は、前記利点があることから、後処理を行うフィニッシャにおいても普及していくものと予想される。
しかし、今まで考案されている絞り圧着綴じ装置においては、後述の図6及び図7に示すように駆動源を持たない文具の加圧レバーに1回転カムにより変位を与え加圧するという構成のものである。
一方、このような構成の絞り圧着綴じ装置として、例えば特開2010−285272号公報(特許文献1)に記載された発明が公知である。この発明は、生産性を低減させることなく、用紙束に綴じ処理を施す際の作動音を低減することを目的としたもので、用紙に画像を形成する画像形成手段と、画像形成手段にて画像が形成された用紙の束に対して綴じ針を貫通させて用紙の束を綴じ合わせる綴じ処理部を含み、画像形成手段にて画像が形成された用紙に対して後処理を施す後処理手段と、画像形成手段で行う画像形成処理の内容及び後処理手段で行う後処理の内容の少なくともいずれかの内容に応じて、後処理手段の綴じ処理部が用紙の束を綴じ合わせる際の綴じ針の移動速度を調整する調整手段とを備えることを特徴とするものである。
前記特許文献1記載の発明は、用紙束の綴じ処理を行う際の作動音を低減する目的で、針を用いた用紙束の綴じを行う際に、綴じ針の移動速度を調整するようになっているが、針なし綴じ機構において、押圧部材の移動速度を調整したとしても、押圧力の調整を行うことはできない。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、シート束の条件に応じた適切な押圧力での綴じ処理を可能とすることにある。
前記課題を解決するため、本発明は、表面に凹凸を有する対となる押圧部材と、前記押圧部材に押圧力を付与することにより前記押圧部材間に挿入されたシート束を厚み方向から加圧し、シート束を綴じる押圧力付与手段と、を備えたシート処理装置であって、前記押圧力付与手段によって付与される押圧力を前記シート束のシート情報に応じて設定する設定手段を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、シート束のシート条件に応じた適切な押圧力での綴じ処理が可能となる。
前記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明によって明らかとなる。
前記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明によって明らかとなる。
本発明は、カムの回転の位相をシート束のシート条件に応じて決定し、前記位相の押圧力をシート束に与えることにより針なし綴じにおける押圧力を設定し、若しくは調整することが特徴になっている。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、後述の各実施例において、同一若しくは同一と見なせる構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、後述の各実施例において、同一若しくは同一と見なせる構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
図1は本発明の実施形態に係る画像形成システムの2つの態様を示す図である。本実施形態に係る画像形成システム100は、画像形成装置101とシート処理装置としてのシート後処理装置(フィニッシャ)201とからなる。シート後処理装置201は、綴じ装置が画像形成装置101からシートを排出するシート搬送路内に設けられたいわゆる搬送路綴じ装置である。図1(a)は、画像形成装置101の搬送路内に設置された態様を、図1(b)は搬送路外に設置された態様をそれぞれ示す。
このシート後処理装置201は、搬送路内でシートを重ね合わせ整合する整合機能と、整合されたシート束を搬送路内で綴じる綴じ機能とを備えている。図1(a)の態様は画像形成装置101の胴内で後処理することから胴内処理装置とも呼ばれている。このように本実施形態に係るシート後処理装置201は小型で、画像形成装置101の形態に応じて胴内でも側面でも簡単に取り付け、あるいは配置することが可能である。なお、図1(b)に示した態様のシステムが、以下に説明する実施例1に対応する。
画像形成装置101は、画像処理部及び給紙部を含む画像形成エンジン部110と、画像読み取って画像データに変換する読み取りエンジン部103と、読み取りエンジン部103に読み取る原稿を自動的に送り込む自動原稿給送装置(ADF)104とを備えている。図1(a)の態様では、画像形成後のシートの排出が画像形成装置101の胴内に設けられた排紙部により行われ、図1(b)の態様では、画像形成後のシートは画像形成装置101の外部に設けられた排紙部により行われる。
図2は図1におけるシート後処理装置201の平面図、図3は正面図である。図2及び図3において、シート後処理装置201は、シート搬送路240に沿って入口側から入口センサ202、入口ローラ203、分岐爪204、綴じ具210及び排紙ローラ205を備えている。入口センサ202は、画像形成装置101の排紙ローラ102から排紙され、シート後処理装置201に搬入されたシートの先端、後端及びシートの有無を検知する。入口センサ202としては、例えば反射型の光センサが使用される。なお、反射型の光センサに代えて透過型の光センサを使用することもできる。入口ローラ203は、シート後処理装置201の入口に位置し、画像形成装置101の排紙ローラ102によって排紙されるシートを受け取り、綴じ具(ステープル装置)210内に搬入する機能を有する。また、後述するが、停止、回転、搬送量を制御可能な駆動源(駆動モータ)と、この駆動源を制御する後処理制御部961も備えている。入口ローラ203は対となるローラとのニップに画像形成装置101側から搬送されてきたシートの先端部を突き当て、スキュー補正も行う。
入口ローラ203の後段には分岐爪204が配置されている。分岐爪204はシート後端を分岐路241に導くために設けられている。この場合には、シート後端が分岐路241を越えた後、分岐爪204は図3において時計回り方向に回転し、シートを搬入方向と逆の方向に搬送する。これにより、シート後端側は分岐路241側に導かれる。分岐爪204は後述するが、ソレノイドによって駆動され、揺動動作を行う。なお、ソレノイドに代えてモータとすることもできる。分岐爪204は図3において反時計回り方向に駆動され、回転したとき、分岐路241の搬送面にシートあるいはシート束を押圧することが可能である。これにより分岐爪204はシートあるいはシート束を分岐路241で固定することができる。
排紙ローラ205はシート後処理装置201の搬送路240の最後段の出口直前に位置し、シートの搬送、シフト、排出を行う機能を有する。また、入口ローラ203と同様に排紙ローラ205の停止、回転、搬送量を制御可能な駆動源(駆動モータ)を備え、この駆動源は前記後処理制御部961によって制御される。排紙ローラ205のシフトはシフト機構205Mによって行われる。シフト機構205Mは、シフトリンク206、シフトカム207、シフトカムスタッド208及びシフトホームポジションセンサ209からなる。
シフトリンク206は排紙ローラ205の軸端205aに設けられ、シフトの移動力を受ける。シフトカム207はシフトカムスタッド208を有し、回転をする円盤状の部品である。この部品の回転によってシフトカムスタッド208を介しシフトリンク長穴部207aに移動可能に挿入された排紙ローラ205がシート搬送方向と直交する方向に移動する。この移動がいわゆるシフトである。シフトカムスタッド208はシフトリンク長穴部207aと連動し、シフトカム207の回転運動を排紙ローラ205の軸方向の直動運動に変換する機能を有する。シフトホームポジションセンサ209はシフトリンク206の位置を検出し、シフトホームポジションセンサ209で検出した位置をホームポジションとし、このホームポジションを基準にシフトカム207の回転制御を実行する。この制御は前記後処理制御部によって実行される。
綴じ具210は、シート端検知センサ220、綴じ具ホームポジションセンサ221及び綴じ具移動のためのガイドレール230を備えている。綴じ具210は、シート束PBを綴じる機構で、いわゆるステープラと称されるものである。本実施例では一対の歯型261で挟み込み、加圧することによってシートを変形させ、シートの繊維を絡めて綴じる機能を備えたものである。この綴じ方式の他に、半抜き加工、切曲げ、切り曲げてさらに穴に通すなどの綴じ方の綴じ具を使用するハンドステープラも知られている。いずれにしてもサプライ消費を抑制し、あるいはリサイクルし易くし、そのままシュレッダにかけられるなどのことから省資源に大きく貢献する。そのため、このような綴じ具210を使用すると、シート後処理装置、いわゆるフィニッシャにおいても、金属針を使わず、絞り圧着綴じのようにシート単体で綴じ処理が可能となる。
なお、絞り圧着綴じを行うハンドステープラとしては、例えば実公昭36−13206号公報に開示された綴じ具が公知であり、切り曲げてさらに穴に通して綴じるハンドステープラとしては、例えば実公昭37−7208号公報に開示された綴じ具が公知である。
シート端検知センサ220はシートの側端を出するセンサで、シートを揃えるときに、このセンサ検知位置を基準に揃える。綴じ具ホームポジションセンサ221はシート幅方向に移動可能な綴じ具210の位置を検出すセンサで、最大サイズのシートが搬送されても邪魔にならない位置に綴じ具210が位するポジションをホームポジションとし、その位置を検出する。ガイドレール230は綴じ具210がシート幅方向に安定して移動可能なように、その綴じ具210の移動をガイドするレールである。ガイドレール230は、綴じ具210がホームポジションから最小シートサイズのシートを綴じることができる位置までシート後処理装置201の搬送路240のシート搬送方向に直交する方向に移動可能なように設置されている。なお、綴じ具210は図示しない駆動モータを含む移動機構によってガイドレール230に沿って移動する。
搬送路240は受け入れたシートを搬送し、排出する搬送経路であって、シート後処理装置201の入口側から出口側まで貫通している。分岐路241はシートを反転搬送して(スイッチバックさせて)後端側から搬入される搬送路であり、搬送路240から分岐している。分岐路241はシートを重ね合わせて整合するために設けられ、集積手段として機能する。突き当て面242は、分岐路241の末端に設けられ、シート後端を突き当て整合する基準面である。歯型261は、本実施例では一対の凹凸が噛み合うような形状の加圧挟持材であり、後述するが上側の第1の歯型部216aと下側の第2の歯型部261bとからなり、シート束PBを対向する両者の歯型面の間に挟み込んで加圧し、絞り圧着綴じを行う機能を有する。
図4及び図5は分岐爪204を中心とするシート後処理装置201の要部を示す図である。図4は分岐爪204がシート搬送状態にあるときの、図5はシートをスイッチバックさせるときの関連機構の詳細をそれぞれ示す。分岐爪204は、シートの搬送経路を搬送路240と分岐路241のいずれかに切り換えるために支軸204bに関して予め設定された角度範囲で揺動可能に設けられている。分岐爪204は図中の右側より受け入れたシートが抵抗なく下流側に搬送できる位置、すなわち図4の位置がホームポジションとなっており、スプリング251により常時図示反時計回り方向に弾性的に加圧されている。
スプリング251は分岐爪可動レバー部204aに掛けられ、分岐爪可動レバー部204aには分岐ソレノイド250のプランジャが連結されている。なお、分岐路搬送面241と分岐爪204は図5の状態でシートが分岐搬送路241に搬送された後、図4の状態になると、分岐搬送路241内にあるシートを挟持状態で保持することができる。搬送経路の切り換えは、分岐ソレノイド250のON/OFFによって行われる。すなわち、分岐ソレノイド250をONすると、分岐爪204は図5において矢印R1方向に回転し、搬送路240を閉鎖し分岐路241を開放することにより、分岐路241にシートを導くことができる。
図6及び図7はカムを使用した綴じ具210の一例の詳細を示す図である。綴じ具210は、歯型261、加圧レバー262、リンク群263、駆動モータ265、偏心カム266及びカムホームポジションセンサ267を構成要素として含んでいる。歯型261は上下対となり噛み合う形状の加圧部材である。この歯型261は複数に組み合わせたリンク群263の作動端に位置し、動作端である加圧レバー262の加圧及び加圧解除動作によって接離する。なお、駆動モータ265の駆動力は、駆動プーリ265aからタイミングベルト265bを介して偏心カム266の回転中心に設けられた従動プーリ270cを介して偏心カム266に伝達され、偏心カム266は回転する。
加圧レバー262は、回転する偏心カム266によって揺動する。この偏心カム266は駆動モータ265より駆動力を与えられて回転し、カムホームポジションセンサ267の検知情報に基づいてカムの回転位置が制御される。回転位置は偏心カム266の回転軸266aとカム表面との距離を規定し、この距離に基づいて加圧レバー262の押圧量が決まる。カムホームポジションセンサ267が偏心カム266の被検知対象であるフィラー266bを検知した位置がホームポジションである。図6に示すように、偏心カム266の回転位置がホームポジションにあるとき、歯型261は開いた状態となっている。この状態では、綴じ処理は不能であり、シート束の受け入れが可能な状態である。
シート束PBを綴じる場合には、図6に示した歯型261が開いた状態で、歯型261間にシート束PBを挿入し、駆動モータ265を回転させる。駆動モータ265が回転を開始すると、偏心カム266は図7中矢印R2方向へ回転する。この回転に応じて、偏心カム266のカム面が変位し、加圧レバー262は図中矢印R3方向に回転する。その回転力は、てこを利用したリンク群を介して力を増し、その作動端の歯型261に伝達される。
偏心カム266が一定量回転した時点で、上下の歯型261は噛み合い、シート束PBを挟み込み、加圧する。この加圧によってシート束PBは変形し、隣接したシート同士の繊維が絡み合い、綴じられる。その後、駆動モータ265が逆回転し、カムホームポジションセンサ267の検知情報で停止する。これにより、上下の歯型261は図6の状態に戻り、シート束を移動させることが可能な状態となる。また、レバー262はバネ性を有しており、過負荷が加わったときは撓んで、その過負荷を逃がすようになっている。なお、偏心カム266を同一方向(矢印R2方向)にそのまま1回転させ、その過程で綴じるようにすることもできる。
図8ないし図16はシート後処理装置201の綴じ具210によるオンライン綴じの綴じ動作を示す動作説明図である。なお、各図において(a)は平面図、(b)は正面図である。また、本実施例でオンライン綴じとは、図1に示すように画像形成装置101の排紙口にシート後処理装置201を設置し、画像形成装置101で画像形成されたシートをシート後処理装置201に連続的に受け入れて整合し、綴じ処理を行うことを言う。これに対して、画像形成装置201から印字出力されたシート若しくは別途印字出力されたシートをシート後処理装置201の綴じ具210で綴じることもできる。この綴じ方法は、マニュアル綴じと称される。マニュアル綴じは画像形成装置201の排紙から一連の動作で綴じるものでないので、オフライン綴じに含まれる。
図8はオンライン綴じ動作のイニシャル動作完了時の状態を示す図である。画像形成装置101から画像形成されたシートの出力が開始されると、各部はホームポジションに移動し、イニシャル処理(動作)を完了する。図8はこのときの状態を示す。
図9は画像形成装置101から1枚目のシートP1が排紙され、シート後処理装置201に搬入された直後の状態を示す図である。画像形成装置101から1枚目のシートP1がシート後処理装置201に搬入される前に、シート後処理装置201の後処理制御部961は画像形成装置101のCPU(不図示)からシート処理の制御モードに関するモード情報とシート情報を受け取り、その情報に基づき、受け入れ待機状態になる。
制御モードには、ストレートモード、シフトモード及び綴じモードの3つのモードが設定されている。ストレートモードにおいては、受け入れ待機状態で入口ローラ203及び排紙ローラ205はシート搬送方向に回転を開始し、シートP1,・・・Pnが順次搬送され、排出されて最終紙Pnが排出された後、入口ローラ203及び排紙ローラ205は停止する。なお、nは2以上の正の整数である。
シフトモードにおいては、受け入れ待機状態で入口ローラ203及び排紙ローラ205は搬送方向に回転を開始する。シフト排紙動作は、1枚目のシートP1を受け入れて搬送し、1枚目のシートP1の後端が入口ローラ203を抜けたところで、シフトカム207が一定量回転し排紙ローラ205が軸方向に移動する。このとき1枚目のシートP1も排紙ローラ205の移動と共に移動する。また、1枚目のシートP1が排出されると、シフトカム207が回転してホームポジションに復帰し、次の2枚目のシートP2の搬入に備える。この排紙ローラ205のシフト動作を同じ部のn枚目(最終)のシートPnの排出が完了するまで繰り返す。これにより、1部(1冊)分のシート束PBが一方にシフトした状態で排紙され、積層される。次の部の1枚目のシートP1が搬入された場合、シフトカム207は前の部とは逆方向に回転し、シートP1は前の部とは逆側に移動し、排出される。
綴じモードにおいては、受け入れ待機状態で入口ローラ203は停止しており、排紙ローラ205が搬送方向に回転を開始する。また、綴じ具210はシート幅より一定量退避した待機位置に移動して待機する。この場合、入口ローラ203はレジストローラとしても機能する。すなわち、1枚目のシートP1がシート後処理装置201に搬入され、シート先端は入口センサ202により検知され、さらに入口ローラ203のニップに突き当たる。そして、1枚目のシートP1は、突き当たった位置からさらに一定量の撓みを生じさせる距離だけ画像形成装置101の排紙ローラ102によって搬送される。前記距離搬送された後、入口ローラ203の回転が開始される。これにより1枚目のシートP1のスキュー補正が行われる。図9(a)及び(b)はこのときの状態を示す。
図10はシート後端が入口ローラ203のニップから離脱して分岐路241を超えたときの状態を示す図である。1枚目のシートP1の搬送量は、シート後端の入口センサ202による検知情報に基づいてカウントされ、シート搬送位置の位置情報はシート後処理装置201の後処理制御部961によって把握されている。シート後端が入口ローラ203のニップを通過したら、入口ローラ203は次の2枚目のシートP2の受け入れのために回転を停止する。それと同じタイミングでシフトカム207が図10の矢印R4方向(図示時計回り方向)に回転し、1枚目のシートP1をニップした状態で排紙ローラ205は軸方向に移動を開始する。これにより1枚目のシートP1は図10において矢印D1方向に斜行しながら搬送される。その後、綴じ具210に併設又は組み込まれたシート端検知センサ220がシートP1の側端部を検知すると、シフトカム207は停止し、次いで逆転し、シート端検知センサ220がシートP1の非検知状態でシフトカム207は停止する。そして、前記動作が完了し、シート後端が分岐爪204先端を通過した所定の位置で排紙ローラ205は停止する。
図11はシートP1をスイッチバックしてシートP1の搬送方向を整合するときの状態を示す図である。図10の状態から分岐爪204を図示矢印R5方向に回転させ、搬送経路を分岐路241に切り換えた後、排紙ローラ205を逆回転させる。これにより1枚目のシートP1は矢印D2方向にスイッチバックされ、シート後端が分岐路241に搬入され、さらに、突き当て面242に突き当てられる。このシート後端の突き当てによりシート後端は突き当て面242を基準に揃えられる。1枚目のシートP1が揃えられると、排紙ローラ205は停止する。このとき、排紙ローラ205は1枚目のシートP1が突き当て面242に突き当たるとスリップし、搬送力が付与されないようになっている。すなわち、1枚目のシートP1がスイッチバックして突き当て面242に突き当たり、シート後端が突き当て面242を基準に揃えられると、それ以上、搬送されてシートが座屈しないように設定されている。
図12は分岐路241に1枚目のシートP1を待機させ、次の2枚目のシートP2を搬入するときの状態を示す図である。先行の1枚目のシートP1が突き当て面242を基準に揃えられた後、分岐爪204を図示矢印R6方向に回転させる。これにより分岐爪204の下面である接触面204cが分岐路241に位置しているシート後端を分岐路241の表面に強力に押さえ付け、動かない状態にして待機する。後行の2枚目のシートP2が画像形成装置101から搬入されてくると、先行の1枚目のシートP1と同様に入口ローラ203でスキュー補正を行う。次いで、入口ローラ203の回転が開始するのと同時に排紙ローラ205も搬送方向に回転を開始する。
図13は2枚目のシートP2が搬入されてきたときの状態を示す図である。図12の状態から2枚目のシートP2、さらに3枚目以降のシートP3,・・・,Pnが搬送されてきたときも、図10及び図11に示した動作を実行し、順次、画像形成装置101から搬送されてくるシートを予め設定した位置に移動させて重ね合わせ、整合状態のシート束PBを搬送路240内にスタック(集積)する。
図14は最終紙Pnを整合してシート束PBを形成したときの状態を示す図である。最終紙Pnを整合状態のシート束PBとして動作完了したら、排紙ローラ204を一定量搬送方向に回転させ停止する。この動作でシート後端を突き当て面242に突き当てたときに発生した撓みを解消させる。その後、分岐爪204を図示矢印R5方向に回転させ、接触面204cを分岐路241から離間させることによりシート束PBへの加圧力を開放する。これによりシート束PBは分岐爪204による拘束力が解除され、排紙ローラ205による搬送が可能となる。
図15は綴じ動作時の状態を示す図である。図14の状態から排紙ローラ205を搬送方向に回転させ、綴じ具210の歯型261の位置とシート束PBの綴じ位置が一致する距離分シート束PBを搬送し、その位置で停止させる。これによりシート束PBの搬送方向の加工位置が歯型261の搬送方向の位置と合致する。そして、綴じ具210を綴じ具210の歯型261の位置とシートの加工位置が一致する距離分だけ図示矢印D3方向に移動させ、停止する。これによりシート束PBの幅方向の加工位置が歯型261の位置と搬送方向及び幅方向で合致することになる。このとき、分岐爪204は図示矢印R6方向に回転し、シート受け入れ状態に復帰する。その後、駆動モータ265をONし、歯型261によってシート束PBを加圧し、絞ることによって圧着綴じを行う。なお、本実施例では、絞り圧着綴じを行う綴じ具210を使用した例を例示しているが、半抜き加工、切曲げ、切り曲げてさらに穴に通すなどの綴じ方の綴じ具を使用しても良いことは言うまでもない。
図16はシート束PBを排紙するときの状態を示す図である。図15に示したようにして綴じられたシート束PBは、排紙ローラ205の回転により排出される。シート束PBが排出され後、シフトカム207を矢印R7方向に回転させ、ホームポジション(図8の位置)に復帰させる。これと並行して綴じ具201を図示矢印D4方向に移動させ、ホームポジション(図8の位置)に復帰させる。これにより、1部(1冊)のシート束PBの整合動作を綴じ動作が完了する。次の部がある場合には、図8から図16の動作を繰り返し、同様にして絞り圧着綴じされた1部のシート束PBを作成する。
図17は図1(b)に示した画像形成システムの正面図である。図17において、画像形成装置101の上面に利用者が操作するための操作パネル901が設けられている。図18は操作パネル901の正面図である。同図に示すように操作パネル901はLCD(Liquid Crystal Display)902及びテンキー903を備える。LCD902はいわゆるタッチパネルであり、液晶表示と利用者の接触位置検知(座標入力)が可能である。
図19は、本実施例に係る画像形成システムがネットワーク970を介してコンピュータ980と接続されて動作する全体の構成を示す機能ブロック図である。同図から分かるように、画像形成システムを構成する画像形成装置101は、電気的構成として内部機能がコントローラ930と機構制御部(メカ制御部)940とから構成されている。
コントローラ930は、通信制御部931、操作パネル制御部932、ジョブ管理部933、HDD(Hard Disc Drive)制御部934、画像処理部935、及びHDD(Hard Disc Drive)936を備えている。コントローラ930は図示しないCPUを備えている。CPUは、制御部と演算部を含み、制御部が命令の解釈とプログラムの制御の流れを制御し、演算部が演算を実行する。また、プログラムは図示しないメモリ(例えば、ROM)に格納され、実行すべき命令(ある数値又は数値の並び)を前記プログラムの置かれたメモリから取り出し、前記プログラムを実行する。その際、CPUは、別途メモリ(例えば、RAM)をデータバッファ及びワークエリアとして使用しながら前記プログラムを実行し、所定の制御を行う。
コントローラ930は、操作パネル制御部932あるいは通信制御部931を介して利用者が画像形成装置101に期待するドキュメント操作を把握し、電子的ドキュメントを生成して管理する。
メカ制御部940は、スキャナ制御部941、画像処理部942及びプロッタ制御部943を備え、シート(非電子媒体)上の情報を電子化してコントローラ930に受け渡し、コントローラ930から受け渡された電子情報をシート(非電子媒体)に印刷するという処理を行う。プロッタ制御部943は、画像形成装置101の外部のシート後処理装置201と通信をしながら印刷処理を行う。スキャナ制御部941は自動原稿給送装置104と通信しながら原稿を自動的に送り出す。なお、シート後処理装置201は後処理制御部961を、自動原稿給送装置104は原稿搬送制御部951をそれぞれ備え、各部961,951に備えられたCPU(若しくはASIC(Application Specific Integrated Circuit))が予め設定された処理、前者では印刷処理、後者で原稿送り処理をそれぞれ実行し、当該処理に必要な各部の動作を制御する。
図20は本実施例におけるシート種(薄紙、普通紙、厚紙の別(シート厚)、若しくは用紙の種類)とシート束PBの枚数で決定する駆動モータ265の回転量(パルス単位)との関係を表形式で示す図である。ここでパルスとは駆動モータ265に内蔵された図示しないエンコーダのカウント値である。シート後処理装置201の後処理制御部961はメモリ上に図20に示したデータをテーブルで持ち、用紙搬送が開始される前に画像形成装置101のプロッタ制御部943から指示された「薄紙」、「普通紙」、「厚紙」のいずれかのモードと、画像形成装置101から搬入される用紙枚数とに基づいて綴じを行う際の駆動パルス数を、このテーブルを用いて決定する。なお、実施例1では、シート種(シート厚、用紙の種類)とシート束PBの枚数の情報がシート情報に対応する。
図20に示したメモリテーブルは、予め実験室などでシート種、シート枚数、カム形状、及び駆動モータの1ステップ当たりの回転角などの関係をデータ化しておき、そのデータに基づいて作成され、書き換え可能なメモリにテーブル化して格納される。その際、条件が変わればメモリテーブルも書き換える必要があるので、このメモリテーブルは、画像形成装置101のプロッタ制御部943から指示された値で書き換えることができるようになっている。これにより、システムに応じて、あるいはシステムの変更に応じて、さらにはシートの厚さ以外のシート条件の変更に応じて最も適切な駆動モータ265の駆動条件で綴じ動作を行うことができる。
また、図20に示したメモリテーブルでは、シート種及びシート枚数と駆動モータ265の駆動パルスとの関係が格納されているが、これらの条件に加えて押圧中のカム266の停止時間も綴じ条件として付加し、メモリテーブル化しておくこともできる。
なお、本実施例では、最大押圧力が130パルスで得られるようなカム形状に設定されているので、130パルス駆動した場合には、カム266を戻さずにそのまま1回転させるように駆動モータ265を制御することも可能である。
図21及び図22は実施例1において図6及び図7に一例として示したカム266をスネルカム270に変更した実施例2における押圧動作を示す図である。本実施例では、綴じの押圧時に必要な押圧力が発生する位相までスネルカム270を回転させる。その後、駆動モータ265を停止し、さらに反転させてホームポジションセンサ267の検出位置まで戻すという動作を行わせる。なお、反転時には、予め設定された時間停止状態を持続させ、押圧力を作用させる時間を多く設定することもできる。
なお、本実施例におけるスネルカム270は、ずらして配置された2つの楕円形又は半円形の部分270a,270bを有し、2つの部分の外周側の曲面が1つの連続したカム面として構成され、2つの部品の接合部には段差が形成されている。カムがこのようなスネルカム形状であると、カムが1回転することはないことから、カムの外周を360°加圧が増加する形状にすることが可能となる。これにより加圧力の調整範囲を広く取ることができる。すなわち、実施例1の場合よりも大きな加圧力を付与することが可能となる。また、360°の範囲で加圧力の設定が可能であることから、同じ駆動精度のモータを使用した場合、より精度の高い押圧力の設定が可能となる。
なお、駆動モータ265はエンコーダ内蔵のサーボモータを用い、図20に示すホームポジションを始点として回転を開始した位置から、期待する位相位置までのエンコーダ入力を後処理制御部961に備えられたカウンタによってカウントし、位相若しくは加圧力を管理する。
シート束PBを綴じる場合には、図21に示した歯型261が開いた状態で、歯型261間にシート束PBを挿入し、駆動モータ265を回転させる。駆動モータ265が回転を開始すると、偏心カム270は図22中矢印R2方向へ回転する。この回転に応じて、偏心カム270のカム面が変位し、加圧レバー262は図中矢印R3方向に回転する。その回転力は、てこを利用したリンク群を介して力を増し、その作動端の歯型261に伝達され、結果として、シート束PBに所望の押圧力が付与され、綴じられる。
この実施例2の場合も、図20に示したようなメモリテーブルに基づいて駆動パルスを設定する。メモリテーブルは実施例2に示したスネルカム270を用いて実施例1と同様に予め実験室などでシート種、シート枚数、カム形状、及び駆動モータの1ステップ当たりの回転角などの関係をデータ化しておき、そのデータに基づいて作成されたものを使用する。
その他、特に説明しない各部は実施例1と同様に構成され、同様に機能する。
図23は図21及び図22に示したスネルカム270を、ホームポジションHと回転軸266aの中心を結ぶ線を対称軸とした場合に、当該対称軸に対して非対称な概三角のカム(以下、「三角カム」と称す。)280に置き換えた実施例3の三角カム280と加圧レバー262の関係を示す図、図24は三角カム280の拡大図である。図24において、第1の頂点Hはカム280の外周281上でカム280の回転軸266aの中心から最も距離が短い位置であり、これをホームポジションとする。
ホームポジジョンは、図6に示した例と同様にホームポジジョンセンサ267によって検出する。カム280は第1の頂点H→第2の頂点R側の第1の弧281aが急峻に回転軸266aの中心からの距離が増加し、第1の頂点H→第3の頂点L側の第2の弧281bが緩やかに回転軸266aの中心からの距離が増加する形状となっている。これにより、シート束PBの特性に応じて第1の弧281aによる加圧か、第2の弧281bによる加圧かを、ホームポジションからの回転方向を選ぶことによって使い分けることができる。
後処理制御部961は、シート束PBの特性に応じていずれかの回転方向を決めた後、駆動モータ265をその方向に回転させ、エンコーダ入力をカウントする。このカウント結果により、期待する押圧力が発生する位置まで回転させた後、一旦停止し、逆方向に回転させ、ホームポジションに戻った後、停止させる。押圧力をより多く必要とするシート束PBに対しては第1の弧281a側で押圧し、綴じによるダメージを避けたいシート束PBは第2の弧281bで徐々に加圧する。
第2の弧281bは緩やかに押圧力が増加するため、きめの細かい押圧力の調整が可能である。第1の弧281aは少ない回転角で大きな押圧力に到達するので、シート束PBの作成時間の短縮化を図ることができる。第3の頂点L−第2の頂点Rの第3の弧281cは制御上、使用されることはないが、回転がオーバーシュートして第3の頂点Lあるいは第2の頂点Rを第3の弧281c側に越えた場合、機械が破損しないように滑らかに繋いである。
図25は本実施例におけるシート種(用紙の種類)と、シート束PBの枚数で決定する駆動モータ265の回転方向及び回転量(パルス単位)との関係を表形式で示す図である。ここでパルスとは駆動モータ265に内蔵された図示しないエンコーダのカウント値である。図中のH−L及びH−Rは図24において第1の弧281aあるいは第2の弧281bのうちの使用する側の弧を示している。シート後処理装置201の後処理制御部961はメモリ上に図25に示したデータをテーブルで持ち、用紙搬送事前に画像形成装置101のプロッタ制御部943から指示された「薄紙」、「普通紙」、「厚紙」の何れかのモードと、画像形成装置101から搬入される用紙枚数とに基づいて綴じを行う際の駆動モータ265の回転方向(H−L/H−R)とパルス数を、このテーブルを用いて決定する。
図25に示したメモリテーブルは、予め実験室などでシート種、シート枚数、カム形状、及び駆動モータの1ステップ当たりの回転角などの関係をデータ化しておき、そのデータに基づいて作成され、書き換え可能なメモリにテーブル化して格納される。その際、条件が変わればメモリテーブルも書き換える必要があるので、このメモリテーブルは、画像形成装置101のプロッタ制御部943から指示された値で書き換えることができるようになっている。これにより、システムに応じて、あるいはシステムの変更に応じて、さらにはシートの厚さ以外のシート条件(情報)の変更に応じて最も適切な駆動モータ265の駆動条件で綴じ動作を行うことができる。なお、実施例3においても、シート種(用紙の種類)とシート束PBの枚数の情報がシート情報に対応する。
また、図25に示したメモリテーブルでは、シート種及びシート枚数と駆動モータ265の駆動パルスとの関係が格納されているが、これらの条件に加えて押圧中のカムの停止時間も綴じ条件として付加し、メモリテーブル化しておくこともできる。
図26は本実施例において後処理制御部961のCPUが実行する綴じ処理を含むシート処理の処理手順を示すフローチャートである。
後処理制御部961のCPUは、画像形成装置101のプロッタ制御部943から綴じありの搬送通知を受信すると(ステップS101)、シート束PBの枚数を0にクリアする(ステップS102)。そして、プロッタ制御部943からシート厚とシートサイズの通知を受け(ステップS103,S104)、画像形成装置101の排紙ローラ105からシートが搬入されると(ステップS105)、搬入されてきたシートを整合位置に搬送する(ステップS106)。次いで、シート束PBのシート枚数を1カウントアップ(1加算)し(ステップS107)、プロッタ制御部943からの綴じ開始指示を待つ(ステップS108)。指示がなければ(ステップS108:N)、ステップS105に戻って画像形成装置101側からのシートの搬入を待って、ステップS105以降の処理を繰り返す。
そして、プロッタ制御部943から綴じ処理開始の指示があると(ステップS108:Y)、綴じ具210の駆動モータ265の回転方向と回転パルス数を、図25に示したメモリテーブルとプロッタ制御部943から通知されたシート厚と搬送されてきたシート枚数から決定する(ステップS109)。次いで、決定した回転方向に決定された回転パルス数まで駆動モータ265を回転させ(ステップS110)、当該回転パルス数回転した位置で駆動モータ265を一旦停止させる(ステップS111)。
その後、ステップS110で回転させた回転方向とは逆の方向に駆動モータ265を回転させ(ステップS112)、フィラー266bがホームポジションセンサ267によって検出されると(ステップS113:Y)、駆動モータ265を停止させる(ステップS114)。この位置が図21に対応するホームポジションである。ホームポジションでは、図21に示した歯型261が開いた状態なので、この状態からシート束PBを排出し(ステップS115)、処理を終える。シート束PBの排出動作は、図16に示した動作に対応する。
以上のように、本実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
1)表面に凹凸を有する対となる第1及び第2の歯型部261a,261bと、第1及び第2の歯型部261a,261b間に挿入されたシート束PBを厚み方向から加圧し、シート束PBを圧着し、絞り込んで綴じる絞り圧着機構269と、を備え、前記シート束PBを厚み方向から加圧する押圧力をシート束PBのシート情報に基づいて設定するので、深絞りでシート束PBへの針なし綴じを行う際に、シート束PBの情報に応じた押圧力に調整し、締結力の確保を図ることが可能となるとともに、シートへのダメージを軽減することができる。
2)絞り圧着機構269が、作動機構(偏心カム266、スネルカム266あるいは三角カム270、加圧レバー262及びリンク群263)、作動機構を駆動する駆動モータ265を含み、シートの種類とシート束PBの枚数に応じてカム機構の偏心カム266、スネルカム270あるいは三角カム280の回転角を設定してシート束PBを綴じるので、シートの種類及びシート束PBの枚数などのシート情報に応じた押圧力の調整が可能となる。
3)カム機構(偏心カム266,スネルカム270、三角カム280、回転軸266a)を駆動する駆動モータ265と、カム(偏心カム266,スネルカム270、三角カム280)の回転角度を検出するエンコーダと、前記カム266,270,280のホームポジションを検出するホームポジションセンサ267と、を備え、エンコーダの出力及びホームポジションセンサ267の出力に基づき、駆動モータ265の回転方向と回転量を制御してカムの回転角を設定するので、簡単な制御で押圧力を調整することができる。
4)カム形状が、第1ないし第3の弧281a、b,cを有する非対称の略三角形状の三角カム280を使用し、ホームポジションからの三角カム280の回転方向に応じて第1及び第2の弧281a,bをカムとして機能させ、2つの押圧力の変動特性及び変動範囲を選択することが可能なので、シートの種類及びシート束PBの枚数に応じて最適な変動特性及び変動範囲を選んでシート束PBを綴じることができる。
5)三角カム30の第3の弧281cと第1及び第2の弧281a,bとの間が滑らかに接続されているので、三角カム280の回転時にオーバーシュートが発生してもカム機構若しくは作動機構が破損するおそれがなく、綴じ具210の信頼性を確保することができる。
6)後処理制御部961は、駆動モータ265の回転方向及び前記回転量を設定する際に参照する書き換え可能なメモリテーブルを備えているので、シート若しくはシート束PBの条件に対応してメモリテーブルを参照し、適切な押圧力でシート束PBを綴じることができる。その際、メモリテーブルは画像形成装置101側からの指示で書き換え可能なので、画像形成装置101で使用するシートの特性、外部環境の変化などに応じて最適な駆動モータの回転方向と回転量を設定することができる。
7)カムがスネルカム270であるので、カムの外周を360°加圧が増加する形状にすることが可能となり、加圧力の調整範囲を広く取ることができる。
なお、特許請求の範囲における押圧部材は本実施形態では、一対の歯型部261(第1及び第2の歯型部261a,261b)に、シート束は符号PBに、押圧力付与手段は絞り圧着機構269に、シート処理装置はシート後処理装置201に、カム機構は偏心カム266、スネルカム270、三角カム280、回転軸266aに、作動機構は駆動モータ265、駆動プーリ265a、タイミングベルト265b、従動プーリ270c、加圧レバー262及びリンク群263に、駆動制御部は後処理制御部961に、位置検出器はホームポジションセンサ267に、設定手段は前記ホームポジションセンサ367及び後処理制御部961に、第1ないし第3の弧は符号281a,281b,281cに、予め設定された位置はホームポジションHに、カム面は第1の弧281a及び第2の弧281bに、画像形成システムは画像形成装置101とシート後処理装置201とからなるシステムに、それぞれ対応する。
さらに、本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施例は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
101 画像形成装置
201 シート後処理装置(シート処理装置)
261 歯型部
261a,261b 第1及び第2の歯型部
262 加圧レバー
263 リンク群
265 駆動モータ
265a 駆動プーリ
265b タイミングベルト
266 偏心カム
266a 回転軸
267 ホームポジションセンサ
269 絞り圧着機構
270 スネルカム
270c 従動プーリ
280 三角カム
281a,281b,281c 第1ないし第3の弧
961 後処理制御部
H ホームポジション
PB シート束
201 シート後処理装置(シート処理装置)
261 歯型部
261a,261b 第1及び第2の歯型部
262 加圧レバー
263 リンク群
265 駆動モータ
265a 駆動プーリ
265b タイミングベルト
266 偏心カム
266a 回転軸
267 ホームポジションセンサ
269 絞り圧着機構
270 スネルカム
270c 従動プーリ
280 三角カム
281a,281b,281c 第1ないし第3の弧
961 後処理制御部
H ホームポジション
PB シート束
Claims (10)
- 表面に凹凸を有する対となる押圧部材と、
前記押圧部材に押圧力を付与することにより前記押圧部材間に挿入されたシート束を厚み方向から加圧し、シート束を綴じる押圧力付与手段と、
を備えたシート処理装置であって、
前記押圧力付与手段によって付与される押圧力を前記シート束のシート情報に応じて設定する設定手段を備えていること
を特徴とするシート処理装置。 - 請求項1に記載のシート処理装置であって、
前記押圧力付与手段はカム及び当該カムを駆動する駆動機構を、前記設定手段は前記駆動機構を駆動制御する駆動制御部を、それぞれ備え、
前記駆動制御部が、シートの種類とシート束の枚数を含む前記シート情報に基づいて前記駆動機構を制御し、前記カムの回転角を設定すること
を特徴とするシート処理装置。 - 請求項2に記載のシート処理装置であって、
前記駆動機構の駆動モータの回転量を検出するエンコーダと、
前記カムの予め設定された位置を検出する位置検出器と、
を備え、
前記駆動制御部は、前記位置検出器によって検出される予め設定された位置と、前記エンコーダの出力に基づいて前記回転角を設定すること
を特徴とするシート処理装置。 - 請求項2または3に記載のシート処理装置であって、
前記カムのカム形状が、第1ないし第3の弧を有する非対称の略三角形状であり、
前記予め設定された位置からの前記カムの回転方向に応じて第1又は第2の弧をカム面として機能させ、2つの押圧力の変動特性及び変動範囲を選択すること
を特徴とするシート処理装置。 - 請求項4に記載のシート処理装置であって、
前記第3の弧が前記第1及び第2の弧に対して滑らかに接続していること
を特徴とするシート処理装置。 - 請求項2ないし5のいずれか1項に記載のシート処理装置であって、
前記駆動制御部は、前記カムの回転角を設定する際に参照する書き換え可能なメモリテーブルを備えていること
を特徴とするシート処理装置。 - 請求項4または5に記載のシート処理装置であって、
前記駆動制御部は、前記カムの回転角を設定する際に参照する書き換え可能なメモリテーブルを備え、
前記メモリテーブルには、前記シートの種類及びシート束の枚数に対応した前記駆動機構の駆動モータの回転方向と回転量が格納されていること
を特徴とするシート処理装置。 - 請求項6または7に記載のシート処理装置であって、
前記駆動モータがステッピングモータであり、
前記回転量が前記ステッピングモータに入力される駆動ステップ数であること
を特徴とするシート処理装置。 - 請求項2または3に記載のシート処理装置であって、
前記カムがスネルカムであること
を特徴とするシート処理装置。 - 請求項1ないし9のいずれか1項に記載のシート処理装置を備えていることを特徴とする画像形成システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012158960A JP2014019526A (ja) | 2012-07-17 | 2012-07-17 | シート処理装置及び画像形成システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012158960A JP2014019526A (ja) | 2012-07-17 | 2012-07-17 | シート処理装置及び画像形成システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014019526A true JP2014019526A (ja) | 2014-02-03 |
Family
ID=50194850
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012158960A Pending JP2014019526A (ja) | 2012-07-17 | 2012-07-17 | シート処理装置及び画像形成システム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014019526A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015199234A (ja) * | 2014-04-07 | 2015-11-12 | キヤノンファインテック株式会社 | シート綴じ装置及び後処理装置並びに画像形成システム |
CN112093561A (zh) * | 2019-06-17 | 2020-12-18 | 株式会社理光 | 装订处理装置、图像形成系统 |
US11772405B2 (en) | 2021-10-08 | 2023-10-03 | Fujifilm Business Innovation Corp. | Recording medium processing apparatus and image forming system |
-
2012
- 2012-07-17 JP JP2012158960A patent/JP2014019526A/ja active Pending
Cited By (3)
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