JP2010052028A - パターン形成体の製造方法および電磁ビーム加工装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】点状のパターンが配列して形成されたパターン形成体の製造方法である。この製造方法は、ヒートモードの形状変化が可能なフォトレジスト層を有する基板を準備する準備工程と、フォトレジスト層に対しレーザ光を走査させながら照射して前記フォトレジスト層の一部を除去する露光工程と、を有し、前記露光工程において、レーザ光を発光させる時間を、前記フォトレジスト層に形成すべき凹部21の走査方向におけるピッチに対応する走査時間に対して10〜40%とする。
【選択図】図4
Description
このような透明な外装部材の屈折率は、一般に空気の屈折率よりもかなり大きく、外装部材から外部に光が出ようとするときに界面で反射が起こる。この反射した光は、角度によっては、外装部材内から外へ出ることができず最終的には熱となってしまう。また、このことは、半導体からなるLEDの素子の発光面でも同様である。
前記フォトレジスト層の厚さは、1〜10000nmの範囲内とすることが望ましい。また、前記フォトレジスト層はモノメチンシアニン色素、モノメチンオキソノール色素、フタロシアニン色素、アゾ色素、アゾ金属錯体色素、ポルフィリン色素、アリリデン色素、クマリン色素、アゾール誘導体、トリアジン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、1−アミノブタジエン誘導体およびキノフタロン系色素から選択される少なくとも1種以上の色素からなることが望ましい。
フォトレジスト層20は、ヒートモードによる形状変化、つまり、光やX線などの電磁ビームを照射することにより加熱することで材料の変形、蒸発などが起こって形状が変化する、フォトレジスト材料、例えば、光吸収性低分子からなる。フォトレジスト層20の厚さは、例えば、1〜10000nmの範囲で適宜設定することができ、厚さの下限は、好ましくは10nmであり、より好ましくは50nmである。また、厚さの上限は、好ましくは1000nmであり、より好ましくは500nmである。
なお、フォトレジスト層20の膜厚に対する穴間高さhの比は、40%以上が好ましく、60%以上がさらに望ましい。
制御装置58は、詳細には後述するように、凹部21の走査方向におけるピッチに比較して短い時間だけレーザ光の出力を高くするため、レーザ光源51にパルス信号を出力するようになっている。
まず、LEDチップ2が複数形成された基板10を用意し、この基板10の表面にフォトレジスト材料を適宜な溶剤に溶かして、スピンコートなどにより塗布する。これによりフォトレジスト層20が形成される。そして、このフォトレジスト層20が付いた基板10を、回転ステージ55にチャックさせる。このとき、回転ステージ55の回転中心と基板10の中心とを合わせる。
このとき、制御装置58がレーザ光源51を発光させる(本実施形態では、厳密には、出力が低い状態から、フォトレジスト層20を変形可能な程度に出力を高くすることであるが、以下、単に「発光」という。)時間は、図4に示すように、形成しようとする凹部同士のピッチに対応する走査時間を100%として15%程度の時間である。本明細書においては、この比率を「duty比」と称する。具体的には、レーザ光が図4に示す走査経路S1上を走査し、凹部21の、走査経路S1における上流側の端から、次の凹部21の上流側の端まで至るまでの時間がWPであったとすると、このWPだけの時間発光していればduty比は100%となる。本実施形態では、実際に発光するのは、W1の時間であり、duty比でいうと15%程度となっている。
また、レーザ光の出力が所望の値まで高くなるのには、実際には僅かな時間がかかる。そのため、レーザ光の十分な出力を得て凹部21の加工を可能にする観点からは、duty比は、15%以上であるのがより望ましく、20%以上であるのがさらに望ましい。
なお、線速が高い場合には、フォトレジスト材料を加工するのに十分な熱が供給されるようにするため、duty比を大きくするか、レーザの出力を高くするとよい。
例えば、前記実施形態においては、本発明の製造対象となるパターン形成体としてのワーク1は、基板10の上のフォトレジスト層20に凹凸形状を形成し、これ自体により界面の光透過率を向上させていたが、このフォトレジスト層20をマスクとして、エッチング工程またはメッキなどの膜形成工程により凹凸を形成し、基板10自体の凹凸または膜による凹凸を界面の光透過率を向上させる構造としてもよい。
このように、パターン形成体は、フォトレジスト材料以外の材料で凹凸のパターンが形成されていてもよい。
従って、フォトレジスト層に含有されるフォトレジスト材料としては、色素等の有機化合物が挙げられる。なお、フォトレジスト材料としては、有機材料に限られず、無機材料または無機材料と有機材料の複合材料を使用できる。ただし、有機材料であると、成膜をスピンコートやスプレー塗布により容易にでき、転移温度が低い材料を得易いため、有機材料を採用するのが好ましい。また、有機材料の中でも、光吸収量が分子設計で制御可能な色素を採用するのが好ましい。
例えば、レーザ光源の発振波長が780nm付近(近赤外領域)であった場合、ペンタメチンシアニン色素、ヘプタメチンオキソノール色素、ペンタメチンオキソノール色素、フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素などから選択することが有利である。この中でも、フタロシアニン色素またはペンタメチンシアニン色素を用いるのが好ましい。
また、レーザ光源の発振波長が660nm付近(可視領域)であった場合は、トリメチンシアニン色素、ペンタメチンオキソノール色素、アゾ色素、アゾ金属錯体色素、ピロメテン錯体色素などから選択することが有利である。
さらに、レーザ光源の発振波長が405nm付近(近紫外領域)であった場合は、モノメチンシアニン色素、モノメチンオキソノール色素、ゼロメチンメロシアニン色素、フタロシアニン色素、アゾ色素、アゾ金属錯体色素、ポルフィリン色素、アリリデン色素、錯体色素、クマリン色素、アゾール誘導体、トリアジン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、1−アミノブタジエン誘導体、キノフタロン系色素などから選択することが有利である。
ここで、「誘導体」とは、例えばトリアジン誘導体であれば、トリアジン骨格を有する化合物のことを指す。
なお、上記の上限値及び下限値は、それぞれが任意で組み合わせることができる。
ここで、フォトレジスト層は、単層でも重層でもよく、重層構造の場合、塗布工程を複数回行うことによって形成される。
塗布液中の色素の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、或いは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中には、更に、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
フォトレジスト層は、スピンコート法による形成に有利であるという点から、有機溶媒に対して0.3wt%以上30wt%以下で溶解することが好ましく、1wt%以上20wt%以下で溶解することがより好ましい。特にテトラフルオロプロパノールに1wt%以上20wt%以下で溶解することが好ましい。また、フォトレジスト材料は、熱分解温度が150℃以上500℃以下であることが好ましく、200℃以上400℃以下であることがより好ましい。
塗布の際、塗布液の温度は、23〜50℃の範囲であることが好ましく、24〜40℃の範囲であることがより好ましく、中でも、25〜30℃の範囲であることが特に好ましい。
褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。
その具体例としては、特開昭58−175693号公報、同59−81194号公報、同60−18387号公報、同60−19586号公報、同60−19587号公報、同60−35054号公報、同60−36190号公報、同60−36191号公報、同60−44554号公報、同60−44555号公報、同60−44389号公報、同60−44390号公報、同60−54892号公報、同60−47069号公報、同63−209995号公報、特開平4−25492号公報、特公平1−38680号公報、及び同6−26028号公報等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、色素の量に対して、通常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
この色素の吸収ピークの波長は、必ずしも可視光の波長域内であるものに限定されず、紫外域や、赤外域にあるものであっても構わない。
また、フォトレジスト層の厚さtと、凹部の直径dとは、以下の関係であることが好ましい。すなわち、フォトレジスト層の厚さtの上限値は、t<10dを満たす値とするのが好ましく、t<5dを満たす値とするのがより好ましく、t<3dを満たす値とするのがさらに好ましい。また、フォトレジスト層の厚さtの下限値は、t>d/100を満たす値とするのが好ましく、t>d/10を満たす値とするのがより好ましく、t>d/5を満たす値とするのがさらに好ましい。なお、このように凹部の直径dとの関係でフォトレジスト層の厚さtの上限値および下限値を設定すると、前述と同様に、エッチングマスクとしての効果や、加工速度の向上等を発揮することができる。
実施例としては、下記のフォトレジスト材料を20mg/mlでTFP(テトラフルオロプロパノール)溶剤に溶解した塗布液を調製し、当該塗布液を直径4インチ(約10cm)のシリコン基板に、スピンコートにより100nmの厚さで塗布してフォトレジスト層を形成した。
その結果、実施例1〜3のように、duty比が10〜40%の範囲で、高い穴間高さを確保できた。しかし、線速が4m/sの場合には、熱が溜まってしまい、穴間高さが低くなった。
2 LEDチップ
10 基板
20 フォトレジスト層
21 凹部
50 レーザ加工装置
51 レーザ光源
52 リニアアクチュエータ
53 ガイドレール
55 回転ステージ
56 エンコーダ
58 制御装置
S1 走査経路
Claims (8)
- 点状のパターンが配列して形成されたパターン形成体の製造方法であって、
ヒートモードの形状変化が可能なフォトレジスト層を有する基板を準備する準備工程と、
前記フォトレジスト層に対し電磁ビームを走査させながら照射して前記フォトレジスト層の一部を除去する露光工程と、を有し、
前記露光工程において、電磁ビームを発光させる時間を、前記フォトレジスト層に形成すべき凹部の走査方向におけるピッチに対応する走査時間に対して10〜40%とすることを特徴とするパターン形成体の製造方法。 - 前記フォトレジスト層に対して電磁ビームを走査させる線速を6〜200m/sとすることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成体の製造方法。
- 前記露光工程の後、前記フォトレジスト層をマスクとして前記基板をエッチングするエッチング工程を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパターン形成体の製造方法。
- 前記露光工程の後、前記フォトレジスト層に形成された凹部から露出した基板上に膜を形成する膜形成工程と、
前記フォトレジスト層を除去する除去工程とを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパターン形成体の製造方法。 - 前記フォトレジスト層の厚さを1〜10000nmの範囲内とすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のパターン形成体の製造方法。
- 前記フォトレジスト層が、モノメチンシアニン色素、モノメチンオキソノール色素、フタロシアニン色素、アゾ色素、アゾ金属錯体色素、ポルフィリン色素、アリリデン色素、クマリン色素、アゾール誘導体、トリアジン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、1−アミノブタジエン誘導体およびキノフタロン系色素から選択される少なくとも1種以上の色素からなることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のパターン形成体の製造方法。
- 電磁ビームの出力を4〜200mWとすることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のパターン形成体の製造方法。
- 点状のパターンが配列して形成されたパターン形成体を製造する電磁ビーム加工装置であって、
ヒートモードの形状変化が可能なフォトレジスト層を有する基板を保持するホルダと、
電磁ビームを発する光線源と、
前記フォトレジスト層に対し、前記光線源で発する電磁ビームを走査させる走査手段と、
前記光線源から発する電磁ビームの出力を変化させるよう制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、点状の凹部を前記フォトレジスト層に形成するため、前記フォトレジスト層に形成すべき凹部の走査方向におけるピッチに対応する走査時間に対して10〜40%の発光時間で前記電磁ビームを発光させることを特徴とする電磁ビーム加工装置。
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