JP6186776B2 - 後処理装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、後処理装置および画像形成装置に関し、さらに詳しくは、綴じ工程などの後処理が不用意に中断されてしまうのを防止する機構に関する。
複写機やプリンタあるいは印刷機などの画像形成装置によりプリントアウトされた用紙は、画像形成装置から排出される場合の他に、所定枚数の用紙を纏めた状態で一部をステープラによる綴じ処理等の後処理を施される場合がある。
このための装置として、画像形成装置の用紙排出部に連設されたシート綴じ処理装置が用いられる。
綴じ処理には、ステープルを用いることが一般的であったが、近年、省資源化やエコロジーおよびリサイクル性の観点からステープルを用いない、いわゆる、金属製品を用いない装置が望まれてきている。
上述した装置の一つとして、纏めて積層されている用紙群を挟持押圧可能な歯形部材を用いて用紙群に歯形等の凹凸状の深絞りを行うことで用紙同士の綴じ処理を行う綴じ装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
ところで、後処理作業では、用紙の穿孔や綴じ止めのために駆動源としてモータが用いられることが多い。
後処理に供される用紙の枚数や厚さが厚い場合にはモータで駆動された穿孔用パンチあるいは綴じ具の動作が途中でロックしてしまい、用紙束の全てを穿孔できないままとなることや用紙を綴じ具が噛み込んだままとなることがある。
従来、上述した事故への対応として、駆動源と駆動源を用いた各種処理工程の終了を検知する検知手段を備え、所定時間内での処理終了状態の判別結果において終了しない場合に駆動源を初期位置に復帰させる構成が提案されている(例えば、特許文献2)。
駆動源を初期位置、いわゆる、ホームポジションに戻す理由は、駆動源の正転時に綴じ処理などの後処理を行う場合、異常時に正転を行うと益々異常状態が進行するのを防止するために、逆転させて初期位置に戻すことにある。
後処理作業の各工程が所定時間内に終了しない原因としては、上述した特許文献2に開示されているような用紙の種別によるものの他に、突発的な駆動源への負荷増大、何らかの原因によるノイズの発生によって検知手段での誤検知がある。
後処理作業の各工程実行時に上述した原因によって所定時間内に作業が終了しない場合には、特許文献2に開示されているように強制的に駆動源を初期位置に復帰させてしまうと、次のような新たな問題が生じる。
つまり、所定時間内での後処理終了が検出できない場合でも、本来、例えば、綴じ動作を再度実施すれば綴じ作業が完了する場合があるにもかかわらずその作業が中断されてしまう。
このような不具合は、用紙の種別による駆動源への負荷増大などと違って、用紙自体への後処理が可能であるのに、上述した突発的な要因で作業が中断されてしまうことが原因する。
このため、1ジョブ実行時での綴じ処理などの後処理が中断されてしまうと、後続の用紙がジャムを起こす虞がある。
本発明の目的は、突発的な要因により後処理作業に用いられる駆動源がホームポジションに戻された際に、後処理作業が可能な場合には、後処理作業を続行して後続の用紙がジャムを起こすのを防止する構成を備えた後処理装置を提供することにある。
この目的を達成するため、本発明は、複数重ねられた用紙を対象として正逆転可能な駆動源を用いて用紙束の一部を凹凸状に加圧変形させて綴じ処理を行う後処理装置であって、前記駆動源の正逆転による綴じ処理時間を検出するタイマーおよび少なくとも用紙の厚さ綴じ枚数を入力可能な操作部が入力側に接続され、出力側には、前記駆動源および前記用紙のシフト移動用駆動部が接続されている制御部を備え、前記制御部は、綴じ処理中に前記駆動源の異常が検出された場合、前駆動源を逆転駆動し、逆転処理が正常に終了した場合には再度、前記駆動源を正転させて綴じ処理をリトライし、前記制御部は、前記綴じ処理時間を検出し、検出時間が所定時間でない場合に前記駆動源を逆転させてホームポジションに移動させる復帰時間を検出するとともに、該駆動源の逆転時に前記シフト移動用駆動部を駆動して前記用紙を綴じ処理位置から退避させ、前記駆動源の復帰時間が所定時間内である場合に、前記退避された用紙を綴じ処理位置に復帰させて、綴じ処理をリトライすることを特徴とする後処理装置にある。
本発明によれば、後処理工程時に駆動源の異常と判断されて後処理が中断された場合でも駆動源の復帰状態が正常であれば綴じ処理をリトライするようになっているので、後続の用紙が作業中断で滞っている用紙束に干渉してジャムを生じる事態を防止できる。
本発明による後処理装置を用いる画像形成装置を含む画像形成システムの構成を説明するための模式図である。 本発明の実施形態にかかる後処理装置の一例を示す平面図である。 図2に示した後処理装置の一例を示す正面図である。 図3における分岐爪が用紙搬送状態であるときの分岐爪を中心とする用紙後処理装置の要部を示す図である。 図3における分岐爪が用紙をスイッチバックさせるとき分岐爪を中心とする用紙後処理装置の要部を示す図である。 綴じ具の非綴じ時の状態を示す図である。 図6の綴じ具の綴じ時の状態を示す図である。 用紙後処理装置でオンライン綴じを行う場合のイニシャル動作完了時の状態を示す動作説明図である。 図8の状態から1枚目の用紙が画像形成装置より排紙され、用紙後処理装置に搬入された直後の状態を示す動作説明図である。 図9の状態から用紙後端が入口ローラのニップから離脱して分岐路を超えたときの状態を示す動作説明図である。 図10の状態から用紙をスイッチバックして用紙の搬送方向を整合するときの状態を示す動作説明図である。 図11の状態から分岐路に1枚目の用紙を待機させ、次の2枚目の用紙を搬入するときの状態を示す動作説明図である。 図12の状態から2枚目の用紙が搬入されてきたときの状態を示す動作説明図である。 図13の状態から最終紙を整合して用紙束を形成したときの状態を示す動作説明図である。 図14の状態から綴じ動作時を行うときの状態を示す動作説明図である。 図15の状態から用紙束を排紙するときの状態を示す動作説明図である。 本実施形態に係る画像形成システムに用いられる後処理装置の搬送部構成を説明するための模式図である。 図17に示した後処理装置において実施される用紙の搬送形態を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る後処理装置に用いられる制御部の構成を説明するためのブロック図である。 図19に示した制御部に接続される綴じ具駆動モータホームセンサの構成および作用を説明するための図である。 図19に示した制御部で実行される一作用を説明するためのフローチャートである。 図19に示した制御部で実行される別の作用を説明するためのフローチャートである。 図19に示した制御部で実行される他の作用を説明するためのフローチャートである。 図19に示した制御部で実行されるさらに別の作用を説明するためのフローチャートである。 図19に示した制御部で実行されるさらに他の作用を説明するためのフローチャートである。
本発明は、後処理工程実行時に異常が生じた場合の状態を判別し、本来、綴じ処理を継続しても良い状態と判断した場合には、綴じ処理をリトライすることを特徴としている。
まず、本実施形態の特徴を説明する前に、本実施形態の後処理装置およびこれを用いる画像形成システムについて図示実施例に基づき説明する。
図1は本発明の実施形態に係る画像形成システムの二つの態様を示す図である。本実施形態に係る画像形成システム100は、画像形成装置101と後処理装置としての用紙後処理装置(フィニッシヤ)201とからなる。
用紙後処理装置201は、綴じ装置が画像形成装置101からの用紙搬送路内に設けられた、所謂、搬送路綴じ装置である。図1(A)は、画像形成装置101の搬送路内に設置された態様を、図1(B)は搬送路外に設置された態様をそれぞれ示す。この用紙後処理装置201は、搬送路内で用紙を重ね合わせ整合する整合機能と、整合された用紙束を搬送路内で綴じる綴じ機能とを備えている。
図1(A)の態様は画像形成装置101の胴内で後処理することから胴内処理装置とも呼ばれている。
画像形成装置101は、画像形成エンジン部102と、画像読み取ることで画像データに変換する読み取りエンジン部103と、読み取りエンジン部103に読み取る原稿を自動的に送り込む自動原稿給送装置(ADF)104を備えている。画像形成エンジン部102には、画像形成処理部や給紙部が含まれている。
図1(A)に示す構成では、画像形成後の用紙が画像形成装置101の胴内に排紙され、図1(B)に示す構成では、画像形成後の用紙が画像形成装置101の外部に排紙されるようにそれぞれ排紙部が設けられる。
図2は、図1における用紙後処理装置201の平面図、図3は正面図である。
同図において、用紙後処理装置201は、用紙搬送路240に沿って入口側から入口センサ202、入口ローラ203、分岐爪204、深絞り機構に相当する綴じ具210及び排紙ローラ205を備えている。
入口センサ202は、画像形成装置101の排紙ローラ102から排紙され、用紙後処理装置201に搬入された用紙の先端、後端及び用紙の有無を検知する。入口センサ202としては、例えば反射型の光センサが使用される。なお、反射型の光センサに代えて透過型の光センサを使用することもできる。
入口ローラ203は、用紙後処理装置201の入口に位置し、画像形成装置101の排紙ローラ102によって排紙される用紙を受け取り、深絞りを行う綴じ位置内に搬入する機能を有する。また、後述するが、停止、回転、搬送量を制御可能な駆動源(駆動モータ)と、この駆動源を制御する制御部400(図19参照)も備えている。入口ローラ203は対となるローラとのニップに画像形成装置101側から搬送されてきた用紙の先端部を突き当て、スキュー補正も行う。
入口ローラ203の後段には分岐爪204が配置されている。
図3において、分岐爪204は用紙後端を分岐路241に導くために設けられている。この場合には、用紙後端が分岐爪204を越えた後、分岐爪204は図示時計回り方向に回転し、用紙を搬入方向と逆の方向に搬送する。これにより、用紙後端側は分岐路241側に導かれる。分岐爪204は後述するが、ソレノイドによって駆動され、揺動動作を行う。
なお、ソレノイドに代えてモータとすることもできる。分岐爪204は図示反時計回り方向に駆動され、回転したとき、分岐路241の搬送面に用紙あるいは用紙束を押圧することが可能である。これにより分岐爪204は用紙あるいは用紙束を分岐路241で固定することができる。
排紙ローラ205は用紙後処理装置201の搬送路240の最後段の出口直前に位置し、用紙の搬送、シフト、排出を行う機能を有する。また、入口ローラ203と同様に排紙ローラ205の停止、回転、搬送量を制御可能な駆動源(駆動モータ)を備え、この駆動源は後で詳しく説明する制御部400によって制御される。
排紙ローラ205のシフトは、図2に示すシフト機構205Mによって行われる。
シフト機構205Mは、シフトリンク206、シフトカム207、シフトカムスタッド208及びシフトホームポジションセンサ209からなる。
図2においてシフトリンク206は、排紙ローラ205の軸端205aに設けられ、シフトに際しての移動力を受ける。
シフトカム207はシフトカムスタッド208を有し、回転をする円盤状の部品である。この部品の回転によってシフトカムスタッド208を介しシフトリンク長穴部207aに移動可能に挿入された排紙ローラ205を用紙搬送方向と直交する方向(以下、「用紙の幅方向」とも称する。)に移動させる。
この移動が所謂シフトである。シフトカムスタッド208はシフトリンク長穴部207aと連動し、シフトカム207の回転運動を排紙ローラ205の軸方向の直動運動に変換する機能を有する。
シフトホームポジションセンサ209はシフトリンク206の位置を検出し、シフトホームポジションセンサ209で検出した位置をホームポジションとし、このホームポジションを基準にシフトカム207の回転制御を実行する。この制御は、前記制御部400によって実行される。
図2において深絞り機構をなす綴じ具210(以下、単に綴じ具210と称する)は、用紙端検知センサ220、綴じ具ホームポジションセンサ221及び綴じ具移動のためのガイドレール230を備えている。
綴じ具210は、用紙束PBを綴じる機構で、所謂ステープラと称されるものである。本実施形態では一対の歯型261で挟み込み、加圧することによって用紙を変形させ、用紙の繊維を絡めて綴じる機能を備えたもので、この種の綴じは圧着綴じとも称される。
この綴じ方式の他に、半抜き加工、切曲げ、切り曲げてさらに穴に通すなどの綴じ方の綴じ具を使用するハンドステープラも知られている。
いずれにしてもサプライ消章を抑制し、あるいはリサイクルし易くし、そのままシュレッダーにかけられるなどのことから省資源に大きく貢献する。そのため、用紙後処理装置、所謂フィニッシヤにおいても、金属針を使わず、圧着綴じのように用紙単体で綴じ処理が可能なステープラの搭載が望まれている。圧着綴じを行うハンドステープラとしては、例えば実公昭36−13206号公報(参考文献1)に開示された綴じ具が公知である。また、切り曲げてさらに穴に通して綴じるハンドステープラとしては、例えば実公昭37−7208号公報(参考文献2)に開示された綴じ具が公知である。
用紙端検知センサ220は用紙の側端を検出するセンサで、用紙を揃えるときに、このセンサ検知位置を基準に揃える。綴じ具ホームポジションセンサ221は用紙幅方向に移動可能な綴じ具の位置を検出するセンサで、最大サイズの用紙が搬送されても邪魔にならない位置に綴じ具210が位置するポジションをホームポジションとし、その位置を検出する。
ガイドレール230は綴じ具210が用紙幅方向に安定して移動可能なように、その綴じ具210の移動をガイドするレールである。
ガイドレール230は、綴じ具210がホームポジションから用紙後処理装置201の搬送路240の用紙搬送方向に直交する全幅を移動可能なように設置されている。
なお、綴じ具210は図示しない駆動モータを含む移動機構によってガイドレール230に沿って移動する。その移動の際、綴じ具210と用紙Pあるいは用紙束PBが干渉しないように、綴じ具210の綴じ具ホームポジションセンサ221側には用紙の通過スペースが形成されている。
図3において搬送路240は、受け入れた用紙を搬送し、排出する搬送経路であって、用紙後処理装置201の入口側から出口側まで貫通している。
分岐路241は用紙のスイッチバックにより後端側から搬入される搬送路であり、搬送240から分岐している。分岐路241は用紙を重ね合わせて整合するために設けられ、集積手段として機能する。突き当て面242は、分岐路241の末端に設けられ、用紙後端を突き当て整合する基準面である。
歯型261は、本実施形態では一対の凹凸が噛み合うような形状の加圧扶持材であり、用紙束を挟み込んで加圧することにより、前記圧着綴じ機能を有する。
図4及び図5は分岐爪204を中心とする用紙後処理装置201の要部を示す図で、図4は分岐爪204が用紙搬送にあるときの、図5は用紙をスイッチバックさせるときの関連機構の詳細をそれぞれ示す。
図4において分岐爪204は、用紙の搬送経路を搬送路240と分岐路241のいずれかに切り換えるために支軸204bに関して予め設定された角度範囲で揺動可能に設けられている。分岐爪204は図中の右側より受け入れた用紙が抵抗なく下流側に搬送できる位置、すなわち図4の位置がホームポジションとなっており、スプリング251により常時図示反時計回り方向に弾性的に加圧されている。
スプリング251は分岐爪可動レバー部204aに掛けられ、分岐爪可動レバー部204aには分岐ソレノイド250のプランジャが連結されている。なお、分岐路搬送面241と分岐爪204は図5の状態で用紙が分岐搬送路241に搬送された後、図4の状態になると、分岐搬送路241内にある用紙を扶持状態で保持することができる。
搬送経路の切り換えは、分岐ソレノイド250をONすると、分岐爪204は図5において矢印R1方向に回転し、搬送路240を閉鎖し分岐路241を開放することにより、分岐路241に用紙を導くことができる。
図6及び図7は本実施形態に係る綴じ具210の詳細を示す図である。綴じ具210は、歯型261、加圧レバー262、リンク群263、駆動モータ265、偏心力ム266及びカムホームポジションセンサ267を構成要素として含んでいる。
歯型261は上下対となり噛み合う形状の加圧部材である。この歯型261は複数に組み合わせたリンク群263の作動端に位置し、動作端である加圧レバー262の加圧及び加圧解除動作によって接離する。
加圧レバー262は、回転する偏心力ム266によって回動する。この偏心力ム266は駆動モータ265より駆動力を与えられて回転し、カムホームポジションセンサ267の検知情報に基づいてカムの回転位置が制御される。
回転位置は偏心力ム266の回転軸266aとカム表面との距離を規定し、この距離に基づいて加圧レバー262の押圧量が決まる。
カムホームポジションセンサ267が偏心力ム266の被検知対象であるフィラー266bを検知した位置がホームポジションである。図6に示すように、偏心力ム266の回転位置がホームポジションにあるとき、歯型261は開いた状態となっている。この状態では、綴じ処理は不能であり、用紙束の受け入れが可能な状態である。
用紙束を綴じる場合には、図6において楕円内部に示すように、歯型261が開いた状態で、歯型261間に用紙束を挿入し、駆動モータ265を回転させる。駆動モータ265が回転を開始すると、偏心力ム266は図7中矢印R2方向へ回転する。この回転に応じて、偏心力ム266のカム面が変位し、加圧レバー262は図中矢印R3方向に回転する。その回転力は、梃子を利用したリンク群を介して力を増し、その件動端の歯型261に伝達される。
偏心力ム266が一定量回転した時点で、上下の歯型261は噛み合い、用紙束を挟み込み、加圧する。この加圧によって用紙束は変形し、隣接した用紙同士の繊維が絡み合い、綴じられる。
その後、駆動モータ265が逆回転し、カムホームポジションセンサ267の検知情報で停止する。これにより、上下の歯型261は図6の状態に戻り、用紙束を移動させることが可能な状態となる。また、レバー262はバネ性を有しており、過負荷が加わったときは撓むことで過負荷を逃がすようになっている。
図8乃至図16は用紙後処理装置201の綴じ具210によるオンライン綴じの綴じ動作を示す動作説明図である。なお、各図において(A)は平面図、(B)は正面図である。また、本実施形態でオンライン綴じとは、図1に示すように画像形成装置101の排紙ロに用紙後処理装置201を設置し、画像形成装置101で画像形成された用紙を用紙後処理装置201に連続的に受け入れて整合し、綴じ処理を行うことを意味する。
これに対して後述のマニュアル綴じとは、画像形成装置201若しくは別途印字出力された用紙を用紙後処理装置201の綴じ具210で綴じるものである。マニュアル綴じは画像形成装置201の排紙から−連の動作で綴じるものでないので、オフライン綴じに含まれる。
図8はオンライン綴じ動作のイニシャル動作完了時の状態を示す図である。画像形成装置101から画像形成された用紙の出力が開始されると、各部はホームポジションに移動し、イニシャルを完了する。図8はこのときの状態を示す。
図9は画像形成装置101から1枚目の用紙Plが排紙され、用紙後処理装置201に搬入された直後の状態を示す図である。画像形成装置101から用紙Plが後処理装置201に搬入される前に、用紙後処理装置201のCPU201aは画像形成装置101のCPU201aから後処理の制御モードに関するモード情報と用紙情報を受け取り、その情報に基づき、受け入れ待機状態になる。用紙情報は例えば用紙サイズ、紙種、紙厚及び冊子(綴じる用紙の)枚数などである。
制御モードには、ストレートモード、シフトモード及び綴じモードの3つのモードが設定されている。ストレートモードにおいては、受け入れ待機状態で入口ローラ203及び排紙ローラ205は用紙搬送方向に回転を開始し、用紙Pl,・・lPnが順次搬送され、排出されて最終紙Pnが排出された後、入口ローラ203及び排紙ローラ205は停止する。なお、nは2以上の正の整数である。
シフトモードにおいては、受け入れ待機状態で入口ローラ203及び排紙ローラ205は搬送方向に回転を開始する。シフト排紙動件は、用紙Plを受け入れて搬送し、用紙Plの後端が入口ローラ203を抜けたところで、シフトカム207が一定量回転し排紙口−ラ205が軸方向に移動する。このとき用紙Plも排紙ローラ205の移動と共に移動する。また、用紙Plが排出されると、シフトカム207が回転してホームポジションに復帰し、次の用紙P2の搬入に備える。この排紙ローラ205のシフト動作を同じ部の用紙Pnの排出が完了するまで繰り返す。これにより、一部(一冊)分の用紙束PBが一方にシフトした状態で排紙され、積層される。次の部の1枚目の用紙P1が搬入された場合、シフトカム207は前の部とは逆方向に回転し、用紙Plは前の部とは逆側に移動し、排出される。
綴じモードにおいては、受け入れ待機状態で入口ローラ203は停止しており、排紙ローラ205が搬送方向に回転を開始する。また、綴じ具210は用紙幅より一定量退避した待機位置に移動して待機する。
この場合、入口ローラ203はレジストローラとしても機能する。すなわち、1枚目の用紙Plが用紙後処理装置201に搬入され、用紙先端を入口センサ202が検知すると、用紙先端が入口ローラ203のニップに突き当たる。
そして、一定量の摸みを生じさせる距離だけ画像形成装置101の排紙ローラ102によって用紙Plは搬送される。前記距離搬送された後、入口ローラ203の回転が開始される。これにより用紙Plのスキュー補正が行われる。図9(A)及び(B)はこのときの状態を示す。
図10は用紙後端が入口ローラ203のニップから離脱して分岐路241を超えたときの状態を示す図である。用紙Plは、用紙後端の入口センサ202による検知情報から搬送量がカウントされ、用紙搬送位置の位置情報はCPU201aによって把握されている。用紙後端が入口ローラ203のニップを通過したら、入口ローラ203は次の用紙P2の受け入れのために回転を停止する。それと同じタイミングでシフトカム207が図10の矢印R4方向(図示時計回り方向)に回転し、用紙Plをニップした状態で排紙ローラ 205は軸方向に移動を開始する。これにより用紙Plは図10において矢印Dl方向に斜行しながら搬送される。その後、綴じ具210に併設又は組み込まれた用紙端検知センサ220が用紙Pを検知すると、シフトカム207は停止し、次いで逆転し、用紙端検知センサ220が用紙Pの非検知状態でシフトカム207は停止する。そして、前記動作が完了し、用紙後端が分岐爪204先端を通過した所定の位置で排紙ローラ205は停止する。
図11は用紙Plをスイッチバックして用紙Plの搬送方向を整合するときの状態を示す図である。図10の状態から分岐爪204を図示矢印R5方向に回転させ、搬送経路を分岐路241に切り換えた後、排紙ローラ205を逆回転させる。これにより用紙Plは矢印D2方向にスイッチバックされ、用紙後端が分岐路241に搬入され、さらに、突き当て面242に突き当てられる。
この用紙後端の突き当てにより用紙後端は突き当て面242を基準に揃えられる。用紙Plが揃えられると、排紙ローラ205は停止する。このとき、排紙ローラ205は用紙Plが突き当て面242に突き当たるとスリップし、搬送力が付与されないようになっている。すなわち、用紙Plがスイッチバックして突き当て面242に突き当たり、用紙後端が突き当て面242を基準に揃えられると、それ以上、搬送されて用紙が座屈しないように設定されている。
図12は分岐路241に1枚目の用紙Plを待機させ、次の2枚目の用紙P2を搬入するときの状態を示す図である。先行の1枚目の用紙Plが突き当て面242を基準に揃えられた後、分岐爪204を図示矢印R6方向に回転させる。これにより分岐路241に位置している用紙後端を分岐爪204の下面である接触面204cが分岐路241の表面に強力に押さえ付け、動かない状態にして待機する。後行の2枚目の用紙P2が画像形成装置101から搬入されてくると、先行の用紙Plと同様に入口ローラ203でスキュー補正を行う。次いで、入口ローラ203の回転が開始するのと同時に排紙ローラ205も搬送方向に回転を開始する。
図13は2枚目の用紙P2が搬入されてきたときの状態を示す図である。
図12の状態から2枚目の用紙P2、さらに3枚目以降の用紙P3,・・・,Pnが搬送されてきたときも、図10及び図11に示した動作を実行する。これにより、順次、画像形成装置101から搬送されてくる用紙を予め設定した位置に移動させて重ね合わせ、整合状態の用紙束PBを搬送路240内にスタック(集積)する。
図14は最終紙Pnを整合して用紙束PBを形成したときの状態を示す図である。
同図において最終紙Pnを整合状態の用紙束PBとして動作完了したら、排紙ローラ205を一定量搬送方向に回転させ停止する。この動作で用紙後端を突き当て面242に突き当てたときに発生した境みを解消させる。その後、分岐爪204を図示矢印R5方向に回転させ、接触面204cを分岐路241から離間させることにより用紙束PBへの加圧力を開放する。これにより用紙束PBは分岐爪204による拘束力が解除され、排紙ローラ205による搬送が可能となる。
図15は綴じ動作時の状態を示す図である。
図14の状態から排紙ローラ205を搬送方向に回転させ、綴じ具210の歯型261の位置と用紙束PBの綴じ位置が一致する距離分用紙束PBを搬送し、その位置で停止させる。これにより用紙束PBの搬送方向の加工位置が歯型261の搬送方向の位置と合致する。そして、綴じ具210を綴じ具210の歯型261の位置と用紙の加工位置が一致する距離分だけ図示矢印D3方向に移動させ、停止する。これにより用紙束PBの幅方向の加工位置が歯型261の位置と搬送方向及び幅方向で合致することになる。このとき、分岐爪204は図示矢印R6方向に回転し、用紙受け入れ状態に復帰する。その後、綴じ具駆動モータ265をONし、歯型261によって用紙束PBを加圧し、絞ることによって圧着綴じを行う。なお、本実施形態では、圧着綴じを行う綴じ具210を使用した例を例示しているが、半抜き加工、切曲げ、切り曲げてさらに穴に通すなどの綴じ方の綴じ具を使用しても良いことは言うまでもない。
図16は用紙束PBを排紙するときの状態を示す図である。
図15に示したようにして綴じられた用紙束PBは、排紙ローラ205の回転により排出される。用紙束PBが排出され後、シフトカム207を矢印R7方向に回転させ、ホームポジション(図8の位置)に復帰させる。これと並行して綴じ具201を図示矢印D4方向に移動させ、ホームポジション(図8の位置)に復帰させる。これにより、一部(一冊)の用紙束PBの整合動作を綴じ動作が完了する。次の部がある場合には、図8から図16の動作を繰り返し、同様にして圧着綴じされた一部の用紙束PBを作成する。
一方、後処理装置での綴じ処理に用いられる装置には図17に示す構成もある。
図17において用紙処理装置300には、金属針による綴じ処理が可能なステープラ301を備えた処理トレイ部302が内部に設けられている。
処理トレイ部302には、画像形成装置101から排出された用紙あるいは針無し綴じ処理装置において綴じ処理された用紙束が移動できる搬送路303が設けられている。搬送路303には、搬送ローラ対304〜307が配置されている。
搬送路303の途中は折り返された分岐路308が接続されており、分岐位置には搬送方向切換爪309および両方の搬送路303に周面を望ませている反転ローラ310が配置されている。
用紙処理装置300に導入された用紙は、搬送ローラ304,305により挟持搬送され、搬送路途中に位置する搬送路切換爪309を、自重により図中、下方に押し下げて通過し、処理トレイ部302に至る。
処理トレイ部302では、矢印Bで示す方向で落下し、落下方向上流側端部が後端フェンス311に衝止されて端縁揃えが行われる。端縁揃えに関しては、落下方向と直角方向である幅方向の端縁もサイドフェンス312により揃えられる。
サイドフェンス312は、用紙束の搬送が行われるたびに端縁揃えを行うようになっており、この動作は、搬送路303内に配置されている通過センサS2からの信号によって開始される。なお、用紙処理装置300における用紙導入側の搬送路に配置されている通過センサS1は、各搬送ローラの駆動開始のために用いられる。
処理トレイ部302には、後端フェンス311に積層された用紙束をステープラ301により金属針を用いて綴じ処理した後、用紙処理装置300の外部に放出するための放出ベルト313が設けられている。
放出ベルト313は、矢印Cで示す方向に移動可能であり、その一部に設けられている放出爪313Aによって処理トレイ部302綴じ処理後の用紙束を矢印Dで示す方向に移動させ、排出ローラ314および従動ローラ315を介して放出トレイ316に排出する。
放出トレイ316は、昇降自在に設けられており、放出される用紙束の積載量の変化に応じて積載面の位置を排出ローラ314,従動ローラ315から排出される位置に整合させるようになっている。
排出ローラ314と協働する従動ローラ315は揺動可能なアーム315Aの揺動端に支持されて用紙束の厚さの変化に拘わらず、用紙束あるいは用紙の挟持搬送が行えるようになっている。
用紙処理装置300では、針無し綴じ処理される場合とされない場合とで用紙の搬送経路を異ならせるようになっている。
加圧絞りによる針無し綴じ処理が行われない用紙束を対象とする搬送経路は、前述した構成において端縁を揃えられた状態で用紙束を放出できる経路とされている。
図17に示した構成で実施される綴じ処理は、図18に示す手順が用いられる。
図18(A)において、用紙処理装置300に導入される用紙束Sは、搬送ローラ304〜307が図示矢印方向に回転すると、搬送路303における処理トレイ部302の前方の位置に先端が到達する。この位置決めは、通過センサS2の検知を基準として各搬送ローラの回転量が設定される。
通過センサS2により用紙束Sの移動方向後端が検知されると、用紙束Sの搬送が停止される一方、用紙束Sが挟持されている搬送ローラ306,307および反転ローラ310のそれ間とは逆方向の回転を開始される。
これら各ローラの逆転と同時に搬送路切換爪309によって導入方向と逆方向に移動する用紙束Sが分岐路308に導入される。
分岐路308に導入される用紙束Sはその移動方向後端が通過センサS2によって検知されるまで移動して停止する。
次いで、図18(C)に示すように、次段の用紙束が図18(A)に示した場合と同様な手順により用紙処理装置300内に導入される。
次段の用紙束S’における移動方向先端が通過センサS2により検知されると、図18(D)に示すように、搬送ローラ306,307および反転ローラ310が用紙束S,S’の導入方向に回転を変化される。
これにより、分岐路308内に位置していた用紙束Sと次段の用紙束S’とが重ね合わされて処理トレイ部302に向け搬送され、処理トレイ部302において綴じ処理が施される。
以上の構成を対象として本実施形態での特徴を説明すると次の通りである。
本実施形態の特徴は、前述したように、後処理工程実行時に異常が生じた場合の状態を判別し、本来、綴じ処理を継続しても良い状態と判断した場合には、綴じ処理をリトライすることを特徴としている。
これにより、本来綴じ処理を継続しても良い場合には、綴じ処理を続行し、現段階でのジョブの次のジョブで対象となるジョブの用紙が搬送された際にジャムを引き起こすのを防止できるようになっている。
図19は、この特徴を発揮するために用いられる制御部の構成を示すブロック図である。
同図において制御部400は、画像形成装置の制御部(図示されず)と通信可能に接続されたCPU400Aを主要部に備えている。
CPU400Aには、図示しないインターフェースを介して入力側には、操作パネル402,綴じ具駆動モータ404に対する駆動電流を検出する電流検出回路部403,綴じ具駆動モータホームセンサ405が接続されている。また、図示しないが、ホームポジションを検知する対象として、図2において説明したシフト処理を実行する際に用いられるシフトホームポジションセンサ209も接続されている。
操作パネル402は、紙種、厚さおよび綴じ枚数などを入力できる操作部に相当し、本実施形態では、画像形成装置401側の操作パネルが用いられる。なお図19では、便宜上、制御部400のCPU400A側に接続されている状態が示されている。
制御部400の出力側には、綴じ具駆動モータ404への駆動電流を設定するモータドライバー404A、図2において説明したシフト機構での排紙ローラの駆動モータのドライバが接続されている。なお、図2に示したシフト機構に用いられる駆動モータは、図19において「各ステッピングモータ」と表示されたものの一つとして、単独の表示はしてない。
綴じ具駆動モータホームセンサ405は、正逆転可能な綴じ具駆動モータの正転時で綴じ処理を行う場合、正転開始時に相当するホームポジション復帰状態を検出するセンサである。
図20は、綴じ具駆動モータホームセンサ405によるホームポジション検知機構の構成を説明するための模式図である。
図20において、用紙後処理装置201(図1参照)は上部に綴じ部201Aを備え、綴じ部201Aを駆動源として用いられる綴じ具駆動モータによって上下方向に往復動させて凹凸状に圧着綴じ処理を行う。
綴じ部201Aの位置は、綴じ処理開始時の位置に相当しており、この位置を検出することにより綴じ具駆動モータが初期位置(ホームポジション)に復帰していることを判別できる。綴じ処理開始時の位置検出には図20において符号210で示す位置検知部に設けられて前述した綴じ具駆動モータホームセンサ405が用いられる。
位置検出部210にはフィラー211と綴じ具駆動モータホームセンサ(以下、便宜上ホームセンサともいう)405が備えられている。
フィラー211の動作によってホームセンサ405の検出状態を変化させ、綴じ部201がホーム位置にあるかを検出する。
フィラー211は回転板からなり、円周部に一部突出した部分(以下、被検知部と称す。)211aが形成されている。これにより、回転板が回転する際に、前記被検知部211aを検出することができる。本実施形態では、被検知部211aをホームセンサ405が検出した所定の範囲の位置(図20(A)に示す位置)がホームポジションである。
なお、フィラー211は綴じ具駆動モータの回転機構に同期し、また、綴じ部201Aは、綴じ具駆動モータの回転運動を往復動運動に変換されて駆動される。
フィラー211の回転位置と綴じ部201Aの往復直線運動の位置は1対1に対応するように設定され、フィラー 211がホームセンサ212の位置にあるとき、位置検出部210では綴じ装置200の綴じ部201がホーム位置に復帰していると検出する。
実線の矢印a(始点が黒丸で、図示時計方向)で示したのは、綴じ処理を行うために駆動部を正転動作させた場合の、綴じ部201及びフィラー211の動作である。綴じ手段200は、駆動部202の動作によって綴じ部201が下降方向に移動し、用紙束900に対して針綴じ動作を行う。
針綴じ動作後、綴じ部 201は上昇方向に移動し、駆動部202はホーム位置への復帰を位置検出手段210が検出するまで動作を継続し、ホーム位置への復帰を検出したら動作を停止する。異常発生や、ジャム処理用ドア・カバー(図示なし)のオープンなどによる動作の中断がない限りは、綴じ手段200の駆動部202は正転方向への駆動のみを行う。
一点鎖線の矢印b(始点が白丸で、図示反時計方向)で示したのは、綴じ手段200が綴じ処理中に動作を中断した後、ホーム位置復帰のために駆動部202を 逆転動作させた場合の綴じ部201及びフィラー211の動作である。
綴じ処理中に動作を中断した後で正転動作を行うと、圧着動作が進行することで用紙の破断や駆動源への負荷増加により綴じ具の破損原因となる。
そこで、逆転動作によってホーム位置への復帰を行う必要がある。
綴じ動作完了前に動作を中断した場合、綴じ部201A及びフィラー211は、ホーム位置から正転方向に動作し停止した状態であるため、逆転方向に動作させれば、必ずホーム位置に向かうことになる。
なお、図20(A)、(B)において、綴じ部201を駆動する駆動機構などの機械的構成は公知であり、本発明が機構自体を対象としていないので、ここではこれらの詳細についての説明は省略する。
図20(A)において、破線の矢印c(始点が黒四角で、図示反時計方向)は、ホーム位置に復帰した状態から、綴じ具駆動モータを逆転動作させた場合の、綴じ部201A及びフィラー212の動作を示す。
ここで述べたような構成の綴じ具では、ホーム位置から綴じ具駆動モータを逆転方向に動作させると正常な圧着綴じ動作が行えず、綴じ具を破損する可能性があるため、ホーム位置から逆転動作させる。
制御部400では、CPU内に装備されているタイマー部400Bにより後処理工程の経過時間を判別し、その結果に応じて次の処理が実行される。また、CPU400Aには、記憶部400Cが設けられており、後述するが、リトライフラグの有無に基づきリトライ回数を記憶するようになっている。
(1)綴じ処理中に前記駆動源の異常が検出された場合、前駆駆動源を逆転駆動し、逆転処理が正常に終了した場合には再度、前記駆動源を正転させて綴じ処理をリトライする。
(2)綴じ処理を検出し、検出時間が所定時間でない場合に駆動源に用いられる綴じ駆動モータ404を逆転させてホームポジションに移動させる復帰時間を検出する。復帰時間が所定時間内である場合には、一旦、上記駆動モータ404を停止した後、正転させて、綴じ処理をリトライさせる。
(3)綴じ処理を検出し、検出時間が所定時間でない場合に上記駆動モータ404を逆転させてホームポジションに移動させる復帰時間を検出する。
このとき、シフト機構での排紙ローラを駆動して用紙を綴じ処理位置から退避させ、前記駆動源の復帰時間が所定時間内である場合に、前記対比された用紙を綴じ処理位置に復帰させる。
(4)リトライによる綴じ処理が終了した後の次ジョブ開始時に操作部に用いられる操作作パネル402において使用者に用紙の確認を促す。
(5)リトライによる綴じ処理が終了した後の次ジョブ開始時に上記操作パネル402において使用者に前回の綴じ処理条件を継続するかどうかの確認を促す。
(6)リトライ時の綴じ処理時間検出結果において該検出時間が所定時間内でない場合、リトライ回数が所定回数以上と判断した場合に駆動源不良と判断してそれ以降のリトライを停止する。
以上の処理について図22乃至25において説明すると次の通りである。
図21は、(1)、(2)に挙げた処理を説明するためのフローチャートである。
図21において、綴じ具の駆動開始時に、タイマーカウント400Bがスタートされる(ST1)。タイマー部400Bによって綴じ具駆動モータの駆動時間が計測を開始される。
次にモータドライバー404Aに駆動制御信号が入力され、綴じ具駆動モータ404が駆動される(ST2)。
タイマー部400Bによる検出時間が所定時間内であるかどうかが判別される(ST3)。この判別は、綴じ駆動モータ404が綴じ具駆動モータホームセンサ405により検出される時間を対象としている。
所定時間内に電流検出回路部403およびモータドライバー404AからのFLG信号からの異常を検出せずに、綴じ具駆動モータ404が綴じ具駆動モータホームセンサ405にて検出された場合には、綴じ具駆動が終了される(ST4)。この場合にはモータドライバー404Aに停止制御信号が入力されて綴じ具駆動が終了される。
一方、ステップST3において所定時間内に綴じ具駆動モータ404が綴じ具駆動モータホームセンサ405にて検出されなかった場合は次の手順が実行される。
電流検出回路部403および、モータドライバー404AからのFLG信号により異常を検出した場合は、モータドライバー404Aに停止制御信号が入力され、綴じ具駆動モータ404が停止される(ST5)。
次にタイマーカウントをスタートし(ST6)、綴じ具駆動モータ404を逆回転駆動し、その駆動時間の計測を開始する(ST7)。
次にモータドライバー404Aに逆回転方向の駆動制御信号が入力され、綴じ具駆動モータ404を逆回転駆動する。
逆回転駆動時間がタイマー部403により計測され、その結果に応じて次の処理が実行される(ST8)。
所定時間内に綴じ具駆動モータ404が綴じ具駆動モータホームセンサ405にて検出されなかった場合や、電流検出回路部及び、モータドライバー404AからのFLG信号からの異常を検出した場合には、綴じ具駆動モータ404を停止する。つまり、モータドライバー404Aに停止制御信号が入力されて綴じ具駆動モータが停止され、この状態が異常終了とされる(ST9’)。
所定時間内に電流検出回路部403および、モータドライバー404AからのFLG信号からの異常を検出せずに、綴じ具駆動モータ404が綴じ具駆動モータホームセンサ405にて検出された場合には、次の処理が実行される。
つまり、モータドライバー404Aに停止制御信号が入力され、綴じ具駆動が停止される。
次に制御部400では、綴じ駆動モータ404の逆転終了に合わせてリトライフラグの判定を行う。
リトライとは、本来、綴じ処理を続行できる状態でありながら、突発的なノイズなどによる検出時間の誤検知などが原因して検出時間が所定時間内でないと判断された場合に再度、正規の綴じ処理を続行させる処理である。
ステップST11においてリトライフラグがゼロであれば、リトライフラグを1とし、本フローの綴じ具駆動フローに戻り、リトライを実施する(ST11)。リトライフラグが「0」でなかった場合は、そのまま異常終了とする。リトライフラグは、綴じ具駆動フロー時に「0」に初期化される。
このような制御を行うことにより、綴じ駆動モータ404が逆転指令により逆転する時間が正常範囲であれば、中断されていた綴じ処理を再開させて用紙束を排出できるので、後続ジョブのために搬送されてくる用紙のジャムを防止することができる。
次に(3)に挙げた処理について図22により説明する、なお、図22以降の図において図21に示したステップでの処理と同じ内容の説明は省くことを前置きしておく。
図22においては、図21に示したステップST12までの処理に加えて、用紙を綴じ処理位置から一時的に退避させる手順が加えられている。
図22に示したステップST11の処理においてリトライフラグが「0」の場合にはリトライフラグを1とし(ST11)、用紙束を一時的に退避させる(ST12)。この場合の退避位置は、綴じ具を駆動した際に、綴じられない位置が望ましい。
図22において、綴じ具の駆動チェック(ST13)は、綴じ具駆動モータ404を、用紙束の無い状態で、空打ち駆動する。
この時に、所定時間内に電流検出回路部403や、FLG信号による異常検知が発生せずに、綴じ具駆動ホームセンサ405にて検知できる位置まで駆動できた場合は、綴じ具は正常と判断し、一時的に退避していた用紙束を綴じ位置まで戻す(ST14,ST15)。以降は図21で説明した再度、綴じ具駆動を行うリトライフローと同様である。
綴じ具の駆動チェック時に所定時間内に駆動が終了しない、あるいは電流検出回路部や、FLG信号による異常検知が発生した場合は、綴じ具に異常が発生していると確定し、異常終了とするST9)。
このような制御を行うことにより、綴じ駆動モータ404を対象とする異常判別が行われる際に、綴じ駆動モータ404が駆動されても用紙への影響をなくした状態で判別することができる。しかも、異常でないと判断した場合には、シフトされていた用紙束がシフト機構を用いて元の綴じ位置に戻されるので、トレイ上から用紙束を取り出した場合のように再セットを不要とし、再セットの際に搭載位置ずれなどが生じないようにできる。
次に(4)に挙げた処理について説明する。
図23においては、ステップST11,12でのリトライフラグが判別される(ST20)。
リトライフラグが「0」の場合には、正常状態での終了となる。
一方ステップST20においてリトライフラグが「0」でない場合には、画像形成装置401側の操作パネル402において、図23(B)に示すような内容を用いて用紙確認が促される(ST21)。
ユーザは、操作パネル402上で警報された用紙確認の結果を入力する。
操作パネル404からの用紙確認結果において、用紙種に問題がないと判別した場合には次用紙束処理に移行する(ST23)。一方、用紙種に問題がある場合には、現段階でのジョブを終了する。
このような制御を行うことにより、綴じ処理対象となる用紙に問題があることが原因して綴じ処理が中断された場合を判別することが可能となる。これにより、用紙に問題がない場合には、継続して綴じ処理が可能と判断して綴じ処理を再開することで後続ジョブ用の用紙が搬送されてくる際のジャム発生が防止される。
次に(5)に挙げた処理について説明する。
図24には、図23においてステップST21に示した内容が異なっている。つまり、リトライフラグの判別後(ST20)、ユーザに対して綴じ処理の継続判断を通知する(ST25)。継続判断の通知は、図24(B)に示すように、継続可否の確認通知という形で操作パネル402に表示される。
ユーザからの通知において継続内容が判別され(ST26)、継続するよう指示がある場合には、次用紙束を対象とした綴じ処理が実行される(ST27)。また、継続内容の判別において、継続しない場合には現段階でのジョブで終了する。
このような制御を行うことにより、次用紙束を対象とした綴じ処理時にその処理が中断された場合、ユーザによる継続可否を判断させることにより、不用意に継続した場合の事故となる、綴じ具の破壊を未然に防止できる。
次に(6)に挙げた処理について説明する。
図25には、リトライフラグの判別後(ST20)、現段階のジョブ実行時でのリトライ回数が判別される(ST30)。この判別は、所定回数rに対する現段階でのジョブ実行時でのリトライ回数が比較される。
リトライ回数判別において、所定回数r未満である場合には、リトライを許可してリトライフローに従う処理が実行される。
リトライ回数が所定回数r以上である場合には、リトライフローに移行しないで異常終了する。
このような制御を行うことにより、異常判別内容において、実際に機器の異常などが生じている場合に不用意に継続したリトライを行わないようにして綴じ具の破壊を防止することができる。
100 画像形成システム
201 用紙後処理装置
209 シフトホームポジションセンサ
213 挟持部材
215 台座
265 綴じ駆動モータ
261a 固定歯形
261b 可動歯形
400 制御部
400A CPU
400B タイマー部
402 操作パネル
405 綴じ具駆動モータホームポジションセンサ
403 電流検出回路
404 綴じ具駆動モータ
特開2010−274623号公報 特許第2574158号公報

Claims (6)

  1. 複数重ねられた用紙を対象として正逆転可能な駆動源を用いて用紙束の一部を凹凸状に加圧変形させて綴じ処理を行う後処理装置であって、
    前記駆動源の正逆転による綴じ処理時間を検出するタイマーおよび少なくとも用紙の厚さ綴じ枚数を入力可能な操作部が入力側に接続され、出力側には、前記駆動源および前記用紙のシフト移動用駆動部が接続されている制御部を備え、
    前記制御部は、綴じ処理中に前記駆動源の異常が検出された場合、前駆動源を逆転駆動し、逆転処理が正常に終了した場合には再度、前記駆動源を正転させて綴じ処理をリトライし、
    前記制御部は、前記綴じ処理時間を検出し、検出時間が所定時間でない場合に前記駆動源を逆転させてホームポジションに移動させる復帰時間を検出するとともに、該駆動源の逆転時に前記シフト移動用駆動部を駆動して前記用紙を綴じ処理位置から退避させ、前記駆動源の復帰時間が所定時間内である場合に、前記退避された用紙を綴じ処理位置に復帰させて、綴じ処理をリトライすることを特徴とする後処理装置。
  2. 前記制御部は、前記復帰時間が所定時間内である場合には、一旦、駆動源を停止した後、前記駆動源を正転させて、綴じ処理をリトライさせることを特徴とする請求項1記載の後処理装置。
  3. 前記制御部は、前記リトライによる綴じ処理が終了した後の次ジョブ開始時に前記操作部において使用者に用紙の確認を促すことを特徴とする請求項1または2に記載の後処理装置。
  4. 前記制御部は、前記リトライによる綴じ処理が終了した後の次ジョブ開始時に前記操作部において使用者に前回の綴じ処理条件を継続するかどうかの確認を促すことを特徴とする請求項1または2に記載の後処理装置。
  5. 前記制御部は、前記リトライ時の綴じ処理時間検出結果において該検出時間が所定時間内でない場合、リトライ回数が所定回数以上と判断した場合に駆動源不良と判断してそれ以降のリトライを停止することを特徴とする請求項1乃至のうちのいずれか一つに記載の後処理装置。
  6. 請求項1乃至5のうちのいずれか一つに記載の後処理装置を用いることを特徴とする画像形成システム
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