JP2018162528A - 海島型複合繊維束 - Google Patents

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中島 卓
Taku Nakajima
卓 中島
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Abstract

【課題】繊細な肌触りやソフト感を有しながら、高強度でかつ製糸安定性、生産性に優れ、衣料、産業資材など多方面に利用可能な品質に優れた微細繊維束を提供することにある。【解決手段】易溶解性ポリマーを海成分とし、難溶解性ポリマーを島成分とする複数本の海島型複合繊維からなる繊維束であって、島成分の直径が10〜1000nm、海島型複合繊維(単糸)の数が4〜48フィラメントであり、かつ単糸の島数、繊度、伸度差を特定の範囲とする。【選択図】なし

Description

本発明は、海島型複合繊維束に関するものであり、特に島成分数の極めて多い海島型複合繊維束に関するものである。さらに詳しく述べるならば、海成分の溶解速度が速く、品質・品位に優れたナノファイバー単糸群を安定的に製造できる海島型複合繊維束に関するものである。
従来より、衣料用布帛や人工皮革、フィルターなどの産業用資材には、柔軟性や審美性、緻密性を発現させる為に、極細繊維(マイクロファイバー)が用いられてきた。
近年では、繊細な肌触りやソフト感を追求して単糸直径1マイクロメートル以下となる超極細繊維(ナノファイバー)が提案されている。
ナノファイバーは繊維径のスケールダウンによる極限のソフト化のほか、単糸群の比表面積や空隙率が飛躍的に増加することによるナノサイズ特有の効果も示唆されていることから、マイクロファイバー以上の展開可能性を秘めており、早期の研究・開発・安定的製造が求められている。
例えば、易溶解性ポリマーとして5−ナトリウムスルホイソフタル酸+ポリエチレングリコール共重合ポリエステルを用い、さらに海島型複合繊維(単糸)中での島成分配置を規定することで生産性の高いナノファイバーの製造方法が開示されている(特許文献1、2)。
また、海島型複合繊維(単糸)の島数、単糸繊度を規定することで、高強度かつ耐擦過性や耐摩耗性に優れ、さらに毛羽の少ないナノファイバーの製造方法が開示されている(特許文献3)。
近年、極細繊維の用途が広がることで、極細繊維の強度や生産性の更なる向上が求められている。該特許文献に代表される従来技術に例示されている海島型複合繊維束により、より均一な極細繊維が得られるが、従来技術に例示されている海島型複合繊維束は、海島型複合繊維(単糸)自体を安定的に製造することを重視し、海島型複合繊維の単糸繊度を太くした為、海島型複合繊維(単糸)の表面と芯部で冷却差が生じ、溶解処理後のナノファイバー糸条群の品質バラツキが大きくなる。海成分の溶解除去における表面と芯部での島成分の溶解剤接触時間差が顕著になってしまうため、得られるナノファイバー単糸群および布帛製品の強度低下や、溶解除去不十分による染色斑増加の問題があった。さらに、生産収率向上のため海島単糸中の島数を可能な限り多数にすることも知られているが、上述の欠点が悪化する方向であり、既知の技術では原糸の生産性と、布帛の品質を両立するのは困難であった。
このように、従来の方法では、海島型複合繊維束の製糸安定性、生産性やナノファイバー単糸群の物性ばらつきについて問題が依然残されている。
特開2007−100243号公報 特開2007−100253号公報 特開2011−208326号公報
本発明の目的は、上記従来技術を背景になされたものであり、製糸安定性に優れた海島型複合繊維束を提供するもので、これを原料とすると、繊細な肌触りやソフト感を有した、衣料、産業資材など多方面に利用可能なナノファイバー単糸群を提供することができる。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明によれば、
易溶解性ポリマーを海成分とし、難溶解性ポリマーを島成分とする複数本の海島型複合繊維からなる繊維束であって、海島型複合繊維(単糸)中の島成分の直径が10〜1000nmであり、海島型複合繊維(単糸)の数が4〜48フィラメントであり、かつ、以下の要件(A)〜(C)を満足することを特徴とする海島型複合繊維束。
(A)海島型複合繊維(単糸)内の島数が240島以上である。
(B)海島型複合繊維(単糸)の繊度が6.0dtex以下である。
(C)海島型複合繊維(単糸)間の伸度差が10%以下である。
本発明によれば、製糸安定性に優れた海島型複合繊維束を提供でき、これを原料とすることにより、繊細な肌触りやソフト感を有した、衣料、産業資材など多方面に利用可能なナノファイバー単糸群を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の海島型複合繊維束は、その海島型複合繊維(単糸)中の島成分の直径が10〜1000nmであることが必要である。島成分の直径が10nm未満の場合には、繊維構造自身が不安定で、物性及び繊維形態が不安定になるので好ましくない。一方1000nm以下とすることで、既存の合成繊維では成し得なかった繊細な肌触りやソフト感が得られるほか、比表面積増大に伴う高摩擦力、高吸着効果や、布帛にした際の高い気密性、保温性、吸水拡散性など、超極細繊維特有の効果が得られる。島成分の直径が400nm以下であることがより好ましい。
海島型複合繊維(単糸)の数は4〜48フィラメントであることが重要である。
48フィラメントよりも多い場合には単糸間に微小な冷却斑、延伸斑等が生じ、海成分を溶解除去した後のナノファイバー単糸群に物性差、繊度斑が生じる。一方、4フィラメント未満の場合には単糸間の斑は少ないが、海成分を溶解除去しても超極細単繊維からなるナノファイバー単糸群を得ることができず、本発明の目的を達成することができなくなる場合がある。
島数は、多いほど海成分を溶解除去してナノファイバー単糸群を製造する場合の生産性が高くなり、しかも得られるナノファイバー単糸も顕著に細くなって、超微細繊維特有の柔らかさ、滑らかさ、光沢感などを発現することができるので、島成分数は240以上であることが重要であり、好ましくは500以上である。ここで島成分数が240未満の場合には、海成分を溶解除去しても極細単繊維からなるナノファイバー単糸群を得ることができず、本発明の目的を達成することができなくなる場合がある。なお、島成分数があまりに多くなりすぎると、紡糸口金の製造コストが高くなるだけでなく、紡糸口金の加工精度自体も低下しやすくなるので、島成分の数を1000以下とすることが好ましく、900以下にすることがより好ましい。
海成分用易溶解性ポリマーとしては、ポリ乳酸、超高分子量ポリアルキレンオキサイド縮合系ポリマー、ポリエチレングリコール系化合物共重合ポリエステル、およびポリエチレングリコール系化合物と5−ナトリウムスルホイソフタル酸との共重合ポリエステルから選択される少なくとも1種のアルカリ水溶液易溶解性ポリマーを含むことが好ましい。
本発明の海島型複合繊維束において、前記ポリエチレングリコール系化合物と、5−ナトリウムスルホイソフタル酸との共重合ポリエステルが、6〜12モル%の5−ナトリウムスルホン酸および3〜10重量%の分子量4000〜12000のポリエチレングリコールが共重合されているポリエチレンテレフタレート共重合体から選ばれることが好ましい。また、上記ポリエチレンテレフタレート共重合体の固有粘度(35℃、オルソクロロフェノール中)は0.35〜0.60であることが好ましい。
一方、島成分ポリマーは、それと海成分との間に、溶解速度の差があればいかなるポリマーであってもよいが、特に繊維形成性のポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエチレンなどが好ましい。ポリエステルのなかでも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートであることが好ましい。
より好ましいポリエチレンテレフタレートとしては、全繰り返し単位中の少なくとも90モル%以上がエチレンテレフタレートから構成されていることが好ましく、95モル%以上がエチレンテレフタレートで構成されていることが最も好ましい。また、本発明の目的を阻害しない範囲内、例えば全酸成分を基準として10モル%以下、さらに好ましくは5モル%以下の範囲内で第三成分が共重合されたものであってもよい。
共重合成分としては例えば酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、シュウ酸、セバシン酸、グルタル酸、ピメリン酸、フマル酸、コハク酸、ナフタレンジカルボン酸の様な2塩基酸を挙げることができる。また、安息香酸、パラオキシ安息香酸のような配向結晶抑制剤、酢酸、プロピオン酸の様な重合度調節剤を含んでいても良い。一方、グリコール成分としては炭素数2〜10のポリエチレングリコール、例えばトリメチレングリコール、ブチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が使用される。また、改質剤として5−オキシジメチルヘキサヒドロイソフタレート、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸等を少量含むものでも良い。さらに、安定剤、着色剤、制電剤などの添加剤が含まれていても差し支えない。
次に海島型複合繊維(単糸)の繊度は6.0dtex以下であることが重要である。
6.0dtex以下であれば、海島型複合繊維(単糸)の表面/芯部での島成分の溶解剤接触時間差が少なく、溶解後の島繊維径バラツキが小さく、高強度なナノファイバー単糸群を得ることができる。さらに繊維径バラツキが少なく、強度低下が少ないナノファイバー単糸群を得るためには、単糸繊度が2.0dtex以下であることが好ましく、1.0dtex以下であることがより好ましい。
製糸安定性を保持するためには単糸繊度が0.3dtex以上であることが好ましい。
単糸繊度が6.0dtexを超えると、海島型複合繊維(単糸)の表面と芯部で冷却差が生じ、溶解処理後のナノファイバー糸条群の品質バラツキが大きくなり、海成分の溶解除去における表面と芯部での島成分の溶解剤接触時間差が顕著になってしまうため、得られるナノファイバー単糸群およびそれを用いた布帛製品の強度低下や、溶解除去不十分による染色斑が増加する。
また、海島型複合繊維(単糸)の断面内の各島成分は、その直径が均一であるほど海成分を除去して得られる超極細繊維からなるナノファイバー単糸群の品位、および耐久性が向上する。島成分の直径のばらつきを表すCV%は、0〜30%であることが好ましい。より好ましくは0〜20%、さらに好ましくは0〜15%である。このCV%が低いことは、ナノファイバー単糸の繊度ばらつきも少ないことを意味する。
また、海島型複合繊維(単糸)は、品位として糸斑(ウースター斑)に優れる。糸斑の指標として平均偏差率(U%)があるが、この数値が低いほど糸斑に優れていることを意味する。この平均偏差率が、好ましくは1%以下であり、より好ましくは0.9%以下であり、さらに好ましくは0.8%以下であり、0.7%以下が最も好ましい。
本発明の海島型複合繊維束から得られるナノファイバー単糸群は、ナノレベルの繊維径でばらつきも少なく、用途に合わせた商品設計が可能となる。例えば、フィルター用途では、ナノファイバー単繊維径において吸着できる物質を選択しておけば、用途に合わせて繊維径の設計をすることが可能になり、非常に効率的に商品設計を行うことが可能になる。
海成分、島成分は別々に溶融し、口金内で海島型に複合し、吐出される。
そして、かかる紡糸口金から吐出された海島型複合繊維は、口金下加熱長が30〜200mm、雰囲気温度が250〜500℃の加熱帯域を通過し、該加熱帯域に連続して設けられた冷却装置を通過、次いでオイリングされた後に400〜6000m/minの紡糸速度で巻き取られる。ここで、本発明の海島型複合繊維束を得るためには口金下加熱長が30〜200mm、雰囲気温度が350℃以上〜500℃未満の加熱帯域を通過させることが重要である。加熱体域が存在しないか、又は口金下加熱長が30mmよりも短い場合には、紡糸工程で糸切れが生じたり、強度不足、海島型複合繊維の単繊維間で繊度斑や強度斑が発生しやすく、島成分の直径のばらつきを表すCV%も30%を超えたものとなる。又、口金下加熱長が200mmを超える場合には、海島型複合繊維に糸長方向の繊度斑が発生する為、口金下加熱長は30〜200mm、好ましくは40〜90mmの範囲に設定する。該口金下加熱帯域の温度が250℃未満の場合には海島型複合繊維束の強度不足、または単繊維間で強度斑や繊度斑が発生しやすい。又、500℃を超える場合には糸長方向の繊度斑が発生する為、好ましくない。紡糸速度のより好ましい範囲は1000〜3500m/分である。紡糸速度が400m/分未満では生産性が悪く、6000m/分を超えると紡糸安定性が悪いので好ましくない。
得られた海島型複合繊維未延伸糸(束)は一旦巻き取り、別途延伸工程にて延伸・熱セットし、所望の強伸度・熱収縮特性などを有する複合繊維束とするか、あるいは、一旦巻き取ることなく一定速度でローラーに引き取り、引き続いて延伸工程をとおした後に巻き取って、所望の強伸度・熱収縮特性などを有する複合繊維束とする方法のいずれも適用することが出来る。具体的には、該未延伸糸(束)を60〜190℃、好ましくは75℃〜180℃の予熱ローラー上で予熱し、延伸倍率1.2〜6.0倍、好ましくは2.0〜5.0倍で延伸し、セットローラー120〜220℃、好ましくは130〜200℃で熱セットを実施することが好ましい。予熱温度不足の場合には、目的とする高倍率延伸を達成することができなくなる。セット温度が低すぎると収縮率が高すぎるため好ましくない。また、セット温度が高すぎると該繊維束の物性が著しく低下するため好ましくない。
得られた海島型複合繊維の海成分を溶解除去してナノファイバー単糸群とするには、海成分ポリマーを溶解除去し得る液体で海成分を選択的に溶解させる方法であればいかなる方法も採用できる。
海成分が、5−ナトリウムスルホイソフタル酸6〜12モル%と分子量4000〜20000のポリエチレングリコールを1〜5重量%共重合させた固有粘度が0.4〜0.6のポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステルである場合は、水酸化ナトリウム(NaOH)濃度1〜10重量%のアルカリ水溶液中で、温度80〜105℃にて処理して海成分を溶解除去するのが好ましい。
本発明の繊維構造物は、布帛状物はもちろん、わた状物、帯状物、紐状物、糸状物など、その構造、形状はいかなるものであっても差し支えない。また織物、編物、不織布は、複数の種類の繊維を混紡、混繊、交織、交編をした複合材料であってもよい。また、これらの繊維製品であってもかまわない。
本発明の繊維構造体は、フィルター、有害物質除去製品、電池用セパレーターなどの環境・産業資材用途や、カーシートなどの車輌内装品、カーペット、ソファー、カーテンなどのインテリア製品、化粧品、化粧品マスク、ワイピングクロス、健康用品などの生活用途や研磨布、縫合糸、スキャフォールド、人工血管、血液フィルターなどの医療用途、およびジャケット、スカート、パンツ、下着などの衣料、スポーツ衣料、衣料資材などが挙げられる。
以下、実施例及び比較例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、各例中に示す各評価項目は下記の方法で測定した値である。
(1)固有粘度
o−クロロフェノール溶液中、1.2g/100mlの濃度、および35℃の温度において、チップの固有粘度[η]を測定した。
(2)海島型複合繊維(単糸)の島数及び海成分/島成分の比率
透過型電子顕微鏡TEMで倍率30000倍にて撮影した海島型複合繊維(単糸)の断面写真を観察し測定した。
(3)海島型複合繊維(単糸)の島成分の直径
透過型電子顕微鏡TEMで倍率30000倍にて撮影した海島型複合繊維(単糸)の断面写真から島成分を観察し、長径と、短径の平均値を直径とした。ランダムに50点の島成分を観察し、平均島成分直径(r)を算出した。
(4)平均島成分直径のばらつきCV%
平均島成分直径(r)を求めるに際し、その標準偏差σを算出し、以下で定義する島成分直径変動係数CV%を算出した。
CV%=標準偏差σ/平均島成分直径r×100 (%)
(5)海島型複合繊維(単糸)の破断伸度
海島型複合繊維(単糸)の荷重―伸度曲線チャートを、標準温度で、引張試験機により、試料長20cm、速度20cm/分の条件で破断時の伸度を測定した。測定数は10とし、最大値と最小値の差を海島型複合繊維束を構成する単糸間の伸度差として表1に記載した。
(6)長手方向の糸斑(ウースター斑)
ツェルベガーウースター社製 ウースターテスターUT−5を用い、ハーフInertモードで、海島型複合繊維束の平均偏差率(U%)を測定した。
給糸速度:400m/分
測定糸長:2000m
U%の値が1.0未満であれば、糸斑の少ない海島型複合繊維束であると判断した。
(7)海島型複合繊維の海成分を溶解除去して得た、極細繊維の風合い
モニター7人に対して官能試験を実施し、2段階評価した。
○ :極細繊維特有のぬめり感があると評価した人が5人以上
× :極細繊維特有のぬめり感があると評価した人が4人以下。
(8)製糸安定性
各実施例についての製糸を行い、糸切れ無く、7時間以上連続操業できた場合を「良好」と評価表記し、その他の場合を「不良」と評価表示した。
実施例1
島成分として固有粘度0.64(35℃、オルソクロロフェノール中)のポリエチレン
テレフタレート、海成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸9モル%と数平均分子
量4000のポリエチレングリコール3重量%を共重合した、固有粘度0.39のポリエチレンテレフタレートを用いた。海成分と島成分それぞれを別々に溶融後、10個の孔径0.3mm、ランド長0.6mmの吐出孔を有する海島型複合繊維製造用紡糸口金内で合流させ、海:島=30:70(重量比)、島数=840の海島型複合未延伸糸条を紡糸温度290℃で吐出させた。その後、口金下加熱長90mm、雰囲気温度300℃の口金下加熱帯域を通過し、該加熱帯域に連続して設けられた冷却装置を通過、次いでオイリングした後に1000m/minの紡糸速度で巻き取った。得られた未延伸糸を、得られる延伸熱処理された繊維束のヤーンカウントが60dtex/10fになるように、紡糸吐出流量、および延伸倍率を調整した。得られた海島型複合繊維束の評価結果を表1に示した。
実施例2
実施例1と同じ海島ポリマーを使用し、海成分と島成分それぞれを別々に溶融後、4個の孔径0.3mm、ランド長0.6mmの吐出孔を有する海島型複合繊維製造用紡糸口金内で合流させ、海:島=30:70(重量比)、島数=840の海島型複合未延伸繊維を、紡糸温度300℃で吐出させた。その後、口金下加熱長90mm、雰囲気温度300℃の口金下加熱帯域を通過し、該加熱帯域に連続して設けられた冷却装置を通過、次いでオイリングした後に1000m/minの紡糸速度で巻き取った。得られた未延伸糸を、得られる延伸熱処理された繊維束のヤーンカウントが24dtex/4fになるように、紡糸吐出流量、及び延伸倍率を調整した。得られた海島型複合繊維束の評価結果を表1に示した。
実施例3
実施例1と同じ海島ポリマーを使用し、使用する海島型複合繊維製造用紡糸口金を、海成分と島成分それぞれを別々に溶融後、10個の孔径0.2mm、ランド長0.6mmの吐出孔を有する海島型複合繊維製造用紡糸口金内で合流させ、海:島=30:70(重量比)、島数=840の海島型複合未延伸繊維を、紡糸温度300℃で吐出させた。その後、口金下加熱長90mm、雰囲気温度300℃の口金下加熱帯域を通過し、該加熱帯域に連続して設けられた冷却装置を通過、次いでオイリングした後に1000m/minの紡糸速度で巻き取った。得られた未延伸糸を、得られる延伸熱処理された繊維束のヤーンカウントが20dtex/10fになるように、紡糸吐出流量、及び延伸倍率を調整した。得られた、海島型複合繊維束の評価結果を表1に示した。
実施例4
実施例1と同じ海島ポリマーを使用し、海成分と島成分それぞれを別々に溶融後、48個の孔径0.2mm、ランド長0.6mmの吐出孔を有する海島型複合繊維製造用紡糸口金内で合流させ、海:島=30:70(重量比)、島数=240の海島型複合未延伸繊維を、紡糸温度300℃で吐出させた。その後、口金下加熱長90mm、雰囲気温度290℃の口金下加熱帯域を通過し、該加熱帯域に連続して設けられた冷却装置を通過、次いでオイリングした後に1000m/minの紡糸速度で巻き取った。得られた未延伸糸を、得られる延伸熱処理された繊維束のヤーンカウントが80dtex/48fになるように、紡糸吐出流量、及び延伸倍率を調整した。得られた海島型複合繊維束の評価結果を表1に示した。
実施例5
実施例1と同じ海島ポリマーを使用し、海成分と島成分それぞれを別々に溶融後、48個の孔径0.15mm、ランド長0.4mmの吐出孔を有する海島型複合繊維製造用紡糸口金内で合流させ、海:島=30:70(重量比)、島数=720の海島型複合未延伸繊維を、紡糸温度300℃で吐出させた。その後、口金下加熱長40mm、雰囲気温度350℃の口金下加熱帯域を通過し、該加熱帯域に連続して設けられた冷却装置を通過、次いでオイリングした後に1000m/minの紡糸速度で巻き取った。得られた未延伸糸を、得られる延伸熱処理された繊維束のヤーンカウントが15dtex/36fになるように、紡糸吐出流量、及び延伸倍率を調整した。得られた、海島型複合繊維の評価結果を表1に示した。
実施例6
実施例1と同じ海島ポリマーを使用し、海成分と島成分それぞれを別々に溶融後、6個の孔径0.3mm、ランド長0.6mmの吐出孔を有する海島型複合繊維製造用紡糸口金内で合流させ、海:島=30:70(重量比)、島数=960の海島型複合未延伸繊維を、紡糸温度300℃で吐出させた。その後、口金下加熱長150mm、雰囲気温度250℃の口金下加熱帯域を通過し、該加熱帯域に連続して設けられた冷却装置を通過、次いでオイリングした後に1000m/minの紡糸速度で巻き取った。得られた未延伸糸を、得られる延伸熱処理された繊維束のヤーンカウントが30dtex/6fになるように、紡糸吐出流量、及び延伸倍率を調整した。得られた、海島型複合繊維束の評価結果を表1に示した。
比較例1
実施例1と同じ海島ポリマーを使用し、海成分と島成分それぞれを別々に溶融後、2個の孔径0.3mm、ランド長0.6mmの吐出孔を有する海島型複合繊維製造用紡糸口金内で合流させ、海:島=30:70(重量比)、島数=1440の海島型複合未延伸繊維を、紡糸温度300℃で吐出させた。その後、口金下加熱長90mm、雰囲気温度300℃の口金下加熱帯域を通過し、該加熱帯域に連続して設けられた冷却装置を通過、次いでオイリングした後に1000m/minの紡糸速度で巻き取った。得られた未延伸糸を、得られる延伸熱処理された繊維束のヤーンカウントが20dtex/2fになるように、紡糸吐出流量、及び延伸倍率を調整した。得られた海島型複合繊維の評価結果を表1に示した。
比較例2
実施例1と同じ海島ポリマーを使用し、海成分と島成分それぞれを別々に溶融後、64個の孔径0.2mm、ランド長0.6mmの吐出孔を有する海島型複合繊維製造用紡糸口金内で合流させ、海:島=30:70、島数=180の海島型複合未延伸繊維を、紡糸温度300℃で吐出させた。その後、口金下加熱長90mm、雰囲気温度300℃の口金下加熱帯域を通過し、該加熱帯域に連続して設けられた冷却装置を通過、次いでオイリングした後に1000m/minの紡糸速度で巻き取った。得られた未延伸糸を、得られる延伸熱処理された繊維束のヤーンカウントが80dtex/64fになるように、紡糸吐出流量、及び延伸倍率を調整した。得られた、海島型複合繊維の評価結果を表1に示した。
比較例3
延伸熱処理された繊維束のヤーンカウントが80dtex/10fになるように、紡糸吐出流量、及び延伸倍率を調整した以外は、実施例1と同条件とした。評価結果を表1に示した。
比較例4
口金下加熱域を設けなかったこと以外は実施例1と同条件とした。評価結果を表1に示した。
Figure 2018162528
本発明の極細繊維は、フィルター、有害物質除去製品、電池用セパレーターなどの環境
・産業資材用途や、カーシートなどの車輌内装品、カーペット、ソファー、カーテンなど
のインテリア製品、化粧品、化粧品マスク、ワイピングクロス、健康用品などの生活用途
や研磨布、縫合糸、スキャフォールド、人工血管、血液フィルターなどの医療用途、およ
びジャケット、スカート、パンツ、下着などの衣料、スポーツ衣料、衣料資材に使用する
ことができる。

Claims (3)

  1. 易溶解性ポリマーを海成分とし、難溶解性ポリマーを島成分とする複数本の海島型複合繊維からなる繊維束であって、海島型複合繊維中の島成分の直径が10〜1000nmであり、海島型複合繊維(単糸)の数が4〜48フィラメントであり、かつ、以下の要件(A)〜(C)を満足することを特徴とする海島型複合繊維束。
    (A)海島型複合繊維(単糸)内の島数が240島以上である。
    (B)海島型複合繊維(単糸)の繊度が6.0dtex以下である。
    (C)海島型複合繊維(単糸)間の伸度差が10%以下である。
  2. 海島型複合繊維(単糸)中の島径のばらつきを示すCV%が0〜30%である、請求項1に記載の海島型複合繊維束。
  3. ツェルベガーウースター社製ウースターテスターUT−5のハーフInertモードで測定したU%が1.0以下である、請求項1に記載の海島型複合繊維束。

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