JP2005330639A - ナノファイバー構造体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】支持体に、熱可塑性ポリマーからなるナノファイバーを所望の網目状に配してナノファイバー構造体を作製することができる、新規なナノファイバー構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のナノファイバー構造体の製造方法は、数平均直径が1〜500nmである熱可塑性ポリマーからなるナノファイバーを分散媒中に分散させたナノファイバー分散液を、支持体に付着させた後、該分散媒を除去することを特徴とするナノファイバー構造体の製造方法、および、数平均直径が1〜500nmである熱可塑性ポリマーからなるナノファイバーを、分散媒中に分散させたナノファイバー分散液にして多孔質の支持体を基材に用いて抄造することを特徴とするナノファイバー構造体の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、支持体にナノファイバーを複合したナノファイバー構造体の製造方法に関する。
繊維基材を利用したフィルターはマスクなどの生活資材用途からエアフィルター、液体フィルターなどの産業用途や血液フィルターなどのメディカル用途まで幅広く利用されている。このようなフィルターの性能は大きく二つ有り、一つ目は微粒子の捕捉効率であり、二つ目は被濾過物である気体や液体をフィルターに流した時の圧力損失である。
まず、微粒子の捕捉効率は、一般にフィルターに無数に存在するポアの孔径を小さくするほど向上することが知られている。このため、より細い繊維を利用することが検討されてきた。
しかしながら、より細い繊維を利用してポアの孔径を小さくしていくと、今度は気体や液体などの被濾過物がフィルターを通過しにくくなったり、すぐに目詰まりしてしまい、フィルターの初期の圧力損失の増大により、単位時間あたりの濾過の処理量が抑制されたり、経時での圧力損失の著しい増加により、フィルターの寿命を著しく短くしてしまうというフィルターとしての致命的な問題があった。
このため、ポアの孔径をより小さくしながらも、フィルターの圧力損失を抑制するための様々な検討がなされてきた。例えば、太繊度の繊維により3次元的な骨格を組み、そこに極細繊維を混用したり、ポア孔径の大きな繊維基材を支持体とし、この上に極細繊維を網目状に配する方法などが検討されてきた。
前者について最も成功しているのが、直径サブμmから数十μmのガラス繊維を混用したガラスフィルターであり、エアフィルターに利用されている。しかし、これにはガラスを焼却できないという廃棄上の問題があった。
後者については主として2つの異なる方法が検討されている。一つ目は、極細繊維としてセルロース・フィブリルを利用する方法であり(特許文献1)、より具体的には銅アンモニアレーヨンにパルプの叩解技術を応用し、繊維の平均直径を200〜300nm程度まで細かくし、これを抄造法によりポリエステルの極細繊維不織布上に網目状に配する方法である。しかしながら、従来、叩解技術が確立しているのはセルロースのみであり、ポリエステルやナイロンなどの合成ポリマーでは叩解により直径200〜300nmまで細くすることは不可能であった。これは、セルロースが元々、ミクロフィブリルの集合体から構成されているのに対し、合成ポリマーではこのようなフィブリル構造が明確でないため、叩解によりフィブリル化するのではなく、粉体化してしまうためであった。なお、特許文献1には酢酸菌によりセルロースを産生させてセルロース・ナノファイバーをポリエステルの極細繊維不織布上に網目状に配した構造を作るという方法も記載されているが、該方法は生産性が低すぎて、工業的な利用は困難であった。
ところで、上述のようなセルロース繊維は元来、水や湿度による寸法安定性が悪いという問題があったことから、寸法安定性の良い合成ポリマーから成るナノファイバーが求められていた。
また、従来の叩解技術によるセルロース・フィブリルでは繊維径が均一にならないため、ポアの孔径も不揃いになりがちであり、セルロース・フィブリル以外の方法が望まれていた。
さらに、網目状構造を形成する極細繊維の耐薬品性や耐熱性、支持体との親和性などをコントロールする必要性からも、セルロースでなくバリエーションの多い合成ポリマーから成るナノファイバーによる網目状構造を作製する方法が望まれていた。
このような観点から、近年脚光を浴びているナノレベルの合成繊維基材を得る技術として、エレクトロスピニングという技術がある(非特許文献1、2)。これは、ポリマーを電解質溶液に溶解し、口金から押し出すものであるが、その際にポリマー溶液に数千〜3万ボルトという高電圧を印加し、ポリマー溶液の高速ジェットおよびそれに引き続くジェットの折れ曲がり、膨張により繊維を極細化する技術である。この技術を用いると、単繊維直径で200〜500nmの繊維を得ることができ、ポリマーや紡糸条件を限定すれば単繊維直径で数十nmのナノファイバーからなる合成繊維基材を得ることができる場合もある。しかし、エレクトロスピニングで得られる極細繊維は、繊維化の過程で溶媒が蒸発することによって得られるものであるため、配向結晶化していない場合が多く、繊維が低強度でしかも耐熱性にも劣るため、応用展開に大きな制約があった。さらに、エレクトロスピニングの致命的な欠点はその生産性の低さにあった。エレクトロスピニングで得られる不織布の大きさはせいぜい100cm2程度であり、また生産性が最大でも数g/時間と通常の溶融紡糸に比べはるかにに低いという問題があった。さらに、プラントの安全性にも問題があり、高電圧を必要とすることや、室内に有害な有機溶媒や超極細糸が空気中に浮遊することから、感電、爆発、中毒のおそれがあるといった問題があった。
このように、合成ポリマー、特に溶融紡糸可能な熱可塑性ポリマーから成るナノファイバーを支持体に網目状に複合する技術が切望されていたのである。
WO97/23266号公報 Polymer, vol.40, 4585〜4592(1999) Polymer, vol.43, 4403〜4412(2002)
本発明の目的は、支持体に、容易に熱可塑性ポリマーからなるナノファイバーを所望の網目状に配してなるナノファィバー構造体を作製することを可能にする新規なナノファィバー構造体の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るナノファィバー構造体の製造方法は、数平均直径が1〜500nmである熱可塑性ポリマーからなるナノファイバーを分散媒中に分散させたナノファイバー分散液を、支持体に付着させた後、該分散媒を除去することを特徴とする方法からなる。
また、本発明に係るナノファィバー構造体の製造方法は、数平均直径が1〜500nmである熱可塑性ポリマーからなるナノファイバーを、分散媒中に分散させたナノファイバー分散液にして多孔質の支持体を基材に用いて抄造することを特徴とする方法からなる 。
本発明に係るナノファィバー構造体の製造方法によれば、支持体に、容易に溶融紡糸可能な熱可塑性ポリマーからなるナノファイバーを所望の網目状の形態に配することができ、生産過程で問題を生じることなく、高い生産性をもって、目標とする性能を備えたナノファィバー構造体を製造できるようになる。
以下に、本発明に係るナノファイバー構造体の製造方法について、望ましい実施の形態とともに詳細に説明する。
本発明で言うナノファイバーとは、直径が1nm〜1000nm(1μm)の範囲内にある単繊維のことを言う。形態的には、ナノファイバーがバラバラに分散したもの、ナノファイバーが部分的に結合しているもの、複数のナノファイバーが凝集した集合体(例えば束状のもの)などの形態を呈するものであって、いわゆる繊維状の形態であればよく、その繊維長や断面形状などには限定が無いものである。
本発明において、ナノファイバー単繊維の数平均直径は以下のようにして求めることができる。すなわち、分散媒に分散する前のナノファイバー束の横断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、同一横断面内で無作為に抽出した150本以上の単繊維の横断面積を画像処理ソフトにより解析し、さらに円換算直径を求める。また、既に分散媒中に分散されたナノファイバーの直径解析を行う場合は、以下のような方法を用いてもよい。すなわち、走査型電子顕微鏡(SEM)の観察台上にナノファイバーが分散した液体を付着させ、これを乾燥した後に金属蒸着を行い、サンプルを作製する。これをSEMで観察し、ナノファイバーの単繊維直径を測定し、上記と同様に数平均直径を求めることができる。また、ナノファイバー構造体から解析する場合には、ナノファイバー部分の表面をSEMで観察したり、ナノファイバーの横断面が出るように超薄切片を切り出してTEMで観察してもよい。
本発明で用いる熱可塑性ポリマーから成るナノファイバーの横断面の一例を図4に示す。ナノファイバーの直径は10nm前後から100nm付近まで分布しているが、直径が100nmを超えるものは認められず、単繊維直径の均一性に優れたものである。
本発明においては、ナノファイバーの数平均直径は1〜500nmであることが重要であり、これにより繊維として求められる絶対強力が得られ、例えばナノファイバー構造体をフィルターとして用いたときに、濾過する物体が衝突しても繊維が切れることを抑制しながら、ポアの孔径を充分小さくしたり比表面積が著しく増大することにより、微粒子の捕捉性能を向上させることができる。ナノファイバー単繊維の数平均直径としては、好ましくは1〜200nm、より好ましくは30〜100nmである。
また、本発明で用いるナノファイバーは、単繊維の直径が500nmより大きく1μm以下であるという、本発明でいうナノファイバーに該当するものの、比較的に粗大な繊維の繊維比率が3重量%以下であることが好ましい。ここで粗大繊維の繊維比率とは、直径が1nmより大きく1μm以下のナノファイバー全体の重量に対する粗大単繊維(直径が500nmより大きく1μm以下)の重量の比率のことを意味し、次のようにして計算する。すなわち、ナノファイバーそれぞれの単繊維直径をdiとし、その2乗の総和(d1 2+d2 2+・・+dn 2)=Σdi 2 (i=1〜n)を算出する。また、500nmより大きく1μm以下の直径範囲にあるナノファイバーそれぞれの繊維直径をDiとし、その2乗の総和(D1 2+D2 2+・・+Dm 2)=ΣDi 2(i=1〜m)を算出する。Σdi 2 に対するΣDi 2 の割合を算出することで、全ナノファイバーに対する粗大繊維の面積比率、すなわち重量比率を求めることができる。
本発明で用いるナノファイバーは500nmより大きく1μm以下の直径範囲にある単繊維の繊維比率が3重量%以下であることが好ましく、より好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以下である。すなわち、これは500nmを越える粗大なナノファイバーの存在がゼロに近いことを意味するものである。
また、ナノファイバー数平均直径が200nm以下の場合には、直径が200nmより大きい単繊維の繊維比率は、好ましくは3重量%以下、より好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以下であることである。また、ナノファイバーの数平均直径が100nm以下の場合には、直径が100nmより大きい単繊維の繊維比率は、好ましくは3重量%以下、より好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以下であることである。これらにより、本発明の製造方法で得られるナノファイバー構造体の機能を十分に発揮できるとともに、製品の品質安定性も良好とすることができる。
本発明で用いるナノファイバーは熱可塑性ポリマーであることが重要である。これにより、ナノファイバーを溶融紡糸法を利用して製造することができるために、生産性を非常に高くできる。本発明でいう熱可塑性ポリマーとは、ポリエステル(以下、PETと呼ぶことがある。)やポリアミド、ポリオレフィン、ポリフェニレンスルフィド(以下、PPSと呼ぶことがある。)等が挙げられるが、ポリエステルやポリアミドに代表される重縮合系ポリマーは融点が高いものが多く、より好ましい。ポリマーの融点が165℃以上であるとナノファイバーの耐熱性が良好であり好ましい。例えば、該融点はポリ乳酸(以下、PLAと呼ぶことがある)は170℃、PETは255℃、N6は220℃である。また、ポリマーには粒子、難燃剤、帯電防止剤等の添加物を含有させていてもよい。またポリマーの性質を損なわない範囲で他の成分が共重合されていてもよい。さらに、溶融紡糸の容易さから、融点が300℃以下のポリマーが好ましい。
本発明で言うナノファイバー構造体とは、ナノファイバーを1次元、2次元あるいは3次元に配列させたものを言い、2次元あるいは3次元の網目状構造のものが好ましい。
本発明では、数平均直径が1〜500nmのナノファイバーを分散媒中に分散させた液体(以下、ナノファイバー分散液と言う。)を、まず支持体に付着させることが重要である。この方法を用いると、エレクトロスピニングとは異なり、生産性が高いこと、また有害な有機溶媒の蒸気やナノファイバーの浮遊が無いことから安全性が非常に高いという大きな利点がある。
本発明において、ナノファイバーを分散媒中に分散させる方法としては、ナノファイバーをナイアガラビータ、リファイナー、カッター、ラボ用粉砕器、バイオミキサー、家庭用ミキサー、ロールミル、乳鉢、あるいはPFI叩解機などでせん断力を与え、繊維1本1本まで分散させ分散媒中に投与することができ、また、再凝集を抑制するために必要に応じて分散剤を用いてもよい。また、分散媒については特に制限はないが、安全性の観点から水を用いることが好ましい。
このようにして得られたナノファイバー分散液を支持体に付着させるのであるが、ここで、ナノファイバー分散液が支持体に付着するとは、以下の状態を言うものである。
すなわち、支持体表面および/または内部にナノファイバー分散液が接触していることを言う。また、この時、ナノファイバーと支持体の間には相互作用が働いていてもいなくてもよい。すなわち、単にナノファイバー分散液が支持体に載っているだけでもよいし、ファンデルワールス力や水素結合、イオン相互作用などが働いていてもよいし、化学結合が生成していてもよい。
ナノファイバー分散液を支持体に付着させる方法に特に制限は無く、目的に応じて適宜選択できる。
例えば、一つ目の方法としては、ナノファイバー分散液を支持体に噴霧する方法である。本発明に用いられるナノファイバーは単繊維の直径が500nmを超える粗大繊維をほとんど含まないため、霧吹き、スプレーなどの細かな口金からでも詰まることなく噴射でき、ナノファイバー分散液を霧状にして支持体に付着させることができる。この方法は、支持体上にナノファイバー層を形成させたい時、また、そのナノファイバー層の厚みを非常に薄くしたい時に有効である。ナノファイバー分散液の濃度や噴霧時間などの調整によりナノファイバー層の厚みは1μm以下とすることも可能である。
ナノファイバー分散液を支持体に付着させる2つ目の方法としては、ナノファイバー分散液に支持体を浸漬する方法が挙げられる。浸漬する方法としては、支持体をナノファイバー分散液に完全に沈める、あるいは表面だけを浸たす方法がある。この方法は、ナノファイバー分散液を支持体中に吸尽させやすくなり、特に支持体が多孔質の場合、支持体内部に3次元的にナノファイバーの網目状構造が形成しやすいという利点がある。ナノファイバー分散液の支持体中への吸尽については、さらにマングルなどでの絞り工程を付け加えると、一層効果的である。さらに、ナノファイバー分散液を支持体に均一に付着できるので、広幅加工や連続加工を行ってもピンホールなどの欠点を抑制し、さらにナノファイバーによる網目状構造の均一性が高いという利点もある。
ナノファイバー分散液を支持体に付着させる3つ目の方法として、支持体上にナノファイバー分散液をコーティングする方法がある。ナノファイバー分散液中のナノファイバー濃度を濃くしたり、増粘剤などを併用することでナノファイバー分散液を高粘度化してナイフコーターなどでコートすると、所望の厚さにしかも均一にナノファイバー層を形成させることができる利点がある。具体的なコーティング法としては、ダイコーター、ロールコーター、ロッドコーター、ブレードコーター、エアナイフコーター等の各種公知の手段を用いて塗布し、その後、乾燥する方法やラミネート法等を用いることができる。
また、単純にナノファイバー分散液を支持体に振りかける方法も採用可能である。本発明で用いるナノファイバーは単繊維直径が500nmを超える粗大繊維をほとんど含まないため、分散媒中に均一に分散し、あたかもナノファイバーが分散媒中に溶け込んだ溶液状と成り易く、支持体を浸漬させて、またはコーティングしてナノファイバー分散液を付着させると、支持体に均一にナノファイバーを付着させることができる。
このように支持体にナノファイバー分散液を付着させた後、分散媒を除去することにより、支持体にナノファイバーが網目状に付着したナノファイバー構造体を得ることができる。これは、ナノファイバーが分散液中では単繊維までバラバラになっていても、分散媒が乾燥していく過程でナノファイバーが分散液中で濃縮され、さらにナノファイバーが部分的に絡み合い網目状構造を形成していくためと考えられる。なお、分散媒を除去する方法に特に制限は無く、そのまま乾燥させてもよいし、浸漬法など大量の分散媒が支持体中に含まれる場合には、一旦マングルなどで分散媒を絞り出すことも有効である。
また、本発明では、数平均直径が1〜500nmである熱可塑性ポリマーからなるナノファイバーを、分散媒中に分散させたナノファイバー分散液にして多孔質の支持体を基材に用いて抄造することも重要である。ここでいう抄造とは、多孔質の支持体にナノファイバー分散液を通過させ、分散質であるナノファイバーを多孔質の支持体に付着させ、その後、拭き取りや乾燥により分散媒を除去することをいう。この方法を用いると、エレクトロスピニングとは異なり、生産性が高いこと、また有害な有機溶媒の蒸気やナノファイバーの浮遊が無いことから安全性が非常に高いという大きな利点がある。また、この方法では、ナノファイバーが多孔質の支持体の内部まで入り込むため、多孔質の支持体内部にもナノファイバーの3次元的な網目状構造が形成させるためには最も適した方法である。
ところで、ナノファイバーの繊維長を5mm以下と短くすれば、浸漬法や抄造法などの際に多孔質の支持体の内部深くまでナノファイバーが侵入し、そこで網目状構造を形成し易く、好ましい。この観点からナノファイバーの繊維長は、より好ましくは2mm以下である。また、ナノファイバーの繊維長の下限は抄造可能な範囲であれば特に制限はないが、網目状構造の形成効率の観点から0.1mm以上であることが好ましい。
また、ナノファイバー分散液中に含まれるナノファイバー濃度は0.0001〜1重量%であることが好ましく、0.001〜0.1重量%であることがさらに好ましい。ここでナノファイバー濃度とはナノファイバー分散液全体の重量に対するナノファイバー成分の重量比を言うものである。ナノファイバー濃度を1重量%以下、好ましくは0.1重量%以下とすることで、ナノファイバー同士の凝集を抑制し易くなり、ナノファイバーを支持体に均一に付着させ易くすることができる。また、濃度が低いことから支持体へのナノファイバー付着量を調整し易く、本製造方法により製造されるナノファイバー構造体の通液度、通気度、微粒子の捕捉性能などの性能をコントロールしやすくなるという利点もある。一方、ナノファイバー濃度を0.0001重量%以上、好ましくは0.001重量%以上とすることで、ナノファイバー同士を容易に絡み合わせることができ、網目状構造を形成し易くできる。また、大量のナノファイバー分散液を保管、操作する必要が無く、さらに、ナノファイバー分散液を支持体に付着させる処理時間も短く済むことから、生産効率を向上できるという利点もある。
なお、ナノファイバー網目状構造は種々の要因でコントロール可能である。特に留意する事が好ましい点は、ナノファイバー分散液中でのナノファイバーの分散状態である。これはナノファイバー濃度やナノファイバーを構成するポリマーと分散媒の親和性、分散剤の添加などによりコントロール可能である。分散剤の種類としては例えば、水系で用いる場合、ポリカルボン酸塩などのアニオン系、第4級アンモニウム塩などのカチオン系、ポリオキシエチレンエーテルやポリオキシエチレンエステルなどのノニオン系のものから選択することが好ましい。
適切な分散剤を選定するには、例えばナノファイバー間の電荷の反発により分散させる場合、その表面電位(ゼータ電位)に応じて分散剤の種類を選定する。pH=7において、ゼータ電位が−5〜+5mVの範囲内のナノファイバーの場合にはノニオン系分散剤を添加することが好ましく、ゼータ電位が−100mV以上、−5mV未満の場合にはアニオン分散剤を添加することが好ましく、ゼータ電位が+5mVを超え、100mV以下である場合にはカチオン系分散剤を添加することが好ましい。例えば、N6(ナイロン6)ナノファイバーではレーザードプラー電気泳動法で測定したゼータ電位(pH=7付近)が−14mVと表面が負に帯電しているため、この電位の絶対値を大きくするために、分散剤としてアニオン系分散剤を使用するとゼータ電位が−50mVとなるため、分散の均一性を向上させることができる。
また、立体反発により分散させる場合、分子量が大きくなりすぎると、分散剤というよりもむしろ凝集剤としての効果が大きくなるため、分散剤の分子量を制御することが好ましく、分散剤の分子量としては1000〜50000であることが好ましく、5000〜15000であることがさらに好ましい。ただし、同じ化学組成の分散剤であってもその分子量やナノファイバーを構成する高分子の種類、繊維の濃度、また他の配合剤の影響も受けるので、ナノファイバーの種類、用途や目的に応じて適切な分散剤を選択し、分散液を調整することが好ましい。
分散剤の濃度は、分散液全体に対し0.00001〜20重量%であることが好ましく、より好ましくは0.0001〜5重量%、さらに最も好ましくは0.01〜1重量%であり、これにより十分な分散効果が得られる。また、乾燥過程はナノファイバー分散液の濃縮過程であるため、網目状構造に影響を与える場合がある。このため、乾燥過程でナノファイバー濃度が高くなると、ナノファイバーは2次凝集し易くなり、それに伴い網目状構造のポア孔径が大きくなり易い。また、乾燥速度が速いとナノファイバーが凝集するよりも先に分散媒が蒸発し、ナノファイバーの2次凝集が抑制され、網目状構造のポア孔径が小さくなり易い。
また、特にナノファイバー分散液が膜状に付着された場合に影響が出やすいが、ナノファイバー分散液の表面自由エネルギーや支持体との濡れ性も網目状構造に影響を与える場合がある。これは、表面自由エネルギーが高い場合、あるいは支持体との濡れ性が低い場合、ナノファイバー分散液膜の安定性が低下し、分散媒の蒸発の進行に伴いナノファイバー分散液膜が部分的に破れ、この部分がポアとなる場合があるからである。この場合はポアの孔径が大きくなる傾向がある。このような観点から、乾燥過程でのナノファイバー分散液の安定性をコントロールする添加剤を含有させておくこともできる。
また、繊維長が長いほど絡み合いやすくしっかりした網目状構造を形成しやすい一方で、凝集によるナノファイバーの集合も起こりやすいことから、ポアの孔径が大きくなりやすい傾向がある。さらに、ポリマーの分子構造として官能基を有していたり、液晶ポリマーのようにベンゼン環が多いと、凝集によるナノファイバーの集合も起こりやすいことから、ポアの孔径が大きくなりやすい傾向がある。
本発明において、支持体には特に制限は無く、不織布、紙、織物、編物、発泡体、フィルム、シート、3次元的な成形体およびそれらの複合体などを用いることができる。また、多孔質の支持体を用いることで、支持体のポア上あるいはポア空間にナノファイバーの網目状構造を形成でき、好ましい。支持体の種類は、ナノファイバー構造体とした時の通気度、強度、形態安定性などの性能を考慮して選択することができる。例えば、フィルター用途に用いる際には、通気度や通液度を大きくするため、使用環境下でポアの孔径が大きく、ポアが連通している物が好ましい。また、表面にナノファイバー層を配し、ワイピングやポリッシング、研磨などの用途に用いる場合には強度や形態安定性が高い物が好ましい。また、表面にナノファイバー層を配する場合には、支持体表面の平滑性が高い物の方がナノファイバー層の厚みや網目状構造の均一性が向上し好ましい。また、ナノファイバーと支持体の馴染みを良くし、網目状構造の均一性を向上させるためには支持体に用いられる繊維の単繊維直径は1μmより大きく10μm以下の極細糸とすることが好ましく、単繊維直径が1μmより大きく5μm以下の超極細糸とすることがより好ましい。また、支持体の材質に特に制限は無いが、ナノファイバー分散液により支持体の形態安定性が劣化することの無いよう選択することが好ましい。なお、抄造法を用いる場合には支持体中をナノファイバー分散液が通過する必要があるため、支持体は多孔質としておくことが重要である。
本発明では熱可塑性ポリマーから成るナノファイバーを用いることが重要であるが、これにより叩解を行っても、従来の合成繊維とは異なり粉体化することを大きく抑制できるのである。このための熱可塑性ポリマーから成るナノファイバーの製造方法には特に制限は無いが、一例として下記の方法を挙げることができる。
すなわち、溶剤に対する溶解性の異なる2種類以上のポリマーをポリマーアロイ溶融体となし、これを紡糸した後、冷却固化して繊維化する。そして必要に応じて延伸・熱処理を施しポリマーアロイ繊維を得る。そして、易溶解性ポリマーを溶剤で除去することにより本発明で使用するナノファイバー束を得ることができる。
ここで、ナノファイバー束の前駆体であるポリマーアロイ繊維中で易溶解性ポリマーが海(マトリックス)、難溶解性ポリマーが島(ドメイン)となし、その島サイズを制御することが重要である。ここで、島サイズとは、ポリマーアロイ繊維の横断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、直径換算で評価したものである。前駆体中での島サイズによりナノファイバーの直径がほぼ決定されるため、島サイズの分布はナノファイバーの直径分布に準じて設計される。このため、アロイ化するポリマーの混練が非常に重要であり、混練押出機や静止混練器等によって高混練することが好ましい。なお、単純なチップブレンド(例えば特開平6−272114号公報、特開平10−53967号公報)では混練が不足するため、数十nmサイズで島を分散させることは困難である。
具体的に混練を行う際の目安としては、組み合わせるポリマーにもよるが、混練押出機を用いる場合は、2軸押出混練機を用いることが好ましく、静止混練器を用いる場合は、その分割数は100万以上とすることが好ましい。また、ブレンド斑や経時的なブレンド比率の変動を避けるため、それぞれのポリマーを独立に計量し、独立にポリマーを混練装置に供給することが好ましい。このとき、ポリマーはペレットとして別々に供給しても良く、あるいは、溶融状態で別々に供給してもよい。また、2種以上のポリマーを押出混練機の根本に供給してもよいし、あるいは、一成分を押出混練機の途中から供給するサイドフィードとしてもよい。
混練装置として二軸押出混練機を使用する場合には、高度の混練とポリマー滞留時間の抑制を両立させることが好ましい。スクリューは、送り部と混練部から構成されているが、混練部の長さをスクリューの有効長さの20%以上とすることで高混練とすることができ好ましい。また、混練部の長さがスクリュー有効長さの40%以下とすることで、過度の剪断応力を避け、しかも滞留時間を短くすることができ、ポリマーの熱劣化やポリアミド成分等のゲル化を抑制することができる。また、混練部はなるべく二軸押出機の吐出側に位置させることで、混練後の滞留時間を短くし、島ポリマーの再凝集を抑制することができる。加えて、混練を強化する場合は、押出混練機中でポリマーを逆方向に送るバックフロー機能のあるスクリューを設けることもできる。
また、島を数十nmサイズで超微分散させるには、ポリマーの組み合わせも重要である。
島ドメイン(ナノファイバー断面)を円形状に近づけるためには、島ポリマーと海ポリマーは非相溶であることが好ましい。しかしながら、単なる非相溶ポリマーの組み合わせでは島ポリマーが十分に超微分散化し難い。このため、組み合わせるポリマーの相溶性を最適化することが好ましいが、このための指標の一つが溶解度パラメータ(SP値)である。SP値とは(蒸発エネルギー/モル容積)1/2 で定義される物質の凝集力を反映するパラメータであり、SP値が近い物同士では相溶性が良いポリマーアロイが得られる可能性がある。SP値は種々のポリマーで知られているが、例えば「プラスチック・データブック」旭化成アミダス株式会社/プラスチック編集部共編、189ページ等に記載されている。2つのポリマーのSP値の差が1〜9(MJ/m3 1/2 であると、非相溶化による島ドメインの円形化と超微分散化が両立させやすく好ましい。例えばナイロン6(N6)とPETはSP値の差が6(MJ/m3 1/2 程度であり好ましい例であるが、N6とポリエチレン(PE)はSP値の差が11(MJ/m3 1/2 程度であり好ましくない例として挙げられる。
また、ポリマー同士の融点差が20℃以下であると、特に押出混練機を用いた混練の際、押出混練機中での融解状況に差を生じにくいため高効率混練しやすく、好ましい。
また、熱分解や熱劣化し易いポリマーを1成分に用いる際は、混練や紡糸温度を低く抑える必要があるが、これにも有利となるのである。ここで、非晶性ポリマーの場合は融点が存在しないためガラス転移温度あるいはビカット軟化温度あるいは熱変形温度でこれに代える。
さらに、溶融粘度も重要であり、海ポリマーの溶融粘度は紡糸性に大きな影響を与える場合があり、海ポリマーとして100Pa・s以下の低粘度ポリマーを用いると島ポリマーを分散させ易く好ましい。また、これにより紡糸性を著しく向上できるのである。この時、溶融粘度は紡糸の際の口金面温度で剪断速度1216sec-1での値である。
本発明で用いる超微分散化したポリマーアロイを紡糸する際は、紡糸口金設計が重要であるが、糸の冷却条件も重要である。上記したようにポリマーアロイは非常に不安定な溶融流体であるため、口金から吐出した後に速やかに冷却固化させることが好ましい。このため、口金から冷却開始までの距離は1〜15cmとすることが好ましい。ここで、冷却開始とは糸の積極的な冷却が開始される位置のことを意味するが、実際の溶融紡糸装置ではチムニー上端部でこれに代える。
本発明の製造方法で得られたナノファイバー構造体はその網目状構造を生かしてフィルター用途に好適であり、マスクなどの生活資材用途からエアフィルター、液体フィルターなどの産業用途や血液フィルターなどのメディカル用途に利用することができる。
例えば、クリーンルーム用、自動車用、工場や焼却場などの排気用、住宅用などのエアフィルターや、化学プロセス、食品、医薬・医療用の液体フィルター、HEPAやULPAフィルターが適用される分野などが挙げられる。
特に網目状構造を利用したHEPAフィルターやULPAフィルター、血液フィルターに好適なものである。さらに、フィルターだけに留まらず、ナノファイバー構造体の表面平滑性、しなやかさや拭き取り性を活かしたワイピング、ポリッシング、研磨用にも好適であり、もちろんアパレル用途(透湿素材など)やインテリア用途(カーテン、カーペット、マット、壁紙、家具)、車輌内装用途(マット、カーシート、天井材など)、美容用途(化粧用具、化粧落としシート、スキンケアシートなど)、産業資材用途(電池セパレーター、建材など)、生活資材用途(ワイピングクロス、汚れ落としシート、健康用品など)、IT部材用途(センサー部材など)、メディカル用途(体外循環カラム、絆創膏、貼布材、細胞培養基材など)などの一般繊維用途にも好適である。
以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明する。なお、実施例中の測定方法は以下の方法を用いた。
A.ポリマーの溶融粘度
東洋精機製作所社製キャピログラフ1Bによりポリマーの溶融粘度を測定した。なお、サンプル投入から測定開始までのポリマーの貯留時間は10分とした。
B.融点
Perkin Elmaer社製 DSC−7を用いて2nd runでポリマーの融解を示すピークトップ温度をポリマーの融点とした。このときの昇温速度は16℃/分、サンプル量は10mgとした。
C.口金吐出孔での剪断応力
口金孔壁とポリマーとの間の剪断応力はハーゲンポワズユの式(剪断応力(dyne/cm2)=R×P/2L)から計算する。ここでR:口金吐出孔の半径(cm)、P:口金吐出孔での圧力損失(dyne/cm2 )、L:口金吐出孔長(cm)である。またP=(8LηQ/πR4 )であり、η:ポリマー粘度(poise)、Q:吐出量(cm3 /sec)、π:円周率である。また、CGS単位系の1dyne/cm2 はSI単位系では0.1Paとなる。
D.ポリマーアロイ繊維のウースター斑(U%)
ツェルベガーウスター株式会社製USTER TESTER 4を用いて給糸速度200m/分でノーマルモードで測定を行った。
E.TEMによるナノファイバーの横断面観察
分散前のナノファイバー束を用い、これの横断面方向に超薄切片を切り出してTEMでナノファイバーの横断面を観察した。また、必要に応じ金属染色を施した。
TEM装置:日立製作所(株)製H−7100FA型
F.ナノファイバーの数平均直径
ナノファイバーの数平均直径は、以下のようにして求める。
すなわち、上記TEM観察による横断面写真から画像処理ソフト(WINROOF)を用いてナノファイバーの単繊維直径を円換算で計算し、それの単純な平均値を求めた。この際、同一横断面内で無作為に抽出した150本以上のナノファイバーの直径を解析し、計算に用いた。
G.繊維比率
上記ナノファイバー横断面の直径解析を利用し、ナノファイバーそれぞれの単繊維直径をdiとし、その2乗の総和(d1 2+d2 2+・・+dn 2 )=Σdi 2(i=1〜n)を算出する。また、500nmより大きく1μm以下の直径範囲にあるナノファイバーそれぞれの繊維直径をDiとし、その2乗の総和(D1 2+D2 2+・・+Dm 2 )=ΣDi 2(i=1〜m)を算出する。Σdi 2 に対するΣDi 2 の割合を算出することで、全ナノファイバーに対する粗大なナノファイバー繊維の面積比率(重量比率)、すなわち繊維比率とした。
H.SEM観察
サンプルに白金を蒸着し、超高分解能電解放射型走査型電子顕微鏡で観察した。
SEM装置:日立製作所(株)製UHR−FE−SEM
I.力学特性
室温(25℃)で、初期試料長=200mm、引っ張り速度=200mm/分とし、JIS L1013に示される条件で荷重−伸長曲線を求めた。次に、破断時の荷重値を初期の繊度で割り、それを強度とし、破断時の伸びを初期試料長で割り、伸度として強伸度曲線を求めた。
J.ゼータ電位測定
ナノファイバー分散液に0.001MのKClをあらかじめ添加し、pH=7にて電気泳動光散乱光度計ELS−800(大塚電子(株)製)で測定した。
実施例に用いたナノファイバー分散液の製造を以下の参考例に示した。
参考例1
溶融粘度57Pa・s(240℃、剪断速度2432sec-11)、融点220℃のN6(20重量%)と重量平均分子量12万、溶融粘度30Pa・s(240℃、剪断速度2432sec-1)、融点170℃のポリL乳酸(光学純度99.5%以上)(80重量%)を2軸押出混練機で220℃で溶融混練してポリマーアロイチップを得た。ここで、ポリL乳酸の重量平均分子量は以下のようにして求めた。すなわち、試料のクロロホルム溶液にTHF(テトラヒドロフラン)を混合し、測定溶液とした。これをWaters社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)Waters2690を用いて25℃で測定し、ポリスチレン換算で重量平均分子量を求めた。尚、N6の262℃、剪断速度121.6sec-1での溶融粘度は53Pa・sであった。また、このポリL乳酸の215℃、剪断速度1216sec-1での溶融粘度は86Pa・sであった。また、このときの混練条件は以下のとおりであった。
ポリマー供給 :N6と共重合PETを別々に計量し、別々に混練機に供給した。
スクリュー型式:同方向完全噛合型 2条ネジ
スクリュー :直径37mm、有効長さ1670mm、L/D=45.1
混練部長さはスクリュー有効長さの1/3より吐出側に位置させた。 温度 :220℃
ベント :2箇所
このポリマーアロイチップを230℃の溶融部で溶融し、紡糸温度230℃のスピンブロックに導いた。そして、限界濾過径15μmの金属不織布でポリマーアロイ溶融体を濾過した後、口金面温度215℃とした口金から溶融紡糸した。この時、口金としては口金孔径0.3mm、孔長0.55mmのものを使用したが、バラス現象はほとんど観察されなかった。そして、この時の単孔あたりの吐出量は0.94g/分とした。さらに、口金下面から冷却開始点(チムニーの上端部)までの距離は9cmであった。吐出された糸条は20℃の冷却風で1mにわたって冷却固化され、口金から1.8m下方に設置した給油ガイドで給油された後、非加熱の第1引き取りローラーおよび第2引き取りローラーを介して巻き取った。そして、これを第1ホットローラーの温度を90℃、第2ホットローラーの温度を130℃として延伸熱処理した。この時、第1ホットローラーと第2ホットローラー間の延伸倍率を1.5倍とした。得られたポリマーアロイ繊維は62dtex、36フィラメント、強度3.4cN/dtex、伸度38%、U%=0.7%の優れた特性を示した。また、得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEMで観察したところ、ポリL乳酸が海、N6が島の海島構造を示し、島N6の数平均による直径は55nmであり、N6が超微分散化したN6ナノファイバーの前駆体であるポリマーアロイ繊維が得られた。
得られたポリマーアロイ繊維を95℃の5%水酸化ナトリウム水溶液にて1時間浸漬することでポリマーアロイ繊維中のポリL乳酸成分の99%以上を加水分解除去し、酢酸で中和後、水洗、乾燥し、N6ナノファイバーの繊維束を得た。この繊維束をTEM写真から解析した結果、N6ナノファイバーの数平均直径は60nmと従来にない細さであり、単繊維直径100nmより大きいものの繊維比率は0重量%であった。
得られたN6ナノファイバーの繊維束を2mm長に切断して、N6ナノファイバーのカット繊維を得た。タッピースタンダードナイヤガラ試験ビータ((株)東洋精機製作所製)に水23Lと先に得られたカット繊維30gを仕込み、5分間予備叩解し、その後余分な水を切って繊維を回収した。この繊維の重量は250gであり、その含水率は88重量%であった。含水状態の繊維250gをそのまま自動式PFIミル(熊谷理機工業(株)製)に仕込み、回転数1500rpm、クリアランス0.2mmで6分間叩解した。ファイバーミキサーMX−X103(松下電器産業(株)製)に叩解した繊維4.2g、分散剤としてアニオン系分散剤であるシャロールAN−103P(第一工業製薬(株)製:分子量10000)を0.5g、水500gを仕込み、30分間撹拌し、N6ナノファイバーの含有率が0.1重量%のN6ナノファイバー分散液を得た。この分散液中のナノファイバーのゼータ電位は−50mVであった。
参考例2
参考例1のN6を溶融粘度212Pa・s(262℃、剪断速度121.6sec-1)、融点220℃のN6(45重量%)とした以外は参考例1と同様に溶融混練し、ポリマーアロイチップを得た。次いで、これを参考例1と同様に溶融紡糸、延伸熱処理しポリマーアロイ繊維を得た。得られたポリマーアロイ繊維は67dtex、36フィラメント、強度3.6cN/dtex、伸度40%、U%=0.7%の優れた特性を示した。また、得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEMで観察したところ、参考例1と同様にポリL乳酸が海、N6が島の海島構造を示し、島N6の数平均による直径は110nmであり、N6が超微分散化したポリマーアロイ繊維が得られた。
得られたポリマーアロイ繊維を参考例1と同様にしてポリマーアロイ繊維中のポリL乳酸成分の99%以上を加水分解除去、酢酸で中和後、水洗、乾燥し、N6ナノファイバーの繊維束を得た。この繊維束をTEM写真から解析した結果、N6ナノファイバーの数平均直径は120nmと従来にない細さであり、単繊維直径で500nmより大きいものの繊維比率は0重量%、単繊維直径で200nmより大きいものの繊維比率は1重量%であった。
得られたN6ナノファイバーの繊維束を2mm長に切断して、N6ナノファイバーのカット繊維を得た。これを参考例1と同様に予備叩解を施し、含水率88重量%のN6ナノファイバーを得た後、さらに参考例1と同様に叩解し、分散剤としてアニオン系分散剤であるシャロールAN−103P(第一工業製薬(株)製:分子量10000)を使用し参考例1と同様に撹拌して、N6ナノファイバーの含有率が0.1重量%のN6ナノファイバー分散液を得た。
参考例3
溶融粘度120Pa・s(262℃、121.6sec-1)、融点225℃のPBT(ポリブチレンテレフタレート)と2エチルヘキシルアクリレートを22%共重合したポリスチレン(PS)を用い、PBTの含有率を20重量%とし、混練温度を240℃として参考例1と同様に溶融混練し、ポリマーアロイチップを得た。この時、共重合PSの262℃、121.6sec-1での溶融粘度は140Pa・s、245℃、1216sec-1での溶融粘度は60Pa・sであった。
これを溶融温度260℃、紡糸温度260℃(口金面温度245℃)、紡糸速度1200m/分で参考例1と同様に溶融紡糸を行った。この時、口金として吐出孔上部に直径0.3mmの計量部を備えた、吐出孔径が0.7mm、吐出孔長が1.85mmのものを使用した。紡糸性は良好であり、1tの紡糸で糸切れは1回であった。この時の単孔あたりの吐出量は1.0g/分とした。得られた未延伸糸を延伸温度100℃、延伸倍率を2.49倍とし、熱セット温度115℃として参考例1と同様に延伸熱処理した。得られた延伸糸は161dtex、36フィラメントであり、強度1.4cN/dtex、伸度33%、U%=2.0%であった。得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEMで観察したところ、共重合PSが海、PBTが島の海島構造を示し、PBTの数平均による直径は70nmであり、PBTがナノサイズで均一分散化したポリマーアロイ繊維が得られた。
得られたポリマーアロイ繊維をトリクレンに浸漬することにより、海成分である共重合PSの99%以上を溶出し、これを乾燥して、PBTナノファイバーの繊維束を得た。この繊維束をTEM写真から解析した結果、PBTナノファイバーの数平均直径は85nmと従来にない細さであり、単繊維直径で200nmより大きいものの繊維比率は0重量%、単繊維直径で100nmより大きいものの繊維比率は1重量%であった。
得られたPBTナノファイバーの繊維束を2mm長に切断して、PBTナノファイバーのカット繊維を得た。これを参考例1と同様に予備叩解を施し、含水率80重量%のPBTナノファイバーを得た後、さらに参考例1と同様に叩解した。この叩解した繊維2.5g、分散剤としてノニオン系分散剤であるノイゲンEA−87(第一工業製薬(株)製:分子量10000)を0.5g、水500gを仕込み、30分間撹拌して、PBTナノファイバーの含有率が0.1重量%のPBTナノファイバー分散液を得た。
参考例4
溶融粘度220Pa・s(262℃、121.6sec-1)、融点225℃のPTT(ポリトリメチレンテレフタレート)と新日鐵化学(株)製共重合PS(ポリスチレン)(“エスチレン”KS−18、メチルメタクリレート共重合、溶融粘度110Pa・s、262℃、121.6sec-1)を、PTTの含有率を25重量%とし、混練温度を240℃として参考例1と同様に溶融混練し、ポリマーアロイチップを得た。また、この共重合PSの245℃、1216sec-1での溶融粘度は76Pa・sであった。
これを溶融温度260℃、紡糸温度260℃(口金面温度245℃)、紡糸速度1200m/分で参考例3と同様に溶融紡糸を行った。この時、口金として参考例3で用いたものと同様に吐出孔上部に直径0.23mmの計量部を備えた、吐出孔径が2mm、吐出孔長が3mmの紡糸口金を使用した。紡糸性は良好であり、1tの紡糸で糸切れは1回であった。この時の単孔吐出量は1.0g/分とした。得られた未延伸糸を90℃の温水バス中で2.6倍延伸を行った。これの横断面をTEMで観察したところ、共重合PSが海、PTTが島の海島構造を示し、PTTの数平均による直径は75nmであり、PTTがナノサイズで均一分散化したポリマーアロイ繊維が得られた。また、これは単繊維繊度3.9dtex、強度1.3cN/dtex、伸度25%であった。
得られたポリマーアロイ繊維を参考例3と同様にしてポリマーアロイ繊維中のPS成分の99%以上を溶出、乾燥し、PTTナノファイバーの繊維束を得た。この繊維束をTEM写真から解析した結果、PTTナノファイバーの数平均直径は95nmと従来にない細さであり、単繊維直径で200nmより大きいものの繊維比率は0重量%、単繊維直径で100nmより大きいものの繊維比率は3重量%であった。
得られたPTTナノファイバーの繊維束を2mm長に切断して、PTTナノファイバーのカット繊維を得た。これを参考例1と同様に予備叩解を施し、含水率80重量%のPTTナノファイバーを得た後、さらに参考例1と同様に叩解した。この叩解した繊維2.5g、分散剤としてノニオン系分散剤であるノイゲンEA−87(第一工業製薬(株)製:分子量10000)を0.5g、水500gを仕込み、30分間撹拌して、PTTナノファイバーの含有率が0.1重量%のPTTナノファイバー分散液を得た。
参考例5
参考例1のN6を溶融粘度350Pa・s(220℃、121.6sec-1)、融点162℃のPP(ポリプロピレン)(23重量%)とした以外は参考例1と同様に溶融混練し、ポリマーアロイチップを得た。なお、ポリL乳酸の220℃、121.6sec-1における溶融粘度は107Pa・sであった。このポリマーアロイチップを溶融温度230℃、紡糸温度230℃(口金面温度215℃)、単孔吐出量1.5g/分、紡糸速度900m/分で参考例1と同様に溶融紡糸を行った。得られた未延伸糸を延伸温度90℃、延伸倍率を2.7倍、熱セット温度130℃として参考例1と同様に延伸熱処理した。
得られたポリマーアロイ繊維を98℃の5%水酸化ナトリウム水溶液にて1時間浸漬することでポリマーアロイ繊維中のポリL乳酸成分の99%以上を加水分解除去し、酢酸で中和後、水洗、乾燥し、PPナノファイバーの繊維束を得た。この繊維束をTEM写真から解析した結果、N6ナノファイバーの数平均直径は240nmであり、単繊維直径で500nmより大きいものの繊維比率は0重量%であった。
得られたPPナノファイバーの繊維束を2mm長に切断して、PPナノファイバーのカット繊維を得た。これを参考例1と同様に予備叩解を施し、含水率75重量%のPPナノファイバーを得た後、さらに参考例1と同様に叩解した。この叩解した繊維を2.0g、分散剤としてノニオン系分散剤であるノイゲンEA−87(第一工業製薬(株):分子量10000)を0.5g、水500gを仕込み、30分間撹拌して、PPナノファイバーの含有率が0.1重量%のPPナノファイバー分散液を得た。
参考例6
参考例3のPBTを参考例5で用いたPPにし、参考例3と同様にしてPP極細繊維の繊維束を得た。この繊維束をTEM写真から解析した結果、PP極細繊維の数平均直径は600nmであった。
得られたPP極細繊維の繊維束を2mm長に切断して、PP極細繊維のカット繊維を得た。これを参考例1と同様に予備叩解を施し、含水率75重量%のPP極細繊維を得た後、さらに参考例1と同様に叩解した。この叩解した繊維を2.0g、分散剤としてノニオン系分散剤であるノイゲンEA−87(第一工業製薬(株)製:分子量10000)を0.5g、水500gを仕込み、30分間撹拌して、PP極細繊維の含有率が0.1重量%のPP極細繊維分散液を得た。
参考例7
海成分としてPS、島成分としてPET、海島比率50:50、島本数36本、紡糸速度1300m/分として、高分子相互配列体繊維を紡糸し、次いで、延伸倍率3.0倍となるように延伸して、単糸繊度3dtexの高分子相互配列体繊維の延伸糸を得た。これを参考例3と同様にして海島型繊維中のPS成分の99%以上を溶出、乾燥し、繊維径2μmのPET極細繊維束を得た。得られたPET極細繊維束を2mm長に切断して、PET極細繊維のカット繊維を得た。これを参考例1と同様に予備叩解を施し、含水率75重量%のPET極細繊維束を得た後、さらに参考例1と同様に叩解した。この叩解した繊維を2.0g、分散剤としてノニオン系分散剤であるノイゲンEA−87(第一工業製薬(株)製:分子量10000)を0.5g、水500gを仕込み、30分間撹拌して、PET極細繊維の含有率が0.1重量%のPET極細繊維分散液を得た。
参考例8
参考例1のファイバーミキサーMX−X103(松下電器産業(株)製)にてN6ナノファイバーを撹拌する際に、分散剤を用いないこと以外は参考例1と同様にして0.1重量%のN6ナノファイバー分散液を得た。この分散液中のナノファイバーのゼータ電位は−14mVであった。
参考例9
溶融粘度280Pa・s(300℃、1216sec-1)のPETを80重量%、溶融粘度160Pa・s(300℃、1216sec-1)のポリフェニレンサルファイド(PPS)を20重量%として、下記条件で2軸押出混練機を用いて溶融混練を行い、ポリマーアロイチップを得た。ここで、PPSは直鎖型で分子鎖末端がカルシウムイオンで置換されたものを用いた。
スクリュー :L/D=45
混練部長さはスクリュー有効長さの34%
混練部はスクリュー全体に分散させた。
途中2個所のバックフロー部有り
ポリマー供給:PPSとPETを別々に計量し、別々に混練機に供給した。
温度 :300℃
ベント :無し
ここで得られたポリマーアロイチップを参考例1と同様に紡糸機に導き、紡糸を行った。この時、紡糸温度は315℃、限界濾過径15μmの金属不織布でポリマーアロイ溶融体を濾過した後、口金面温度292℃とした口金から溶融紡糸した。この時、口金としては、吐出孔上部に直径0.3mmの計量部を備えた、吐出孔径が0.6mmのものを用いた。そして、この時の単孔あたりの吐出量は1.1g/分とした。さらに、口金下面から冷却開始点までの距離は7.5cmであった。吐出された糸条は20℃の冷却風で1mにわたって冷却固化され、脂肪酸エステルが主体の工程油剤が給油された後、非加熱の第1引き取りローラーおよび第2引き取りローラーを介して1000m/分で巻き取られた。この時の紡糸性は良好であり、24時間の連続紡糸の間の糸切れはゼロであった。そして、これを第1ホットローラーの温度を100℃、第2ホットローラーの温度を130℃として延伸熱処理した。この時、第1ホットローラーと第2ホットローラー間の延伸倍率を3.3倍とした。得られたポリマーアロイ繊維は400dtex、240フィラメント、強度4.4cN/dtex、伸度27%、U%=1.3%の優れた特性を示した。また、得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEM観察したところ、海ポリマーであるPET中にPPSが島として直径100nm未満で均一に分散していた。また、島の円換算直径を画像解析ソフトWINROOFで解析したところ、島の平均直径は65nmであり、PPSが超微分散化したポリマーアロイ繊維が得られた。
得られたポリマーアロイ繊維を98℃の5%水酸化ナトリウム水溶液にて2時間浸漬することでポリマーアロイ繊維中のPET成分の99%以上を加水分解除去し、酢酸で中和後、水洗、乾燥し、PPSナノファイバーの繊維束を得た。この繊維束をTEM写真から解析した結果、PPSナノファイバーの数平均直径は60nmと従来にない細さであり、単繊維直径100nmより大きいものの繊維比率は0重量%であった。
得られたN6ナノファイバーの繊維束を3mm長に切断して、PPSナノファイバーのカット繊維を得た。これを参考例1と同様に予備叩解を施し、含水率80重量%のPPSナノファイバーを得た後、さらに参考例1と同様に叩解した。この叩解した繊維2.5g、分散剤としてノニオン系分散剤であるノイゲンEA−87(第一工業製薬(株)製:分子量10000)を0.5g、水500gを仕込み、30分間撹拌して、PPSナノファイバーの含有率が0.1重量%のPPSナノファイバー分散液を得た。
参考例10、11
参考例10ではN6ナノファイバーのカット長を0.5mm、参考例11ではN6ナノファイバーのカット長を0.2mmとした以外は参考例1と同様にしてN6ナノファイバーの含有率が0.1重量%のN6ナノファイバー分散液を得た。
実施例1〜5および比較例1、2
実施例1〜5は参考例1〜5で得られたナノファイバー分散液、比較例1、2は参考例6、7で得られた極細繊維分散液を水で10倍希釈し(ナノファイバー濃度0.01重量%)、霧吹きに入れ、多孔質の支持体としてPET極細繊維不織布ベースの人工皮革“エクセーヌ”(東レ(株)登録商標)7000Tに3回吹き付けて、40℃で30分間乾燥した。これの表面をSEM写真で観察したところ、参考例1〜5の分散液を使用した実施例1〜5は、多孔質の支持体を構成する直径7.3μmの太い繊維の間に細いナノファイバーが網目状に張りめぐらされていることが確認できた。図1は実施例1で得られたナノファイバー構造体表面のSEMによる観察結果を示す図であるが、ナノファイバーが単繊維分散して網目状構造を形成している部分もあるが、ナノファイバーが複数本部分的に結合しながら網目状構造を形成している部分もあることがわかった。また、網目状構造のポアの孔径は100nm〜3μm程度であった。また、支持体を構成する繊維にも同様な形態でナノファイバーが網目状に貼りついていることが確認された。
一方、参考例6、7の分散液を使用した比較例1、2では、叩解時に繊維同士が十分分散しきれなかったため、繊維の塊状のものがダマとなって付着しており、網目状構造をとっていなかった。また、繊維が霧吹きに詰まり、噴霧そのものが困難であった。
実施例6
参考例1で得られたN6ナノファイバー分散液を水で100倍希釈したもの(ナノファイバー濃度0.001重量%)に実施例1で使用した多孔質の支持体を1分間、完全に浸漬した後、支持体に付着した余分なナノファイバー分散液をマングルで絞り、60℃で1時間乾燥し、分散媒を除去してナノファイバー構造体を得た。これの表面および内部をSEM写真で観察したところ、ナノファイバー構造体の表面および内部に、多孔質の支持体を構成する直径7.3μmの太い繊維の間に細いナノファイバーが3次元の網目状に張りめぐらされていることが確認できた。網目状構造を観察するとナノファイバーが単繊維分散して網目状構造を形成している部分もあるが、ナノファイバーが複数本部分的に結合しながら網目状構造を形成している部分もあることがわかった。また、網目状構造のポアの孔径は60nm〜1.5μm程度であった。また、支持体を構成する繊維にも同様な形態でナノファイバーが網目状に貼りついていることが確認された。
実施例7
参考例1で得られたN6ナノファイバー分散液に増粘剤としてセロゲンF−SL(第一工業製薬(株)製)を0.1重量%添加したもの(ナノファイバー濃度0.1重量%)を実施例1で使用した多孔質の支持体に1g/cm2 でコートした後、60℃で1時間乾燥し、分散媒を除去してナノファイバー構造体を得た。これの表面をSEM写真で観察したところ、多孔質の支持体を構成する直径7.3μmの太い繊維の間に細いナノファイバーが網目状に張りめぐらされていることが確認できた。網目状構造を観察するとナノファイバーが単繊維分散して網目状構造を形成している部分もあるが、ナノファイバーが複数本部分的に結合しながら網目状構造を形成している部分もあることがわかった。また、ナノファイバー分散液のナノファイバー濃度が高いこともあり、ナノファイバー量が多く均一に積層しており、網目状構造のポアの孔径は50nm〜80nmと比較的小さいものであった。また、支持体を構成する繊維にもナノファイバーが網目状に貼りついていることが確認された。
実施例8
単糸繊度が1.9dtexのPP原綿にカーディングおよびラッピングを施し、さらにニードルパンチを500本/cm2 のパンチ密度で施して、目付240g/m2 のPP不織布を得た。参考例1で得られたN6ナノファイバー分散液500gを水で40倍希釈し(ナノファイバー濃度0.0025重量%)角形シートマシン(熊谷理機工業(株)製)に仕込んで、PP不織布上に抄紙した後、支持体に付着した余分なナノファイバー分散液をNo.2定性用ろ紙(東洋濾紙(株)製)で吸い取り、高温用回転型乾燥機(熊谷理機工業(株)製)を用いて110℃で2分間乾燥し、分散媒を除去してナノファイバー構造体を得た。得られたナノファイバー構造体をSEM観察したところ多孔質支持体の表面だけでなく内部までナノファイバーが3次元の網目状に張りめぐらされたものであった。網目状構造を観察するとナノファイバーが単繊維分散して網目状構造を形成している部分もあるが、ナノファイバーが複数本部分的に結合しながら網目状構造を形成している部分もあることがわかった。また、網目状構造のポアの孔径は50nm〜1μm程度であった。また、支持体を構成する繊維にも同様の形態でナノファイバーが網目状に貼りついていることが確認された。
実施例9〜13
実施例9では、多孔質支持体を、83dtex−36フィラメント、100本/インチのPET平織物とした以外は実施例1と同様にしてナノファイバー構造体を得た。
実施例10では、多孔質支持体を、83dtex−36フィラメント、28ゲージの丸編み機編みたてた、編み組織スムースのPET横編物とした以外は実施例1と同様にしてナノファイバー構造体を得た。
実施例11では、多孔質支持体を、No.2定性用ろ紙(東洋濾紙(株)製)とした以外は実施例1と同様にしてナノファイバー構造体を得た。
実施例12では、多孔質支持体を、JIS K6767で測定した見かけ密度が0.033g/cm3、JIS K6402で測定した見かけ平均気泡径が0.6mmのポリエチレンフォームとした以外は実施例1と同様にしてナノファイバー構造体を得た。
実施例13では、多孔質支持体を、厚さ10μmのPETフィルムとした以外は実施例1と同様にしてナノファイバー構造体を得た。
これら実施例9〜13でそれぞれ得られたナノファイバー構造体をSEM観察したところ、いずれも多孔質支持体の孔部分にナノファイバーが網目状に張りめぐらされたものであった。
さらに、網目状構造を観察すると、ナノファイバーが単繊維分散して網目状構造を形成している部分もあるが、ナノファイバーが複数本部分的に結合しながら網目状構造を形成している部分もあることがわかった。また、実施例9〜13の支持体にも同様の形態でナノファイバーが網目状に貼りついていることが確認された。
実施例14、15
実施例14では参考例1、実施例15では参考例8の分散液を水で10倍に希釈し(ナノファイバー濃度0.01重量%)、直径33μm、325本/インチのステンレス金網に2滴(0.1g)滴下したものを70℃で10分間乾燥し、急速に分散媒を除去してN6ナノファイバー構造体を得た。図2は実施例14のナノファイバー構造体表面のSEMによる観察結果を示したものであるが、ナノファイバーが単繊維分散して網目状構造を形成している部分もあるが、ほとんどはナノファイバーが複数本部分的に結合しながら網目状構造を形成していることがわかった。また、網目状構造のポアの孔径は100nm〜1.5μm程度であった。一方、図3は実施例15のナノファイバー構造体表面のSEMによる観察結果を示したものであるが、ナノファイバーが複数本凝集している束状部分が積層し、その上にナノファイバー単繊維が分散して網目状構造が形成されていた。また、網目状構造のポアの孔径は50nm〜0.8μm程度と実施例14と比較するとより小さいものであった。
実施例14および15では金網との濡れ性が低いため、滴下したナノファイバー分散液は半球状に近い形態をしており、噴霧や浸漬、抄紙などとは明らかに滴下液の形状が異なっていた。このため、急速乾燥させると滴下液の厚み方向へ急激なナノファイバーの濃縮が起こると考えられる。
さらに、実施例15は分散剤を含んでいないため、分散液を滴下した時から一部のナノファイバーが凝集していたと考えられ、それが急速な乾燥により単純に厚み方向に圧縮され、図3のような形態になったと考えられる。一方、実施例14は分散剤を含むため、分散液を滴下したときには単繊維分散していたと考えられるが、濃縮過程でナノファイバーが2次凝集を起こしたものと考えられる。しかし、急速乾燥であったため、2次凝集がそれほど進まず、図2のような形態になったと考えられる。
このように、分散剤によるナノファイバー分散液中のナノファイバーの分散状態や乾燥速度、ナノファイバー分散液と支持体との濡れ性、付着液の形態により得られる網目状構造をコントロールすることが可能である。
実施例16〜18
実施例16〜18では参考例9〜11で得られたナノファイバー分散液を用い、水で10倍希釈し(ナノファイバー濃度0.01重量%)、霧吹きに入れ、実施例1と同様にPET極細繊維不織布ベースの人工皮革“エクセーヌ”(東レ(株)登録商標)7000Tに3回吹き付けて、40℃で30分間乾燥した。
これの表面をSEM写真で観察したところ、実施例16〜18は、多孔質の支持体を構成する直径7.3μmの太い繊維の間に細いナノファイバーが網目状に張りめぐらされていることが確認できた。網目状構造を観察すると、ナノファイバーが単繊維分散して網目状構造を形成している部分もあるが、ナノファイバーが複数本部分的に結合しながら網目状構造を形成している部分もあることがわかった。また、網目状構造のポアの孔径は100nm〜3μm程度であった。また、支持体を構成する繊維にも同様な形態でナノファイバーが網目状に貼りついていることが確認された。
以上説明した各参考例をまとめて表1に、各実施例および比較例をまとめて表2に、それぞれ示す。
Figure 2005330639
Figure 2005330639
本発明に係るナノファイバー構造体の製造方法は、支持体にナノファイバーを複合して構成するあらゆるナノファイバー構造体の製造に適用でき、とくに、ナノファイバー構造体の表面平滑性、しなやかさや拭き取り性を活かした研磨、ワイピング、ポリッシング用途にも好適である。また、生活資材用途から各種産業分野におけるフィルター、血液フィルターなどのメディカル用ナノファイバーフィルターの製造に好適である。さらに、フィルターだけに留まらず、もちろんアパレルやインテリア、車輌内装、美容などの生活資材用途などの一般繊維用途にも好適である。
実施例1のナノファイバー構造体表面のSEMによる観察結果を示す図である。 実施例14のナノファイバー構造体表面のSEMによる観察結果を示す図である。 実施例15のナノファイバー構造体表面のSEMによる観察結果を示す図である。 本発明のナイロンナノファイバーの繊維横断面の一例を示す、TEMによる観察結果を示す図である。

Claims (18)

  1. 数平均直径が1〜500nmである熱可塑性ポリマーからなるナノファイバーを分散媒中に分散させたナノファイバー分散液を、支持体に付着させた後、該分散媒を除去することを特徴とする、ナノファイバー構造体の製造方法。
  2. 熱可塑性ポリマーからなるナノファイバーが、数平均直径が1〜200nmのものであることを特徴とする、請求項1に記載のナノファイバー構造体の製造方法。
  3. 支持体にナノファイバー分散液を付着させるに際して、ナノファイバー分散液を噴霧して付着させることを特徴とする、請求項1または2に記載のナノファイバー構造体の製造方法。
  4. 支持体にナノファイバー分散液を付着させるに際して、該支持体をナノファイバー分散液に浸漬させ、該ナノファイバー分散液を付着させることを特徴とする、請求項1または2に記載のナノファイバー構造体の製造方法。
  5. 支持体にナノファイバー分散液を付着させるに際して、該支持体にナノファイバー分散液をコーティングして付着させることを特徴とする、請求項1または2に記載のナノファイバー構造体の製造方法。
  6. 支持体として多孔質のものを用いることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のナノファイバー構造体の製造方法。
  7. 数平均直径が1〜500nmである熱可塑性ポリマーからなるナノファイバーを、分散媒中に分散させたナノファイバー分散液にして多孔質の支持体を基材に用いて抄造することを特徴とする、ナノファイバー構造体の製造方法。
  8. ナノファイバー分散液中に含まれるナノファイバー濃度が0.0001〜1重量%であることを特徴する、請求項1〜7のいずれかに記載のナノファイバー構造体の製造方法。
  9. ナノファイバー濃度が0.001〜0.1重量%であることを特徴とする、請求項8に記載のナノファイバー構造体の製造方法。
  10. ナノファイバー分散液中に含まれる分散剤の濃度が0.00001〜20重量%であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載のナノファイバー構造体の製造方法。
  11. 分散剤の濃度が0.0001〜5重量%であることを特徴とする、請求項10に記載のナノファイバー構造体の製造方法。
  12. 分散剤がノニオン系分散剤、アニオン系分散剤、カチオン系分散剤の群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、請求項10または11に記載のナノファイバー構造体の製造方法。
  13. ナノファイバーのゼータ電位が−5〜+5mVの範囲内であり、分散剤がノニオン系分散剤であることを特徴とする、請求項12に記載のナノファイバー構造体の製造方法。
  14. ナノファイバーのゼータ電位が−100mV以上、−5mV未満であり、分散剤がアニオン系分散剤であることを特徴とする、請求項12に記載のナノファイバー構造体の製造方法。
  15. ナノファイバーのゼータ電位が+5mVを超え、100mV以下であり、分散剤がカチオン系分散剤であることを特徴とする、請求項12に記載のナノファイバー構造体の製造方法。
  16. 分散剤の分子量が1000〜50000であることを特徴とする、請求項10〜15のいずれかに記載のナノファイバー構造体の製造方法。
  17. ナノファイバー中に含まれる500nmより大きく1μm以下の直径範囲にある単繊維の繊維比率が3重量%以下であることを特徴とする、請求項1〜16のいずれかに記載のナノファイバー構造体の製造方法。
  18. 支持体が不織布、紙、織物、編物および発泡体からなる群から選ばれる少なくとも1つの構造物からなることを特徴とする、請求項1〜17のいずれかに記載のナノファイバー構造体の製造方法。
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