JP2018168484A - 海島型複合繊維束 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊細な肌触りやソフト感を有しながら、高強度でかつ製糸安定性、生産性に優れ、衣料、産業資材など多方面に利用可能な品質に優れた微細繊維束を提供することにある。【解決手段】易溶解性ポリマーを海成分とし、難溶解性ポリマーを島成分とする複数本の海島型複合繊維からなる繊維束であって、島成分の数が200以上、島成分の直径が10〜1000nmであり、かつ、破断伸度5%までの荷重−伸度曲線の接線の傾きAと破断伸度10%までの荷重−伸度曲線の接線の傾きBがA<Bであること。【選択図】なし

Description

本発明は、海島型複合繊維束およびその製造方法に関するものである。更に詳しくは、極細ポリアミド繊維を得るために好適な海島型複合繊維束およびその製造方法に関するものである。
従来より、衣料用布帛や人工皮革、フィルターなどの産業用資材には、柔軟性や審美性、緻密性を発現させる為に、極細繊維(マイクロファイバー)が用いられてきた。
近年では、繊細な肌触りやソフト感を追求して単糸直径1マイクロメートル以下となる超極細繊維(ナノファイバー)が提案されている。
ナノファイバーは繊維径のスケールダウンによる極限のソフト化のほか、単糸群の比表面積や空隙率が飛躍的に増加することによるナノサイズ特有の効果も示唆されていることから、マイクロファイバー以上の展開可能性を秘めており、早期の研究・開発・安定的製造が求められている。
例えば、易溶解性ポリマーとして5−ナトリウムスルホイソフタル酸+ポリエチレングリコール共重合ポリエステルを用い、さらに海島型複合繊維(単糸)中での島成分配置を規定することで生産性の高いナノファイバーの製造方法が開示されている(特許文献1、2)。
また、海島型複合繊維(単糸)の島数、単糸繊度を規定することで、高強度かつ耐擦過性や耐摩耗性に優れ、さらに毛羽の少ないナノファイバーの製造方法が開示されている(特許文献3)。
近年、極細繊維の用途が広がることで、極細繊維の強度や生産性の更なる向上が求められている。該特許文献に代表される従来技術に例示されている海島型複合繊維束により、より均一な極細繊維が得られるが、海島型複合繊維のセクション形成が崩れて、製糸性が悪化し、均一性が得られない、また、製糸性を維持するため、海比率を上げると生産ロスは大きく、強度が得られず、製糸性と強度を確保することは難しいという問題があった。
このように、従来の方法では、極細繊維の製糸安定性、生産性や極細繊維の物性、品位について問題が依然残されている。
特開2007−100243号公報 特開2007−100253号公報 特開2011−208326号公報
本発明の目的は、上記従来技術を背景になされたものであり、高強度で製糸安定性に優れた海島型複合繊維束を提供するもので、これを原料とすると、繊細な肌触りやソフト感を有した、衣料、産業資材など多方面に利用可能なナノファイバー単糸群を提供することができる。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明によれば、
易溶解性ポリマーを海成分とし、難溶解性ポリマーを島成分とする複数本の海島型複合繊維からなる繊維束であって、海島型複合繊維(単糸)の横断面における、前記島成分の数が200以上、それぞれの島成分の径が10〜1000nmの範囲内にあり、海島型複合繊維の、室温下で測定された荷重−伸度曲線において、破断伸度5%までの荷重−伸度曲線の接線の傾きAと破断伸度10%までの荷重−伸度曲線の接線の傾きBがA<Bであることを特徴とする海島型複合繊維束である。
本発明によれば、高強度でありながら、製糸安定性に優れた海島型複合繊維束を提供でき、これを原料とすることにより、繊細な肌触りやソフト感を有した、衣料、産業資材など多方面に利用可能なナノファイバー単糸群を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明で得られる海島型複合繊維束は、室温下(20℃)で測定された荷重−伸度曲線において、破断伸度5%までの荷重−伸度曲線の接線の傾きAと破断伸度10%までの荷重−伸度曲線の接線の傾きBがA<Bであること重要である。この要件を満たすことにより、これまでの極細繊維を超える繊細な肌触りやソフト感が達成できる。
島数は、多いほど海成分を溶解除去してナノファイバー単糸群を製造する場合の生産性が高くなり、しかも得られるナノファイバー単糸も顕著に細くなって、超微細繊維特有の柔らかさ、滑らかさ、光沢感などを発現することができるので、島成分数は200以上であることが重要であり、好ましくは500以上であり、より好ましくは700以上である。
ここで島成分数が200未満の場合には、海成分を溶解除去しても極細単繊維からなるナノファイバー単糸群を得ることができず、本発明の目的を達成することができなくなる場合がある。なお、島成分数があまりに多くなりすぎると、紡糸口金の製造コストが高くなるだけでなく、紡糸口金の加工精度自体も低下しやすくなるので、島成分の数を1000以下とすることが好ましく、900以下にすることがより好ましい。
本発明の海島型複合繊維束は、その海島型複合繊維(単糸)中の島成分の直径が10〜1000nmであることが必要である。島成分の直径が10nm未満の場合には、繊維構造自身が不安定で、物性及び繊維形態が不安定になるので好ましくない。一方1000nm以下とすることで、既存の合成繊維では成し得なかった繊細な肌触りやソフト感が得られるほか、比表面積増大に伴う高摩擦力、高吸着効果や、布帛にした際の高い気密性、保温性、吸水拡散性など、超極細繊維特有の効果が得られる。島成分の直径が800nm以下であることが好ましく、700nm以下であることがより好ましい。
本発明の海島型複合繊維束は、破断強度が4cN/dtex以上が好ましく、4.5cN/dtex以上がより好ましい。破断強度が4cN/dtex未満の場合、用途が限定されてしまう。上記破断強度を達成することによって、様々な用途に応用展開可能な強度を持ち、かつ製造工程において、従来にない製糸性、生産性を有する極細繊維を得ることができる。
また、本発明の海島型複合繊維束は、破断伸度が15%以上であることが必要であり、好ましくは25%以上、さらに好ましくは35以上である。15%未満では、延伸時に断糸、ラップが発生し工程調子が悪化し、延伸糸に毛羽が発生する。
また、本発明の海島型複合繊維束は、その沸水収縮率が5〜20%である必要であり、好ましくは10〜15%である。この範囲であれば幅広い環境下において、風合いがよい極細繊維を得ることができる。
また、海島型複合繊維(単糸)の断面内の各島成分は、その直径が均一であるほど海成分を除去して得られる超極細繊維からなるナノファイバー単糸群の品位、および耐久性が向上する。島成分の直径のばらつきを表すCV%は、30%以下であることが好ましい。より好ましくは25%以下、さらに好ましくは20%である。このCV%が低いことは、海成分を溶解除去して得た極細繊維(ナノファイバー)の単糸繊度ばらつきも少ないことを意味する。
海成分用易溶解性ポリマーとしては、ポリ乳酸、超高分子量ポリアルキレンオキサイド縮合系ポリマー、ポリエチレングリコール系化合物共重合ポリエステル、およびポリエチレングリコール系化合物と5−ナトリウムスルホイソフタル酸との共重合ポリエステルから選択される少なくとも1種のアルカリ水溶液易溶解性ポリマーを含むことが好ましい。
本発明の海島型複合繊維束において、前記ポリエチレングリコール系化合物と、5−ナトリウムスルホイソフタル酸との共重合ポリエステルが、6〜12モル%の5−ナトリウムスルホン酸および3〜10重量%の分子量4000〜12000のポリエチレングリコールが共重合されているポリエチレンテレフタレート共重合体から選ばれることが好ましい。また、上記ポリエチレンテレフタレート共重合体の固有粘度(35℃、オルソクロロフェノール中)は0.35〜0.60であることが好ましい。
一方、島成分ポリマーは、それと海成分との間に、溶解速度の差があればいかなるポリマーであってもよいが、特に繊維形成性のポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポ
リエチレンなどが好ましい。
なかでも、ポリアミド系樹脂としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸やε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタムを主たる原料とするポリアミドのほか、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸、更にはテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン等をジアミン成分とする共重合ポリアミドを対象とする。
また、ポリエステルの場合、製糸性、極細繊維の物性の観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが好ましい。
該ポリマー中には、本発明の目的を損なわない範囲内で、共重合成分が含まれていても良い。共重合可能な化合物は、酸成分として、例えばイソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマー酸、セバシン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸類、グリコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどを挙げることができるが、これらに限られるものではない。これらの中から海島型複合繊維の断面形成性、紡糸性、延伸性などを考慮して、海成分と島成分とを選択して組み合わせればよいが、紡糸性に優れるナイロン6が好ましく使用される。
さらに、本発明の海島型複合繊維は、その海島型複合質量比率(海:島)は、40:60〜20:80の範囲内にあることが必要である。上記範囲内にあれば、島成分間の海成分の厚さを薄くすることができ、海成分の溶解除去が容易となり、島成分の極細繊維への転換が容易になる。ここで海成分の割合が40%を越える場合には、海成分の厚さが厚くなりすぎ、延伸時に島成分を充分に延伸できず、充分な強度は得られない。一方20%未満の場合には海成分の量が少なくなりすぎて、島間に相互接合が発生しやすくなり、均一な極細繊維が得られず、製糸性も悪化する。
海成分、島成分は別々に溶融し、口金内で海島型に複合し、吐出される。その後、冷却
風などによって固化させた後、400〜2000m/minの速度で、未延伸繊維を引き
取ることが必要である。より好ましくは700〜1500m/minで未延伸繊維を引き取る。紡糸速度は低い方が得られる繊維強度が高くなり好ましいが、400m/分未満
では生産性が不十分であり、また、2000m/分を超えると、得られる極細繊維の強度
が低くなり好ましくない。
得られた未延伸繊維は、一旦巻き取った後、あるいは、巻き取ることなく引き続いて延伸工程を通した後に巻き取る方法のいずれかの方法で延伸される。延伸倍率は3.0〜6.0倍で延伸する必要がある。延伸倍率が3.0未満では得られる繊維の強度は不十分となり、6.0倍を越えると、生産性が不十分である。延伸温度は80〜150℃、好ましくは90℃〜130℃の予熱ローラー上で予熱し、糸温度として120〜250℃、好ましくは180〜220℃で熱セットを実施することが必要である。予熱温度不足の場合には、目的とする高倍率延伸を達成することができなくなり、セット温度が低すぎると、荷重−伸度曲線において、破断伸度5%までの荷重−伸度曲線の接線の傾きAと破断伸度10%までの荷重−伸度曲線の接線の傾きBがA<Bとならず、これまでの極細繊維を超える繊細な肌触りやソフト感が達成できず、得られる延伸繊維の収縮率が高すぎるため好ましくない。また、セット温度が高すぎると、得られる延伸繊維の物性が著しく低下するため好ましくない。
延伸、熱セット後、3%以上のリラックス率で巻き取ることにより、繊維の熱収縮及び歪みが十分に緩和され、荷重−伸度曲線における、破断伸度5%までの荷重−伸度曲線の接線の傾きAと破断伸度10%までの荷重−伸度曲線の接線の傾きBの関係を安定して、A<Bとすることができる。リラックス率は4%以上であることがより好ましい。リラックス率が3%に満たない場合は、歪みが十分に緩和されず、製品が安定して巻き取れない。
海成分を除去するには、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウムのようなアルカリ金属化合物水溶液で処理することが好ましく、なかでも水酸化ナ
トリウムおよび水酸化カリウムが特に好ましく用いられる。
得られた海島型複合繊維の海成分を溶解除去して極細繊維(ナノファイバー)単糸群とするには、海成分ポリマーを溶解除去し得る液体で海成分を選択的に溶解させる方法であればいかなる方法も採用できる。
海成分が、5−ナトリウムスルホイソフタル酸6〜12モル%と分子量4000〜20000のポリエチレングリコールを1〜5重量%共重合させた固有粘度が0.4〜0.6のポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステルである場合は、水酸化ナトリウム(NaOH)濃度1〜10重量%のアルカリ水溶液中で、温度80〜105℃にて処理して海成分を溶解除去するのが好ましい。
アルカリ水溶液の濃度、処理
温度、処理時間は、使用するアルカリ化合物の種類により異なるが、濃度は10〜300g/L、温度は40℃〜180℃、処理時間は2分〜20時間の範囲で行うが好ましい。
本発明の繊維構造物は、布帛状物はもちろん、わた状物、帯状物、紐状物、糸状物など、その構造、形状はいかなるものであっても差し支えない。また織物、編物、不織布は、複数の種類の繊維を混紡、混繊、交織、交編をした複合材料であってもよい。また、これらの繊維製品であってもかまわない。
本発明の繊維構造体は、フィルター、有害物質除去製品、電池用セパレーターなどの環境・産業資材用途や、カーシートなどの車輌内装品、カーペット、ソファー、カーテンなどのインテリア製品、化粧品、化粧品マスク、ワイピングクロス、健康用品などの生活用途や研磨布、縫合糸、スキャフォールド、人工血管、血液フィルターなどの医療用途、およびジャケット、スカート、パンツ、下着などの衣料、スポーツ衣料、衣料資材などが挙げられる。
以下、実施例及び比較例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、各例中に示す各評価項目は下記の方法で測定した値である。
(1)断面観察
供試海島型複合繊維(単糸)をランダムに50点サンプリングし、これらの横断面写真を透過型電子顕微鏡TEMを用い、倍率30000倍において撮影した。この電子顕微鏡写真を用いて、複合繊維の直径R、及び島成分の直径rを測定した。
CV%=標準偏差σ/平均島成分直径r×100 (%)
(2)平均島成分直径(r)のばらつきCV%
平均島成分直径(r)を求めるに際し、その標準偏差σを算出し、以下で定義する島成分直径変動係数CV%を算出した。
(3)海島型複合繊維束の破断強度、破断伸度
海島型複合繊維束の荷重―伸度曲線チャートを、室温で、引張試験機により、試料長20cm、速度20cm/分の条件で破断時の強度及び伸度を測定した。測定数は10とした。また、得られた荷重−伸長曲線チャートから、伸度5%までの荷重−伸度曲線の接線の傾きA、伸度5%から10%までの荷重−伸度曲線の傾きBを記入し、AとBの大小を比較した。
(4)海島型複合繊維束の沸水収縮率(%)
海島型複合繊維に0.044cN/dtex(50mg/デニール)の張力を掛けて約3300dtexのカセをカセ枠に巻き取る。カセの一端に0.00177cN/dtex+0.177cN/dtex(2mg/デニール+200mg/デニール)の荷重を負荷し、1分間経過後の長さL0(cm)を測定する。次いで、0.177cN/dtex(200mg/デニール)の荷重をはずした状態で、100℃の沸水中にて20分間処理する。沸水処理後、0.00177cN/dtex(2mg/デニール)の荷重をはずし、24時間自由な状態で自然乾燥する。自然乾燥した試料に再び0.00177cN/dtex+0.177cN/dtex(2mg/デニール+200mg/デニール)の荷重を負荷し、1分間経過後の長さL1(cm)を測定し、次の算式捲縮率を算出した。この測定を10回実施し、その平均値で表した。
沸水収縮率(%)={(L−L)/L}×100
(5)海島型複合繊維の海成分を溶解除去して得た極細繊維の風合い
モニター7人に対して官能試験を実施し、2段階評価した。
極細繊維特有のぬめり感があると評価した人が5人以上:良好
極細繊維特有のぬめり感があると評価した人が4人以下:不良
(6)製糸安定性
各実施例についての製糸を行い、糸切れ無く、7時間以上連続操業できた場合を「良好」と評価表記し、その他の場合を「不良」と評価表示した。
実施例1
島成分として相対粘度2.7(96%濃硫酸100mL中に、ポリマーを1g溶かし、25℃の温度において測定)のナイロン6、海成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸9モル%と数平均分子量4000のポリエチレングリコール3重量%を共重合した固有粘度0.39のポリエチレンテレフタレートを用い、別々に溶融後、10個の孔径0.3mm、ランド長0.6mmの吐出孔を有する海島型複合繊維束製造用紡糸口金内で合流させ、海:島の重量比率=30:70、島数=840の海島型複合未延伸繊維束を、紡糸温度260℃、紡糸速度800m/分で溶融紡糸し、ついで巻き取ることなく延伸温度70℃、延伸倍率4.0倍で延伸し、さらに150℃で熱セットした後、5%のリラックス率で巻き取った。得られる延伸熱処理された繊維束のヤーンカウントが60dtex/10fになるように、紡糸吐出流量を調整した。製糸工程は毛羽や断糸の発生なく、安定していた。得られた海島型複合繊維の評価結果を表1に示した。
実施例2
実施例1と同じ海島ポリマーを使用し、別々に溶融後、10個の孔径0.2mm、ランド長0.6mmの吐出孔を有する海島型複合繊維製造用紡糸口金内で合流させ、海:島=30:70、島数=840の海島型複合未延伸繊維を、紡糸温度260℃、紡糸速度800m/分で溶融紡糸し、ついで巻き取ることなく延伸温度70℃、延伸倍率3.7倍で延伸し、さらに150℃で熱セットした後、5%のリラックス率で巻き取った。得られる延伸熱処理された繊維束のヤーンカウントが20dtex/10fになるように、紡糸吐出流量を調整した。製糸工程は毛羽や断糸の発生なく、安定していた。得られた海島型複合繊維の評価結果を表1に示した。
比較例1
実施例1と同じ海島ポリマーを使用し、別々に溶融後、10個の孔径0.3mm、ランド長0.6mmの吐出孔を有する海島型複合繊維製造用紡糸口金内で合流させ、海:島=30:70、島数=840の海島型複合未延伸繊維を、紡糸温度260℃、紡糸速度800m/分で溶融紡糸し、ついで巻き取ることなく延伸温度70℃、延伸倍率4.0倍で延伸し、さらに130℃で熱セットした後、5%のリラックス率で巻き取った。得られる延伸熱処理された繊維束のヤーンカウントが60dtex/10fになるように、紡糸吐出流量を調整した。製糸工程は毛羽や断糸の発生なく、安定していたが、得られた海島型複合繊維から海成分を溶出して得られた布帛は、極細繊維特有のぬめり感にやや欠けたものであった。評価結果を表1に示した。
比較例2
実施例1と同じ海島ポリマーを使用し、別々に溶融後、10個の孔径0.2mm、ランド長0.6mmの吐出孔を有する海島型複合繊維製造用紡糸口金内で合流させ、海:島=30:70、島数=180の海島型複合未延伸繊維を、紡糸温度260℃、紡糸速度800m/分で溶融紡糸し、ついで巻き取ることなく延伸温度70℃、延伸倍率4.0倍で延伸し、さらに170℃で熱セットした後、5%のリラックス率で巻き取った。得られる延伸熱処理された繊維束のヤーンカウントが60dtex/10fになるように、紡糸吐出流量を調整した。製糸工程は熱セット時に糸走行が安定せず、毛羽や断糸が多く、不安定であった。評価結果を表1に示した。
Figure 2018168484
本発明の極細繊維は、フィルター、有害物質除去製品、電池用セパレーターなどの環境・産業資材用途や、カーシートなどの車輌内装品、カーペット、ソファー、カーテンなどのインテリア製品、化粧品、化粧品マスク、ワイピングクロス、健康用品などの生活用途や研磨布、縫合糸、スキャフォールド、人工血管、血液フィルターなどの医療用途、およびジャケット、スカート、パンツ、下着などの衣料、スポーツ衣料、衣料資材に使用することができる。

Claims (7)

  1. 易溶解性ポリマーを海成分とし、難溶解性ポリマーを島成分とする複数本の海島型複合繊維からなる繊維束であって、海島型複合繊維(単糸)の横断面における、前記島成分の数が200以上、それぞれの島成分の径が10〜1000nmの範囲内にあり、海島型複合繊維の、室温下で測定された荷重−伸度曲線において、破断伸度5%までの荷重−伸度曲線の接線の傾きAと破断伸度10%までの荷重−伸度曲線の接線の傾きBがA<Bであることを特徴とする海島型複合繊維束である。
  2. 上記難容易性ポリマーがポリアミド系樹脂である請求項1記載の海島型複合繊維束。
  3. 上記難容易性ポリマーがポリエステル系樹脂である請求項1記載の海島型複合繊維束。
  4. 該海島型複合繊維の、室温下で測定された荷重−伸度曲線において、破断強度が4cN/dtex以上、破断伸度が15%以上である請求項1〜3に記載の海島型複合繊維束。
  5. 該海島型複合繊維の、沸水収縮率が5%から20%である請求項1〜4に記載の海島型複合繊維束。
  6. 海島型複合繊維(単糸)中の島径のばらつきを示すCV%が0〜30%である、請求項1〜5に記載の海島型複合繊維束。
  7. 海島型複合未延伸繊維を、溶融紡糸し、ついで巻き取ることなく延伸し、さらに 熱セットした後、3%以上のリラックス率で巻き取ることを特徴とする、請求項1〜6に記載の海島型複合繊維束の製造方法。
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