JP2007100243A - 高タフネス極細繊維用海島型複合繊維 - Google Patents

高タフネス極細繊維用海島型複合繊維 Download PDF

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Abstract

【課題】繊維径が均一であり各用途に応用展開可能な高タフネス極細繊維を得ることができる高タフネス極細繊維用複合繊維を提供する。
【解決手段】易溶解性ポリマーを海成分、難溶解性ポリマーを島成分とする海島型複合繊維とし、海成分:島成分の比率を重量を基準として10:90〜60:40とし、繊維横断面における、繊維直径(R)及び島成分の平均直径(r)と、該繊維横断面の中心を通り互いに45度の角度毎に4本の直線を引いたときこの直線状にある島成分の間隔の、平均値(S)及び最大値(Smax)が以下の関係式(I)及び(II)を満たし、海成分溶解後の繊維のタフネスが20以上である高タフネス極細繊維用海島型複合繊維とする。
0.001≦S/r≦0.5(I)
Smax/R≦0.15 (II)
【選択図】なし

Description

島数が極めて多く、該海成分を溶解除去した際に強度があり、径均一性に優れる極細繊維に関するものである。
従来、極細繊維の製造技術は数多く提案されている。代表的な製造方法として、直接紡糸法や海島型複合紡糸法、エレクトロスピニングなどがある。直接紡糸法では紡糸時のノズル径を小さくすることが必要となり、これにより押出圧力が大きくなり、結果として押出し状態が不安定になるため、糸切れや毛羽の発生という問題点が起こる。また、製造可能な繊維の径に限界があった。海島型複合紡糸法では、海島ポリマーをチップ状態でブレンドした繊維から極細繊維を得る方法が特許文献1や特許文献2に記載されている。従来ある装置で容易に製造できることから広く利用されている。しかし、この方法を用いて得られた海島型複合繊維からできる極細繊維は繊維径のばらつきが大きいという問題点がある。
また、特許文献3では、スタティクミキサーで混合した複合ポリマーを島成分として用いて海島断面を形成し、微細なポリマー短繊維の集合体からなる繊維の製造方法が記載されているが、ブレンドによる島相形成により、その均質性は不十分であるとともに、微細フィブリルからなる集合体繊維であるため、タフネスに問題がある。
特許文献4では海島ポリマーそれぞれの溶融流を接合して接合流を形成し、該接合流を分割し接合することを繰り返すことにより得た海島構造繊維の製造方法が記載されているが、繊維間の島数にばらつきがあるので、タフネスや製品の品質安定性に問題がある。
エレクトロスピニングは数十nmレベルの繊維径を持つ不織布を製造可能な装置である。これは、高分子溶液の入ったノズルの先端と基板上の間に高電圧を加え、荷電した高分子溶液を噴射し、基板上に集積させるものである。微量かつ低濃度の溶液で容易に製造できることから、最近特に注目されている。しかし、エレクトロスピニングを用いて作成した不織布の繊維径は特許文献5にも記載されているように、かなりばらつきがある。また、タフネスも通常の繊維に比べて弱く、応用面で限界があった。製造方法も溶剤や高電圧を使用するなど、設備面の安全性や環境負荷の観点から問題があった。
以上のことから、繊維径が均一であり応用展開可能な高タフネス極細繊維が求められている。
特開平3−113082号公報 特開平4−126815号公報 特公昭60−28922号公報 特開2000−110028号公報 特開2004−68161号公報
本発明は上記の問題点を克服し、繊維径が均一であり各用途に応用展開可能な高タフネス極細繊維を得ることができる高タフネス極細繊維用複合繊維を提供することを課題とすする。
本発明者らは上記の問題点を解決するために鋭意検討した結果、本発明に達した。すなわち、本発明によれば、易溶解性ポリマーを海成分、難溶解性ポリマーを島成分とする海島型複合繊維であって、海成分:島成分の比率が重量を基準として10:90〜60:40であり、繊維横断面において、繊維直径(R)及び島成分の平均直径(r)と、該繊維横断面の中心を通り互いに45度の角度毎に4本の直線を引いたときこの直線状にある島成分の間隔の、平均値(S)及び最大値(Smax)が以下の関係式(I)及び(II)を満たし、海成分溶解後の繊維のタフネスが20以上であることを特徴とする高タフネス極細繊維用海島型複合繊維が提供される。
0.001≦S/r≦0.5(I)
Smax/R≦0.15 (II)
本発明の高タフネス極細繊維用複合型複合繊維(以下、海島型複合繊維または複合繊維と称することがある)は、易溶解性ポリマーを海成分、難溶解性ポリマーを島成分とする海島型複合繊維であって、その海成分:島成分の比率が重量を基準として10:90〜60:40の範囲、好ましくは海成分:島成分20:80〜40:60の範囲である必要がある。海成分の割合が60%以上であると、海成分溶解に必要な溶剤の量が多くなり、安全性や環境への負荷、そしてコストの面で問題がある。また、10%未満の場合には島同士が膠着しやすくなる。
本発明においては、上記複合繊維の繊維横断面において、繊維直径(R)及び島成分の平均直径(r)と、該繊維横断面の中心を通り互いに45度の角度毎に4本の直線を引いたときこの直線状にある島成分の間隔の、平均値(S)及び最大値(Smax)が以下の関係式(I)及び(II)を満たすこと、また、海成分溶解後の繊維のタフネスが20以上であることが肝要である。これにより、本発明の目的とする高タフネスを達成することができる。
0.001≦S/r≦0.5(I)
Smax/R≦0.15 (II)
なお、Smaxは繊維中心部に海成分が存在する場合はそれを除いた島成分の間隔の最大値である。
ここでS/rの値が0.5を超える場合、もしくはSmax/Rの値が0.15を超える場合には、高速紡糸性が悪くなり、また延伸倍率を大きくすることができないので、複合繊維の延伸糸の強伸度物性が低下し、海成分溶解後の極細繊維の強度が低くなる。S/rの値が0.001未満の場合には島成分同士が膠着しやすくなる。より高タフネスとするためにより好ましくは下記の範囲である。
0.01≦S/r≦0.3
Smax/R≦0.08
また、本発明においては、島成分の間隔の平均値(S)と、4本の直線を引いたときこの直線状にある繊維外周に最も近い島成分と繊維外周との間隔(So)との比So/Sが0.1〜2.0の範囲であることが好ましい。So/Sが、2.0を超える場合は複合繊維の延伸糸の強伸度物性が低下し、海成分溶解後の極細繊維の強度が低くなる傾向にあり、一方、0.1未満の場合は島成分同士が膠着し易くなる傾向がある。
本発明においては、海島型複合繊維が、室温下での荷重−伸度曲線において、海成分が破断することによる降伏点を有していることが好ましい。この降伏点の発現は、海成分が島成分よりも早く固化することにより配向が進み、一方島成分は海成分の影響により配向が下がるために観察される現象である。この降伏点は海成分の部分破断点を意味し、降伏点以降は配向が低い島成分が伸びる。そして荷重−伸長曲線の破断点では海島成分がともに破断する。紡糸速度が高くなるほど降伏点が初期段階(すなわち、伸度が0%の方向)へ移行することからもこれらの現象を説明できる。
また、本発明においては、降伏点における伸度(%)と破断伸度(%)の差が40%以上であることが特に好ましい。降伏点における伸度と破断伸度の差が40%以下である場合には、40%未満である場合に比べて伸度が低くなるため、延伸倍率が上がらずに高タフネス化できない傾向にある。より好ましい降伏点における伸度(%)と破断伸度(%)の差は50〜200%である。
次に繊維横断面における島数は100以上であることが特に好ましい。島数が多いほど海成分を溶解除去して極細繊維を製造する場合の生産性が高くなり、しかも得られる極細繊維の細さも顕著となって極細繊維特有の柔らかさ、光沢感などを表現することができる。ここで、島数100未満の場合には、海成分を溶解除去しても繊維径の小さい極細繊維が得られない。また、島数が多くなりすぎると紡糸口金の製造コストが高くなるだけではなく、加工性自体も低下しやすくなるので1000以下とするのが好ましい。
さらに、本発明においては、島成分の平均直径は50〜2000nm、好ましくは100〜1000nmの範囲とするであることが望ましい。島成分の平均直径が、50nm未満の場合には繊維構造が不安定で物性や繊維形態が不安定で好ましくなく、一方2000nmを超える場合には極細繊維特有の柔らかさ、光沢感などが得られず好ましくない。
本発明の海島型複合繊維を構成するポリマーの組み合わせは、以下の3点を満たしていることが好ましい。つまり、3点とは、(1)溶融成形時における海成分の溶融粘度が島成分の溶融粘度より大きい、(2)島成分に対する海成分の溶解速度が200倍以上、(3)島成分の残留伸度が海成分よりも大きいことである。
溶融紡糸時における海成分の溶融粘度が島成分の溶融粘度よりも大きいことにより、海島断面形成性が良好となる。この条件を満たしていれば、海成分の複合重量比率が50%以下になっても、島同士が大部分膠着して海島繊維と異なる繊維となることはない。島同士が膠着すると、海成分を溶解除去した際に極細繊維だけではなく異形繊維まで作成されることとなり、染め斑やピリングなど品位に問題が生じやすくなる。特に好ましい溶融粘度比(海/島)は1.1〜2.0、特に1.3〜1.5の範囲である。この比が1.1未満の場合には溶融紡糸時に島成分が膠着しやすくなり、一方2.0を超える場合には粘度差が大きすぎるために紡糸調子が低下しやすい。なお、溶融紡糸時におけるとは、具体的には島成分と海成分を構成するポリマーのうち融点が高い方のポリマーの融点よりも10〜40℃高い温度で測定したそれぞれの溶融粘度において(1)の関係を満たしていればよい。
島成分に対する海成分の溶解速度が200倍以上であることにより、島分離性が良好となる。溶解速度が200倍未満の場合には、繊維断面中央部の海成分を溶解する間に、分離した繊維断面表層部の島成分が、繊維径が小さいために溶解されるため、海相当分が減量されているにもかかわらず、繊維断面中央部の海成分を完全に溶解除去できず、島成分の太さ斑や溶剤侵食による強度劣化が発生して、毛羽や染め斑が起こるなどの問題が生じる。上記の溶解速度は、具体的には、海成分がポリエステル系ポリマーの場合は4%NaOH水溶液で95℃にて、減量時間に対する減量率から溶解速度定数を算出し、その溶解速度定数の比とした。海成分がポリアミド系ポリマーの場合は99%のギ酸で25℃(室温)にて、海成分がスチレンの場合はトルエンで60℃にて、それぞれ24時間測定した溶解速度をいう。なお、本発明において、難溶解性ポリマー、易溶解性ポリマーとは、アルカリ水溶液、ギ酸、または、トルエンなどの有機溶剤に対する溶解性の難易に基づくポリマーを指すものである。
島成分の残留伸度が海成分よりも大きいことにより、海溶解後の島を高タフネスにすることができる。島成分の残留伸度が海成分より小さいと、延伸倍率を上げることができないため、海溶解後の島のタフネス値が低くなり、応用展開可能な極細繊維が作成できない。
海成分を構成するポリマーは上記の3点を満たしているポリマーが好ましく、特に繊維形成性の良いポリエステル系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ポリスチレン系ポリマー、ポリエチレン系ポリマーなどが好ましい。例えば、アルカリ水溶液に対して易溶解性ポリマーとしては、ポリ乳酸、超高分子量ポリアルキレンオキサイド縮合系ポリマー、5−ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合ポリエステルが最適である。ここでアルカリ水溶液とは、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム水溶液などを言う。また、ナイロン6はギ酸に溶解し易く、ポリスチレンはトルエンなど有機溶剤に溶解し易いので、これらでもよい。
上記のポリエステル系ポリマーのなかでは、5−ナトリウムスルホイソフタル酸6〜12モル%と分子量4000〜12000のポリエチレングリコールを3〜10重量%共重合させた固有粘度が0.4〜0.6のポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステルが好ましい。ここで、5−ナトリウムスルホイソフタル酸は親水性と溶融粘度向上に寄与し、ポリエチレングリコール(PEG)は親水性を向上させる。また、PEGは分子量が大きいほど、その高次構造に起因すると考えられる親水性増加作用があるが、反応性が悪くなってブレンド系になるため、耐熱性や紡糸安定性の面で問題が生じる可能性がある。また、共重合量が10重量%以上になると、溶融粘度低下作用があるので、好ましくない。以上のことから上記の範囲が適切である。
島成分を構成する難溶解性ポリマーは前述した3点を満たしていることが好ましく、ポリアミド系ポリマー、ポリスチレン系ポリマー、ポリエチレン系ポリマーなどを例示することができる。なかでも、衣料用途ではポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン66が好ましい。一方、産業資材や医療用途では、水や酸、アルカリに強いポリスチレンやポリエチレンなどが耐久性の点で好ましい。さらに島成分は丸断面に限らず、異形断面であってもよい。
以上に説明した本発明の海島型複合繊維は、例えば以下の方法により容易に製造することができる。すなわち、まず溶融粘度が高く且つ易溶解性であるポリマーと溶融粘度が低く、且つ難溶解性のポリマーとを前者を海成分、後者を島成分として溶融紡糸する。ここで、海成分と島成分の溶融粘度の関係が重要であり、海成分の溶融粘度が小さい場合には島成分同士が膠着する可能性がある。
溶融紡糸に用いられる口金としては、島成分を形成するための中空ピン群や微細孔群を有するものなど任意のものを用いることができる。例えば中空ピンや微細孔より押し出された島成分とその間を埋める形で流路を設計されている海成分流とを合流し、これを圧縮することにより海島断面が形成されるといった紡糸口金でもよい。好ましく用いられる紡糸口金例を図1および2に示すが、必ずしもこれらに限定されるものではない。本発明の海島型複合繊維断面において、繊維直径(R)、島成分の平均直径(r)と、島成分の間隔の平均値(S)及び最大値(Smax)が前述した式(I)及び(II)を満たすことが重要であり、これらの式を満たすような断面を作成できる口金であれば、どのような口金でもよい。なお図1は中空ピンを海成分樹脂貯め部分に吐出してそれを合流圧縮する方式であり、図2は微細孔方式で島成分を形成する方法である。
さらに具体的に各図について説明する。図1に示されている紡糸口金1においては、分配前の島成分用ポリマー溜め部2内の溶融された島成分ポリマーは、複数の中空ピンにより形成された島成分用ポリマー導入通路3中に分配され、一方、海成分用ポリマー導入通路4を通って、溶融された海成分ポリマーが、分配前海成分用ポリマー溜め部5に導入される。島成分用ポリマー導入通路3を形成している中空ピンは、それぞれ海成分用ポリマー溜め部5を貫通して、その下に形成された複数の芯鞘型複合流用通路6の各々の入り口の中央部分において下向きに開口している。島成分用ポリマー導入通路3の下端から、島成分ポリマー流が、芯鞘型複合流用通路6の中心部分に導入され、海成分用ポリマー溜め部の5中の海成分用ポリマー流は、芯鞘型複合流用通路6中に、島成分ポリマーをかこむように導入され、島成分ポリマー流を芯とし、海成分ポリマー流を鞘とする芯鞘型複合流が形成され、複数の芯鞘型複合流がロート状の合流通路7中に導入され、この合流通路7中において、複数の芯鞘型複合流は、それぞれの鞘部が互いに近接して、海島型複合流が形成される。この海島型複合流は、ロート状合流通路7中を流下する間に、次第にその水平方向の断面積を減少し、合流通路7の下端の吐出口8から吐出される。
また、図2に示されている紡糸口金11においては、島成分ポリマー用溜め部2と、海成分ポリマー用溜め部5とが、複数の透孔からなる島成分ポリマー用導入通路13に連結されていて、島成分用ポリマー溜め部2中の溶融された島成分ポリマーは、複数の島成分ポリマー用導入通路13に分配され、それを通って、海成分用ポリマー溜め部5に収容されている溶融された海成分ポリマー中を貫いて、芯鞘型複合流通路6中に流入し、その中心部を流下する。一方、海成分ポリマー用溜め部5中の海成分ポリマーは、芯鞘型複合流用通路6中に、その中心部を流下する島成分ポリマーの周りをかこむように流下する。これによって、複数の芯鞘型複合流通路6中において、複数の芯鞘型複合流が形成され、ロート状合流通路6中において、複数の芯鞘型複合流が形成され、ロート状合流通路7中に流下し、図1と同様にして海島型複合流を形成しつつ流下し、さらにその水平方向の断面積を減少し、吐出口8から吐出される。
吐出された海島型複合繊維は冷却風により固化され、巻き取られる。この巻取り速度は特に限定されないが、1000〜5000m/分であることが望ましい。1000m/分未満では製糸性が悪い。また、5000m/分を超えると紡糸安定性が悪い。
得られた未延伸糸は希望する強度・伸度・熱収縮特性に合わせることができる。延伸工程は一旦巻取り後別途延伸工程を行うかもしくは紡糸同時延伸を行い、延伸工程後に巻き取る方法などいずれでもかまわない。ここで重要なのは延伸の際の予熱条件が60〜150℃であることである。これにより糸斑や単糸切れを防ぐことができる。
本発明で得られた海溶解後の極細繊維のタフネスは20以上であることが好ましい。これ以上であれば、繊維製品に限らず幅広い分野で応用展開が可能となる。より好ましくは25以上である。
図3は、本発明の海島型複合繊維の一態様(21)の横断面説明図であって、海成分22とその中に互いに隔離して配置された多数の島成分23とによって構成されている。この図により、島成分の間隔を測定する方法について説明する。図3においては、横断面21に、その中心24を通り、互いに45度の角度をおいて、4本の直線25−1、25−2、25−3、25−4を引いたとき、この4本の直線上にある島成分の間隔を測定し、その中から最大値Sm、および繊維外周に最も近い島成分と繊維外周との間隔Soを定め、かつ、それらの間隔の平均値Sを算出する。図3においては、4本の直線状の島成分を出して記載したもので、その島成分の記載が省略されている。
本発明の海島型複合繊維、または該複合繊維からから海成分を除去して得られる極細繊維束は、これらえを少なくとも一部に用いた、糸、組み紐状糸、紡績糸、織物、フェルト、不織布、人工皮革などの中間製品として用いることができる。
また、上記の極細繊維束は高タフネスであるため、上記中間製品は、ジャケット、スカート、パンツ、下着などの衣料、スポーツ衣料、衣料資材、カーペット、ソファー、カーテンなどのインテリア、カーシートなどの車両内装品、化粧品、化粧品マスク、ワイピングクロス、健康用品などの生活用品や、研磨布、フィルター、有害物質除去製品、電池用セパレーターなどの環境・産業資材、縫合糸、スキャフォールド、人工血管、血液フィルターなどの医療用途などに幅広く用途展開が可能である。
さらに、上記極細繊維側は比面積が大きいため、吸着・吸収特性に優れているため、例えばたんぱく質、ビタミン類など健康・美容促進のための薬剤、抗炎症剤、消毒剤などの医薬品を吸着させて用いることができる。一方で除法性を有するためドラッグデリバリーシステムなど医薬・衛生用途にも用いることができる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。各評価項目は下記の方法で測定した。
(1)溶融粘度測定
乾燥処理後のポリマーを紡糸時のルーダー溶融温度に設定したオリフィスにセットして5分間溶融保持したのち、数水準の荷重をかけて押し出し、そのときのせん断速度と溶融粘度をプロットする。そのプロットをなだらかにつないで、せん断速度−溶融粘度曲線を作成し、せん断速度が1000秒−1の時の溶融粘度を見る。
(2)海島断面形成性
光学顕微鏡を用いて海島状態を観察し、2段階評価した。
○:島膠着部分なし
×:島膠着部分あり
(3)溶解速度測定
海・島成分の各々0.3φ−0.6L×24Hの口金にて1000〜2000m/分の紡糸速度で糸を巻取り、さらに残留伸度が30〜60%の範囲になるように延伸して、75de/24filのマルチフィラメントを作成する。これを各溶剤にて溶解しようとする温度で浴比100にて溶解時間と溶解量から、減量速度を算出した。
表中では海島溶解速度差が200倍以上の場合を○、200倍以下の場合を×とした。
(4)繊維直径(R)、島成分の平均直径(r)、該繊維横断面の中心を通り互いに45度の角度毎に4本の直線を引いたときこの直線状にある島成分の間隔の、平均値(S)及び最大値(Smax)
透過型電子顕微鏡TEMで、倍率30000倍で繊維断面写真を撮影し、測定した。
(5)荷重−伸長曲線
海島型複合繊維9000mの重量を3回測定して平均値から繊度を求めた。そして、室温で初期試料長100mm、引っ張り速度200m/分として荷重−伸長曲線を求めた。荷重−伸長曲線に海成分の部分破断に相当する降伏点が発現した場合には、中間降伏点と破断伸度の差はチャート紙から求めた。
(6)海溶解後の極細繊維タフネス
タフネスは以下の式から算出する。
タフネス=強度×(伸度)1/2
先に求めた海島型複合繊維の繊度(D)と溶解除去率(RR)から極細繊維の繊度を算出した。式は以下の通りである。
極細繊維の繊度=D×(1−RR)
海島型複合繊維を用いて重量1g以上の筒編みを作成し、海成分を溶解除去する。その後筒編をほどき、(5)に示した条件で荷重−伸長曲線を求めた。強度は破断時の荷重値を算出した繊度で割った値、伸度は破断時の伸長値から求めた。
(7)島成分の直径の均一性
海成分溶解除去後の極細繊維の30000倍TEM観察により、1本の複合繊維内の極細繊維について、平均繊維直径を算出し、その最大−最小幅が平均繊維直径の50%よりも小さいものを○、大きいものを×とした。
(8)極細繊維の風合い
モニター7人に対して官能試験を実施し、2段階評価した。
○:極細繊維特有のぬめり感があると評価した人が5人以上
×:極細繊維特有のぬめり感があると評価した人が5人以下
島および海成分は表1に記載のポリマーを用い、表1記載の島数の海島型複合未延伸繊を紡糸温度285℃で溶融紡糸して、表1記載の紡糸速度で巻き取った。得られた未延伸糸を延伸温度60〜90℃、表2記載の倍率でローラー延伸し、次いで150℃で熱セットして巻き取った。この際に延伸糸が40dtex/10filになるように紡糸吐出量を調整した。この延伸糸を筒編みし、溶媒で海成分比率相当分を溶解処理した。島成分の均一性は繊維断面をTEM観察して判断した。島成分のタフネスについては、荷重−伸長曲線を求め、強度は破断時の荷重値を算出した繊度で割った値とし、伸度は破断時の伸長値として、計算式に当てはめて計算し、表2に示した。
[実施例1]
島成分に285℃での溶融粘度が1200poiseのポリエチレンテレフタレート、海成分に285℃での溶融粘度が1400poiseである平均分子量4000のポリエチレングリコールを4wt%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を8mol%共重合した改質ポリエチレンテレフタレートを島成分:海成分=60:40の比率で、島数500の口金を用いて紡糸し、1500m/minで巻き取った。ここで、島成分の残留伸度は海成分よりも大きく、アルカリ減量速度差は1000倍であった。室温下での荷伸曲線においては、海成分の部分破断に相当する降伏点が発現していた。降伏点と破断伸度の差は60%であった。原糸断面をTEM観察したところ、海島断面形成性は良好であった。繊維直径(R)及び島成分の平均直径(r)と、該繊維横断面の中心を通り互いに45度の角度毎に4本の直線を引いたときこの直線状にある島成分の間隔の、平均値(S)及び最大値(Smax)の関係を調べたところ、S/r=0.1、Smax/R=0.05であった。また、島成分の間隔の平均値(S)と繊維外周に最も近い島成分と繊維外周との間隔(So)との比So/Sは0.8であった。さらにこれを延伸倍率2.8倍で延伸して得られた延伸糸を用いて筒編みを作成し4%NaOH水溶液で95℃にて40%減量した。繊維断面を観察したところ、均一な島径を有する極細島群を形成していた。海減量後の島成分の強度は3.1cN/dtex、伸度は75%でタフネスは30であり、繊維径が均一であり応用展開可能な高タフネス極細繊維を作成できた。
[実施例2]
実施例1と同じ海島ポリマーを同じ海島比率で使用し、実施例1と同じ口金を用いて紡糸し、紡糸速度1000m/minで巻き取った。室温下での荷伸曲線においては、海成分の部分破断に相当する降伏点は発現しておらず、通常の荷伸曲線であった。さらにこれを延伸倍率4.5倍で延伸して得られた延伸糸は均一な島直径を持つ、海島断面を形成していた。延伸糸を用いて筒編みを作成し4%NaOH水溶液で95℃にて40%減量した。結果を表1に示す。
[実施例3]
島成分に285℃での溶融粘度が1200poiseのポリエチレンテレフタレート、海成分に285℃での溶融粘度が1350poiseである平均分子量4000のポリエチレングリコールを4wt%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を9mol%共重合した改質ポリエチレンテレフタレートを使用し、島数400の口金を用いて紡糸し、同じ紡糸速度で巻き取った。室温下での荷伸曲線においては、海成分の部分破断に相当する降伏点が発現していた。島成分の間隔の平均値(S)と繊維外周に最も近い島成分と繊維外周との間隔(So)との比So/Sは0.9であった。未延伸糸の物性を表1に、降伏点と伸度の差を表2に示す。さらにこれを延伸倍率3.9倍で延伸して得られた延伸糸を用いて筒編みを作成し4%NaOH水溶液で95℃にて10%減量した。繊維断面を観察したところ、均一な島径を有する極細島群を形成していた。結果を表1に示す。
[実施例4]
島成分に285℃での溶融粘度が1150poiseのポリエチレンテレフタレートを使用し、海成分に285℃での溶融粘度が1300poiseである平均分子量4000のポリエチレングリコールを3wt%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を10mol%共重合した改質ポリエチレンテレフタレートを島成分:海成分=70:30の比率で、島数900の口金を用いて紡糸し、3500m/minで巻き取った。ここで、島成分の残留伸度は海成分よりも大きく、アルカリ減量速度差は2000倍であった。室温下での荷伸曲線においては、海成分の部分破断に相当する降伏点が発現していた。島成分の間隔の平均値(S)と繊維外周に最も近い島成分と繊維外周との間隔(So)との比So/Sは1.1であった。未延伸糸の物性を表1に、降伏点の有無、降伏点と伸度の差を表2に示す。さらにこれを延伸倍率2.3倍で延伸して得られた延伸糸を用いて筒編みを作成し4%NaOH水溶液で95℃にて30%減量した。結果を表2に示す。
[比較例1]
実施例1と同じ海島ポリマーを使用し、島数は同じであるが異なる口金を用いて同じ海島比率で紡糸し、同じ紡糸速度で巻き取った。室温下での荷伸曲線においては、海成分の部分破断に相当する降伏点は発現しておらず、通常の荷伸曲線であった。原糸断面をTEM観察したところ、海島断面形成性は良好であった。未延伸糸の物性を表1に、降伏点と伸度の差を表2に示す。同じ紡糸速度で巻き取ったにもかかわらず、上記の海島複合繊維の延伸倍率は2.1倍と実施例1に比べて低い値となった。延伸糸を用いて筒編みを作成し4%NaOH水溶液で95℃にて40%減量した。結果を表2に示す。
[比較例2]
実施例1と同じ海島ポリマーを使用し、同じ口金を用いて海:島=70:30の海島比率で紡糸し、同じ紡糸速度で巻き取った。室温下での荷伸曲線においては、海成分の部分破断に相当する降伏点は発現しておらず、通常の荷伸曲線であった。原糸断面をTEM観察したところ、海島断面形成性は良好であった。未延伸糸の物性を表1に、降伏点と伸度の差を表2に示す。海比率が70%と高いために延伸時に海成分の物性が反映されるため、延伸倍率は1.7倍と低かった。延伸糸を用いて筒編みを作成し4%NaOH水溶液で95℃にて70%減量した。海部を減量するために時間がかかるため、表面付近にある島が余分に減量され、島径は不均一となった。結果を表1に示す。
[比較例3]
島成分に285℃での溶融粘度が1550poiseのポリエチレンテレフタレート、海成分に285℃での溶融粘度が1100poiseである平均分子量4000のポリエチレングリコールを3wt%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を3mol%共重合した改質ポリエチレンテレフタレートを海:島=30:70の比率で、島数500の口金を用いて紡糸し、1500m/minで巻き取った。ここで、島成分の残留伸度は海成分よりも大きく、アルカリ減量速度差は500倍であった。未延伸糸の物性を表1に、降伏点と伸度の差を表2に示す。室温下での荷伸曲線においては、海成分の部分破断に相当する降伏点が発現していた。また、島成分の間隔の平均値(S)と繊維外周に最も近い島成分と繊維外周との間隔(So)との比So/S0.8であった。さらにこれを延伸倍率2.2倍で延伸して得られた延伸糸を用いて筒編みを作成し4%NaOH水溶液で95℃にて30%減量した。繊維断面を観察したところ、均一な島径を有する極細島群を形成していた。しかし、延伸倍率を高くすることは困難であった。結果を表2に示す。
[比較例4]
島成分に285℃での溶融粘度が1200poiseのポリエチレンテレフタレート、海成分に285℃での溶融粘度が1500poiseである平均分子量4000のポリエチレングリコールを3wt%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を5mol%共重合した改質ポリエチレンテレフタレートを海:島=40:60の比率で、島数700の口金を用いて紡糸し、1000m/minで巻き取った。ここで、島成分の残留伸度は海成分よりも大きく、アルカリ減量速度差は100倍であった。原糸断面をTEM観察したところ、海島断面形成性は良好であったが、島成分に対する海成分のアルカリ減量速度差が100倍であり不十分であるため、繊維表面の島が、繊維径が小さいためにかなり減量され、海相当分が減量されているにもかかわらず、繊維断面中央の大部分の海が減量されないため、極細繊維特有の柔らかさが得られなかった。結果を表1及び表2に示す。
[比較例5]
実施例1と同じ海島ポリマーを使用し、島数が25島である口金を用いて海:島=30:70で紡糸し、同じ紡糸速度で巻き取った。原糸断面をTEM観察したところ、海島断面形成性は良好であり、島成分に対する海成分のアルカリ減量速度差も十分であり、アルカリ減量後の繊維断面を観察したところ、均一な島径を有する島群を形成していたが、極細繊維の直径が3.2μmと大きいため極細特有の性質は現れなかった。結果を表1及び表2に示す。
[比較例6]
島成分に285℃での溶融粘度が1200poiseのポリエチレンテレフタレート、海成分に285℃での溶融粘度が900poiseである平均分子量4000のポリエチレングリコールを20wt%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を8mol%共重合した改質ポリエチレンテレフタレートを海:島=40:60の比率で、島数100の口金を用いて紡糸し、1500m/minで巻き取った。原糸断面をTEM観察したところ、海島断面形成性は不良であった。具体的には繊維表面部には島が独立して存在しているが、繊維中心部には接合した島の周囲を海成分が取り囲むような断面を形成していた。したがって、減量しても極細繊維は形成できなかった。結果を表1及び表2に示す。
[実施例5]
実施例1と同じ島ポリマーを使用し、海成分に285℃での溶融粘度が1350poiseのナイロン6を用いて、海:島=30:70の比率で、島数800の口金を用いて紡糸し、1000m/minで巻き取った。ここで、島成分の残留伸度は海成分よりも大きく、島成分であるPETはギ酸には実質的に溶解しないので、十分海島溶解速度差がある。室温下での荷伸曲線においては、海成分の部分破断に相当する降伏点は発現していなかった。原糸断面をTEM観察したところ、海島断面形成性は良好であった。未延伸糸の物性を表1に示す。さらにこれを延伸倍率2.9倍で延伸して得られた延伸糸を用いて筒編みを作成し海成分のみを溶解除去するためギ酸に浸漬させた。ギ酸処理後の繊維断面を観察したところ、均一な島径を有する極細島群を形成していた。結果を表2に示す。
[実施例6]
島成分に285℃での溶融粘度が1150poiseのナイロン66を使用し、海成分に実施例1で用いた改質PETを用いて、海:島=20:80の比率で、島数1000の口金を用いて紡糸し、1000m/minで巻き取った。ここで、島成分の残留伸度は海成分よりも大きく、島成分であるNyはアルカリ溶液には実質的に溶解しないので、十分海島溶解速度差がある。室温下での荷伸曲線においては、海成分の部分破断に相当する降伏点は発現していなかった。島成分の間隔の平均値(S)と繊維外周に最も近い島成分と繊維外周との間隔(So)との比So/Sは1.0であった。さらにこれを延伸倍率3.1倍で延伸して得られた延伸糸を用いて筒編みを作成し海成分のみを溶解除去するためギ酸に浸漬させた。ギ酸処理後の繊維断面を観察したところ、均一な島径を有する極細島群を形成していた。結果を表2に示す。
[実施例7]
島成分に285℃での溶融粘度が1000poiseのポリエチレンテレフタレート、海成分に285℃での溶融粘度が1200poiseである平均分子量4000のポリエチレングリコールを6wt%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を8mol%共重合した改質ポリエチレンテレフタレートを使用して、海:島=60:40の比率で、島数950の口金を用いて紡糸し、1000m/minで巻き取った。ここで、島成分の残留伸度は海成分よりも大きく、アルカリ減量速度差は2500倍であった。室温下での荷伸曲線においては、海成分の部分破断に相当する降伏点は発現していなかった。原糸断面をTEM観察したところ、海島断面形成性は良好であった。未延伸糸の結果を表1に示す。島成分の間隔の平均値(S)と繊維外周に最も近い島成分と繊維外周との間隔(So)との比So/Sは1.2であった。さらにこれを延伸倍率2.7倍で延伸して得られた延伸糸を用いて筒編みを作成し4%NaOH水溶液で95℃にて60%減量した。繊維断面を観察したところ、均一な島径を有する極細島群を形成していた。結果を表1に示す。
Figure 2007100243
Figure 2007100243
本発明の海島型複合繊維を紡糸するために用いられる紡糸口金の一例の一部の断面説明図である。 本発明の海島型複合繊維を紡糸するために用いられる紡糸口金の他の一例の一部の断面説明図である。 本発明の海島型複合繊維の一実施態様の断面説明図である。

Claims (8)

  1. 易溶解性ポリマーを海成分、難溶解性ポリマーを島成分とする海島型複合繊維であって、海成分:島成分の比率が重量を基準として10:90〜60:40であり、繊維横断面において、繊維直径(R)及び島成分の平均直径(r)と、該繊維横断面の中心を通り互いに45度の角度毎に4本の直線を引いたときこの直線状にある島成分の間隔の、平均値(S)及び最大値(Smax)が以下の関係式(I)及び(II)を満たし、海成分溶解後の繊維のタフネスが20以上であることを特徴とする高タフネス極細繊維用海島型複合繊維。
    0.001≦S/r≦0.5(I)
    Smax/R≦0.15 (II)
  2. 海島型複合繊維の荷重−伸度曲線が海成分の破断による降伏点を有している請求項1記載の高タフネス極細繊維用海島型複合繊維。
  3. 降伏点における伸度と破断伸度の差が40%以上である請求項2記載の高タフネス極細繊維用海島型複合繊維。
  4. 島数が100以上、島成分の平均直径(r)が50nm〜2μmであり、島成分の間隔の平均値(S)と、4本の直線を引いたときこの直線状にある繊維外周に最も近い島成分と繊維外周との間隔(So)との比So/Sが0.1〜2.0の範囲である請求項1記載の高タフネス極細繊維用海島型複合繊維。
  5. 溶融紡糸時における、海成分の溶融粘度が島成分の溶融粘度よりも高い請求項1記載の高タフネス極細繊維用海島型複合繊維。
  6. 海成分がポリ乳酸、超高分子量ポリアルキレンオキサイド縮合系ポリマー、ポリエチレングリコール系化合物共重合ポリエステルおよび、ポリエチレングリコール系化合物と5−ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合ポリエステルから選択される少なくとも1種のアルカリ水溶液易溶解性ポリマーであり、島成分に対する海成分の減量速度が200倍以上である請求項1記載の高タフネス極細繊維用海島型複合繊維。
  7. 海成分が5−ナトリウムスルホイソフタル酸を6〜12モル%および分子量4000〜12000のポリエチレングリコールを3〜10重量%共重合したポリエチレンテレフタレートである請求項1記載の高タフネス極細繊維用海島型複合繊維。
  8. 海成分がナイロンでありギ酸に可溶である請求項1記載の高タフネス極細繊維用海島型複合繊維。
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