JP2021004431A - 海島繊維 - Google Patents

海島繊維 Download PDF

Info

Publication number
JP2021004431A
JP2021004431A JP2019119861A JP2019119861A JP2021004431A JP 2021004431 A JP2021004431 A JP 2021004431A JP 2019119861 A JP2019119861 A JP 2019119861A JP 2019119861 A JP2019119861 A JP 2019119861A JP 2021004431 A JP2021004431 A JP 2021004431A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
island
component
sea
fibers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019119861A
Other languages
English (en)
Inventor
紘佑 ▲はま▼田
紘佑 ▲はま▼田
Kosuke Hamada
正人 増田
Masato Masuda
正人 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2019119861A priority Critical patent/JP2021004431A/ja
Publication of JP2021004431A publication Critical patent/JP2021004431A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Multicomponent Fibers (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

【課題】極細繊維間が点で結合しながら、厚み方向に3次元的な空隙形成を可能とし、更に、シートが一体化することで実使用時の耐性や成形加工性に優れた高機能フィルター用濾材にも適用できる繊維シートを得る。【解決手段】海成分中に融点が異なる2種類以上のポリマーからなる複合型の島成分が配された繊維断面を有しており、島成分の径が0.1〜5.0μm、異形度が1.0〜1.3であることを特徴とする海島繊維。【選択図】なし

Description

本発明は緻密な空隙構造の形成が必要となる湿式抄紙等の繊維シートの製造に適した海島繊維に関する。
ポリエステルやポリアミドなどの熱可塑性ポリマーを用いた繊維は力学特性や寸法安定性に優れるため、衣料用途のみならずインテリアや車両内装、産業用途等幅広く利用されている。これらの繊維の極細化は、繊維の細くて長いという形態的な素材の特徴を引き立たせるため、繊維材料の高機能化における主流技術のひとつである。
極細繊維の製造には、易溶解成分からなる海成分中に難溶解成分からなる島成分が複数点在した繊維断面を有した海島繊維を繊維製品に成形した後に、海成分を溶出させることで、島成分からなる極細繊維を発生させる手法が主に採用されている。この製造方法で得られる繊維径が数μmのマイクロファイバーや数百nmのナノファイバーからなる繊維シートは、微細な空隙による塵埃捕集性能や比表面積増大による高吸着性能などが期待でき、高機能フィルター、有害物質除去製品、電池用セパレーターなどの環境・産業資材用途などに幅広く活用されている。
近年、空気中に漂う微細ダストによる健康問題等も注目されるようになり、ナノファイバー等の極細繊維による高機能な繊維シートは、住環境から産業資材にいたる幅広い分野でフィルター用濾材として使用されている。
極細繊維による繊維シートは、基本的なフィルター性能に優れることが求められ、更には、濾材の濾過面積を高めることによる長寿命化を狙い、プリーツ状に折り曲げたり、エンボス加工により表面凹凸などの加工が施されて、フィルターシステムに組み込まれている。このため、濾材には成形加工後の形態保持性のための剛性が必要となるが、極細繊維自体はその細さに応じて剛性が低下するため、極細繊維のみのシートでは剛性を持たず、更には、表面への擦過等により簡単に毛羽立つ等の耐久性も課題になる場合がある。このため、フィルター用濾材等に用いられる繊維シートには剛性や耐久性を付与することを目的として、熱接着繊維等の熱接着を活用して、繊維シート自体を一体化したり、補強層と積層させるなどして剛性や耐久性を高める手法が採用される。
特許文献1では、メルトブロー法による極細繊維に芯鞘断面の熱接着繊維を混合し、その後に厚み方向に加圧しながら熱を加えることで繊維ウェブを一体化し、剛性を付与するものである。これによりフィルター用濾材として使用する際にかかる圧力損失等に耐えうる剛性と折り曲げて成形する際のプリーツの折り目がシャープに形成され等の成形加工性が付与される。
また、特許文献2では、スパンボンド不織布に極細繊維と熱接着繊維が混在した繊維ウェブを積層させるものであり、混在層に混ぜた平均繊維径10〜100μmの熱接着性繊維で極細繊維等を融着して一体化させ、積層体の剛性を確保するものである。
特許文献3では、フィルター性能を担う極細繊維層に熱接着繊維が混在した不織布層を積層させ、片面に熱圧着加工を施すものである。このため、低融点成分の融着部分が最小範囲に収まり、高い塵捕捉性能を有しながら、プリーツ加工性にも優れるフィルター用濾材になる可能性がある。
また、フィルター性能を担う極細繊維と、これと同等以下の繊維径を有する熱接着繊維を使用することが考えられ、このような繊維シートに関する技術としては、特許文献4の提案がある。
特許文献4は、単一成分Aと芯鞘構造を有した成分Bとが交互に配列された特殊な複合断面を有した分割型複合繊維を用いるものであり、この分割型複合繊維の分割により形成された繊度0.6dtex未満の極細芯鞘繊維(成分B)が混在して熱接着することで、薄くても剛性のある繊維シートになると記載されている。
特開2010−64010号公報(特許請求の範囲) 特開2014−4555号公報(特許請求の範囲) 特開2010−149037号公報(特許請求の範囲) 特開2011−9150号公報(特許請求の範囲)
特許文献1、2および3では、極細繊維に熱接着性繊維を混合し、熱接着繊維と極細繊維を融着させることで一体化し、極細繊維による繊維ウェブの剛性を高めることができる。しかしながら、特許文献1、2および3の技術においては、実質的なフィルター性能を担う極細繊維と比べて、10倍以上サイズが大きい熱接着繊維を用いている。この場合、溶融した熱接着繊維に多くの極細繊維が取り込まれることに加え、過剰な融着成分によって極細繊維が形成する微細な繊維間空隙が埋められてしまうこととなる。また、極細繊維の分布にも偏りが生じることで粗密が生まれ、場合によってはピンホールが形成されることとなり、フィルター性能を高めるにも限界があるものであった。更には、熱接着部分も不均一となるため、極細繊維がシート全体に均一に一体化されているとは言い難く、表面擦過による毛羽には改善が必要な場合もある。
特許文献4では、分割型複合繊維であることを技術のポイントとしており、これにより形成される繊維シートはおのずと繊維間空隙が過剰に小さい緻密な構造となってしまう。また、繊維シートを構成する繊維に対して、低融点成分が多量になるため、極細繊維による微細な空隙には、溶融した低融点成分が侵入することとなり、繊維シートの空隙は過剰に小さいものとなる。このため、フィルター用濾材として活用するには、圧力損失が高く、更に、塵捕集や吸着に有効な繊維表面が不要に失われることとなる。
このため、昨今のナノファイバー等の極細繊維を採用した繊維シートは、極細繊維が奏でる超比表面積、微細空隙効果等を有効に利用できているとは言い難く、極細繊維間が点で結合しながら、厚み方向に3次元的な空隙形成を可能とし、更に、シートが一体化することで実使用時の耐性や成形加工性に優れた高機能フィルター用濾材にも適用できる繊維シートを得るための繊維素材が望まれていた。
上記課題は、以下の手段により達成される。すなわち、
(1)海成分中に融点が異なる2種類以上のポリマーからなる複合型の島成分が配された繊維断面を有しており、島成分の径が0.1〜5.0μm、異形度が1.0〜1.3であることを特徴とする海島繊維、
(2)複合型の島成分の断面が低融点ポリマーを鞘成分とした芯鞘断面であり、該島成分の鞘面積比率が10〜50%であることを特徴とする前記(1)に記載の海島繊維、
(3)海成分が、1.0〜20.0mol%の5−ナトリウムスルホイソフタル酸および0.1〜20.0wt%のポリエチレングリコールを共重合したポリエステルからなることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の海島繊維、
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の海島繊維から海成分を除去した極細複合繊維、
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の繊維がすくなくとも一部を構成する繊維製品、
である。
本発明の海島繊維は、単独でもしくは他の繊維と共に織編物、不織布および紙などの繊維シートに成形した後に、海成分を除去することで、複合型の島成分による極細複合繊維を発生させ、極細複合繊維を含む繊維シートとすることができる。
本発明の海島繊維は、単独で使用するだけでも、微細な空隙を形成でき、この空隙による優れた機能を有する繊維シートとなるが、その繊維径が非常に小さいことで、ナノファイバー等の極細繊維と混合した場合に均一に分散するという優れた特徴を有している。このため、従来技術では達成されなかった微細空隙を有した3次元的なネットワーク構造が形成され、高精度の濾過や分離が可能となる。
更には、本発明を適用した繊維シートは、フレキシブルに曲げ変形が可能でありながら、良好な熱成形性を有することとなるため、プリーツ加工等を施すことで、高捕集性能と長寿命を兼ね備えた高機能フィルター濾材等の製造が可能になる。
本発明の海島繊維の断面の一例の概要図であって、図1(a)は格子状に島成分が配置された断面、図1(b)は同心円状に島成分が配置された断面である。 島成分の断面形態を説明するための概要図であり、本発明の複合型の島成分あるいは極細複合繊維の例である。 島成分の断面形態を説明するための概要図であり、本発明の複合型の島成分あるいは極細複合繊維の例であって、図3(a)は芯鞘型断面、図3(b)はバイメタル型断面、図3(c)は分割型断面である。
以下、本発明について、望ましい実施形態とともに詳述する。
本発明で言う海島繊維とは、図1に示す通り繊維軸に対して垂直方向の繊維断面において、海成分(図1中の3)の中に島成分(図1中の1と2)が規則的に配置された形態を有している繊維のことを言う。ここでいう規則的な配置とは、島成分が秩序だったパターンで海成分中に存在していることを意味しており、図1に例示するように、島成分が格子状に配置されたり(図1(a))、同心円状に配置される(図1(b))ことが好ましい形態として挙げられる。
ここで、本発明の海島繊維の特徴は、島成分が融点の異なる2種類以上のポリマーから構成された複合型の島成分であることであり、これが、本発明をなす第1の要件である。
本発明で言う融点が異なる状態とは、2種類のポリマー間で、融点差が5℃以上あることを意味している。融点差が5℃以上あることにより、加圧下で低融点成分の融点−15℃以上を目安にして加熱する場合に、低融点成分のみが半溶融から溶融の状態になり、周囲の繊維を融着することができる。
2種類のポリマーの融点差が拡がるほど、融着処理を行うための加熱条件等の設定が容易になる。このため、島成分を構成する2種類のポリマー(島成分1および島成分2)の融点は20℃以上離れていることが好ましい。係る範囲であれば、低融点成分は十分に溶融しながらも、かつ高融点成分の配向の低下幅が抑えられるため、緻密に加熱条件を制御することなく、繊維シートの縦および幅方向の収縮や力学特性低下が抑制されるため、好適なのである。
ここで言う融点とは、示差走査熱量測定(DSC)で測定した融解吸熱曲線に観測される融解ピークのピークトップ温度を意味し、例えば、具体的には以下の方法で測定が可能なものである。すなわち、本発明に用いる樹脂をペレット状等で準備して、10mgを計量してアルミパンに封入する。その後、TA Instruments社製DSC Q2000に設置して、昇温速度16℃/分で測定を行い、融解吸熱曲線の2nd runの融解ピークのピークトップ温度をそのサンプルの融点として求めるものである。この融点は、繊維とする前に予め融点を測定することもできるし、繊維化後も同様の方法で評価することもできる。繊維化後に測定すると前述した融解ピークのピークトップが2箇所以上現れることになるため、それぞれのピークトップ温度の差を評価すればよい。
本発明の島成分を構成するポリマーは、融点の異なるポリマーの組み合わせであれば、目的を達成することが可能となるが、本発明が目的とする極細繊維による3次元的なネットワーク構造を繊維シートに形成させるには、組み合わせるポリマーの溶解度パラメータにも着目して選定することが好適である。
すなわち、ここで言う溶解度パラメータ(SP値)とは、(蒸発エネルギー/モル容積)1/2で定義される物質の凝集力を反映するパラメータであり、この値が近いほどそのポリマーの組み合わせは親和性高くなじみやすいことを意味している。このSP値は種々のポリマーで知られているが、例えば「プラスチック・データブック」(旭化成アミダス株式会社/プラスチック編集部共編、1999年)の189ページ等に記載されている。
組み合わせる2種類のポリマーのSP値の差が絶対値で2〜7(MJ/m1/2であれば、低融点成分を溶融させた際には低融点成分が局所的に存在することになるため、結果として繊維間を点で接着することとなり、溶融した低融点成分が空隙内に侵入することなく、極細繊維による微細空隙を確保した繊維シートが得られるのである。このため、本発明の島成分を構成する2種類のポリマーのSP値差は絶対値で、2〜7(MJ/m1/2であることが好ましい。特に、このSP値差が大きい組み合わせのポリマーを選択することは、ポリマーの融点差が大きいほど局所的な接着を発現し、本発明者らの検討においては、融点差が20℃以上であれば、SP値差を4〜7(MJ/m1/2にすることがより好ましいのである。
以上のような観点からすると、本発明の島成分を構成する好ましい組み合わせとしては、融点差も考慮して、例えば、ポリエチレンテレフタレート/ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート/ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート/熱可塑性ポリウレタン、ポリフェニレンサルファイド/ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート/ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。また、これらのポリマーのホモポリマーと共重合ポリマーの組み合わせも好ましい。適用する繊維シートの他の繊維との相性、また、最終的に必要となる力学特性、耐熱性および耐薬品性等から選択すればよいが、後述する製造過程における取り扱い性や各種繊維特性という観点から、ポリエチレンテレフタレート/ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ポリオレフィン、ポリフェニレンサルファイド/ポリエチレンテレフタレート等が結晶性等も高くより好ましい。この中でも、後述する脱海処理時の溶剤への耐性、融点差とSP値差のバランスを踏まえると、ポリエチレンテレフタレート/ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ポリオレフィン、ポリフェニレンサルファイド/ポリエチレンテレフタレートの組み合わせが本発明には特に好ましい。これらのポリマーは、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化チタン、シリカ、酸化バリウムなどの無機質、カーボンブラック、染料や顔料などの着色剤、難燃剤、蛍光増白剤、酸化防止剤、あるいは紫外線吸収剤などの各種添加剤をポリマー中に含んでいてもよい。
本発明の海島繊維における海成分は、ポリエステルおよびその共重合体、ポリ乳酸、ポリアミド、ポリスチレンおよびその共重合体、ポリエチレン、ポリビニールアルコールなどの溶融成形可能で、島成分及び繊維シートの主たる繊維よりもアルカリ溶液などの溶剤に対して易溶解性を示すポリマー(易溶解性ポリマー)から選択することが好ましい。ここでいう易溶解性ポリマーとは、溶解処理に用いる溶剤に対して、難溶解性ポリマー(島成分あるいは繊維シートの主たる繊維を構成するポリマー)を基準とした際に、溶解速度比(=易溶解性ポリマーの溶解速度/難溶解性ポリマーの溶解速度)が100以上であることが好適であり、溶解処理の簡略化や溶剤による島成分の不要な劣化を抑制するために、この溶解速度比が3000以上となるポリマーを選択することが好ましい。
本発明の態様において海成分は、上記したポリマー群の中で、特に主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートからなるポリエステルであって、5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分を3.0〜20.0mol%、ポリエステル組成物に対するポリエチレングリコールの含有量が0.1〜20.0wt%であるポリエステル組成物を用いることが好適である。
上記ポリエステル組成物を海成分とすれば、融点が異なる3成分のポリマーからなる海島繊維であっても、製糸工程中に海成分が十分配向結晶化することで、製糸工程中および繊維巻取り後においても雰囲気からの吸湿を抑制し、海成分が可塑化・融着することが大きく抑制されることになる。更に、製糸工程中に形成された結晶構造によって、熱に対する耐性も付与されることから、高次加工における取り扱い性が大きく向上するが本発明において好適な効果を発揮する。すなわち、巻取りパッケージにおける融着も大きく抑制されることになるため、パッケージからの糸解舒性もよく、抄紙用の短繊維といった様々な形態に加工することが可能となる。一方、一般的な海島繊維の海成分に用いられる共重合ポリマー等においては、繊維化した際に繊維構造がルーズになる。短繊維化する際には繊維を数千から数十万dtexに合糸したトウをカッターによりせん断をかけて短カットする加工が一般的であるが、通常の海成分を用いた場合には、カッターと繊維間で発生するせん断熱により、単繊維同士が融着して、その他の素材と混合した場合の分散性が悪化する場合があった。上記のポリエステル組成物を海成分に用いた場合には、単繊維同士での融着は大きく抑制されるため、特殊な混合方法等を用いることなく、他の素材とも均一に混合することが可能となる。これは、本願の目的である均質にバインダーが分散したシート構造を形成するのに有効に作用するのである。
このような観点で推し進めると、本発明の海島繊維に用いる海成分ポリマーは、ポリエチレングリコールが0.1〜10.0wt%共重合されていることが特に好ましく、この際に5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分は3.0〜20.0mol%であることが好適である。また、この場合、共重合するマトリクスポリマーがポリエステルの場合には、ポリエチレングリコールの数平均分子量が100〜10000の範囲で選択されることが好適であり、かかる範囲であれば、ポリエステル内にポリエチレングリコールが満遍なく分散し、ポリエチレングリコールに求める親水性の効果を十分に発揮することができる。更に、ポリエチレングリコールとポリエステルの分子的な相溶性という観点からは、ポリエチレングリコールの数平均分子量が100〜5000とすることが特に好ましい。
本発明の海島繊維は、海成分を除去する脱海処理を行い、極細複合繊維を発生させるものであるが、単体で用いる際の超比表面積効果や微細空隙効果、他の繊維と混合して使用する際の均一分散性等については島成分のサイズと形状が重要な要件となる。このため、本発明の海島繊維においては、島成分径が0.1〜5.0μmであり、異形度が1.0〜1.3であることが必要であり、この島成分径および異形度は、以下のように求める。
すなわち、繊維をエポキシ樹脂などの包埋剤にて包埋し、この横断面(繊維軸に垂直方向の繊維断面)を透過型電子顕微鏡(TEM)で島成分が100島以上観察できる倍率で、10画像を撮影する。この際、金属染色を施せば、海成分と島成分間、低融点成分と高融点成分間のコントラストをはっきりさせることができる。この繊維断面が撮影された各画像から無作為に抽出した10島の島成分について、画像処理ソフト(WINROOF)を用いてそれぞれ島成分径と異形度を測定する。
ここで言う島成分径とは、繊維軸に対して垂直方向の断面(切断面)を2次元的に撮影した画像から計測した、繊維(島成分)の外周に外接する真円の直径のことを意味する。図2には本発明の要件の説明を明確にするため、歪んだ島成分断面を一例として示すが、図2中に点線で示す繊維(島成分)の外周に外接する真円(図2中の4)の直径が本発明で言う島成分径にあたる。この島成分径の値に関しては、μm単位で小数点第3位まで測定し、小数点第3位以下を四捨五入するものである。
また、異形度とは、上記の撮影画像から計測した、繊維(島成分)の外周に内接する真円の直径のことを意味する。一例としては、図2中の一点鎖線(図2中の5)のように繊維(島成分)の外周に内接する真円の直径を内接円径として、異形度=島成分径÷内接円径により求めた値の小数点第2位以下を四捨五入するものである。
以上の操作を、撮影した10画像について行い、10画像の単純な数平均値を本発明で言う島成分径および異形度とした。
本発明では、後述する製造方法によって、島成分径を0.1μm未満とすることも可能であるが、島成分径を0.1μm以上にすることで、発生する極細複合繊維を単独で使用する場合でも、繊維シートに適度な嵩高性が発現したり、熱接着処理する際の負荷で極細複合繊維が部分的に破断することなく、使用することができる。また、シートの基材となる繊維やフィルター性能等の比表面積を活用した性能発現を考えた場合には、繊維径は5.0μm以下とする必要がある。
本発明においては、海島繊維のまま他の繊維と混合して、湿式抄紙等により繊維シートとして利用することが好適であるが、脱海処理を行うことで島成分からなる極細複合繊維とした後に他の繊維と混合し、繊維シートとすることもできる。
海島繊維のまま他の素材と混合する場合には、海島繊維が汎用繊維と同様の繊維径を有しているため、他素材とのこなれがよく、均質に混合することができる。このようにあらかじめ他の素材と混合することにより、3次元的に均質に存在させることにより、高次加工により海成分を除去した場合には、均一に且つ、点で接合された繊維シートになるのである。
更に、繊維シート化する際の混合における均一分散および熱接着時に周囲の繊維を点で結合することができるが、これらの効果を十分に発揮できる条件として、島成分径が0.1〜5.0μmであることが必要となる。特に他の繊維の間に均一に入り込み、且つ後に結合点となる微細な接触点を多数形成するためには、島成分径は細いほど良好となるため、本発明においては、島成分径が0.1〜3.0μmの範囲とすることが好ましい。更に、繊維径が極限的に細いナノファイバーとの組み合わせを想定する場合や湿式抄紙等を想定した際のワイヤーからの抜け予防といった高次工程における工程通過性までを踏まえると、島成分径は0.1〜1.5μmであることがより好ましい。本発明の海島繊維においては、繊維1本当たりの島数が2〜5000島が好ましい範囲であり、製造時の安定性や高次加工における取扱性を考慮すると、繊維1本当たりの島数が10〜500島であることがより好ましい。また、湿式抄紙に用いる場合には、海成分を溶出した後に基材となる繊維とのなじみを良くする必要があり、この観点では海島繊維1本当たりの島数は適度な範囲とすることが好適であり、10〜100島であることが特に好ましい範囲として挙げることができる。
また、前述した微細な径を有した極細複合繊維が他の繊維間に入り込み、熱接着時に周囲の繊維を点で結合できるようにするためには、繊維の断面形状も重要な要素であり、本発明を達成するには島成分の異形度が1.0〜1.3である必要がある。
すなわち、断面の異形度が1.0〜1.3であるということは、繊維の断面方向で歪がなく、実質的に円形かそれに類似した形状であることを意味し、周囲に存在する他の繊維と円周上の1点で接触することとなる。また、本発明による熱接着加工は、概ね加熱プレス処理やカレンダー加工等の繊維シートの厚み方向に加圧しながら行われる加工を採用するものであるため、脱海後の極細複合繊維が真円に近い断面であることで、圧力が部分的に集中することなく、周囲に分散して、均等に加わることとなる。このため、低融点成分の溶融状態、更にはこの融着により得られる結合力は非常に均質なものとなるのである。
この原理は繊維シートを構成する主たる繊維以上の繊維径を有した従来の熱接着繊維では発現するものではなく、本発明の第1の要件である極細繊維との相乗効果により初めて発現するものであることは言うまでも無い。
本発明の極細繊維が織り成す結合点は繊維シート全体に分散しつつ、均質な結合力を発現するため、例えば、繊維シートに力を加えた場合には、形成されたネットワーク構造全体で耐久性を担い、更には、繊維シート自体はフレキシブルに変形が可能でありながらも、表面等の擦過に対する耐性に優れた繊維シートになるのである。
この考えを推し進めると、島成分の断面形状は真円に近い、つまりは異形度が小さいほど好適であり、異形度が1.0〜1.1であることが好ましい。係る範囲であれば、繊維シートの厚み方向に均質な微細空隙を形成しやすく、特に繊維シートを構成するその他の繊維の繊維径と本発明の繊維径を適宜調整することで、前述した点結合の効果が理想的に発現することとなる。すなわち、昨今の開発が著しいナノファイバーによる繊維シートに適用した場合には、フィルター性能等に理想的なナノサイズ効果による超微細空隙を形成しながらも、構成繊維が一体化した繊維シートになり、該繊維シートは追加の成形加工が可能であるため、シートを折り曲げて固定するプリーツ加工や他の繊維シートとの積層も可能であり、高機能フィルター用濾材に適した材料になる。
また、このナノオーダーの空隙を有した繊維シートは、実使用にも耐えうる力学特性を有しながら、後述する低融点成分の厚みにより、柔軟性も調整可能であるため、薬剤等の含浸性および保持性も高めることができ、高機能薬剤の効果を長時間維持できるため、美容用や医療用の繊維シートにも適用可能である。
以上のような本発明で初めて達成される微細な空隙を形成した3次元的ネットワーク構造を、繊維シートで均質に、斑無く発現させるためには、島成分の異形度の変動(異形バラツキ)が1〜15%であることが好ましい。
ここで言う異形度バラツキとは、前述した方法で得た異形度の評価結果からその平均値と標準偏差を求め、異形度バラツキ(異形度CV%)=(異形度の標準偏差/異形度の平均値)×100(%)として算出される値であり、小数点以下を四捨五入するものである。以上の操作を同様に撮影した10画像について行い、10画像中100本の評価結果の単純な数平均値を本発明で言う異形度バラツキと言う。
この異形度バラツキが1〜15%であれば、それらはほぼ同じ断面形状を有していることを意味しており、熱接着時に結合力が繊維シートの厚み方向や幅方向のいずれもで良好に発現する。また、この考えを推し進めると、異形度バラツキはより小さいほうが好適であり、特にナノファイバーなどの極細繊維による繊維シートへの適用を想定する場合には、異形度バラツキが1〜10%とすることがより好ましい。
以上のような本発明の島成分は、融点の異なる2種類以上のポリマーにより構成されているものであり、これらのポリマー間が実質的に分離せず接合された状態で存在するものである。この複合形態においては図3に示される、一方の成分を他方の成分が被覆した芯鞘断面(図3(a))や偏心芯鞘断面、2種類以上の成分が貼り合わされたバイメタル断面(図3(b))、および一方の成分に他方の成分が点在した海島断面(図3(c))などを採用することが可能である。これらの断面においては、低融点成分が最外層に配置されていればよく、例えば、芯鞘断面においては鞘成分(図3(a)の2)を低融点成分にすると良い。
脱海後の極細複合繊維は、最外層を均等に低融点成分が被覆していれば他の繊維との交点で結合を形成しやすく、更に鞘成分の厚み等で適宜この融着の形態および結合力を制御しやすいため、その観点からは、前述した複合形態の中で、島成分は芯鞘断面を有していることが好ましい。
本発明において、芯鞘断面の鞘成分、すなわち低融点成分の厚みは、熱接着した際の結合力に影響を与えるものであるが、繊維間に生まれる微細な空隙を閉塞させることなく、好適な結合力を付与するためには、島成分の断面積を総数とした場合の面積比率で、鞘面積比率が10〜50%であることが好ましい。
ここで言う鞘面積比率とは、繊維径を評価した画像を用いて、同一画像内で無作為に抽出した10本の繊維について、画像処理ソフト(WINROOF)を用いて、2次元的に全ての繊維に関する島成分断面積および芯成分断面積を測定し、繊維10本のそれぞれの値の平均値をμmの単位で小数点第2位以下を四捨五入して、鞘面積比率=(島成分断面積−芯成分断面積)÷島成分断面積×100(%)により求めた。同じ操作を撮影した10画像で行い、10画像の単純な数平均の小数点以下を四捨五入した値が本発明の鞘面積比率である。
該鞘面積比率にて繊維シートとして必要となる剛性および繊維間空隙を調整することが可能であるが、折り曲げて成形加工を行い、この形態安定性が必要となる長寿命フィルター用濾材等においては、成形加工性に加え、フィルター用濾材とした使用した際の力学特性を考慮すると、鞘面積比率が30〜50%であることが好ましい。
一方、引張方向の力学特性が高く、厚み方向への嵩高性を有した超寿命フィルター用濾材や、フレキシブルな変形が可能な美容用や医療用に適する繊維シートとする際には、低融点比率を低下させることが好適であり、該鞘面積比率が10〜30%であることがより好ましい。
本発明の海島繊維は、それ自体でもカットファイバー、わた、ファイバーボール、コード、パイル、織編物、不織布、抄紙など多様な形態とすることが可能である。ただ、本発明の目的を鑑みると、海島繊維のまま、あるいは脱海処理を施した後にカットファイバーとして他の素材と混合して活用することが好ましい形態と言える。
このカットファイバーとする際には、用いる製品の形態に応じてカット長を決定することが好適である。例えば、不織布や抄紙とする際には、30〜60mmの間でクリンプを加えながらカットするものであるが、本発明の特徴を活かすことを考えると、湿式抄紙で得られる薄い繊維シートに加工することが良く、この場合、抄紙原液となる分散液での保水性および分散性を考慮した長さとすることが好ましい。
該分散液での分散性を考えた場合には、親和性という観点から極細複合繊維の最外層にあるポリマー種にも影響があるが、主には極細複合繊維の繊維径Dおよび繊維長Lの比(L/D)を考慮すればよく、このL/Dが200〜5000までの範囲にあることが好ましい。係る範囲であれば、分散液を攪拌している際にでも繊維が絡まることなく均一に分散できる。また、湿式抄紙加工においては、分散液の攪拌をとめて、極細繊維等を沈殿させる場合もあるが、再度攪拌を開始しても分散性を維持できる範囲として好ましくは200〜2000であり、より好ましい範囲として挙げることができる。
以上のように、本発明は、主に繊維シートとして、フィルター用濾材として活用することが特徴を活かせて好適な用途と考えるが、脱海後に極細でありながらも良好な結合力を発揮する特性を活かし、ジャケット、スカート、パンツ、下着などの一般衣料から、スポーツ衣料、衣料資材、カーペット、ソファー、カーテンなどのインテリア製品、カーシートなどの車輌内装品、化粧品、化粧品マスク、ワイピングクロス、健康用品などの生活用途や研磨布、フィルター、有害物質除去製品、電池用セパレーターなどの環境・産業資材用途や、縫合糸、スキャフォールド、人工血管、血液フィルターなどの医療用といった繊維製品に使用することも可能である。
以下に本発明の海島繊維の製造方法の一例を詳述する。
本発明の海島繊維は、融点の異なる2種類以上のポリマーが複合化された島成分を有した海島繊維を製糸することで製造可能である。
ここで、本発明の海島繊維を製糸する方法としては、溶融紡糸を応用することが生産性を高めるという観点から好適であり、繊維径および断面形状の制御に優れるという観点から、後述する海島複合口金を用いる方法とすることが好ましい。
本発明の海島繊維は、その島成分が2種類以上のポリマーから構成される特徴的なものであり、この複合型の島成分は、異なる2種類以上のポリマーが接触し、接合されている必要がある。従来のパイプ型口金においては、島成分を形成させるためのパイプはそのパイプ自体の厚みからおのずと近接できる距離には限界がある。また、何より機械加工によりパイプを溶接する必要があるため、溶接時のパイプの歪予防を考慮して、ある程度(数百μm)以上に隣り合うパイプとの間を離して加工する必要がある。また、本発明の特徴である複合型の島成分の達成には、制御するポリマー量が10−5g/min/holeオーダーと従来技術で用いられている条件よりも数桁低い極少的なポリマー量を制御する必要があり、本発明の海島繊維は、WO2015/129519に記載される方法で製造することが好適である。
本発明の海島繊維を製造するためには、このような新規な複合口金を採用することに加えて、島成分ポリマーの溶融粘度Iと海成分ポリマー溶融粘度Sとの溶融粘度比(S/I)が0.1から2.0であることが好ましい。
ここで言う溶融粘度とは、チップ状のポリマーを真空乾燥機によって、水分率200ppm以下とし、キャピラリーレオメーターによって、測定できる溶融粘度を指し、紡糸温度での同せん断速度の際の溶融粘度を意味する。また、島成分ポリマーの溶融粘度Iとは、2種類以上の島成分ポリマーのうち最も高い溶融粘度を本発明で言う島成分ポリマーの溶融粘度とする。
本発明において島成分の断面形態は、基本的に複合口金により制御されるものの、各ポリマーが合流し、複合ポリマー流を形成した後に断面方向に大幅に縮小された後に、吐出されて繊維となる。このため、その時の溶融粘度比、すなわち、溶融ポリマーの剛性比が断面の形成に影響を与える場合があり、本発明に必要となる海島断面を安定的に形成させるには、S/Iが0.1〜1.0とすることがより好ましい。係る範囲においては、ポリマーの剛性は島成分が高く、海成分が低いこととなり、製糸工程や高次加工工程における伸長変形において、応力が島成分に優先的に付与されることとなる。このため、島成分が高配向となり、繊維構造がしっかりと形成されるため、溶剤により海成分を溶解する際に島成分が不要に処理されて劣化することを予防することができる。さらに、繊維構造が十分に形成された島成分は極細複合繊維とした際にも、良好な力学特性を有することとなり、加えて、該海島繊維においては、実質的に力学特性を島成分が担っているため、海島繊維および極細複合繊維の力学特性の発現という観点からも好適なのである。このように力学特性がより高まるということは、比較的高い張力のかかる高次加工工程の通過性や極細複合繊維の品位という観点からも、注目すべき点である。
本発明の海島繊維によって極細複合繊維を製造する場合には、海成分の除去に使用する溶剤に対する島成分と海成分の溶解速度比が大きいほど好ましく、3000以上の範囲を目安に前述したポリマーから組み合わせを選択すると良く、ポリマーの具体例としては前述のとおりである。
本発明における紡糸温度は、前述した観点から決定した使用ポリマーのうち、主に高融点や高粘度のポリマーが流動性を示す温度とすることが好適である。この流動性を示す温度とは、ポリマー特性やその分子量によっても異なるが、そのポリマーの融点が目安となり、融点+60℃以下で設定すればよい。これ以下の温度であれば、紡糸ヘッドあるいは紡糸パック内でポリマーが熱分解等することなく、分子量低下が抑制され、良好に本発明の海島繊維を製造することができる。
本発明におけるポリマーの吐出量は、安定性を維持しつつ溶融吐出できる範囲として、吐出孔当たり0.1g/min/holeから20.0g/min/holeを挙げることができる。この際、吐出の安定性を確保できる吐出孔における圧力損失を考慮することが好ましい。ここで言う圧力損失は、0.1MPa〜40MPaを目安にポリマーの溶融粘度、吐出孔径、吐出孔長との関係から吐出量を係る範囲より決定することが好ましい。
本発明に用いる海島繊維を紡糸する際の島成分(2種以上のポリマーの合計)と海成分の比率(海/島比率)は、吐出量を基準に重量比で5/95〜95/5の範囲で選択することができる。この海/島比率のうち、島比率を高めると極細繊維の生産性という観点からは好適である。
本発明の海島繊維を海島繊維のまま、他の繊維として混合して繊維シートとし、繊維シートの状態で脱海処理を行う場合には、シート内に海成分比率に応じた空隙が発生するものとなる。この場合、繊維シートに必要となる繊維間空隙に応じて、該海成分比率は調整することが良い。一般に用いられる溶解処理を行わない繊維との組み合わせの場合には、海/島比率は、極細繊維の効率採取とのバランスから10/90〜70/30に設定することが好ましい。また、組み合わせる繊維が本発明の海島繊維と同様に易溶解成分を組み、脱海処理が必要な繊維の場合には、海/島比率を40/60〜70/30で設定することがより好ましい。特に、ナノファイバーを発生する海島繊維と本発明の海島繊維を混合して用いるには、空隙形成とシートの力学特性のバランスをよく考慮することで、従来にない低圧損と高捕集効率といった優れたフィルター機能を発現する繊維シートを製造可能であり、このような繊維シートに適用する場合には、本発明の海島繊維は、島成分径を0.1〜1.0μm、海/島比率を40/60〜60/40とすることが特に好ましい。
吐出孔から溶融吐出された糸条は、冷却固化され、油剤等を付与することにより集束し、周速が規定されたローラによって引き取られる。ここで、この引取速度は、吐出量および目的とする繊維径から決定するものである、本発明では、海島繊維を安定に製造するという観点から、100m/minから7000m/minが好ましい範囲として挙げることができる。この紡糸された海島繊維は、熱安定性や力学特性を向上させるという観点から、延伸を行うことが好ましく、紡糸した海島繊維を一旦巻き取った後で延伸を施すこともよいし、一旦、巻き取ることなく、紡糸に引き続いて延伸を行うこともよい。
この延伸条件としては、例えば、一対以上のローラからなる延伸機において、一般に溶融紡糸可能な熱可塑性を示すポリマーからなる繊維であれば、ガラス転移温度以上融点以下の温度に設定された第1ローラと結晶化温度相当とした第2ローラの周速比によって、繊維軸方向に無理なく引き伸ばされ、且つ熱セットされて巻き取られる。また、ガラス転移を示さないポリマーの場合には、海島繊維の動的粘弾性測定(tanδ)を行い、得られるtanδの高温側のピーク温度以上の温度を予備加熱温度として、選択すればよい。ここで、延伸倍率を高め、力学物性を向上させるという観点から、この延伸工程を多段で施すことも好適な手段である。
海島繊維から極細複合繊維を発生させるためには、海成分(易溶解成分)が溶解可能な溶剤などに海島繊維を浸漬して海成分を除去すればよい。海成分が、5−ナトリウムスルホイソフタル酸やポリエチレングリコールなどが共重合された共重合ポリエチレンテレフタレートやポリ乳酸等の場合には、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ水溶液を用いることができる。本発明の海島繊維をアルカリ水溶液にて処理する方法としては、例えば、海島繊維あるいはそれからなる繊維構造体とした後で、アルカリ水溶液に浸漬させればよい。この時、アルカリ水溶液は50℃以上に加熱すると、加水分解の進行を早めることができるため、好ましい。また、流体染色機などを利用すれば、一度に大量に処理をすることができるため、生産性もよく、工業的な観点から好ましいことである。
以上のように、本発明の海島繊維の製造方法を一般の溶融紡糸法に基づいて説明したが、メルトブロー法およびスパンボンド法でも製造可能であることは言うまでもなく、さらには、湿式および乾湿式などの溶液紡糸法などによって製造することも可能である。
以下実施例を挙げて、本発明の海島繊維について具体的に説明する。
実施例および比較例については、下記の評価を行った。
A.ポリマーの溶融粘度
チップ状のポリマーを真空乾燥機によって水分率200ppm以下とし、東洋精機製キャピログラフ1Bによって、歪速度を段階的に変更して、溶融粘度を測定した。なお、測定温度は紡糸温度と同様にし、実施例あるいは比較例には、1216s−1の溶融粘度を記載している。ちなみに、加熱炉にサンプルを投入してから測定開始までを5分とし、窒素雰囲気下で測定を行った。
B.ポリマーの融点
用いるポリマーをペレット状等で準備して、10mgを計量してアルミパンに封入した。その後、TA Instruments社製DSC Q2000に設置して、昇温速度16℃/分で測定を行い、融解吸熱曲線の2nd runの融解ピークのピークトップ温度をそのサンプルの融点とした。
C.繊度
温度25℃、湿度55%RHの雰囲気下で繊維の単位長さ当たりの重量を測定し、その値から10000mに相当する重量を算出した。これを10回繰り返して測定し、その単純平均値の小数点以下を四捨五入した値をその繊維の繊度とした。
D.島成分径(繊維径)、異形度および異形度バラツキ(CV%)
繊維をエポキシ樹脂で包埋し、Reichert社製FC・4E型クライオセクショニングシステムで凍結し、ダイヤモンドナイフを具備したReichert−Nissei ultracut N(ウルトラミクロトーム)で切削した後、その切削面を(株)日立製作所製 H−7100FA型透過型電子顕微鏡(TEM)にて島成分が合計で100島以上観察できる倍率で撮影した。
この画像から無作為に選定した10島の島成分を抽出し、画像処理ソフト(WINROOF)を用いて全ての繊維径を測定し、μm単位で小数点第3位以下を四捨五入した。
繊維断面に、内接する真円の径を内接円径として、異形度=繊維径÷内接円径から、小数点第2位以下を四捨五入したものを異形度として求めた。この異形度を無作為に抽出した10本について測定し、その平均値および標準偏差から、下記式に基づき異形度バラツキ(CV%)を算出した。
異形度バラツキ(CV%)=(異形度の標準偏差/異形度の平均値)×100(%)
以上の操作を、同様に撮影した10画像について行い、10画像の単純な数平均を繊維径、異形度、異形度バラツキとした。
E.鞘面積比率および極細複合繊維の単繊維繊度
D項で繊維径を評価した画像を用いて、この画像から無作為に選定した10本の繊維を抽出し、画像処理ソフト(WINROOF)を用いて、2次元的に全ての繊維に関する島成分断面積および芯成分断面積を測定し、繊維10本のそれぞれの値の平均値をμmの単位で小数点第2位以下を四捨五入したものを求め、下記式に従い鞘面積比率を求めた。
鞘面積比率=(島成分断面積−芯成分断面積)÷島成分断面積×100(%)
同じ操作を10画像で行い、100本の単純な数平均の小数点以下を四捨五入した値をその水準の鞘面積比率とした。
上記と同様にして、島成分断面積を測定し、繊維10本のそれぞれの値の平均値をμmの単位で小数点第5位以下を四捨五入したものを求め、島成分の密度を乗じることで繊維の単位長さ当たりの重量を算出し、その値から10000mに相当する重量を極細複合繊維の単繊維繊度として求めた。同じ操作を10画像、100本の単純な数平均の小数点第4位以下を四捨五入した値をその水準の単繊維繊度とした。 F.繊維シートの目付け(単位面積当たりの質量)
JIS1913:2010 6.2(標準時)に準じて各シートの単位面積当たりの測定した(g/m)。繊維シートを250cm×250cmに切り取り、重量を測定する。測定した重量を1mあたりに換算することにより、各サンプルの単位面積当たりの質量を求めた。この操作を水準毎に5回繰り返し、得られた結果の単純平均値を求め、小数点第2位以下を四捨五入することで各水準の目付けとした。
G.繊維シートの力学特性
オリエンテック社製引張試験機 テンシロン UCT−100型を用い、JIS1913:2010 6.3.1(標準時)に準じて測定した。引張曲線にて最大荷重を読みとり、N(ニュートン)単位で、小数点第2位までを読み取り、測定サンプルの引張強さを求めた。この操作により水準毎に5サンプル測定し、得られた結果の単純平均値を求め、小数点第2位以下を四捨五入することで各水準の引張強さとした。
H.繊維シートのポアサイズ
熱接着繊維によって形成される繊維シートにおける空隙の均質性を見るため、多孔質材料自動細孔測定システム Perm−Porometer(PMI社製)を用いて、バブルポイント法(ASTMF−316−86に基づく)によってポアサイズを算出した。
測定サンプル径を25mmとし、表面張力既知の測定液としては、Galwick(表面張力:16mN/m)(PMI社製)を使用して細孔径分布測定を実施した。また、この測定器により自動計算して得られたMEAN FLOW PORE DIAMETERを平均ポアサイズの値とした。同じ操作をこの操作を水準毎に5回繰り返し、その平均値を平均ポアサイズとし、そのピーク幅を分布幅とした。
I.繊維シートの熱接着状態
繊維シートからランダムに10mm×10mmの小片サンプルを5個採取し、この表面、裏面および断面2箇所を(株)キーエンス製 VE−7800型走査型電子顕微鏡(SEM)にて繊維同士の結合部分が分かる倍率でそれぞれ撮影した。小片サンプル1個につき計4箇所の撮影画像から同じ結合点で繊維が5本以上結合して融着している部分をカウントし、該カウント数を撮影した画像の総面積で除する。各水準において、採取した5個のサンプルについて同じ操作を行い、この単純な数平均の小数点第2位を四捨五入することでその水準の単位面積当たりの過剰融着部分の個数を求めた。
実施例1
島成分1として、ポリエチレンテレフタレート(PET、溶融粘度:140Pa・s 融点260℃)、島成分2として、ポリプロピレン(PP、溶融粘度:75Pa・s 融点160℃)(SP値差5.3(MJ/m1/2)とし、海成分として、5−ナトリウムスルホイソフタル酸が8.0mol%、数平均分子量1000のポリエチレングリコールが10wt%共重合したポリエチレンテレフタレート(共重合PET 溶融粘度:100Pa・s 溶解速度比:>30000)を285℃で別々に溶融後、計量して複合口金が組み込まれた紡糸パックに流入させ、吐出孔から複合ポリマー流を吐出した。島1/島2/海の複合比は、重量比で35/35/30となるように吐出量で調整した(総吐出量30g/min)。溶融吐出した糸条を冷却固化した後油剤付与し、紡糸速度1500m/minで巻き取ることで未延伸繊維を得た。更に、未延伸繊維を80℃と130℃に加熱したローラ間で3.2倍延伸を行い(延伸速度800m/min)、繊維断面に250島の芯鞘型の島成分を規則的に配置した本発明の海島繊維を得た(繊維A、104dtex−36フィラメント)。
得られた本発明の海島繊維(繊維A)においては、低融点であるPPを鞘成分、高融点のPETを芯成分とした芯鞘断面を有した島成分を形成しており、この島成分径は0.95μm、異形度1.0、異形度バラツキは7.0%と島成分の形状は実質的に真円であり、海島断面においても、均質性に優れるものであった。さらに、巻取りパッケージからの糸解舒性も良好であり、カット加工等のせん断熱による単繊維間の融着も発生せず、加工性に優れるものであった。
次に、本発明の海島繊維(繊維A)と、湿式抄紙で組み合わせる繊維として、島成分をPET、海成分を共重合PETとして吐出し、冷却固化後に油剤を付与して、紡糸速度1500m/minで巻き取り、150dtex−15フィラメントの未延伸繊維を採取した。巻き取った未延伸繊維を90℃と130℃に加熱したローラ間で延伸速度800m/minで、4.0倍延伸を行い、2成分ポリマーから構成される海島繊維を得た(繊維B、島/海複合比=70/30、島成分径:0.40μm、37.5dtex−15フィラメント)。
以上のようにして得た繊維Aおよび繊維Bを重量比で繊維Aが50重量%、繊維Bが50重量%になるように合糸した後に、裁断機で1mm長にカットしたショートカットファイバーを水に投入し、離解機を用いて均一に混合分散させることで抄紙原液を調製した。
該抄紙原液を円網抄紙機(川之江造機社製)で抄紙シートにし、加熱ローラにて一旦乾燥、熱処理を施した後に、90℃に加熱した1重量%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して攪拌処理することで、シートから海成分を99%以上溶解除去し、1mol%塩酸に浸漬・攪拌した後に、純水による洗浄を行い、180℃に加熱した熱カレンダーロールに接触させることで、乾燥させると同時に、本発明の極細複合繊維の鞘成分にて繊維間を接着させて、熱接着繊維シートを得た。
得られた熱接着繊維シートの目付は50g/mであり、比較的厚みが薄いシートでありながらも、引張強力が75Nと非常に優れた力学特性を有するものであった。更に、バブルポイント法で算出した平均ポアサイズ20μm、ポアの分布幅10μmの好適なサイズの空隙がシート全体に均質に形成されているものであり、SEM観察による熱接着状況の確認では、低融点成分の凝集箇所が0.30個/mmと本発明の目的とする良好な熱接着状態を形成しているものであった。結果を表1に示す。
実施例2、3
実施例1で製造した繊維Aについて、島成分1および海成分の吐出量を固定したまま、鞘面積比率が30%(実施例2)または12.5%(実施例3)となるように島成分2の吐出量を変更したこと以外は全て実施例1と同様にして、海島繊維を製造した。
実施例2および3で採取した海島繊維は、島成分2の吐出量を変更したことにより、実施例1と比較して、若干島成分径が低下したものであったが、実施例1と同様に島成分2を鞘成分とした芯鞘型の島成分が配された本発明の海島繊維であった。
実施例1と同様の条件で得られた熱接着繊維シートは、鞘面積比率の低下に伴い、引張方向の最大の引張強さは低下傾向にあるが実使用や追加工の通過性を確保するのに十分な力学特性を有したものであり、実施例1と比較すると、シートの柔軟性向上に伴う折り曲げやすさや厚みの嵩高性が向上する実施例1にはない特徴を有したものであった。
繊維シートの空隙に関しては、実施例1と比べて、細かく、均質に形成されているものであり、SEMによる熱接着状態の確認においても、低融点成分の凝集がほとんど観察されないものであった。
結果を表1に示す。
実施例4,5
実施例1で製造した繊維Aについて、芯鞘型の島成分の数をそれぞれ1000島(実施例4)または10島(実施例5)に変更したこと以外は実施例と同様にして、海島繊維を得た。
実施例4に関しては、実施例1と比較して、島数が4倍になっており、これに伴い島成分径は0.47μmまで縮小されたものであった。また、実施例5に関しては、島数を大幅に低下させたことにより、島成分径が4.75μmと拡大したものであった。いずれも実施例1と比較して、島成分径が変化したものであったが、異形度および異形度パラツキに関しては、実施例1と同様であり、特に実施例4では従来にはない非常に縮小された複合型の島成分であるにも関わらず、その断面はほぼ真円を維持しており、芯成分を鞘成分が均等な厚みで被覆した精密なものであった。
それぞれ実施例1と同様の条件で熱接着繊維シートを製造したが、実施例4の熱接着繊維シートは、本発明の海島繊維から発生した極細複合繊維が、繊維シートを主に構成するナノファイバーとほぼ同サイズであり、脱海時等の水系処理の際にお互いに、適度に位置をずらしながら、こなれて熱接着されることで、極細繊維が緻密な網目を構成した繊維シートとなった。一方、実施例5の熱接着繊維シートは、ナノファイバーに対して、圧倒的に繊維径が太くなることで、熱接着繊維が骨材になりながら、骨材間にできた粗大な空隙を、ナノファイバーによる網目状に埋めた構造を形成するものであった。いずれも低融点成分の凝集はほぼ見られないものであり、特に実施例5では一切確認されないものであった。
結果を表1に示す。
比較例1
実施例1における繊維Aを用いず、繊維Bのみで目付を50g/mとした以外は全て実施例1と同様にして繊維シートを得た。
得られた繊維シートは極細繊維のみからなるものであり、実施例1と比較して、部分的に極細繊維が毛羽立った嵩高い外観になり、極細繊維同士の結合も高くないために、引張強力が0.8Nと極細繊維の絡み合いのみで形態を維持するもろい構造のものであった。更に、バブルポイント法で算出した平均ポアサイズ2μm、ポアの分布幅3μmと過度に微細な空隙になりなるものであった。
結果を表2に示す。
比較例2
実施例1で記載される繊維Aに変わり、実施例1における島成分2として用いたPPからなる単独糸(繊維C)を準備して熱接着繊維として用いて目付50g/mの繊維シートを得たこと以外は、全て比較例1に従い実施した。
得られた繊維シートは、実施例1と比較して部分的に凹凸を有しており、シート表面の平滑性に欠けたものであったが、引張強力は134Nと、剛性が高まったものであった。バブルポイント法で算出した平均ポアサイズ13μmと実施例1と比較して狭化されたものであったが、ポアの分布幅は33μmと分布が広いものであった。SEM観察による熱接着状況の確認してみると、低融点成分の凝集箇所が13.38個/mmと低融点成分が凝集した部分が多く見られるものであり、その凝集部分においては空隙がつぶれたものとなっていた。
結果を表2に示す。
1:島成分1
2:島成分2
3:海成分
4:島成分の外接円
5:島成分の内接円

Claims (5)

  1. 海成分中に融点が異なる2種類以上のポリマーからなる複合型の島成分が配された繊維断面を有しており、島成分の径が0.1〜5.0μm、異形度が1.0〜1.3であることを特徴とする海島繊維。
  2. 複合型の島成分の断面が低融点ポリマーを鞘成分とした芯鞘断面であり、該島成分の鞘面積比率が10〜50%であることを特徴とする請求項1に記載の海島繊維。
  3. 海成分が、1.0〜20.0mol%の5−ナトリウムスルホイソフタル酸および0.1〜20.0wt%のポリエチレングリコールを共重合したポリエステルからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の海島繊維。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の海島繊維から海成分を除去して得られた極細複合繊維。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の繊維が少なくとも一部を構成する繊維製品。
JP2019119861A 2019-06-27 2019-06-27 海島繊維 Pending JP2021004431A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019119861A JP2021004431A (ja) 2019-06-27 2019-06-27 海島繊維

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019119861A JP2021004431A (ja) 2019-06-27 2019-06-27 海島繊維

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021004431A true JP2021004431A (ja) 2021-01-14

Family

ID=74097522

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019119861A Pending JP2021004431A (ja) 2019-06-27 2019-06-27 海島繊維

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021004431A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114990891A (zh) * 2022-07-05 2022-09-02 禾欣可乐丽超纤(海盐)有限公司 一种防水透湿防钻绒的羽绒服专用绒面革的制造方法
CN114990891B (zh) * 2022-07-05 2024-05-24 禾欣可乐丽超纤(海盐)有限公司 一种防水透湿防钻绒的羽绒服专用绒面革的制造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04194013A (ja) * 1990-11-21 1992-07-14 Chisso Corp 極細繊維発生繊維
JP2011208320A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Kb Seiren Ltd 導電性複合繊維

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04194013A (ja) * 1990-11-21 1992-07-14 Chisso Corp 極細繊維発生繊維
JP2011208320A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Kb Seiren Ltd 導電性複合繊維

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114990891A (zh) * 2022-07-05 2022-09-02 禾欣可乐丽超纤(海盐)有限公司 一种防水透湿防钻绒的羽绒服专用绒面革的制造方法
CN114990891B (zh) * 2022-07-05 2024-05-24 禾欣可乐丽超纤(海盐)有限公司 一种防水透湿防钻绒的羽绒服专用绒面革的制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102319779B1 (ko) 해도 복합 섬유, 복합 극세 섬유 및 섬유 제품
CN101617071B (zh) 改进的高表面积纤维和由其制备的纺织品
KR101605933B1 (ko) 해도 복합 섬유, 극세 섬유 및 복합 구금
KR102575874B1 (ko) 심초 복합 섬유, 슬릿 섬유, 및 이들 섬유의 제조 방법
KR20140040265A (ko) 해도 섬유
JPWO2018221063A1 (ja) 不織布フィルター
JP4369572B2 (ja) 不織布及びそれを用いた濾過材
JP2004285538A (ja) ポリマーアロイ繊維およびナノファイバーの製造方法
JP4207485B2 (ja) 棒状繊維成形体
JP3741886B2 (ja) 極細繊維発生可能繊維、これから発生した極細繊維及びこの極細繊維を用いた繊維シート
JP5172781B2 (ja) 極細繊維複合不織布およびその製造方法
JP2021004431A (ja) 海島繊維
JPH11192406A (ja) フィルター用基材およびフィルター装置
JPH11293555A (ja) 通気性に優れた不織布およびその製造方法ならびにその不織布からなるフィルター材
JP3725716B2 (ja) 極細繊維発生可能繊維、これから発生した極細繊維及びこの極細繊維を用いた繊維シート
JP4839709B2 (ja) フィルターおよびその製造方法
JPH0291262A (ja) 高強力不織布
JPH04194013A (ja) 極細繊維発生繊維
JP7452621B2 (ja) 湿式不織布シート
JP7044119B2 (ja) 極細繊維および繊維分散液
JP4269804B2 (ja) 特殊繊維
JP4710227B2 (ja) ペレット
JPH11172563A (ja) ポリエステル系長繊維不織布およびその製造方法
JP2018100459A (ja) 分割型複合繊維
JP2008136896A (ja) フィルターおよびフィルターエレメント

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220517

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230501

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230523

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230719

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20231031