JP3871518B2 - アルカリ蓄電池用正極活物質、正極および正極の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高容量なアルカリ蓄電池を与える正極活物質、それを用いた正極およびその正極の製造法に関する。さらに詳しくは、本発明は、正極活物質の物性を適正化することにより、製造管理を容易にするとともに活物質充填量のばらつきを抑制した正極の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、携帯電話やノート型パソコンに代表される携帯機器の多くには二次電池が搭載されていることから、二次電池の高容量化が強く求められている。この要望に対し、ニッケルカドミウム蓄電池、ニッケル水素蓄電池などのアルカリ蓄電池においては、高容量な正極を得るための検討が行われている。そして、高容量の正極を得る方法として、正極に多くの活物質を充填する方法と活物質自身の利用率を高める方法が採用されている。
【0003】
活物質充填量の多い正極として、従来、ニッケル粉末を焼結して得られる孔径10μm、多孔度80%程度の基板に水酸化ニッケルを析出させた電極が採用されている。また、これに代わり、発泡状の3次元構造を有する孔径500μm、多孔度95%程度の金属芯体(以下、発泡メタルシートという)に直接水酸化ニッケル粉末を充填した、いわゆるペースト式正極が開発されている。
【0004】
発泡メタルシートに充填する水酸化ニッケルとしては、従来の塊状水酸化ニッケル粉末に代えて、球状、ほぼ球状または鶏卵状の水酸化ニッケル粉末を用いることが有効である(特公平4−80513号公報)。球状、ほぼ球状または鶏卵状の水酸化ニッケルは、一般に中和晶析法によって製造される。この方法では、攪拌状態にあるアルカリ水溶液中に酸性ニッケル水溶液を滴下するとともに反応槽内のpH値を一定に保つようにアルカリ水溶液を滴下する。そして、各種原液の濃度と流量を制御して一定の滞留時間を設けることにより、核粒子の生成および粒子の成長が連続的に行われる。この間、粒子は攪拌によるせん断力を受けて球形に近づいてゆく。
【0005】
活物質利用率を高める技術としては、以下の2つが挙げられる。
先ず一つ目は、水酸化ニッケルの結晶性、結晶構造等を改質、改良する技術である。水酸化ニッケルの結晶構造は六方晶層状構造である。ここにプロトンが出入りして充放電反応が起こっていることから、活物質利用率の向上に対しては、c軸方向に配向した結晶が望まれる。このようにすれば、固相内のプロトン移動距離が短くなり、また、反応場の面積を増やすことができる。ここで、活物質の結晶状態は、そのX線回折パターンの(001)面、(100)面、(101)面などに帰属されるピークの強度や半価幅から判断することができる(特許第3080441号)。
【0006】
また、水酸化ニッケルに、コバルト、カドミウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、マンガンなどを添加して、充放電中の結晶構造を制御する技術も用いられている。これにより、結晶構造の変化に伴う電極の劣化を抑制でき、長期に渡って高い活物質利用率を維持できる(特開平3−78965号公報参照)。
【0007】
二つ目は、水酸化ニッケルに導電剤、特にコバルト化合物を添加して、飛躍的に水酸化ニッケルの利用率を高める技術である。発泡メタルシートは孔径が大きく、水酸化ニッケルは導電性に乏しいため、ペースト式正極には導電剤を添加することが有効である。例えば、導電剤として水酸化コバルトを用いると、電池組立後の初回充電時に水酸化コバルトが導電性を有するオキシ水酸化コバルトとして水酸化ニッケル表面に析出する。そして、水酸化コバルトを用いない時に比べて、活物質利用率が数十%も向上する(特開昭61−49374号公報参照)。また、少量のコバルトを有効に水酸化ニッケル粒子表面に配置するコーティング技術(米国特許第6040007号参照)、コバルトの導電性を高めるための改質技術などもある。これらによって、水酸化ニッケル利用率の一層の向上が認められている(特開平11−97008号公報参照)。
【0008】
ここで、アルカリ蓄電池においては、充電末期に発生したガスを吸収させる必要から、正極容量より大きな負極容量を備える必要がある。そして、正極容量のばらつきが大きい場合、最大の正極容量を想定して負極容量を必要以上に大きくしなければならない。このことから、正極における活物質充填量やその利用率のばらつきを小さくすることも、電池の高容量化を図るうえで重要であると考えられる。すなわち、正極容量のばらつきを小さくして負極容量を抑えれば、電池により多くの正極活物質を充填することが可能になる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところがペースト式正極は、水酸化ニッケルからなる粉末を水などの分散媒と混合してペーストにし、それを発泡メタルシートに充填し、乾燥し、圧延して得られる。従って、原料粉末の形状、粒度分布、比表面積等の変動によって、ペーストに以下のような問題が発生し、正極容量のばらつきを小さくすることが困難である。
(1)ペーストの粘度・流動性が変化し、充填の作業性がばらついて、正極の活物質充填量が変動する。
(2)ペーストの水分を高めるとペースト性状は良化するが、その中に含まれる活物質量が減少し、基板への充填量が低下する。
(3)増粘剤の添加量により、ペースト性状の安定化は図れるが、電池内部でこれらが分解し、高率充放電や充放電サイクルの特性が低下する。
(4)一定の圧延下においても成形体の密度が変動する。
これらの問題は、実際の粉末に大小の凹凸を有する、例えば瓢箪状といった形状の水酸化ニッケルが多く存在していた点に原因を有すると考えられる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、活物質の物性と、ペーストの流動性および電極の活物質密度との関係を詳細に検討した。その結果、高容量の電極を与え得る活物質は下記(1)〜(4)の条件を全て満たすものであることが見出され、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、水酸化ニッケル粉末および水酸化ニッケル粉末を酸化して得られるオキシ水酸化ニッケル粉末より選ばれた少なくとも1種からなる正極活物質であって、(1)粒子円形度の平均値が0.95〜1であり、(2)体積基準の平均粒径が5〜20μmであり、(3)比表面積が5〜20m2/gであり、(4)少なくとも水酸化ニッケルのX線回折パターンにおいて、(101)面に帰属されるピークの半価幅が0.7〜1.2deg/2θであり、(101)面に帰属されるピーク強度に対する(001)面に帰属されるピーク強度の比が1.1以上であることを特徴とするアルカリ蓄電池用正極活物質を提供するものである。
【0011】
なかでも活物質の粒子円形度は、電極用ペーストの流動性および電極の活物質密度に大きく影響していると考えられる。一般的に攪拌下での中和晶析法で得られる水酸化ニッケルは、一次粒子同士、二次粒子同士、あるいは一次粒子と二次粒子とが結合または凝集したものである。そのため、従来の活物質は、表面に多くの凹凸を有する。特に、攪拌による剪断力を表面に受けずに成長した微粒子は、不規則な粒子成長のため、粒子円形度が大幅に小さくなる。
【0012】
ここで、前記正極活物質は、表面にコバルト化合物を有することが好ましい。また、水酸化ニッケル粉末は、Co、Cd、Zn、Mg、Ca、Sr、Ba、AlおよびMnよりなる群から選ばれた少なくとも1種を含む固溶体からなることが好ましい。
前記正極活物質においては、粒子円形度が0.85以下の粒子の数が全体の5%以下であることが好ましい。また、それに加えて体積基準の粒度分布における累積粒度が10%の時の粒径が、平均粒径の1/3以上であることが、さらに好ましい。
【0013】
本発明は、また、水酸化ニッケル粉末および水酸化ニッケル粉末を酸化して得られるオキシ水酸化ニッケル粉末より選ばれた少なくとも1種からなり、(1)粒子円形度の平均値が0.95〜1であり、(2)体積基準の平均粒径が5〜20μmであり、(3)比表面積が5〜20m2/gであり、(4)少なくとも水酸化ニッケルのX線回折パターンにおいて、(101)面に帰属されるピークの半価幅が0.7〜1.2deg/2θで、(101)面に帰属されるピーク強度に対する(001)面に帰属されるピーク強度の比が1.1以上である正極活物質を含むペーストを得る工程、およびそのペーストを集電体を兼ねる金属基体に付与して圧延することにより極板を得る工程、を有するアルカリ蓄電池用正極の製造法に関する。
本発明は、さらに、前記製造法により得られたアルカリ蓄電池用正極に関する。
【0014】
本発明は、上記の通り、活物質粉末の形状を数値化して制御することにより、均質な活物質の提供を可能にしたものである。また、本発明は、均質な活物質を用いることにより、それを含むペーストの物性を制御し、正極における活物質充填量のばらつきを小さくし、結果として高容量な電池を安定して供給するものである。また、本発明によれば、粒子形状を均一にしたため、電池の充放電時における粒子の歪みが小さくなり、膨潤による電極の劣化が抑制されるため、長寿命な電池が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のアルカリ蓄電池用正極活物質は、その大きさや形状に関する物性によって特徴づけられる。なかでも粒子円形度の平均値が0.95〜1である点に最大の特徴を有する。そして、本発明の正極は、前記正極活物質をペースト化し、そのペーストを集電体を兼ねる金属基体に充填または塗着し、圧延後、極板に成形したものである。
【0016】
近年、微粒子の大きさや形状に関する詳細な情報を得るために、粒子像分析が盛んに行われている。粒子像分析は、最も基本的な粒径測定方法でもある。この方法で求めた粒子円形度は、電池用活物質の分野において一般的な特性として扱われている(特開2000−226206号公報)。
【0017】
粒子像の撮像では、流体力学を応用した、いわゆるフラットシースフローを利用する。測定装置に吸引された粒子懸濁液は、扁平なセルに導かれ、扁平な試料流に形成される。その試料流にストロボ光を照射することにより、セルを通過中の粒子は対物レンズを通じてCCDカメラで、静止画像として撮像される。この試料流中の粒子はセルの中心を通過するように流体力学的に制御される。そして、常にフォーカスのあった粒子像が撮像される。撮像された粒子像は通常リアルタイムで画像解析される。投影面積と粒子投影像の周囲長から円相当径および円形度が算出される。
ストロボ光は1/30秒程度の間隔で照射され、カメラのフレーム内に存在する粒子が撮像される。一定枚数の撮像を行い、その枚数、粒子の数、セルの厚さ、およびフレームの大きさから、単位容積あたりの試料流に含まれる粒子数を定量的に算出する。これにより、粒子円形度の平均値などは個数基準で計算される。また、粒度分布などは、個数基準でも体積基準でも計算できる。
【0018】
次に、粒子円形度の定義について図1を参照しながら説明する。
粒子円形度とは、粒子投影像と同じ投影面積を持つ相当円の周囲長を、粒子投影像の周囲長で割った値をいう。粒子円形度を求めるには、まず、粒子投影像が大きさごとにクラス分けされる。後述の実施例で使用したSysmex製フロー式粒子像分析装置FPIA−2100では、粒子投影像が、その大きさに応じて7つにクラス分けされる。各々の粒子投影像は512×512個のピクセルに分割され、それぞれのピクセルは2値化される。
図1に、2値化された粒子投影像1の一例を示す。上記分析装置を用いる場合、粒子投影像1を含む正方形の辺の長さLは、1〜160μmである。次に、粒子投影像1と同じ投影面積を有する相当円2が求められる。また、その直径が円相当径として算出され、粒径として用いられる。さらに、粒子投影像1を構成する最外周のピクセルの中心を結んで得られる輪郭線3の長さが粒子投影像の周囲長として求められる。そして相当円2の周囲長をこの粒子投影像の周囲長、すなわち輪郭線3の長さで割ることで、粒子円形度が得られる。
【0019】
粒子円形度は、粒子投影像が真円であれば1となり、粒子投影像が細長かったり、凹凸であるほど1より小さくなる。粒子円形度は、例えば正六角形では0.952、正五角形では0.930、正四角形では0.886、正三角形では0.777となる。また、四角形の縦:横の比が1:5では0.660、1:7では0.586、1:17では0.405となる。不定形粒子の場合、粒子投影像の倍率やピクセルの数によって円形度は多少変化するが、市販の粒子像分析装置を使う限り、実質的な差はないと考えてよい。
【0020】
本発明の活物質においては、粒子円形度の平均値が0.95〜1である。この平均値が0.95未満になると、活物質を含むペーストの性状が不安定になり、電極の活物質密度が低くなる。
また、粒子円形度が0.85以下の粒子の数が全体の5%以下であることがさらに好ましい。この割合が5%をこえると、たとえ粒子円形度の平均値が0.95〜1であっても、ペーストの性状が不安定になることがある。
【0021】
粒子円形度の平均値が0.95〜1であり、かつ、粒子円形度が0.85以下の粒子の数が全体の5%以下である粉末は、反応槽で成長中の水酸化ニッケル粒子に、従来よりも強力な剪断力を与えれば得ることができる。このような活物質を用いれば、ペーストの性状が安定し、溶媒や増粘剤の添加量を少量に抑制できるので、電極の活物質密度が高くなる。
【0022】
活物質の体積基準の粒度分布において、累積粒度が10%の時の粒径が平均粒径の1/3以上であると、粒径の揃った粉末であるため、ペースト性状のばらつきは、さらに小さくなる。このような粉末は、例えば、製造条件の操作や管理幅を縮める、あるいは粉末を分級することによって得ることができる。具体的には、粉末製造時において、粉末の撹拌速度を大きくしたり、中和時の温度やpHの厳密な制御を行うことが有効である。
【0023】
本発明の活物質においては、活物質密度が高くて長期に渡って高利用率の電極が得られる点から、体積基準の平均粒径は5〜20μmである。平均粒径が5μm未満になると、導電剤を添加した場合に、個々の粒子を覆うことができず、導電網の形成が不充分となり、活物質の利用率が低下する。また、20μmをこえると、粒子内部まで円滑に充放電反応に関与することができず、活物質の利用率が低下する。また、同様の点から、活物質の比表面積は5〜20m2/gである。比表面積が5m2/g未満になると、充放電に寄与する粒子表面が少なくなるため、活物質利用率が低下する。また、20m2/gをこえると、粉末の細孔が多くなるため、ペーストの調製に大量の水を要する。また、電池において、電解液の偏在をもたらし、高率放電時の活物質利用率が低下する。
【0024】
さらに活物質密度が高く、さらに長期に渡って高利用率の電極が得られる点から、本発明の活物質においては、少なくとも水酸化ニッケルのX線回折パターンにおいて、(101)面に帰属されるピークの半価幅が0.7〜1.2deg/2θであり、(101)面に帰属されるピーク強度に対する(001)面に帰属されるピーク強度比が1.1以上である。前記半価幅が0.7deg/2θ未満になると、結晶性が極めて高いため、もしくはa軸方向に結晶が発達しているため、充放電が円滑に行えず、活物質利用率が低くなる。また、1.2deg/2θをこえると、結晶構造が乱れているため、長期にわたって安定な結晶構造を維持することができず、サイクル寿命が短くなる。また、前記ピーク強度比が1.1未満になると、a軸方向に結晶構造が発達しているため、充放電が円滑に行えず、活物質利用率が低くなる。
【0025】
水酸化ニッケル粉末は、コバルト、カドミウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、マンガンなどを含む固溶体を含んでいることが好ましい。
また、水酸化ニッケル粉末は、表面にコバルト化合物が付着した水酸化ニッケル粉末を含むことが好ましい。ここで、粉末の表面にコバルト化合物が付着した状態には、粉末表面にコバルト化合物を析出させた場合、単にコバルト化合物を配した場合なども含まれる。また、粉末表面の一部がコバルト化合物で被覆されていてもよく、全体が被覆されていてもよい。
【0026】
前記コバルト化合物としては、水酸化コバルト、オキシ水酸化コバルトなどが好ましい。ここで、オキシ水酸化コバルトには、コバルトの平均酸化数が2より大きく、3.67以下のものが全て含まれる。特に、コバルトの酸化数が3.0以上でアルカリカチオンを含んだコバルト化合物が好ましい。
【0027】
水酸化ニッケル粉末は、例えばアルカリ水溶液中で酸化剤を用いて酸化処理してから用いてもよい。この場合、水酸化ニッケル粉末は、その一部または全部が酸化されてオキシ水酸化ニッケル粉末になる。ここで、オキシ水酸化ニッケルには、ニッケルの平均酸化数が2より大きく、3.67以下のものが全て含まれる。水酸化ニッケル粉末が表面に水酸化コバルトを有する場合には、水酸化コバルトを水酸化ニッケルと同時に酸化してもよい。
【0028】
ここで、オキシ水酸化ニッケル粉末は、その酸化状態によって結晶性が大きく変化するため、X線回折パターンにおける半価幅やピーク強度比を上記のように制御する必要はない。ただし、酸化処理する前の原料粉末としての水酸化ニッケル粉末は、X線回折パターンにおける半価幅やピーク強度比を上記のように制御することが有効である。
【0029】
水酸化ニッケル粉末は、以下の様にして得ることができる。
強力な攪拌状態にあるpHが10〜13の範囲で一定のアルカリ水溶液中に、ニッケルを含む酸性溶液ならびに酸性アンモニウム塩水溶液を添加する。そこに、さらにpHが10〜13内で一定に維持されるようにアルカリ水溶液を添加する。この操作を連続的に行い、反応槽上部より溢れた出た水酸化ニッケルを含む液を回収する。この液をろ過、水洗すれば水酸化ニッケル粉末が得られる。水酸化ニッケルの固溶体粉末を得る場合には、ニッケルを含む酸性溶液中に、さらにCo、Cd、Zn、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Mnなどの元素を含ませることが有効である。
【0030】
水酸化ニッケル粉末の表面に水酸化コバルトを付着させる場合は、水酸化ニッケル粉末をpHが9〜12内で一定のアルカリ水溶液中に分散させる。次いで、その中にアンモニア水溶液または酸性アンモニウム塩水溶液とともに酸性コバルト水溶液を添加する。そこに、さらにpHが9〜12内で一定に維持されるようにアルカリ水溶液を添加する。そして、粉末を分離し、水洗、乾燥すれば、所望の粉末を得ることができる。また、水酸化ニッケル粉末を水酸化コバルトの微粉末と混合するなど、他の方法を採用してもよい。
【0031】
上記方法においては、各種溶液の組成、濃度、温度、流量および中和槽の温度、pH、攪拌速度、滞留時間等を管理・制御することによって、粉末の組成、粒径、比表面積、結晶性を操作することができる。また、上記方法によれば所望の粉末を定常的に得ることができる。粉末の粒度分布をさらにシャープにするためには、湿式または乾式の遠心力分級機などの分級機を用いることが有効である。
【0032】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
《正極活物質の作製》
(実施例粉末1)
ニッケルと亜鉛を9:1のモル比で含む25℃の硫酸塩水溶液を調製した。この硫酸塩水溶液を、硫酸アンモニウム水溶液とともに、攪拌状態にある35℃、pH12の水酸化ナトリウム水溶液中に定常的に連続供給した。同時に、25℃の水酸化ナトリウム水溶液を定常的に連続供給した。また、硫酸塩水溶液および水酸化ナトリウム水溶液の濃度と温度を一定に管理した。さらに、反応槽内の温度が一定となるよう加熱ヒータで制御した。この間、反応槽内のpHは12を示していた。そして定常的に反応槽から溢れ出る懸濁液をろ過、水洗、乾燥して実施例粉末1を得た。
【0033】
(実施例粉末2)
35℃、pH12の水酸化ナトリウム水溶液の攪拌状態を実施例粉末1の製造時よりも強くしたこと以外、実施例粉末1の製造と同様にして実施例粉末2を得た。
【0034】
(実施例粉末3)
乾式遠心力分級機(サイクロン)を用いて、実施例粉末2に含まれる微粉を除去し、実施例粉末3を得た。
【0035】
(実施例粉末4)
実施例粉末3をpH10の水酸化ナトリウム水溶液中に分散させた。そして、その中に硫酸コバルト水溶液と硫酸アンモニウムとヒドラジン水溶液を滴下し、さらにpH10を維持するように水酸化ナトリウム水溶液を滴下した。その際、水酸化コバルト100重量部あたり5重量部の水酸化ニッケルが析出するように硫酸コバルト水溶液の量を調節した。このような操作により表面に水酸化コバルトが付着した水酸化ニッケル固溶体粉末である実施例粉末4を得た。
【0036】
(比較例粉末1)
ニッケルと亜鉛を9:1のモル比で含む硫酸塩水溶液を調製した。この硫酸塩水溶液を、硫酸アンモニウム水溶液とともに、攪拌状態にある35℃、pH12の水酸化ナトリウム水溶液中に定常的に連続供給した。ただし、攪拌速度を実施例粉末1の製造時の半分にした。同時に、反応槽内に取付けられたpHメータのpH値が12付近を維持するように、水酸化ナトリウム水溶液を間欠的に供給した。また、反応槽内の温度が一定となるよう加熱ヒータで制御したが、投入する硫酸塩水溶液と水酸化ナトリウム水溶液の温度は調整しなかった。そして定常的に反応槽から溢れ出る懸濁液をろ過、水洗、乾燥して比較例粉末1を得た。
【0037】
《粉末物性の測定》
評価項目および評価条件を以下に示す。
【0038】
実施例粉末1は亜鉛を6.3wt%含み、平均粒径が13.0μm、粒子円形度の平均値が0.95、粒子円形度が0.85以下の粒子の数が全体の10%、体積基準の粒度分布において累積粒度が10%の時の粒径が3.5μmの水酸化ニッケル固溶体粉末であった。また、比表面積が12m2/g、(101)面の半価幅は0.95deg/2θ、(001)面ピーク強度/(101)面ピーク強度の値が1.4であった。
【0039】
実施例粉末2は亜鉛を6.3wt%含み、平均粒径が12.8μm、粒子円形度の平均値が0.96、粒子円形度が0.85以下の粒子の数が全体の5.0%、体積基準の粒度分布において累積粒度が10%の時の粒径が3.3μmの水酸化ニッケル固溶体粉末であった。また、比表面積が12m2/g、(101)面の半価幅は0.95deg/2θ、(001)面ピーク強度/(101)面ピーク強度の値が1.4であった。実施例粉末2は実施例粉末1よりも粒子円形度0.85以下の粒子の個数頻度が低下していた。
【0040】
実施例粉末3は亜鉛を6.3wt%含み、平均粒径が14.0μm、粒子円形度の平均値が0.97、粒子円形度が0.85以下の粒子の数が全体の2.5%、体積基準の粒度分布において累積粒度が10%の時の粒径が6.4μmの水酸化ニッケル固溶体粉末であった。また、比表面積が11m2/g、(101)面の半価幅は0.95deg/2θ、(001)面ピーク強度/(101)面ピーク強度の値が1.4であった。分級処理では3μm以下の粒子を完全には除去できなかったが、実施例粉末3は実施例粉末2と比較して3μm以下の粒子の占有率が低下していた。
【0041】
実施例粉末4は5wt%の水酸化コバルトと6.0wt%の亜鉛を含み、平均粒径が14.2μm、粒子円形度の平均値が0.96、粒子円形度が0.85以下の粒子の数が全体の2.6%、体積基準の粒度分布において累積粒度が10%の時の粒径が6.2μmの水酸化コバルトが表面に付着した水酸化ニッケル固溶体粉末であった。また、比表面積が8m2/g、(101)面の半価幅が0.98deg/2θ、(001)面ピーク強度/(101)面ピーク強度の値が1.4であった。
【0042】
比較例粉末1は亜鉛を6.3wt%含み、平均粒径が14.0μm、粒子円形度の平均値が0.94、粒子円形度が0.85以下である粒子の個数が全個数の10.0%、体積基準の粒度分布において累積粒度が10%の時の粒径が2.8μmの水酸化ニッケル固溶体粉末であった。また、比表面積が14m2/g、(101)面の半価幅は0.95deg/2θ、(001)面ピーク強度/(101)面ピーク強度の値が1.4であった。
【0043】
この様に、水酸化ニッケル固溶体粉末である実施例粉末1〜3および表面に水酸化コバルトが付着した水酸化ニッケル固溶体粉末である実施例粉末4は、粒子円形度の平均値が0.95〜1であったが、比較例粉末1は粒子円形度の平均値が0.94であった。
【0044】
実施例粉末3について、円相当径としての粒径と粒子円形度との関係を示す分布(a)、個数基準の粒子円形度の分布(b)、および円相当径から求めた体積基準の粒度分布(c)を図2に示す。なお、分布図(a)においては、色の濃い部分ほど頻度が高いことを示している。
また、図3に実施例3の粒径10〜20μmの粒子画像(a)および粒径5〜10μmの粒子画像(b)を示す。また、図4に比較例1の粒径10〜20μmの粒子画像(a)および粒径5〜10μmの粒子画像(b)を示す。これらの比較から、実施例3にかかる図3の粒子は、比較例1にかかる図4の粒子よりも粒子円形度が高いことがわかる。また、図3の粒子のなかでも、粒径の小さな粒子に円形度の小さい粒子が多いことがわかる。
【0045】
《電極の作製》
(実施例正極1)
100重量部の実施例粉末1に対して0.5μmの水酸化コバルトを5重量部、酸化イットリウムを0.5重量部、増粘剤であるカルボキシメチルセルロース(CMC)を0.1重量部および結着剤であるポリテトラフルオロエチレン(PTEF)を0.2重量部添加し、純水30重量部を加えて攪拌混合し、ペーストとした。得られたペーストを一定速度で送られる三次元発泡状金属シート(孔径約500μm)にダイノズルを通じて連続塗工・充填した。それを乾燥後、ロールプレス機で圧延し、その後、所定の寸法に切断して複数の実施例正極1を得た。
【0046】
(実施例正極2)
実施例粉末2を用いたこと以外は実施例正極1と同様にして、実施例正極2を得た。
【0047】
(実施例正極3)
実施例粉末3を用いたこと以外は実施例正極1と同様にして、実施例正極3を得た。
【0048】
(実施例正極4)
105重量部の実施例粉末4(水酸化ニッケル固溶体粉末100重量部に対して5重量部の水酸化コバルトが表面に付着した粉末)に対して、酸化イットリウムを0.5重量部、増粘剤であるカルボキシメチルセルロース(CMC)を0.1重量部および結着剤であるポリテトラフルオロエチレン(PTEF)を0.2重量部添加し、純水30重量部を加えて攪拌混合し、ペーストとした。得られたペーストを一定速度で送られる三次元発泡状金属シート(孔径約500μm)にダイノズルを通じて連続塗工・充填した。それを乾燥後、ロールプレス機で圧延し、その後、所定の寸法に切断して複数の実施例正極4を得た。
【0049】
(比較例正極1)
比較例粉末1を用いたこと以外は実施例正極1と同様にして、比較例正極1を得た。
【0050】
《電極充填量の評価》
得られたそれぞれ複数の実施例正極1〜3と比較例正極1について、活物質充填量を評価した。実施例正極1〜3のそれぞれの活物質充填量の分布を図5の(a)〜(c)に示す。また、比較例正極1の活物質充填量の分布を図5の(d)に示す。尚、充填量は、水酸化ニッケルの1電子反応で得られる容量を289mAh/gとして、容量換算値で算出した。図5において、充填量のばらつきは実施例電池3<実施例電池2<実施例電池1<比較例電池1の順に大きくなっている。したがって、本実施例の電極は理論容量のそろった電極といえる。
【0051】
《電池の作製》
次に、それぞれ複数の実施例正極1〜4と比較例正極1を用いて4/5SCサイズのニッケル水素蓄電池を製造した。
【0052】
(実施例電池1)
まず、セパレータを実施例正極1と負極との間に介在させて積層し、さらに捲回して、スパイラル状電極群を得た。前記セパレータは、親水性を付与したポリプロピレン不織布である。電極群の上下に正負の集電体を取り付けたあと、これを金属ケース内に挿入した。その際、負極集電体と金属ケース底部、正極集電体と安全弁を備えた封口板とを電気的に接続した。その後、電解液を注入し、封口して本発明の実施例電池1を得た。
【0053】
尚、ここで用いた前記負極は水素吸蔵合金からなる所定の負極合剤ペーストを金属箔に塗着した後、乾燥し、加圧成形して得たものである。また、前記電解液は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムをそれぞれ4mol/L、3mol/Lおよび1mol/Lの濃度で含有するアルカリ水溶液を用いた。
【0054】
実施例電池1は、正極の理論容量(水酸化ニッケル量(g)に水酸化ニッケルが1電子反応をするとした時の電気量289mAh/gを掛けた値)に対して負極の理論容量が1.4倍となるようにした。また、電池内の材料・部品以外の空間は約1.2ccとした。
【0055】
(実施例電池2)
実施例正極1の代わりに実施例正極2を用いたこと以外は、実施例電池1と同様にして実施例電池2を得た。
【0056】
(実施例電池3)
実施例正極1の代わりに実施例正極3を用いたこと以外は、実施例電池1と同様にして実施例電池3を得た。
【0057】
(実施例電池4)
実施例正極1の代わりに実施例正極4を用いたこと以外は、実施例電池1と同様にして実施例電池4を得た。
【0058】
(比較例電池1)
実施例正極1の代わりに比較例正極1を用いたこと以外は、実施例電池1と同様にして比較例電池1を得た。
【0059】
《電池の評価》
前記の実施例電池1〜4および比較例電池1は、製造後24時間放置した。次いで電池を20℃で0.2Aの電流値で15時間充電し、その後20℃で1時間放置した。次いで、20℃で0.4Aの電流値で電池電圧が1Vになるまで電池を放電させた。この充放電操作を2回繰り返した後、電池に45℃で1週間エージングを施して評価用電池とした。
【0060】
(放電性能)
各評価用電池を20℃で0.2Aの電流値で15時間充電し、その後20℃雰囲気下で1時間放置した。次いで、20℃で0.4Aの電流値で電池電圧が1Vになるまで電池を放電させた。さらに、同条件で電池を充電し、10Aの電流値で電池を放電した。このときの放電時間から、放電電流値が0.4Aおよび10Aの場合の電池容量を算出した。また、放電電流値が10Aの場合の電池容量C10Aを放電電流値が0.4Aの場合の電池容量C0.4Aで割って百分率値(%)を求めた。
【0061】
(容量維持率)
単位時間あたりの温度上昇を検知する充電制御方式(ΔT/Δt)のもと、4.0Aの電流値で電池を充電し、1時間休止後、10Aの電流値で電池電圧が0.6Vになるまで電池を放電させるサイクルを20℃で繰り返した。そして、500回目の放電容量C500を初期の放電容量Ciniで割って百分率値(%:対初期容量)を求めた。
【0062】
電池容量C0.4Aと放電特性とサイクル容量維持率について、得られた結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
表1において、電池容量は実施例電池4>実施例電池3>実施例電池2>実施例電池1>比較例電池1の順に小さくなっている。また、高率放電性能およびサイクル寿命も同様の傾向にある。これらの結果は、粒子円形度の向上と粒度の均一化を図ることで、より高容量な電池となるだけでなく、より長寿命な電池となることを示している。
【0065】
尚、上述の実施例では亜鉛を含む水酸化ニッケル固溶体粉末と表面に水酸化コバルトが付着した水酸化ニッケル固溶体粉末を用いたが、コバルト、カドミウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、マンガンなどを含む粉末であれば同様の効果が得られると考えられる。
【0066】
また、これらの粉末において、体積基準の平均粒径が5〜20μm、比表面積が5〜25m2/g、X線回折で得られる(101)面の半価幅が0.7〜1.2deg/2θ、(101)面のピーク強度に対する(001)面のピーク強度比が1.1以上であれば、長期に渡って充放電特性に優れた高容量電池を提供できる。
【0067】
さらに、これらの効果は、活物質粉末がオキシ水酸化ニッケル固溶体粉末や表面にコバルト化合物が付着したオキシ水酸化ニッケル固溶体粉末であっても同様であると考えられる。
【0068】
【発明の効果】
本発明は、以上のべたとおり、原料活物質の形状を数値化して制御することにより、均質な活物質の提供を可能にする。また、本発明は、均質な活物質を用いることにより、それを含むペーストの物性を制御して製造バッチ毎の管理を容易なものとする。また、本発明は、正極における活物質充填量のばらつきを小さくし、結果として高容量な電池を供給する。さらに、本発明によれば、粒子形状を均一にしたため、電池充放電時の粒子の歪みが小さくなり、電極の膨潤が抑制された長寿命な電池が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】粒子円形度の定義を説明するための図である。
【図2】円相当径としての粒径と粒子円形度との関係を示す分布(a)、粒子円形度の分布(b)、および円相当径から求めた体積基準の粒度分布(c)を示す図である。
【図3】実施例3の粒径10〜20μmの粒子画像(a)および粒径5〜10μmの粒子画像(b)である。
【図4】比較例1の粒径10〜20μmの粒子画像(a)および粒径5〜10μmの粒子画像(b)である。
【図5】実施例正極1〜3と比較例正極1のそれぞれの活物質充填量の分布(a)〜(d)を示す図である。
Claims (7)
- 水酸化ニッケル粉末および水酸化ニッケル粉末を酸化して得られるオキシ水酸化ニッケル粉末より選ばれた少なくとも1種からなる正極活物質であって、
(1)粒子円形度の平均値が0.95〜1であり、
(2)体積基準の平均粒径が5〜20μmであり、
(3)比表面積が5〜20m2/gであり、
(4)少なくとも水酸化ニッケル粉末のX線回折パターンにおいて、(101)面に帰属されるピークの半価幅が0.7〜1.2deg/2θで、(101)面に帰属されるピーク強度に対する(001)面に帰属されるピーク強度の比が1.1以上であることを特徴とするアルカリ蓄電池用正極活物質。 - 表面にコバルト化合物を有する正極活物質を含む請求項1記載のアルカリ蓄電池用正極活物質。
- 水酸化ニッケル粉末が、Co、Cd、Zn、Mg、Ca、Sr、Ba、AlおよびMnよりなる群から選ばれた少なくとも1種を含む固溶体からなる請求項1記載のアルカリ蓄電池用正極活物質。
- 粒子円形度が0.85以下の粒子の数が全体の5%以下である請求項1記載のアルカリ蓄電池用正極活物質。
- 体積基準の粒度分布において、累積粒度が10%の時の粒径が平均粒径の1/3以上である請求項4記載のアルカリ蓄電池用正極活物質。
- 水酸化ニッケル粉末および水酸化ニッケル粉末を酸化して得られるオキシ水酸化ニッケル粉末より選ばれた少なくとも1種からなり、
(1)粒子円形度の平均値が0.95〜1であり、
(2)体積基準の平均粒径が5〜20μmであり、
(3)比表面積が5〜20m2/gであり、
(4)少なくとも水酸化ニッケル粉末のX線回折パターンにおいて、(101)面に帰属されるピークの半価幅が0.7〜1.2deg/2θで、(101)面に帰属されるピーク強度に対する(001)面に帰属されるピーク強度の比が1.1以上である正極活物質を含むペーストを得る工程、およびそのペーストを集電体を兼ねる金属基体に付与して圧延することにより極板を得る工程、を有するアルカリ蓄電池用正極の製造法。 - 請求項6記載の製造法で得られたアルカリ蓄電池用正極。
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