JP2010051296A - 電子レンジ調理用の容器入り即席食品 - Google Patents
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Abstract
水を添加して電子レンジ調理して、湯切りすることなく喫食することができる焼きそば等の汁なしタイプの電子レンジ調理用の容器入り即席食品において、過剰な泡の発生がなくムラなく内部の乾燥食品を復元することができる即席食品を提供する。
【解決手段】
膨脹剤を用いることで、電子レンジ調理時の過剰な泡の発生を抑えて、ムラなく良好に電子レンジ調理することができる。また、膨脹剤としては、重曹、グルコノデルタラクトンの組合せが好ましく、乾燥野菜を含む乾燥具材も利用する場合には、ミョウバンも併用すること好ましい。
【選択図】図1
Description
しかし、乳化剤を使用した場合、泡立ちが激しく、内容物が容器から吹きこぼれる等の問題がある。また、発泡した泡が調理後に残存する場合もあり、喫食時の見かけ上でも改善の余地があった。
加えて、焼きそばや焼きうどんであるとキャベツなどの野菜の具材で乾燥状態のタイプを利用することが必要となる場合が多いが、乳化剤を用いた場合にはこれらの復元時においてシャキシャキ感が失われるという傾向があった。
加えて、キャベツ等の乾燥野菜を含む乾燥具材も使用する場合、復元時のシャキシャキ感を維持させるために酸性剤の一部としてミョウバンを含有させると良好な食感を呈することを見出した。
項1.乾燥食品と膨脹剤が容器内に収納されており、該容器内に水又は湯を注加して、電子レンジで加熱調理し、加熱調理後に湯切りせずに喫食が可能となる電子レンジ調理用の容器入り即席食品であって、
水又は湯の注加後における液面が前記乾燥食品の上面よりも下方に位置する電子レンジ調理用の容器入り即席食品。
項2.前記乾燥食品が、即席乾燥麺塊又は即席乾燥米である請求項1に記載の容器入り即席食品。
項3.前記膨脹剤が重曹及びグルコノデルタラクトンを含有する請求項1又は2に記載の容器入り即席食品。
項4.前記即席食品がさらに乾燥野菜を収納するものであって、前記膨脹剤がさらにミョウバンを含有する請求項3に記載の容器入り即席食品。
項5.前記乾燥食品が即席乾燥麺塊であって、該即席乾燥麺塊の側面部と前記容器側面部により囲まれた領域を前記乾燥野菜及び膨脹剤を収納する部分とした請求項4に記載の容器入り即席食品。
本発明にいう乾燥食品とは、容器内に当該乾燥食品を収納し、水を加えて加熱調理後に当該乾燥食品が水分を吸収・復元し、喫食できるものであれば特に限定されない。すなわち、種々の食品が含まれるが、具体的には、麺関係の乾燥食品として油で揚げたフライ麺、あるいは熱風乾燥処理したα化麺のような即席乾燥麺塊が挙げられる。また、麺関係では中華麺のほか、うどん、そば、春雨あるいはフォーを乾燥したものも含む。また、米関係の乾燥食品として熱風乾燥処理したα化米(パフライス)や油揚げされたフライ米のような即席乾燥米が挙げられる。また、半乾燥麺あるいは半乾燥した米も含まれることはもちろんである。
具体的には、対象となる乾燥食品の種類にもよるが、例えば、フライ処理によって乾燥された即席油揚げ麺塊であれば、厚みとして概ね1〜5cm程度、好ましくは2〜3cm程度である。
本発明の即席食品においては、上述の即席乾燥麺塊等の他に、乾燥野菜や乾燥肉等の乾燥具材を含むことができる。これらの乾燥具材は即席食品において汎用されているものである。乾燥具材には乾燥野菜も含まれることが多いが、本発明においては、膨脹剤の組成のうち酸性剤として、後述するミョウバンを含有させることで乾燥野菜の復元後の状態をいわゆるシャキシャキ感のある良好な状態にすることができる。対象となる野菜としてはキャベツ、ニンジン等の種々の野菜が含まれる。
これらの乾燥野菜を含む乾燥具材については、直接容器内に充填しておくことも可能であるが、内包装してから容器内に収納しておき、喫食者が電子レンジ調理する前に内包装を開封して容器内に入れるという方法も可能である。
本発明の電子レンジ調理用の容器入り即席食品においては、水を添加してこれに膨脹剤によって加熱時に発泡させて、収納した乾燥食品と接触させて加熱するという手法を採用する。
このため、電子レンジに対応できる容器である必要がある。具体的な材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等が挙げられるがこれらに限定されるものでない。また、加熱時に突沸を防止する観点から容器の一部にマイクロ波を吸収しない素材を用いてもよいことはもちろんである。
具体的な本発明を利用した電子レンジ調理用の容器入り即席食品の商品形態については焼きそばタイプのものとして、以下のような一例が挙げられる。
乾燥食品の収納に関しては、商品の輸送・販売においては、乾燥食品をそのまま、又は内包装したものを当該容器に収納しておき、その他の乾燥具材、ソースなども内包装して収納させておく。また、膨脹剤についても内包装し、同様に収納させておく。また、容器の上面を紙製等の蓋でシールしてから、外包装しておく。
本発明に係る即席食品は、当該乾燥食品に接触するように水又は湯が存在し、膨脹剤を含んだ状態で電子レンジ調理加熱することによって調理する。容器内に注加する水又は湯の量は加熱の対象とする乾燥食品やその含有水分量や種類によって異なるため適宜調整すればよい。例えば、焼きそばタイプの油揚げ即席麺(水分含量3%)100g程度に対して、これに乾燥具材(水分含量3〜10%程度)20g程度であれば、当該即席麺及び乾燥具材120gに対して180g〜190g程度が好適である。尚、本発明における水は常温水に限られるものではなく、温湯や冷水であってもよい。これらの水の温度を調整することで電子レンジ調理時間を変更することができる。
本発明においては、前記水又は湯の注入後の容器内における液面が前記乾燥食品の上面よりも下方に位置する。本発明はこのような乾燥食品の全体が水に浸漬されない場合において後述する膨脹剤の効果によって全体をムラなく復元することができるためである。
例えば、上面の半径14cm、厚み2.5cm、重量100g、水分3%程度の即席乾燥麺塊を収納できる直径15〜16cm程度の容器の場合には、復元後の喫食に適した水分含量とするために、概ね180〜190g程度の水を必要とするが、このような場合、水注入後の液面は底から1〜2cm程度になり、即席麺塊の上部は水面より露出した状態となる。本発明においてはこのような場合においても、膨脹剤の存在により加熱時に発生した泡で即席麺塊をムラなく復元することが可能となる。
(1)膨脹剤
膨脹剤とは、炭酸ガスを発生させて、蒸し菓子や焼き菓子をふっくらとさせるために使用するものである。電子レンジ調理時においては、乳化剤に比べて膨脹剤を用いると過剰な泡は発生することなく、また、発泡はするものの自然に消泡するため、泡による吹きこぼれや電子レンジ調理後の泡の残存を抑制することができる。また、膨脹剤による発泡は重曹と酸性剤の反応による炭酸ガスの発生による発泡であり、乳化剤による発泡とは原理が異なる。
尚、膨脹剤の配合においては、前述の重曹、酸性剤の他に、重曹と酸性剤の遮断剤としてのデキストリン等の他、食塩、MSG、油脂、色素、粉末スープ等を配合してもよいことはもちろんである。
また、膨脹剤の添加方法としては、水を注加してから上部より添加する方法でもよいが、乾燥食品や乾燥具材の下部に添加してから水又は湯を注加する方が、発泡の効果を有効にする等の点から好ましい。
膨張剤のうち酸性剤については、種々のものを使用することができる。具体的には、グルコノデルタラクトン、フマル酸、酒石酸、フマル酸第一ナトリウム、L−酒石酸水素カリウム、第一リン酸カルシウム、第一リン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、アンモニウムミョウバン、ミョウバン等が挙げられる。但し、これらの酸性剤に限定されるものではない。
酸性剤の含有量としては、その種類や前述の重曹とのバランスが問題となるが、例えば、GDLであれば、概ね、重曹の添加量に対して、後述する酸性剤のミョウバンを含めて1〜3倍程度の割合で配合するのが好ましい。
本発明おいては、乾燥具材のうち、キャベツやニンジン等の乾燥野菜を使用する場合には、酸性剤の一種であるミョウバンを膨脹剤の一部として含有することが好ましい。ミョウバンを酸性剤として使用すると、電子レンジによる加熱調理後において、野菜本来のシャキシャキとした食感を維持できることができる。本発明で使用するミョウバンは、ミョウバン、焼きミョウバン、アンモニウムミョウバン、焼きアンモニウムミョウバン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。但し、味等の観点からミョウバン、焼ミョウバンが好ましく、かつ水との反応を抑制するため低水分のものが望ましい。
ミョウバンの酸性剤に占める含有量としては、他の酸性剤の種類にもよるが、例えば、GDLであれば、GDLに対して0.5〜1.5倍程度になるのが好ましい。
本発明の即席食品は、上述のように乾燥食品に水を注加し、当該水が膨脹剤を含んだ状態で電子レンジ調理する。電子レンジ調理時においては、容器上に蓋をすることもできる。蓋をすることで発泡中の水の外部へのはねを防止することができる。また、密閉性を高めるタイプを使用すれば、発生する蒸気によって効率的に乾燥食品の調理を行うことができる。尚、蓋は密閉するものではなくても軽く容器開口部を覆う程度のものでも構わない。さらに、蓋がない状態でも調理は可能である。
前記即席麺塊を前記容器に収納した状態において、前記即席麺塊側面部と容器側面部により区画された領域に前記乾燥具材を収納する部分を設けることが好ましい。本発明においては、乾燥食品の上部が注入した水より露出しているため当該食品の上部に乾燥食品を載置すると、水との接触がないため当該乾燥具材の復元が十分でないことがある。そこで、収納する乾燥食品の側面部と容器側面部により囲まれた領域に前記乾燥具材を膨脹剤を収納することができる。このようにすると水の注入時において乾燥具材、膨脹剤と水との接触を無理なく行うことができるため、乾燥具材について、ムラなく復元することができる。
使用した即席麺は小麦粉、でん粉、かん水を配合し、混練、切り出し(1.3mm程度)、蒸煮した後の即席麺を円形のリテーナーに収納し、植物油で150℃、2分揚げたものを調製した。フライ後の麺塊の大きさは、直径14cm、厚み2.5cm、重量100g、水分含量3重量%であった。
また、乾燥具材として、熱風乾燥処理したキャベツ8g(水分含量6重量%)、フリーズドライした豚肉2g(水分含量10重量%)、フリーズドライしたイカ2g(水分含量4重量%)を用いた。
上記の即席麺、乾燥具材に加えて内包装された濃縮液体ソース(20g)及び表1に記載する内包装された膨脹剤を上記容器内に収納し、上部を紙及びポリエチレンテレフタレートの二層からなる蓋でフランジ部外周辺上でシールすることで完成された即席食品を用いた。尚、膨脹剤については重曹と酸性剤の遮断剤として一律にデキストリン0.8gを添加した。
尚、評価は熟練のパネラーによって行い。◎、〇、△、×、××の5段階で評価した。
それぞれの評価項目は以下の基準によって行った。
GDL以外の酸性剤の使用可能性について検討した。添加剤としてGDL以外のものとして、フマル酸、酒石酸、焼ミョウバンを用いた。その他の試験方法等は実施例1に示したものと同じである。結果を表2に示す。また、電子レンジ調理直後の写真を図3に示す。
膨脹剤と乳化剤の効果の比較について試験した。条件は実施例1に示したものと同じである。結果を表3に示す。また、電子レンジ調理直後の写真を図4に示す。
ミョウバンを添加することの効果を試験した。条件は実施例1に示したものと同じである。結果を表4に示す。また、電子レンジ調理直後の写真を図5に示す。
、味的にも酸味・苦味を感じない良好なものとなった。
注加する水の量が変化するとこれに伴って、どのように膨脹剤の効果が変化するかを調査した。添加した水の量及び膨脹剤以外の条件は、実施例1に示したものと同様である。結果を表5(a)と表5(b)に示す。また、電子レンジ調理直後の写真を図6(a)と図6(b)に示す。
Claims (5)
- 乾燥食品と膨脹剤が容器内に収納されており、該容器内に水又は湯を注加して、電子レンジで加熱調理し、加熱調理後に湯切りせずに喫食が可能となる電子レンジ調理用の容器入り即席食品であって、
水又は湯の注加後における液面が前記乾燥食品の上面よりも下方に位置する電子レンジ調理用の容器入り即席食品。
- 前記乾燥食品が、即席乾燥麺塊又は即席乾燥米である請求項1に記載の容器入り即席食品。
- 前記膨脹剤が重曹及びグルコノデルタラクトンを含有する請求項1又は2に記載の容器入り即席食品。
- 前記即席食品がさらに乾燥野菜を収納するものであって、前記膨脹剤がさらにミョウバンを含有する請求項3に記載の容器入り即席食品。
- 前記乾燥食品が即席乾燥麺塊であって、該乾燥麺塊の側面部と前記容器側面部により囲まれた領域を前記乾燥野菜及び膨脹剤を収納する部分とした請求項4に記載の容器入り即席食品。
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