JP2010202987A - 複合シート材料及びその製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】微細セルロース繊維からなる不織布の長所(微小な孔径,高耐熱性,耐有機溶媒性,高通液性)を可能な限り保持したまま、実用強度を保有するシート材料を、水系での製膜法で提供し、しかも場合によっては該不織布の欠点(低耐水性)をも補完できるシート材料を提供する。
【解決手段】目付が5g/m以上100g/mの範囲にあり、数平均繊維径が2nm以上300nm以下のセルロースミクロフィブリル(A成分)と、無機粒子、及び高分子粒子からなる群から選択される1種以上のフィラー材(B成分)とを含み、該A成分の分率が30重量%以上90重量%以下であり、かつ、10g/m目付相当の透気抵抗度が10s/100cc以上2,000s/100cc以下であることを特徴とする複合シート材料。
【選択図】図1

Description

本発明は、微細なセルロース繊維から成る極めて微細なネットワーク構造を有し、通気性を有し、しかも耐熱性と化学的安定性に優れるシート材料を提供する。
微細な貫通孔を有するシート材料(以下「微多孔性シート材料」ともいう。)には、例えば、蓄電デバイス用のセパレータの分野、ヘパフィルターやウルトラヘパフィルター、各種液体フィルターのような機能性フィルターの分野、ウィルス除去膜のような医療用分離膜の分野等において、多くのニーズがある(例えば、以下の特許文献1参照)。こうした微小な孔径を有する微多孔性シート材料として、微多孔膜シート又は微多孔性フィルム(例えば、以下の特許文献2参照)や微細な網目構造をもつ不織布シート(例えば、以下の特許文献3参照)がある。
一方、こうした微多孔性シート材料の用途には、セパレータのように、耐熱性や化学的安定性が問われるものも多い。少なくとも、微多孔膜シートであってポリオレフィン等の加工し易いポリマーを材料とするケースにおいては、耐熱性の課題を有していた。これに対し、本発明者らは、特許文献3に開示されているように、微細なセルロース繊維から成る微細なネットワーク構造を有する不織布シートの製膜技術を構築してきた。セルロースは、ガラス転移温度が現れず、200℃以上の温度で熱分解するため、上記ポリオレフィンより耐熱性が高く、しかも種々の有機溶媒に接液させた際の濡れ性が良く、しかも構造変化が極めて小さい耐有機溶剤性に優れた材料でもある。すなわち、特許文献3に記載されている微細セルロース繊維から成る不織布は、耐熱性、耐有機溶剤性、通液性が要求される微多孔性シート材料のニーズにも適用できる材料と言えるが、その一方で、水に接液した環境下での強度保持が困難であり、耐水性に問題があるという課題もある。
また、特許文献3に開示されている不織布シートを非水系の用途に適用する場合には、従来よりも極めて微細な繊維を使用することから、低目付、薄膜化した微多孔性シート材料としての設計が可能となり、他材料との差別性を明確化することが可能となる。しかし、多孔質かつ低目付の設計はより低強度の方向性を示すものであり、自ずと設計範囲にも限界がある。すなわち、微細なセルロース繊維から成る微多孔性シート材料の製造においては、各々の設計において、実用レベルの強度を発現させる技術が求められることになる。
このような要求に関連する技術として、以下の特許文献4には、バインダーを使用する技術として、微細セルロース繊維にペクチンとヘミセルロースを適量配合し、シート化することにより、高強度のシート材料が得られるとの開示がなされている。しかしながら、特許文献4でバインダーとして使用するペクチンやヘミセルロースは、耐熱性や耐有機溶剤性の点で、セルロースよりも劣り、しかもその含有量もかなり多いため、該文献の技術を特許文献3の技術に活かそうとすると、耐熱性や耐有機溶剤性の物性を犠牲にすることになる。つまり、セルロースのもつ耐熱性や耐有機溶剤性等の長所を大きく損なわない範囲で、実用強度を有する微細セルロース不織布シートを得る技術が求められていた。
さらに、特許文献3では、微細セルロース繊維からなる微多孔性の不織布シートを製造するために、抄紙法により湿紙を有機溶媒へ置換後乾燥させる方法が開示されている。これは、湿紙からの水の乾燥時における微細セルロース間の接着現象により近接した微細セルロースが強く凝集を起こし、微細な網目構造の孔を塞いでしまうのを防ぐための措置である。
しかしながら、こうした、本来、水系で実施される抄紙製膜工程の一部に有機溶剤を使用する工程が含まれることは、設備上の負荷という観点でも、コスト上の観点でも制約となっており、微細セルロース繊維からなる微細な孔径を有する不織布の製造において、有機溶媒を全く使用しないプロセスが望まれていた。
すなわち、特許文献3で開示されている微細なセルロース繊維からなる不織布シートは、従来の微多孔膜シートと同等レベルの微小な孔径を有し、耐熱性、耐有機溶媒性、透液性に優れたシート材料としてのポテンシャルを有してはいるが、実用上必要となる性能バランスを兼ね備えるために、より広範囲のニーズに対応した設計が可能となる材料として、かつ、より低コストである簡便な製造プロセスで提供し得ることが望まれていた。
特開2006−49797号公報 特開2005−330643号公報 国際公開2006/004012号パンフレット 特開平10−140493号公報 特開2008−274525公報
A.F.Turbak, F.W.Snyder and K.R.Sandberg, "Microfibrilated Cellulose, A New Cellulose Product: Properties, Uses, and Commercial Potential", J.Appl.Polym.Sci.: Appl. Polym. Symp., 37, 815 (1983) 日本木材学会編,木質科学実験マニュアル,文永堂出版,p95−p96,2000年4月10日発行
本発明は、微細セルロース繊維からなる不織布シートの長所(微小な孔径,高耐熱性,耐有機溶媒性,高通液性)を保持したまま、高い強度を有するシート材料を提供する。また、水系の製膜法で該シート材料を製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、微細なセルロース繊維としてセルロースミクロフィブリルを使用し、その一部に、フィラー材を分散させることにより、湿紙からの溶剤置換を経由させない乾燥でも微多孔性のシートを提供でき、しかもニーズに合わせたフィラー材を選択することにより、予想外に、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下のとおりである。
[1]目付が5g/m以上100g/mの範囲にあり、数平均繊維径が2nm以上300nm以下のセルロースミクロフィブリル(A成分)と、無機粒子、及び高分子粒子からなる群から選択される1種以上のフィラー材(B成分)とを含み、該A成分の分率が30重量%以上90重量%以下であり、かつ、10g/m目付相当の透気抵抗度が10s/100cc以上2,000s/100cc以下であることを特徴とする複合シート材料。
[2]目付が5g/m以上100g/mの範囲にあり、数平均繊維径が2nm以上300nm以下のセルロースミクロフィブリル(A成分)と、無機繊維、及び高分子繊維からなる群から選択される1種以上のフィラー材(B成分)とを含み、該A成分の分率が30重量%以上90重量%以下であり、かつ、10g/m目付相当の透気抵抗度が10s/100cc以上2,000s/100cc以下であることを特徴とする複合シート材料。
[3]前記フィラー材(B成分)が、1次粒子の長軸径/短軸径比が2以下であり、かつ、長軸径と短軸径の平均値が5nm以上5,000nm以下である粒子、又は1次粒子の長軸径/短軸径比が3以上であり、かつ、短軸径が10nm以上1,000nm以下である粒子である、前記[1]に記載の複合シート材料。
[4]前記フィラー材(B成分)が、繊維径が10nm以上1,000nm以下の微細繊維である、前記[2]に記載の複合シート材料。
[5]前記フィラー材(B成分)が、シリカ粒子又は金属酸化物粒子である、前記[1]又は[3]に記載の複合シート材料。
[6]前記フィラー材(B成分)が、粒径が10nm以上5,000nm以下の球状の高分子粒子である、前記[1]又は[3]に記載の複合シート材料。
[7]10g/m目付相当の透気抵抗度が30s/100cc以上500s/100cc以下である、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の複合シート材料。
[8]膜厚が25μm以下である、前記[1]〜[7]のいずれかに記載の複合シート材料。
[9]前記セルロースミクロフィブリル(A成分)が、α−セルロース含有率が95重量%以上のセルロースである、前記[1]〜[8]のいずれかに記載の複合シート材料。
[10]前記[1]〜[9]のいずれかに記載の複合シート材料からなる層を含む複数の層が積層されてなる多層化シート材料であって、該多層化シート材料の目付が8g/m以上100g/m以下であり、かつ、透気抵抗度が10s/100ml以上3,000s/100ml以下である前記多層化シート材料。
[11]数平均繊維径が2nm以上300nm以下のセルロースミクロフィブリル(A成分)と、無機粒子、高分子粒子、無機繊維、及び高分子繊維からなる群から選択される1種以上のフィラー材(B成分)とを、固形分濃度が0.1重量%以上0.5重量%以下であり、かつ、固形分に占める該A成分の分率が30重量%以上90重量%以下となるように水に分散させて分散体を調製する調製工程、該分散体を原料として抄紙法により湿紙を製膜する製膜工程、及び製膜工程により得られた湿紙を乾燥させる乾燥工程を含むことを特徴とする、前記[1]〜[9]のいずれかに記載の複合シート材料の製造方法。
[12]前記セルロースミクロフィブリル(A成分)が、木材由来パルプ、コットン由来パルプ、麻由来パルプ、竹由来パルプ、バガス由来パルプ、及びケナフ由来パルプの中から選ばれる少なくとも一つを原料として得られるミクロフィブリル化セルロースである、前記[11]に記載の複合シート材料の製造方法。
[13]セルロースミクロフィブリル(A成分)の原料パルプを、α−セルロース含有率が95重量%以上となるように精製する精製工程をさらに含む、前記[11]又は[12]に記載の複合シート材料の製造方法。
[14]乾燥工程後に得られたシート材料に対し、カレンダー処理により膜厚を80%以下に低減させるプレス工程をさらに含む、前記[11]〜[13]のいずれかに記載の複合シート材料の製造方法。
[15]数平均繊維径が2nm以上300nm以下のセルロースミクロフィブリル(A成分)と、無機粒子、高分子粒子、無機繊維、及び高分子繊維からなる群から選択される1種以上のフィラー材(B成分)とを、固形分濃度が0.1重量%以上0.5重量%以下であり、かつ、固形分に占める該A成分の分率が30重量%以上90重量%以下となるように水に分散させて分散体を調製する調製工程、該分散体を原料とし、抄紙機に通水性のあるシート状の支持体をのせて、該支持体上で抄紙法により製膜することにより湿紙からなる層を該支持体と積層一体化させる抄紙工程、及び製膜工程により得られた積層一体化した支持体と湿紙を乾燥させる乾燥工程を含むことを特徴とする、前記[10]に記載の多層化シート材料の製造方法。
[16]前記セルロースミクロフィブリル(A成分)が、木材由来パルプ、コットン由来パルプ、麻由来パルプ、竹由来パルプ、バガス由来パルプ、及びケナフ由来パルプの中から選ばれる少なくとも一つを原料として得られるミクロフィブリル化セルロースである、前記[15]に記載の多層化シート材料の製造方法。
[17]前記セルロースミクロフィブリル(A成分)の原料パルプを、α−セルロース含有率が95重量%以上となるように精製する精製工程をさらに含む、前記[15]又は[16]に記載の多層化シート材料の製造方法。
[18]乾燥工程後に得られた多層化シート材料に対し、カレンダー処理により膜厚を80%以下に低減させるプレス工程をさらに含む、前記[15]〜[17]のいずれかに記載の多層化シート材料の製造方法。
[19]前記[1]〜[9]のいずれかに記載の複合シート材料を含む蓄電デバイス用セパレータ。
[20]前記蓄電デバイスが、アルミ電解コンデンサ、電気2重層キャパシタ、リチウム系大容量キャパシタ、ニッケル・水素電池、及びリチウムイオン2次電池からなる群から選択される、前記[19]に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
[21]前記[1]〜[9]のいずれかに記載の複合シート材料を含む機能性フィルター。
前記[1]〜[9]のいずれかに記載の複合シート材料を含む医療用分離フィルター。
前記[1]〜[9]のいずれかに記載の複合シート材料を含む拭き取り用シート。
本発明のシート材料により、微細セルロース繊維からなる不織布の長所(微小な孔径,高耐熱性,耐有機溶剤性,高通液性)を保持したまま、高い強度を有するシート材料を提供できる。本発明のシート材料の製造方法により、上記シート材料を水系での製膜法で提供できる。
実施例2にてコットンリンターパルプから得たミクロフィブリル化セルロースと酸化チタンウィスカーのフィラー材の複合化により抄紙法で作製した複合化シート材料(S2)の表面のSEM画像(倍率:10,000倍,右下目盛の1目盛が0.5μmに相当,確認される酸化チタンウィスカーの一部を矢印で示した)。 実施例14及び比較例6にて比較試験のために行った、本発明の複合化シート材料(S2)とα−セルロース含率が95%よりも少ないパルプ原料から作製したセルロースミクロフィブリルのみからなるシート材料(H6)の窒素気流下での熱重量分析の各プロファイル。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、複合シート材料及びその製法に関する。発明者らは、セルロースミクロフィブリルの水分散体中に種々の微細なフィラー材を適当量、共存させると、適当な分散下で元々セルロースミクロフィブリルが水中にて形成する緩やかな凝集体の内部にフィラー材が効率良く取り込まれ、一体となって複合軟凝集体を形成する傾向があること、さらには、これを抄紙法により濃縮、脱水し、乾燥させると、セルロースミクロフィブリルの中に高度に分散したフィラー材がセルロースミクロフィブリルの強い凝集を抑え、通気性のあるシート材料が得られることを見出し、本発明に到った。
本発明の複合シート材料の第一の態様は、目付が5g/m以上100g/mの範囲にあり、数平均繊維径が2nm以上300nm以下のセルロースミクロフィブリル(A成分)と、無機粒子、及び高分子粒子からなる群から選択される1種以上のフィラー材(B成分)とを含み、A成分の分率が30重量%以上90重量%以下であり、かつ、10g/m目付相当の透気抵抗度が10s/100cc以上2,000s/100cc以下であることを特徴とする複合シート材料である。
複合シート材料の目付は、5g/m以上100g/m以下、好ましくは6g/m以上80g/m以下、より好ましくは7g/m以上60g/m以下である。複合シート材料の目付が5g/mよりも小さいと、膜質均一性を一定に管理するのが困難になるため好ましくなく、一方、100g/mよりも大きな目付となると、全体としての透気抵抗度が高くなり、本発明のシート材料が適用される各種用途での性能面においても負荷が著しく大きくなる(例えば、フィルター用途では濾過効率が極めて低くなる)ため好ましくない。
同時に、本発明の複合シート材料では、数平均繊維径が2nm以上300nm以下のセルロースミクロフィブリル(A成分)と、無機粒子、及び高分子粒子からなる群から選択される1種以上のフィラー材(B成分)とを含み、A成分の分率が30重量%以上90重量%以下であることが必要である。
ここで、(A)成分のセルロースミクロフィブリルは、セルロースの大部分又は全部がフィブリル化した状態の微細セルロース繊維であるミクロフィブリル化セルロース(非特許文献1参照)であることが好ましい。ミクロフィブリル化セルロースは、パルプ原料等のセルロースを水中に分散させ、高圧ホモジナイザーや超高圧ホモジナイザー、グラインダー等の高度にせん断力の加わる装置で処理することにより、セルロース繊維のフィブリル化に留まらず、繊維表面から引き剥がれた独立したフィブリル繊維(一般に、ミクロフィブリルとも呼ばれる)のレベルにまでばらばらにしたものである。
フィブリル化セルロースやミクロフィブリル化セルロースの原料としては、針葉樹パルプや広葉樹パルプ等のいわゆる木材パルプと非木材パルプを使用することができる。
非木材パルプとしては、コットンリンターパルプを含むコットン由来パルプ、麻由来パルプ、バガス由来パルプ、ケナフ由来パルプ、竹由来パルプ、ワラ由来パルプ等を挙げることができる。コットン由来パルプ、麻由来パルプ、バガス由来パルプ、ケナフ由来パルプ、竹由来パルプは、各々、コットンリントやコットンリンター、麻系のアバカ(例えば、エクアドル産又はフィリピン産のものが多い)あるいはザイサル、バガス、ケナフ、竹等の原料を蒸解処理による脱リグニン等の精製工程や漂白工程を経て得られる精製パルプを意味する。
この他、海藻由来のセルロースやホヤセルロースの精製物もミクロフィブリル化セルロースの原料として使用することができる。また、ミクロフィブリル化セルロースではないが、セルロースミクロフィブリルとして、酢酸菌のようなバクテリアが産生するバクテリアセルロースを使用してもよい。
これらの中でも、原料調達の容易さ、品質の安定度、セルロース純度の観点から木材由来パルプ、コットン由来パルプ、麻由来パルプ、竹由来パルプ、バガス由来パルプ、及びケナフ由来パルプの中から選ばれる少なくとも一つを選択するのがより好ましい。
また、ミクロフィブリル化セルロースの数平均繊維径が2nm以上300nm以下、好ましくは10nm以上200nm以下の範囲にあると、より微細かつ均一なネットワーク構造を有するシート状構造体を得ることができるので有効である。繊維径が2nmよりも小さいセルロースミクロフィブリルの報告は文献上存在せず現実的に作ることは困難と考えられる。一方、数平均繊維径が300nmよりも大きな場合には、強度や孔径分布等の物性面でミクロフィブリル化セルロースをシート化材料の原料として用いる効果が現れ難くなる。
ここで、ミクロフィブリル化セルロースの数平均繊維径は、以下のようにして定義される。すなわち、セルロース不織布の表面に関して、無作為に少なくとも2箇所、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を10,000倍相当以上30,000倍以下の範囲で、繊維径がはっきりと認識できる倍率で行う。得られたSEM画像に対し、画面に対し水平方向と垂直方向にラインを引き、ラインに交差する繊維の繊維径を拡大画像から実測し、交差する繊維の個数と各繊維の繊維径を数える。こうして2つのラインに交差するすべての繊維について繊維径の測定結果を用いて数平均繊維径を算出する。さらに同じサンプルについて観察した別の場所を撮影した同じ倍率のSEM画像についても同じように数平均繊維径を算出し、合計2画像分の結果の平均値を対象とする試料の数平均繊維径とする。
原料パルプからミクロフィブリル化セルロースへの微細化においては、100℃以上の温度での水中含浸下でのオートクレーブ処理、叩解処理、酵素処理等、又はこれらの組み合わせによって、原料パルプを微細化し易い状態に前処理しておくことは有効である。
これらの処理は、微細化処理の負荷を軽減するだけでなく、セルロース繊維を構成するミクロフィブリルの表面や間隙に存在するリグニンやヘミセルロースなどの不純物成分を水相へ排出し、その結果、微細化された繊維のα−セルロース純度を高める効果もあるため、大変有効であることもある。
例えば、叩解処理工程においては、原料パルプを0.5重量%以上4重量%以下、好ましくは0.8重量%以上3重量%以下、より好ましくは1.0重量%以上2.5重量%以下の固形分濃度となるように水に分散させ、まずビーターやディスクレファイナー(ダブルディスクレファイナー)のような叩解装置でフィブリル化を高度に促進させる。ディスクレファイナーを用いる場合には、ディスク間のクリアランスを極力狭く(例えば、0.1mm以下)設定して、処理を行うと、極めて高度な叩解(フィブリル化)が進行するので、高圧ホモジナイザー等による微細化処理の条件を緩和でき、有効な場合がある。
好ましい叩解処理の程度は以下のように定められる。水中に分散させたセルロースをJIS P 8121で定義されるパルプのカナダ標準ろ水度試験方法(以下、CSF法)のCSF値で評価したところ、叩解処理を行うにつれ、CSF値は経時的に減少していき、一旦、ゼロ近くとなった後、さらに叩解処理を続けると増大していく傾向が確認された。
水系分散液を調製するに当たって使用するミクロフィブリル化セルロースは、CSF値が一旦、ゼロ近くとなった後、さらに叩解処理を続けCSF値が増加している状態まで叩解することが好ましい。本発明では、未叩解からCSF値が減少する過程でのCSF値を***↓、ゼロとなった後に増大する傾向におけるCSF値を***↑と表現する。該叩解処理においては、CSF値は少なくともゼロあるいはその後増大する***↑の値をもつことが好ましい。このような叩解度に調製した水分散体(以下「スラリー」ともいう。)ではフィブリル化が高度に進行していると同時にスラリーの均一性が増大し、その後の高圧ホモジナイザー等による微細化処理での詰まりを軽減でき、またその処理条件を負担の少ない条件(例えばパス回数の軽減)につなげられるので好ましい。
本発明においては、叩解処理のようなセルロースの微細化の前処理の工程、及び後述する微細化の本工程のいずれかの工程の前に予めフィラー材を混合しておくと、シート製膜用の分散体中でフィラー材の分散性が大幅に向上し、得られる複合シート材料の物性や品質安定性の面で好ましい場合もある。
ミクロフィブリル化セルロースの製造には、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー、グラインダー等を用いることができる。この際の水分散体中の固形分濃度は、上述した叩解処理に準じ、0.5重量%以上4重量%以下、好ましくは0.8重量%以上3重量%以下、より好ましくは1.0重量%以上2.5重量%以下の固形分濃度とすると詰まりが発生せず、しかも効率的な微細化処理が達成できる。
使用する高圧ホモジナイザーとしては、例えば、ニロ・ソアビ社(伊)のNS型高圧ホモジナイザー、(株)エスエムテーのラニエタイプ(Rモデル)圧力式ホモジナイザー、三和機械(株)の高圧式ホモゲナイザーなどを挙げることができ、これらの装置とほぼ同様の機構で微細化を実施する装置であれば、これら以外の装置であっても構わない。超高圧ホモジナイザーとしては、みづほ工業(株)のマイクロフルイダイザー、吉田機械興業(株)ナノマイザー、(株)スギノマシーンのアルティマイザーなどの高圧衝突型の微細化処理機を意味し、これらの装置とほぼ同様の機構で微細化を実施する装置であれば、これら以外の装置であっても構わない。グラインダー型微細化装置としては、(株)栗田機械製作所のピュアファインミル、増幸産業(株)のスーパーマスコロイダーに代表される石臼式摩砕型を挙げることができるが、これらの装置とほぼ同様の機構で微細化を実施する装置であれば、これら以外の装置であっても構わない。また、後述するフィラー材として微細化繊維を用いる場合には、フィラー材原料である微細化前の繊維を上記叩解前にセルロース原料としてのパルプと混合し、同時に、叩解等の微細化前工程、微細化本工程を経ることにより、フィラー混合の状態で微細化処理を実施することも場合によっては有効である。
ミクロフィブリル化セルロースの繊維径は、高圧ホモジナイザー等による微細化処理の条件(装置の選定や操作圧力及びパス回数)又は該微細化処理前の前処理の条件(例えば、オートクレーブ処理、酵素処理、叩解処理等)によって制御することができる。例えば、微細化処理として高圧ホモジナイザーを用いる場合には、操作圧は、50MPa以上、好ましくは80MPa以上とし、好ましくは2パス以上、より好ましくは3パス以上の回数、処理を行うと、本発明の複合シート材料の原料として用いるセルロースミクロフィブリルが分散したスラリーを好適に得ることができる。
次に本発明では、(B)成分として、無機粒子、及び高分子粒子からなる群から選択される1種以上のフィラー材が必要である。
ここで、無機粒子としては、後述する分散媒体に溶解しない粒子であって、金、銀、銅、鉄、亜鉛、錫、ニッケル、チタンや各種合金(例えばステンレス)等の化学的に安定な金属粒子、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化錫、酸化銅、酸化銀、酸化ジルコニウム等の金属酸化物粒子、チタン酸バリウム等の複合金属酸化物粒子、窒化アルミニウム等の金属窒化物粒子、フュームドシリカ、コロイダルシリカ、ゼオライト、マイカ、スメクタイト等のシリカ系粒子、活性炭やグラファイト、カーボンナノチューブ等の炭素系粒子を挙げることができるがこれらに限定されない。
高分子粒子としては、スチレン−ブタジエン系(SB)ラテックス、アクリル系ラテックス、各種ゴム系ラテックス、ポリ塩化ビニリデン系ラテックス、ウレタン系ラテックスをはじめとする各種ラテックスの他に、ポリオレフィン系粒子、ポリメチルメタクリレート系粒子、ポリアミド系粒子、ポリエステル系粒子、全芳香族ポリアミド系粒子、ポリイミド系粒子、ポリカーボネート系粒子、結晶セルロースのようなセルロース系粒子、ポリアセタール系粒子等を挙げることができるがこれらに限定されない。
本発明の複合シート材料の第二の態様においては、(B)成分として、上述した、無機粒子、又は高分子粒子の替わりに、無機繊維、及び高分子繊維からなる群から選択される1種以上のフィラー材が含まれる。
ここで、無機繊維としては、後述する分散媒体に溶解しない繊維であって、ガラス繊維、金属繊維や高分子繊維を焼成、炭化させて得られるカーボンナノチューブなどの炭素系繊維を挙げることができるがこれらに限定されない。
高分子繊維としては、各種合繊(ポリエステル、ナイロン、ポリアクリロニトリル、セルロースアセテート、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリケトン、全芳香族ポリアミド、ポリイミド等)、天然繊維(綿、絹、羊毛等)、あるいは再生セルロース繊維を叩解、あるいは高圧ホモジナイザー等による微細化処理により高度にフィブリル化させた微細繊維、各種ポリマーを原料としてエレクトロスピニング法によって得られる微細繊維、各種ポリマーを原料としてメルトブロウン法によって得られる微細繊維等を挙げることができるが、これらに限定されない。これらの中でも、特に全芳香族ポリアミドであるアラミド繊維を高圧ホモジナイザーにより微細化した微小繊維状アラミド、ティアラ(登録商標)(ダイセル化学工業(株)製)は、平均繊維径0.2〜0.3μm、平均繊維長500〜600μmとされ、アラミド繊維の高耐熱性、高い化学的安定性も相まって、本発明における繊維状フィラーとして好適に使用することができる。
本発明の複合シート材料は、少なくとも上記(A)成分と(B)成分を共に含有する複合シート材料であり、全シート材料中に占める(A)成分の分率は、30重量%以上90重量%以下、好ましくは35重量%以上85重量%以下、より好ましくは40重量%以上80重量%以下であると、好適に膜質均一性の高い物性バランスに優れた複合シート材料を提供することが可能である。(A)成分の分率が30重量%よりも低くなると、本発明の複合シート材料の主張するセルロースに由来した物性(耐熱性や耐有機溶媒性、高透液性等)が現れ難くなるため好ましくなく、一方、90重量%よりも高いと後述する透気抵抗度が所定の範囲よりも大きくなり、微多孔性に乏しいシート材料となるため、やはり好ましくない。
さらに、本発明の複合シート材料は、目付10g/m相当の透気抵抗度が10s/100ml以上2,000s/100ml以下、好ましくは、20s/100ml以上1,500s/100ml以下、より好ましくは、30s/100cc以上500s/100cc以下であると、本発明の主張する種々の機能を好適に発現させることが可能となる。ここで、本発明の複合シート材料ではネットワークの微細性から該透気抵抗度が10s/100mlよりも小さなものは作り難く、一方、該透気抵抗度が2,000s/100mlを超えるものは、比較的容易に作製することはできるものの、他材料(例えばフィルム材料)との差別性に乏しい材料であるため、やはり好ましくない。
ここで、目付10g/m相当の透気抵抗度とは、目付wg/mの試料に対しガーレー式デンソメータ((株)東洋精機製、型式G−B2C)を用いて100mlの空気の透過時間(単位;s/100ml)の測定を室温で行った結果が、zs/100mlであったとすると、次式(1):
10×z/w (s/100ml)
で定義されるものである。ここで、zは、一つの不織布サンプルに対して種々の異なる位置について5点の測定を行い、その平均値である。
本発明の複合シート材料は、特に膜厚が25μm以下、好ましくは20μm以下であると、従来の不織布系材料との差別性という観点で、本発明の複合シート材料の特徴を優位に発現させることができる場合がある。これは、構成する繊維の繊維径が従来の不織布の繊維よりも十分に小さいことに起因する。例えば、繊維径が100nmのセルロースミクロフィブリルと同等レベルの大きさのフィラー材からなる不織布層を想定すると、25μmの膜厚のシート中には単純計算では250層の単層が積層されていることになる。実際には膜面方向に空孔層も存在するため、これよりも少ない層数とはなるものの、従来の不織布よりもはるかに大きな層数により膜の孔構造が均質化され、膜厚を25μm以下に薄膜化しても十分な膜質均一性を達成することができるのである。
以上の条件を満たすことにより、耐熱性、耐有機溶剤性、高透液性等に優れた微多孔性の複合シート材料を提供することができる。例えば、フィラー材としてラテックスを使用した場合には、耐熱性は使用したラテックス樹脂に支配されるので、セルロースよりも低くはなるが、後述する加熱カレンダー処理等により、シート中にラテックス粒子の連続相が形成されることにより、複合シート材料の耐水性が大幅に改善されることもある。本発明では、複合シート材料で使用するフィラー材はシートの要求物性に応じて選定することができる。
フィラー材として無機粒子や高分子粒子を用いる場合には、1次粒子の長軸径/短軸径比が、2以下であり、かつ、長軸径と短軸径の平均値が5nm以上5,000nm以下の粒子、又は1次粒子の長軸径/短軸径比が3以上であり、かつ、短軸径が10nm以上1,000nm以下である粒子のいずれかであることがより好ましい。これは、本発明の複合シート材料を構成する必須成分であるセルロースミクロフィブリルとフィラー材が同レベルのサイズを保有している方が、微細な孔を均一かつ高度に分散して存在させることができるためである。ここで、長軸径、及び短軸径とは、それぞれ多数のフィラー材の長軸径の数平均値、及び短軸径の数平均値を意味する。
具体的には、長軸径/短軸径比が2以下である場合(例えば、球状粒子)には、長軸径と短軸径の平均値(球状粒子の場合は単に粒径)が5nm以上5,000nm以下、好ましくは10nm以上3,000nm以下、より好ましくは20nm以上1,500nm以下であると、膜質均一性に優れた本発明の複合シート材料を作製することができる。長軸径と短軸径の数平均値が5nmよりも小さなものは事実上、調達することが困難であり、一方、該平均値が5,000nmを超えると、均一な複合シートを作り難くなるため、やはり好ましくない。
一方、長軸径/短軸径比が3以上である粒子(例えば、棒状(ウィスカー)粒子)の場合には、短軸径が10nm以上1,000nm以下、好ましくは20nm以上600nm以下、より好ましくは30nm以上300nm以下であると、膜質均一性に優れた本発明の複合シート材料を作製することができる。ただし、本発明では、長軸径/短軸径比が30以上の粒子は後述する繊維とみなすこととする。短軸径が10nmよりも小さなものは事実上、調達することが困難であり、一方、短軸径が1,000nmを超えると、均一な複合シートを作り難くなるため、やはり好ましくない。
上述したようにフィラー材は微細繊維であっても構わない。フィラー材が繊維である場合には、繊維径は10nm以上1,000nm以下、好ましくは20nm以上600nm以下、より好ましくは30nm以上300nm以下であると、膜質均一性に優れた本発明の複合シートを作製することができる。繊維径が10nmよりも小さなものは事実上、調達することが困難であり、一方、該平均繊維径が1,000nmを超えると、均一な複合シートを作り難くなるため、やはり好ましくない。ここで繊維径とは数平均繊維径を意味する。
また、特にフィラー材がシリカ粒子又は金属酸化物粒子であると、化学的にも安定であり、耐熱性、耐有機溶媒性に優れ、しかも高透液性の点でも優れた本発明の複合シート材料を提供することができるので好ましい場合がある。
さらに、フィラー材が、粒径が10nm以上5,000nm以下、好ましくは20nm以上600nm以下、より好ましくは30nm以上300nm以下の球状の高分子粒子(例えば、上述したようなラテックス)であれば、高分子粒子のもつガラス転移温度以上の温度(当然、室温以下のガラス転移温度を有する高分子粒子でもよい)でアニール、又はカレンダー処理等を施すことにより、高分子粒子同士は接着する性質をもつため、強度の面でも優位であり、しかも耐水性に優れた複合シート材料を提供することもできるため、耐水性や高強度が要求される場合には有効である。ここで粒径とは数平均粒径を意味する。
特に本発明の複合シートに高い耐熱性や高い化学的安定性を求めるような場合には、要求に見合う耐熱性や化学的安定性を有するフィラー材を選択しなければならないのは当然であるが、それと同時に、セルロースミクロフィブリルがα−セルロース含有率が95重量%以上、好ましくは97重量%以上のセルロースを用いるとより高い耐熱性や化学的安定性を発現するため、有効である。これは、セルロースミクロフィブリルにリグニン成分やヘミセルロース等の主にパルプの植物原材料中に含まれる不純物が残存していると、耐熱性や化学的安定性に悪影響を与えることによる。
ここでセルロースミクロフィブリルのα−セルロース含有率が95重量%以上のセルロースであることは、該セルロースミクロフィブリルが、α−セルロース含有率が95重量%以上の原料パルプを微細化して得られたものであることを意味する。また、原料パルプ中のα−セルロース含有率の評価は、非特許文献2に記載されている全セルロース量の評価方法に従い、試料xg中の全セルロース量xgをまず評価し、次にxg得られた全セルロース試料を用いて、非特許文献2中に記載の方法に従い、α−セルロース量の評価を行う。ここで得られたα−セルロースの量をxgとすると、最初に用いた試料重量(xg)からのα−セルロースの含有率、x×100/x(%)をα−セルロース含有率と定義する。
原料パルプのうち、α−セルロース以外の成分(不純物)としては、リグニン(試料中の全セルロース量を差し引いたものの主成分)やヘミセルロース類(全セルロース量のうちα−セルロース量を差し引いたものの主成分)を挙げることができる。しかし、これらの成分の一部は本発明の叩解や微細化の工程で水相へ溶出し、抄紙工程で系外へ排出されるものの、一部はセルロースミクロフィブリルの表面近傍等に残存し、本発明のセルロース不織布の耐熱性や耐久性を損ねることがある。したがって、本発明で使用する原料パルプはα−セルロース含有量の高いものがより好ましい。
次に、上述した複合シート材料からなる層を含む複数の層が積層されてなる多層化シート材料であって、目付が8g/m以上100g/m以下であり、かつ、透気抵抗度が10s/100ml以上3,000s/100ml以下である多層化シート材料について説明する。
上述した要件を満足する本発明の複合シート材料からなる層を多層構造の一層として含み、多層化シート材料としての目付が、8g/m以上100g/m以下、好ましくは10g/m以上90g/m以下であって、さらに、透気抵抗度が、10s/100ml以上3,000s/100ml以下、好ましくは20s/100ml以上2,000s/100ml以下であると、本発明の複合シート材料の種々の機能を発現できる多層化シート材料を提供することが可能となる。ここで多層化シート材料の目付が8g/mより小さいものは安定に製造することが困難であるため相応しくなく、一方、目付が100g/mよりも大きくなると後述する透気抵抗度範囲のシートを構造上のバランスを保って作ることが困難となるため、やはり好ましくない。また、透気抵抗度が、10s/100mlよりも小さなシートだと、本発明の主張する微多孔構造に起因する物性が期待できなくなるため相応しくなく、一方、透気抵抗度が、3,000s/100mlよりも大きなシートでは、高透液性を有するという本発明の多層化シート材料のもつ特性が損なわれるため、やはり好ましくない。
該多層化シート材料は、通気性のある不織布等の支持体上に本発明の複合シート材料が積層化された2層構造でも、表裏の両側から通気性のある支持体によって本発明の複合シート材料が挟まれた3層構造をもつものでも、又はさらに異種の層をもつものでも、上述した目付と透気抵抗度の範囲が保たれていれば、好適に本発明の多層化シート材料の機能を発現することができる。
例えば、不織布を支持体として用いる場合、支持体としての不織布は、セルロース不織布(紙や再生セルロース不織布)は当然使用できるが、セルロース不織布以外のものであっても構わない。例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維、ナイロン−6,6繊維、ナイロン−6繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、ポリフッ化ビニル繊維、セルロースアセテート系繊維、全芳香族ポリアミド繊維等から成る不織布を挙げることができる。さらに、その繊維径に関しても、数平均繊維径が10μm以上の通常の繊維径の不織布は当然使用できるが、それよりも微小な繊維径を有する不織布(例えば、メルトブロウン法やエレクトロスピニング法により得られる数μm〜0.2μm程度の数平均繊維径を有する繊維からなる不織布)やそれらが多層化された不織布シートも使用できる。
以下、本発明の複合シート材料の製造方法について記載する。基本的に、本発明の複合シート材料は、セルロースミクロフィブリルを含有する複合シートを製膜する際に、フィラー材を混在させ、本発明で限定する目付範囲で、規定された透気抵抗度を有するように制御すればよい。その製膜方法としては、大きく分けて塗布法と抄紙法により製造することが可能である。
このうち、塗布法においては、所定の組成範囲となるような製膜用の分散体(セルロースミクロフィブリルとフィラー材と分散媒体からなる)を調製し、支持体上にコーティングして乾燥させて分散媒体を除去することで製膜する。しかし、セルロースミクロフィブリルの濃度を2重量%以上に高めることはレオロジー的な制約上(著しく増粘してしまう)難しく、該分散体から分散媒体を乾燥させて得る複合シート(不織布)は極めて低い目付のものに限定されてしまう。加えて、上記の高粘度の分散体を均一に製膜するのは意外と難しく、一定面積の複合シートを作製するのに低固形分濃度の分散体から大量の水を乾燥させる必要がある点でコスト面でも不利である。このため、本発明の複合シート材料の製造方法としては、塗布法よりも抄紙法によるのがより好ましい。
本発明において、本発明者らは、以下の製造方法によって、効率的に本発明の複合シート材料を製造できることを見出した。すなわち、数平均繊維径が2nm以上300nm以下のセルロースミクロフィブリル(A成分)と無機粒子、高分子粒子、無機繊維、及び高分子繊維からなる群から選択される1種以上のフィラー材(B成分)とを、固形分濃度が0.1重量%以上0.5重量%以下であり、かつ、固形分に占めるA成分の分率が30重量%以上90重量%となるように水に分散させて得られた分散体を調製する調製工程、該分散体を原料として抄紙法により湿紙を製膜する製膜工程、及び製膜工程により得られた湿紙を乾燥させる乾燥工程を含むことを特徴とする複合シート材料の製造方法である。
まず、抄紙用の分散体の調製工程について説明する。所定の要件を満足するセルロースミクロフィブリル(A成分)(上述したように水分散体の状態で供給)、並びに無機粒子、高分子粒子、無機繊維、及び高分子繊維からなる群から選択される1種以上のフィラー材(B成分)を、固形分濃度が0.1重量%以上0.5重量%以下であり、かつ、固形分に占めるA成分の分率が30重量%以上90重量%となるように水に分散させて分散体を調製する。該分散体の固形分濃度はより好ましくは0.15重量%以上0.45重量%以下、好ましくは0.20重量%以上0.42重量%以下であると均一性の高い抄紙を実施することができ、有効である。該分散体の固形分濃度が0.1重量%以上であれば最終的に得られる乾燥シートの膜質均一性が良好であり、一方、0.5重量%以下であれば分散液の粘度が高くなりすぎず、抄紙時に発生する幅方向の湿紙の厚みむらをなくすことが可能になるため好ましい。
さらに分散体中の固形分に占める(A)成分の分率は、30重量%以上90重量%以下、好ましくは35重量%以上85重量%以下、より好ましくは40重量%以上80重量%以下の範囲であると、最終的に得られる乾燥後の複合シートが優れた膜質均一性を有するため、有効である。(A)成分の分率が30重量%以上であると、本発明の複合シート材料のセルロースに由来した物性(耐熱性や耐有機溶媒性、高透液性等)が現れるため好ましく、一方、90重量%以下であると、後述する透気抵抗度が所定の範囲よりも小さくなり、微多孔性に優れた複合シート材料となるため、好ましい。
さらに、(B)成分として使用する、無機粒子、高分子粒子、無機繊維、及び高分子繊維からなる群から選択される1種以上のフィラー材の各々の詳細については前述したものを挙げることができるが、該フィラー材は乾燥体として用いても、予め水中に分散された予備分散液(例えばラテックス)を使用してもよい。上述したように、フィラー材が微細な粒子径又は繊維径を有するものを使用するのが好ましく、それらが凝集しておらず、複合シート材料中に分散していることが好ましい。
したがって、少なくとも分散媒体以外に2成分が含まれる該分散体の分散方法も重要である。分散体中で、セルロースミクロフィブリル(A成分)とフィラー材(B成分)とが偏在するような分散状態では得られる複合シートの膜質均一性が良好とはならないため、適度に均一な分散が達成できている必要がある。このような分散手法としては、ディスパータイプの羽根を装着した高速分散機(例えばプライミクス(株)のT.K.ホモミキサー)やディスクリファイナー(ダブルディスクリファイナーを含む)、高圧ホモジナイザーや超高圧ホモジナイザー、グラインダー等を挙げることができる。
前述したように、ミクロフィブリル化セルロースの製造工程(微細化の工程)において、フィラー材を混在させると、フィラー材そのものの微細化と高分散性が同時に達成できるため、有効であることもある。乳化に使用する巻き込み型のホモミキサー(例として、プライミクス(株)のM型攪拌部を装着したT.K.ホモミキサー等)類のように、微細繊維を撚糸してしまう効果のあるものは好ましくない。先に得た微細セルロース繊維のスラリー濃度が高いほど、分散の完全性を高めるために、より強固な分散条件(高エネルギーの分散手法、大きな回転数、高い操作圧力や長い処理時間)を設定する必要がある。
なお、上記調製工程で調製する分散体中には、目的に応じて、無機イオン化合物や有機イオン化合物、ノニオン性界面活性剤、ノニオン性水溶性高分子を添加しても構わない。例えば、分散体中の固形分成分の凝集状態をコントロールするためにこれらの添加化合物は有効(イオン性化合物は凝集促進剤として、ノニオン性化合物は分散安定剤として)である場合もある。ただし、該添加化合物は後述する抄紙、乾燥を経て本発明の複合シート材料中へ残存し、物性上(例えば、耐熱性、化学的安定性等)悪影響を及ぼすこともあるので、分散体中への総添加量は、0.2重量%以下、できれば0.1重量%以下とするのが好ましい場合もある。
具体的には、無機イオン化合物として、塩酸、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化アンモニウム、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、二酸化塩素のような塩素系化合物、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウムのような水酸化化合物、炭酸水、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムのような炭酸塩類、硫酸、硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アンモニウムのような硫酸塩類、硝酸、硝酸ナトリウム、硝酸リチウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウムのような硝酸塩類、リン酸、無水リン酸、ポリリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、かんすい、リン酸三カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸三マグネシウム、及びリン酸アンモニウムのようなリン酸塩類、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、ホウ酸リチウム、ホウ酸アンモニウムのようなホウ酸塩類、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩類、生石灰、アンモニア等を挙げることができる。
有機系イオン性化合物としては、低分子化合物と高分子化合物の2種類に分類することができる。低分子の有機系イオン化合物としては、有機酸又はその塩類又は有機塩基又はその誘導体類を挙げることができ、イオン性界面活性剤も含まれる。より具体的には、酢酸、酢酸ナトリウムのような酢酸塩類、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウムのようなプロピオン酸塩類、その他、酪酸、クエン酸、乳酸、シュウ酸、リンゴ酸、フマル酸のような各種有機酸とそれらの塩類、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミンのようなメチルアミン誘導体、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンのようなエチルアミン誘導体、n−プロピルアミン又はその誘導体、iso−プロピルアミン又はその誘導体、sec−ブチルアミン又はその誘導体、tert−ブチルアミン又はその誘導体、アリルアミン又はその誘導体、テトラメチルエチレンジアミンのような有機塩基又はその誘導体類を挙げることができる。イオン性界面活性剤として具体的には、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩などのアニオン界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウムなどのカチオン界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドジメチルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性剤を挙げることができる。
また、高分子の有機系イオン性化合物としては、アクリル酸モノマー単位又はアクリル酸塩モノマー単位、メタクリル酸モノマー単位又はメタクリル酸塩モノマー単位のようなアニオン性のモノマー単位が分子鎖骨格中に含まれるアニオン系水溶性高分子、アクリル酸の有機アミノ誘導体エステル、メタクリル酸の有機アミノ誘導体エステル、エチレンイミン誘導体のようなカチオン性のモノマー単位が分子鎖骨格中に含まれるカチオン系水溶性高分子、あるいはアニオン性のモノマー単位とカチオン性のモノマー単位が両方、分子鎖骨格中に含まれる両性水溶性高分子を挙げることができる。ここで、上述したアニオン性のモノマー単位又はカチオン性のモノマー単位は、その構造中に水中で解離し、イオンとなる性質をもつ置換基を含んでいればよく、また、高分子鎖におけるイオン性のモノマー単位以外のモノマー単位は、水溶性に寄与する構造であれば何であってもよい。
このような条件を満たす高分子は組み合わせ等により多種多様のものが存在するため、具体例として限定することは困難であるが、代表的なものとして例示すれば、以下のような高分子を挙げることができる:
カルボキシメチルセルロース(酸型、塩型の双方を含む)、ポリアクリル酸(酸型、塩型の双方を含む)、ポリメタクリル酸(酸型、塩型の双方を含む)、アルギン酸(酸型、塩型の双方を含む)、アクリルアミド・アクリル酸ソーダ共重合物(ダイヤニトリックス社のアクリパーズP−NS等)、ポリメタクリル酸ジメチルアミノエチル(ダイヤニトリックス社のダイヤフロックKP201等)、アクリルアミド・アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合物(ダイヤニトリックス社のダイヤフロックAP825等)、アクリルアミド・アクリル酸ジメチルアミノエチル・アクリル酸3元共重合体(ダイヤニトリックス社のダイヤフロックKA205等)、ポリビニルアミン(ダイヤニトリックス社のPVAM等)、N−ビニルホルムアミド・アクリロニトリル共重合体変性物(ダイヤニトリックス社のダイヤフロックKP700等)、アミノ変性シリコーン(東レ・ダウコーニング社のSM8704等)、メチルハイドロジェンポリシロキサン(東レ・ダウコーニング社のSM8707EX等)、部分ケン化ポバール、アクリルエステル・マレイン酸共重合物、スチレン・メタクリル酸共重合物、スチレン・マレイン酸共重合物、カチオン化でんぷん、カゼイン、イオン性基を有する天然多糖類(グアガム等)、ポリアミドポリアミン/エピクロロヒドリン組成物(荒川化学工業社のアラフィックスAF−100)等。
さらに、ノニオン性界面活性剤として、アルキルポリオキシエチレンエーテルや脂肪酸グリセロールエステル等、ノニオン性水溶性高分子として、ポリビニルアルコール(ケン化度が高過ぎないグレードがより安定化に寄与し、また、末端をアルキル修飾したものも安定化剤として有効である)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(エチレン組成が低く、水溶性のグレード)やビニルアルコールとブチラール等その他のモノマー類との共重合体構造を有するもの、ポリエチレンオキサイドあるいはその末端をアルキル修飾したもの、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチラール系樹脂(水溶性のグレード)等を挙げることができる。
また、本発明の調製工程で調製する分散体中には、シート材料へ付与する機能の目的に応じて、その他の添加剤、例えば、染色を目的とした染料類、医薬品や各種機能性コーティング剤等を添加しても構わない。もちろん、これらの添加剤は、本発明の複合シート材料を製造した後の後処理工程にて導入しても構わない。
さらに、分散体の分散媒はコスト面の理由から水であることが好ましいが、場合によっては有機溶剤(特に水に可溶な有機溶剤)を適当な組成で混在させても構わない。分散体の安定性を考慮に入れると、分散媒に占める有機溶剤の総重量分率は80重量%以下であることが好ましい。このようなケースとして例えば、金属粒子やカーボン系粒子のように水との馴染みの悪いものを使用する場合、分散性を高めるために、水に可溶なアルコール(例えば、エタノール、iso−プロパノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール)や他の有機溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)を適当な組成で混在させることも場合によっては有効である。
本発明の複合シート材料の第2の工程は、上記工程で調製した分散体を抄紙法により製膜し湿紙を作製する製膜工程である。抄紙法は本質的にワイヤーメッシュや濾布(以降、合わせて「フィルター」と表記する。)上で繊維の分散体を濾過する方法であるから該製膜工程においては、分散体中の固形成分の分散状態(サイズや凝集状態)と使用するフィルターの目のサイズの組合せが重要となる。
特にセルロースミクロフィブリルやそのサイズに近いフィラーが分散した本発明の製造工程における水系分散体中では、セルロース表面のもつマイナスの表面電位や水素結合による引力的相互作用性が極めて重要となる。当然、微小なサイズのフィラー材にも同様な力が働き、通常、分散体中でこれらの微小な固形成分は複雑に相互作用し合い、ある種の凝集した構造体(以降、単に「凝集体」と表記する。)を成して分散している。この凝集体がフィルターの目のサイズよりも十分に大きく、しかも硬い凝集体を形成していれば抄紙工程において、固形分はほぼ100%歩止まる。これに対し、フィルターの目のサイズよりも十分に大きくても極めて緩やかな(密度の低い)凝集体であれば、完全に歩止まることなく一部はフィルターをすり抜けてしまう。しかし、前者の場合には硬い凝集体がフィルター上に堆積して湿紙を形成するため、これを乾燥した際に、凝集体間の界面が残ることになり、いわゆる地合いの良くない、しかも強度物性の点においても界面が欠陥となるため、低強度の複合シートとなる。一方、後者の場合には、収率は低下するもののフィルター上に堆積した緩やかな軟凝集体が抄紙時のサクション圧(減圧)と乾燥時の凝集により湿紙中で絡み合いが形成されつつ複合シートを形成するため、比較的欠陥の少ない均一な複合シートができる。
本発明の製膜工程では、分散体の調製工程で調製した分散体中の固形成分を100%近く捕捉できる程度の目の細かなフィルターを使用し、しかも、上述した2つの凝集状態のうち丁度中間の状態の凝集状態を、固形分濃度/2成分の組成/分散条件の組合せにより作り出し、膜質均一性の高い複合シート材料を作製する。こうした抄紙の条件については、例えば、特許文献3や本発明者による特許文献5に開示されているのでこれらの特許文献を参考にすればよい。分散体中の固形成分の凝集状態を制御するために、無機塩やイオン性界面活性剤、あるいはイオン性の水溶性高分子を少量、分散体中に添加することも有効であることがある。
抄紙方法は、バッチ式の抄紙機は勿論、工業的に利用可能なすべての連続抄紙機を用いて実施することができる。特に、傾斜ワイヤー型抄紙機、長網式抄紙機、丸網式抄紙機によって好適に本発明の複合シート材料を製造することができる。
膜質均一性を高めるために、一機又は二機以上(例えば、下地層抄紙は傾斜ワイヤー型抄紙機、上地層抄紙では丸網式抄紙機を用いる等)の抄紙機を用いて多段式の抄紙を施すのも場合によっては有効である。多段式の抄紙とは、例えば、1段目で5g/mの目付で抄紙を行い、そこで得られた湿紙上で2段目の5g/mの抄紙を行って、合計10g/mの目付の本発明の複合シート材料を得るという技術である。多段抄紙の場合は、上層と下層を同じ分散体から製膜する場合には単層の本発明の複合シート材料となるが、下層として第1段で例えば、フィブリル化繊維を用いて目の細かな湿紙の層を形成させ、その上から第2段で前述した分散体による抄紙を行い、下層である湿紙を後述するフィルターとして機能させることもできる。
上述したように、抄紙に使用するフィルターは、基本的には、調製工程で調製した分散体中の固形分が湿紙として歩止まる、すなわち抄紙工程における固形分の収率として、90重量%以上、好ましくは95重量%以上、より好ましくは99重量%以上であるフィルターを選択すると工業的に好適な生産が可能となる。該収率が高いことは、フィルター内部への食い込みが低いことも意味し、抄紙製膜後の剥離性が良好になる点でも好ましい。また、フィルターの目のサイズが細かくなると上記収率は向上するので望ましいが、そのため濾水性が悪くなると、湿紙の生産速度が遅くなるため好ましくない。すなわち、大気圧下25℃でのワイヤーメッシュ又は濾布の水透過量が、好ましくは0.005ml/cm・s以上、より好ましくは0.01ml/cm・s以上であると、生産性の観点からも好適な抄紙が可能となる。実際には、固形分の収率が高く、濾水性も良好なフィルターを選ぶことが好ましい。
ここで、大気圧下25℃でのフィルターの水透過量は次のようにして評価するものとする。
バッチ式抄紙機(例えば、熊谷理機工業社製の自動角型シートマシーン)に評価対象となるフィルター(ワイヤーメッシュまたは濾布)を設置するにおいて、ワイヤーメッシュの場合はそのまま、濾布の場合は、80〜120メッシュの金属メッシュ(濾水抵抗がほとんど無いものとして)上に濾布を設置し、抄紙面積がxcmの抄紙機内に十分な量(ymlとする)の水を注入し、大気圧下で濾水時間を測定する。濾水時間がzs(秒)であった場合の水透過量を、y/(xz)(ml/cm・s)と定義する。
上記の条件を満たすフィルターは限定されるが、極めて微細なセルロース繊維に対しても使用できるワイヤーメッシュとして、SEFAR社(スイス)製のTETEXMONODLW07−8435−SK010(PET製)、濾布として敷島カンバス社製NT20(PET/ナイロン混紡)を挙げることができるが、これらに限定されない。
抄紙工程においては、ウェットサクションやドライサクション等のサクション圧力を適度にコントロールし、脱水する工程や、プレスロール処理(プレス圧力で絞りの程度をコントロール)による脱水の工程を経て湿紙の固形分率を6重量%以上40重量%以下の範囲に制御するとよい。湿紙の固形分率が6重量%以上であると、湿紙の自立性が確保しやすく操作上好ましい。また、本発明の調製工程で調製する分散体に含まれるセルロースミクロフィブリルは極めて水保持性が高いため脱水工程で湿紙の固形分率を40重量%以下とするのが好ましい。
次に乾燥工程について説明する。
上記により得た湿紙を乾燥させることにより本発明の複合シート材料を得ることができる。乾燥は、ドラムドライヤーや乾燥室での大気圧下での乾燥を通常行うが、場合によっては加圧下又は真空下での乾燥を実施しても構わない。この際、物性の均一性を確保し、幅方向の収縮を抑える目的により、湿紙は有効に定長乾燥させることができるドラムドライヤーにより乾燥させることがより好ましい。乾燥温度は、60℃〜150℃の範囲で適宜選択すればよい。場合によっては、60〜80℃程度の低い温度で粗乾燥して湿紙に自立性を与え、100℃以上での本乾燥工程とするような多段式の乾燥も操作上、有効であることもある。
本発明の複合シート材料を連続的に製膜するためには、上述したような抄紙工程と乾燥工程、場合によっては後述するカレンダー処理による平滑化工程を連続的に実施する必要がある。この際、使用する製膜用のフィルターは、エンドレス仕様のものを用いて全工程を一つのワイヤーで行うか、あるいは途中で次工程のエンドレスフィルター又はエンドレスのフェルト布にピックアップして渡すか又は転写させて渡すか、あるいは連続製膜の全工程又は一部の工程を、濾布を使用するロールtoロールの工程にするかのいずれかを採り得る。
次に乾燥工程の後にオプションとして実施することの可能な、平滑化工程について説明する。
ここで、乾燥後の本発明の複合シート材料に対し、さらにカレンダー装置による平滑化処理を施すことにより、上述した薄膜化が可能となり、広範囲の、膜厚/透気抵抗度/強度の組み合わせの本発明の複合シート材料を提供することが可能となる。カレンダー装置としては単一プレスロールによる通常のカレンダー装置の他に、これらが多段式に設置された構造をもつスーパーカレンダー装置を用いてもよい。これらの装置、カレンダー処理時におけるロール両側それぞれの材質(材質硬度)や線圧を目的に応じて選定することにより、多種の物性バランスをもつ本発明の複合シート材料を得ることができる。
乾燥後のシートに対するカレンダー処理の作用原理には2通りが考えられる。まず、本発明の複合シート材料の製造工程では、抄紙用原料として使用するセルロースミクロフィブリルの繊維長に対し、製造時に使用するフィルターの表面凹凸のピッチが大幅に長いため、得られるシートの表面はフィルターの凹凸が転写され易い。第一点としては、カレンダー処理は、この凹凸を平坦化させる効果を有する。第二点目として、一定空孔率を有するシートのネットワーク構造そのものを押し潰す効果である。二番目の効果により不織布の空孔率は低減し、平均孔径も小さくなることになり、結果的に、通気抵抗度は増大し、引張り強度や突刺し強度が増大する。実際には、設定したカレンダー処理条件に応じて、上記一番目の効果と二番目の効果が混在し(種々の貢献率となって)、得られる複合シート材料の構造や物性が決まる。また、エンボス加工を表面に施したカレンダー処理用金属ロールを使用して、任意の表面パターンにより凹凸を加えたシートも本発明の複合シート材料として好適に使用することができる。
以上、本発明により、凍結乾燥、超臨界乾燥又は有機溶媒置換後の乾燥といった、透液性のあるセルロースミクロフィブリルから成るシート構造体を製造するために従来用いてきた製造方法を用いなくても、本発明で規定するフィラー材を一部使用することにより、セルロースのもつ材料特性の長所を保持し、かつ、微細な孔構造を有するシート材料を簡便に製造することが可能となる。
本発明によって、従来、微多孔膜によってしか提供し得なかった微細な孔径を有する不織布構造のシート材料を簡便に製造することが可能となり、あらゆる分野で要求されるあらゆる形状の微多孔性のシート材料として利用することができる。例えば、生活製品、液体フィルターやエアフィルターのような各種フィルター、各種機能紙、各種蓄電デバイス用のセパレータ、吸収材料、医療材料用の支持体、水処理膜のような機能膜等を挙げることができ、また、エポキシ樹脂等の各種の樹脂と複合化させることにより、半導体デバイスや配線基板用の基板、低線膨張率材料のフレキシブル基材等としても適用できるが、これらに限定されるものではない。
本発明の複合シート材料は、低目付で薄膜化可能な多孔質シート材料として、蓄電デバイス用セパレータとして好適に使用することができる。その理由として、以下の3点:1)内部抵抗の低減化に寄与、2)電解液の高度な含浸性を有する、3)耐久性、耐熱性に優れる、を挙げることができる。
まず1)の理由について説明する。多くの蓄電デバイス(電池、電解コンデンサ、電気2重層キャパシタ、リチウム系大容量キャパシタ)において、内部抵抗を低減化し、より高電流が流れるようにすることは、蓄電デバイスとして問われる性能であるだけでなく、高出力性という観点からも望まれる。元来、蓄電デバイスは正極と負極の間の物質(電解質等)の移動と電極反応、電極吸着等の現象を介して蓄電特性を発現するものであり、その効率を高めるためには、正負極間の距離は通電(ショート)しない範囲で限りなく近いのが理想である。しかし、実際には電極間距離を利用上意味のあるレベルにまで近づけようとすると隔膜を使わずしてショートを防ぐことが困難であるため、隔膜としてのセパレータが使われる。すなわち、セパレータには、できる限り薄く、しかも透液性があって正負極間の物質のやりとりを妨げない構造が問われる。しかし、一方で従来のセパレータを薄く設計するには、薄膜化そのものに技術的限界がある場合もあり、また、一部の蓄電デバイスでは電極として導電性の微粒子を使用する場合があり、より高い耐ショート性が問われるため、孔径との兼ね合いによって、薄くするのに限界があった。すなわち、耐ショート性の観点からはできる限り小孔径の薄い膜を、抵抗を低減する目的では、膜を通した物質移動を妨げることのない範囲で提供されることが要望されていた。
膜に対する物質の移動性の尺度としては、本発明で定義している通気抵抗度を想定することができる。本発明は低目付で通気抵抗度が比較的低く、かつ、微細な繊維によるネットワーク構造(孔径が小さい)を有する複合シート材料を提供するものであるため、膜厚が薄く、しかも通液性が高く(通気抵抗度が低い)なるように設計できるので、理想に極めて近い蓄電デバイス用セパレータとして使用することができる。本発明の複合シート材料において、目付が5g/m以上20g/m以下の範囲にあり、しかも膜厚が5μm以上25μm以下、さらに透気抵抗度が40s/100cc以上300s/100cc以下の範囲となるように設計すると、上記1)の観点での性能が発現され易いため有効である。
次に、2)について説明する。蓄電デバイスでは使用されるセパレータの貫通孔は上記理由により電解液で満たされていなければならない。通常、上記セパレータには微多孔膜構造と不織布構造の2つの系統がある。微多孔膜は製造上の工夫によりフィルムを多孔質とし、多数の貫通孔を設けた膜構造をしている。製造上の理由により、通常は数nm〜100nm程度の孔径の膜が作り易い。また、通常、貫通孔以外にも行き止まりの孔、すなわちクローズドポアも多数存在する。つまり、空孔のすべてが物質移動に貢献する貫通孔として寄与しないという特徴をもつ。さらに、通常は微多孔膜として使用されるのはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミドのような、本発明のセルロースに比べ、疎水性が高く、表面上で電解液(通常は極性溶媒を使用)が高い表面張力を示すような材料が選ばれる。
この結果、微多孔膜系セパレータの使用に当たっては、電解液の含浸性を高めるために、含浸工程において真空含浸を実施するか、又はセパレータの表面親水化処理を行う必要が生じる。これらの処置を施してもなお、クローズドポアの空気が抜けきっているかは保障の限りではない。
これに反し、本発明の複合シート材料は、繊維を主原料とする不織布構造を有していて、繊維が絡み合ってできるネットワークから成るため、どの空孔も貫通孔に通じている。すなわち、オープンポアのみから成る。加えて、本発明の複合シート材料の少なくとも30重量%以上を占めるセルロースは両親媒的な表面特性をもつ材料として知られており、この点でも、電解液の含浸という観点で、本発明のセルロース不織布は、従来技術の微多孔膜系セパレータに対し、圧倒的に優位である。
2)の観点においては、本発明の複合シート材料に占めるセルロースミクロフィブリルの分率は、30重量%以上、好ましくは50重量%以上であるが、含浸性に関してはフィラー材の電解液媒体への濡れ性も当然重要であるので、総合的に濡れ性に支障のない設計とするのが好ましい。
さらに、3)について説明する。本発明の複合シート材料を構成する主材であるセルロースはポリマー材料の中でも、耐久性、耐熱性に優れる(分解温度は凡そ240℃)。セルロースは耐久性が極めて高い材料であることは、天然の構造材料として植物系で数10年、数100年の寿命をも保ち得る点で実証されるものである。これは、天然セルロース固体中で形成されているセルロース分子鎖の分子内及び分子間水素結合を介したセルロースI型結晶構造の高い熱力学的安定性に基づく。該構造の安定性は、各種溶媒中でも発揮され、酸水溶液やアルカリ水溶液のような一部の溶媒環境下を除けば、多くの溶媒系で安定であり、言い直せば耐久性に優れる。このことは、セルロースを溶解する単純な有機溶媒が殆どないことからも示唆される。
蓄電デバイスの性能向上策としては、昨今、印加電圧の増大のようなより過酷な環境での使用に耐える構成が指向されており、このことは、正極や負極でより高い酸化環境、還元環境におかれることを意味する。その結果、電解液で満たされている正極や負極の周辺は使用の過程で徐々に酸性環境、アルカリ性環境におかれることとなる。セルロースは有機溶媒下ではこのような環境下でもかなりの耐性が期待できる。しかしながら、一般に不織布のバインダーとして使用する水溶性高分子や樹脂バインダー類はセルロースに比べ、有機溶媒環境下での耐久性に劣るので、該バインダーを使用しないでも低目付かつ高強度を発現できる本発明のセパレータは、従来の不織布系セパレータに対しても優位である。当然、高耐久性のセパレータとして設計するためには、この点で支障のないフィラー材(例えば、金属酸化物フィラーや微細化アラミド繊維など)を選定するのが好ましい。さらに、使用するセルロースミクロフィブリルも先述したように、高純度、すなわちα−セルロース含有率が95重量%以上、さらには97重量%以上であることが好ましい。
また高い耐熱性も、特に上述したように汎用の合成ポリマーが素材として用いられる微多孔膜セパレータに対し、優位性となる。また、電気2重層キャパシタやリチウム系大容量キャパシタのような一部デバイスにおいては、デバイスの製造工程や使用過程において高温耐性が問われるものもあり、大きな優位性となる。
既に本発明者らは、特許文献1に開示されているように、ナノファイバーによって構成される不織布が従来の不織布に比べ大幅な薄膜化を達成でき、蓄電デバイス用セパレータとして上述したような有効な機能を発現され得ることを指摘していた。しかしながら、目付の低い設計においては、蓄電デバイスの製造工程でセパレータにかかる張力に耐えるだけの引張り強度を保有しているセルロース不織布を具体的に製造できる方法については、特許文献1には開示がなかった。従って、本発明によって、上述した性能バランスに優れた蓄電デバイス用セパレータの提供が工業的に可能となる。
本発明の蓄電デバイス用セパレータは、本質的にすべての一次電池と二次電池(例えば各種乾電池、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン2次電池)、電解コンデンサ(アルミ電解コンデンサ)、電気2重層キャパシタ、リチウム系大容量キャパシタ(例えば特開2006−286218号公報にて開示されているような活性炭を電極の一部に使用し、リチウムイオン系電解質を使用しているデバイス)又はその他のセパレータを構成部材として必要とする新規な蓄電デバイス類に適用でき、蓄電デバイスの電極様式においても捲回型、コイン型、積層型等、汎用的に使われているほとんどすべての様式にて適用することができる。特に、本発明の蓄電デバイス用セパレータは、アルミ電解コンデンサ(電解液型、固体電解質(導電性高分子)型の双方を含む)、電気2重層キャパシタ、リチウム系大容量キャパシタ、ニッケル・水素電池、リチウムイオン2次電池(民生用と共に車載用も)において上述した理由により、好適にその性能が発揮される。特に、ニッケル・水素電池とリチウムイオン2次電池においては、セパレータへの要求性能として、より過酷な耐久性や薄膜化による電池の小サイズ化への貢献、電池製造工程や使用環境における熱寸法安定性等が問われる、電気自動車やハイブリッド自動車用の駆動電源として使われる場合に、本発明の複合シート材料の上述した長所がより好適に発揮される。
当然、蓄電デバイス毎にセパレータに要求される性能は異なるので、例えば、民生用のリチウム2次イオン電池用のセパレータのように、比較的耐熱性に対する要求が低い場合には、樹脂系フィラー材との複合化シートでの設計も有効である。特に、捲回型デバイスのようにデバイス作製工程でセパレータに一定の張力がかかる場合に、低目付であって薄膜化が可能でありながら、比較的高い強度を保持している本発明の複合シート材料をセパレータとして使用することにより、従来よりも低内部抵抗のデバイス作製が可能となる。
次に本発明の複合シート材料は、低目付で薄膜化可能な多孔質シート材料として、機能性フィルターとして好適に使用することができる。ここで、機能性フィルターには、例えばヘパフィルターやウルトラヘパフィルターのような気体中の粒子状物質を捕捉し、短時間〜長時間に亘って使用できる乾式系フィルターと、濾過流体中の粒子状物質とゲル状物質を効果的に捕捉し、やはり短時間〜長期間に亘って使用することができる湿式系フィルターとがある。特に湿式系フィルターでは、マイクロ濾過(精密濾過)とウルトラ濾過(限外濾過)とナノ濾過のうちの少なくとも一つの濾過作用に適したフィルター層として提供することができる。
湿式系フィルターに関しては、従来使用されていたのは、ポリエチレン、ポリエーテルスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリアミド(ナイロン)、セルロースアセテート、ポリアクリロニトリル等、セルロースよりも疎水性が高く水や有機溶媒に対し表面濡れ性の劣る材料からなる微多孔膜であった。本発明では、セルロースの表面を孔構造中に含む構造であるため、水や各種有機溶媒に対し、高い透液性が確保される。特に本発明の複合シート材料を水系のフィルターとして使用する場合には、フィラー材としてラテックスのような樹脂系フィラーを使用した設計とすることが好ましい。また、有機溶媒系のフィルターとして使用する場合には、既述したセルロースの高い耐溶剤性や耐熱性が他材料に対し、優位に機能する。
機能性フィルターとして本発明の複合シート材料が極めて有効に機能する理由を以下に述べる。
まず、本発明の複合シート材料が、上述したように本質的にオープンポアのみから成るネットワーク構造(不織布構造)を有しており、微多孔膜系と比較すると開孔率が著しく高いことが挙げられる。当然のことながら、他の不織布材料と比べるとより微細なネットワークから成るため、相対的には著しく小さな孔径を有する。本発明の複合シート材料を機能性フィルターとして使用する際に制御できる孔径範囲は、最大孔径(バブルポイント法)で凡そ0.001μm〜0.5μmの範囲である。
次に、本発明の複合シート材料を機能性フィルターとして使用する際に重要となる孔径の制御は次の2通りの方法又はそれらを組み合わせることで可能となる。第一は、フィラー材の種類、セルロースミクロフィブリルとフィラー材の組成を規定の範囲で変えることである。一般的にはフィラー材は球形よりは棒状、繊維状の方が少量の組成で大きな孔のシートを作り易く、同じフィラー材を用いる場合には、フィラー材の組成を増大させる方が孔径は大きくなる傾向がある。実際には、目的の孔径域になるように他の物性も考慮しつつ適宜、フィラー材とその組成を選定すればよい。第二の方法は、カレンダー処理によるネットワークの圧縮により、一つ一つの孔径を小さくする技術である。前者では、孔径と共に孔密度を広範囲に設定できるのに対し、後者では孔密度を一定として孔径を小さくする機構が主に働くと推定される。
また、本発明の複合シート材料がセルロースという他物質との相互作用性に富んだ表面を有し、かつ、比較的高い表面積(数m/g〜50m/g)を有している点を指摘することができる。セルロースは親水的物質への親和性は言うまでもなく、油滴粒子のような疎水的な物質に対しても親和性をもつ両親媒的な表面特性を有しており、さらに負のゼータ電位を有するセルロースの表面電荷等の化学的性質が物質の捕捉を優位に進行させる場合がある。また、セルロース表面に存在する多数の水酸基を化学修飾して目的の機能を発現させても好適な本発明のアフィニティを保有する機能性フィルターとなり得る。
本発明の複合シート材料を機能性フィルターとして使用する場合には、他の通気性を有する支持体(例えば、スパンボンドやメルトブロー法等で製膜される汎用の不織布材料等)上に積層化させて使用するのが強度の面で現実的ではあるが、これに限定されるものではない。
本発明の複合シート材料は、低目付で薄膜化可能な多孔質シート材料として、上記液相系の機能性フィルターの範疇ではあるが、血液中の成分やウィルス除去等のサイズ分離用の医療用分離フィルターとして使用すると好適に機能を発現させることが可能である。その分画性能等については、機能性フィルターにおける記載の通りである。
該医療用分離フィルターとして有効である理由の一つに、本発明の複合シート材料の主材料が、セルロースという透析膜やウィルス除去フィルターとして当該分野で実績のある材料であることが挙げられる。当然のことながら、本発明の複合シート材料を当該分野のサイズ分離用フィルターとして使用する際には、使用するフィラー材としても、生体適合性(アナフィラキシーや捕体活性の非誘発性等)が良好であるものを、必要に応じて適宜選択する必要がある。
上述したセルロース表面の活性と表面積の大きさを考え併せると、本発明のセルロース表面そのもの又は特定の置換基への表面の化学修飾によって、あるいは抗原抗体反応等の生体反応に対応させるための特定のリガンドを表面に化学的に結合させることによって発現する表面のアフィニティー効果により特定の生体系物質を捕捉するアフィニティー分離フィルターとしても有効に機能する。上述した分画性の分離フィルターにアフィニティー性を組み合わせた医療用分離フィルターの設計も場合によっては有効である。
さらに、本発明の複合シート材料は、広範囲の環境において、しかも拭き取りの効率と精度が極めて高い拭き取り用シートとしても有効に使用できる。本発明の複合シート材料は上述したように、通常の不織布と比べ繊維径が細く、微細な孔径を有している。しかもセルロースという、水にも油性化合物にも馴染みの良い、いわゆる両親媒的な表面を一定量以上含んでいるため、微小なゴミや油滴からなる汚れを効率的に拭き取る拭き取り用シートとして好適に使用することができる。すなわち本発明の拭き取り用シートは、人体用の洗浄拭き取り、家庭等で使用する精密製品の汚れ拭き取り、工業用のワイパー、半導体製造工程で使用される精密洗浄用のワイパー、半導体ウエハや金属、水晶、ガラス等の精密研磨工程で使用されるワイピングクロス等、広範囲で使用することができる。
本発明の複合シート材料は、上述した用途以外にも、各種機能紙、吸収材料、医療材料用の支持体等の材料として適用できるだけでなく、エポキシ樹脂等の各種の樹脂と複合化させることにより、半導体デバイスや配線基板用の基板、低線膨張率材料のフレキシブル基材等広範囲の分野で利用することもできる。
以下、本発明の実施例及び比較例によって、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜7)
セルロース原料としてコットンリンターパルプ(日本紙パルプ商事(株))を使用し、該パルプを固形分10重量%となるように水中に浸漬させて130℃、4時間のオートクレーブ処理をした後、得られた膨潤パルプを何度も水洗し、水を含浸した状態の膨潤パルプを得た。該膨潤パルプの乾燥体について、α−セルロース含有率を測定したところ98.0重量%(全セルロース含有率は100重量%)であった。
得られた膨潤パルプを固形分1.5重量%となるように水中に分散させて水分散体(400L)とし、ディスクレファイナー装置として相川鉄工(株)製SDR14型ラボリファイナー(加圧型DISK式)を用い、ディスク間のクリアランスを1mmとして400Lの該水分散体に対して、20分間叩解処理を進めた後、引き続いてクリアランスをほとんどゼロに近いレベルにまで低減させた条件下で叩解処理を続けた。経時的にサンプリングを行い、サンプリングスラリーに対して、JIS P 8121で定義されるパルプのカナダ標準ろ水度試験方法(以下、CSF法)のCSF値を評価したところ、CSF値は経時的に減少していき、一旦、ゼロ近くとなった後、さらに叩解処理を続けると、増大していく傾向が確認された。クリアランスをゼロ近くとしてから10分間、上記条件で叩解処理を続け、CSF値で128ml↑の叩解スラリー(該叩解スラリーを水分散体M0とする)を得た。
得られた叩解スラリーを、そのまま高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社(伊)製NS3015H)を用いて操作圧力100MPa下で5回の微細化処理を実施し、数平均繊維径が105μmであるミクロフィブリル化セルロースの水分散体(固形分濃度:1.5重量%)、M1を得た。
次にこのM1を用いて、以下の表1に示す実施例1〜7の組成となるように各種フィラー材及び水を加え調製し、家庭用ミキサーで4分間、分散処理を行い、抄紙用の水分散体を得た。
実施例1と2では、フィラー材として、酸化チタンウィスカー(石原産業(株)製FT100,長軸径/短軸径比=12.9,短軸径:0.13μm)を、実施例3では、酸化チタンウィスカー(石原産業(株)製FT400、長軸径/短軸径比=19.1、短軸径:0.51μm)を、実施例4と5では、アルミナ微粒子(住友化学(株)製アドバンストアルミナAA−05、長軸径/短軸径比=1.2、長軸径と短軸径の平均値:0.5μm)、実施例6では、シリカ微粒子(日本エアロジル(株)製フュームドシリカ90G、長軸径/短軸径比<1.1、長軸径と短軸径の平均値:20nm)、実施例7では、SBラテックス(旭化成ケミカルズ(株)製L8900、長軸径/短軸径比<1.1、長軸径と短軸径の平均値;400nm)を各々用いた。
抄紙による製膜は以下のようにして行った。該水分散液に対しミクロフィブリル化セルロースを大気圧下25℃における濾過で99%以上濾別する能力を有するPET/ナイロン混紡製の平織物(敷島カンバス社製、NT20、大気下25℃での水透過量:0.03ml/cm・s)を、以下で使用する角型金属製ワイヤーのサイズ(25cm×25cm)に揃えて裁断したものを濾布として、バッチ式抄紙機(熊谷理機工業社製、自動角型シートマシーン)を用いて抄紙(脱水)を行った。同抄紙機に組み込まれている角形金属製ワイヤー(25cm×25cm,80メッシュ)上に上述した濾布を設置し、その上から目付が10g/mとなるように所定量の抄紙用分散体を抄紙機へ注入し、サクション(減圧装置)大気圧に対する減圧度を4KPaとして抄紙を実施した。
得られた濾布上に乗った湿潤状態の濃縮組成物からなる湿紙を、濾布ごとワイヤー上から剥がし、湿紙面をドラム面に接触させるようにして、湿紙/濾布の2層の状態で表面温度が130℃に設定された熊谷理機工業社製ドラムドライヤーに貼り付けて約120秒間乾燥させた。得られた乾燥した2層体からセルロースのシート状構造物を濾布から剥離させて、いずれも白色の複合シート材料S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7(それぞれ、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6、実施例7に対応)を得た。実施例1〜実施例6では、セルロースミクロフィブリルの収率は、いずれも、ほぼ100%であった。実施例7では約86重量%の収率であったが、自立性があり膜質均一性に優れた複合シート材料S7を得ることができた。実施例7では、一部のラテックス粒子がセルロースミクロフィブリルからなる軟凝集体の内部に取り込まれないため、濾布を通り抜けてしまうことが推定された。
S1〜S7の物性等は以下の表1に示す通りであった。ここで、膜厚(d(μm))は、一つの不織布サンプルについて膜厚計により測定された5点以上の測定値の平均値を意味する。特に、膜厚計は、空孔率の高い本発明の不織布サンプルを潰さずに評価できる観点から、面接触型のタイプ(Mitutoyo(株)製面接触型膜厚計(Code No.547−401))を使用した。
S1〜S7はいずれも本発明の規定する透気抵抗度の範囲を示しており、後述する、有機溶媒置換法により作製した比較例でのサンプルH2に比べ高い引張強度を保有しており、本発明の方法以外の方法でバインダーを使わずに作製したサンプルと比べ高い強度を保有していることが確認された。
サンプルS2の表面の10,000倍の倍率でのSEM画像を図1に示す。図1においては、屈曲性のあるセルロースミクロフィブリルと棒状の酸化チタンウィスカーが共存しているのが分かり、画像にて確認されたセルロースミクロフィブリルと酸化チタンウィスカーの大きさもほぼ原料のサイズと一致していることが解析の結果、確かめられた。
(比較例1及び2)
セルロースミクロフィブリルのみの水分散体からそのまま抄紙、乾燥させて得られるシート材料(比較例1)、及びセルロースミクロフィブリルからなる通気性のセルロース不織布を得る方法として、特許文献3等にて開示されている、水分散体から抄紙法で製膜して得た湿紙を有機溶媒で置換して得る方法により通気性のシート材料を製膜し(比較例2)、各々実施例と比較した。
実施例1で調製した水分散液M1を水で希釈し、以下の表1に示す組成とし、家庭用ミキサーで4分間、分散処理を行い、抄紙用の水系分散液を得た。該水系分散液を用いて、実施例1と同じ方法でバッチ式抄紙を行い、固形分率が約9重量%の湿紙を得た。それぞれで得られた湿紙を、実施例1と同様、ドラムドライヤーによる乾燥を行い、半透明のシート材料H1を得た(比較例1)。
また、比較例1と同じ方法で抄紙を行い、得られた湿紙/濾布の2層体の湿紙の上に下層と同じ濾布(乾燥したもの)をかぶせ、さらに両面を数枚のろ紙で挟んで、熊谷理機工業社製角型シートマシンプレスを用いて0.5MPaの圧力で1分間プレス処理し、湿紙の固形分をおよそ13重量%とした。次に、濾布/湿紙/濾布の3層の状態のままバット内に1Kgのイソブチルアルコールが混入された置換浴中に15分間浸漬(置換処理)し、一旦、上述のシートマシンプレスで0.5MPaの圧力で1分間プレス処理を行った。さらにもう一度、新たにイソブチルアルコール1Kgをバット内に混入した置換浴中に浸漬させ、15分間静置した。次に、置換浴から取り出した濾布/湿紙/濾布の3層体をシートマシンプレスで0.5MPaの圧力で1分間プレス処理した後、3層体をそのまま表面温度が130℃に設定されたドラムドライヤーに貼り付けて約120秒間乾燥させた。得られた3層体の濾布からセルロース不織布を剥離させて、白色の均一なシート材料H2を得た(比較例2)。
H1とH2の物性等を以下の表1に示す。H1は、強度は高いものの、透気抵抗が極めて大きな通気性のないシートであった。H2は、通気性は本発明で規定するシート材料の範囲にあるものの、各実施例に比べ、低強度のシートであった。
(比較例3及び4)
実施例1と2におけるフィラー材と同じものを使用し、抄紙用分散体中のフィラー材の組成を、それぞれ、以下の表1に示す通りとし、実施例1と同様の手順により抄紙及び乾燥処理を行って濾布上にシート状に張り付いたサンプルH3とH4(それぞれ、比較例3と比較例4)を得た。
H3は、濾布からの剥離をしようとするとシートが自立性を有しておらず、ぼろぼろと崩れた。すなわち、H3は、複合シート材料としては不完全なものであった。また、H4は、10g/mの目付の半透明の自立膜として剥離できたが、透気抵抗度は5,000sを超えており、本発明の複合シート材料とは言えないものであった。
(実施例8〜11)
フィラー材として高分子繊維からなる微細繊維を使用し、本発明の複合シート材料を作製した。アラミド繊維の微細化繊維であるダイセル化学工業(株)製ティアラKY−400D(繊維径;0.2〜0.3μm、繊維長;500〜600μm,粉末状で固形分20重量%のクリームイエローの水分散体として提供)と水を混合して、固形分1.5重量%とし、これをディスパー型の攪拌部を装着したホモミキサー(プライミクス(株)製T.K.ホモミキサー)にて5,000rpmの回転数で約15分間分散して予備スラリーを調製した。
次に、該予備スラリーと実施例1にて調製した固形分濃度1.5重量%の叩解スラリーM0とを混合し、総固形分率が、いずれも1.5重量%、総固形分に占める微細化アラミド繊維の重量分率を20重量%(実施例8)、30重量%(実施例9)、50重量%(実施例10)、65重量%(実施例11)となるように各々混合スラリーを調製し、再度、ホモミキサー(上述)を用いて5,000rpmの回転数で約15分間分散し、得られた混合スラリーを、そのまま高圧ホモジナイザー(上述)を用いて操作圧力100MPa下で5回の微細化処理を実施することにより、各々の組成で微細化アラミド繊維を含有したミクロフィブリル化セルロースの水分散体(固形分濃度:1.5重量%)を得た。
該水分散体を、各々水で希釈して固形分濃度を0.2重量%とし、家庭用ミキサーを用いて4分間、分散処理を行い、抄紙用の水分散体を得た。各々の水分散体を用いて実施例1と同じ方法で、10g/mの目付相当の水分散体を各々用いて抄紙、乾燥処理を行い、微細化アラミド繊維の配合組成の小さな順番により黄色見が少ない白色の4種類の複合シート材料、S8(実施例8)、S9(実施例9)、S10(実施例10)、S11(実施例11)を得た。S8〜S11の物性等を以下の表1に示す。いずれも本発明の複合シート材料であり、比較例2や後述する比較例5と比べ高い引張強度を保有していた。
(比較例5)
実施例8において、固形分1.5重量%の予備スラリーと実施例1にて調製した叩解スラリーM0を混合し、総固形分濃度1.5重量%、総固形分に占める微細化アラミド繊維の重量分率を75重量%の混合スラリーとして調製し、その他は実施例8と全く同等の方法で抄紙用の水分散体を調製、抄紙及び乾燥も実施例8と全く同様にしてクリームイエローの複合シート材料H5を得た。H5の物性等を以下の表1に示す。H5は、透気抵抗度は本発明の範囲にあるものの、引張強度は比較例2のH2と同等並みに低いことが確認された。
(実施例12及び13)
実施例1で調製したミクロフィブリル化セルロースの水分散体M1を用い、以下に示す方法により抄紙用水分散体を調製し、連続式抄紙機を用いて本発明のセルロース不織布を連続的に製膜した。抄紙用水分散体の調製に当たっては、以下の表1に示す実施例12及び実施例13に記載した組成になるように各々、酸化チタンウィスカー(前述FT100)とM1と水を、総量400Kgとなるように混合し、実施例1で叩解装置として用いたディスクレファイナーを用い、連続的に350L/minの速度で循環させ、徐々にディスク間のクリアランスを低減していき、ほぼゼロとなった時点から25分間処理を続けて、得られた白色の分散液を抄紙用の水系分散体とした。
該抄紙用水系分散液を用い、傾斜角5°に設定された抄紙幅0.65m,サクションライン長1.8mの傾斜ワイヤー型連続抄紙装置((株)斉藤鉄工所製)を用いて、ポリマー製の200メッシュのワイヤー(日本フィルコン(株)製)上に、実施例1にて使用したのと同様のPET/ナイロン製の平織物(NT−20,幅0.76m×長さ100mの巻取り)を濾布として抄紙分散液投入部の手前から連続的に設置し、上記で得た抄紙用分散体を16.3L/min及び24.4L/minの各供給速度で連続的に供給し、抄紙走行速度を共に10m/minとし、でウェットサクション(傾斜部)及びドライサクションを作動させて、2種類の条件での連続式抄紙を実施した。
抄紙直後にプレスロールによる脱水工程を経て、湿紙はロール面に一旦転写させた後にロール面からピックアップして乾燥工程へ送り、濾布はそのまま巻き取って回収した。抄紙時の分散体の供給速度が16.3L/minと24.4L/minの各条件で得られた2種類の湿紙は各々、100℃に設定されたドラムドライヤー上で行い、それぞれ本発明の複合シート材料の連続製膜品S12及びS13(共に100m長)として巻き取った。
S12及びS13の物性等を以下の表1に示す(それぞれ、実施例12及び実施例13)。両サンプル共に均一性の高いシート材料であり、引張強度もバッチ式抄紙で得たものと遜色ないものとなっており、本発明の連続シートの安定な製膜が可能であることが示された。
次に、S12に対して、カレンダー処理を施した。本実施例では上部ロールを金属製鏡面ロールとし、下部ロールを樹脂製ロール(硬度D85)として180℃、線圧1.0トンで2m/minの走行速度でカレンダー処理を施し、やや光沢のある白色のセルロース不織布S12’を得た。S12’の膜厚は、12.6μm、透気抵抗度は、280s/100ml、引張強度は、0.65kgf/15mmであった。カレンダー処理により、平滑化による薄膜化が達成されると同時に透気抵抗度も増大しており、シートの厚み方向の圧縮により孔径が微小化している傾向が示された。すなわち、製膜条件だけでなくカレンダー処理によってもシートの内部構造(孔構造等)の制御が可能であることが示された。
(実施例14及び比較例6)
本発明の複合シート材料の耐熱性を調べるために、サンプルS2と以下の方法で作製したパルプ由来の不純物を比較的多く含むアバカA’パルプ(東邦特殊パルプ(株)、α−セルロース含有率:85.2重量%)を出発原料として得られるセルロースミクロフィブリルのみからなるシート材料H6との比較を行った。
H6の製膜においては、まず原料パルプを水中に分散させ、固形分率1.5wt%の状態として実施例1で記載した叩解条件と同様にして、CSF値で119ml↑の叩解スラリーを調製し、得られた叩解スラリーを、そのまま高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社(伊)製NS3015H)を用いて操作圧力100MPa下で5回の微細化処理を実施し、数平均繊維径が76μmであるミクロフィブリル化セルロースの水分散体(固形分濃度:1.5重量%)M2を得た。得られたM2を用いて、比較例2と全く同じ方法で、白色のセルロースミクロフィブリルのみからなるシート材料H6を得た。
S2とH6の耐熱性を比較するために、大気環境下で180℃に設定されたオーブン中にサンプルを保管し、100時間経た後のサンプルの着色度を比較した。その結果、S2にて殆ど着色が見られなかったのに対し、H6では、明らかに黄色化しており、熱劣化がより進んでいることが示唆された。
次に、熱劣化の起こり易さを定量的に比較するために、窒素雰囲気下での熱重量分析(TG)を行った。装置はセイコーインスツルメンツ(株)製、TG/DTA220を用い、窒素雰囲気下(250ml/min)、昇温速度10℃/minにて室温〜500℃の昇温過程における重量減少プロファイルを比較した。重量減少率20%までのプロファイルを図2に示した。200℃を超える温度で顕著になるシート材料の熱劣化の開始温度として、重量減少の減少曲線の屈曲点を図2に示した2直線の交点(各々、図中に下向き三角印で表示)として定義し、比較した。図から求めた熱劣化開始温度は、H6で204℃であったのに対し、S2では218℃であり、明らかにS2の方が熱劣化に関する耐性が高いことが判明した。セルロース以外の不純物成分をより多く含むH6では該不純物成分がより低い温度で熱劣化が誘引される傾向が本測定からも示された。
(実施例15及び比較例7)
シート材料としての強酸化環境下での耐性を調べるために、濃硫酸(和光純薬(株)特級)への接液時の着色程度を比較した。一般に、純度の低いセルロース製品(汎用紙など)を濃硫酸に接液させると直ちに、リグニンやヘミセルロースのような酸化耐性がセルロースよりも低い混合物の化学反応を伴う酸化劣化により、褐色化(炭化)が進行する。上記S2及び微細化アラミド繊維を含有した複合シートS9、さらには上述したサンプルH6について、室温でガラス板上に乗せたシートサンプル上にスポイトで濃硫酸を数滴滴下して接液させ、10分後のシートの変色程度を調べた。その結果、3つのサンプルすべてで、セルロース特有の濃硫酸による酸加水分解に基づく微粒子化または溶解が進行するため、シートそのものは構造崩壊したが、純度の高いセルロースミクロフィブリルを原料として使用しているS2およびS9では変色がほとんど進行しなかった(実施例15)のに対し、H6は接液と同時に徐々にピンクから褐色への変色を呈し(比較例7)、酸化劣化反応が相対的に進行し易いことが示された。同時にS2およびS10では、フィラー材としているそれぞれ、酸化チタンウィスカー(ルチル型結晶)および微細アラミド繊維はほぼそのままの形状を保っており、上記酸化条件下での耐性を有することも明らかになった。
(実施例16及び参考例1)
上記S2及びS9の2種類の複合シートサンプルについて、フィルター性能の一つとして、最大孔径と5KPaの加圧下における透液量(溶媒:エタノール)を測定し、市販のフィルターでの測定値と比較した。最大孔径は、住友スリーエム(株)製のパーフルオロカーボンクーラント,FX−3250(表面張力γ=12mN/m)を湿潤溶媒として用い、バブルポイント法で、湿潤曲線における最初のバブルが発生した圧力P(Pa)から、次式:
D=2890×12/P
により最大孔径D(μm)を求めた。
市販の液体用フィルターとして、住友電気工業(株)製、Fuluoro Pore(登録商標)FP−010(PTFEフィルターメンブレン、分画孔径:0.1μm)について同等の測定を行った。その結果、市販の液体用フィルターの最大孔径は0.32μm、上記条件での透液量は、2.6L/min/mであった(参考例1)のに対し、S2の最大孔径は0.50μm、上記条件での透液量は3.1L/min/m、S9の最大孔径は0.18μm、上記条件での透液量は0.8L/min/mであり(実施例16)、S9に到っては、参考例1で使用した市販フィルターよりも小さな孔径を有することが示された。これらの結果により、本発明の複合シート材料が、不織布であるにも関らず、液体フィルターとして使用されている微多孔性フィルム並みの孔径コントロールが可能であることが明らかになった。
(実施例17)
多層化シート材料の製膜を行った。支持体として、旭化成せんい(株)製のナイロン繊維不織布、エルタス(登録商標)N05030(厚み0.17mm、目付30g/m)を用い、実施例2で調製した抄紙用分散体と同じものを用い、実施例1〜7で行ったバッチ式抄紙と同じ条件で抄紙および乾燥を行った。ただし、支持体は該バッチ式抄紙における濾布上に設置し、その上から抄紙用の分散体を投入し、抄紙を実施した。得られた乾燥シートS17は、不織布と複合シート層が一体化した膜厚が0.19mmかつ膜質均一性に優れた本発明の多層化シート材料であった。S17の透気抵抗度は72s/mlであり、目付は40g/mであった。複合シート層の目付は10g/mと計算され、単層シートであるS2とほぼ同等の値を示すことから、支持体不織布上に複合シート層が積層された構造となっていることが推定された。
本発明によって、従来、微多孔膜によってしか提供し得なかった微細な孔径を有する不織布構造のシート材料を簡便に製造することが可能となり、フィラー材の選定によって、高耐熱性や耐有機溶媒性、条件を選べば耐水性を付与した高透液性のシート材料として提供でき、例えば、各種蓄電デバイス用のセパレータ、液体フィルターや水処理膜、エアフィルターのような各種機能性フィルター、医療用の分離フィルター、生活製品等における拭き取り用シートをはじめとし、各種機能紙、吸収材料、医療材料用の支持体材料としても適用できるだけでなく、エポキシ樹脂等の各種の樹脂と複合化させることにより、半導体デバイスや配線基板用の基板、低線膨張率材料のフレキシブル基材等広範囲の分野で利用することもできる。

Claims (23)

  1. 目付が5g/m以上100g/mの範囲にあり、数平均繊維径が2nm以上300nm以下のセルロースミクロフィブリル(A成分)と、無機粒子、及び高分子粒子からなる群から選択される1種以上のフィラー材(B成分)とを含み、該A成分の分率が30重量%以上90重量%以下であり、かつ、10g/m目付相当の透気抵抗度が10s/100cc以上2,000s/100cc以下であることを特徴とする複合シート材料。
  2. 目付が5g/m以上100g/mの範囲にあり、数平均繊維径が2nm以上300nm以下のセルロースミクロフィブリル(A成分)と、無機繊維、及び高分子繊維からなる群から選択される1種以上のフィラー材(B成分)とを含み、該A成分の分率が30重量%以上90重量%以下であり、かつ、10g/m目付相当の透気抵抗度が10s/100cc以上2,000s/100cc以下であることを特徴とする複合シート材料。
  3. 前記フィラー材(B成分)が、1次粒子の長軸径/短軸径比が2以下であり、かつ、長軸径と短軸径の平均値が5nm以上5,000nm以下である粒子、又は1次粒子の長軸径/短軸径比が3以上であり、かつ、短軸径が10nm以上1,000nm以下である粒子である、請求項1に記載の複合シート材料。
  4. 前記フィラー材(B成分)が、繊維径が10nm以上1,000nm以下の微細繊維である、請求項2に記載の複合シート材料。
  5. 前記フィラー材(B成分)が、シリカ粒子又は金属酸化物粒子である、請求項1又は3に記載の複合シート材料。
  6. 前記フィラー材(B成分)が、粒径が10nm以上5,000nm以下の球状の高分子粒子である、請求項1又は3に記載の複合シート材料。
  7. 10g/m目付相当の透気抵抗度が30s/100cc以上500s/100cc以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合シート材料。
  8. 膜厚が25μm以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合シート材料。
  9. 前記セルロースミクロフィブリル(A成分)が、α−セルロース含有率が95重量%以上のセルロースである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の複合シート材料。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の複合シート材料からなる層を含む複数の層積層されてなる多層化シート材料であって、該多層化シート材料の目付が8g/m以上100g/m以下であり、かつ、透気抵抗度が10s/100ml以上3,000s/100ml以下である前記多層化シート材料。
  11. 数平均繊維径が2nm以上300nm以下のセルロースミクロフィブリル(A成分)と、無機粒子、高分子粒子、無機繊維、及び高分子繊維からなる群から選択される1種以上のフィラー材(B成分)とを、固形分濃度が0.1重量%以上0.5重量%以下であり、かつ、固形分に占める該A成分の分率が30重量%以上90重量%以下となるように水に分散させて分散体を調製する調製工程、該分散体を原料として抄紙法により湿紙を製膜する製膜工程、及び製膜工程により得られた湿紙を乾燥させる乾燥工程を含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の複合シート材料の製造方法。
  12. 前記セルロースミクロフィブリル(A成分)が、木材由来パルプ、コットン由来パルプ、麻由来パルプ、竹由来パルプ、バガス由来パルプ、及びケナフ由来パルプの中から選ばれる少なくとも一つを原料として得られるミクロフィブリル化セルロースである、請求項11に記載の複合シート材料の製造方法。
  13. セルロースミクロフィブリル(A成分)の原料パルプを、α−セルロース含有率が95重量%以上となるように精製する精製工程をさらに含む、請求項11又は12に記載の複合シート材料の製造方法。
  14. 乾燥工程後に得られたシート材料に対し、カレンダー処理により膜厚を80%以下に低減させるプレス工程をさらに含む、請求項11〜13のいずれか1項に記載の複合シート材料の製造方法。
  15. 数平均繊維径が2nm以上300nm以下のセルロースミクロフィブリル(A成分)と、無機粒子、高分子粒子、無機繊維、及び高分子繊維からなる群から選択される1種以上のフィラー材(B成分)とを、固形分濃度が0.1重量%以上0.5重量%以下であり、かつ、固形分に占める該A成分の分率が30重量%以上90重量%以下となるように水に分散させて分散体を調製する調製工程、該分散体を原料とし、抄紙機に通水性のあるシート状の支持体をのせて、該支持体上で抄紙法により製膜することにより湿紙からなる層を該支持体と積層一体化させる抄紙工程、及び製膜工程により得られた積層一体化した支持体と湿紙を乾燥させる乾燥工程を含むことを特徴とする、請求項10に記載の多層化シート材料の製造方法。
  16. 前記セルロースミクロフィブリル(A成分)が、木材由来パルプ、コットン由来パルプ、麻由来パルプ、竹由来パルプ、バガス由来パルプ、及びケナフ由来パルプの中から選ばれる少なくとも一つを原料として得られるミクロフィブリル化セルロースである、請求項15に記載の多層化シート材料の製造方法。
  17. 前記セルロースミクロフィブリル(A成分)の原料パルプを、α−セルロース含有率が95重量%以上となるように精製する精製工程をさらに含む、請求項15又は16に記載の多層化シート材料の製造方法。
  18. 乾燥工程後に得られた多層化シート材料に対し、カレンダー処理により膜厚を80%以下に低減させるプレス工程をさらに含む、請求項15〜17のいずれか1項に記載の多層化シート材料の製造方法。
  19. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の複合シート材料を含む蓄電デバイス用セパレータ。
  20. 前記蓄電デバイスが、アルミ電解コンデンサ、電気2重層キャパシタ、リチウム系大容量キャパシタ、ニッケル・水素電池、及びリチウムイオン2次電池からなる群から選択される、請求項19に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
  21. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の複合シート材料を含む機能性フィルター。
  22. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の複合シート材料を含む医療用分離フィルター。
  23. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の複合シート材料を含む拭き取り用シート。
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