JP2005200593A - ペレット - Google Patents

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【課題】 本発明は、大量生産が可能でしかも低コストのポリマーアロイ繊維を得るための耐熱性に優れたポリマーアロイペレットを提供するものである。
【解決手段】 ポリエステルまたは結晶性ポリオレフィンを50〜90重量%とポリ乳酸または親水基が10〜30mol%共重合されたポリオレフィンからなるポリマーアロイであり、その色調の指標であるb*値が−1〜10であることを特徴とするペレット。
【選択図】なし

Description

本発明は、易溶解性ポリマーと難溶解性ポリマーからなるポリマーアロイ繊維を紡糸性、糸加工性、生産性良く得ることができ、しかも得られたポリマーアロイ繊維から易溶解性ポリマーを溶出することにより優れた性能を有するナノファイバーを容易に得ることのできるポリマーアロイペレットに関するものである。
ナイロン6(N6)やナイロン66(N66)に代表されるポリアミド繊維やポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)に代表されるポリエステル繊維は力学特性や寸法安定性に優れるため、衣料用途のみならずインテリアや車両内装、産業用途等幅広く利用されている。
しかし、単一のポリマーからなる繊維ではその性能に限界があるため、従来から共重合やポリマーブレンドといったポリマー改質、また複合紡糸や混繊紡糸による機能の複合化が検討されてきた。中でも、ポリマーブレンドは新しくポリマーを設計する必要が無く、しかも単成分紡糸機を用いても製造が可能であることから特に活発な検討が行われてきた。
ところで、特にポリエステル繊維やポリアミド繊維は衣料用途に用いられてきたこともあり、ポリマー改質だけでなく、繊維の断面形状や極細糸による性能向上の検討も活発に行われてきた。このような検討の一つとして、海島複合紡糸を利用したポリエステルの超極細糸が生み出され、スエード調の人工皮革という大型新製品に結実していった。また、この超極細糸を一般衣料に適用し、通常の繊維では到底得られないピーチタッチの優れた風合いの衣料にも展開されている。さらに、衣料用途のみならず、ワイピングクロスといった生活資材や産業資材用途にも展開され、超極細繊維は現在の合成繊維の世界で確固たる地位を築いている。特に最近では、特開2001−1252号公報や特開2002−224945号公報に記載のようにコンピューターのハードディスク用の表面研磨布や、特開2002−102332号公報や特開2002−172163号公報に記載のように細胞吸着材のようなメディカル材料にまで応用が拡がっている。
このため、さらにレベルの高い人工皮革や高質感衣料を得るために、より細い繊維が望まれていた。また、IT産業の隆盛を支えるためハードディスクの大容量化が推進されているが、このためにはさらにハードディスクの記録密度を上げることが必須であり、そのためには、現在平均表面粗さが1nm以上であるハードディスク表面をさらに平滑化することが必要である(目標は平均表面粗さ0.5nm以下)。このため、ハードディスク表面を磨くための研磨布に用いる繊維をさらに極細化したナノファイバーが望まれていた。
しかしながら、現在の海島複合紡糸技術では単糸繊度は0.04dtex(直径2μm相当)が限界であり、ナノファイバーに対するニーズに充分応えられるレベルではなかった。また、ポリマーブレンド繊維により超極細糸を得る方法が従来から検討されているが、ここで得られる単糸繊度は最も細いものでも0.001dtex(直径0.4μm相当)であり、やはりナノファイバーに対するニーズに充分応えられるレベルではなかった(特許文献1、2)。しかも、ここで得られる超極細糸の単糸繊度はポリマーブレンド繊維中での島ポリマーの分散状態で決定されるが、該公報で用いられているポリマーブレンド系では島ポリマーの分散が不十分であるため、得られる超極細糸の単糸繊度ばらつきが大きいものであった。
また、従来のポリマーブレンド繊維の技術はそのほとんどが紡糸機のチップホッパー中でのドライブレンドであり、ブレンド斑や経時的なブレンド比の変動により、紡糸性が悪く大量生産に耐えうるものではなかった。一方、PETにポリエチレンナフタレート(PEN)を共重合した共重合ポリエステルにポリエーテルイミド(PEI)を二軸押出混練機を用いて混練し、PEIがナノサイズで分散したポリマーアロイ繊維を得ている例(特許文献3)があるが、この時はPEIが高融点であるため高温での混練、紡糸過程で主成分である共重合ポリエステルが熱劣化し、紡糸性が悪く、また得られた繊維の力学特性も低いものであった。
また、一般にポリマーブレンドはブレンドされたポリマー間で共重合などの相互作用があり、熱履歴によりポリマー品質に大きな差ができてしまう。すなわち、ナノファイバーを得るための原料として前述の特許文献1、2で採用しているポリマーブレンドの組み合わせを単純に二軸押出混練機で行ったとしても、耐熱性が劣化したポリマーしか得られず、ポリアミドのゲル化などにより紡糸性が悪く大量生産に耐えうるものではなかった。より具体的には、二軸押出混練機での混練は高温、高剪断変形によりポリマー同士を微細にブレンドしていくのであるが、ここでポリマー間で共重合反応が起こったり、ポリマーの熱分解によりゲルなどの熱変性物が生成しやすい。その程度はポリマー組成と混練条件に依存するが、ポリアミドやポリエチレングリコールなどは熱変性しやすいポリマーとして知られている。このように生成した熱変性物は紡糸の際、異物として振る舞い糸切れを誘発するだけでなく、濾層での目詰まりを起こし工程圧力が上昇し易く紡糸パックの交換周期が短くなることにより、生産性を著しく低下させてしまう。さらに熱変性物は、レオロジー的には長時間緩和成分となる場合が多く、アロイポリマーの伸長粘度を著しく増加させ曳糸性を低下させてしまう。特にこの伸長粘度増加の問題は、紡糸という、自由表面を持った溶融ポリマー流が大変形する場では致命的であった。このため、紡糸という特異な成形加工に適した耐熱性の良いポリマーアロイペレットを得ることが非常に難しく、樹脂の世界とは異なり繊維の世界ではポリマーアロイの利用が進んでいないのが現状である。
このため、耐熱性が良く紡糸性に優れたポリマーアロイペレットが望まれていた。
特開昭54−73921号公報(1〜5ページ) 特開平6−272114号公報(1〜4ページ) 特開平8−113829号公報(7〜12ページ)
本発明は、大量生産が可能でしかも低コストのポリマーアロイ繊維を得るための耐熱性に優れたポリマーアロイペレットを提供するものである。
上記目的は、ポリエステルまたは結晶性ポリオレフィンを50〜90重量%とポリ乳酸または親水基が10〜30mol%共重合されたポリオレフィンからなるポリマーアロイであり、その色調の指標であるb*値が−1〜10であることを特徴とするペレットにより達成される。
本発明の耐熱性に優れたポリマーアロイペレットにより、ブレンド斑や経時的なブレンド比の変動が少ないポリマーアロイ繊維を紡糸性良く得ることができ、これから単繊維繊度ばらつきの小さなナノファイバーや多孔繊維を得ることができる。さらに、本発明のペレット中でナノファイバーとなるポリマー含量が多いため、コストダウンにも寄与できる。
本発明は、ポリエステルまたは結晶性ポリオレフィンを50〜90重量%とポリ乳酸または親水基が10〜30mol%共重合されたポリオレフィンからなるポリマーアロイであるが、ここで多量成分は難溶解性ポリマー(ポリエステル、結晶性ポリオレフィン)であり、少量成分は易溶解性ポリマー(ポリ乳酸、共重合ポリオレフィン)としたマスターペレットとなるものである。ここで易溶解性、難溶解性とはある溶剤に対する溶解性に差があることを意味するものである。これにより、繊維化後、易溶解性ポリマーを溶出することによりナノファイバーを得ることができるのである。
以下、本発明のポリマーアロイペレットについて詳述するが、ここで用いるポリマーは、共重合体でも良いし、機能性を向上させるための有機物や酸化チタンやシリカなどの無機物を含有させておいても良い。
まず、多量成分である難溶解性ポリマーは、ポリマーアロイ繊維およびナノファイバー化した際の耐熱性、寸法安定性の観点から、ポリエステルあるいは結晶性ポリオレフィンであることが重要である。
ポリエステルとしては、PET、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、PBT、PENなどの芳香族ポリエステルの他、ポリ乳酸(PLA)などの脂肪族ポリエステルを挙げることができる。また、ポリエステルの融点を160℃以上とすると、ポリマーアロイ繊維やナノファイバー化した時の耐熱性を高くできるため、好ましい。なお、ポリエステルと組み合わせる易溶解性ポリマーであるPLAや共重合ポリオレフィンは一般に250℃以上での熱分解が大きく、分解ガスを多量に発生しポリマーアロイの紡糸性を著しく低下させる場合があるが、難溶解性ポリマーであるポリエステルの融点を240℃以下とすると、溶融混練や溶融紡糸時にPLAや共重合ポリオレフィンの熱分解を抑制し、紡糸性を大きく向上できるため好ましい。ポリエステルの融点は、より好ましくは170〜230℃である。この観点からポリエステルとしてPTTあるいはPBTを選択することが好ましい。
結晶性ポリオレフィンとしては、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)などを挙げることができる。中でも融点が160℃程度と比較的高く、しかも溶融混練や紡糸時に分解ガスや副性ガスの発生しにくいPPを選ぶと、紡糸性が向上し、特に好ましい。
次に、少量成分である易溶解ポリマーは、ポリマーアロイの相溶性、ポリマーアロイ繊維からナノファイバー化する際の除去性の観点から、PLAあるいは親水基を10〜30mol%共重合したポリオレフィンであることが重要である。
PLAの光学純度には特に制限は無いが、光学純度98%以上であると融点が高く、耐熱性の点から好ましい。また、重量平均分子量が7万〜13万であると、溶融粘度が低いため溶融紡糸時にポリマーアロイの伸長粘度を低下させることができ、糸の細化がスムーズになり紡糸性を向上することができ、好ましい。
親水基を共重合したポリオレフィンとしては、耐熱性の点からポリスチレンやポリプロピレンがベースとなるものが好ましいが、ポリマーの相溶性の観点から、特に難溶解性ポリマーにポリエステルを用いる場合はポリスチレンベースとすることが好ましい。また、ここで共重合されている親水基とは、アクリル酸やスルホン酸などの酸成分またはそれらの誘導体、また水酸基やアミド基などの塩基成分またはそれらの誘導体などのことを言うものである。これらは、本来、疎水性が強いポリオレフィンに若干の親水性を付与し、ポリエステルとの相溶性を向上させることができるのである。また、耐薬品性がベースとなるホモポリオレフィンをより低下するため、ポリマーアロイ繊維からこの共重合ポリオレフィンを除去し易くなるという利点もある。親水基は汎用性の点からアクリル酸またはその誘導体であることがより好ましい。また、それらの共重合率は10〜30mol%であると、ポリエステルとの相溶性を著しく改善でき、またポリマーアロイ繊維からこの共重合ポリオレフィンを充分除去し易くなる。共重合率はより好ましくは15〜25mol%である。
ところで、本発明ではポリマーアロイペレットの耐熱性が重要であるが、これはペレットの色調で評価することができる。より具体的には、黄味の指標であるb*値が−1〜10の範囲にあることが重要である。この範囲にあれば溶融混練過程でのポリマーの熱劣化が少なくゲル等の熱変性物が少ないのである。b*値は好ましくは6以下、より好ましくは4以下である。なお、混練前のポリマーのb*値が8を超えるものについては混練後b*値の増加が2以下であれば本願目的を達し得るので好ましい。
また、本発明のポリマーアロイペレット中では難溶解性ポリマーと易溶解性ポリマーが海島構造あるいは層状構造を採っていることが好ましい。海島構造とは一方が海、他方が島の相分離した構造を、層状構造とは異種のポリマー同士がお互いに層状に入り組みあった相分離構造を言うものである。ここで、島成分のポリマーの平均分散径は1nm〜1μmの範囲で微分散していると、紡糸過程で島成分の直径が100nm以下まで小さくなりナノファイバーを得やすいため好ましい。
また、難溶解性ポリマーであるポリエステルあるいは共重合ポリオレフィンのポリマーアロイペレット中の含有量は、マスターペレット化し低コスト化する観点から、50〜90重量%とすることが重要である。難溶解性ポリマーの含有率は好ましくは65〜85重量%である。
また、本発明のポリマーアロイペレットの溶融粘度を300Pa・s以下とすことが好ましい。これにより、紡糸の際に口金からポリマーアロイが吐出された際に膨らむ、いわゆるバラス現象を抑制することができ、さらに固化前の紡糸張力を低減できるため、糸がつながらず五月雨状になることを抑制し、紡糸性を著しく向上できるのである。ポリマーアロイの溶融粘度はより好ましくは150Pa・s以下、さらに好ましくは100Pa・s以下である。この時の溶融粘度は、融点が高い方のポリマーの融点+35℃の温度、剪断速度1216sec-1で測定した値である。なお、非晶性ポリマーの場合は融点が観測されないため、ガラス転移点(Tg)、ビカット軟化点、熱変形温度などで融点に代える。
このようにポリマーアロイの溶融粘度を抑制するためには、溶融粘度が100Pa・s以下の低粘度ポリマーを用いることが効果的であり、より好ましくは60Pa・s以下である。
本発明のポリマーアロイペレットの好ましいポリマーの組み合わせとしては、例えば以下のものを挙げることができる。難溶解性ポリマー/易溶解性ポリマー=PBT/メタクリル酸メチル共重合PS、PTT/低分子量PLA、低融点PET/アクリル酸エステル共重合PS、PP/低分子量PLAなどである。
ところで、ペレットの集合体中にポリマー粉体が多いと、乾燥や紡糸配管中に滞留することにより異常な高重合度ポリマーが生成し、糸切れや糸斑を発生させる場合がある。PLAや共重合ポリオレフィンは耐熱性に劣るため、得られるペレットが脆い傾向があり、難溶解性ポリマー単独よりも粉体が発生しやすい。このため、ポリマーアロイペレットでは粉体の管理に充分な注意を払うことが好ましい。ポリマーアロイペレット全体の粉体量は1000ppm以下であれば、乾燥や紡糸配管中に滞留する粉体を減少できるため、糸切れや糸斑を抑制することができ、好ましい。
本発明のペレットの製造方法に特に制限はないが、例えば以下のような方法を採用することができる。すなわち、難溶解性ポリマーと易溶解性ポリマーを独立に計量、供給し、二軸押出混練機で溶融混練する際、混練部長がスクリュー有効長の20〜40%とする製造方法である。
ここで、混練するポリマーの供給方法が重要であり、難溶解性ポリマーと易溶解性ポリマーを別々に計量、供給することで経時的なブレンド比の変動を抑制できる。この時、ペレットとして別々に供給しても、溶融状態で別々に供給しても良い。また、2種のポリマーを押出混練機の根本に供給しても良いし、一方を押出混練機の途中から供給するサイドフィードとしても良い。さらに、混練条件にも注意を払うことが重要である。高混練とポリマー滞留時間の抑制を両立させるために、スクリューとしては同方向完全噛合型とすることが好ましい。さらに、スクリューは送り部(スクリュー)と混練部(ニーディングディスク部)から構成されているが、混練部長をスクリュー有効長の20〜40%とすることが重要である。混練部長を20%以上とすることで高混練とすることができ、また混練部長を40%以下とすることで、過度の剪断応力を避け、しかも滞留時間を短くすることができ、ポリマーの熱劣化を抑制することができる。加えて、混練を強化する場合は、押出混練機中でポリマーを逆方向に送るバックフロー機能のあるスクリューを設けることもできる。また、混練温度はポリマーアロイの熱劣化を抑制する観点から、高融点側のポリマーの融点から10℃〜50℃高温の範囲とすることが好ましい。さらに、ベント式として混練時の水分を減じることによってポリマーの加水分解を抑制し、末端基量や粉体量を抑制することができる。また、二軸押出混練機中のポリマーの滞留時間は10分以内とすることが、ゲル化やエステル交換反応抑制の観点から好ましい。
本発明のペレットから得られるナノファイバーは、衣料(シャツやブルゾン、パンツ、コート等)、衣料資材、インテリア製品(カーテン、カーペット、マット、壁紙、家具など)、車輌内装製品(マット、カーシート、天井材など)、生活資材(ワイピングクロス、化粧用品、健康用品、玩具など)などの生活用途や、環境・産業資材用途(建材、研磨布、フィルター、有害物質除去製品など)やIT部品用途(センサー部品、電池部品、ロボット部品など)や、メディカル用途(血液フィルター、体外循環カラム、スキャフォールド(scaffold)、絆創膏(wound dressing, bandage)、人工血管、薬剤徐放体など)に好適である。
なお、本発明のポリマーアロイペレットの利用方法はナノファイバー用のマスターペレットに限定されるわけではなく、そのまま紡糸して有用なポリマーアロイ繊維とすることも、またこれから易溶解性ポリマーを溶出しナノサイズの細孔を有する多孔繊維とすることももちろん可能である。
以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明する。なお、実施例中の測定方法は以下の方法を用いた。
A.ポリマーの溶融粘度
東洋精機製キャピログラフ1Bにより、ポリマーの溶融粘度を測定した。なお、サンプル投入から測定開始までのポリマーの貯留時間は10分とした。
B.ポリ乳酸の重量平均分子量
サンプルのクロロホルム溶液にテトラヒドロフランを混合し測定溶液とした。これをWaters社製ゲルパーミテーションクロマトグラフィー(GPC)Waters2690を用いて25℃で測定し、ポリスチレン換算で重量平均分子量を求めた。
C.融点
Perkin Elmaer DSC-7を用いて、2nd runでポリマーの融解を示すピークトップ温度をポリマーの融点とした。このときの昇温速度は16℃/分、サンプル量は10mgとした。
D.ポリマーのb*値
MINOLTA SPECTROPHOTOMETER CM−3700dで、光源をD65(色温度6504K)を用い、視野角10゜で測定した。
E.TEMによる断面観察
サンプルの超薄切片を切り出し、必要に応じ金属染色したものを、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した
TEM装置 : 日立社製H-7100FA型
F.ペレット全体中の粉体量
ペレット500gをJIS-Z8801による呼び寸法1.7mmの金網をはった篩い(直径30cm)の上に乗せ、上から0.1%のカチオン系界面活性剤を含む水をシャワー状(2リットル/分)にかけながら、振幅約7cm、60往復/分で1分間篩った。この操作を繰り返しペレット10kg分を篩った。ふるい落とされた粉体は水とともに岩城硝子社製1G1ガラスフィルターで濾過して集め、イオン交換水で洗った。これをガラスフィルターごと100℃で2時間乾燥、冷却した後秤量した。再度、イオン交換水で洗浄、乾燥、冷却を繰り返し重量変化が無くなったことを確認した後、この重量からあらかじめ秤量しておいたガラスフィルターの重量を引き、粉体重量を求めた。そしてこれをふるいにかけたペレット重量で徐することでペレット全体中の粉体量を計算した。
G.繊維の力学特性
室温(25℃)で、引っ張り速度=100%/分とし、JIS L1013に示される条件で荷重−伸長曲線を求めた。次に破断時の荷重値を初期の繊度で割り、それを強度とし、破断時の伸びを初期試料長で割り伸度として強伸度曲線を求めた。
H.繊維のウースター斑(U%)
ツェルベガーウスター株式会社製USTER TESTER 4を用いて給糸速度200m/分でノーマルモードで測定を行った。
I.繊維の熱収縮率
熱収縮率(%)=[(L0−L1)/L0)]×100(%)
L0:延伸糸をかせ取りし初荷重0.09cN/dtexで測定したかせの原長
L1:L0を測定したかせを実質的に荷重フリーの状態で沸騰水中で15分間処理し、風乾後初荷重0.09cN/dtex下でのかせ長
J.繊維中のブレンド比の経時変動
紡糸1時間毎にサンプリングした繊維の横断面TEM写真からブレンド比を重量換算で求め、24時間でのブレンド比の変動幅を計算した。
実施例1
溶融粘度100Pa・s(260℃、1216sec-1)、融点225℃のPBTとメタクリル酸メチルを20mol%共重合した溶融粘度50Pa・s(260℃、1216sec-1)共重合PS(co−PS1)を、PBTの含有率を80重量%、co−PS1の含有量を20重量%とし、混練温度を240℃として、二軸押出混練機(図1)を用い、下記条件で溶融混練し、b*値=3のポリマーアロイチップを得た。得られたポリマーアロイペレットの260℃、1216sec-1での溶融粘度は93Pa・sであった。また、ペレット中の粉体量はペレット重量ベースで500ppm以下であった。また、co−PS1はPBT中に直径10〜数百nmで分散し、直径が1μmを超えるものは無かった。なお、このPBTおよびco−PS1の240℃、1216sec-1での溶融粘度はそれぞれ150Pa・sおよび79Pa・sであった。
スクリュー型式 同方向完全噛合型 2条ネジ
スクリュー 直径37mm、有効長さ1670mm、L/D=45.1
混練部長さはスクリュー有効長さの28%
混練部はスクリュー有効長さの1/3より吐出側に位置させた。
途中3個所のバックフロー部有り
ポリマー供給 PBTとco−PS1を別々に計量し、別々に混練機に供給した
温度 240℃
ベント 2個所
これを図2の紡糸機を用いて溶融紡糸を行った。ここで、上記で得たペレットをマスターペレットとして25重量%用い、co−PS1を希釈成分として75重量%用い、紡糸機に接続された二軸押出混練機で希釈し、PBT含有率が20重量%のポリマーアロイ溶融体を得、これをスピンブロック5に導いた。この時、二軸押出混練機3としては先のマスターペレット作製時と同じスペックのものを用い、混練温度を250℃とした以外は混練条件も同一とした。そして、限界濾過径15μmの金属不織布でポリマーアロイ溶融体を濾過した後、紡糸温度260℃、紡糸速度1200m/分で溶融紡糸を行った。この時、口金としては、図3に示すように吐出孔上部に直径0.23mmの計量部14を備えた、吐出孔径16が2mm、吐出孔長15が3mmの紡糸口金を使用した。紡糸性は良好であり、24時間の連続紡糸で糸切れは1回であった。得られた未延伸糸を合糸してトウと成し、これを90℃の温水バス中で2.6倍延伸を行い機械捲縮を付与した後、繊維長51mmにカットし、カードで解繊した後クロスラップウェーバーでウェッブとした。次にニードルパンチを用い、300g/m2の繊維絡合不織布とした。さらにポリエーテル系ポリウレタンを主体とする13重量%のポリウレタン組成物(PU)と87重量%のN,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)からなる液を含浸させ、DMF40重量%水溶液中でPUを凝固後、水洗した。さらに、この不織布にトリクレン処理を行い、co−PS1を溶出することでPBTナノファイバーとPUからなる厚さ約1mmのナノファイバー構造体を得た。この1面をサンドペーパーでバフィング処理して厚さを0.8mmとした後、他面をエメリーバフ機で処理してナノファイバー集合体立毛面を形成し、さらに染色した後、仕上げを行いスエード調人工皮革を得た。この人工皮革は、従来の人工皮革に比べ柔らかできめ細かいだけでなく弾力性にも富む優れた風合いの物であった。
また、未延伸糸の繊維横断面TEM観察から、経時による島PBTのブレンド比の変動幅は19.3〜20.6重量%であり、充分小さいものであった。さらに、カットファイバーの横断面をTEMで観察したところ、co−PS1が海、PBTが島の海島構造を示し、島PBTの数平均による直径は50nm、直径100nmを超えるPBTはPBTの総面積に対し0.1%以下であり、PBTがナノサイズで均一分散化したポリマーアロイ繊維が得られた。また、これは単糸繊度3.9dtex、強度1.3cN/dtex、伸度25%であった。
また、カットファイバーとする前の糸をサンプリングし、トリクロロエチレンに浸漬する事により、海成分であるco−PS1の99%以上を溶出した。これによりナノファイバー集合体を得たが、ナノファイバーの直径ばらつきを解析した結果、ナノファイバーの数平均による直径は70nmと従来にない細さであり、また、直径150nmを超えるナノファイバーのナノファイバー全体に対する重量比率は0.1%以下とばらつきも非常に小さいものであった。
実施例2
溶融粘度180Pa・s(260℃、1216sec-1)、融点225℃のポリトリメチレンテレフタレート(PTT)と重量平均分子量12万、溶融粘度47Pa・s(240℃、1216sec-1)、融点170℃のポリL乳酸(光学純度99.5%以上)を混練温度を240℃として実施例1と同様に溶融混練し、b*値=3のポリマーアロイチップを得た。得られたポリマーアロイペレットの260℃、1216sec-1での溶融粘度は150Pa・sであった。また、ペレット中の粉体量はペレット重量ベースで500ppm以下であった。また、PLAはPTT中に直径10〜数百nmで分散し、直径が1μmを超えるものは無かった。
ここで得られたポリマーアロイペレットをマスターペレットとして25重量%用い、希釈成分を該PLAとして75重量%用い、混練温度250℃、紡糸温度250℃、紡糸速度1200m/分で実施例1と同様に溶融紡糸を行った。紡糸性は良好であり、24時間の連続紡糸で糸切れは1回であった。そして、得られた未延伸糸を図4に示す延伸装置によって、延伸熱処理した。この時、第1ホットローラー19の温度を90℃、第2ホットローラー20の温度を130℃とした。第1ホットローラー19と第2ホットローラー20間の延伸倍率を3.5倍とした。得られたポリマーアロイ繊維は120dtex、36フィラメント、強度2.5cN/dtex、伸度45%、U%=1.7%、熱収縮率11%の優れた特性を示した。
また、未延伸糸の繊維横断面TEM観察から、経時による島PTTのブレンド比の変動幅は19.4〜20.6重量%であり、充分小さいものであった。また、この延伸糸の横断面をTEMで観察したところ、PLAが海、PTTが島の海島構造を示し、PTTの数平均による直径は50nm、直径100nmを超えるPTTはPTT総面積に対し0.1%以下であり、PTTがナノサイズで均一分散化したポリマーアロイ繊維が得られた。
このポリマーアロイ延伸糸と別途準備した熱収縮率18%の高収縮PET繊維(33dtex、6フィラメント)とエア混繊した。そしてこの混繊糸を経糸および緯糸に用いて平織りを作製した後、130℃の熱水で30分間処理し、PLAを加水分解した。その後、0.5%水酸化ナトリウム水溶液(70℃)で1時間処理することによりPLAを除去した。これは、高収縮PET繊維が大きく収縮することでPLA除去に伴う空隙を埋めた織物であり、さらにPTTナノファイバーが布帛表面に浮き出していた。この織物は従来にない粘着質のタッチであり、研磨布として好適であった。
なお、ナノファイバーの直径ばらつきを実施例1と同様に解析した結果、ナノファイバーの数平均による直径は70nmと従来にない細さであり、直径150nmを超えるナノファイバーのナノファイバー全体に対する重量比率は0.1%以下とばらつきも非常に小さいものであった。
実施例3
溶融粘度100Pa・s(270℃、1216sec-1)、融点235℃の共重合PET(PEG1000を8重量%、イソフタル酸を7mol%共重合、co−PET1)と溶融粘度42Pa・s(270℃、1216sec-1)の2−エチルヘキシルアクリレートを22%共重合したポリスチレン(co−PS2)を、co−PET1の含有率を80重量%、co−PS2の含有率を20重量%し、混練温度を250℃として実施例1と同様に溶融混練し、b*値=3のポリマーアロイチップを得た。得られたポリマーアロイペレットの溶融粘度は270℃、1216sec-1で92Pa・sであった。また、ペレット中の粉体量はペレット重量ベースで500ppm以下であった。また、co−PS2はco−PET1中に直径10〜数百nmで分散し、直径が1μmを超えるものは無かった。なお、このco−PET1およびco−PS2の250℃、1216sec-1での溶融粘度はそれぞれ150Pa・sおよび56Pa・sであった。
ここで得られたポリマーアロイペレットをマスターペレットとして25重量%用い、希釈成分をco−PS2として75重量%用い、これを混練温度250℃、紡糸温度260℃、紡糸速度1200m/分で実施例1と同様に溶融紡糸を行った。この時、口金として実施例1で用いたものと同様の紡糸口金を使用した。紡糸性は良好であり、24時間の連続紡糸で糸切れは1回であった。得られた未延伸糸を延伸温度100℃、延伸倍率2.49倍とし、熱セット装置としてホットローラーの代わりに実効長15cmの熱板を用い、熱セット温度115℃として実施例2と同様に延伸熱処理した。得られた延伸糸は166dtex、36フィラメントであり、強度1.2cN/dtex、伸度27%、U%=2.0%であった。
得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEMで観察したところ、co−PS2が海、co−PET1が島の海島構造を示し、経時によるco−PET1のブレンド比の変動幅は19.2〜20.4重量%であり、充分小さいものであった。また、co−PET1の数平均による直径は50nm、直径100nmを超えるco−PET1はco−PET1総面積に対し0.1%以下であり、co−PET1がナノサイズで均一分散化したポリマーアロイ繊維が得られた。
ここで得られたポリマーアロイ繊維を丸編み後、テトラヒドロフラン(THF)に浸漬する事により、海成分であるco−PS2の99%以上を溶出した。これによりナノファイバー集合体を得たが、ナノファイバーの単糸繊度ばらつきを実施例1と同様に解析した結果、ナノファイバーの数平均による単糸直径は71nmと従来にない細さであり、直径150nmを超えるナノファイバーのナノファイバー全体に対する重量比率は0.1%以下とばらつきも非常に小さいものであった。
さらに、このポリマーアロイ繊維を合糸して10万dtexのトウとした後、繊維長2mmに細かくカットした。そしてこれをTHF処理し、co−PS2を溶出することによりナノファイバー化した。このナノファイバー分散THF液をアルコール、続いて水に溶媒置換した後、叩解、抄紙を行い、不織布を得た。ここで得られた不織布はナノファイバーが単繊維レベルまで分散した物であった。これは血液フィルターなどのメディカル製品に最適な物であった。
実施例4
溶融粘度58Pa・s(205℃、1216sec-1)、融点162℃のPPと実施例2で用いたPLAを混練温度を205℃として実施例1と同様に溶融混練し、b*値=1のポリマーアロイペレットを得た。得られたポリマーアロイペレットの205℃、1216sec-1での溶融粘度は70Pa・sであった。このペレットの粉体量は500ppm以下であった。また、PLAはPP中に直径10〜数百nmで分散し、直径が1μmを超えるものは無かった。なお、PLAの205℃、1216sec-1での溶融粘度は110Pa・sであった。
ここで得られたポリマーアロイペレットをマスターペレットとして25重量%用い、希釈成分をPLAとして75重量%用い、これを溶融温度205℃、紡糸温度210℃、紡糸速度1200m/分で実施例1と同様に溶融紡糸を行った。紡糸性は良好であり、24時間の連続紡糸で糸切れは0回であった。経時によるPPのブレンド比の変動幅は19.2〜20.4重量%であり、充分小さいものであった。
そして、得られた未延伸糸を実施例2と同様に延伸熱処理した。この時、第1ホットローラー19の温度を90℃、第2ホットローラー20の温度を130℃とした。第1ホットローラー19と第2ホットローラー20間の延伸倍率を3.5倍とした。得られたポリマーアロイ繊維は120dtex、36フィラメント、強度1.5cN/dtex、伸度60%、U%=1.7%、熱収縮率15%の優れた特性を示した。
実施例5
PTTを90重量%、PLAを10重量%として実施例2と同様に溶融混練を行い、b*値=2のポリマーアロイチップを得た。得られたポリマーアロイペレットの260℃、1216sec-1での溶融粘度は165Pa・sであった。また、ペレット中の粉体量はペレット重量ベースで500ppm以下であった。
ここで得られたポリマーアロイペレットをマスターペレットとして20重量%用い、希釈成分をPLAとして80重量%用い、実施例2と同様に溶融紡糸を行ったが、紡糸性は良好であり、24時間の連続紡糸で糸切れは1回であった。経時によるPTTのブレンド比の変動幅は17.3〜18.4重量%であり、充分小さいものであった。
実施例6
PTTを55重量%、PLAを45重量%として実施例2と同様に溶融混練を行い、b*値=5のポリマーアロイチップを得た。得られたポリマーアロイペレットの260℃、1216sec-1での溶融粘度は120Pa・sであった。また、ペレット中の粉体量はペレット重量ベースで500ppm以下であった。
ここで得られたポリマーアロイペレットをマスターペレットとして50重量%用い、希釈成分をPLAとして50重量%用い、実施例2と同様に溶融紡糸を行ったが、紡糸性は良好であり、24時間の連続紡糸で糸切れは2回であった。また、経時によるPTTのブレンド比の変動幅は26.6〜28.3重量%であり、充分小さいものであった。
また、このポリマーアロイペレットを希釈することなく、上記と同様に溶融紡糸を行ったが、紡糸性は良好であり、24時間の連続紡糸で糸切れは2回であった。さらに実施例2と同様に延伸熱処理を行い、延伸糸を得、これの丸編みを作製した。これに180℃でアイロンをかけたが、PLA単独糸からなる丸編みとは異なり穴が空くことはなく、良好な耐熱性を示した。また、アイロンがけ後に風合いが粗硬化する事はなかった。
実施例7
溶融粘度が83Pa・s(255℃、1216sec-1)の三井石化社製PMP“TPX”RT−18を80重量%と溶融粘度が80Pa・s(255℃、1216sec-1)のメタクリル酸メチルが10mol%共重合されたPS(co−PS3)を混練温度を245℃として実施例1と同様に溶融混練し、b*値=6のポリマーアロイチップを得た。得られたポリマーアロイペレットの255℃、1216sec-1での溶融粘度は80Pa・sであった。また、ペレット中の粉体量はペレット重量ベースで1500ppm以上であった。
ここで得られたポリマーアロイペレットをマスターペレットとして20重量%用い、希釈成分をco−PS3として80重量%用い、溶融温度を250℃、紡糸温度を250℃として実施例1と同様に溶融紡糸を行ったところ、24時間の連続紡糸で糸切れは3回と、実施例1よりやや紡糸性が低下した。また、経時によるPMPのブレンド比の変動幅は15.5〜16.3重量%であり、充分小さいものであった。
実施例8
実施例2で用いたPTTを55重量%と重量平均分子量14万、溶融粘度60Pa・s(240℃、2432sec-1)、融点170℃のポリL乳酸(光学純度99.5%以上)を45重量%、混練温度を245℃として実施例2と同様に溶融混練を行い、b*値=9のポリマーアロイチップを得た。また、ペレット中の粉体量はペレット重量ベースで1000ppm以下であった。
ここで得られたポリマーアロイペレットをマスターペレットとして50重量%用い、希釈成分を重量平均分子量14万のPLAとして50重量%用い、紡糸温度を240℃として実施例2と同様に溶融紡糸を行ったが、24時間の連続紡糸で糸切れは4回と、実施例2よりやや紡糸性が低下した。また、経時によるPTTのブレンド比の変動幅は26.9〜28.3重量%であり、充分小さいものであった。
比較例1
PTTをイソフタル酸を5mol%共重合した融点245℃の共重合PET(co−PET2)に代えて、溶融混練温度を270℃として実施例2と同様に溶融混練を行い、b*値=14のポリマーアロイチップを得た。また、ペレット中の粉体量はペレット重量ベースで1000ppm以下であった。
ここで得られたポリマーアロイペレットをマスターペレットとして25重量%用い、希釈成分をPLAとして75重量%用い、紡糸温度を275℃として実施例2と同様に溶融紡糸を行ったが、紡糸性は劣悪であり、バラスが大きく、また糸が五月雨状となり繋がらず、巻き取り不能であった。
比較例2
co−PS1の代わりにホモPSであるA&Mスチレン社製“スタイロン679”を用いて実施例1と同様に溶融混練を行い、b*値=2のポリマーアロイチップを得た。また、ペレット中の粉体量はペレット重量ベースで1000ppm以下であった。
ここで得られたポリマーアロイペレットをマスターペレットとして25重量%用い、希釈成分を“スタイロン679”として75重量%用い、実施例1と同様に溶融紡糸を行ったが、ポリマー同士の相溶性が悪いため紡糸性は劣悪であり、バラスが大きく、また糸が五月雨状となり繋がらず、巻き取り不能であった。
比較例3
三井住友ポリオレフィン社製低密度ポリエチレン“ミラソン”68P(MFR=23、融点105℃)80重量%とホモPSであるA&Mスチレン社製ポリスチレン“スタイロン685”(MFR=4、ビカット軟化点=105℃)20重量%を混練温度を200℃として実施例1と同様に溶融混練し、b*値=1のポリマーアロイペレットを得た。
ここで得られたポリマーアロイペレットをマスターペレットとして25重量%用い、希釈成分を“スタイロン685”として75重量%用い、溶融温度200℃、紡糸温度200℃、紡糸速度1200m/分として実施例1と同様に溶融紡糸を行ったが、紡糸性は劣悪であり、バラスが大きく、また糸が五月雨状となり繋がらず、巻き取り不能であった。
比較例4
実施例1で使用したPBTとco−PS1をそれぞれ20重量%、80重量%となるようチップブレンドし、図5の紡糸機のホッパー1に仕込み、実施例1と同様に溶融紡糸を行った。しかし、ブレンド斑に起因して口金からのポリマーの吐出が不安定となり、24時間の連続紡糸で糸切れが18回と紡糸性は劣悪であった。また、わずかに巻き取った繊維中での、経時によるPBTブレンド比の変動幅は14〜26重量%とかなり大きくなった。
比較例5
実施例2で使用したPTTとPLAをそれぞれ20重量%、80重量%となるようチップブレンドし、図5の紡糸機のホッパー1に仕込み、実施例2と同様に溶融紡糸を行った。しかし、ブレンド斑に起因して口金からのポリマーの吐出が不安定となり、24時間の連続紡糸で糸切れが22回と紡糸性は劣悪であった。また、わずかに巻き取った繊維中での、経時によるPTTブレンド比の変動幅は14〜26重量%とかなり大きくなった。
Figure 2005200593
二軸押出混練機を示す図である。 紡糸装置を示す図である。 口金を示す図である。 延伸装置を示す図である。 紡糸装置を示す図である。
符号の説明
1:ホッパー
2:計量装置
3:二軸押出混練機
4:スクリュー
5:スピンブロック
6:紡糸パック
7:口金
8:チムニー
9:糸条
10:集束給油ガイド
11:第1引き取りローラー
12:第2引き取りローラー
13:巻き取り糸
14:計量部
15:吐出孔長
16:吐出孔径
17:未延伸糸
18:フィードローラー
19:第1ホットローラー
20:第2ホットローラー
21:第3ローラー
22:延伸糸

Claims (6)

  1. ポリエステルまたは結晶性ポリオレフィンを50〜90重量%とポリ乳酸または親水基が10〜30mol%共重合されたポリオレフィンからなるポリマーアロイであり、その色調の指標であるb*値が−1〜10であることを特徴とするペレット。
  2. ポリエステルの融点が160〜240℃である請求項1記載のペレット。
  3. ポリエステルがポリトリメチレンテレフタレートあるいはポリブチレンテレフタレートである請求項1または2記載のペレット。
  4. ポリ乳酸の重量平均分子量が7万〜13万である請求項1〜3のうちいずれか1項記載のペレット。
  5. 親水基がアクリル酸またはその誘導体である請求項1〜4のうちいずれか1項記載のペレット。
  6. 結晶性ポリオレフィンがポリプロピレンである請求項1、4、5のうちいずれか1項記載のペレット。
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