JP5740877B2 - 極細繊維 - Google Patents
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Description
百nmレベルの繊維径を有した極細繊維の製造が可能となる反面、繊維径の制御には限界があり、均質な極細繊維を得るのが困難である。このため、繊維製品とする際に、加工条件を精密に制御する必要がある等の課題があり、これが用途展開を困難になる場合があった。一方、複合紡糸法は、2種類以上のポリマーからなる海島複合繊維とする原理的な面では、ポリマーアロイ法と差はないが、複合口金で複合ポリマー流を精密に制御でき、極細繊維の繊維径を用途に応じて均質に制御できると言う点で優れた手法であると言える。
特許文献1では、難溶解成分の孔の下に、断面方向に拡張された易溶解成分のポリマー溜りを設置し、ここに難溶解成分を挿入することで、芯鞘複合流として、その芯鞘複合流同士を合流後、圧縮して最終孔から吐出する。この技術においては、難溶解成分および易溶解成分ともに、分流流路と導入孔の間に設置された流路幅によって、圧力を制御し、挿入する圧力を均一化することによって、導入孔から吐出されるポリマー量を制御している。このように各導入孔を均一圧力とすることは、ポリマー流の制御という面では、優れたものである。しかしながら、ナノオーダーの極細化を可能とするには、少なくとも難溶解成分側の導入孔あたりのポリマー量が10−2〜10−3g/min・holeのレベルと極めて少なくなる。このため、簡易にはポリマー流量と壁間隔と比例関係にある圧損はほぼ0となり、ポリマーを精密に制御することは非常に困難なことである。事実、実施例で得られる極細糸はポリマー量が10〜10−1g/min・holeで実施可能な0.07〜0.08d程度(約2700nm)であり、ナノオーダーの極細繊維を得るには至っていない。
(1)繊維径10〜1000nmであり、繊維径バラツキが1.0〜20.0%、異形度が1.2〜5.0および異形度バラツキが1.0〜10.0%であることを特徴とする極細繊維。
(2)破断強度が1〜10cN/dtexであり、弾性率が10〜150cN/dtexであることを特徴とする(1)に記載の極細繊維。
(3)単繊維の繊維軸と垂直方向の断面において、繊維断面の輪郭が少なくとも2箇所以上の直線部を有していることを特徴とする(1)または(2)記載の極細繊維。
(4)隣り合う2箇所の直線部を延長した線がなす交点の角度が20°〜150°であることを特徴とする(1)から(3)のいずれか1項に記載の極細繊維。
(5)隣り合う2箇所の直線部を延長した線がなす交点が3箇所以上存在することを特徴とする(3)または(4)記載の極細繊維。
(6)(1)から(5)記載の極細繊維がすくなくとも一部を構成する繊維製品。
である。
本発明の極細繊維は、繊維径が平均で10〜1000nmと極限的な細さを有しているものであるが、その繊維径バラツキが1〜20%であることが重要である。
ここで言う繊維径は、以下のように求めるものである。
本発明の極細繊維は、10nm未満の繊維径とすることも可能である。しかしながら、10nm以上とすることで、極細繊維が過剰に細くなることを予防する。更には、製造工程において、部分的に破断すること等を抑制できる。このため、本発明の目的とする均質性が向上された極細繊維という観点から好適である。一方、本発明の極細繊維が有する独特のタッチ等の本発明の極細繊維あるいはこれからなる繊維製品に目的とする性能を付与させるためには、繊維径は1000nm以下とする必要がある。極細繊維のしなやかさを明確にするためには、特に600nm以下が好ましい。また、この繊維径バラツキにおいては、1.0〜20.0%にする必要があり、係る範囲であれば、局所的に粗大な繊維が存在しないため、前述した繊維の表面特性や払拭性能の部分的な変化がない。このバラツキは小さいほど好ましい。特に高性能なスポーツ衣料やIT用の精密研磨に用いるには、1.0〜10.0%とすることが好ましい。
ここで言う異形度とは、前述した繊維径および繊維径バラツキと同様の方法で、極細繊維の断面を2次元的に撮影し、その画像から、切断面に外接する真円の径を外接円径(繊維径)とし、さらに、内接する真円の径を内接円径として、異形度=外接円径÷内接円径から、小数点3桁目までを求め、小数点2桁目以下を四捨五入したものを異形度とした。ここで言う内接円とは図1中の一点鎖線(図1中3)を示している。この異形度を同一画像内で無作為に抽出した150本の極細繊維について測定し、本発明の言う異形度バラツキとは、その平均値および標準偏差から、異形度バラツキ(異形度CV%)=(異形度の標準偏差/異形度の平均値)×100(%)として算出される値であり、小数点2桁目以下は四捨五入するものである。ちなみに、異形度は、極細繊維の切断面が真円あるいはそれに類似した楕円の場合には、1.1未満になるものである。また、従来公知の海島複合口金で紡糸した場合、海島複合断面において、最外層の部分が、歪んだ楕円となり、異形度としては、1.2以上になる場合がある。しかしながら、この場合には、異形度のバラツキが増加するため、本発明の極細繊維を満足しないのである。また、この場合には、繊維径バラツキが同様に増加することは言うまでもない。本発明の極細繊維の大きな特徴は、ナノオーダーの繊維径を有しつつも、異形度を有している。すなわち真円とは異なる断面形状であり、かつ極細繊維1本1本がほぼ同じ断面形状を有していることに特徴がある。
ここで言う繊維製品は、ジャケット、スカート、パンツ、下着などの一般衣料から、スポーツ衣料、衣料資材、カーペット、ソファー、カーテンなどのインテリア製品、カーシートなどの車輌内装品、化粧品、化粧品マスク、ワイピングクロス、健康用品などの生活用途や研磨布、フィルター、有害物質除去製品、電池用セパレーターなどの環境・産業資材用途や、縫合糸、スキャフォールド、人工血管、血液フィルターなどの医療用途に使用することができる。
本発明の極細繊維は、2種類以上のポリマーからなる海島複合繊維を製糸し、これを繊維状あるいは繊維製品とした後に、海成分を脱海することにより得ることができる。ここで、海島複合繊維を製糸する方法としては、溶融紡糸による海島複合紡糸が好適である。特に、繊維径および断面形状の制御に優れるという点で、海島複合口金を用いる方法とすることが好ましい。
図2(a)〜(c)は、本発明に用いる海島複合口金の一例を模式的に説明するための説明図であって、図2(a)は海島複合口金を構成する主要部分の正断面図であり、図2(b)は分配プレートの一部の横断面図、図2(c)は吐出プレートの一部の横断面図である。図2(b)および図2(c)は図2(a)を構成する分配プレート、および吐出プレートであって、図3は分配プレートの平面図、図4は本発明に係る分配プレートの一部の拡大図であり、それぞれが一つの吐出孔に関わる溝および孔として記載したものである。
各計量孔9(9−(a)および9−(b))から吐出されたポリマーは、分配プレート7の分配溝10に流入される。ここで、計量プレート6と分配プレート7との間には、計量孔9と同数の溝を配置して、この溝長を下流に沿って断面方向に徐々に延長していくような流路を設けると良い。というのは、分配プレートに流入する以前に両成分のポリマーを断面方向に拡張しておくと、海島複合断面の安定性が向上するのである。
易溶解成分としては、水系溶媒あるいは熱水などに易溶解性を示す共重合ポリエステル、ポリ乳酸、ポリビニールアルコールなどが好ましく、特に、ポリエチレングリコール、ナトリウムスルホイソフタル酸が単独あるいは組み合わされて共重合したポリエステルやポリ乳酸を用いることが紡糸性および低濃度の水系溶媒に簡単に溶解するという観点から好ましい。
実施例および比較例については、下記の評価を行った。
チップ状のポリマーを真空乾燥機によって、水分率200ppm以下とし、東洋精機製キャピログラフ1Bによって、歪速度を段階的に変更して、溶融粘度を測定した。なお、測定温度は紡糸温度と同様にし、実施例あるいは比較例には、1216s−1の溶融粘度を記載している。ちなみに、加熱炉にサンプルを投入してから測定開始までを5分とし、窒素雰囲気下で測定を行った。
極細繊維からなるマルチフィラメントをエポキシ樹脂で包埋し、Reichert社製FC・4E型クライオセクショニングシステムで凍結し、ダイヤモンドナイフを具備したReichert−Nissei ultracut N(ウルトラミクロトーム)で切削した後、その切削面を(株)キーエンス製 VE−7800型走査型電子顕微鏡(SEM)にて倍率5000倍で撮影した。得られた写真から無作為に選定した150本の極細繊維を抽出し、写真について画像処理ソフト(WINROOF)を用いて全ての外接円径(繊維径)を測定し、平均繊維径および繊維径標準偏差を求めた。これらの結果から下記式に基づき繊維径CV%を算出した。以上の値は全て3ヶ所の各写真について測定を行い、3ヶ所の平均値とし、nm単位で小数点1桁目まで測定し、小数点以下を四捨五入する。
繊維径バラツキ(CV%)=(繊維径標準偏差/平均繊維径)×100
C.異形度および異形度バラツキ(CV%)
前述した繊維径および繊維径バラツキと同様の方法で、極細繊維の断面を撮影し、その画像から、切断面に外接する真円の径を外接円径(繊維径)とし、さらに、内接する真円の径を内接円径として、異形度=外接円径÷内接円径から、小数点2桁目までを求め、小数点2桁目以下を四捨五入したものを異形度として求めた。この異形度を同一画像内で無作為に抽出した150本の極細繊維について測定し、その平均値および標準偏差から、下記式に基づき異形度バラツキ(CV%)を算出した。この異形度バラツキについては、小数点2桁目以下は四捨五入する。
異形度バラツキ(CV%)=(異形度の標準偏差/異形度の平均値)×100(%)
D.極細繊維の断面形状評価
前述した繊維径および繊維径バラツキと同様の方法で、極細繊維の断面を撮影し、その画像から、断面の輪郭にある2つの端点を持った線分が直線である部分の数をカウントした。対象該画像から同一画像内で無作為に抽出した150本の極細繊維の断面について評価した。150本の極細繊維について、直線部の数をカウントし、その総和を極細繊維の本数で割り返して、極細繊維1本当たりの直線部の数を算出し、小数点第2位以下は四捨五入した。
また、断面の輪郭に存在する直線部から図1の5のように延長した線を引く。隣り合った2本の線の交点の数をカウントするとともに、その角度を測定し、その角度の総和を交点の数で割り返すことにより算出し、小数点以下を四捨五入した値を極細繊維1本の交点の角度とした。同様の操作を150本の極細繊維について行い、その単純な数平均を交点の角度とした。
海島繊維を丸編みとし、水酸化ナトリウム3重量%水溶液(80℃ 浴比1:100)に浸漬することで易溶解成分を99%以上溶解除去した後、編みを解くことで極細繊維からなるマルチフィラメントを抜き出し、この1mの重量を測定し、10000倍することで繊度を算出した。これを10回繰り返し、その単純平均値の小数点第2位を四捨五入した値を繊度とした。
繊度測定の際に採取した極細繊維からなるマルチフィラメントをオリエンテック社製引張試験機 テンシロン UCT−100型を用い、試料長20cm、引張速度100%/分条件で応力−歪曲線を測定する。破断時の荷重を読みとり、その荷重を初期繊度で除することで破断強度を算出し、破断時の歪を読みとり、試料長で除した値を100倍することで、破断伸度を算出した。また、弾性率は、マルチフィラメントの荷重−伸長曲線の初期立ち上がり部分を直線近似し、その傾きから求めた。いずれの値も、この操作を各水準毎に5回繰り返し、得られた結果の単純平均値を求め、小数点第2位を四捨五入した値である。
島成分として、固有粘度(IV)が0.63dl/gのポリエチレンテレフタレート(PET 溶融粘度:120Pa・s)と、海成分として、IV0.58dl/gの5−ナトリウムスルホイソフタル酸を5.0モル%共重合したPET(共重合PET 溶融粘度:140Pa・s)を290℃で別々に溶融後、計量し、図2に示した本発明の複合口金が組み込まれた紡糸パックに流入させ、吐出孔から複合ポリマー流を吐出した。なお、吐出プレート直上の分配プレートには、島成分用として、1吐出孔に対し、1000の分配孔が穿設されており、孔の配列パターンとしては、図5(c)の配列とした。図3の15に示している海成分用の環状溝には円周方向1°毎に分配孔が穿設されたものを使用した。また、吐出導入孔長は5mm、縮小孔の角度は60°、吐出孔径0.5mm、吐出孔長/吐出孔径は1.5のものである。海/島成分の複合比は、30/70とし、吐出された複合ポリマー流を冷却固化後油剤付与し、紡糸速度1500m/minで巻き取り、150dtex−15フィラメント(総吐出量22.5g/min)の未延伸繊維を採取した。巻き取った未延伸繊維を90℃と130℃に加熱したローラ間で3.0倍延伸を行い、50dtex−15フィラメントの延伸繊維とし、前述した方法で、海成分を99%以上溶解し、15000本の極細繊維からなるマルチフィラメントを採取した。
この極細繊維の断面を観察したところ、直線部が6箇所、交点の角度が120°の正六角形の断面を形成していることが確認できた。この極細繊維の繊維径は455nm、繊維径バラツキは5.9%であり、異形度は、1.2、異形度バラツキは、3.9%であり、繊維径および断面形状のいずれもが均質性な異形極細繊維を採取することができた。このマルチフィラメントの力学特性は、破断強度3.0cN/dtex、弾性率32cN/dtexと極細繊維であるにもかかわらず優れた力学特性を有していた。結果を表1に示す。
海/島成分の複合比を20/80(実施例2)、50/50(実施例3)、70/30(実施例4)に変更した以外は、実施例1に従い極細繊維を製造した。これらの極細繊維の評価結果は、表1に示す通り、実施例1と同様に繊維径および断面形状の均質性に優れ、優れた力学特性を有した異形極細繊維が得られた。
特開2001−192924号公報に記載された従来公知のパイプ型海島複合口金(島数1000)を使用し、実施例1に記載の紡糸条件で紡糸した。比較例1で得られた極細繊維の評価結果は、表1に示すとおりであるが、繊維径は比較的バラツキが小さいものであるが、真円(異形度1.0)であり、断面形状の均質性においては、本発明の極細繊維と比較して劣るものであった。ちなみに、極細繊維の断面においては、直線部は存在しなかった。
特開2007−39858号公報に記載される流路の縮小を複数回繰り返す海島複合口金を用いたこと以外は実施例1に従い実施した。実施例1と島数を合わせるためには、流路縮小が4回必要であった。比較例2で得られた極細繊維の評価結果は、表1に示すとおりであるが、繊維径は縮小されるものの、海島複合繊維では外層部に位置していたと推察される極細繊維は真円から大きく歪んだものであり、繊維径バラツキおよび異形度バラツキの点で、本発明の極細繊維と比較して、劣るものであった。なお、極細繊維の断面においては、直線部は存在しなかった。
海成分として、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を8.0モル%共重合したPET(共重合PET2 溶融粘度:110Pa・s)を用い、延伸倍率を4.0倍としたこと以外は実施例1に従い実施した。
これらの極細繊維の評価結果は、表2に示す通りであるが、実施例1と同様に繊維径および断面形状の均質性に優れたものであった。また、実施例5では、海成分の溶解速度が島成分と比較して200倍早く、脱海処理時に島成分に影響を与えなかったことと、延伸倍率を高めたことによって、力学特性が向上した異形極細繊維が得られた。
吐出プレート直上の分配プレートの孔の配列パターンを図5(a)(実施例6)および図5(b)(実施例7)の配列としたこと以外は全て実施例1に従い実施した。
この条件で得られた極細繊維の断面を観察したところ、三角形(実施例6 異形度2.5 直線部3箇所 交点の角度60°)および四角形(実施例7 異形度1.7 直線部4箇所 交点の角度90°)の断面を形成していることが確認できた。また、これらの極細繊維からなるマルチフィラメントにおいては、極細繊維が面−面で接し、密に密集したものであった。
これらの極細繊維の評価結果は、表2に示す通りであるが、実施例1と同様に繊維径および断面形状の均質性に優れ、優れた力学特性を有した異形極細繊維が得られた。
吐出プレート直上の分配プレートの孔の配列パターンを図5(a)とし、分配孔1の数は1000孔としたまま、分配孔1−分配孔1の間隔を実施例6比較して1/2とし、海/島成分の複合比は40/60としたこと以外は実施例5に従い実施した。
実施例8で得られた極細繊維は扁平断面を有しており、異形度が4.4と大きいにもかかわらず、表2に示すように繊維径および異形度のバラツキは小さく均質であった。
島成分をナイロン6(N6 溶融粘度145Pa・s)、海成分をポリ乳酸(PLA 溶融粘度100Pa・s)、紡糸温度を240℃としたこと以外は実施例1に従い実施した。実施例9で得られた極細繊維も実施例1と同様に六角形の断面を有しており、異形度が1.2であった。繊維径および異形度のバラツキは表2に示したように均質なものであった。また、島成分をN6とした場合には、脱海処理時の影響がないため、破断強度は向上する結果となった。
実施例8で使用した口金を用いたこと以外は、全て実施例9に従い実施した。実施例10で得られた極細繊維も実施例8と同様に扁平断面を有しており、異形度が4.8であった。繊維径および異形度のバラツキは表2に示したように小さく均質であった。
ポリトリメチレンテレフタレート(3GT 溶融粘度180Pa・s)を島成分ポリマーとして用いたこと以外は実施例9に従い実施した。実施例11で得られた極細繊維も実施例9と同様に六角形の断面を有しており、異形度が1.2であった。繊維径および異形度のバラツキは表3に示したように小さく均質であった。
実施例12〜14
島成分用として1吐出孔当たり2160個の孔が穿設された分配プレートを用い、吐出プレートとして、吐出孔径0.2mm、吐出孔数20holeとし、総吐出量を10g/min、海/島成分の複合比を20/80(実施例12)、50/50(実施例13)、80/20(実施例14)に変更した以外は、実施例1に従い極細繊維を製造した。これらの極細繊維の評価結果は、表3に示す通り、繊維径および断面形状の均質性に優れ、優れた力学特性を有した異形極細繊維が得られた。
海成分として、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を8.0モル%共重合したPET(共重合PET2 溶融粘度:110Pa・s)を用い、海/島比率を20/80、延伸倍率を4.0倍にしたこと以外は全て実施例6に従い実施した。極細繊維の評価結果を表3に示すが、共重合PET2を使用することで、脱海処理が短時間で完了するため、極細繊維への悪影響は少なく、且つ延伸倍率を高めたことから、良好な力学特性を有したものであった。
吐出孔径を0.2mm、総吐出量を10g/minにしたこと以外は、全て実施例15に従い実施した。極細繊維の評価結果を表3に示す。実施例15と比較して、吐出量を減ずることで、極細繊維の繊維径は縮小されたものの、ほぼ同等の特性を有したものであった。
特開2001−192924号公報に記載された従来公知のパイプ型海島複合口金(島数1000)を使用し、海成分をナイロン6(N6 溶融粘度55Pa・s)、島成分をポリエチレンテレフタレート(PET 溶融粘度:120Pa・s)、紡糸温度を290℃としたこと以外は実施例1に従い実施した。なお、比較例15では、得られた海島複合繊維から極細繊維を発生させる際には、ギ酸を用いた。N6の融点(225℃)に対して、紡糸温度が高すぎたため、複合流とした際の海成分の流動が不安定になり、極細繊維は、部分的には、ナノオーダーの極細繊維が存在するものの、断面形状がランダムに歪んだものが多く、かつ部分的に融着した粗大な極細繊維が存在した。
2 外接円(繊維径)
3 内接円
4 交点
5 延長線
6 計量プレート
7 分配プレート
8 吐出プレート
9 計量孔
9−(a) 計量孔1
9−(b) 計量孔2
10 分配溝
10−(a)分配溝1
10−(b)分配溝2
11 分配孔
11−(a)分配孔1
11−(b)分配孔2
12 吐出導入孔
13 縮小孔
14 吐出孔
15 環状溝
16 島成分(極細繊維)の例
Claims (6)
- 繊維径10〜1000nmであり、繊維径バラツキが1〜20%、異形度が1.2〜5.0および異形度バラツキが1〜10%であることを特徴とする極細繊維。
- 破断強度が1〜10cN/dtexであり、弾性率が10〜150cN/dtexであることを特徴とする請求項1に記載の極細繊維。
- 単繊維の繊維軸と垂直方向の断面において、繊維断面の輪郭が少なくとも2箇所以上の直線部を有していることを特徴とする請求項1または請求項2記載の極細繊維。
- 隣り合う2箇所の直線部を延長した線がなす交点の角度が20°〜150°であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の極細繊維。
- 隣り合う2箇所の直線部を延長した線がなす交点が3箇所以上存在することを特徴とする請求項3または請求項4記載の極細繊維。
- 請求項1から請求項5のいずれかに記載の極細繊維が少なくとも一部を構成する繊維製品。
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