JP2010262826A - 活物質、電池および電極の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】非水電解質二次電池用の活物質は、第1の粒子と、第1の粒子の表面に点在するように被覆された第2の粒子とを含んでいる。第2の粒子により被覆された第1の粒子の円形度は、0.800以上0.950以下であり、第2の粒子の平均粒径r1と第1の粒子の平均粒径r2の比r1/r2が、1/20以上1/2以下である。
【選択図】図3
Description
第1の粒子と、
第1の粒子の表面に点在するように被覆された第2の粒子と
を含み、
第2の粒子により被覆された第1の粒子の円形度は、0.800以上0.950以下であり、
第2の粒子の平均粒径r1と第1の粒子の平均粒径r2の比r1/r2が、1/20以上1/2以下である非水電解質二次電池用の活物質である。
第1の粒子と第2の粒子とを混合し熱処理を加え、第1の粒子の表面に点在するように第2の粒子を被覆することにより、複合粒子を合成する工程と、
複合粒子を含む活物質層を形成する工程と、
活物質層を加圧することにより、第2の粒子を第1の粒子の表面から剥離し、第1の粒子間の空隙に充填する工程と
を備え、
第2の粒子により被覆された第1の粒子の円形度は、0.800以上0.950以下であり、
第2の粒子の平均粒径r1と第1の粒子の平均粒径r2の比r1/r2が、1/20以上1/2以下である非水電解質二次電池用の電極の製造方法である。
正極と、負極と、電解質とを備え、
正極および負極の少なくとも一方は、
第1の粒子と第2の粒子を混合し熱処理を加え、第1の粒子の表面に点在するように第2の粒子を被覆することにより、複合粒子を合成し、複合粒子を含む活物質層を形成し、活物質層を加圧することにより、第2の粒子を第1の粒子の表面から剥離し、第1の粒子間の空隙に充填することにより得られ、
第2の粒子により被覆された第1の粒子の円形度は、0.800以上0.950以下であり、
第2の粒子の平均粒径r1と第1の粒子の平均粒径r2の比r1/r2が、1/20以上1/2以下である非水電解質二次電池である。
(1)第1の実施形態(円筒型電池の例)
(2)第2の実施形態(扁平型電池の例)
[電池の構成]
図1は、この発明の第1の実施形態による非水電解質二次電池の一構成例を示す断面図である。この非水電解質二次電池は、負極の容量が、電極反応物質であるリチウム(Li)の吸蔵および放出による容量成分により表されるいわゆるリチウムイオン二次電池である。この非水電解質二次電池はいわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、一対の帯状の正極21と帯状の負極22とがセパレータ23を介して積層、巻回された巻回電極体20を有している。電池缶11は、例えば、ニッケル(Ni)のめっきがされた鉄(Fe)により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶11の内部には、例えば、電解質として電解液が注入され、セパレータ23に含浸されている。また、巻回電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板12、13がそれぞれ配置されている。
正極21は、例えば、正極集電体21Aの両面に正極活物質層21Bが設けられた構造を有している。なお、図示はしないが、正極集電体21Aの片面のみに正極活物質層21Bを設けるようにしてもよい。正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム箔などの金属箔により構成されている。正極活物質層21Bは、例えば、正極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料の1種または2種以上を含んでおり、必要に応じてグラファイトなどの導電剤およびポリフッ化ビニリデンなどの結着剤を含んで構成されている。
(式中、M1は、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)を除く2族〜15族から選ばれる元素のうちの少なくとも1種を示す。Xは、酸素(O)以外の16族元素および17族元素のうちの少なくとも1種を示す。p、q、r、y、zは、0≦p≦1.5、0≦q≦1.0、0≦r≦1.0、−0.10≦y≦0.20、0≦z≦0.2の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、pの値は完全放電状態における値を表している。)
(式中、M2はバナジウム(V)、銅(Cu)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、イットリウム(Y)および鉄(Fe)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。a、bおよびcの値は、0.9≦a≦1.1、0≦b≦0.3、−0.1≦c≦0.1の範囲内である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、aの値は完全放電状態における値を表している。)
(式中、M3はバナジウム(V)、銅(Cu)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、イットリウム(Y)および鉄(Fe)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。v、w、x、yおよびzの値は、−0.1≦v≦0.1、0.9≦w≦1.1、0<x<1、0<y<1、0<z<0.5、0≦1−x−y−zの範囲内である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、wの値は完全放電状態における値を表している。)
(式中、M4は、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。p、q、rおよびsは、0.9≦p≦1.1、0≦q≦0.6、3.7≦r≦4.1、0≦s≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、pの値は完全放電状態における値を表している。)
(式中、M5は、2族〜15族から選ばれる元素のうちの少なくとも1種を示す。a、bは、0≦a≦2.0、0.5≦b≦2.0の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、aの値は完全放電状態における値を表している。)
(式中、M6は、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、タングステン(W)およびジルコニウム(Zr)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。tは、0.9≦t≦1.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、tの値は完全放電状態における値を表している。)
負極22は、例えば、負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bが設けられた構造を有している。なお、図示はしないが、負極集電体22Aの片面のみに負極活物質層22Bを設けるようにしてもよい。負極集電体22Aは、例えば、銅箔などの金属箔により構成されている。
電解質としては、非水溶媒に電解質塩を溶解させた非水電解液、電解質塩を含有させた固体電解質、有機高分子に非水溶媒と電解質塩を含浸させたゲル状電解質のいずれも用いることができる。
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータ23としてしは、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンなどの合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の多孔質膜を単層で、またはそれらを複数積層したもの用いることができる。特に、セパレータ23としては、ポリオレフィン製の多孔質膜が好ましい。ショート防止効果に優れ、かつシャットダウン効果による電池の安全性向上を図ることができるからである。また、セパレータ23としては、ポリオレフィンなどの微多孔膜上に、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの多孔性の樹脂層を形成したものを用いてもよい。
次に、この発明の第1の実施形態による非水電解質二次電池の製造方法の一例について説明する。
[電池の構成]
図5は、この発明の第2の実施形態による非水電解質二次電池の一構成例を示す分解斜視図である。この二次電池は、正極リード31および負極リード32が取り付けられた巻回電極体30をフィルム状の外装部材40の内部に収容したものであり、小型化、軽量化および薄型化が可能となっている。
次に、この発明の第2の実施形態による非水電解質二次電池の製造方法の一例について説明する。
(粒子被覆、被覆状態)
走査型電子顕微鏡(日本電子製、商品名:JEOL Scanning Electron Microscopes)により観察を行い、芯粒子が微粒子により被覆されているか否かを確認した。なお、被覆の確認結果は、表1に印「○」、印「×」で示した。印「○」、印「×」は、以下の確認結果を示す。
○:被覆あり
×:被覆なし
粒子の円形度は、フロー式粒子像分析装置(Sysmex製、商品名:フロー式粒子像分析装置FPIA)を使用して求めた。この円形度は3000〜4000個の粒子を20回投影した平均をとったものである。なお、円形度は、以下の式により求められる。
円形度=相当円の周囲長/粒子投影像の周囲長
粒子の平均粒径はレーザー回折散乱法により測定した。測定装置としては、粒径分布測定装置(HORIBA製、商品名:レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置)を用いた。
粒子の比表面積はBET一点法により測定した。測定装置としては、比表面積計(株式会社mountech製、商品名:全自動BET比表面積計 Macsorb)を用いた。
作製した複合粒子にセルロースを1%混合し、φ=15.5mmのプレス治具にて150N/mm2でのプレスを行い、ペレットを作製後、その重さと厚みから充填率(錠剤密度法)を算出した。
作製した複合粒子のみをプレス治具にて150N/mm2でのプレスを行い、その粉体を取り出し、粒径分布を測定した。装置としては、粒径分布測定装置(HORIBA製、商品名:レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置)を用いた。
作製した複合粒子のみをプレス治具にて150N/mm2でのプレスを行い、その粉体を取り出し、円形度を測定した。粒子の円形度は、フロー式粒子像分析装置(Sysmex製、商品名:フロー式粒子像分析装置FPIA)を使用して求めた。
粒径分布の測定は、粒径分布測定装置(HORIBA製、商品名:レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置)を用いた。測定の際は粉体を直接装置に少量投入し、超音波拡散後に行った。
走査型電子顕微鏡(日本電子製、商品名:JEOL Scanning Electron Microscopes)によりプレスした電極の断面の観察を行い、粒子に割れが発生しているか否かを確認した。
正極活物質を以下のようにして作製した。まず、炭酸コバルトと炭酸リチウムを重量モル比Li/Co=1:1となるように混合して、平均粒径22.1μmのLiCoO2芯粒子を作製した。次に、作製したLiCoO2芯粒子と、その周囲に被覆させる平均粒径6.1μmのLiCoO2微粒子とを、質量比3:1となるようにステンレス鋼製の撹拌羽根を備えた粒子複合化処理装置に投入し、十分混合した。次に、この混合物を空気中にて900℃で4時間焼成した後、粉砕し、被覆形態の円形度0.901の複合粒子を得た。この混合物の比表面積は、0.19m2/gであった。この複合粒子のSEM写真を図7に示す。図7から、LiCoO2微粒子が、LiCoO2芯粒子の表面に点在していることがわかる。
上述のようにして作製された電池に対して、以下に示す重負荷放電条件で充放電を行い、評価を行った。まず、充電電圧4.25V、充電電流1000mA、充電時間2.5時間の条件で充電を行い、放電電流1200mA、終止電圧2.75Vの条件で放電を行い、初回の放電容量(初期放電容量)を求めた。次に、上記の充放電条件にて充放電を繰り返した後、200サイクル目の放電容量を求めた。次に、1サイクル目の放電容量および200サイクル目の放電容量を用いて、以下の式から200サイクル後の容量維持率を求めた。その結果を表1に示す。
200サイクル後の容量維持率[%]=(200サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
正極活物質を作製するに際して、平均粒径14.5μmのLiCoO2芯粒子と、平均粒径6.1μmのLiCoO2微粒子とを質量比4:1で混合させたものを用い、円形度0.871の複合粒子を作製した。これ以外は実施例1と同様にして円筒型電池を作製した。正極活物質層を圧縮成形した後のLiCoO2芯粒子のSEM写真を図8に示す。図8から、LiCoO2芯粒子には割れが発生していないことがわかる。次に、実施例1と同様にして電池特性を評価した。
正極活物質を作製するに際して、平均粒径12.9μmのLiCoO2芯粒子と、平均粒径4.6μmのLiCoO2微粒子とを質量比3:1で混合させたものを用い、円形度0.899の複合粒子を作製した。これ以外は実施例1と同様にして円筒型電池を作製した。次に、実施例1と同様にして電池特性を評価した。
正極活物質を作製するに際して、平均粒径15.1μmのLiCoO2芯粒子と、平均粒径4.3μmのLiCoO2微粒子とを質量比3:1で混合させたものを用い、円形度0.942の複合粒子を作製した。これ以外は実施例1と同様にして円筒型電池を作製した。次に、実施例1と同様にして電池特性を評価した。
正極活物質を作製するに際して、平均粒径22.1μmのLiCoO2芯粒子と、平均粒径6.1μmのLiCoO2微粒子とを質量比2:1で混合させたものを用い、円形度0.936の複合粒子を作製した。これ以外は実施例1と同様にして円筒型電池を作製した。次に、実施例1と同様にして電池特性を評価した。
正極活物質を作製するに際して、平均粒径14.5μmのLiCoO2芯粒子と、平均粒径6.1μmのLiCoO2微粒子とを質量比4:1で混合させたものを用い、円形度0.876の複合粒子を作製した。また、粒子複合化処理時にMgを1wt%表面に被覆させた。これ以外は実施例1と同様にして円筒型電池を作製した。次に、実施例1と同様にして電池特性の評価を行った。
実施例6と同様にして円筒型電池を作製した。次に、充電電圧を4.35Vとした以外は実施例6と同様にして電池特性を評価した。
実施例6と同様にして円筒型電池を作製した。次に、充電電圧を4.40Vとした以外は実施例6と同様にして電池特性を評価した。
実施例6と同様にして円筒型電池を作製した。次に、充電電圧を4.20Vとした以外は実施例6と同様にして電池特性を評価した。
平均粒径10.5μmのLiCoO2粒子を一次粒子として凝集させ、円形度0.931の凝集体を作製し、この凝集体を正極活物質として用いたこと以外は実施例1と同様にして円筒型電池を作製した。次に、実施例1と同様にして電池特性を評価した。
平均粒径14.5μmのLiCoO2粒子と、平均粒径6.1μmのLiCoO2粒子とを質量比4:1で混合し、円形度0.955の混合物を作製した。この混合物を正極活物質として用いたこと以外は実施例1と同様にして円筒型電池を作製した。正極活物質層を圧縮成形した後のLiCoO2粒子のSEM写真を図9に示す。図9から、平均粒径14.5μmのLiCoO2粒子に割れが発生していることがわかる。なお、LiCoO2粒子の割れ発生部分を線分Cにて囲んで示している。次に、実施例1と同様にして電池特性を評価した。
平均粒径15.1μmのLiCoO2芯粒子の周囲に、平均粒径4.3μmの微粒子を凝集させて、円形度0.951の複合粒子を正極活物質として用いたこと以外は実施例1と同様にして円筒型電池を作製した。次に、実施例1と同様にして電池特性を評価した。
平均粒径6.1μm、円形度0.929のLiCoO2粒子(一次粒子)を正極活物質として用いたこと以外は実施例1と同様にして円筒型電池を作製した。次に、実施例1と同様にして電池特性を評価した。
平均粒径22.1μmのLiCoO2芯粒子と、平均粒径14.5μmのLiCoO2微粒子とを質量比4:1で混合し、芯粒子の周囲に微粒子を凝集させて、円形度0.833の複合粒子を作製した。この複合粒子を正極活物質として用いたこと以外は実施例1と同様にして円筒型電池を作製した。次に、実施例1と同様にして電池特性を評価した。
平均粒径22.1μmのLiCoO2芯粒子と、平均粒径6.1μmのLiCoO2微粒子とを質量比20:1で混合し、芯粒子の周囲に微粒子を凝集させて、円形度0.787の複合粒子を作製した。この複合粒子を正極活物質として用いたこと以外は実施例1と同様にして円筒型電池を作製した。次に、実施例1と同様にして電池特性を評価した。
平均粒径22.1μmのLiCoO2芯粒子と、平均粒径1.0μmのLiCoO2微粒子とを質量比5:1で混合し、芯粒子の周囲に微粒子を凝集させて、円形度0.905の複合粒子を作製した。この複合粒子を正極活物質として用いたこと以外は実施例1と同様にして円筒型電池を作製した。次に、実施例1と同様にして電池特性を評価した。
・実施例1〜実施例6では、微粒子を芯粒子表面に点在させ、円形度を0.800以上0.950以下、微粒子の平均粒径r1と芯粒子の平均粒径r2の粒径比r1/r2を1/2以下としている。これにより、2000mAh以上の高い放電容量と、92%以上の高い容量維持率とが得られ、優れた電池性能が実現されている。
・実施例7〜8では、実施例1〜実施例6と同様に、微粒子を芯粒子表面に点在させ、円形度を0.800以上0.950以下、微粒子の平均粒径r1と芯粒子の平均粒径r2の粒径比r1/r2を1/2以下としている。また、電池特性を4.35V以上にしている。これにより、実施例1〜6に比して、容量維持率の大幅な低下を招くことなく、放電容量を向上できている。
・実施例9では、充電電圧が4.20Vであり、実施例1〜6と比較して放電容量が低下している。
・比較例1では、一次粒子のみの凝集体ということもあり、充填性が上がらず、放電容量が低下している。また、容量維持率が低下している。
・比較例2では、2種の粒子の混合物を用いたので、比較例1に比して放電容量および容量維持率が向上しているかが、実施例1〜6に比べると充填率が低いため放電容量は低下し、容量維持率も低下している。
・比較例3では、実施例4と同様の平均粒径を有する芯粒子および微粒子を用い、芯粒子の周囲に微粒子を凝集させたものを正極活物質としたが、実施例4と比較してサイクル特性が低下している。また、充填率も実施例4と比較して低く、初期容量も低下している。これは、実施例4では円形度が0.942であるのに対して、比較例3では円形度が0.951であるためと考えられる。
・比較例4では、一次粒子のみからなるものを正極活物質として用いているので、実施例1〜6に比して充填性が低く、放電容量が低下している。また、容量維持率も実施例1〜6に比して低下している。
・比較例5では、粒径比r1/r2が1/2以上を超えて0.66となっているので、実施例1〜6と比較して充填性が低く、放電容量も低下している。また、容量維持率も実施例1〜6に比して低下している。
・比較例6では、複合粒子の円形度が0.800を下回り、0.787となっているので、プレス時に余計な空隙が生まれ、実施例1〜6と比較して充填性が低く、放電容量も低下している。また、容量維持率も実施例1〜6に比較して低下している。
・比較例7では、粒径比r1/r2が1/20以下であり0.04となっているので、実施例1〜6と比較して充填性が低く、放電容量も低下している。また、容量維持率も実施例1〜6に比して低下している。
図10に、実施例2、比較例2の正極活物質のみをプレスする前後の粒径分布を示す。図10において、曲線L1、曲線L2、曲線L3は、以下の粒径分布を示している。ここでの粒径分布は、各サンプルを活物質のみの状態でプレス治具にて150N/mm2でのプレスを行ったものを測定している。装置としては、粒径分布測定装置(HORIBA製、商品名:レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置)を用いた。
曲線L1:比較例2で用いた2種の粒子の混合体の粒径分布、または実施例2で用いた芯粒子と微粒子との混合体の粒径分布を示す曲線
曲線L2:比較例2で用いた2種の粒子の混合体を150N/mm2でプレスした後における混合体の粒径分布を示す曲線
曲線L3:実施例2の複合粒子を150N/mm2でプレスした後における芯粒子と微粒子との粒径分布を示す曲線
比較例2では、プレス後の粒径分布は、プレス前の粒径分布に比べて変化していることがわかる。この変化から判断すると、20μm以上の大粒子が減少し、10μm付近の粒子が増加していることがわかる。
実施例2では、プレスの粒径分布は、被覆処理前の粒径分布(曲線L1)とほぼ変わらないことがわかる。これは、芯粒子を被覆していた微粒子が剥離することでプレス圧を吸収し、元の粒子が割れることなく存在しているためと考えられる。また、この剥離した微粒子が、芯粒子間の空隙を埋め、充填性が向上すると考えられる。
12、13 絶縁板
14 電池蓋
15 安全弁機構
15A ディスク板
16 熱感抵抗素子
17 ガスケット
20、30 巻回電極体
21、33 正極
21A、33A 正極集電体
21B、33B 正極活物質層
22、34 負極
22A、34A 負極集電体
22B、34B 負極活物質層
23、35 セパレータ
24 センターピン
25、31 正極リード
26、32 負極リード
27 基材層
28 高分子樹脂層
36 電解質層
37 保護テープ
40 外装部材
41 密着フィルム
51 芯粒子
52 微粒子
Claims (9)
- 第1の粒子と、
上記第1の粒子の表面に点在するように被覆された第2の粒子と
を含み、
上記第2の粒子により被覆された上記第1の粒子の円形度は、0.800以上0.950以下であり、
上記第2の粒子の平均粒径r1と上記第1の粒子の平均粒径r2の比r1/r2が、1/20以上1/2以下である非水電解質二次電池用の活物質。 - 上記第1の粒子および上記第2の粒子が、下記式(1)〜式(3)で表された平均組成を有するリチウム複合酸化物の1種を含んでいる請求項1記載の非水電解質二次電池用の活物質。
LipNi(1-q-r)MnqM1rO(2-y)Xz ・・・(1)
(式中、M1は、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)を除く2族〜15族から選ばれる元素のうちの少なくとも1種を示す。Xは、酸素(O)以外の16族元素および17族元素のうちの少なくとも1種を示す。p、q、r、y、zは、0≦p≦1.5、0≦q≦1.0、0≦r≦1.0、−0.10≦y≦0.20、0≦z≦0.2の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、pの値は完全放電状態における値を表している。)
LiaCo(1-b)M2bO(2-c) ・・・(2)
(式中、M2はバナジウム(V)、銅(Cu)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、イットリウム(Y)および鉄(Fe)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。a、bおよびcの値は、0.9≦a≦1.1、0≦b≦0.3、−0.1≦c≦0.1の範囲内である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、aの値は完全放電状態における値を表している。)
LiwNixCoyMnzM3(1-x-y-z)O(2-v) ・・・(3)
(式中、M3はバナジウム(V)、銅(Cu)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、イットリウム(Y)および鉄(Fe)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。v、w、x、yおよびzの値は、−0.1≦v≦0.1、0.9≦w≦1.1、0<x<1、0<y<1、0<z<0.5、0≦1−x−y−zの範囲内である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、wの値は完全放電状態における値を表している。) - 上記第1の粒子および上記第2の粒子の表面における少なくとも一部には、該第1の粒子および第2の粒子に含まれる主要遷移金属元素とは異なる1または複数の元素が存在する請求項2記載の非水電解質二次電池用の活物質。
- 上記第1の粒子に含まれる主要遷移金属元素とは異なる元素は、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、フッ素(F)、およびリン(P)のうちの少なくとも1種である請求項3記載の非水電解質二次電池用の活物質。
- 上記第1の粒子および上記第2の粒子の比表面積は、0.1m2/g以上0.5m2/g以下である請求項1記載の非水電解質二次電池用の活物質。
- 第1の粒子と第2の粒子とを混合し熱処理を加え、上記第1の粒子の表面に点在するように上記第2の粒子を被覆することにより、複合粒子を合成する工程と、
上記複合粒子を含む活物質層を形成する工程と、
上記活物質層を加圧することにより、上記第2の粒子を上記第1の粒子の表面から剥離し、上記第1の粒子間の空隙に充填する工程と
を備え、
上記第2の粒子により被覆された上記第1の粒子の円形度は、0.800以上0.950以下であり、
上記第2の粒子の平均粒径r1と上記第1の粒子の平均粒径r2の比r1/r2が、1/20以上1/2以下である非水電解質二次電池用の電極の製造方法。 - 上記熱処理の温度は、500℃以上1500℃以下であり、
上記加圧の圧力は、50N/m2以上250N/m2以下である請求項6記載の非水電解質二次電池用の電極の製造方法。 - 正極と、負極と、電解質と、セパレータとを備え、
上記正極および上記負極の少なくとも一方は、
第1の粒子と第2の粒子を混合し熱処理を加え、上記第1の粒子の表面に点在するように上記第2の粒子を被覆することにより、複合粒子を合成し、上記複合粒子を含む活物質層を形成し、上記活物質層を加圧することにより、上記第2の粒子を上記第1の粒子の表面から剥離し、上記第1の粒子間の空隙に充填することにより得られ、
上記第2の粒子により被覆された上記第1の粒子の円形度は、0.800以上0.950以下であり、
上記第2の粒子の平均粒径r1と上記第1の粒子の平均粒径r2の比r1/r2が、1/20以上1/2以下である非水電解質二次電池。 - 上限充電電圧が4.25V以上4.80V以下で、下限放電電圧が2.00V以上3.30V以下である請求項8記載の非水電解質二次電池。
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