JP2010098976A - 揚げ物の製造方法、揚げ物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】海産物等の食材を含む液体状の食材を所定の形状の凹部を有する型の凹部へ注ぐ。そして、液体状の食材を型に入れたまま所定の温度に熱せられた油へ入れ、所定の時間揚げる。
【選択図】図1
Description
また、液体状の食材を調理する方法としては、例えばたこ焼きを焼く方法のように、所定の型へ液体状の食材を注ぎ、型を熱することにより液体状の食材を焼く方法がある。
この発明は、海産物等の食材の風味を失うことなく、揚げ物を製造することを目的とする。
前記注ぎステップで前記液状食材が注入された型を所定の温度に熱せられた油へ入れて、前記液状食材を揚げる揚げステップと
を備えることを特徴とする。
ことを特徴とする。
しらすと小麦粉と水との材料を混合した液状の混合食材を液状食材として生成する混合ステップ
を備える
ことを特徴とする。
ことを特徴とする。
全表面のうち半分以下の表面は直接油に晒されて加熱され、他の表面は直接油に晒されることなく加熱された
ことを特徴とする。
凹凸を有する平面部と、前記平面部に比べ凹凸が少ない球面部とを有する略半球状に形成された
ことを特徴とする。
図1は、揚げ物の製造方法を示すフローチャートである。ここでは、揚げ物として、しらす入りの揚げ物を例として説明する。
まず、材料(しらす、重曹、小麦粉、水、だし)をボール等に入れて、材料が満遍なく混ざり合うまでかき混ぜて混合食材4を生成する。
ここで、混合食材4には水と小麦粉とが含まれているため、混合食材4はある程度の粘性を持った液体状の液状食材である。混合食材4の粘性は水と小麦粉との配合率によるが、混合食材4は平面上に置いておくと変形してしまう状態である。
なお、しらすを除く材料(重曹、小麦粉、水、だし)を混合した後に、しらすを加えて混合するとよい。しらすを他の材料と混合する際、しらすが崩れてしまい、しらすの食感や風味が落ちる虞がある。そのため、他の材料を先に混合しておくことで、しらすが崩れることをできる限り防止する。
また、材料に生のりを加えてもよい。生のりを加えることで、しらすの持つ海、磯の風味が増す。特に、生のりにはしらすとは異なる風味があり、しらすの風味と相まってより深い味わいとなる。さらに、しらすは、生しらすであることが望ましい。
また、だしは粉末のだし(だしの素)であってもよく、重曹はベーキングパウダーであってもよい。また、だしは、かつおだし、昆布だし、あるいはかつおだしと昆布だしとの合わせだしであってもよい。
次に、混合ステップ(S1)で生成した混合食材4を型1の凹部2へ開口部3から注ぐ。
図2は、型1の一例を示す図である。図2(a)は型1の平面図であり、(b)は(a)のA−A’断面図である。図2に示すように、型1とは、例えば所定の大きさの半球状の凹部2を複数有する鉄板である。つまり、たこ焼きを製造する場合に使用する鉄板等であってもよい。なお、型1は鉄板に限らず、鉄程度の熱伝導性を有する材質で形成されていてもよい。但し、後述するように型1は油に入れられるものであるから、油に入れた場合に変形するような材質でない方が望ましい。図2では、型1(鉄板)の凹部2は半球状であるため、凹部2の直径l1は凹部2の深さd1の約2倍である。しかし、凹部2の直径l1と深さd1との比は、これに限定されるものではなく、混合食材4の油の吸収率との関係で調整すればよい。つまり、混合食材4が油を吸いやすい場合には直径l1に対して深さd1を深くすれば混合食材4の量に対して、後述する揚げステップ(S3)で油に晒される面積が小さくなり、油が吸い込まれる量が減少する。また、凹部2と隣の凹部2との間の長さl2、l3は、混合食材4を揚げた場合に、混合食材4が膨らんで隣りの混合食材4と接触しない程度の長さであることが望ましい。なお、型1の凹部2は半球状でなく、例えば、魚(しらす)の形をしていてもよい。
図3は、混合食材4を型1の凹部2へ注ぐ処理を示す図である。図3(a)に示すようにお玉5等を使って、図3(b)に示すように混合食材4を各凹部2へ摺りきりいっぱいに入れる。
なお、混合食材4は、平面上に置いておくと変形してしまう液体状の食材であるから、凹部2の面との間に隙間が空くことはない。つまり、混合食材4は、凹部2の面とほぼ密着した状態となる。
また、混合食材4を型1へ注ぐ前に、型1の凹部2に油を塗っておいてもよい。凹部2に油を塗っておくことで、後述する揚げステップ(S3)で型1に面する部分も適度な油に晒され、焦げ付きを防止できる。
そして、型1に注いだ混合食材4を、型1に入れたまま熱した油に入れて揚げる。ここで、油の温度は、例えば170℃程度とし、じっくりと時間をかけて揚げる。
図4は、混合食材4を揚げる処理を示す図である。図4に示すように、型1を所定の網6等に入れて油に投入することで、型1に入れた混合食材4を型1を傾けることなくゆっくりと油へ投入することができる。上記の通り混合食材4は液体状であるため、型1を傾けたり、勢いよく型1を動かすと混合食材4が型1からこぼれる虞があるが、網6等を使用することで防止できる。
型1に注いだ混合食材4を型1に入れたまま熱した油へ投入すると、混合食材4のうち型1の開口部3の部分は油に直接触れ、油を吸い込みながら熱が通る。一方、混合食材4のうち型1の開口部3以外の部分の周囲には型1があり、直接油に触れることはない。上述したように、混合食材4は、鉄板の凹部2の面と密着しており、隙間がないから多量の油が凹部2の中へ侵入することはない。つまり、混合食材4のうち型1の開口部3以外の部分には、油の熱が鉄板を通して伝わる。しかし、少量の油が鉄板と混合食材4との間に徐々に染込み型1の凹部2側へも回り、混合食材4へ吸い込まれる。その結果、混合食材4を直接油に入れて(型1に入れることなく油にいれて)揚げた場合と同様に、混合食材4の全体が油で揚げられた状態に非常に近い状態となる。つまり、直接油に晒されていない部分も、鉄板の上で焼いたように仕上がるのではなく、油で揚げた場合と同様の仕上がりとなる。しかし、直接油に入れて揚げた場合とは異なり、出来上がったしらす入りの揚げ物に含まれる油の量が少ないため、油っぽくない。また、上述したように、混合食材4を型1へ注ぐ前に、型1の凹部2に油を塗っておいてもよい。混合食材4を型1へ注ぐ前に、凹部2に油を塗っておいた場合には、凹部2に塗っておいた適量の油が混合食材4のうち型1の開口部3以外の部分に吸収される。
所定の時間が経過した後、型1ごと(網6を使って油へ投入した場合には網6ごと)油から取り出す。そして、油で揚げられた混合食材4(しらす入りの揚げ物)を型1から取り出す。図5は、図2に示す型1から取り出したしらす入りの揚げ物を示す図である。図5に示すように、しらす入りの揚げ物のうち油に晒されていた部分(混合食材4のうち型1の開口部3の部分、以下「平面部7」)は、熱せられ油を吸い込み膨らんで乱形になっている。しかし、しらす入りの揚げ物のうち油に晒されていない部分(混合食材4のうち型1の開口部3以外の部分、以下「球面部8」)は、周囲を型1の凹部2に覆われていたため、凹部2の形状(ここでは半球状)に形成される。特に、球面部8は、ほぼ凹凸がなく滑らかになる。つまり、しらす入りの揚げ物は、平面部7には凹凸があり、球面部8には凹凸がない半球体である。すなわち、従来の揚げ方では出来上がる揚げ物の表面形状を滑らかに仕上げることはできなかったが、この方法によれば一部の面(直接油に晒される面)以外の表面を滑らかに仕上げることができる。
ここで、(S2)で凹部2へ液状の食材を注いでいるため、球面部8は平面部7よりも面積が広い。つまり、混合食材4のうち油に晒される部分は、混合食材4の表面積の半分以下である。この油に晒される面積を少なくするほど揚げ物への油の吸収を抑えることができ、油っぽさを抑えることができる。言い替えると、凹部2の直径l1に対して凹部2の深さd1を深くすればするほど、揚げ物の油っぽさを抑えることができる。
また、型1の厚さ(鉄板の鉄の厚さ)を薄くすればするほど、型1を通じて混合食材4へ油の温度が伝導しやすくなるため、平面部7と球面部8との揚げ斑を減らすことができる。つまり、平面部7への火が通りが強く、球面部8への火の通りが弱いということを防止できる。
なお、油は、大豆油又はサラダ油が望ましく、特に大豆油とサラダ油を合わせたものが望ましい。この油により混合食材4を揚げると、からっと揚がり、くどくならない。
一方で、直接油に晒されることがない部分(食材のうち型1の開口部3以外の部分)へも少量の油が回ることにより、直接油に晒されることがない部分の表面も油で揚げたときの独特の食感に近い状態に仕上がる。特に、混合食材4を型1へ注ぐ前に凹部2に油を塗っておけば、直接油に晒されることがない部分(食材のうち型1の開口部3以外の部分)も油で揚げたときの独特の食感に仕上がる。つまり、揚げ物のうち直接油に晒される部分だけでなく、揚げ物全体の表面がサクッとした食感とすることができる。一方で、揚げ物の内部は水分が保たれ軟らかさが残る。すなわち、揚げ物全体として油っぽさを抑えるとともに、油で揚げたときの食感を得ることができる。
また、従来の食材の揚げ方では、液体状の食材を揚げた場合に表面を滑らかに形成することは難しいが、この実施の形態に係る揚げ物の製造方法では、球面部8は、型1の凹部2の形にきれいに形成できる。つまり、図2に示す型1であれば、半球状に形成でき、型1の凹部2を魚(しらす)の形にすれば、魚の形に形成できる。
さらに、この実施の形態に係る揚げ物の製造方法では、型1を使って揚げるため、食材を一度に油へ投入して一度に取り出せるため、揚げ物を一度に数多く製造することができる。
Claims (6)
- 所定の形状の凹部を有する型の前記凹部へ液状食材を注ぐ注ぎステップと、
前記注ぎステップで前記液状食材が注入された型を所定の温度に熱せられた油へ入れて、前記液状食材を揚げる揚げステップと
を備えることを特徴とする揚げ物の製造方法。 - 前記注ぎステップで液状食材を注入する型は、鉄板である
ことを特徴とする請求項1に記載の揚げ物の製造方法。 - 前記揚げ物の製造方法は、さらに、
しらすと小麦粉と水との材料を混合した液状の混合食材を液状食材として生成する混合ステップ
を備える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の揚げ物の製造方法。 - 前記混合ステップでは、しらすを除く前記材料を混合した後、しらすを加えてさらに混合する
ことを特徴とする請求項3に記載の揚げ物の製造方法。 - しらすと小麦粉と水とを混合した液状の混合食材を揚げた揚げ物であって、
全表面のうち半分以下の表面は直接油に晒されて加熱され、他の表面は直接油に晒されることなく加熱された
ことを特徴とする揚げ物。 - しらすと小麦粉と水とを混合した液状の混合食材を揚げた揚げ物であって、
凹凸を有する平面部と、前記平面部に比べ凹凸が少ない球面部とを有する略半球状に形成された
ことを特徴とする揚げ物。
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