JPH07118977A - 複合糸および布帛 - Google Patents

複合糸および布帛

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JPH07118977A
JPH07118977A JP5270476A JP27047693A JPH07118977A JP H07118977 A JPH07118977 A JP H07118977A JP 5270476 A JP5270476 A JP 5270476A JP 27047693 A JP27047693 A JP 27047693A JP H07118977 A JPH07118977 A JP H07118977A
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節男 田口
Kazuyoshi Okamoto
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、張り、腰が良好で、かつ、ソフトな
風合いと感触、さらには高強度、高撥水・撥油水性の特
性を合わせもつ複合糸およびそれからなる布帛を提供せ
んとするものである。 【構成】本発明の複合糸は、芯成分が単糸繊度0.3〜
10デニールのポリアミド繊維からなり、鞘成分が単糸
繊度0.5デニール以下の極細ポリエステル繊維の多数
から形成された芯鞘構造をなし、かつ、該芯成分と該鞘
成分の熱水収縮率あるいは乾熱収縮率が芯成分>鞘成分
であることを特徴とするものであり、また、本発明の布
帛は、芯成分が単糸繊度0.3〜10デニールのポリア
ミド繊維からなり、鞘成分が単糸繊度0.5デニール以
下の極細ポリエステル繊維の多数から形成された芯鞘構
造を有する複合糸が、布帛の一部あるいは全体に用いら
れてなることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特殊な芯鞘型複合糸と
その複合糸から構成される張り、腰が良好で、かつ、ソ
フトな風合いと感触、さらには高強度、高撥水・撥油水
性の特性を合わせもつ布帛に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、芯糸の周りを鞘糸が取り巻いた構
造を有する複合糸は、各種の目的に対して多くの方法が
行われている。例えば、フィランメント糸をオーバフィ
ードして短繊維の周りに捲付けた複合糸及びその製造方
法(特開昭58−109649号公報)、短繊維束の周
りに極細繊維フィラメント糸を捲回せしめたもの(特開
平3−279431号公報)、芯成分が紡績糸、鞘成分
がステープル繊維の同種素材で構成されたもの(特開昭
61−6341号公報)、金属フィラメントとループや
タルミを有する合成繊維マルチフィラメント糸条なるも
の(特開平2−221430号公報)、芯成分が芳香族
ポリアミド繊維の短繊維で鞘成分がポリエステル繊維の
短繊維あるいは長繊維で構成されるもの(特開平3−8
30号公報)、芯成分が高軟化点ポリエステルであり、
鞘成分が低軟化点ポリエステルから構成されるもの(特
開平2−139412号公報)などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、張り、腰が
良好で、かつ、ソフトな風合いと感触、さらには高強
度、高撥水・撥油水性の特性を合わせもつ複合糸および
それからなる布帛を提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成する本
発明は、次の通りの構成からなる。
【0005】本発明の複合糸は、芯成分が単糸繊度0.
3〜10デニールのポリアミド繊維からなり、鞘成分が
単糸繊度0.5デニール以下の極細ポリエステル繊維の
多数から形成された芯鞘構造をなし、かつ、該芯成分と
該鞘成分の熱水収縮率あるいは乾熱収縮率が芯成分>鞘
成分であることを特徴とするものであり、また、本発明
の布帛は、芯成分が単糸繊度0.3〜10デニールのポ
リアミド繊維からなり、鞘成分が単糸繊度0.5デニー
ル以下の極細ポリエステル繊維の多数から形成された芯
鞘構造を有する複合糸が、布帛の一部あるいは全体に用
いられてなることを特徴とするものである。
【0006】
【作用】以下、さらに詳しく本発明について説明をす
る。
【0007】従来から、極細繊維を用いた複合糸や布帛
の提案は多くあるが、極細繊維は張り、腰が乏しく、ク
タクタ感、タラタラ感といったものになりやく、また、
高密度布帛とすると、引裂強力を始めとして機械的性能
が低いという宿命的な問題があった。さらに、極細繊維
は細くなるほど単糸同志が集束しやすくなる性質があ
り、集束してしまうと実質的には太い繊維としてしか機
能せず、極細繊維の特徴が生かされていなかった。その
ため、その用途も限定されていた。
【0008】そこで、本発明者らは、芯成分が単糸0.
3〜10デニールのポリアミド繊維からなり、鞘成分が
単糸0.5デニール以下の極細ポリエステル繊維の多数
から形成され、芯成分の周りに鞘成分が配された芯鞘構
造をなし、かつ、その芯成分と鞘成分の熱水収縮率ある
いは乾熱収縮率が芯成分>鞘成分とすることにより、上
記の問題を解決したものである。
【0009】すなわち、単糸0.3〜10デニールの太
めのポリアミド繊維を芯成分に配することにより、ポリ
アミド繊維特有のしなやかな風合いをもたらすと同時
に、好ましい張り、腰を発現させ、さらに高発色性と高
機械的性能を発現させるものである。かかる芯成分繊維
において、その繊度が0.3デニール未満であると布帛
にしたときの張り、腰が乏しくなり、引裂き強力などの
機械的性能も低くなり好ましくない。また、逆に、10
デニール以上になると布帛の柔軟性が失われ好ましくな
くなる。
【0010】芯成分の極細ポリアミド繊維は、ナイロン
4、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイ
ロン11などのポリマあるいはその共重合体からなる繊
維であり、この中でも実用的にはナイロン6、ナイロン
66が好ましく適用される。また、芯成分の単糸数は、
1〜10本が好ましい。
【0011】また、複合糸の外側を構成する鞘成分に単
糸0.3デニール以下の極細ポリエステル繊維の多数を
配し、かつ、その芯成分と鞘成分の熱水収縮率あるいは
乾熱収縮率が芯成分>鞘成分とすることにより、芯成分
の収縮率が鞘成分より大きいため、その収縮差で鞘成分
に好ましい膨らみを発現することができる。これが多数
の極細繊維同志が集束することなく独立して存在する構
造をとることになり、嵩高い複合糸とすることができ、
極細繊維の特性である柔軟で好感触をもたらすことがで
きる。鞘成分繊維の太さは、単繊維において、主として
0.3デニール以下であるこが好ましく、特に、0.1
デニール以下であることが好ましい。また、その収縮率
は、熱水収縮率においては、80〜100℃熱水中×6
0秒間で処理し、乾熱収縮率においては180℃気体中
×60秒間で処理したときの測定値で表される。上記本
発明の効果を得るには、両成分の収縮率差は2%以上で
あることが好ましく、特に4%以上であることが好まし
い。
【0012】図1、図2に本発明の複合糸の断面モデル
図を示した。1は芯成分であり、2は鞘成分である。
【0013】鞘成分2を構成する極細ポリエステル繊維
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレートなどあるいはその共重合ポリマからなる繊維が
適用され、スーパードロー紡糸法、フラッシュ紡糸法、
ジェット紡糸法、花弁状断面繊維紡糸法、高分子相互配
列繊維溶解法、ポリマブレンド繊維溶解法など従来公知
の方法により得られるものであり特に限定されない。ま
た、繊維中に芯成分1と鞘成分2の両成分を含む複合繊
維から得ることもできる。図3、図4はその代表的な高
分子相互配列体繊維の例であり、1は芯成分、2、2´
は鞘一成分となるものである。3は海成分で極細繊維化
処理において除去されるものである。
【0014】鞘成分を構成する単糸の数は、布帛を構成
する糸単位において、少なくとも50本以上が好まし
く、より好ましくは100本以上であり、特に、好まし
くは200本以上である。
【0015】本発明の複合糸は、目的、用途に応じて、
芯成分がフィラメント、鞘成分がステープルあるいはフ
ィラメントの繊維形態で適用される。
【0016】また、本発明は、鞘成分が捲縮を有するも
のであることが好ましい。鞘成分が捲縮を有することに
より、隣接した単繊維同志をくっつきにくい構造とする
ことができ、さらに、単繊維の開繊を良好なものとな
し、嵩高い複合糸とすることができ、極細繊維の特性で
ある柔軟で好感触をもたらすことができる。かかる捲縮
は押込み加工、仮撚り加工、賦型加工など加工糸(テキ
ステャードヤーン)といわれる従来公知の捲縮付与加工
が適用され特に限定されない。
【0017】本発明における捲縮付与加工は、多成分か
ら構成される複合繊維の形態においても可能である。通
常、複合繊維に捲縮を付与した後、各種の極細繊維発生
処理を施すと、それと同時に捲縮が消滅してしまってい
たが、本発明の複合糸は芯成分の周りを鞘成分が取り巻
いた構造となっているため、芯成分が支え棒の作用を果
たし、鞘成分の捲縮が失われることなく、本発明の効果
を維持できるのものである。
【0018】また、さらに、鞘成分が熱水収縮率あるい
は乾熱収縮率の異なるに2種以上の極細ポリエステル系
繊維から形成されることが好ましい。かかる収縮差によ
り、さらに、鞘成分において極細ポリエステル繊維間に
膨らみを発現させることができ、極細繊維同志の集束防
止を達成することができ、極細繊維の特性である柔軟で
好感触を得ることができる。この収縮率は、熱水収縮率
においては、80〜100℃熱水中×60秒間で処理
し、乾熱収縮率においては180℃気体中×60秒間で
処理されたときの測定値で表される。その収縮差は2%
以上、特に好ましくは4%以上である。
【0019】かかる鞘成分中に収縮率の異なる2種以上
の極細ポリエステル繊維を形成する方法としては、例え
ば、極細ポリエステル繊維として、一成分はポリエチレ
ンテレフタレートと、もう一成分は酸成分にイソフタル
酸を共重合したポリエチレンテレフタレートとの組合せ
が好ましい例である。
【0020】本発明の複合糸の収縮率は、複合糸から芯
成分と鞘成分を取り出し、各々を収縮処理して測定され
る。また、鞘成分が2種以上からなる場合は、まず、鞘
成分繊維全体を収縮処理して高収縮繊維の収縮率を測定
し、その中から低収縮繊維を取り出してたるみ分を伸ば
して、その差から収縮率を計算して求める。
【0021】かかる構成により、本発明の複合糸は極細
繊維の特徴が十分に発揮でき、かかる複合糸を少なくと
も一部あるいは全部に使用した布帛を構成すると、柔軟
で、張り、腰があり、好ましい感触と高発色性、高機械
的性能を有する布帛を提供することができる。
【0022】特に、本発明において、(1) 芯成分が単糸
0.3〜10デニールのポリアミド繊維からなり、鞘成
分が単糸0.5デニール以下の極細ポリエステル繊維の
多数から形成され、芯成分の周りに鞘成分が配された芯
鞘構造をなし、かつ、芯成分と鞘成分の熱水収縮率ある
いは乾熱収縮率が芯成分>鞘成分であり、その差が2%
以上であること、(2) 鞘成分が捲縮を有すること、(3)
鞘成分が熱水収縮率あるいは乾熱収縮率の異なる2種以
上の極細ポリエステル繊維からなり、その収縮率差が2
%以上であることの3要件を同時に満たすことが、本発
明の効果を最も顕著に達成することのできる好ましい組
合せである。
【0023】また、さらに、本発明のもう一つ特筆すべ
きこととしては、前記布帛に撥水剤を付与することによ
り、好ましい撥水性を発現できる。これは、布帛表面が
多数の極細ポリエステル繊維から構成され、かつ膨らみ
をもっているため、(1) 布帛表面が表面張力の小さい撥
水剤で処理されていることに加えて、(2) 布帛表面を形
成している繊維が多数の開繊された極細繊維であって、
先端が実質鋭角で表面積が大となるように配列された、
いわゆるマルチ・ミクロアーチ構造となって水滴を支え
るためと本発明者らは推定している。
【0024】かかる撥水剤としては、水に対する界面張
力が小さい疎水性の処理剤であれば特に限定されるもの
ではなく、従来公知のフッ素系、シリコン系のものが好
ましく適用される。特に、パーフルオロアルキル基を側
鎖に有する含フッ素重合体のものが、撥水効果に加えて
撥油性の効果があり特に好ましい。例えば、次のような
単量体の重合体や共重合体を好ましく使用することがで
きる。
【0025】
【化式1】
【0026】
【化式2】
【0027】
【化式3】 (R1 は水素あるいはメチル基、R2 はメチル基あるい
はエチル基を示す。n は3〜21の整数である) 本発明の複合糸を製造する方法は、水流交絡法、エア交
絡法、撚糸法などの従来公知の芯鞘型複合糸、コアーヤ
ーン、カバーリングヤーンなどといわれる製造方法がそ
のまま採用できるが、特にこれらの方法に限定されな
い。また、前述したように、芯成分と鞘成分の両成分を
複合繊維中に含む繊維から極細繊維化処理することによ
り得ることもできる。
【0028】本発明の布帛とは、織物、編物および不織
布からえらばれた少なくとも1種、すなわちそれらを複
合したものを含むものである。もちろん、織物や編物に
おいて、その組織は特に限定されるものではない。
【0029】本発明の複合糸および布帛はレインウエ
ア、ウインドブレカー、各種スポーツウエア、傘地、コ
ート、紳士服地、婦人服地、作業着、帆布、テント、水
着、ヨットセールクロス、スピンネーカ、パラパント、
ウエアバックなどに好ましく使用することができる。
【0030】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。
【0031】実施例1 芯成分としてナイロン6、単繊維2.0デニールの1フ
ィラメント、鞘成分として海が5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート、島がポ
リエチレンテレフタレート(70島)からなる高分子相
互配列体繊維(海/島=20/80)の50デニール、
10フィラメントの糸を用い、精紡機に芯糸と鞘糸を別
々に供給し、鞘成分をオーバフィードさせながら撚をか
け紡出し、複合糸を作製した。この複合糸における18
0℃×60秒間での乾熱収縮率は、芯成分が18.4
%、鞘成分が13.3%であった。
【0032】かかる複合糸を織物のタテ糸、ヨコ糸に使
用して、平織物を製織した。次いで、マレイン酸0.1
%の浴中で95℃×45分間処理した後、カ性ソーダ
0.8%の浴中で95℃×45分処理して、海島型複合
繊維の海成分を除去した。次いで、100℃×5分間乾
燥、180℃×1分間熱処理した後、分散染料を用い、
115℃×45分染色した。このときの鞘成分における
島繊度は0.06デニールであった。
【0033】得られた染色布帛は張り、腰とも良好であ
り、嵩高性、柔軟性、感触に優れたものであった。ま
た、かつエレメンドルフ式による引裂強力がタテ、ヨコ
とも1.5Kgと好ましい強さを有するものであった。
【0034】さらに、上述の染色布帛をフッ系撥水、撥
油剤(旭硝子(株)製アサヒガードAG−710)を主
成分とする加工剤を用いて浸漬・ニップして付与処理
し、次いで100℃×5分間乾燥し、180℃×1分間
熱処理を行った。かかる処理布帛を水を勢いよくスプレ
ーする方法でその撥水性を調べたところ、水の弾きが抜
群であり、布帛上には水滴は殆ど残らなかった。
【0035】実施例2 芯成分としてナイロン6、単繊維0.8デニールの3フ
ィラメントを用い、鞘成分として海が5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート、
島がポリエチレンテレフタレート(35島)/イソフタ
ル酸9.0モル%共重合ポリエチレンテレフタレート
(35島)の2種類からなり、2種類の島が実質的に均
一に分散した高分子相互配列体繊維(海/島=20/8
0)の50デニール、10フィラメント糸の仮撚加工を
行い捲縮を付与したものを用いた。かかる芯糸と鞘糸を
精紡機に別々に供給し、鞘成分をオーバフィードさせな
がら撚をかけ紡出し、複合糸を作製した。
【0036】この複合糸における150℃×30秒間で
の乾熱収縮率は、芯成分が18.7%、鞘成分が14.
2%であった。また、鞘成分のみで海成分を除去した後
の180℃×60秒間における乾熱収縮率は、ポリエチ
レンテレフタレート繊維が11.3%、イソフタル酸
9.0モル%共重合ポリエチレンテレフタレート繊維が
15.9%であった。
【0037】かかる複合糸を織物のタテ糸、ヨコ糸に使
用して、平織物を製織した。次いで、マレイン酸0.1
%の浴中で95℃×45分間処理した後、カ性ソーダ
0.8%の浴中で95℃×45分処理して、海島型複合
繊維の海成分を除去した。次いで、100℃×5分間乾
燥、180℃×60秒間熱処理した後、分散染料を用い
115℃×45分間染色した。
【0038】このときの鞘成分における島繊度は0.0
7デニールであり、布帛の表面は多数の単繊維が独立し
たタルミを有するいわゆるマルチ・ミクロアーチ構造と
なっていた。
【0039】得られた染色布帛は張り、腰とも良好であ
り、嵩高性、柔軟性、感触に優れたものであった。ま
た、かつエレメンドルフ式による引裂強力がタテ、ヨコ
とも1.3Kgと好ましい強さを有するものであった。
【0040】さらに、上述の染色布帛をフッ系撥水、撥
油剤(旭硝子(株)製アサヒガードAG−710)を主
成分とする加工剤を用いて浸漬・ニップして付与処理
し、次いで100℃×5分間乾燥し、180℃×60秒
間熱処理を行った。かかる処理布帛を水を勢いよくスプ
レーする方法でその撥水性を調べたところ、水の弾きが
抜群に優れたものであり、布帛上には水滴は殆ど残らな
かった。
【0041】比較例1 タテ糸、ヨコ糸とも、島がポリエチレンテレフタレー
ト、海が5−ナトリウムスルホイソフタル酸共重合ポリ
エチレンテレフタレートからなる高分子相互配列体繊維
(島数:70、フィラメント数:10、デニール:5
0、海/島=20/80)を使用して、平織の織物を製
織した。かかる織物を、マレイン酸0.1%、120℃
×30分間処理した後、カ性ソーダ0.8%の浴中で1
00℃×30分処理して、高分子相互配列体繊維の海成
分を除去し、100℃×5分間乾燥、180℃×60秒
間熱処理した。次いで分散染料を用い、130℃×45
分間染色した。このときの島の繊度は、0.06デニー
ルであった。
【0042】得られたのもは、単糸が集束してペーパー
ライクな風合いとなって、嵩高性と柔軟性に劣り、感触
も好ましいものではなかった。エレメンドルフ式による
引裂き強力は0.5Kgと低いものであった。また、実施
例1と同じフッ系撥水、撥油剤処理を行ったものについ
て、同様のスプレー試験を行ったところ、織物表面に水
滴が残り、実施例1に比べると明らかに撥水性は劣るも
のであった。
【0043】比較例2 芯成分としてポリエチレンテレフタレート、単繊維1.
2デニールの1フィラメント、鞘成分として島がポリエ
チレンテレフタレート(島数:70、フィラメント数:
10、デニール:50)を用い、海が5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートか
らなる高分子相互配列体繊維を実施例1と同様に精紡機
にかけて複合糸を作製した。該複合糸をタテ糸とヨコ糸
に用いて、平織の織物を製織した。
【0044】かかる織物を、マレイン酸0.1%、12
0℃×30分間処理した後、カ性ソーダ0.8%の浴中
で100℃×30分間処理して、高分子相互配列体繊維
の海成分を除去した。次いで、100℃×5分間乾燥、
180℃×1分間熱処理、分散染料を用い、130℃×
45分間染色した。また、実施例1と同じフッ系処理剤
を用いて、撥水・撥油剤処理を行った。
【0045】得られた織物は、鞘成分の単繊維が集束し
てペーパーライクな風合いとなり、嵩高性と柔軟性に劣
り、感触も好ましいものではなかった。また、前述のス
プレー試験の結果、織物表面に水滴が残り、実施例1の
ものに比べると明らかに撥水性は劣るものであった。但
し、エレメンドルフ式による引裂き強力は1.2Kgと高
いものであった。
【0046】
【発明の効果】本発明は、上記構成の複合糸により、張
り、腰が良好で、かつ嵩高く、柔軟な風合いと感触、良
好な発色性を有し、さらには好ましい機械的性能を合わ
せもつ布帛を提供することができる。
【0047】また、加えて、布帛に撥水、撥油処理した
ものは、抜群の水や油を弾く性能を有するものである。
【0048】本発明の複合糸および布帛は、レインウエ
ア、スポーツウエア、傘、コート、紳士服地、婦人服
地、作業着、帆布、テント、水着、ヨットセールクロ
ス、エアバックなどに好ましく適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この図は、本発明の複合糸のの一例を示す断
面モデル図である。
【図2】 この図は、本発明の複合糸の他の例を示す断
面モデル図である。
【図3】 この図は、本発明の複合糸を製造するための
高分子相互配列体繊維の例を示す断面モデル図である。
【図4】 この図は、本発明の複合糸を製造するための
高分子相互配列体繊維の他の例を示す断面モデル図であ
る。
【符号の説明】
1:芯成分 2、2′:鞘成分 3:海成分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D03D 15/00 D 7199−3B D04B 1/14 D06M 15/00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯成分が単糸繊度0.3〜10デニールの
    ポリアミド繊維からなり、鞘成分が単糸繊度0.5デニ
    ール以下の極細ポリエステル繊維の多数から形成された
    芯鞘構造をなし、かつ、該芯成分と該鞘成分の熱水収縮
    率あるいは乾熱収縮率が芯成分>鞘成分であることを特
    徴とする複合糸。
  2. 【請求項2】該芯成分と該鞘成分の熱水収縮率あるいは
    乾熱収縮率の差が2%以上であることを特徴とする請求
    項1記載の複合糸。
  3. 【請求項3】鞘成分が、捲縮を有する極細ポリエステル
    繊維であることを特徴とする請求項1記載の複合糸。
  4. 【請求項4】鞘成分が、熱水収縮率あるいは乾熱収縮率
    の異なる2種以上の極細ポリエステル繊維からなり、そ
    の収縮率差が2%以上であることを特徴とする請求項1
    記載の複合糸。
  5. 【請求項5】複合糸を構成する単糸数比が、芯成分1〜
    10本/鞘成分50本以上である請求項1記載の複合
    糸。
  6. 【請求項6】芯成分が単糸繊度0.3〜10デニールの
    ポリアミド繊維からなり、鞘成分が単糸繊度0.5デニ
    ール以下の極細ポリエステル繊維の多数から形成された
    芯鞘構造を有する複合糸が、布帛の一部あるいは全体に
    用いられてなることを特徴とする布帛。
  7. 【請求項7】布帛が、織物、編物および不織布から選ば
    れた少なくとも1種からなるものであることを特徴とす
    る請求項6記載の布帛。
  8. 【請求項8】布帛が、フッ素系撥水・撥油剤が付与され
    てなるものであることを特徴とする請求項6記載の布
    帛。
JP5270476A 1993-10-28 1993-10-28 複合糸および布帛 Expired - Fee Related JP3013670B2 (ja)

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