JP2009263831A - 海島型複合断面繊維 - Google Patents

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浩介 松田
Yoshitaka Matsumura
由隆 松村
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Abstract

【課題】島成分同士の合流を抑制することで均一な単糸直径を有する極細繊維糸条を得るのに好適な海島型複合断面繊維を提供する。
【解決手段】易溶解性ポリマーが海成分、難溶解性ポリマーが島成分の海島型複合断面繊維であって、該繊維の単糸横断面中に分散している各島成分の面積バラツキ(Scv)と、該繊維の単糸横断面の中心を通り互いに直交する2本の直線を引いて該単糸を4等分したとき、その4部分についてそれぞれ全島成分を合計した面積のバラツキ(Sicv)、隣接する島成分の間隔バラツキ(Rcv)、また隣接する島成分の間隔最大値(Rmax)と島成分の平均直径値(rx)がそれぞれ以下の関係を満足する海島型複合断面繊維。(1)0≦Scv<10(2)0≦Sicv<5(3)0≦Rcv<15(4)Rmax/rx≦2
【選択図】なし

Description

本発明は、海島型複合断面繊維に関するものであり、特に島成分の面積バラツキを小さくすることで、該繊維中に含まれる海成分を溶解除去した際に、均一な単糸直径を有する極細繊維糸条を得ることができる。
ポリアミド繊維やポリエステル繊維は、力学特性や寸法安定性に優れるため、衣料用途のみならずインテリアや車両内装、産業用途等幅広く利用されている。
繊維に吸着性(吸湿性、吸水性、消臭性等)やソフト性を付与することを目的とした極細繊維を溶融紡糸するに際し、単糸直径がミクロンサイズの繊維については、紡糸口金設計に主眼を置いた単独ポリマーでの溶融紡糸でも得ることができるが、さらに極細の繊維については易溶解性ポリマーとの複合紡糸をして複合断面繊維を得て、易溶解性ポリマーを溶解除去して得るのが主流である。
例えば、ポリアミドと脂肪族ポリエステルとからなり、脂肪族ポリエステルの少なくとも一部を繊維表面に露出するように配置させた複合断面繊維とし、この複合断面繊維から織物を得、その織物から脂肪族ポリエステルを溶解除去し、ポリアミド極細繊維を得る方法が開示されている(特許文献1)。しかしながら、この方法は海島の位置規制になんら言及されておらず、良好な海島型複合断面繊維、均一な単糸直径を有する極細繊維糸条を得られるとは言い難い。
また、易溶解性ポリマーを海成分、難溶解性ポリマーを島成分とし、島成分の平均直径、及び隣接する島成分の間隔を規制した海島型複合断面繊維を得た後、この複合断面繊維から海成分を溶解除去し、繊維直径が均一で、かつ高タフネスの極細繊維を得る方法が開示されている(特許文献2)。しかしながら、この方法では隣接する島成分の間隔バラツキによっては隣接する島成分同士が合流し、やはり良好な海島型複合断面繊維、均一な単糸直径を有する極細繊維糸条を得られるとは言い難い。
均一な単糸直径を有する極細繊維糸条を得るのに好適な海島型複合断面繊維を得るのに際し、特許文献1に記載の、ポリアミドと脂肪族ポリエステルとの単純な組み合わせや、特許文献2に記載の、単純な島成分の平均直径や隣接する島成分の間隔を規制するのみでは、島成分同士の合流を抑制するのは極めて困難であり、良好な海島型複合断面繊維、均一な単糸直径を有する極細繊維糸条を得られないという課題があった。そこで、安定した溶融紡糸が可能で、かつ、均一な単糸直径を有する極細繊維を得るのに好適な海島型複合断面繊維が求められていた。
特開2000−54228号公報 特開2007−100243号公報
本発明は、特に島成分同士の合流を抑制することで均一な単糸直径を有する極細繊維糸条を得るのに好適な海島型複合断面繊維を提供するものである。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を採用する。すなわち、
(1)易溶解性ポリマーが海成分、難溶解性ポリマーが島成分の海島型複合断面繊維であって、該繊維の単糸横断面中に分散している各島成分の面積バラツキ(Scv)と、該繊維の単糸横断面の中心を通り互いに直交する2本の直線を引いて該単糸を4等分したとき、その4部分についてそれぞれ全島成分を合計した面積のバラツキ(Sicv)がそれぞれ以下の関係を満足し、かつ、隣接する島成分の間隔バラツキ(Rcv)と、隣接する島成分の間隔最大値(Rmax)と島成分の平均直径値(rx)がそれぞれ以下の関係を満足することを特徴とする海島型複合断面繊維。
A. Scv=(Sstd/Sx)×100 、0≦Scv<10
(ただし、Sxは各島成分の面積平均値を表し、Sstdは各島成分の面積の標準偏差(不偏分散の平方根)を表す。)
B. Sicv=(Sistd/Six)×100 、0≦Sicv<5
(ただし、Sixは4部分についてそれぞれ全島成分を合計した面積の平均値を表し、Sistdは4部分についてそれぞれ全島成分を合計した面積の標準偏差(不偏分散の平方根)を表す。)
C. Rcv=(Rstd/Rx)×100 、0≦Rcv<15
(ただし、Rxは隣接する島成分の間隔平均値を表し、Rstdは隣接する島成分の間隔の標準偏差(不偏分散の平方根)を表す。また、ここで言う間隔とは、隣接する島成分の中心間の間隔である。)
D. Rmax/rx≦2
(2)海成分と島成分の重量比が、10:90〜60:40の範囲にあることを特徴とする前記(1)に記載の海島型複合断面繊維。
(3)前記海成分が脂肪族ポリエステルであることを特徴とする前記(1)、(2)のいずれかに記載の海島型複合断面繊維。
(4)前記脂肪族ポリエステルがポリ乳酸であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の海島型複合断面繊維。
(5)前記島成分がポリカプロアミド(ナイロン6)であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の海島型複合断面繊維。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の海島型複合断面繊維中に含まれる海成分を溶解除去して得られる極細繊維。
(7)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の海島型複合断面繊維を少なくとも一部に有する布帛。
(8)前記(6)に記載の極細繊維を少なくとも一部に有する布帛。
(9)前記(6)に記載の極細繊維を少なくとも一部に有する繊維製品。
である。
本発明によれば、島成分同士の合流を抑制することで、均一な単糸直径の島成分が繊維軸方向に沿って連続的に配列している極細繊維糸条を得るのに好適な海島型複合断面繊維を得ることができる。
また、本発明の、繊維断面の海成分中に複数の島成分が均一に配置された海島型複合断面繊維中に含まれる海成分を溶解除去して極細繊維とすることにより、従来の合成繊維にはない優れた特性を得ることができる。特にソフト感といった極めて優しい肌触りの布帛が得られたり、また、繊維比表面積が大きくなるといったことから吸着性能、例えば、吸水性などにも優れた極細繊維が得られる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の海島型複合断面繊維は、その繊維横断面について、該繊維の単糸横断面中に分散している各島成分の面積バラツキ(Scv)と、該繊維の単糸横断面の中心を通り互いに直交する2本の直線を引いて該単糸を4等分したとき、その4部分についてそれぞれ全島成分を合計した面積のバラツキ(Sicv)がそれぞれ以下の関係とすると、
Scv=(Sstd/Sx)×100
(ただし、Sxは各島成分の面積平均値を表し、Sstdは各島成分の面積の標準偏差(不偏分散の平方根)を表す。)
Sicv=(Sistd/Six)×100
(ただし、Sixは4部分についてそれぞれ全島成分を合計した面積の平均値を表し、Sistdは4部分についてそれぞれ全島成分を合計した面積の標準偏差(不偏分散の平方根)を表す。)
Scvが0以上10未満の範囲を満足することが重要であり、好ましくは0以上5未満の範囲である。
また、Sicvは0以上5未満の範囲を満足することが重要であり、好ましくは0以上3未満の範囲である。
Scvが10以上となると、島成分の面積バラツキが大きいことを意味し、海成分を溶解除去したとき、均一な単糸直径を有する極細繊維を得ることができない。また、繊維長手方向での島成分の分散、合流が不規則に発生しやすくなるため、繊維長手方向での強伸度バラツキが大きい海島型複合断面繊維となる。Sicvが5以上となると、島成分の局在的な偏りが大きいことを意味し、それによる島成分同士の合流を抑制することができず、海成分を溶解除去したとき、均一な単糸直径を有する極細繊維を得ることができない。また、繊維横断面で見た場合、応力が繊維横断面に均等に分散されないため、例えば繊維長手方向での強伸度バラツキが大きい海島型複合断面繊維となる。さらには口金吐出孔での紡糸糸条の曲がりが顕著になり、安定した溶融紡糸が困難となる。
本発明の海島型複合断面繊維は、その繊維横断面について、隣接する島成分の間隔バラツキ(Rcv)が以下の関係とすると、
Rcv=(Rstd/Rx)×100
(ただし、Rxは隣接する島成分の間隔平均値を表し、Rstdは隣接する島成分の間隔の標準偏差(不偏分散の平方根)を表す。また、ここで言う間隔とは、隣接する島成分の中心間の間隔である。)
Rcvが0以上15未満の範囲を満足することが重要であり、好ましくは0以上10未満の範囲である。
Rcvが15以上となると、島成分の間隔バラツキが大きいことを意味し、島成分の局在的な偏りによる島成分同士の合流を抑制することができず、海成分を溶解除去したとき、均一な単糸直径を有する極細繊維を得ることができない。また、繊維横断面で見た場合、応力が繊維横断面に均等に分散されないため、例えば繊維長手方向での強伸度バラツキが大きい海島型複合断面繊維となる。
本発明の海島型複合断面繊維は、その繊維横断面について、隣接する島成分の間隔最大値(Rmax)と島成分の平均直径値(rx)が以下の関係を満足することが重要である。
Rmax/rx≦2
Rmax/rxが2を越えると、島成分の局在的な偏りが大きいことを意味し、それによる島成分同士の合流を抑制することができず、海成分を溶解除去したとき、均一な単糸直径を有する極細繊維を得ることができない。また、海成分を溶解除去して得られる極細繊維自体が溶解除去前の海島型複合断面繊維と比べて細くなりすぎることから、布帛等にした時、布帛密度が荒くなりすぎて、繊維製品の布帛設計が困難となったり、製品バリエーションが少なくなったりする。
なお、上記値の決定方法は、後述する実施例に記載のとおりとする。
すなわち、本発明においては、島成分が局在することなく、均一の径となるよう配置することにより、島成分同士の合流を抑制し、海成分を溶解除去したとき、均一な単糸直径を有する極細繊維を得ることができるのである。
本発明の海島型複合断面繊維は、易溶解性ポリマーが海成分、難溶解性ポリマーが島成分の海島型複合断面繊維である。これらのポリマーは互いに非相溶であり、かつ、溶解処理溶液における溶解速度が5倍以上であることが、溶解除去が容易な点から好ましい。
本発明に用いられる難溶解性ポリマーとしては、染色性、機械特性に優れており、様々なポリマーとの複合溶融紡糸にも好適な、主としてポリカプロアミド(ナイロン6)からなるポリアミドが好ましい。ポリアミドとは、いわゆる炭化水素基が主鎖にアミド結合を介して連結された高分子量体からなる樹脂である。また、ここで言う「主として」とは、ポリカプロアミドを構成するε−カプロラクタム単位として80モル%以上であることを言い、さらに好ましくは90モル%以上である。その他の成分としては、特に限定されないが、例えば、ポリドデカノアミド、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンアゼラミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリヘキサメチレンドデカノアミド、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリヘキサメチレンテレフタラミド、ポリヘキサメチレンイソフタラミド等を構成するモノマーである、アミノカルボン酸、ジカルボン酸、ジアミン等の単位が挙げられる。
また、ポリカプロアミドの重合度は、海島型複合断面繊維、海島型複合断面繊維中に含まれる易溶解性ポリマーを溶解除去して得られるポリカプロアミド極細繊維、あるいはそれらの加工品の要求特性、またはそれらを安定して得るために適当な範囲より適宜選択して良いが、好ましくは98%硫酸相対粘度で2.0〜3.6の範囲であり、さらに好ましくは2.4〜3.3の範囲である。
また、ポリカプロアミド中に含有される低重合物量としては、好ましくは熱水抽出法により検出される低重合物量で1.8重量%以下であり、さらに好ましくは1.5重量%以下である。かかる範囲とすることにより、特に海島型複合断面繊維の溶融紡糸時に発生するポリカプロアミドのモノマー、オリゴマー等を低減し、紡糸口金の表面汚れを抑制することで安定した溶融紡糸が実現できる。
ポリカプロアミド中の低重合物を除去する方法としては、重合されたポリカプロアミドチップを、90〜120℃程度の沸騰水に接触させ、低重合物を抽出することが好ましい。ポリカプロアミド中の低重合物量は、チップ形状、浴比等によっても異なることがあるが、抽出時間は20〜40hr程度で、必要に応じてヒドラジン等の還元剤を添加することが好ましい。抽出操作を終えたポリカプロアミドチップは、約10重量%の水分を含有するため、乾燥をすると良い。ポリカプロアミドチップの乾燥方法は、1.3kPa以下の減圧下で、バッチ方式で加熱する方法、あるいは、ポリカプロアミドチップと加熱された窒素とを連続的に接触させる方法が挙げられる。ポリカプロアミドチップを大量生産する場合は、連続運転が可能な後者が有利であり、少量多品種生産をする場合は前者が有利である。通常の場合、乾燥はポリカプロアミドの融点以下の温度である100〜120℃において、10〜30hr程度保持することにより、水分率が概ね0.1重量%以下となるまで行うと良い。
本発明に用いられる易溶解性ポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステルや、それらを主とした共重合体、脂肪族ポリエステル等が挙げられるが、最近の環境に対する社会情勢を考慮すると、バイオマス利用、生分解性の観点から脂肪族ポリエステルであることが好ましい。脂肪族ポリエステルとは、いわゆる塩基酸とアルコールがエステル結合を介して連結された高分子量体からなる樹脂であって、その分子が環式構造を含まない、いわゆる脂肪族で構成されているものを言う。かかるポリマー構成とすることにより、極めて短時間での溶解除去が可能となる。脂肪族ポリエステルを溶解除去する場合、普通アルカリを用いるが、溶解処理条件によって変動はあるものの、ポリエチレンテレフタレートと溶解速度を比較した場合その差は約50倍にもなる。
ここで脂肪族ポリエステルを例示すると、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリブチレンサクシネート、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン等が挙げられるが、安定した溶融紡糸が可能という点でポリ乳酸がより好ましい。ポリ乳酸とは乳酸モノマーを重合したものであり、L体またはD体の光学純度が90%以上であると、融点が高くなり好ましい。また、ポリ乳酸の性質を損なわない範囲において、乳酸以外のモノマーを共重合していても良いが、好ましくはポリ乳酸を構成する乳酸単位として80モル%以上であり、さらに好ましくは90モル%以上である。
また、ポリ乳酸の分子量は、海島型複合断面繊維、あるいはその加工品の要求特性、またはそれらを安定して得るために適当な範囲より適宜選択して良いが、好ましくは重量平均分子量で5万〜30万の範囲であり、さらに好ましくは10万〜25万の範囲である。
本発明の海島型複合断面繊維の海成分と島成分の重量比は、海島型複合断面繊維、海島型複合断面繊維中に含まれる海成分を溶解除去して得られる極細繊維、あるいはその加工品の要求特性、またはそれらを安定して得るために適当な範囲より適宜選択して良いが、好ましくは海成分と島成分の重量比で10:90〜60:40の範囲であり、さらに好ましくは20:80〜50:50の範囲である。海成分と島成分の重量比が10:90未満では、溶融紡糸時に島成分同士が合流しやすくなるため、海成分を溶解除去したとき、均一な単糸直径を有する極細繊維を得ることができない。また、海成分と島成分の重量比が60:40を越えると、海成分の溶解除去に必要な溶剤が多くなる等、安全性や自然環境保護の観点、また、経済的観点からも好ましくない。また、海成分を溶解除去して得られる極細繊維自体が溶解除去前の海島型複合断面繊維と比べて細くなりすぎることから、布帛等にした時、布帛密度が荒くなりすぎて、繊維製品の布帛設計が困難となったり、製品バリエーションが少なくなったりする可能性がある。
本発明の海島型複合断面繊維の総島数は300以上が好ましく、さらに好ましくは500以上である。総島数が多いほど海成分を溶解除去したときに得られる極細繊維が細くなり、極細繊維の狙いとするソフト感、吸着性能を飛躍的に向上させることができる。また、逆に総島数が多くなりすぎると、それを溶融紡糸する口金精度の理由で紡糸口金の製造コストが高くなり、また、海島複合断面繊維の単糸本数によっては、溶融紡糸時に島成分同士が合流しやすくなるため、海成分を溶解除去したとき、均一な単糸直径を有する極細繊維を得ることができない可能性がある。よって海島型複合断面繊維の総島数は1000以下とするのが好ましい。
本発明の海島型複合断面繊維の海成分を溶解除去して得られる極細繊維の単糸繊度は、好ましくは0.01〜0.5デシテックス(dtex)の範囲であり、さらに好ましくは0.01〜0.2dtexの範囲である。極細繊維の単糸繊度が0.01dtex未満では、原糸品位を含め、安定した溶融紡糸が困難となる。
一般的に極細繊維の単糸繊度を細くする場合、紡糸口金あたりの総島数を多くする、もしくは紡糸口金あたりの島成分の吐出量を下げるといった方法があるが、紡糸口金あたりの総島数が多くなりすぎると、前記と同様に、やはり紡糸口金の製造コストが高くなる、海成分を溶解除去したとき、均一な単糸直径を有する極細繊維を得ることができなくなるといった問題がある。また、紡糸口金あたりの島成分の吐出量を下げすぎると、紡糸口金での溶融した島成分の計量が困難となり、やはり、海成分を溶解除去したとき、均一な単糸直径を有する極細繊維を得ることができなくなるといった問題が残る。
極細繊維の単糸繊度が0.5dtexを越えるものは、紡糸口金設計に主眼した単独ポリマーでの一発溶融紡糸でも得ることができるため、海島型複合断面繊維として得るメリットがない。
本発明の海島型複合断面繊維は、そのまま繊維製品として得ることもできるが、海島型複合断面繊維中に含まれる海成分を溶解除去することにより、ソフト感、吸着性能に優れた極細繊維を得ることが可能である。さらには、海島型複合断面繊維中に含まれる海成分を一部溶解除去することにより、光沢、触感等の新たな付加価値を得ることも可能である。これらの場合、海島型複合断面繊維から得られた布帛を溶解処理溶液で処理するが、海成分である易溶解性ポリマーが脂肪族ポリエステル、島成分である難溶解性ポリマーがポリカプロアミドの海島型複合断面繊維の場合、アルカリで処理すると良い。ここで言うアルカリとは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられるが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強アルカリ(pH=10〜14)を0.5〜20重量%濃度の溶液(溶媒としては水が好ましい)中、60〜120℃で処理することが好ましい。
本発明の海島型複合断面繊維を用いた繊維製品、また、海島型複合断面繊維中に含まれる海成分を溶解除去したときに得られる極細繊維を用いた繊維製品としては、キャミソール、ショーツ等のインナーウエア、ストッキング、ソックス等のレッグニット、シャツやブルゾン等のスポーツ・カジュアルウェア、パンツ、コート、紳士・婦人衣料等の衣料用途のみならず、ブラカップやパッド等の衣料資材用途、カーテンやカーペット、マット、家具等のインテリア用途、吸水フェルト、研磨布といった工業資材用途、さらにはフィルター等の産業資材用途、車両内装用途にも好適に用いることができる。近年、繊維産業においても、バイオマス利用、生分解性といったエコ素材は、自然環境保護の観点から注目を集めており、本発明の海島型複合断面繊維は、こういったエコ素材にも好適に用いることができる。
本発明の海島型複合断面繊維は、海島複合形成性、生産性、コストの観点から、溶融紡糸による製造が最も優れている。溶融紡糸による製造方法について、紡糸−延伸工程を連続して行う方法(直接紡糸延伸法)、未延伸糸を一旦巻き取った後に延伸する方法(2工程法)、あるいは紡糸速度を4000m/min以上のように高速として実質的に延伸工程を省略する方法(高速紡糸法)等、いずれの方法においても製造可能であり、必要に応じて仮撚りや空気交絡等の糸加工を施しても良い。
以下に、海成分である易溶解性ポリマーがポリ乳酸、島成分である難溶解性ポリマーがポリカプロアミドの海島型複合断面繊維について、直接紡糸延伸法での製造を例示する。
まず溶融部について説明する。ポリカプロアミド、ポリ乳酸を溶融するに際し、プレッシャーメルター法あるいはエクストルーダー法が挙げられるが、両者とも特に限定されるものではない。溶融温度は、ポリカプロアミドは240〜260℃が好ましく、ポリ乳酸は200〜220℃が好ましい。
また、紡糸口金から吐出されるまでのポリマー滞留時間は、特にポリ乳酸のような耐熱性に乏しいポリマーの場合、ポリマー溶融部先端、例えば、プレッシャーメルタータイプの溶融紡糸装置の場合はメルター部から、エクストルーダータイプの溶融紡糸装置の場合はシリンダー入口から、紡糸口金から吐出するまでの時間を20min以内とすることが好ましい。
紡糸パックへ流入したポリカプロアミド、ポリ乳酸は、公知の紡糸口金により合流、海島複合断面に形成されて、紡糸口金より吐出される。海島型複合紡糸口金については様々な公知例があるが、島成分の流路となる複数のパイプと、これらの島成分をそれぞれ取り囲む海成分の流路(スリット)を設けてなる紡糸口金での海島複合形成が、Scv、Sicv、Rcv、Rmax/rxのコントロールが容易となり好ましい。図1で詳細説明する。図1は、本発明で用いる海島型複合紡糸口金の一例であり、後述する実施例で用いた海島型複合紡糸口金の断面を示す概略図である。パイプ(5)から流入された島成分が、海成分流入孔(4)〜1合板1(1)および2号板(2)の隙間(6)〜スリット(7)を通過した海成分によって、合流部(8)でいわばコーティングされる形となる。海成分によってコーティングされた各島成分が、3号板(3)の合流部(9)で合流し、海島複合断面に形成されて、吐出孔(10)より吐出される。Scv、Sicv、Rcv、Rmax/rxを満足する良好な海島型複合断面を得るには、特に海成分の計量が充分に行われる必要があり、図1に示すようなパイプ(5)が2号板(2)の途中まで進入しているような紡糸口金だと、海成分の計量に必要なスリット(7)長を得ることができ、さらに好ましい。
また、紡糸温度(いわゆるポリマー配管や紡糸パックまわりの保温温度)は、240〜260℃が好ましい。
紡糸口金から吐出された海島型複合断面繊維は、冷却、固化され、油剤が付与された後、引き取られる。引き取り速度は1000〜5000m/minの範囲が好ましく、延伸糸の伸度が30〜70%の範囲となるように適宜延伸倍率を設定、延伸後、速度として2500〜5000m/minの範囲で巻き取るのが好ましい。また、巻き取りまでの工程で公知の交絡装置を用い、交絡を施すことも可能である。必要であれば複数回付与することで交絡数を上げることも可能である。さらには、巻き取り直前に、追加で油剤を付与するのも可能である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。また、本発明の海島型複合断面繊維、ポリアミド極細繊維の物性の測定方法は以下の通りである。
(1)ポリアミドの98%硫酸相対粘度(ηr)
オストワルド粘度計にて下記溶液の25℃での落下秒数を測定し、下式により算出した。
ポリカプロアミドを1g/100mlとなるように溶解した98%濃硫酸(T1)、98%濃硫酸(T2)とすると、
(ηr)=T1/T2。
(2)ポリアミド中の低重合物量
35メッシュを通過し、115メッシュに留まるポリカプロアミド粉末を、水分率が0.03重量%以下となるまで乾燥、その重量を秤量した(W1)。その後、浴比200倍の沸騰水で4hr抽出し、水洗後、再び水分率が0.03重量%以下となるまで乾燥、その重量を秤量した(W2)。下式により算出した。
(MO量)(重量%)={(W1−W2)/W1}×100。
(3)ポリ乳酸の重量平均分子量(Mw)
ポリ乳酸のクロロホルム溶液にテトラヒドロフランを混合し測定溶液とした。これをゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、ポリスチレン換算でMwを求めた。
(4)ポリエチレンテレフタレート(PET)の固有粘度(IV)
オストワルド粘度計にて下記溶液の25℃での落下秒数を測定し、下式により算出した。
試料を0.8g/10mlとなるように溶解したオルトクロロフェノール(T1)、オルトクロロフェノール(T2)とすると、
(ηr)=T1/T2
(IV)=0.0242ηr+0.2634。
(5)光学顕微鏡による繊維横断面観察
繊維横断方向に必要に応じて繊維を蝋で固める等して約6ミクロンの薄切片を切り出し、光学顕微鏡(Nikon(株)社製80iTP−DPH−S)で繊維横断面を観察した。繊維糸条全体を観察するときは100倍、単糸を観察するときは400倍と必要に応じて観察倍率を変更して繊維横断面を観察した。
(6)Scv
前記に記載の光学顕微鏡(400倍)による繊維横断面写真を画像処理ソフト(三谷商事(株)社製WINROOF)を用いて求めた。詳細は下記の通りとした。
A.繊維横断面写真から無作為に単糸5本を選択した。測定誤差が出ないように選択したそれぞれの単糸を400倍に拡大した。
B.それぞれの単糸について無作為に島成分を5個選択した。選択した各島成分の面積をWINROOFで計測し、その面積平均値(Sx)、標準偏差(Sstd)を算出した。なお、標準偏差は不偏分散から算出した。
C.それぞれの単糸について、Scv=Sstd/Sx×100の関係式からScvを算出し、それぞれの単糸のScvからその平均値を算出した。
(7)Sicv
前記に記載の光学顕微鏡(400倍)による繊維横断面写真を画像処理ソフト(三谷商事(株)社製WINROOF)を用いて求めた。詳細は下記の通りとした。
A.繊維横断面写真から無作為に単糸5本を選択した。測定誤差が出ないように選択したそれぞれの単糸を400倍に拡大した。
B.それぞれの単糸について、中心を通り互いに直交する2本の直線を引いて該単糸を4等分した。
C.それぞれの単糸について、その4部分についてそれぞれ全島成分を合計した面積をWINROOFで計測し、その面積平均値(Six)、標準偏差(Sistd)を算出した。なお、標準偏差は不偏分散から算出した。
D.それぞれの単糸について、Sicv=Sistd/Six×100の関係式からSicvを算出し、それぞれの単糸のSicvからその平均値を算出した。
(8)Rcv
前記に記載の光学顕微鏡(400倍)による繊維横断面写真を画像処理ソフト(三谷商事(株)社製WINROOF)を用いて求めた。詳細は下記の通りとした。
A.繊維横断面写真から無作為に単糸5本を選択した。測定誤差が出ないように選択したそれぞれの単糸を400倍に拡大した。
B.それぞれの単糸について、隣り合った島成分を1組として無作為に5組選択した。
C.選択した組について、隣り合った島成分の中心間の間隔をWINROOFで計測し、その間隔平均値(Rx)、標準偏差(Rstd)を算出した。なお、標準偏差は不偏分散から算出した。
D.それぞれの単糸について、Rcv=Rstd/Rx×100の関係式からRcvを算出し、それぞれの単糸のRcvからその平均値を算出した。
(9)rx、Rmax
前記に記載の光学顕微鏡(400倍)による繊維横断面写真を画像処理ソフト(三谷商事(株)社製WINROOF)を用いて求めた。詳細は下記の通りとした。
A.繊維横断面写真から無作為に単糸5本を選択した。測定誤差が出ないように選択したそれぞれの単糸を400倍に拡大した。
B.それぞれの単糸について無作為に島成分を5個選択した。選択した各島成分の直径をWINROOFで計測し、その直径平均値(rx)を算出した。
C.それぞれの単糸について、隣り合った島成分を1組として、その中心間の間隔が目視で見て最も大きい5組を選択した。
D.選択した組について、隣り合った島成分の中心間の間隔をWINROOFで計測し、5組の中で最も大きい値を間隔最大値(Rmax)とした。
(10)強度、伸度、強伸度積、強伸度積バラツキ
A.強度(Tb)、伸度(Y)は、JIS L1013(1999)の8.5項に準じた。なお、測定条件としては、定速緊張形試験機(オリエンテック(株)社製テンシロン)を用い、つかみ間隔50cm、引張速度50cm/minとした。
B.強伸度積(TbY)は、TbY=Tb×(100+Y)/100の関係式から算出した。
C.繊維長手方向の強伸度積バラツキ(TbYcv)は、TbYcv=TbYstd/TbYx×100の関係式から算出した。なお、(TbYx)は同一繊維について強伸度積を10回測定した平均値であり、(TbYstd)はその標準偏差(不偏分散から算出)である。
(11)ソフト性
繊維から織密度がウェール120本/2.54cm、コース90本/2.54cmの平織地を作成し、6%−水酸化ナトリウム水溶液で、95℃で4hr浸透し、ポリエステル成分を溶解除去後、流水で1hr水洗し、1日間風乾した。得られた平織地について、熟練した検査者(30人)の触感によって筒編地のソフト性を相対評価した。ソフト性が非常に良い(4)、ソフト性がやや良い(3)、ソフト性があまりない(2)、ソフト性がない(1)の4段階で等級判定し、その平均値にて評価した。
(実施例1〜4、比較例3)
難溶解性ポリマーとしてηrが2.6、低重合物量が1重量%のポリカプロアミドペレットと、易溶解性ポリマーとしてMwが12万のポリ乳酸ペレットとを両者の水分率が0.03重量%以下になるまで乾燥した。
ポリカプロアミドペレットを260℃、ポリ乳酸ペレットを220℃の溶融温度で、表1に示す重量比で各個別々のプレッシャーメルターで溶融し、紡糸パック、紡糸口金に合流、海島複合形成させて紡糸口金より吐出させた。紡糸口金は、図1に示すパイプ(5)が2号板(2)のスリット(7)の途中まで進入している紡糸口金(パイプ式口金)とし、単糸あたりの島数が37島で、紡糸口金あたりの単糸数が20(総島数は740)のものを使用した。また、紡糸温度は260℃とした。紡糸口金より吐出後、18℃の冷風で冷却、給油した後に、巻取速度4000m/minで直接紡糸延伸を行い、78dtex−20フィラメントの海島型複合断面繊維を得た。なお、プレッシャーメルター部から、紡糸口金より吐出するまでの時間は20min以内となるようメルター部への供給量を調整した。
得られた海島型複合断面繊維について、Scv、Sicv、Rcv、Rmax/rx、強伸度積、強伸度積バラツキについて評価した。また、前記に記載の方法で得られた海島型複合断面繊維のポリ乳酸を溶解除去して得られたポリカプロアミド極細繊維からなる平織地のソフト性についてもあわせて評価した。これらの結果を表1に示す。
(実施例5,6)
紡糸口金を図1に示すパイプ式口金とし、単糸あたりの島数が49島で、紡糸口金あたりの単糸数が20(総島数は980)のものとする以外は、実施例1と同様に溶融紡糸し、78dtex−20フィラメントの海島型複合断面繊維を得た。得られた海島型複合断面繊維について、実施例1と同様の項目について評価した。これらの結果を表1に示す。
(実施例7)
易溶解性ポリマーをIV(固有粘度)が0.653のポリエチレンテレフタレートとする以外は、実施例1と同様に溶融紡糸し、78dtex−20フィラメントの海島型複合断面繊維を得た。得られた海島型複合断面繊維について、実施例1と同様の項目について評価した。この結果を表1に示す。
(実施例8)
易溶解性ポリマーをIV(固有粘度)が0.653のポリエチレンテレフタレート、紡糸口金をパイプ式口金とし、単糸あたりの島数が49島で、紡糸口金あたりの単糸数が20(総島数は980)のものとする以外は、実施例1と同様に溶融紡糸し、78dtex−20フィラメントの海島型複合断面繊維を得た。得られた海島型複合断面繊維について、実施例1と同様の項目について評価した。この結果を表1に示す。
(実施例9)
難溶解性ポリマーをηrが2.6、低重合物量が1重量%のポリヘキサメチレンアジパミドペレット、易溶解性ポリマーをIV(固有粘度)が0.653のポリエチレンテレフタレートとし、ポリヘキサメチレンアジパミドペレットの水分率が0.1重量%中心になるまで乾燥する以外は、実施例1と同様に溶融紡糸し、78dtex−20フィラメントの海島型複合断面繊維を得た。得られた海島型複合断面繊維について、実施例1と同様の項目について評価した。この結果を表1に示す。
(実施例10)
難溶解性ポリマーをηrが2.6、低重合物量が1重量%のポリヘキサメチレンアジパミドペレット、易溶解性ポリマーをIV(固有粘度)が0.653のポリエチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンアジパミドペレットの水分率が0.1重量%中心になるまで乾燥する、紡糸口金をパイプ式口金とし、単糸あたりの島数が49島で、紡糸口金あたりの単糸数が20(総島数は980)のものとする以外は、実施例1と同様に溶融紡糸し、78dtex−20フィラメントの海島型複合断面繊維を得た。得られた海島型複合断面繊維について、実施例1と同様の項目について評価した。この結果を表1に示す。
(比較例1,4)
紡糸口金を図2に示す(パイプ(5)が2号板(2)のスリット(7)に進入していない紡糸口金(パイプレス口金)とし、単糸あたりの島数が37島で、紡糸口金あたりの単糸数が20(総島数は740)のものとする以外は、実施例1と同様に溶融紡糸し、78dtex−20フィラメントの海島型複合断面繊維を得た。得られた海島型複合断面繊維について、実施例1と同様の項目について評価した。この結果を表1に示す。
(比較例2)
紡糸口金を図2に示す(パイプ(5)が2号板(2)のスリット(7)に進入していない紡糸口金(パイプレス口金)とし、単糸あたりの島数が14島で、紡糸口金あたりの単糸数が20(総島数は280)のものとする以外は、実施例1と同様に溶融紡糸し、78dtex−20フィラメントの海島型複合断面繊維を得た。得られた海島型複合断面繊維について、実施例1と同様の項目について評価した。この結果を表1に示す。
Figure 2009263831
表1の結果から明らかなように、本発明の海島型複合断面繊維は、従来の海島型複合断面繊維と比較して海島複合形成性を大幅に改善することで、安定した紡糸操業性、かつ、均一な単糸直径を有する極細繊維糸条を得ることが可能な極めて顕著な効果を奏するものであると言える。
本発明の実施例、比較例で用いた海島型複合紡糸口金の概略図である。 本発明の比較例で用いた海島型複合紡糸口金の概略図である。
符号の説明
1:1号板
2:2号板
3:3号板
4:海成分流入孔
5:島成分流入孔(パイプ)
6:1,2号板の隙間
7:スリット
8,9:合流部
10:吐出孔

Claims (9)

  1. 易溶解性ポリマーが海成分、難溶解性ポリマーが島成分の海島型複合断面繊維であって、該繊維の単糸横断面中に分散している各島成分の面積バラツキ(Scv)と、該繊維の単糸横断面の中心を通り互いに直交する2本の直線を引いて該単糸を4等分したとき、その4部分についてそれぞれ全島成分を合計した面積のバラツキ(Sicv)がそれぞれ以下の関係を満足し、かつ、隣接する島成分の間隔バラツキ(Rcv)と、隣接する島成分の間隔最大値(Rmax)と島成分の平均直径値(rx)がそれぞれ以下の関係を満足することを特徴とする海島型複合断面繊維。
    (1)Scv=(Sstd/Sx)×100 、0≦Scv<10
    (ただし、Sxは各島成分の面積平均値を表し、Sstdは各島成分の面積の標準偏差(不偏分散の平方根)を表す。)
    (2)Sicv=(Sistd/Six)×100 、0≦Sicv<5
    (ただし、Sixは4部分についてそれぞれ全島成分を合計した面積の平均値を表し、Sistdは4部分についてそれぞれ全島成分を合計した面積の標準偏差(不偏分散の平方根)を表す。)
    (3)Rcv=(Rstd/Rx)×100 、0≦Rcv<15
    (ただし、Rxは隣接する島成分の間隔平均値を表し、Rstdは隣接する島成分の間隔の標準偏差(不偏分散の平方根)を表す。また、ここで言う間隔とは、隣接する島成分の中心間の間隔である。)
    (4)Rmax/rx≦2
  2. 海成分と島成分の重量比が、10:90〜60:40の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の海島型複合断面繊維。
  3. 前記海成分が脂肪族ポリエステルであることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の海島型複合断面繊維。
  4. 前記脂肪族ポリエステルがポリ乳酸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の海島型複合断面繊維。
  5. 前記島成分がポリカプロアミド(ナイロン6)であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の海島型複合断面繊維。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の海島型複合断面繊維中に含まれる海成分を溶解除去して得られる極細繊維。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の海島型複合断面繊維を少なくとも一部に有する布帛。
  8. 請求項6に記載の極細繊維を少なくとも一部に有する布帛。
  9. 請求項6に記載の極細繊維を少なくとも一部に有する繊維製品。
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