JP2011210883A - 凹凸構造体の製造方法、発光素子、潜像保持体、発光素子前駆体、及び発光素子の製造方法。 - Google Patents

凹凸構造体の製造方法、発光素子、潜像保持体、発光素子前駆体、及び発光素子の製造方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】ヒートモード型の記録材料で構成されたレジスト層を用いた凹凸構造体の製造方法において、アブレーションやレーザ光の照射後に現像を行うことなく直接エッチングを行って均一な微細凹凸構造を形成することができる凹凸構造体の製造方法、この製造方法を応用した発光素子、発光素子の製造方法等を提供する。
【解決手段】被加工物上に積層されたヒートモード型の記録材料で構成されたレジスト層にレーザ光を照射して複数の潜像部を形成し、潜像部が形成されたレジスト層をマスクとして被加工物をエッチングして、潜像部及び潜像部の下方に在る被加工物の一部を除去して、被加工物の表面に複数の凹部を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、凹凸構造体の製造方法、発光素子、潜像保持体、発光素子前駆体、及び発光素子の製造方法に関する。
発光ダイオード(LED)等の発光素子は、単結晶基板上に半導体結晶層をエピタキシャル成長させて得られたエピタキシャルウエハを、素子単位に個片化して製造されている。一般にLEDは発光効率が低い。これは光取り出し側の半導体結晶層の屈折率が空気よりも高く、空気との界面で発光光が反射されて、光取り出し効率が低下することに起因する。例えば、窒化ガリウム(GaN)の屈折率nは2.4である。
光取り出し効率を向上させるために、半導体結晶層の表面にサブミクロンオーダ(0.1μm以上1μm未満)の微細凹凸構造を形成したLEDが種々提案されている。また、LED以外にも、フォトニック結晶構造等の微細凹凸構造を利用した光デバイスが種々提案されている。
上記の微細凹凸構造は、半導体結晶層の表面にレジスト膜を成膜し、このレジスト膜を用いたフォトリソグラフィーにより形成される。フォトリソグラフィーは、レジスト膜をパターン状に露光・現像してレジストマスクを形成し、形成されたレジストマスクを用いてエッチングを行う等して、加工対象物の表面に凹凸パターンを形成する技術である。フォトリソグラフィーには、加工精度の高い電子線露光、深紫外(Deep UV)レーザ露光(例えば、波長λ=248nm)、半導体レーザを用いた超解像露光などの技術が用いられる。レジスト膜もサブミクロンオーダの厚さで成膜しなければならない。
また、微細凹凸構造を形成する他の技術として、レーザ光の照射により固体材料を分解除去して凹部を形成する「レーザ・アブレーション(以下、「アブレーション」という。)」がある。アブレーションによれば、レジスト膜又は加工対象物の表面に、微細な凹凸パターンを直接形成することができる。しかしながら、アブレーションでは、加工時に固体材料が分解して飛散し、この分解飛散物が加工表面に付着して残存するという問題がある。
そこで、基板上のレジスト膜にアブレーションを起こさせるには不十分なレーザ光を照射し、レーザ光が照射されたレジスト膜を剥離する技術が提案されている(特許文献1、特許文献2)。これらの技術は、レーザ光が照射されたレジスト膜に振動・衝撃を与えて、基板からのレジスト膜の剥離を促進するものである。レジスト膜の剥離方法が異なっていても、結局は、現像によりレジストマスクを形成するのと大差がない。
特表2002−535701号公報 特開2008−42017号公報
従来、CD−R等の光情報記録媒体の記録層に、ヒートモード型の記録材料が用いられていた。光情報記録媒体では、ヒートモード型の記録材料層にレーザ光を照射し、光照射による光熱変換により、気化、昇華、分解等の物理的又は化学的変化を引き起こすことで、記録材料を移動又は消失させてピットと称される記録部が形成されていた。光情報記録媒体の記録材料層は2枚の基板に挟持されており、ピットは光情報記録媒体内に形成されたキャビティとなる。
近時、ヒートモード型の記録材料層をレジスト膜として用い、続けてエッチングを行うことで、加工対象物の表面に微細凹凸パターンを形成する技術が提案されている。ピットを形成するのと同様の原理で、ヒートモード型の記録材料層がアブレーションされて微小凹部が形成される。レーザ光のビームスポットの光強度分布を調整することで、アブレーションにより加工対象物にビームスポット径以下の微小凹部を、レーザ光の波長オーダのピッチ(波長と同程度又は波長以下の間隔)で形成することも可能である。微小凹部が形成されたレジスト膜をマスクとして、エッチングにより微細凹凸パターンを形成する。
ヒートモード型の記録材料層のアブレーションにおいても、分解飛散物が加工表面に付着するという問題が発生する。また、加工表面に分解飛散物が付着した状態で、アブレーションにより形成したレジストマスクを用いてエッチングを行うと、加工対象物のエッチング精度が低下する。即ち、均一にエッチングを行うことが困難となる。凹凸パターンの微細化が進むほど、分解飛散物の付着の問題は顕著となる。
本発明は、上記事情に鑑み成されたものであり、本発明の目的は、ヒートモード型の記録材料で構成されたレジスト層を用いた凹凸構造体の製造方法において、アブレーションやレーザ光の照射後に現像を行うことなく直接エッチングを行って均一な微細凹凸構造を形成することができる凹凸構造体の製造方法と、この製造方法を応用した発光素子及び発光素子の製造方法と、を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、レーザ光の照射により生成され且つ直接エッチングで除去して凹部を形成することが可能な潜像部を備えた潜像保持体と、この潜像保持体を備えた発光素子前駆体と、を提供することにある。
上記目的を達成するために各請求項に記載の発明は、以下の構成を備えたことを特徴としている。
請求項1に記載の発明は、被加工物上に積層されたヒートモード型の記録材料で構成されたレジスト層にレーザ光を照射して、前記レーザ光の波長オーダのピッチで複数の潜像部を形成する潜像形成工程と、前記潜像部が形成されたレジスト層をマスクとして前記被加工物をエッチングし、前記潜像部及び前記潜像部の下方に在る前記被加工物の一部を除去して、前記被加工物の表面に複数の凹部を形成するエッチング工程と、を含む凹凸構造体の製造方法である。
請求項2に記載の発明は、前記ヒートモード型の記録材料の膜軟化温度が280℃以上である請求項1に記載の凹凸構造体の製造方法である。
請求項3に記載の発明は、前記潜像形成工程において、前記ヒートモード型の記録材料に応じて物理的な開口を形成するのに必要な閾値エネルギー未満の露光エネルギーで前記レジスト層にレーザ光を照射する請求項1又は2に記載の凹凸構造体の製造方法である。
請求項4に記載の発明は、前記露光エネルギーは、前記閾値エネルギーの90%以下のエネルギーである請求項3に記載の凹凸構造体の製造方法である。
請求項5に記載の発明は、前記レーザ光の波長が405nm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の凹凸構造体の製造方法である。
請求項6に記載の発明は、前記被加工物が発光素子であり、前記発光素子の光取り出し側の半導体層上に前記レジスト層が形成される請求項1〜5のいずれか1項に記載の凹凸構造体の製造方法である。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の凹凸構造体の製造方法により製造される凹凸構造体を用いた発光素子であって、発光素子用の半導体積層構造の取り出し側の半導体層上に前記凹凸構造体を付加した、発光素子である。
請求項8に記載の発明は、膜軟化温度が280℃以上であるヒートモード型の記録材料で構成されたレジスト層を備え、レーザ光の照射により前記レジスト層の一部に前記レーザ光の波長オーダのピッチで複数の潜像部が形成された潜像保持体である。
請求項9に記載の発明は、前記ヒートモード型の記録材料に応じて物理的な開口を形成するのに必要な閾値エネルギー未満の露光エネルギーでレーザ光が照射されて、前記レジスト層に前記複数の潜像部が形成された請求項8に記載の潜像保持体である。
請求項10に記載の発明は、発光素子用の半導体積層構造と、前記半導体積層構造の光取り出し側の半導体層上に形成されると共に、ヒートモード型の記録材料で構成されたレジスト層を備え、レーザ光の照射により前記レジスト層の一部に前記レーザ光の波長オーダのピッチで複数の潜像部が形成された潜像保持層と、を備えた発光素子前駆体である。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の発光素子前駆体を用いた発光素子の製造方法であって、前記潜像部が形成された前記潜像保持層をマスクとして前記発光素子前駆体をエッチングし、前記潜像部及び前記潜像部の下方に在る前記半導体積層構造の一部を除去して、前記半導体積層構造の光取り出し側の半導体層の表面に複数の凹部を形成する、発光素子の製造方法である。
本発明の凹凸構造体の製造方法によれば、ヒートモード型の記録材料で構成されたレジスト層を用いた凹凸構造体の製造方法において、アブレーションを利用する場合に比べて低エネルギーであり、且つアブレーションやレーザ光の照射後に現像を行うことなく直接エッチングを行って均一な微細凹凸構造を形成することができる、という効果がある。
本発明の発光素子によれば、本発明の凹凸構造体の製造方法を用いて、発光素子の半導体積層構造の取り出し側の半導体層上に均一な微細凹凸構造が形成される、という効果がある。
本発明の潜像保持体によれば、その潜像部はレーザ光の照射により生成され且つ直接エッチングで除去して凹部を形成することが可能である、という効果がある。
本発明の発光素子前駆体によれば、その潜像保持層に形成された潜像部はレーザ光の照射により生成され且つ直接エッチングで除去して凹部を形成することが可能である、という効果がある。
本発明の発光素子の製造方法によれば、本発明の発光素子前駆体を用いた発光素子の製造方法において、レーザ光の照射後に現像を行うことなく直接エッチングを行って均一な微細凹凸構造を形成することができる、という効果がある。
(A)〜(C)は本発明の実施の形態に係る凹凸構造体の製造方法の各工程を示す図である。 レジスト層に微小潜像が形成される様子を示す模式図である。 潜像形成工程で用いられる露光装置の構成の一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態に係るLED素子の構造を概略的に示す断面図である。 LED素子の半導体結晶層の表面の部分拡大図である。 (A)〜(C)は実施例及び比較例の各工程における被加工物表面のAFM像を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
<凹凸構造の製造方法>
まず、被加工物の表面に複数の凹部が形成された凹凸構造体の製造方法について説明する。凹凸構造体の製造方法は、被加工物上に積層されたレジスト層にレーザ光を照射して複数の潜像部を形成する潜像形成工程と、潜像部が形成されたレジスト層をマスクとして被加工物をエッチングして被加工物の表面に複数の凹部を形成するエッチング工程と、を含んで構成されている。
図1(A)〜(C)は、本発明の実施の形態に係る凹凸構造体の製造方法の各工程を示す図である。図2はレジスト層に微小潜像が形成される様子を示す模式図である。図3は潜像形成工程で用いられる露光装置の構成の一例を示す概略図である。
(潜像形成工程)
まず、図1(A)に示すように、微細凹凸構造を形成する被加工物10を用意する。被加工物10としては、ポリカーボネート等のプラスチック基板、ガラス基板、シリコン等の半導体基板等の汎用基板の外に、太陽電池、発光ダイオード(LED)、フラットパネルディスプレイ等、光学デバイス用の基板が用いられる。これらの光学デバイスでは、光取り出し側の表面又はその表面を構成する部材に凹凸パターンを形成することで、反射現象を抑制して光取り出し効率を向上させることができる。例えば、LED用の基板としては、単結晶基板上に半導体結晶層をエピタキシャル成長させて得られたLEDウエハを用いることができる。LED素子は、LEDウエハを素子単位に個片化して製造されている。
次に、被加工物10上に、ヒートモード型の記録材料からなるフォトレジスト層12を成膜する。ヒートモード型の記録材料は、レーザ光の照射による光熱変換により、物理的又は化学的変化を引き起こす。ヒートモード型の記録材料は、その物性に応じて、スピンコート、ディップコート、蒸着等の成膜法によって形成することができる。ヒートモード型の記録材料が有機レジスト材料であれば、一般には、スピンコートにより塗布されて、フォトレジスト層12が成膜される。
フォトレジスト層12の膜厚は、エッチング条件等に応じて任意に設定可能である。例えば、サブミクロンオーダの微細凹凸構造を形成する場合には、フォトレジスト層12もサブミクロンオーダの厚さで成膜する。フォトレジスト層12の膜厚の上限値は、200nm以下が好ましく、150nm以下がより好ましい。フォトレジスト層12の膜厚の下限値は、50nm以上が好ましく、75nm以上がより好ましく、100nm以上が更に好ましい。
図1(A)に示すように、フォトレジスト層12にレーザ光を照射して複数の潜像部14を形成する。即ち、アブレーションを起こさない程度のレーザ光をフォトレジスト層12に照射して、フォトレジスト層12の表面が除去された凹部ではなく、潜像部14を形成する。潜像部14とは、レーザ光の照射による光熱変換により、物理的又は化学的変化を生じている部分をいう。通常、レーザ露光時のフォトレジスト層12は、厚さ方向の中央部分又はその下層部分の温度が高く、表面の温度は低い。このため、フォトレジスト層12内の温度分布に応じて、フォトレジスト層12内部に潜像部14が形成される。
フォトレジスト層12に物理的な開口を形成するのに必要な露光エネルギー(レーザパワー)を「閾値エネルギー」とする。「閾値エネルギー」は、フォトレジスト層12に用いられるヒートモード型の記録材料に応じて定まるパラメータである。従って、「閾値エネルギー」未満の露光エネルギーでは、アブレーションによってフォトレジスト層12に凹部が形成されることはない。フォトレジスト層12に潜像部14を形成するには、フォトレジスト層12を露光するときの「露光エネルギー」を、閾値エネルギーの90%以下の範囲とすることが好ましい。露光エネルギーの上限値は、閾値エネルギーの85%以下がより好ましい。露光エネルギーの下限値は、閾値エネルギーの75%以上が好ましく、79%以上がより好ましい。
図2に示すように、フォトレジスト層12にレーザ光を照射してパターンを形成する場合には、ビームスポット18より大幅に小さい微小な潜像部14を形成することが可能になる。また、潜像部14を形成する場合の露光エネルギーは、アブレーションにより凹部を形成する場合の露光エネルギーより小さくて済み、低エネルギーでの加工が可能となると共に、更に微小な潜像部14を形成することが可能になる。本実施の形態では、複数の潜像部14に対応する複数の凹部が同じ形状で規則的に配列されるように、フォトレジスト層12に複数の潜像部14が形成される。ここで規則的配列とは、正方格子配列、三角格子配列等である。
なお、後述する通り、潜像形成工程では、ターンテーブルにディスク状の加工対象物を載せて回転させながら、レーザ光のビームスポットを径方向に移動させることによりレーザ加工を行う「rθ加工」用の露光装置を用いる。アブレーションにより凹部を形成する場合の露光エネルギーは、一般には、線速度が10m/秒下で、レーザパワー(レーザ光の単位面積当たりの照射強度)が4mW〜20mWの範囲となるように定められる。例えば、線速度が10m/秒下では、レーザパワーを3.6mW〜18mWの範囲とすればよい。また、潜像部14の形状(幅、長さ、深さ)は、露光時のレーザ光パワー、パルス幅、パルス発生シークエンス等の最適化により制御される。
ヒートモード型の記録材料としては、従来、CD−R、DVD−R等の光情報記録媒体の記録層に使用されてきた種々の記録材料を用いることができる。例えば、シアニン系、フタロシアニン系、キノン系、スクワリリウム系、アズレニウム系、チオール錯塩系、メロシアニン系などの記録材料を用いることができる。
アブレーションを起こすことなくフォトレジスト層12に潜像部14を形成するためには、膜軟化温度がより大きなヒートモード型の記録材料を用いることが好ましい。膜軟化温度の測定限界(上限値)は500℃であるが、膜軟化温度が測定限界を超えるヒートモード型の記録材料も潜像部14の形成に用いることができる。記録材料の膜軟化温度の下限値は、280℃以上が好ましく、350℃以上がより好ましい。なお、潜像部14を形成するのに好適なヒートモード型の記録材料の具体例及び成膜方法等の詳細は後述する。
ここで「膜軟化温度」とは、特開2008−273122号公報の段落0011に記載される膜軟化温度と同義であり、以下の方法により測定される値をいうものとする。
(測定方法)
適当な溶媒、例えばテトラフルオロプロパノール1mlに色素20mgを溶解したものを、スピンコータでガラス基板上に塗布し(塗布条件:室温(24℃程度)、回転数100rpm)、塗布膜厚が300nm程度の膜軟化温度測定用塗布膜を作製する。次に、ティー・エイ・インスツルメント(TA Instruments)社製2990型マイクロサーマルアナライザー(μTA)を用い、昇温時の塗布膜への針の進入開始温度を測定し、該温度を膜軟化温度とする。
また、微小な潜像部14を形成するためには、レーザ光のビームスポットを絞る必要がある。例えば、記憶容量25GBのBD-ROM(BD:ブルーレイ・ディスク)のピットは、規格に応じて以下の形状に作製される。トラックピッチ:約0.32μm、最短ピット長:0.15μm、ピット半値幅:約0.32μm、ピット深さ:約50nm。従って、BD-ROMのピット程度の微小な潜像部14を形成するには、発振波長405nmの短波長のレーザ光源と、NA0.85以上の高NAの対物レンズとが必要になる。この場合には、後述する光源の発振波長が405nm付近である場合に好適な記録材料を用いることが好ましい。
(エッチング工程)
次に、図1(B)及び(C)に示すように、潜像部14が形成されたフォトレジスト層12をマスクとして、被加工物10をエッチングする。エッチングの進行に従い、フォトレジスト層12の潜像部14、当該潜像部14の下方に在る被加工物10の一部が、順次除去されて、被加工物10の表面に凹部16が形成される。エッチング方法には、現像液など腐食性の液体を用いたウェットエッチングと、反応性の気体を用いたドライエッチングとがある。微細凹凸構造の形成には、ドライエッチングがより好適である。ドライエッチング手法としては、ガスエッチング、プラズマエッチング、イオンエッチング、反応性イオンエッチング(RIE)等を用いることができる。
以上の通り、本実施の形態では、エッチング工程より前には、被加工物10の表面は露出しておらず、フォトレジスト層12で覆われている。しかしながら、エッチングにより潜像部14の下方に在る被加工物10の一部が除去されて、凹部16が形成される。即ち、潜像部14が形成されたフォトレジスト層12は、レジストマスクとして機能する。従って、現像処理を行わずにレジストマスクを形成することができ、直接、エッチング処理を行うことができる。このように、微細凹凸構造を形成する加工工程が簡略化されることで、加工時間も短縮される。
また、フォトレジスト層12はアブレーションを起こすことなく露光されて、フォトレジスト層12には潜像部14が形成されている。アブレーションにより凹部が形成されないので、フォトレジスト層12の表面等の加工表面(エッチングされる表面)には、分解飛散物が付着していない。このため分解飛散物の付着により凹部16の輪郭が変形することがなく、潜像部14に対応して均一な形状の凹部16が形成される。また、潜像部14を形成する場合の露光エネルギーは、アブレーションにより凹部を形成する場合の露光エネルギーより小さく、低エネルギーでの加工が可能となる。
<露光装置>
次に、上記の潜像形成工程で用いられる露光装置について簡単に説明する。図3は潜像形成工程で用いられる露光装置の構成の一例を示す概略図である。この露光装置には、ディスク状の被加工物10がセットされるターンテーブル51が設けられている。フォトレジスト層12の成膜が終了した被加工物10は、レジスト成膜面が上側(即ち、レーザ光が照射される側)を向いて配置されるように、ターンテーブル51上にセットされる。
また、この露光装置には、フォトレジスト層12を露光するレーザ光を発生するレーザ光源32が設けられている。レーザ光源32は、データ信号31等の各種信号に基づいてレーザ光源32を駆動制御するレーザ駆動回路34に接続されている。なお、図示は省略するが、レーザ駆動回路34と同様に、露光装置の各部を駆動制御するための信号を生成する信号生成部が設けられている。
レーザ光源32の光射出側には、コリメータレンズ34及びビームスプリッタ36が、レーザ光源32側からこの順に配置されている。ビームスプリッタ36の光透過側には対物レンズ38が配置されている。例えば、BD-ROM程度の微細加工を行うためには、発振波長405nmの短波長のレーザ光源32と、NA0.85以上の高NAの対物レンズ38とが必要になる。
一方、ビームスプリッタ36の光出射側には、集光レンズ40及び分割フォトディテクタ42が、ビームスプリッタ36側からこの順に配置されている。また、対物レンズ38の近傍には、対物レンズ38の高さ方向の位置調整を行うフォーカスアクチュエータ44が配置されている。図示は省略するが、ターンテーブル51には送り機構が設けられており、フォーカスアクチュエータ44に駆動されて、フォトレジスト層12の露光位置を精度良く変えることができる。
上記の露光装置では、レーザ光源32から射出されたレーザ光は、コリメータレンズ34で平行光化され、ビームスプリッタ36を透過する。ビームスプリッタ36を透過したレーザ光は、対物レンズ38で集光され、被加工物10のフォトレジスト層12にフォーカシングされて照射される。また、被加工物10(のフォトレジスト層12)からの反射光は、ビームスプリッタ36で反射され、集光レンズ40で集光されて、分割フォトディテクタ42上で結像される。
分割フォトディテクタ42は、フォトレジスト層12からの反射光を検出し、この検出結果に基づいてフォーカス誤差信号46を生成し、フォーカスアクチュエータ44に送信する。フォーカスアクチュエータ44は、受信したフォーカス誤差信号46に基づいて、ターンテーブル51を回転させ、対物レンズ38の高さ方向の位置調整を行う。
また、この露光装置においては、データ信号31、反射光量信号50、及びトラッキング誤差信号48に基づいて、レーザ駆動回路34がレーザ光源32を制御しながら露光又はフォーカシングを行う。さらに、ターンテーブル51の回転軸にはスピンドルモータ制御系53が設けられている。このスピンドルモータ制御系53により、光学系の半径位置と所望の線速度とに基づいて、最適なスピンドル回転数を設定しスピンドルモータの制御を行う。
レーザ加工時には、低パワーのレーザ光を用いてフォーカシングをかけた後、所望の半径位置にターンテーブル51を移動させる。ここでは、対物レンズ38等の光学系の面内方向の位置を固定し、ターンテーブル51を移動させることによってフォトレジスト層12の露光位置を変えることとするが、勿論、被加工物10を載置したターンテーブル51を固定し光学系の位置を変化させてもよい。
そして、ターンテーブル51を回転させながら、レーザ光源32から潜像部14の形性パターンに応じて所望のパワーで強度変調されたレーザ光を照射して、フォトレジスト層12を露光する。ターンテーブル51を回転させながら、ディスク状の被加工物10の半径方向にターンテーブル51を連続的に又は僅かな距離ずつ移動させることにより、フォトレジスト層12に複数の潜像部14が、同心円状又はスパイラル状に形成される。
<凹凸構造を備えた発光素子>
LEDウエハを被加工物として用い、上記の凹凸構造体の製造方法を用いてLEDウエハの半導体結晶層の表面に微細凹凸構造を形成し、微細凹凸構造が形成されたLEDウエハを素子単位に個片化して、光取出し側の半導体結晶層の表面に微細凹凸構造を備えたLED素子を製造することができる。
次に、上記のLEDウエハを用いて作製されたLED素子の構造について説明する。図4は、本発明の実施の形態に係るLED素子(発光素子)の構造を概略的に示す断面図である。図4に示すように、LED素子20は、単結晶基板22、半導体結晶層30、コンタクト層52、p側電極54、n側電極56、及び保護膜58を備えている。コンタクト層52は、インジウムすず酸化物(ITO)等の透明な導電性材料で構成することができる。p側電極54及びn側電極56は、金(Au)等の金属などで構成することができる。保護膜58は、金属酸化物等の絶縁材料で構成することができる。
半導体結晶層30は、n型半導体層24、発光層26及びp型半導体層28から構成されている。n型半導体層24、発光層26及びp型半導体層28は、単結晶基板22上に順次エピタキシャル成長させて形成されている。この構造は、単結晶基板22上に半導体結晶層30が形成された「LEDウエハ」を用いて作製されている。即ち、「LEDウエハ」の半導体結晶層30には、n型半導体層24、発光層26及びp型半導体層28が、単結晶基板22側からこの順に積層されている。LED素子20の光取り出し側となるp型半導体層28の表面には、後述するとおり、上記の凹凸構造体の製造方法を用いて微細凹凸構造が形成されている。
半導体結晶層30は、窒化ガリウム(GaN)系半導体、ガリウム砒素(GaAs)系半導体、インジウム・ガリウム・アルミニウム。リン(InGaAlP)系半導体、酸化亜鉛(ZnO)系半導体等で構成することができる。例えば、GaN系のLEDウエハでは、サファイア基板上に、n-GaN層、発光層及びp-GaN層が積層されている。半導体結晶層30は、有機金属気相成長法(MOVPE)、分子線エピタキシャル成長法(MBE)等、公知のエピタキシャル成長法を用いて形成することができる。半導体結晶層30を構成する半導体は、所望のLEDの発光波長・発光輝度等に応じて適宜選択される。LEDの発光波長は、紫外領域(例えば、200nm)から赤外領域まで幅広く選択することができる。
また、半導体結晶層30は、n型半導体層24、発光層26及びp型半導体層28の一部が、n型半導体層24の途中までドライエッチングにより除去されてメサ状に形成されている。エッチングにより露出されたn型半導体層24の表面には、n側電極56が形成されている。一方、p型半導体層28上には、コンタクト層52を介して、p側電極54が形成されている。また、n型半導体層24、発光層26、p型半導体層28及びコンタクト層52の表面と、p側電極54及びn側電極56の側面とを覆うように、保護膜58が形成されている。
図5はLED素子の半導体結晶層の表面の部分拡大図である。上記のLEDウエハを用いて作製されたLED素子20は、半導体結晶層30の表面、即ち、p型半導体層28の表面に、微細凹凸構造が形成されている。p型半導体層28の表面の一部60を拡大して、微細凹凸構造の詳細を説明する。図5に示すように、p型半導体層28の表面には、円孔62が規則的に穿設されたフォトニック結晶構造が形成されている。この例では、円孔62が正方格子状に配列された二次元のフォトニック結晶構造とされている。
p型半導体層28の表面にフォトニック結晶構造を形成することにより、LED素子20の光取り出し効率が向上する。例えば、円孔62の開口径Xを1μm以下であると共に、円孔62のピッチYとしたときのXY比(=開口径X/ピッチY)の値が1以下となるように、フォトニック結晶構造の格子配列を設計すると、LED素子20の光取り出し効率が顕著に向上する。円孔62の深さZは、例えば0.1μm〜0.2μm程度とすることができる。
なお、上記の実施の形態では、発光素子がLEDである場合について説明したが、エピタキシャルウエハを個片化して作製される発光素子であればよく、半導体レーザ等、他の半導体発光素子であってもよい。
<ヒートモード型の記録材料>
次に、ヒートモード型の記録材料の具体例について説明する。ヒートモード型の記録材料としては、従来、光記録ディスクなどの記録層に使用されてきた色素型の記録材料を用いることができる。色素型の記録材料の好適な例としては、メチン色素(シアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素、オキソノール色素、メロシアニン色素など)、大環状色素(フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、ポリフィリン色素など)、アゾ色素(アゾ金属キレート色素を含む)、アリリデン色素、錯体色素、クマリン色素、アゾール誘導体、トリアジン誘導体、1−アミノブタジエン誘導体、桂皮酸誘導体、キノフタロン系色素などが挙げられる。
これらの中でも、レーザ光により一回限りの情報の記録が可能な「記録層」に用いられる色素型の記録材料が好ましい。有機化合物の記録材料は、溶剤に溶かしてスピンコートやスプレー塗布により膜を形成することができるので、生産性に優れるからである。かかる色素型の記録材料層は、記録波長領域に吸収を有する色素を含有していることが好ましい。特に、光の吸収量を示す消衰係数kの値は、その上限が、1以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましく、0.3以下であることが最も好ましい。
その理由は、消衰係数kが高すぎると、記録材料層の光の入射側から反対側まで光が届かず、不均一なピットPが形成されるからである。また、消衰係数kの下限値は、0.0001以上であることが好ましく、0.001以上であることがより好ましく、0.1以上であることがさらに好ましい。その理由は、消衰係数kが低すぎると、光吸収量が少なくなるため、その分大きなレーザパワーが必要となり、加工速度の低下を招く場合があるからである。
なお、記録材料層は、上記したように記録波長において光吸収があることが必要であり、このような観点から、レーザ光を出射する光源の波長に応じて適宜色素を選択したり、構造を改変したりすることができる。
例えば、レーザ光源の発振波長が780nm付近であった場合、ペンタメチンシアニン色素、ヘプタメチンオキソノール色素、ペンタメチンオキソノール色素、フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素等から選択することが有利である。
また、光源の発振波長が660nm付近であった場合には、トリメチンシアニン色素、ペンタメチンオキソノール色素、アゾ色素、アゾ金属錯体色素、ピロメテン錯体色素等から選択することが有利である。
さらに、光源の発振波長が405nm付近であった場合には、モノメチンシアニン色素、モノメチンオキソノール色素、ゼロメチンメロシアニン色素、フタロシアニン色素、アゾ色素、アゾ金属錯体色素、ポルフィリン色素、アリリデン色素、錯体色素、クマリン色素、アゾール誘導体、トリアジン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、1−アミノブタジエン誘導体、キノフタロン系色素などから選択することが有利である。
以下、光源の発振波長が780nm付近であった場合、660nm付近であった場合、405nm付近であった場合に対し、記録材料としてそれぞれ好ましい化合物の例を挙げる。ここで、以下の化学式1,2で示す化合物(I−1〜I−10)は、光源の発振波長が780nm付近であった場合の化合物である。
また、化学式3,4で示す化合物(II−1〜II−8)は、光源の発振波長が660nm付近であった場合の化合物である。さらに、5,6で示す化合物(III−1〜III−14)は、光源の発振波長が405nm付近であった場合の化合物である。なお、本実施の形態は、これらを記録材料層に用いた場合に限定されるものではない。
光源の発振波長が780nm付近であった場合の記録材料層を構成する化合物の例を以下に示す。
光源の発振波長が660nm付近であった場合の記録材料層を構成する化合物の例を以下に示す。
光源の発振波長が405nm付近であった場合の記録材料層を構成する化合物の例を以下に示す。
また、特開平4−74690号公報、特開平8−127174号公報、同11−53758号公報、同11−334204号公報、同11−334205号公報、同11−334206号公報、同11−334207号公報、特開2000−43423号公報、同2000−108513号公報、及び同2000−158818号公報等に記載されている色素も好適に用いられる。
このような色素型の記録材料層は、色素を、結合剤などと共に適当な溶剤に溶解して塗布液を調整し、次いで、この塗布液を、基材上に塗布して塗膜を形成した後に、乾燥することにより形成される。その際、塗布液を塗布する面の温度は、10℃以上40℃以下の範囲であることが好ましい。より好ましくは、下限値が15℃以上であり、上限値としては、35℃以下であることがより好ましく、30℃以下であることが更に好ましく、27℃以下であることが特に好ましい。このように被塗布面温度が上記範囲にあると、塗布ムラや塗布故障の発生を防止し、塗膜の厚さが均一に調整される。
なお、上記の上限値及び下限値は、それぞれを任意で組み合わせればよい。ここで、記録材料層は、単層でも重層であってもよく、重層構造の場合、塗布工程を複数下位行うことによって形成される。
塗布液中の色素の濃度は、一般に、0.01質量%以上15質量%以下の範囲であり、好ましくは0.1質量%以上10質量%以下の範囲、より好ましくは、0.5質量%以上5質量%以下の範囲、最も好ましくは、0.5質量%以上3質量%以下の範囲である。
塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメエチルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサンなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサン等の炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンアルコール等のアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;等が挙げられる。
上記溶剤は、使用する色素の溶解性を考慮して単独で、或いは2種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中には、更に、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、ドクターブレード法、スクリーン印刷法等が挙げられる。なお、生産性に優れ膜厚のコントロールが容易であるという点で、スピンコート法を採用するのが好ましい。
記録材料層は、スピンコート法による形成に有利であるという点から、有機溶媒に対して0.3質量%以上30質量%以下で溶解することが好ましく、1質量%以上20質量%以下で溶解することがより好ましい。特にテトラフルオロプロパノールに1質量%以上20質量%以下で溶解することが好ましい。また、記録材料層を構成する化合物は、熱分解温度が150℃以上500℃以下であることが好ましく、200℃以上400℃以下であることがより好ましい。塗布の際、塗布液の温度は、23℃以上50℃以下の範囲であることが好ましく、24℃以上40℃以下の範囲であることがより好ましく、中でも、25℃以上30℃以下の範囲であることが特に好ましい。
塗布液が結合剤を含有する場合、結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴム等の天然有機高分子物質;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子;が挙げられる。
また、記録材料層には、記録材料層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させてもよい。褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。この一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載されているものが利用される。
以上、記録材料層が色素型記録層である場合の溶剤塗布法について述べたが、記録材料層は記録物質の物性に合わせて、蒸着、スパッタリング、CVD等の成膜法によって形成することもできる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
化7に記載の例示化合物(III-15)を、テトラフルオロプロパノールに15mg/ccの濃度で溶解して、フォトレジスト層形成用のレジスト液を得た。前記例示化合物(III-15)の膜軟化温度は280℃である。得られたレジスト液を、直径が100mmのシリコンウエハにスピンコート法で塗布・乾燥し、厚さ100nmのフォトレジスト層を形成したサンプル基板を得た。
レーザ発振波長405nm、NA=0.85の光学系を有するレーザ描画装置(パルステック工業(株)製NEO−1000)を用いて、フォトレジスト層を形成したサンプル基板を、レーザパワーを2.5mWから4.5mWまでの範囲で0.25mWずつ変化させながら、波長405nmのレーザ光をフォトレジスト層に照射した。凹凸構造体の複数の凹部が正方格子状に配列されると共に、凹凸構造体の互いに隣接する凹部の間隔が0.15μmとなるように、レーザ露光を行った。
図6(A)に示すように、描画後、エッチング前のフォトレジスト層の表面のAFM像を観察したところ、レーザパワーが3.0mW以下では、凹部が形成されなかった。即ち、アブレーションによる開口は見られず、フォトレジスト層の表面に僅かな隆起が見られた(中央)。また、レーザパワーが2.75mW以下では、表面に隆起などの変化は見られなかった(右側)。これに対して、レーザパワーが3.5mW以上では凹部が形成された。即ち、アブレーションによる開口が観察された(左側)。開口の周囲に分解飛散物が付着しているのも観察された(左側)。
レーザ描画後のサンプル基板に対し、SF6ガスを用いて150Wで60秒かけてRIEエッチング処理を行い、エッチング処理面のAFM像を観察した。図6(B)に示すように、レーザパワーが3.0mW以下では、潜像部が形成されたフォトレジスト層をマスクとしてエッチングされて、凹部が形成されていることが分かる(中央)。なお、レーザパワーが2.75mW以下では、エッチングにより僅かに凹部の形成が生じた。レーザパワーが2.75mW以下でも、僅かに潜像部が形成されていると推測される(右側)。これに対して、レーザパワーが3.5mW以上で凹部が形成されたフォトレジスト層をマスクとしてエッチングされて、開口径がやや大きな凹部が形成されていることが分かる(左側)。また、両者を比較すると、潜像部が形成されたフォトレジスト層のエッチング処理面には、より均一な形状の凹部が形成されていることが分かる(左側)
RIEエッチング処理80秒後のエッチング処理面のAFM像を観察したところ、図6(C)に示すように、レーザパワーが3.0mW以下で潜像部が形成されたフォトレジスト層をマスクとしてエッチングが進み、開口径約60nm、深さ50nmの凹部が均一に形成されていることが分かる(中央)。これに対して、レーザパワーが3.5mW以上で凹部が形成されたフォトレジスト層をマスクとしてエッチングが進むと、開口径が更に大きく形状の不均一な凹部が形成されていることが分かる(左側)。また、レーザパワーが2.75mW以下では、潜像形成が不十分であるため、凹部が形成されている部分と凹部が形成されていない部分とを生じていることが分かる(右側)。
<実施例2>
フォトレジスト層形成用の化合物を、化7に記載の例示化合物(III-16)とした以外は、実施例1と同様にして、厚さ100nmのフォトレジスト層を形成したサンプル基板を得た。前記例示化合物(III-16)の膜軟化温度は測定限界を超えたことから500℃以上と推定される。
実施例1と同様にして、フォトレジスト層にレーザ描画した後、エッチング前のフォトレジスト層の表面のAFM像を観察したところ、レーザパワーが2.75mW以下では表面に隆起などの変化は見られず、レーザパワーが3.0mW以下では潜像部が観察され、レーザパワーが3.5mW以上では凹部の形成(開口)が観察された。
また、実施例1と同様にしてエッチング処理を行い、エッチング後の処理表面のAFM像を観察したところ、レーザパワーが3.0mW以下で潜像部が形成されたフォトレジスト層をマスクとしてエッチングした場合には、凹部が均一に形成されていることが確認された。また、レーザパワーが2.75mW以下では、潜像形成が不十分で、開口径が小さく形状の不均一な凹部が形成されていることが確認された。これに対して、レーザパワーが3.5mW以上で凹部が形成されたフォトレジスト層をマスクとしてエッチングした場合には、開口径が大きく形状の不均一な凹部が形成されていることが確認された。
<比較例1>
フォトレジスト層形成用の化合物を、下記に記載の化合物とした以外は、実施例1と同様にして、厚さ100nmのフォトレジスト層を形成したサンプル基板を得た。下記に記載の化合物の膜軟化温度は190℃である。
実施例1と同様にして、フォトレジスト層にレーザ描画した後、エッチング前のフォトレジスト層の表面のAFM像を観察したところ、レーザパワーが2.5mW以上で凹部の形成(開口)と分解飛散物の付着が観察された。即ち、所望の大きさの開口径ではないがアブレーションが発生して開口し、潜像部を形成することはできなかった。また、レーザパワーを2.5mW未満とした場合にも、アブレーションを発生させずに潜像部を形成することはできなかった。なお、実施例1と同じ形状の開口を形成するには、レーザパワーが3.5mW以上必要であった。
以上の評価結果を下記表1にまとめる。なお、レーザパワーが4.0mW以上での評価結果、レーザパワーが2.5mW未満での評価結果については、変化が見られないため表示を省略する。
(1)潜像形成の評価に関しては、潜像形成が無い場合は「なし」、潜像形成が不十分な場合は「△」、潜像形成が良好な場合は「○」、潜像形成ではなくアブレーションが発生して凹部形成(開口)が生じた場合は「×」と表示した。
(2)飛散物汚れの評価に関しては、飛散物汚れが無い場合は「なし」、飛散物汚れがない場合は「○」、アブレーションによる飛散物汚れがある場合は「×」と表示した。
(3)エッチングの評価に関しては、エッチングで凹部(開口)が形成されない場合は「なし」、所望より開口径より小さく不均一な開口が形成されるなどエッチングによる凹部(開口)形成が不十分な場合は「△」、エッチングによる凹部(開口)形成が良好な場合は「○」、所望より開口径より大きく不均一な開口が形成されるなどエッチングによる凹部(開口)形成が不良な場合は「×」と表示した。
以上のように、実施例1、実施例2ではレーザパワーが3.25mW以下で、閾値エネルギー未満となって潜像部が形成され、潜像部が形成されたフォトレジスト層をマスクとしてエッチングを行った場合には、エッチング処理により凹部が均一に形成されることが分かる。一方、比較例1ではレーザパワーが2.5mWでも、閾値エネルギー以上となり、露光時にアブレーションが発生してしまい、潜像形成が困難であることが分かる。
また、フォトレジスト層形成用の化合物(ヒートモード型の記録材料)の膜軟化温度が所定温度より高い場合(実施例1は280℃、実施例2は500℃以上)には、3.0mW〜3.25mWの範囲において、アブレーションを発生させずに露光を行った後、エッチング処理により凹部が均一に形成されていることが分かる。即ち、レーザパワーによるアブレーションの抑制が容易であり、フォトレジスト層にマスクとして使用可能な潜像部を形成することが可能であることが分かる。一方、膜軟化温度が低い場合(比較例1は190℃)には、アブレーションの抑制が困難で露光時にアブレーションが発生してしまい、潜像形成が困難であることが分かる。
また、レーザパワーによるアブレーションの抑制が可能な場合であっても、レーザパワーが低過ぎると(実施例1、2では2.75mW以下)、潜像形成が不十分でエッチングが均一に行われない場合があることが分かる。ヒートモード型の記録材料の膜軟化温度が280℃以上の場合には、レーザパワーによるアブレーション及び潜像形成の制御が可能であることが実験的に確認できている。また、ヒートモード型の記録材料の膜軟化温度が500℃以上と推定される実施例2で、実施例1と同様の結果が得られたことから、膜軟化温度が測定不能なほど高くても、レーザパワーによるアブレーション及び潜像形成の制御が可能であることが分かる。
10 被加工物
12 フォトレジスト層
14 潜像部
16 凹部
18 ビームスポット
20 LED素子
22 単結晶基板
24 n型半導体層
26 発光層
28 p型半導体層
30 半導体結晶層
31 データ信号
32 レーザ光源
34 コリメータレンズ
34 レーザ駆動回路
36 ビームスプリッタ
38 対物レンズ
40 集光レンズ
42 分割フォトディテクタ
44 フォーカスアクチュエータ
46 フォーカス誤差信号
48 トラッキング誤差信号
50 反射光量信号
51 ターンテーブル
52 コンタクト層
53 スピンドルモータ制御系
54 p側電極
56 n側電極
58 保護膜
60 一部
62 円孔

Claims (11)

  1. 被加工物上に積層されたヒートモード型の記録材料で構成されたレジスト層にレーザ光を照射して、前記レーザ光の波長オーダのピッチで複数の潜像部を形成する潜像形成工程と、
    前記潜像部が形成されたレジスト層をマスクとして前記被加工物をエッチングし、前記潜像部及び前記潜像部の下方に在る前記被加工物の一部を除去して、前記被加工物の表面に複数の凹部を形成するエッチング工程と、
    を含む凹凸構造体の製造方法。
  2. 前記ヒートモード型の記録材料の膜軟化温度が280℃以上である請求項1に記載の凹凸構造体の製造方法。
  3. 前記潜像形成工程において、前記ヒートモード型の記録材料に応じて物理的な開口を形成するのに必要な閾値エネルギー未満の露光エネルギーで前記レジスト層にレーザ光を照射する請求項1又は2に記載の凹凸構造体の製造方法。
  4. 前記露光エネルギーは、前記閾値エネルギーの90%以下のエネルギーである請求項3に記載の凹凸構造体の製造方法。
  5. 前記レーザ光の波長が405nm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の凹凸構造体の製造方法。
  6. 前記被加工物が発光素子であり、前記発光素子の光取り出し側の半導体層上に前記レジスト層が形成される請求項1〜5のいずれか1項に記載の凹凸構造体の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の凹凸構造体の製造方法により製造される凹凸構造体を用いた発光素子であって、
    発光素子用の半導体積層構造の取り出し側の半導体層上に前記凹凸構造体を付加した、
    発光素子。
  8. 膜軟化温度が280℃以上であるヒートモード型の記録材料で構成されたレジスト層を備え、レーザ光の照射により前記レジスト層の一部に前記レーザ光の波長オーダのピッチで複数の潜像部が形成された潜像保持体。
  9. 前記ヒートモード型の記録材料に応じて物理的な開口を形成するのに必要な閾値エネルギー未満の露光エネルギーでレーザ光が照射されて、前記レジスト層に前記複数の潜像部が形成された請求項8に記載の潜像保持体。
  10. 発光素子用の半導体積層構造と、
    前記半導体積層構造の光取り出し側の半導体層上に形成されると共に、ヒートモード型の記録材料で構成されたレジスト層を備え、レーザ光の照射により前記レジスト層の一部に前記レーザ光の波長オーダのピッチで複数の潜像部が形成された潜像保持層と、
    を備えた発光素子前駆体。
  11. 請求項10に記載の発光素子前駆体を用いた発光素子の製造方法であって、
    前記潜像部が形成された前記潜像保持層をマスクとして前記発光素子前駆体をエッチングし、前記潜像部及び前記潜像部の下方に在る前記半導体積層構造の一部を除去して、前記半導体積層構造の光取り出し側の半導体層の表面に複数の凹部を形成する、
    発光素子の製造方法。
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