JP2018100459A - 分割型複合繊維 - Google Patents
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Abstract
Description
化学薬品を浸透させることで分割を進めている。熱収縮率の大きい低融点成分に石油樹脂を添加した分割型複合繊維に熱処理を施した後、石油樹脂に対して可溶性のある溶剤に浸漬し(溶剤処理)、プレス処理を施して分割性を向上させている。このため、溶剤処理が必要となる等、生産工程数が多くなり、溶剤を回収するなど特別な設備が必要になる。また、分割処理の際にプレス処理を施すため、不織布が高密度になる傾向があり、嵩高性が要求される用途に使用する不織布の製造は困難である。
本発明の分割型複合繊維は、繊維軸に垂直方向の繊維断面において、複合繊維を構成するポリマーA及びBがいずれも繊維表面に露出しながら交互に配列されることが必要である。図1に本発明の分割型複合繊維の断面図を一例として示しているが、各ポリマーの少なくとも一部分が繊維表面に露出していることで、該複合繊維に衝撃力が加わって各ポリマーが構成するセグメントの界面で剥離が生じると、各セグメントが分割して独立しやすくなる効果がある。また、該複合繊維に対して外的な衝撃を与える際には、各ポリマーが構成するセグメントの界面に直接的に外力が伝達されやすくなるため、剥離分割が促進されることとなる。
不織布に対して所望の特性を発現させる際に、繊維の配合が重要な要素となるが、本発明の分割型複合繊維では、分割されるセグメントbの数およびサイズを上記した範囲内を目安に適宜設定することにより、分割後の繊維配合を調整することが可能である。
ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレートおよびその共重合体等が挙げられる。
本発明の分割型複合繊維の製造方法としては、前記した範囲における所望の単糸繊度や所望の断面形状となるような条件を採用すれば、溶融紡糸法や湿式および乾湿式などの溶液紡糸法など、一般的な製糸方法を用いることが可能である。中でも高い生産性や溶媒回収工程が不要等の観点から溶融紡糸法が好ましい方法として挙げられる。溶融紡糸法にて本発明の複合繊維を紡糸するのに用いる口金については、2成分以上のポリマーを複合できるものであれば、特に限定されるものではないが、複数成分のポリマーを所望のセグメント数とそのサイズを精密に制御する観点からは、特開2011−174215号公報に記載の複合口金が好適に用いられる。この複合紡糸口金を利用することで断面形状を精度良く形成できるため、繊維断面中における各セグメントの形状、サイズおよび配置等を制御することが可能である。また、中空断面糸を得るために、図4に例示するような最終吐出孔がスリット形状で同心円状に配置された紡糸口金を使用することも好適である。
本発明の分割型複合繊維は、溶剤等による減量処理やポリマーの溶媒膨潤差を利用することによっても、もちろん分割可能であるが、製造工程の省略化および低コスト化を推し進める観点からは、熱収縮差の利用や物理衝撃を利用する方法が好ましい様態といえる。
実施例および比較例については、下記の評価を行った。
チップ状のポリマーを真空乾燥機によって、水分率200ppm以下とし、東洋精機製キャピログラフ1Bによって、歪速度を段階的に変更して、溶融粘度を測定した。なお、測定温度は紡糸温度と同様にし、実施例あるいは比較例には、1216s−1の溶融粘度を記載している。ちなみに、加熱炉にサンプルを投入してから測定開始までを5分とし、窒素雰囲気下で測定を行った。
作製した分割型複合繊維の100mの重量を測定し、100倍することで繊度を算出した。これを10回繰り返し、その単純平均値の小数点第2位を四捨五入した値をその繊維の繊度とした。単糸繊度は、その繊維を構成するフィラメント数により前述した繊度を除することによって算出した。この場合も、小数点第2位を四捨五入した値を単糸繊度とした。
繊維を長手方向と垂直に切断し、その繊維断面を日立ハイテクノロジーズ製走査型電子顕微鏡SU−1510により撮影した。この断面画像から画像解析ソフトWinroofにより繊維断面におけるセグメントaおよびbの各断面積を算出した。これを10本の繊維に対して行い、その平均値の小数点第2位を四捨五入した値を繊維断面積とした。また、セグメントbの平均面積は、繊維断面におけるセグメントbの面積の合計をセグメントbの個数で除して、小数点第2位を四捨五入した値とした。
剃刀によって繊維を繊維軸と垂直方向に切断して、その切断面を日立ハイテクノロジーズ製走査型電子顕微鏡SU−1510により撮影した。この断面画像から画像解析ソフトWinroofにより繊維断面中のセグメントbの輪郭間を結ぶ直線のうち最長の直線の距離を測定して長径とした。これを10本の繊維に対して行い、その平均値の小数点第2位を四捨五入した値を繊維のセグメント平均長径とした。
剃刀によって繊維を繊維軸と垂直方向に切断して、その切断面を日立ハイテクノロジーズ製走査型電子顕微鏡SU−1510により撮影した。この断面画像から画像解析ソフトWinroofにより繊維断面の外径および内径(中空部の直径)を測定し、繊維の見かけ断面積および中空部の断面積を算出した。短繊維の中空率は、繊維の見かけ断面積に占める中空部の断面積の割合として、下記の式により算出した。
中空率(%)=(中空部の断面積)/(繊維の断面積(中空部を含む))×100
これを無作為に抽出した10本の繊維について求め、その平均の小数点以下1桁目を四捨五入して整数とした値を中空率とした。
本発明の分割型複合繊維を剃刀によって繊維軸と垂直方向に切断して、その切断面を日立ハイテクノロジーズ製走査型電子顕微鏡SU−1510により撮影した。この画像から、切断面に外接する真円の径を外接円径とし、さらに、内接する真円の径を内接円径として、下記の式から異形度を求めた。
異形度=(繊維断面の外接円径)/(繊維断面の内接円径)
これを無作為に抽出した10本について求め、その平均の小数点以下2桁目を四捨五入して小数点以下1桁目まで求めた値を異形度とした。
本発明の分割型複合繊維を用いて短カット用トウ作製の前加工として、ボビンへの巻き返し加工を行い、その加工工程通過性を評価した。評価は以下の4段階とした。加工方法は、巻き糸から分割型複合繊維を解舒しながら、加熱していないローラーを介して、スピンドルに設置したボビンへ加工速度600m/分で巻き返した。なお、評価に用いた原糸の毛羽は光学顕微鏡で撮影した画像を基にカウントした。
◎:毛羽がみられず、加工工程通過性に優れたものであった
○:毛羽がわずかにみられたが、加工工程通過性が良好なものであった
△:毛羽が複数確認されたが、実用上十分な加工工程通過性を有するものであった
×:毛羽の発生が著しく、実用に耐えないものであった。
各実施例および比較例に記載の方法で作製した不織布をポリウレタン製チューブ中に密に挿入充填して、これをチューブ長手方向と垂直に切断した。この切断面を日立ハイテクノロジーズ製走査型電子顕微鏡SU−1510で観察し、断面写真を撮影して得られた画像からセグメントA由来の繊維のうち任意の30本を選択し、次式により分割率を算出した。
分割率(%)=Sa/Sab×100
Sab:不織布中におけるセグメントaの表面スリット溝とセグメントb未分割部分の総数
Sa:不織布中におけるセグメントa由来繊維の表面スリット溝の個数。
分割型複合繊維を用いて作製した不織布について、手で不織布の表面に触れた際の触感を以下に示す4段階で評価した。
◎:極細繊維に由来する柔軟性に優れた触感を有する
○:極細繊維に由来する柔軟性が良好な触感を有する
△:極細繊維由来の柔軟性を感じとることができる
×:極細繊維由来の柔軟性に乏しい。
特開2011−174215号公報に記載の複合口金の技術を用いて、ポリマーAからなるセグメントaの周囲に、ポリマーBからなるセグメントbが1つの大きな扇形(セグメントb2)と16の微細な扇形を形成するように設計、製作した口金を使用して、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(溶融粘度130Pa・s)をポリマーA、ポリプロピレン(PP)樹脂(溶融粘度 70Pa・s)をポリマーBとして、体積での複合比率をA/B=80/20として、紡糸温度270℃、紡糸速度1200m/minにて溶融紡糸した。これにより、250dtex−72フィラメント(総吐出量30.0g/min)の未延伸繊維を採取し、次いで50℃と90℃に加熱したローラー間で延伸速度600m/minとし、2.05倍延伸を行った。
得られた分割型複合繊維を繊維長5mmに短カット加工後、繊維長5mmの熱融着性の芯鞘複合繊維(芯成分:PET、鞘成分:テレフタル酸60mol%、イソフタル酸40mol%、エチレングリコール85mol%、ジエチレングリコール15mol%の割合で共重合した融点110℃のポリエステル(共重合ポリエステル1))と重量で80/20(分割型複合繊維/芯鞘複合繊維)の割合で混合して、湿式抄紙により坪量が45g/m2となるよう不織布化した後に、ロール式乾燥機で160℃、15分間の熱処理を行った。次いで、ウォータージェット加工として、得られた不織布を90メッシュの網に載せて、水流噴射処理装置のコンベアー上に置き、孔径0.08mm、ピッチ0.6mmで直線上に一列配置したノズルから、圧力100kg/cm2で10m/分の送り速度で表裏1回ずつ水流を噴出させた。処理後の不織布は110℃で熱風乾燥した。このウォータージェット加工後の不織布における分割型複合繊維の分割率は、83%と優れた分割性を示すものであった。また該不織布は、極細繊維に由来する柔軟性に優れた触感を有するものであった(触感評価:◎)。結果を表1に示す。
ポリマーAおよびポリマーBの複合比率(体積)を90/10(実施例2)、50/50(実施例3)、に変更したこと以外は実施例1に従い実施した。
実施例2で得られた分割型複合繊維は、単糸繊度が1.7dtexであり、セグメントbの平均面積は0.85μm2、セグメントbのうちb2の面積が3.4μm2、セグメントbの平均長径が1.0μmであった。この分割型複合繊維は巻き返し加工工程中で毛羽立ちや糸切れ等に問題なく、加工工程通過性に優れるものであった(加工工程通過性:◎)。また、不織布における分割率は80%と優れた分割性を示すものであり、極細繊維由来の柔軟性に優れた触感を有するものであった(触感評価:◎)。
総吐出量を53.0g/分に変更して溶融紡糸したこと以外は実施例3に従い実施した。得られた分割型複合繊維は、単糸繊度が3.0dtexであり、セグメントbの平均面積は7.5μm2、セグメントbのうちb2の面積が30.0μm2、セグメントbの平均長径が2.7μmであった。この分割型複合繊維は巻き返し加工工程中で毛羽立ちが認められたものの、加工工程通過性は実用に耐えるものであった(加工工程通過性:△)。また、不織布における分割率は90%と分割性に優れるものであり、極細繊維由来の柔軟性を感じ取ることのできる触感を有するものであった(触感評価:△)。結果を表1に示す。
紡糸に用いる口金を変更し、ポリマーBを66箇所のセグメントに分割する孔配置に変更したこと以外は、実施例1に従い実施した。得られた分割型複合繊維の単糸繊度は1.7dtexであり、セグメントbの形状はいずれも扁平形状で、平均面積は0.5μm2、セグメントbの平均長径は1.7μmであった。得られた複合繊維は巻き返し加工工程通過性に優れるものであった(加工工程通過性:◎)。また、不織布における分割率は60%と実用上十分な分割性を有するものであり、極細繊維に由来する柔軟性を感じ取ることのできる触感を有するものであった(触感評価:△)。結果を表1に示す。
紡糸に用いる口金を変更して、ポリマーBからなるセグメントb2が扁平形状で繊維断面を横断するように孔配置を変更したこと以外は、実施例1に従い実施した。得られた分割型複合繊維は単糸繊度が1.7dtexであり、図5のようにセグメントb2が扁平形状で繊維断面を横切っており、セグメントaが分断された断面であった。また、セグメントbの平均面積は1.7μm2、扁平形状のセグメントb2の面積が6.8μm2、セグメントbの平均長径は2.4μmであった。得られた複合繊維は巻き返し加工途中で剥離分割が進行し、加工工程通過性が不十分なものであった(加工工程通過性:×)。このため、得られた繊維は毛羽が多く実用に耐えない品位であり、正常に不織布化することができなかった。結果を表1に示す。
紡糸に用いる口金を変更して、ポリマーBを8箇所のセグメントに分割する孔配置に変更し、ポリマーA/ポリマーBの体積における複合比率を60/40に変更したこと以外は、実施例1に従い実施した。得られた分割型複合繊維は単糸繊度が1.7dtexであり、セグメントbの形状はいずれも扇形で、平均面積は8.5μm2、セグメントbの平均長径は4.7μmであった。該繊維は、巻き返し加工途中で剥離分割が進行し、加工工程通過性が不十分なものであった(加工工程通過性:×)。このため、得られた繊維は毛羽が多く実用に耐えない品位であり、正常に不織布化することができなかった。結果を表1に示す。
紡糸に用いる口金の孔配置を変更して、セグメントbの平均長径を3.2μm(実施例6)、4.4μm(実施例7)、5.8μm(実施例8)としたこと以外は実施例1に従い実施した。いずれの実施例においてもセグメントbの平均面積は1.7μm2、セグメントbのうちb2の面積は6.8μm2であった。
紡糸に用いる口金において、ポリマーBの吐出孔配置を変更してセグメントbにおけるセグメントb2の面積とセグメントbの平均面積との倍率を3.0倍(実施例9)、2.5倍(実施例10)、2.0倍(実施例11)となるように変更したこと以外は実施例1に従い実施した。
紡糸に用いる口金の最終吐出孔を同心円状にスリット孔を4箇所配置したものに変更し、中空部分を有する断面としたこと以外は実施例1に従い実施した。得られた分割型複合繊維は、単糸繊度が1.5dtexで、中空率が5%の中空断面を有しており、セグメントbの平均面積は1.5μm2、セグメントbのうちb2の面積が6.0μm2、セグメントbの平均長径が1.6μmであった。この分割型複合繊維は、巻き返し加工工程中で毛羽立ちや糸切れ等に問題なく、加工工程通過性に優れたものであった(加工工程通過性:◎)。また、不織布における分割率が85%と分割性に優れたものであり、極細繊維由来の柔軟性に優れた触感を有するものであった(触感評価:◎)。評価結果を表3に示す。
中空率が10%(実施例13)、15%(実施例14)、20%(実施例15)、25%(実施例16)、30%(実施例17)となるように吐出および冷却条件を変更したこと以外は、実施例12に従い実施した。
実施例13で得られた分割型複合繊維は、単糸繊度が1.4dtexであり、中空率が10%の中空断面を有しており、セグメントbの平均面積は1.4μm2、セグメントbのうちb2の面積が5.6μm2、セグメントbの平均長径が1.6μmであった。この分割型複合繊維は、巻き返し加工工程中で毛羽立ちや糸切れ等に問題なく、加工工程通過性に優れたものであった(加工工程通過性:◎)。また、不織布における分割率が91%と分割性に優れたものであり、極細繊維由来の柔軟性に優れた触感を有するものであった(触感評価:◎)。
実施例14で得られた分割型複合繊維は、単糸繊度が1.3dtexであり、中空率が15%の中空断面を有しており、セグメントbの平均面積は1.3μm2、セグメントbのうちb2の最大面積が5.2μm2、セグメントbの平均長径が1.6μmであった。この分割型複合繊維は、巻き返し加工工程中で毛羽立ちや糸切れ等に問題なく、加工工程通過性に優れたものであった(加工工程通過性:◎)。また、不織布における分割率が95%と分割性に優れたものであり、極細繊維由来の柔軟性に優れた触感を有するものであった(触感評価:◎)。
実施例15で得られた分割型複合繊維は、単糸繊度が1.2dtexであり、中空率が20%の中空断面を有しており、セグメントbの平均面積は1.2μm2、セグメントbのうちb2の最大面積が4.8μm2、セグメントbの平均長径が1.6μmであった。この分割型複合繊維は、巻き返し加工工程中で毛羽立ちや糸切れ等に問題なく、加工工程通過性に優れたものであった(加工工程通過性:◎)。また、不織布における分割率が96%と分割性に優れたものであり、極細繊維由来の柔軟性に優れた触感を有するものであった(触感評価:◎)。
実施例16で得られた分割型複合繊維は、単糸繊度が1.2dtexであり、中空率が25%の中空断面を有しており、セグメントbの平均面積は1.2μm2、セグメントbのうちb2の面積が4.8μm2、セグメントbの平均長径が1.6μmであった。この分割型複合繊維は、巻き返し加工工程中でわずかに毛羽が認められたものの、加工工程通過性が良好なものであった(加工工程通過性:○)。また、不織布における分割率が97%と分割性に優れたものであり、極細繊維由来の柔軟性に優れた触感を有するものであった(触感評価:◎)。
実施例17で得られた分割型複合繊維は、単糸繊度が1.1dtexであり、中空率が30%の中空断面を有しており、セグメントbの平均面積は1.1μm2、セグメントbのうちb2の面積が4.4μm2、セグメントbの平均長径が1.6μmであった。この分割型複合繊維は、巻き返し加工工程中で毛羽が認められたものの、加工工程通過性は実用に耐えるものであった(加工工程通過性:△)。また、不織布における分割率が97%と分割性に優れたものであり、極細繊維由来の柔軟性に優れた触感を有するものであった(触感評価:◎)。結果を表3に示す。
紡糸に用いる口金の孔配置を変更して、セグメントbの数を2(実施例18)、4(実施例19)、8(実施例20)、33(実施例21)、300(実施例22)に変更したこと以外は実施例1に従い実施した。
紡糸に用いる口金の孔配置を変更して、セグメントbの数を300に変更し、セグメントb2の面積がセグメントbの平均面積の16.0倍となるようにしたこと以外は、実施例4に従い実施した。得られた分割型複合繊維は、単糸繊度が3.0dtexであり、セグメントbの平均面積は0.2μm2、セグメントbのうちb2の面積は3.0μm2、、セグメントbの平均長径は1.0μmであった。この分割型複合繊維は巻き返し加工工程中で毛羽立ちや糸切れ等に問題なく、加工工程通過性に優れたものであった(加工工程通過性:◎)。また、不織布における分割率は81%と分割性に優れるものであり、極細繊維に由来する柔軟性に優れた触感を有するものであった(触感評価:◎)。結果を表4に示す。
紡糸に用いる口金の最終吐出孔形状を三角形(実施例23)、扁平形状(実施例24)、Y形状(実施例25)に変更したこと以外は実施例1に従い実施した。
実施例23で得られた分割型複合繊維は、単糸繊度が1.7dtexであり、繊維断面は異形度が2.0の三角形であった。セグメントbの平均面積は1.7μm2、セグメントbのうちb2の面積は6.8μm2、セグメントbの平均長径が2.1μmであった。この分割型複合繊維は、巻き返し加工工程中で毛羽立ちや糸切れ等に問題なく、加工工程通過性に優れたものであった(加工工程通過性:◎)。また、不織布における分割率が87%と分割性に優れたものであり、極細繊維由来の柔軟性に優れた触感を有するものであった(触感評価:◎)。
実施例24で得られた分割型複合繊維は、単糸繊度が1.7dtexであり、繊維断面は異形度が5.5の扁平形状であった。セグメントbの平均面積は1.7μm2、セグメントbのうちb2の最大面積は6.8μm2、セグメントbの平均長径が2.6μmであった。この分割型複合繊維は、巻き返し加工工程中で毛羽立ちや糸切れ等に問題なく、加工工程通過性に優れたものであった(加工工程通過性:◎)。また、不織布における分割率が82%と分割性に優れたものであり、極細繊維由来の柔軟性に優れた触感を有するものであった(触感評価:◎)。
実施例25で得られた分割型複合繊維は、単糸繊度が1.7dtexであり、繊維断面は異形度が3.1のY形状であった。セグメントbの平均面積は1.7μm2、セグメントbのうちb2の最大面積は6.8μm2、セグメントbの平均長径が2.8μmであった。この分割型複合繊維は、巻き返し加工工程中で毛羽立ちや糸切れ等に問題なく、加工工程通過性に優れたものであった(加工工程通過性:◎)。また、不織布における分割率が90%と分割性に優れたものであり、極細繊維由来の柔軟性に優れた触感を有するものであった(触感評価:◎)。結果を表5に示す。
A成分のポリマーをポリエチレンテレフタレート(溶融粘度150Pa・s)、B成分のポリマーをナイロン6(溶融粘度115Pa・s)に変更し、紡糸温度を280℃に変更したこと以外は、実施例1に従い実施した。得られた分割型複合繊維は、単糸繊度が1.7dtexであり、セグメントbの平均面積は1.7μm2、セグメントbのうちb2の面積が6.8μm2、セグメントbの平均長径が1.6μmであった。この分割型複合繊維は巻き返し加工工程中で毛羽立ちや糸切れ等の問題なく、加工工程通過性に優れたものであった(加工工程通過性:◎)。また不織布における分割率は80%と分割性に優れるものであり、極細繊維に由来する柔軟性に優れる触感を有するものであった(触感評価:◎)。結果を表5に示す。
A成分のポリマーをナイロン6(溶融粘度160Pa・s)、B成分のポリマーをポリ乳酸(溶融粘度90Pa・s)に変更し、紡糸温度を260℃に変更したこと以外は、実施例1に従い実施した。得られた分割型複合繊維は、単糸繊度が1.7dtexであり、セグメントbの平均面積は1.7μm2、セグメントbのうちb2の面積は6.8μm2、セグメントbの平均長径は1.6μmであった。この分割型複合繊維は巻き返し加工工程中で毛羽立ちや糸切れ等に問題なく、加工工程通過性に優れたものであった(加工工程通過性:◎)。また、不織布における分割率は83%と分割性に優れるものであり、極細繊維に由来する柔軟性に優れた触感を有するものであった(触感評価:◎)。結果を表5に示す。
A成分のポリマーをナイロン6(溶融粘度160Pa・s)、B成分をポリプロピレン(溶融粘度82Pa・s)に変更し、紡糸温度を260℃に変更したこと以外は、実施例1に従い実施した。得られた分割型複合繊維は、単糸繊度が1.7dtexであり、セグメントbの平均面積は1.7μm2、セグメントbのうちb2の面積は6.8μm2、セグメントbの平均長径は1.6μmであった。この分割型複合繊維は巻き返し加工工程中で毛羽立ちや糸切れ等に問題なく、加工工程通過性に優れたものであった(加工工程通過性:◎)。また、不織布における分割率は87%と分割性に優れるものであり、極細繊維に由来する柔軟性に優れた触感を有するものであった(触感評価:◎)。結果を表5に示す。
A成分のポリマーをPET(溶融粘度135Pa・s)、B成分をポリプロピレン(溶融粘度91Pa・s)に変更し、紡糸温度を290℃に変更したこと以外は、実施例1に従い実施した。得られた分割型複合繊維は、単糸繊度が1.7dtexであり、セグメントbの平均面積は1.7μm2、セグメントbのうちb2の面積は6.8μm2、、セグメントbの平均長径は1.6μmであった。この分割型複合繊維は巻き返し加工工程中で毛羽立ちや糸切れ等に問題なく、加工工程通過性に優れたものであった(加工工程通過性:◎)。また、不織布における分割率は81%と分割性に優れるものであり、極細繊維に由来する柔軟性に優れた触感を有するものであった(触感評価:◎)。結果を表5に示す。
実施例1と同様の口金およびポリマーA、Bを用いて、体積での複合比率をA/B=80/20として、紡糸温度270℃で溶融紡出した後、エジェクターにより紡糸速度2500m/分で紡糸し、移動するネットコンベア上でウェブ状に捕集した。このウェブ状不織布を構成する分割型複合繊維は剥離分割しておらず、工程通過性に優れるものであり、単糸繊度は1.6dtexであった。また、セグメントbの平均面積は1.7μm2、セグメントbのうちb2の最大面積は6.8μm2、セグメントbの平均長径は1.6μmであった。得られたウェブの目付けは45g/m2であった。なお、ウェブから分割型複合繊維を抜き出し、巻き返し加工を行ったところ、工程中で毛羽立ちや糸切れ等に問題なく、加工工程性に優れたものであった(加工工程通過性:◎)次いで、不織布をロール式乾燥機で160℃、15分間の熱処理を行い、ウォータージェット加工として、熱処理後の不織布を90メッシュの網に載せて、水流噴射処理装置のコンベアー上に置き、孔径0.08mm、ピッチ0.6mmで直線上に一列配置したノズルから、圧力100kg/cm2で10m/分の送り速度で表裏1回ずつ水流を噴出させた。処理後の不織布は110℃で熱風乾燥した。
2 本発明の分割型複合繊維の断面におけるセグメントb
3 本発明の分割型複合繊維の断面においてセグメントbの平均面積の2倍以上の面積を有するセグメントb2
4 本発明の分割型複合繊維の断面における中空部分
5 異形断面繊維の断面における外接円
6 異形断面繊維の断面
7 異形断面繊維の断面における内接円
8 スリット状吐出孔
Claims (5)
- 繊維軸に垂直方向の繊維断面において、ポリマーA及びBがいずれも繊維表面に露出しながら交互に配列される複合繊維であり、ポリマーAは連続した1つのセグメントaを形成し、ポリマーBは複数のセグメントbからなり、セグメントbの平均面積が8.0μm2以下である分割型複合繊維。
- セグメントbの平均長径が5.0μm以下である請求項1に記載の分割型複合繊維。
- セグメントbの平均面積の2.0倍以上の面積であるセグメントb2を有する請求項1または2に記載の分割型複合繊維。
- 中空部分を有し、該中空率が5〜30%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の分割型複合繊維。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の分割型複合繊維が少なくとも一部を構成する繊維製品。
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