JP2007224290A - 熱可塑性樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物およびその成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリ乳酸樹脂の欠点であった機械特性、耐加水分解性や耐熱性を大幅に向上した芳香族ポリエステル樹脂とポリ乳酸樹脂からなる熱可塑性樹脂組成物および成形品を提供する。
【解決手段】 芳香族ポリエステル樹脂(a)15〜50重量%およびポリ乳酸樹脂(b)50〜85重量%を配合してなる熱可塑性樹脂組成物であり、かつ電子顕微鏡で観察される樹脂相分離構造において芳香族ポリエステル樹脂(a)が連続相、ポリ乳酸樹脂(b)が分散相または連続相となる相構造を形成することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、芳香族ポリエステル樹脂とポリ乳酸樹脂からなる熱可塑性樹脂組成物の樹脂相分離構造を制御することで特性の相構造を形成させることによって得られる特異的な機械特性、耐熱性を有する熱可塑性樹脂組成物およびそれを加工することによって得られる成形品に関するものである。
従来のポリマーはほとんど石油資源を原料としているが、石油資源が将来的に枯渇するのではないかということ、また石油資源を大量消費することにより、地質時代より地中に蓄えられていた二酸化炭素が大気中に放出され、さらに地球温暖化が深刻化することが懸念されている。しかし、二酸化炭素を大気中から取り込み成長する植物資源を原料としてポリマーが合成できれば、二酸化炭素循環により地球温暖化を抑制できることが期待できるのみならず、資源枯渇の問題も同時に解決できる可能性がある。このため、植物資源を原料とするポリマー、すなわちバイオマス利用ポリマーに注目が集まっている。
上記の点から、バイオマス利用ポリマーは大きな注目を集め、石油資源を原料とする従来のポリマーを代替していくことが期待されている。しかしながら、バイオマス利用ポリマーは一般に機械特性、耐熱性が低く、また高コストとなるといった課題あった。これらを解決できるバイオマス利用ポリマーとして、現在、最も注目されているのは脂肪族ポリエステルの一種であるポリ乳酸である。ポリ乳酸は植物から抽出したでんぷんを発酵することにより得られる乳酸を原料としたポリマーであり、バイオマス利用ポリマーの中では機械特性、耐熱性、コストのバランスが優れている。そして、これを利用した樹脂製品、繊維、フィルム、シート等の開発が急ピッチで行われている。
しかし、このように最も有望なポリ乳酸でさえ、従来の石油資源を原料とするポリマーに比べるといくつかの欠点を有している。このうち大きなものとして、機械特性や耐熱性が低いことが挙げられる。このため、ポリ乳酸と汎用の樹脂材料をブレンドし、上記欠点を補う検討が行われている。特許文献1では石油資源由来のポリエステルとポリ乳酸とのポリマーアロイについて開示されているがポリ乳酸含有量は少量であり環境低負荷性の観点において十分とは言えない。また特許文献2〜4においてポリ乳酸にポリブチレンテレフタレートやポリアミドなどを分散し、機械特性、耐熱性を改良した樹脂組成物について開示されているが、いずれも多量成分であるポリ乳酸が連続相を形成するため機械特性、耐熱性について十分とは言えず、更なる向上が求められている。
特開2005−200593号公報(特許請求の範囲) 特開2005−42045号公報(特許請求の範囲) 特開2003−238775号公報(特許請求の範囲) 特開2004−51835号公報(特許請求の範囲)
本発明は、芳香族ポリエステル樹脂とポリ乳酸樹脂からなる熱可塑性樹脂組成物の樹脂相分離構造を制御することで特性の相構造を形成させることによってポリ乳酸樹脂の欠点であった機械特性、耐加水分解性や耐熱性を大幅に向上することを課題とするものである。
そこで本発明者らは上記の課題を解決すべく検討した結果、芳香族ポリエステル樹脂、ポリ乳酸樹脂を特定量配合して得られる熱可塑性樹脂組成物において、電子顕微鏡で観察される樹脂相分離構造において芳香族ポリエステル樹脂が連続した相を形成するよう分散構造を制御することにより上記課題が解決されることを見出し本発明に到達した。
すなわち本発明は、
(1)(a)と(b)の合計を100重量%として、芳香族ポリエステル樹脂(a)15〜50重量%およびポリ乳酸樹脂(b)50〜85重量%を配合してなる熱可塑性樹脂組成物であり、かつ、電子顕微鏡で観察される樹脂相分離構造において芳香族ポリエステル樹脂(a)が連続相、ポリ乳酸樹脂(b)が分散相となる相構造を形成することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物、
(2)芳香族ポリエステル樹脂(a)25〜45重量%およびポリ乳酸樹脂(b)55〜75重量%を配合してなる(1)記載の熱可塑性樹脂組成物、
(3)前記(a)と(b)の合計100重量部に対して、触媒失活剤(c)を0.001〜2重量部添加することを特徴とする(1)または(2)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
(4)前記(a)と(b)の合計100重量部に対して、相溶化剤(d)を0.01〜10重量部添加することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物、
(5)相溶化剤(d)がカルボジイミド化合物、多官能エポキシ化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(4)記載の熱可塑性樹脂組成物、
(6)前記(a)と(b)の合計100重量部に対して、可塑剤(g)を0.01〜30重量部添加することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
(7)可塑剤(g)がポリアルキレングリコール系可塑剤であることを特徴とする(6)記載の熱可塑性樹脂組成物。
(8)前記芳香族ポリエステル樹脂(a)の主成分がポリブチレンテレフタレート樹脂であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物、
(9)前記熱可塑性樹脂組成物を構成する樹脂の溶融混合物に、樹脂温度を260℃以下に制御しつつ0.15kWh/kg以上の混練エネルギーを付与することにより製造せしめることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法、
(10)(1)〜(8)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を加工して得られる成形品、および
(11)射出成形、射出圧縮成形、圧縮成形の内から選ばれる方法によって得られる(10)に記載の成形品
を提供するものである。
本発明によれば、ポリ乳酸樹脂の欠点であった機械特性、耐加水分解性や耐熱性が大幅に向上した芳香族ポリエステル樹脂とポリ乳酸樹脂からなる熱可塑性樹脂組成物を得られる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明において「重量」とは「質量」を意味する。
本発明で用いられる芳香族ポリエステル樹脂(a)とは、主鎖中にエステル結合を有する重合体であり、かつ芳香環を重合体の連鎖単位に有する熱可塑性のポリエステルである。具体的には通常、芳香族ジカルボン酸(あるいはそのエステル形成性誘導体)とジオール(あるいはそのエステル形成性誘導体)および/またはヒドロキシカルボン酸とを主成分とし、縮合反応により得られる重合体ないしは共重合体が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸およびそのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの芳香族ジカルボン酸は2種以上併用することもできる。またアジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体を併用することもできる。
またジオールとしては炭素数2〜20の脂肪族ジオール、すなわちエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなど、およびそれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらのジオールは2種以上併用することもできる。
本発明において好ましく用いられるポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリへキシレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリブチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリエチレン−1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレートのほか、ポリエチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボキシレート、ポリ(エチレンテレフタレート/シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−4,4’−ジカルボキシレート/テレフタレートなどの非液晶性ポリエステルおよびこれらの混合物が挙げられる。本発明において、より好ましい芳香族ポリエステル樹脂は、150℃以上の融点を有する耐熱性や強度に優れた芳香族ポリエステル樹脂であり、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートを主成分とする芳香族ポリエステル樹脂が挙げられる。芳香族ポリエステルとしてポリブチレンテレフタレートを選択した場合には、機械特性、耐加水分解性や耐熱性の向上に加えて、成形加工性が著しく向上するため特に好ましい。これらのポリエステル樹脂は成形性、耐熱性、靱性、表面性などの必要特性に応じて、混合物として用いることも実用上好適である。
本発明で使用する芳香族ポリエステル樹脂(a)の製造方法は、特に制限がなく、従来公知の直接重合法またはエステル交換法によって製造される。
これらポリエステル樹脂の重合度には制限はないが、例えば0.5%のo−クロロフェノール溶液中、25℃で測定した固有粘度が、0.35〜3.00の範囲が好ましく、0.45〜2.50の範囲がより好ましく、0.50〜2.20の範囲が特に好ましい。
また、本発明で用いられる芳香族ポリエステル樹脂(a)は、m−クレゾール溶液をアルカリ溶液で電位差滴定して求めた、ポリマー1トン当りのカルボキシル末端基量が10〜60eq/tとであることが好ましく、より好ましくは15〜50eq/tである。カルボキシル末端基量が10eq/tより小さいと機械特性が低下する傾向にあり、また、60eq/tより多いと耐加水分解性が低下する傾向にあるため好ましくない。
また、一般にポリ乳酸樹脂の融点が170℃程度であるため、ブレンド温度をなるべく低温化することを考慮し、芳香族ポリエステル樹脂の融点は250℃以下であることがより好ましく、特に好ましくは230℃以下である。またポリ乳酸樹脂に芳香族ポリエステル樹脂をブレンドしたブレンドポリマー樹脂の成形性、成形体の寸法安定性を向上させるために、該ブレンドポリマー樹脂が結晶性であることが好ましい。このため、ブレンドする芳香族ポリエステル樹脂も結晶性であることが好ましい。なお示差走査熱量計(DSC)測定において融解ピークを観測できれば、そのポリマーは結晶性であると判断できる。
本発明でいうポリ乳酸樹脂(b)とは、L−乳酸及び/またはD−乳酸を主たる構成成分とするポリマーであるが、乳酸以外の他の共重合成分を含んでいてもよい。他の共重合成分としては、エチレングリコール、ブロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノールA、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールなどのグリコール化合物、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マロン酸、グルタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸などのジカルボン酸、グリコール酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸、およびカプロラクトン、バレロラクトン、プロピオラクトン、ウンデカラクトン、1,5−オキセパン−2−オンなどのラクトン類を挙げることができる。このような共重合成分としては、全単量体成分中通常30モル%以下の含有量とするのが好ましく、10モル%以下であることが好ましい。またポリ乳酸の性質を損なわない範囲でポリ乳酸以外のポリマーや粒子、難燃剤、帯電防止剤等の添加物を含有していても良い。
本発明においては、ポリ乳酸樹脂(b)として相溶性の点から、乳酸成分の光学純度が高いポリ乳酸を用いることが好ましい。すなわち、ポリ乳酸の総乳酸成分の内、L体が80%以上含まれるかあるいはD体が80%以上含まれることが好ましく、L体が90%以上含まれるかあるいはD体が90%以上含まれることが特に好ましく、L体が95%以上含まれるかあるいはD体が95%以上含まれることが更に好ましい。なお、本発明においてはL体またはD体を主成分とする光学純度の高いポリ乳酸を単独で使用することも、それらの混合物を使用することも好ましい態様である。
ポリ乳酸樹脂(b)の分子量や分子量分布については、実質的に成形加工が可能であれば特に制限されるものではないが、重量平均分子量としては、通常1万以上、好ましくは4万以上、さらに8万以上であることが望ましい。ここでいう重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリメチルメタクリレート(PMMA)換算の分子量をいう。
ポリ乳酸樹脂(b)の融点については、特に制限されるものではないが、120℃以上であることが好ましく、さらに150℃以上であることが好ましい。
ポリ乳酸樹脂(b)の製造方法としては、公知の重合方法を用いることができ、乳酸からの直接重合法、およびラクチドを介する開環重合法などを挙げることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物における芳香族ポリエステル樹脂(a)およびポリ乳酸樹脂(b)の配合割合は、(a)と(b)の合計を100重量%として、芳香族ポリエステル樹脂(a)15〜50重量%、ポリ乳酸樹脂(b)50〜85重量%であり、好ましくは芳香族ポリエステル樹脂25〜45重量%、ポリ乳酸樹脂55〜75重量%である。ポリ乳酸樹脂(b)が50重量%未満となると本発明の熱可塑性樹脂組成物の特徴であるバイオマス利用ポリマーを使用することによる環境低負荷性が乏しくなるため好ましくない。またポリ乳酸樹脂(b)が85重量%超になると本発明の熱可塑性樹脂組成物の特徴である芳香族ポリエステル樹脂が連続相を形成するような樹脂相分離構造を形成することが困難となり、機械特性、耐熱性の低下を来すので好ましくない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は芳香族ポリエステル樹脂(a)が連続相を形成する樹脂相分離構造を形成する。通常、2成分のポリマーブレンドの場合は、多量成分が連続相、少量成分が分散相となる樹脂相分離構造を形成するが、本発明の熱可塑性樹脂組成物では、(a)と(b)の合計を100重量%として、芳香族ポリエステル樹脂(a)15〜50重量%、ポリ乳酸樹脂(b)50〜85重量%の如く、芳香族ポリエステル樹脂(a)成分が少量成分であっても芳香族ポリエステル樹脂/ポリ乳酸樹脂の溶融粘度比を式(1)を満足するように適切に制御することによって芳香族ポリエステル樹脂が連続相をとる樹脂相分離構造を形成することができる。
Figure 2007224290
式(1)で示される(芳香族ポリエステル樹脂の体積分率/ポリ乳酸樹脂の体積分率)×(ポリ乳酸樹脂の溶融粘度/芳香族ポリエステル樹脂の溶融粘度)の値が1よりも大きければ、少量成分が連続相、多量成分が分散相となる樹脂相分離構造が安定して形成できるため好ましいが、1.5以上がより好ましい。また1<(芳香族ポリエステル樹脂の体積分率/ポリ乳酸樹脂の体積分率)×(ポリ乳酸樹脂の溶融粘度/芳香族ポリエステル樹脂の溶融粘度)<1.5の範囲の時は、溶融混練時および溶融成形時に芳香族ポリエステル樹脂またはポリ乳酸樹脂の溶融粘度が変化して式(1)を満たさなくなることを防ぐために触媒失活剤(c)を添加することが好ましい。
ポリ乳酸樹脂は脂肪族ポリエステル樹脂であるため、恒温高湿下における耐加水分解性が低いのに対して、芳香族ポリエステル樹脂は分子鎖への芳香環導入により、脂肪族ポリエステルよりも耐加水分解性に優れるという特徴がある。本発明の熱可塑性樹脂組成物は芳香族ポリエステル樹脂が連続相を形成するため、ポリ乳酸樹脂が連続相となる組成物よりも耐加水分解性の向上効果がある。
本発明に用いられる芳香族ポリエステル樹脂(a)およびポリ乳酸樹脂(b)には、微量ではあるが重合時に使用された重合触媒が残存している場合があり、その残存している重合触媒の作用により溶融混練時および溶融成形時に芳香族ポリエステル樹脂またはポリ乳酸樹脂の溶融粘度が変化することがある。そのため上記した式(1)を満足するような溶融粘度比を有する芳香族ポリエステル樹脂とポリ乳酸樹脂を選択して熱可塑性樹脂組成物を作製しても、溶融中に芳香族ポリエステル樹脂とポリ乳酸樹脂の溶融粘度比が変化して芳香族ポリエステル樹脂が連続相をとる樹脂相分離構造が形成できない場合がある。これを防ぐために本発明の熱可塑性樹脂組成物には触媒失活剤(c)を添加することが好ましい。触媒失活剤を添加することで芳香族ポリエステル樹脂/ポリ乳酸樹脂の溶融粘度比を安定して制御することができ、本発明の特徴である芳香族ポリエステル樹脂が連続相をとる樹脂相分離構造を安定して形成することができる。本発明でいう触媒失活剤としては、リン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、チオエーテル系化合物、ビタミン系化合物、トリアゾール系化合物、多価アミン系化合物、ヒドラジン誘導体系化合物などが挙げられ、これらを併用して用いてもよい。中でもリン系化合物を少なくとも1種含むことが好ましい。
ヒンダードフェノール系化合物の具体例としては、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、1,4−ブタンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、N,N’−ビス−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−テトラメチレン−ビス−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェノール)プロピオニルジアミン、N,N’−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニル]ヒドラジン、N−サリチロイル−N’−サリチリデンヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、N,N’−ビス[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]オキシアミド、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド等をあげることができる。好ましくは、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイドである。ヒンダードフェノール系化合物の具体的な商品名としては、旭電化工業社の“アデカスタブ”AO−20,AO−30,AO−40,AO−50,AO−60,AO−70,AO−80,AO−330、チバスペシャリティケミカル社製“イルガノックス”245,259,565,1010,1035,1076,1098,1222,1330,1425,1520,3114,5057、住友化学社の“スミライザー”BHT−R、MDP−S、BBM−S、WX−R、NW、BP−76、BP−101、GA−80、GM、GS、サイアナミド社の“サイアノックス”CY−1790などが挙げられる。
チオエーテル系化合物の具体例としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ドデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−オクタデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ミリスチルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ステアリルチオプロピオネート)などが挙げられる。チオエーテル系化合物の具体的な商品名としては、旭電化工業社の“アデカスタブ”A0−23、AO−412S、AO−503A、チバスペシャリティケミカル社の“イルガノックス”PS802、住友化学社の“スミライザー”TPL−R、TPM、TPS、TP−D、吉富社のDSTP、DLTP、DLTOIB、DMTP、シプロ化成社の“シーノックス”412S、サイアミド社の“サイアノックス”1212などが挙げられる。
ビタミン系化合物の具体例としては、酢酸d−α−トコフェロール、コハク酸d−α−トコフェロール、d−α−トコフェロール、d−β−トコフェロール、d−γ−トコフェロール、d−δ−トコフェロール、d−α−トコトリエノール、d−β−トコフェトリエノール、d−γ−トコフェトリエノール、d−δ−トコフェトリエノールなどの天然品、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム、ニコチン酸dl−α−トコフェロールなどの合成品を挙げることができる。ビタミン系化合物の具体的な商品名としては、エイザイ社の“トコフェロール”、チバスペシャリティケミカル社の“イルガノックス”E201などが挙げられる。
トリアゾール系化合物の具体例としては、ベンゾトリアゾール、3−(N−サリシロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾールなどが挙げられる。
多価アミン系化合物の具体例としては、3,9−ビス[2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、エチレンジアミン−テトラアセチックアシッド、エチレンジアミン−テトラアセチックアシッドのアルカリ金属塩(Li,Na,K)塩、N,N’−ジサリシリデン−エチレンジアミン、N,N’−ジサリシリデン−1,2−プロピレンジアミン、N,N’’−ジサリシリデン−N’−メチル−ジプロピレントリアミン、3−サリシロイルアミノ−1,2,4−トリアゾールなどが挙げられる。
ヒドラジン誘導体系化合物の具体例としては、デカメチレンジカルボキシリックアシッド−ビス(N’−サリシロイルヒドラジド)、イソフタル酸ビス(2−フェノキシプロピオニルヒドラジド)、N−ホルミル−N’−サリシロイルヒドラジン、2,2−オキザミドビス−[エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイドロオキシフェニル)プロピオネート]、オギザリル−ビス−ベンジリデン−ヒドラジド、ニッケル−ビス(1−フェニル−3−メチル−4−デカノイル−5−ピラゾレート)、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、5−t−ブチル−2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N−ジエチル−N’,N’−ジフェニルオキサミド、N,N’−ジエチル−N,N’−ジフェニルオキサミド、オキサリックアシッド−ビス(ベンジリデンヒドラジド)、チオジプロピオニックアシッド−ビス(ベンジリデンヒドラジド)、ビス(サリシロイルヒドラジン)、N−サリシリデン−N’−サリシロイルヒドラゾン、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、N,N’−ビス[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]オキサミドなどが挙げられる。
リン系化合物としては、例えば、ホスファイト系化合物、ホスフェート系化合物が挙げられる。かかるホスファイト系化合物の具体例としては、テトラキス[2−t−ブチル−4−チオ(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]−1,6−ヘキサメチレン−ビス(N−ヒドロキシエチル−N−メチルセミカルバジド)−ジホスファイト、テトラキス[2−t−ブチル−4−チオ(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]−1,10−デカメチレン−ジ−カルボキシリックアシッド−ジ−ヒドロキシエチルカルボニルヒドラジド−ジホスファイト、テトラキス[2−t−ブチル−4−チオ(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]−1,10−デカメチレン−ジ−カルボキシリックアシッド−ジ−サリシロイルヒドラジド−ジホスファイト、テトラキス[2−t−ブチル−4−チオ(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]−ジ(ヒドロキシエチルカルボニル)ヒドラジド−ジホスァイト、テトラキス[2−t−ブチル−4−チオ(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]−N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド−ジホスファイトなどが挙げられるが、少なくとも1つのP−O結合が芳香族基に結合しているものがより好ましく、具体例としては、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンホスフォナイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデシルホスファイト−5−t−ブチル−フェニル)ブタン、トリス(ミックスドモノおよびジ−ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、4,4’−イソプロピリデンビス(フェニル−ジアルキルホスファイト)などが挙げられ、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンホスホナイトなどが好ましく使用できる。ホスファイト系化合物の具体的な商品名としては、旭電化工業社の“アデカスタブ”PEP−4C,PEP−8,PEP−11C,PEP−24G,PEP−36、HP−10、2112、260、522A、329A、1178、1500、C、135A、3010、TPP、チバスペシャリティケミカル社の“イルガフォス”168、住友化学社の“スミライザー”P−16、クラリアント社の“サンドスタブ” P−EPQ、GE社の“ウエストン”618、619G、624などが挙げられる。
ホスフェート系化合物の具体例としては、モノステアリルアシッドホスフェート、ジステアリルアシッドホスフェート、メチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、オクチルアシッドホスフェート、イソデシルアシッドホスフェートなどが挙げられ、中でも、モノステアリルアシッドホスフェート、ジステアリルアシッドホスフェートが好ましい。ホスフェート系化合物の具体的な商品名としては、チバスペシャリティケミカル社の“イルガノックス”MD1024、イーストマン・コダック社の“インヒビター”OABH、旭電化工業社の“アデカスタブ”CDA−1、CDA−6、AX−71、三井東圧ファイン社の“Qunox”、ユニロイアル社の“ナウガード”XL−1などを挙げることができる。
触媒失活剤(c)の配合割合は前記(a)と(b)の合計100重量部に対して、0.001〜2重量部が好ましく、更に好ましくは0.01〜1重量部である。0.001重量部未満の添加量においては十分な触媒失活効果が得られず、2重量部を超える場合は熱可塑性樹脂組成物の機械特性が低下するため好ましくない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には熱可塑性樹脂同士の相溶性を向上させる目的で相溶化剤(d)を添加することができる。相溶化剤を添加することで本発明の樹脂相分離構造を安定して形成することができるため好ましい。ここで、相溶化剤とは、低分子化合物であっても、高分子化合物であるポリマーであってもいずれでもよいが、中でも好ましい例として、カルボキシル基反応性化合物、カルボキシル基、エポキシ基もしくは酸無水物基などを有するポリマーなどを挙げることができる。
本発明において、カルボキシル基反応性化合物としては、ポリ乳酸樹脂のカルボキシル末端基と反応性のある化合物であれば特に限定されるものではないが、ポリ乳酸樹脂の熱分解や加水分解などで生成する酸性低分子化合物のカルボキシル基とも反応性を有するものであればより好ましく、熱分解により生成する酸性低分子化合物のヒドロキシル基末端基とも反応性を有する化合物であることがさらに好ましい。
このようなカルボキシル基反応性化合物としては、ビスフェノールA、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロカテコール、ビスフェノールF、サリゲニン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、ビスフェノールS、トリヒドロキシ−ジフェニルジメチルメタン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,5−ジヒドロキシナフタレン、カシューフェノール、2,2,5,5−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン等のビスフェノール−グリシジルエーテル系エポキシ化合物、フタル酸グリシジルエステル等のグリシジルエステル系エポキシ化合物、N−グリシジルアニリン等のグリシジルアミン系エポキシ化合物、グリシジルイミド化合物、脂環式エポキシ化合物、2つ以上のエポキシ基を含有する多官能エポキシ化合物、2,2’−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)などのオキサゾリン化合物、オキサジン化合物、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、2,6,2’,6’−テトライソプロピルジフェニルカルボジイミド、ポリカルボジイミドなどのカルボジイミド化合物、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、水酸基、メルカプト基、ウレイド基の中から選ばれた少なくとも1種の官能基を有するアルコキシシランなどの有機シラン化合物などから選ばれる少なくとも一種の化合物を使用することが好ましく、なかでも多官能エポキシ化合物、エポキシ基、イソシアネート基を有する有機シラン化合物、カルボジイミド化合物が好ましく、特に好ましくは多官能エポキシ化合物、カルボジイミド化合物である。上記カルボキシル基反応性化合物は、一種または二種以上の化合物を任意に選択して使用することができる。
本発明において、カルボキシル基、エポキシ基もしくは酸無水物基などを有するポリマーとしては、エチレン/(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸エチル−g−無水マレイン酸共重合体、(「g」はグラフトを表わす、以下同じ)、エチレン/(メタ)アクリル酸グリシジル−g−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸エチル/無水マレイン酸共重合体−g−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、二重結合を有する高分子の二重結合部をエポキシ化したエポキシ基含有高分子化合物、ノボラック型フェノール樹脂にエピクロルヒドリンを反応させたノボラック型エポキシ樹脂などを挙げることができる。
相溶化剤(d)の配合割合は前記(a)と(b)の合計100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、更に好ましくは0.1〜5重量部である。0.01重量部未満の添加量においては十分な相溶性向上効果が得られず、10重量部を超える場合は熱可塑性樹脂組成物の溶融粘度が著しく増加し流動性が低下するため好ましくない。
本発明においては、さらに相溶化剤(d)の反応促進剤を添加することが好ましい。ここで言う反応促進剤とは、相溶化剤と、樹脂の末端や酸性低分子化合物のカルボキシル基もしくはヒドロキシル基との反応を促進する効果のある化合物であり、少量の添加で反応を促進する効果のある化合物が好ましく、例えば、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、リン酸エステルが好ましい。反応促進剤の添加量は、特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂組成物100重量部に対し、0.001〜1重量部が好ましく、0.01〜0.2重量部がより好ましく、0.02〜0.1重量部が最も好ましい。
本発明の方法により得られる熱可塑性樹脂組成物には、機械的強度向上を目的に本発明の効果を損なわない範囲で充填材(e)を配合して使用することも可能である。かかる充填材(e)の具体例としてはガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、炭酸カルシウムウィスカ、ワラステナイトウィスカ、硼酸アルミウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維、綿繊維、麻繊維、竹繊維、木材繊維、ケナフ繊維、ジュート繊維、バナナ繊維、ココナッツ繊維、絹、羊毛、アンゴラ、カシミヤもしくはラクダなどの動物繊維などの繊維状充填材、あるいはタルク、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、マイカ、カオリン、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、アルミナシリケートなどの珪酸塩、モンモリロナイト、合成雲母などの膨潤性の層状珪酸塩、酸化珪素、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラス粉、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素、カーボンブラックおよびシリカ、黒鉛、紙粉、木粉、竹粉、セルロース粉末、籾殻粉末、果実殻粉末、キチン粉末、キトサン粉末、タンパク質、澱粉、籾殻、木材チップ、おから、古紙粉砕材、衣料粉砕材などの非繊維状充填材が用いられ、これらは中空であってもよく、さらにはこれら充填剤を2種類以上併用することも可能である。また、これらの充填材をイソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物およびエポキシ化合物などのカップリング剤で予備処理して使用してもよい。上記充填材中、ガラス繊維および導電性が必要な場合にはPAN系の炭素繊維が好ましく使用される。ガラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものなら特に限定はなく、例えば長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファイバーなどから選択して用いることができる。また、上記の充填材は2種以上を併用して使用することもできる。なお、本発明に使用する上記の充填材はその表面を公知のカップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤など)、その他の表面処理剤および膨潤性の層状珪酸塩では有機化オニウムイオンで予備処理することは、より優れた機械的強度を得る意味において好ましい。また、ガラス繊維はエチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被膜あるいは集束されていてもよい。
上記の充填材(e)の配合量は、本発明の熱可塑性樹脂組成物100重量部に対し、0.5〜100重量部であることが好ましい。より好ましくは5〜80重量部である。配合量が0.5重量部に満たないと補強効果が小さいため好ましくなく、一方配合量が100重量部を越えると成形加工時の流動性が損なわれるので好ましくない。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、熱安定性を保持させるために酸化防止剤を含有せしめることが好ましい。かかる耐熱剤および酸化防止剤としては、フェノール系、リン系化合物の中から選ばれた1種以上の酸化防止剤を含有せしめることが好ましく用いられる。かかる酸化防止剤の配合量は、耐熱改良効果の点から熱可塑性樹脂組成物の合計100重量部に対して、0.01重量部以上、特に0.02重量部以上であることが好ましく、成形時に発生するガス成分の観点からは、5重量部以下、特に1重量部以下であることが好ましい。また、フェノール系及びリン系酸化防止剤を併用して使用することは、特に耐熱性、熱安定性、流動性保持効果が大きく好ましい。
さらに、本発明の熱可塑性樹脂組成物には本発明の効果を損なわない範囲において、芳香族ポリエステル樹脂、ポリ乳酸樹脂以外の樹脂(f)を添加することが可能である。樹脂の具体例としては、ポリアミド系樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアレキレンオキサイド系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、ポリケトン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリチオエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、四フッ化ポリエチレン系樹脂、および多層構造を有する多層構造重合体などが挙げられ、その配合割合は、本発明の熱可塑性樹脂組成物全体100重量部に対して30重量部を超えると熱可塑性樹脂組成物本来の特徴が損なわれるため好ましくなく、特に20重量部以下の添加が好ましく使用される。中でもオレフィン系樹脂、多層構造重合体は耐衝撃性、靱性の改良のため好ましく使用される。
オレフィン系樹脂としてはオレフィン系重合弾性体および/または不飽和カルボン酸および/またはその誘導体やビニル単量体をグラフト反応あるいは共重合して得られるオレフィン系重合弾性体および/または共役ジエン−芳香族ビニル炭化水素ブロック共重合体の共役ジエンブロック部の一部または全部が水素添加された水素添加ブロック共重合弾性体が好ましく、グラフト反応あるいは共重合されている不飽和カルボン酸および/またはその誘導体やビニル単量体の量は0.01〜20重量%が好ましい。グラフト反応あるいは共重合に用いる不飽和カルボン酸としては(メタ)アクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ブテンジカルボン酸、などが挙げられる。また、それらの誘導体としては、アルキルエステル、グリシジルエステル、ジ−またはトリ−アルコキシシリル基を有するエステル、酸無水物またはイミドなどが挙げられ、グリシジルエステル、ジ−またはトリ−アルコキシシリル基を有する不飽和カルボン酸エステル、酸無水物、イミドが好ましい。
不飽和カルボン酸またはその誘導体の好ましい例としては、マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸グリシジル、イタコン酸ジグリシジルエステル、シトラコン酸ジグリシジルエステル、ブテンジカルボン酸ジグリシジルエステル、ブテンジカルボン酸モノグリシジルエステル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸イミド、イタコン酸イミド、シトラコン酸イミドなどであり、特にメタクリル酸グリシジル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイン酸イミドが好ましく使用できる。また、ビニル単量体の例としてはスチレンなどの芳香族ビニル化合物、アクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、ビニルトリメトキシシランなどのビニルシラン化合物を挙げることができ、これらの不飽和カルボン酸またはその誘導体あるいはビニル単量体を2種以上併用してもよい。なお、これら不飽和カルボン酸またはその誘導体あるいはビニル単量体をグラフトさせる方法については公知の手法を用いることができる。これらは2種以上併用することも可能である。
具体例としては、エチレン/メタクリル酸共重合体およびこれら共重合体中のカルボン酸部分の一部または全てをナトリウム、リチウム、カリウム、亜鉛、カルシウムとの塩としたもの、エチレン/(メタ)アクリル酸エチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−マレイミド共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−N−フェニルマレイミド共重合体およびこれら共重合体の部分ケン化物、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン/ビニルアセテート/(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/グリシジルエーテル共重合体、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/2,5−ノルボルナジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン−g−N−フェニルマレイミド共重合体、エチレン/ブテン−1−g−N−フェニルマレイミド共重合体、水素化スチレン/ブタジエン/スチレン−g−無水マレイン酸共重合体、水素化スチレン/イソプレン/スチレン−g−無水マレイン酸共重合体などを挙げることができる。この中で、エチレン/メタクリル酸共重合体およびこれら共重合体中のカルボン酸部分の一部または全てをナトリウム、リチウム、カリウム、亜鉛、カルシウムとの塩としたもの、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイン酸共重合体、水素化スチレン/ブタジエン/スチレン−g−無水マレイン酸共重合体が好ましく、さらにエチレン/メタクリル酸共重合体およびこれら共重合体中のカルボン酸部分の一部または全てをナトリウム、リチウム、カリウム、亜鉛、カルシウムとの塩としたもの、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイン酸共重合体が好ましい。
多層構造重合体とは、最内層(コア層)とそれを覆う1以上の層(シェル層)から構成され、また、隣接し合った層が異種の重合体から構成される、いわゆるコアシェル型と呼ばれる構造を有する重合体であり、多層構造重合体を構成する層の数は、特に限定されるものではなく、2層以上であればよく、3層以上または4層以上であってもよい。内部に少なくとも1層以上のゴム層を有する多層構造重合体であることが好ましい。ゴム層の種類は、特に限定されるものではなく、ゴム弾性を有する重合体成分から構成されるものであればよい。例えば、アクリル成分、シリコーン成分、スチレン成分、ニトリル成分、共役ジエン成分、ウレタン成分またはエチレンプロピレン成分などを重合させたものから構成されるゴムが挙げられる。好ましいゴムとしては、例えば、アクリル酸エチル単位やアクリル酸ブチル単位などのアクリル成分、ジメチルシロキサン単位やフェニルメチルシロキサン単位などのシリコーン成分、スチレン単位やα−メチルスチレン単位などのスチレン成分、アクリロニトリル単位やメタクリロニトリル単位などのニトリル成分またはブタンジエン単位やイソプレン単位などの共役ジエン成分を重合させたものから構成されるゴムである。また、これらの成分を2種以上組み合わせて共重合させたものから構成されるゴムも好ましく、例えば、(1)アクリル酸エチル単位やアクリル酸ブチル単位などのアクリル成分およびジメチルシロキサン単位やフェニルメチルシロキサン単位などのシリコーン成分を共重合した成分から構成されるゴム、(2)アクリル酸エチル単位やアクリル酸ブチル単位などのアクリル成分およびスチレン単位やα−メチルスチレン単位などのスチレン成分を共重合した成分から構成されるゴム、(3)アクリル酸エチル単位やアクリル酸ブチル単位などのアクリル成分およびブタンジエン単位やイソプレン単位などの共役ジエン成分を共重合した成分から構成されるゴム、(4)アクリル酸エチル単位やアクリル酸ブチル単位などのアクリル成分およびジメチルシロキサン単位やフェニルメチルシロキサン単位などのシリコーン成分およびスチレン単位やα−メチルスチレン単位などのスチレン成分を共重合した成分から構成されるゴムなどが挙げられる。また、これらの成分の他に、ジビニルベンゼン単位、アリルアクリレート単位またはブチレングリコールジアクリレート単位などの架橋性成分を共重合し架橋させたゴムも好ましい。
多層構造重合体において、ゴム層以外の層の種類は、熱可塑性を有する重合体成分から構成されるものであれば特に限定されるものではないが、ゴム層よりもガラス転移温度が高い重合体成分が好ましい。熱可塑性を有する重合体としては、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位、グリシジル基含有ビニル系単位、不飽和ジカルボン酸無水物系単位、脂肪族ビニル系単位、芳香族ビニル系単位、シアン化ビニル系単位、マレイミド系単位、不飽和ジカルボン酸系単位またはその他のビニル系単位などから選ばれる少なくとも1種以上の単位を含有する重合体が挙げられ、中でも、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位、不飽和グリシジル基含有単位または不飽和ジカルボン酸無水物系単位から選ばれる少なくとも1種以上の単位を含有する重合体が好ましく、さらに不飽和グリシジル基含有単位または不飽和ジカルボン酸無水物系単位から選ばれる少なくとも1種以上の単位を含有する重合体がより好ましい。
不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位としては、特に限定されるものではないが、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく使用される。具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸クロロメチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチル、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸エチルアミノプロピル、メタクリル酸フェニルアミノエチルまたはメタクリル酸シクロヘキシルアミノエチルなどが挙げられ、耐衝撃性を向上する効果が大きいという観点から、(メタ)アクリル酸メチルが好ましく使用される。これらの単位は単独ないし2種以上を用いることができる。
グリシジル基含有ビニル系単位としては、特に限定されるものではなく、(メタ)アクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、イタコン酸ジグリシジル、アリルグリシジルエーテル、スチレン−4−グリシジルエーテルまたは4−グリシジルスチレンなどが挙げられ、耐衝撃性を向上する効果が大きいという観点から、(メタ)アクリル酸グリシジルが好ましく使用される。これらの単位は単独ないし2種以上を用いることができる。
不飽和ジカルボン酸無水物系単位としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸または無水アコニット酸などが挙げられ、耐衝撃性を向上する効果が大きいという観点から、無水マレイン酸が好ましく使用される。これらの単位は単独ないし2種以上を用いることができる。
また、脂肪族ビニル系単位としては、エチレン、プロピレンまたはブタジエンなど、芳香族ビニル系単位としては、スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、4−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレンまたはハロゲン化スチレンなど、シアン化ビニル系単位としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルまたはエタクリロニトリルなど、マレイミド系単位としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(p−ブロモフェニル)マレイミドまたはN−(クロロフェニル)マレイミドなど、不飽和ジカルボン酸系単位として、マレイン酸、マレイン酸モノエチルエステル、イタコン酸、フタル酸など、その他のビニル系単位としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、N−ビニルジエチルアミン、N−アセチルビニルアミン、アリルアミン、メタアリルアミン、N−メチルアリルアミン、p−アミノスチレン、2−イソプロペニル−オキサゾリン、2−ビニル−オキサゾリン、2−アクロイル−オキサゾリンまたは2−スチリル−オキサゾリンなどを挙げることができ、これらの単位は単独ないし2種以上を用いることができる。
多層構造重合体において、最外層の種類は、特に限定されるものではなく、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位、グリシジル基含有ビニル系単位、脂肪族ビニル系単位、芳香族ビニル系単位、シアン化ビニル系単位、マレイミド系単位、不飽和ジカルボン酸系単位、不飽和ジカルボン酸無水物系単位および/またはその他のビニル系単位などを含有する重合体が挙げられ、中でも、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位、不飽和グリシジル基含有単位および/または不飽和ジカルボン酸無水物系単位を含有する重合体が好ましく、さらに不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位を含有する重合体がより好ましい。不飽和カルボン酸アルキルエステル系単位としては、特に限定されるものではないが、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、さらに、(メタ)アクリル酸メチルがより好ましく使用される。
多層構造重合体の好ましい例としては、コア層がジメチルシロキサン/アクリル酸ブチル重合体で最外層がメタクリル酸メチル重合体、コア層がブタンジエン/スチレン重合体で最外層がメタクリル酸メチル重合体、コア層がアクリル酸ブチル重合体で最外層がメタクリル酸メチル重合体などが挙げられる。さらに、ゴム層または最外層のいずれか一つもしくは両方の層がメタクリル酸グリシジル単位を含有する重合体であることはより好ましい。
多層構造重合体の粒子径は、特に限定されるものではないが、0.01μm以上、1000μm以下であることが好ましく、さらに、0.02μm以上、100μm以下であることがより好ましく、特に0.05μm以上、10μm以下であることが最も好ましい。
多層構造重合体において、コアとシェルの重量比は、特に限定されるものではないが、多層構造重合体全体に対して、コア層が50重量部以上、90重量部以下であることが好ましく、さらに、60重量部以上、80重量部以下であることがより好ましい。
多層構造重合体としては、例えば、三菱レイヨン製”メタブレン”、鐘淵化学工業製”カネエース”、呉羽化学工業製”パラロイド”、ロームアンドハース製”アクリロイド”、武田薬品工業製”スタフィロイド”またはクラレ製”パラペットSA”などが挙げられ、これらは、単独ないし2種以上を用いることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には可塑剤(g)を添加することができる。可塑剤を添加することで、ポリマーを柔軟化して動きやすくし結晶の成長を促進する効果があり、機械特性、成形性や耐熱性が向上するため好ましい。本発明に用いられる可塑剤(g)としては、一般によく知られているものを使用することができ、例えばポリエステル系可塑剤、グリセリン系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、ポリアルキレングリコール系可塑剤およびエポキシ系可塑剤などを挙げることができる。
ポリエステル系可塑剤の具体例としては、アジピン酸、セバチン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸などの酸成分と、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのジオール成分からなるポリエステルや、ポリカプロラクトンなどのヒドロキシカルボン酸からなるポリエステルなどを挙げることができる。これらのポリエステルは単官能カルボン酸もしくは単官能アルコールで末端封鎖されていてもよく、またエポキシ化合物などで末端封鎖されていてもよい。
グリセリン系可塑剤の具体例としては、グリセリンモノアセトモノラウレート、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリンモノアセトモノステアレート、グリセリンジアセトモノオレートおよびグリセリンモノアセトモノモンタネートなどを挙げることができる。
多価カルボン酸系可塑剤の具体例としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジベンジル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸エステル、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリヘキシルなどのトリメリット酸エステル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸n−オクチル−n−デシルアジピン酸エステルなどのセバシン酸エステル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチルなどのクエン酸エステル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのアゼライン酸エステル、セバシン酸ジブチル、およびセバシン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのセバシン酸エステルなどを挙げることができる。
リン酸エステル系可塑剤の具体例としては、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリオクチル、リン酸トリフェニル、リン酸ジフェニル−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレシルなどのリン酸エステルや脂肪族や芳香族の縮合リン酸エステルを挙げることができる。
ポリアルキレングリコール系可塑剤の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド)ブロックおよび/又はランダム共重合体、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノール類のエチレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のプロピレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のテトラヒドロフラン付加重合体などのポリアルキレングリコールあるいはその末端エポキシ変性化合物、末端エステル変性化合物、および末端エーテル変性化合物などの末端封鎖化合物などを挙げることができる。
エポキシ系可塑剤とは、一般にはエポキシステアリン酸アルキルと大豆油とからなるエポキシトリグリセリドなどを指すが、その他にも、主にビスフェノールAとエピクロロヒドリンを原料とするような、いわゆるエポキシ樹脂も使用することができる。
その他の可塑剤の具体例としては、ネオペンチルグリコールジベンゾエート、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレートなどの脂肪族ポリオールの安息香酸エステル、ステアリン酸アミドなどの脂肪酸アミド、オレイン酸ブチルなどの脂肪族カルボン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチルなどのオキシ酸エステル、ペンタエリスリトール、各種ソルビトール、ポリアクリル酸エステル、ポリカルボン酸ビニルエステル、シリコーンオイル、およびパラフィン類などを挙げることができる。
本発明で使用する可塑剤の分子量は、100以上3万以下であることが好ましく、500以上2万以下であることがさらに好ましく、1000以上1万以下であることが特に好ましい。
また、上記の可塑剤にポリ乳酸をブロックまたはグラフト共重合したものも、可塑剤として有用に使用できる。
本発明で使用する可塑剤としては、上記に例示したもののなかでも、特にポリエステル系可塑剤およびポリアルキレングリコール系可塑剤から選択した少なくとも1種が好ましい。また、ポリ乳酸と脂肪族ポリエステル系可塑剤の共重合体またはポリ乳酸とポリアルキレングリコール系可塑剤の共重合体から選択された少なくとも1種も好ましく使用できる。本発明に使用する可塑剤は、1種のみでもよくまた2種以上の併用を行ってもよい。
また、可塑剤の配合量は、本発明の前記(a)と(b)の合計100重量部に対して、0.01〜30重量部の範囲が好ましく、0.1〜20重量部の範囲がより好ましく、0.5〜10重量部の範囲がさらに好ましく、1重量部〜5重量部の範囲が特に好ましい。
また本発明の熱可塑性樹脂組成物には、ポリマーの結晶核の形成を促進する結晶核剤添加することができる。
本発明で使用される結晶核剤としては、一般にポリマーの結晶核剤として用いられるものを特に制限なく用いることができ、無機系結晶核剤および有機系結晶核剤のいずれも使用することができる。無機系結晶核剤の具体例としては、タルク、カオリナイト、モンモリロナイト、合成マイカ、クレー、ゼオライト、シリカ、グラファイト、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、硫化カルシウム、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ネオジウムおよびフェニルホスホネートの金属塩などを挙げることができる。これらの無機系結晶核剤は、組成物中での分散性を高めるために、有機物で修飾されていることが好ましい。無機系結晶核剤の平均粒径は10μm以下が好ましく、5μm以下がさらに好ましく、3μm以下が特に好ましい。有機系結晶核剤の具体例としては、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸カルシウム、安息香酸マグネシウム、安息香酸バリウム、テレフタル酸リチウム、テレフタル酸ナトリウム、テレフタル酸カリウム、シュウ酸カルシウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸カルシウム、オクタコサン酸ナトリウム、オクタコサン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、トルイル酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム、サリチル酸亜鉛、アルミニウムジベンゾエート、カリウムジベンゾエート、リチウムジベンゾエート、ナトリウムβ−ナフタレート、ナトリウムシクロヘキサンカルボキシレートなどの有機カルボン酸金属塩、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、スルホイソフタル酸ナトリウムなどの有機スルホン酸塩、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、パルチミン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、トリメシン酸トリス(t−ブチルアミド)、テレフタル酸ジアニリドなどの有機カルボン酸アミド、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン、ポリ−3−メチルブテン−1、ポリビニルシクロアルカン、ポリビニルトリアルキルシラン、高融点ポリ乳酸などのポリマー、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸コポリマーのナトリウム塩、スチレン−無水マレイン酸コポリマーのナトリウム塩などのカルボキシル基を有する重合体のナトリウム塩またはカリウム塩(いわゆるアイオノマー)、ベンジリデンソルビトールおよびその誘導体、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェートなどのリン化合物金属塩、および2,2−メチルビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウムなどを挙げることができる。
本発明で使用する結晶核剤としては、上記に例示したもののなかでも、特にタルク、有機カルボン酸金属塩および有機カルボン酸アミドから選択された少なくとも1種が好ましい。好ましいタルクとしては、平均粒径0.5〜7μmであり、かつ燃焼時の損失分を除いた成分中のSiO2とMgOの割合が93重量%以上であるタルクを挙げることができる。本発明で使用する結晶核剤は、1種のみでもよくまた2種以上の併用を行ってもよい。
また、結晶核剤の配合量は、本発明の前記(a)と(b)の合計100重量部に対して、0.01〜30重量部の範囲が好ましく、0.05〜20重量部の範囲がより好ましく、0.1〜15重量部の範囲がさらに好ましい。
また、改質を目的として、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分、例えば耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤および滑剤(モンタン酸およびその金属塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミド、各種ビスアミド、ビス尿素およびポリエチレンワックス等)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラック等)、染料(ニグロシン等)、結晶核剤(タルク、シリカ、カオリン、クレー等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、難燃剤(例えば、赤燐、メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等)、他の重合体を添加することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造に用いる混練機は、単軸、2軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、及びミキシングロールなど通常公知の溶融混練機に供給して熱可塑性樹脂組成物の融点以上の加工温度で混練する方法などを代表例として挙げることができる。中でも押出機、特に2軸押出機が生産性の面で好ましい。また、溶融混練時に発生する水分や、低分子量の揮発成分を除去する目的で、ベント口を設けることも好んで用いられる。2軸押出機を用いて、本発明の熱可塑性樹脂組成物の樹脂相分離構造を上述の如くコントロールするためには、押出時の混練エネルギー(吐出量あたりの押出機仕事量(kW/(kg/h)))を大きくすることが必要である。好ましい混練エネルギーは、0.15以上0.65以下であり、特に好ましくは0.25以上である。これによって良好な溶融混練を行うことができ、目的とする樹脂相分離構造を形成することができる。しかしながら、通常、混練エネルギーを大きくするとせん断による発熱で樹脂温度が上昇し、溶融耐熱性の乏しいポリ乳酸樹脂の熱分解を引き起こし、芳香族ポリエステル樹脂との溶融粘度比が変化するため目的の相分離構造を形成することが困難となる。ここで言う樹脂温度とは、例えば押出機ダイより吐出された溶融樹脂を温度計により測定した温度を言う。そのため押出時の樹脂温度は芳香族ポリエステル樹脂とポリ乳酸樹脂のうち融点の高い方の樹脂の融点以上260℃以下にすることが好ましく、250℃以下にすることが更に好ましい。このように混練エネルギーと樹脂温度を制御することにより、目的の樹脂相分離構造を形成することが可能となる。
2軸押出機を用いた溶融混練において、シリンダー温度を低温とし、スクリュー回転数を高回転とする方法は高せん断を得ることができ、高混練エネルギーを達成することができるため好ましく用いられる。しかしながら、この場合において混練部のスクリューエレメントに従来のニーディングディスクを用いた場合には、せん断による発熱量が大きく、押出時の樹脂温度を上述のように制御することが困難であり好ましくない。これに対して、混練部のスクリューエレメントに低発熱混練エレメントを用いるとせん断による発熱を抑えることができ、押出時の樹脂温度260℃以下が達成できるため好ましい。ここで言う低発熱エレメントとは、従来のニーディングディスクでは平行に配列されているフライトチップ部を螺旋角度が0〜90度あるいは90〜180度の範囲内で傾斜したスクリューエレメント等が挙げられ、これらをスクリューの混練部に導入することにより従来のニーディングディスクに不足している樹脂の温度上昇抑制効果を得ることができる。また混練部に超臨界二酸化炭素、超臨界窒素を導入する方法もせん断による発熱を抑えることができるため好ましい。
2軸押出機のシリンダー温度は、2軸押出機に投入された樹脂を可塑化する可塑化部と可塑化された溶融樹脂を溶融混練する混練部に分けた場合、可塑化部を芳香族ポリエステル樹脂(a)、ポリ乳酸樹脂(b)のうち融点の高い樹脂の融点〜融点+20℃の温度とし、混練部のシリンダー温度を100〜210℃の範囲とすることが好ましい。この際、原料の混合順序には特に制限はなく、全ての原材料を配合後上記の方法により溶融混練する方法、一部の原材料を配合後上記の方法により溶融混練し、更に残りの原材料を配合し溶融混練する方法、あるいは一部の原材料を配合後単軸あるいは2軸の押出機により溶融混練中にサイドフィーダーを用いて残りの原材料を混合する方法など、いずれの方法を用いてもよい。また、少量添加剤成分については、他の成分を上記の方法などで混練し、ペレット化した後、成形前に添加して成形に供することも勿論可能である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の成形方法に関しても制限はなく、公知の方法(射出成形、押出成形、吹込成形、プレス成形等)を利用することができるが、生産上好ましい方法としては、射出成形、射出圧縮成形、圧縮成形である。また、成形温度については、通常、熱可塑性樹脂組成物の融点より5〜50℃高い温度範囲から選択され、一般的には、単層であるが、2色成形法により多層にしてもかまわない。2色成形を行う場合の各層の配置については特に制限はなく、全ての層を本発明の熱可塑性樹脂組成物で構成してもよいし、他の層にその他の熱可塑性樹脂を用いて構成してもよい。ここで用いられる本発明の熱可塑性樹脂組成物以外の層として用いられる熱可塑性樹脂としては、飽和ポリエステル、ポリスルホン、四フッ化ポリエチレン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリケトン共重合体、ポリフェニレンエーテル、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリチオエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリウレタン、ポリオレフィン、ABS、ポリアミドエラストマ、ポリエステルエラストマなどが例示でき、必要に応じ、これらの一種以上の熱可塑性樹脂を配合して用いることも、それらに各種添加剤を添加して所望の物性を付与して用いることもできる。また、得られた成形品同士あるいはその他の成形品と接着または溶着させてもよく、その方法は特に限定されず一般的な技術を用いることが可能である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、機械的特性、耐熱性が優れることから自動車部品(内装・外装部品)、機械部品、電気・電子部品(各種ハウジング、歯車、ギアなど)、建築部材、土木部材、農業資材、医療、食品、家庭・事務用品、家具用部品および日用品など各種用途に利用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の骨子は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
(1)樹脂相分離構造観察
樹脂相分離構造は以下の要領で観察した。住友重機社製SG75H−MIVを使用し、シリンダー温度240℃(芳香族ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレートの場合は265℃)、金型温度90℃により成形したASTM1号ダンベル片の成形表面より500nm内部から厚み80nmの薄片を切削し、透過型電子顕微鏡で倍率10000倍にて観察した。
(2)溶融粘度比
東洋精機製キャピログラフ1C型を用いて、240℃(芳香族ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレートの場合は265℃)、せん断速度100秒―1の条件で溶融粘度を測定し、[ポリ乳酸樹脂の溶融粘度/芳香族ポリエステル樹脂の溶融粘度]から溶融粘度比を求めた。
(3)樹脂温度
2軸押出機において溶融混練する際に押出機ダイより吐出される溶融樹脂を温度計により測定した。
(4)材料強度
以下の標準方法に従って測定した。
引張強度、引張伸び :ASTM D638
曲げ弾性率 :ASTM D790
(5)成形性
住友重機社製SG75H−MIVを使用し、シリンダー温度240℃(芳香族ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレートの場合は265℃)、金型温度90℃によりASTM1号ダンベル片を成形した時の成形性について、引張試験片を金型から取り出す際に、変形のない固化した成形品が得られる最短の時間を成形サイクル時間として計測した。成形サイクル時間が短いほど成形性に優れているといえる。
(6)耐加水分解性
住友重機社製SG75H−MIVを使用し、シリンダー温度240℃(芳香族ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレートの場合は265℃)、金型温度90℃により成形したASTM1号ダンベル片を60℃、95%RHの恒温高湿条件下で500時間処理した後の引張強度をASTM−D638に従って測定し、下記の通り判定した。
○:強度低下率が0〜25%
△:強度低下率が25〜50%
×:強度低下率が50%以上
(7)耐熱性
曲げ試験片(厚さ1/4インチ)を用いて、ASTM法D648に準じて荷重たわみ温度(0.45MPa)測定を行った。
実施例1〜11、比較例1〜6
下に示す各成分を表1に記載の各割合でドライブレンドした後、日本製鋼所社製TEX30型2軸押出機で、シリンダー温度、スクリュー回転数を表1に示した条件に設定して、実施例1〜11、比較例2〜5はスクリュー混練部に低発熱混練エレメントを導入したスクリューを用い、比較例6はスクリュー混練部に従来のニーディングディスクを導入したスクリューを用いて溶融混練を行い、ダイから吐出されるガットは即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。
得られたペレットは80℃で12時間乾燥したペレットを用い、射出成形(住友重機社製SG75H−MIV、シリンダー温度240℃(芳香族ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレートの場合は265℃)、金型温度90℃)により試験片を調製した。各サンプルの機械的特性、成形性、耐熱性を評価した結果は表1に示すとおりである。比較例2〜4は目的の芳香族ポリエステル樹脂が連続相となる樹脂相分離構造を達成することができず、成形性、耐熱性に劣るものであった。比較例5は従来のシリンダー温度条件にて溶融混練を行ったが十分な混練エネルギーが得られず、目的の樹脂相分離構造を達成することができなかったため、成形性、耐熱性に劣るものであった。比較例6は混練部のシリンダー温度を低温として溶融混練を行ったがスクリュー混練部に従来のニーディングディスクを導入したスクリューを用いているため発熱が大きく、樹脂温度が上昇しポリ乳酸樹脂の分解が進行したため、目的の樹脂相分離構造を達成することができず、成形性、耐熱性に劣るものであった。本実施例では比較例1〜6と比較して、機械特性、成形性と耐熱性にバランスして優れるものであった。
実施例12、13、比較例7
下に示す各成分を表2に示す割合で芳香族ポリエステル樹脂(a)、ポリ乳酸樹脂(b)、触媒失活剤(c)、タルクをドライブレンドした後、日本製鋼所社製TEX30型2軸押出機のメインフィーダーに導入して、シリンダー温度、スクリュー回転数を表2に示した条件に設定して、スクリュー混練部に低発熱混練エレメントを導入したスクリューを用いて溶融混練を行い、ダイから吐出されるガットは即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットは80℃で12時間乾燥したペレットを用い、射出成形(住友重機社製SG75H−MIV、シリンダー温度240℃、金型温度90℃)により試験片を調製した。各サンプルの機械的特性、成形性、耐熱性を評価した結果は表2に示すとおりである。比較例と比較して実施例は芳香族ポリエステル樹脂が連続相となる樹脂相分離構造を達成するため成形性、耐熱性に優れるものであった。
実施例14〜16、比較例8
下に示す各成分を表2に示す割合で芳香族ポリエステル樹脂、ポリ乳酸樹脂、相溶化剤をドライブレンドした後、日本製鋼所社製TEX30型2軸押出機のメインフィーダーに導入して、シリンダー温度、スクリュー回転数を表2に示した条件に設定して、スクリュー混練部に低発熱混練エレメントを導入したスクリューを用いて溶融混練を行い、押出機下流のサイドフィーダーよりガラス繊維を導入した。ダイから吐出されるガットは即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットは80℃で12時間乾燥したペレットを用い、射出成形(住友重機社製SG75H−MIV、シリンダー温度240℃(芳香族ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレートの場合は265℃)、金型温度90℃)により試験片を調製した。各サンプルの機械的特性、成形性、耐熱性を評価した結果は表2に示すとおりである。比較例と比較して実施例は芳香族ポリエステル樹脂が連続相となる樹脂相分離構造を達成するため成形性、耐熱性に優れるものであった。
実施例17〜22、比較例9
下に示す各成分を表3に記載の各割合でドライブレンドした後、日本製鋼所社製TEX30型2軸押出機で、シリンダー温度、スクリュー回転数を表3に示した条件に設定して、スクリュー混練部に低発熱混練エレメントを導入したスクリューを用いて溶融混練を行い、ダイから吐出されるガットは即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットは80℃で12時間乾燥したペレットを用い、射出成形(住友重機社製SG75H−MIV、シリンダー温度240℃、金型温度80℃)により試験片を調製した。各サンプルの機械的特性、成形性、耐熱性を評価した結果は表3に示すとおりである。比較例9は目的の芳香族ポリエステル樹脂が連続相となる樹脂相分離構造を達成することができず、成形性、耐熱性に劣るものであるのに対して、実施例17〜22は機械特性、成形性と耐熱性が特異的に優れるものであった。
本実施例および比較例に用いた芳香族ポリエステル樹脂(a)は以下の通りである。
(A−1):密度1.31g/cm、融点225℃、固有粘度0.75のポリブチレンテレフタレート樹脂。
(A−2):密度1.31g/cm、融点225℃、固有粘度0.85のポリブチレンテレフタレート樹脂。
(A−3):密度1.31g/cm、融点225℃、固有粘度1.25のポリブチレンテレフタレート樹脂。
(A−4):密度1.33g/cm、融点228℃、固有粘度0.95のポリプロピレンテレフタレート樹脂。
(A−5):密度1.39g/cm、融点258℃、固有粘度0.70のポリエチレンテレフタレート樹脂。
同様に、ポリ乳酸樹脂(b)は以下の通りである。
(B−1):密度1.25g/cm、重量平均分子量(PMMA換算)21万、D体含有率1.2%のポリL乳酸樹脂。
(B−2):密度1.25g/cm、重量平均分子量(PMMA換算)16万、D体含有率1.2%のポリL乳酸樹脂。
同様に、触媒失活剤(c)は以下の通りである。
(C−1):リン系化合物、旭電化工業社の“アデカスタブ”AX−71
(C−2):リン系化合物、旭電化工業社の“アデカスタブ”PEP−36
(C−3):ヒンダードフェノール系化合物、旭電化工業社の“アデカスタブ”AO−330
同様に、相溶剤(d)は以下の通りである。
(D−1):ポリカルボジイミド(日清紡製“カルボジライト”LA−1)。
(D−2):多官能エポキシ化合物(トリグリシジルイソシアヌレート)。
同様に、充填剤(d)は以下の通りである。
(E−1):タルク(日本タルク製SG−200)。
(E−2):平均繊維径13μmのガラス繊維(日本電気硝子社製T−187)。
同様に、芳香族ポリエステル樹脂、ポリ乳酸樹脂以外に添加した樹脂(f)は以下の通りである。
(F−1):コア層がシリコーン/アクリル重合体でシェル層がメタクリル酸メチル重合体である多層構造重合体(三菱レイヨン製“メタブレン”S2001)。
(F−2):ブタジエンとスチレンとメチルメタクリレートとの共重合体(カネカ社製“カネエース”M−511)
同様に、可塑剤(g)は以下の通りである。
(G−1):ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロック共重合体(旭電化社製、プルロニックF68)
(G−2):ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロック共重合体(旭電化社製、プルロニックL101)
(G−3):ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロック共重合体(旭電化社製、プルロニックP85)
(G−4):ポリプロピレングリコール(旭電化社製、アデカポリエーテルP−3000)
(G−5):ポリエチレングリコール−ポリ乳酸ブロック共重合体
なお、(G−5)のポリエチレングリコール−ポリ乳酸ブロック共重合体は下記製造例1の方法で製造した。
(製造例1)
平均分子量10000のポリエチレングリコール71重量部とL−ラクチド29重量部に対し、オクチル酸錫0.025重量部を混合し、攪拌装置付きの反応容器中で窒素雰囲気中140℃で30分間、180℃で60分間重合し、平均分子量2,000のポリ乳酸セグメントを有する、ポリエチレングリコールとポリ乳酸のブロック共重合物を得た。
Figure 2007224290
Figure 2007224290
Figure 2007224290

Claims (11)

  1. (a)と(b)の合計を100重量%として、芳香族ポリエステル樹脂(a)15〜50重量%およびポリ乳酸樹脂(b)50〜85重量%を配合してなる熱可塑性樹脂組成物であり、かつ、電子顕微鏡で観察される樹脂相分離構造において芳香族ポリエステル樹脂(a)が連続相、ポリ乳酸樹脂(b)が分散相となる相構造を形成することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 芳香族ポリエステル樹脂(a)25〜45重量%およびポリ乳酸樹脂(b)55〜75重量%を配合してなる請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 前記(a)と(b)の合計100重量部に対して、触媒失活剤(c)を0.001〜2重量部添加することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 前記(a)と(b)の合計100重量部に対して、相溶化剤(d)を0.01〜10重量部添加することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 相溶化剤(d)がカルボジイミド化合物、多官能エポキシ化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 前記(a)と(b)の合計100重量部に対して、可塑剤(g)を0.01〜30重量部添加することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 可塑剤(g)がポリアルキレングリコール系可塑剤であることを特徴とする請求項6記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 前記芳香族ポリエステル樹脂(a)の主成分がポリブチレンテレフタレート樹脂であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  9. 前記熱可塑性樹脂組成物を構成する樹脂の溶融混合物に、樹脂温度を260℃以下に制御しつつ0.15kWh/kg以上の混練エネルギーを付与することにより製造せしめることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を加工して得られる成形品。
  11. 射出成形、射出圧縮成形、圧縮成形の内から選ばれる方法によって得られる請求項10に記載の成形品。
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