JP2009280360A - 乗客コンベア - Google Patents

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Abstract

【課題】櫛歯と踏板のクリート間に紐状可撓体が入り込んでも、紐状可撓体が引込まれず、引込まれたとしても容易に引出すことができる乗客コンベアを提供する。
【解決手段】隣接する櫛歯11,11A,11Bの根元部に、紐状可撓体14が根元部の中央部に移動するのを防止する手段12A,12B他を形成したのである。このように構成することで、櫛歯とクリート間に紐状可撓体が入り込んでも、紐状可撓体は、移動防止手段によって根元部の中央部への移動は防止され、紐状可撓体が根元部の中央部でしごかれて根元部とクリートとの間にきつく詰まることは防止される。そのため、紐状可撓体を引張ることで容易に引出すことができる。
【選択図】図3

Description

本発明はエスカレーターや電動道路等の乗客コンベアに係り、特に、乗降床先端に踏板に設けたクリートと非接触状態で噛合う櫛板を備えた乗客コンベアに関する。
従来、乗降床先端に、踏板に設けたクリートと非接触状態で噛合う櫛板を備えた乗客コンベアは、例えば特許文献1等で既に提案されている。
特許第3460577号公報
上記特許文献1に記載の乗客コンベアは、図7及び図8で示すように、乗降床8(9)の先端に、踏板5の幅方向に分割された櫛板10A,10Bが固定されている。そして、これら櫛板10A,10Bの先端には、前記踏板5の表面に踏板長手方向に沿い踏板幅方向に複数形成されたクリート5Aと非接触状態で噛合う櫛歯11が形成されており、隣接する櫛板11の間の根元部13は円弧状に形成されている。
上記構成において、運動靴から靴紐14を長く垂らした状態で乗客コンベアを利用すると、靴紐14がクリート5Aと櫛歯11との間に引込まれる虞がある。即ち、運動靴の靴紐14はほとんどが扁平な状態であり、それの靴紐14が図7に示すように、クリート5Aと櫛歯11との間に入り込んだまま移動を続けると、靴紐14は隣接する櫛歯11の根元部13の円弧状傾斜部13Kによって根元部13の中央部に移動して丸め込まれ、櫛歯11の根元部13とクリート5Aとの間にきつく詰まってしまう。このとき、乗客が若者である場合には、靴紐14を引張り出そうとすれば、引張り出すことができるが、幼児や子供などではなかなか引張り出すことはできず、靴紐14を切断してしまうことになる。
また、上記構成の櫛板10A,10Bは分割されているので、分割部において隣接する櫛歯11A,11Bの間に、組立誤差や保守点検等の分解及び再組立によって隙間Sが発生し、この隙間Sが長期使用の間に拡張する虞がある。
このような分割部の隙間Sが生じた状態で、靴紐14がクリート5Aと櫛歯11A,11Bの間に引込まれると、図8に示すように、丸め込まれた靴紐14Aは、その隙間Sにまで入り込んでしまうことがあり、このようになった場合には、若者でも靴紐14Aを切断せざるを得なくなる。即ち、図8に示すように、扁平な靴紐14がクリート5Aと櫛歯11A,11Bの間に入り込み、次第に櫛歯11の根元部13に向かって引込まれると、その根元部13の円弧状傾斜部13Kによって靴紐14は靴紐14Aのように丸め込まれて断面積を縮小し、僅かな隙間Sに入り込んでしまうのである。
このように、従来の乗客コンベアにおいては、靴紐14等の紐状可撓体の櫛歯11への引込まれてからの引出しが困難になる可能性があり、その改善が望まれていた。
本発明の目的は、櫛歯と踏板のクリート間に紐状可撓体が入り込んでも、紐状可撓体が引込まれず、引込まれたとしても容易に引出すことができる乗客コンベアを提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、隣接する櫛歯の根元部に、紐状可撓体の侵入防止手段を形成したのである。
このように構成することで、仮に、櫛歯と踏板のクリート間に紐状可撓体が入り込んでも、紐状可撓体は侵入防止手段によって隣接する櫛歯の根元部中央に移動して集まることが防止されるので、紐状可撓体のそれ以上の入り込みは防止され、櫛歯の根元部とクリートとの間にきつく詰まることは防止される。そのため、紐状可撓体を引張ることで容易に引出すことができる。
以上説明したように本発明によれば、櫛歯と踏板のクリート間に紐状可撓体が入り込んでも、紐状可撓体が引込まれず、引込まれたとしても容易に引出すことができる安全性に優れた乗客コンベアを得ることができる。
以下、本発明による乗客コンベアの一実施の形態を、図1〜図6に示すエスカレーターを例に説明する。
一般に、エスカレーター1は、上階床2と下階床3に跨って支持された枠体4と、上面に踏板5を有する踏段と、踏段の移動方向両側に立設された欄干6A,6Bと、この欄干6A、6Bの周縁に案内されて移動する移動手摺7A,7Bと、前記踏段への乗り降りを行う下部の乗降床8及び上部の乗降床9とを有している。
前記乗降床8及び乗降床9の構成は、同じ構成をしているので、詳細な説明は乗降床8を一例とし、図1及び図2を用いて説明する。
踏板5には、幅方向に複数のクリート5Aが踏段移動方向に沿って形成されている。一方、乗降床8の先端には、踏板5の幅方向に複数に分割された櫛板10A,10Bが固定されており、これら櫛板10A,10Bには前記踏板5のクリート5Aと非接触状態で噛合う櫛歯11が複数形成されている。
隣接する櫛歯11は、互いに円弧状の根元部13で連なっている。そして、この根元部13には、前記クリート5Aの頂部と対向する位置に、紐状可撓体の侵入防止手段となり、また紐状可撓体が根元部13の中央に移動するのを防止する手段となる突部12を平面的に見て櫛歯先端側に突出させるように形成している。云い代えれば、踏板5の進行方向に対向して突出する突部12を、前記クリート5Aの頂部と対向する円弧状の根元部13の中央部に形成している。また、隣接する櫛板10A,10Bの分割部における隣接する櫛歯11A,11Bの円弧状の根元にも、踏板5の進行方向に対向して突出する半割り状の突部12A,12Bを形成している。
したがって、エスカレーター1が下降専用のエスカレーターの場合には、上部の乗降床9の先端部に上述のように形成された櫛板10A,10Bを形成し、上昇専用のエスカレーターであれば、下部の乗降床8の先端部に上述のように形成された櫛板10A,10Bを形成し、可逆運転できるエスカレーターであれば、下部及び上部の乗降床8,9の先端部に上述のように形成された櫛板10A,10Bを形成することになる。
以上のように構成したことにより、図3に示すように、運動靴等の扁平状の靴紐14が隣接する櫛歯11とクリート5Aとの間に入り込んでも、靴紐14は突部12によって根元部13の中央側への移動して集まるのを防止され、櫛歯11の根元部13とクリート5Aとの間にきつく詰まることは防止される。即ち、本実施の形態では、入り込んだ靴紐14を根元部13の中央部に移動して集め、しごいて丸め込むような大きな円弧状傾斜部13Kが存在しないので、靴紐14は根元部13の中央部においてクリート5Aとの間に進入してきつく詰まることがなく、扁平状態のままとなるので、仮に、引込まれたとしても軽く引張る程度で引出すことができる。
さらに、隣接する櫛板10A,10Bの境界部に位置する隣接する櫛歯11A,11Bとクリート5Aとの間に靴紐14が入り込んでも、靴紐14は、櫛歯11A,11Bに沿って奥に移動する。しかし、根元部13には、半割り状の突起12A,12Bがあるので、その突起12A,12Bに靴紐14は引っ掛かってそれ以上隣接櫛歯11A,11Bの中央部に移動することがなくなる。その結果、靴紐14が隣接櫛歯11A,11Bの中央部に移動することでクリート5K間にきつく引込まれていたのを防止することができ、靴紐14を引張ることで容易に引出すことができる。このように、靴紐14が隣接櫛歯11A,11Bの中央部に移動して集まるのを防止できるので、その中央部から隣接する櫛板10A,10Bの隙間Sに靴紐14が丸められた状態で引込まれることはなくなる。
ところで、以上の説明は、隣接する円弧状の根元部13に突起12,12A,12Bを形成した構成を説明したが、靴紐14をしごいて丸め込む、従来技術のような円弧状傾斜部13Kが存在しなければ靴紐14の引込まれは防止できる。
したがって、図4に示す変形例のように、隣接櫛板11,11A,11B間の根元部に、クリート5Aの長手方向に対して平面的に直行する直線部15,15A,15Bを形成するようにしても良い。
即ち、直線部15,15A,15Bは、引込まれてきた靴紐14が隣接櫛板11,11A,11B間の根元部中央にそれ以上の移動するのを阻止するものであり、根元部中央への靴紐14の移動が阻止できることで、靴紐14をしごいて丸め込む動作を行うことはない。そのために、上記実施の形態と同等の効果を奏することができる。
上記説明は、隣接する櫛板10A,10Bの全櫛歯11,11A,11B間に紐状可撓体の侵入防止手段である突起12,12A,12B及び直線部15,15A,15Bを設けたものであるが、危険度が高い隣接する櫛板10A,10Bの隙間Sに対向する櫛歯11A,11Bの根元部のみに突起12,12A,12B及び直線部15,15A,15Bを設けるようにしてもよい。
尚、以上の説明は乗客コンベアとして、エスカレーターを一例に説明したが、踏板にクリートを有し、クリートと非接触状態で噛合う櫛歯を有する乗降床を備えている乗客コンベアであれば、電動道路にも適用できることは云うまでもない。
本発明による乗客コンベアの櫛板と踏板との関係を示す要部拡大平面図。 図1のA−A線に沿う縦断拡大側面図。 図1における靴紐の引込まれ状態を示す平面図。 図1の櫛板の変形例を示す部分拡大平面図。 本発明による乗客コンベアのひとつであるエスカレーターを示す斜視図。 図5のエスカレーターの下部の乗降床近傍を示す一部破談拡大斜視図。 従来による図3相当図。 図7の動作説明図。
符号の説明
1…エスカレーター、2…上階床、3…下階床、4…枠体、5…踏段、6A、6B…欄干、7A、7B…移動手摺、8…下部乗降床、9…上部乗降床、10,10A,10B…櫛板、11,11A,11B…櫛歯、12,12A,12B…突起、13…根元部、13K…円弧状傾斜部、14…紐、15,15A,15B…直線部。

Claims (7)

  1. 無端状に複数連結されて移動し、表面に移動方向と平行なクリートを幅方向に複数形成した踏板と、これら踏板の往路側両終端部に設けられた乗降床と、この乗降床の先端に取付けられ、前記踏板のクリートと非接触状態で噛合う櫛歯を有する櫛板とを備え、前記櫛板は踏板の幅方向に分割されており、櫛板の分割部に隣接する櫛歯の根元部が位置するように形成された乗客コンベアにおいて、前記櫛板の分割部であって、隣接する前記櫛歯の根元部に、紐状可撓体の侵入防止手段を形成したことを特徴とする乗客コンベア。
  2. 無端状に複数連結されて移動し、表面に移動方向と平行なクリートを幅方向に複数形成した踏板と、これら踏板の往路側両終端部に設けられた乗降床と、この乗降床の先端に取付けられ、前記踏板のクリートと非接触状態で噛合う櫛歯を有する櫛板とを備え、前記櫛板は踏板の幅方向に分割されており、櫛板の分割部に隣接する櫛歯の根元部が位置するように形成された乗客コンベアにおいて、前記櫛板の分割部であって、隣接する前記櫛歯の根元部に、紐状可撓体が前記櫛歯の根元部中央に集まるのを防止する手段を形成したことを特徴とする乗客コンベア。
  3. 無端状に複数連結されて移動し、表面に移動方向と平行なクリートを幅方向に複数形成した踏板と、これら踏板の往路側両終端部に設けられた乗降床と、この乗降床の先端に取付けられ、前記踏板のクリートと非接触状態で噛合う櫛歯を有する櫛板とを備え、前記櫛板は踏板の幅方向に分割されており、櫛板の分割部に隣接する櫛歯の根元部が位置するように形成された乗客コンベアにおいて、前記櫛板の分割部であって、隣接する前記櫛歯の根元部に、平面的に見て櫛歯先端側に突出する突部を形成したことを特徴とする乗客コンベア。
  4. 無端状に複数連結されて移動し、表面に移動方向と平行なクリートを幅方向に複数形成した踏板と、これら踏板の往路側両終端部に設けられた乗降床と、この乗降床の先端に取付けられ、前記踏板のクリートと非接触状態で噛合う櫛歯を有する櫛板とを備え、前記櫛板は踏板の幅方向に分割されており、櫛板の分割部に隣接する櫛歯の根元部が位置するように形成された乗客コンベアにおいて、前記櫛板の分割部であって隣接する前記櫛歯の根元部を、平面的に見て前記クリートの長手方向と直交する直線部を形成したことを特徴とする乗客コンベア。
  5. 無端状に複数連結されて移動し、表面に移動方向と平行なクリートを幅方向に複数形成した踏板と、これら踏板の往路側両終端部に設けられた乗降床と、この乗降床の先端に取付けられ、前記踏板のクリートと非接触状態で噛合う櫛歯を有する櫛板とを備え、前記櫛板は踏板の幅方向に分割されており、櫛板の分割部に隣接する櫛歯の根元部が位置するように形成された乗客コンベアにおいて、前記櫛板の分割部であって、隣接する前記櫛歯の根元部に、扁平形状の紐状可撓体の丸まりを防止する手段を形成したことを特徴とする乗客コンベア。
  6. 無端状に複数連結されて移動し、表面に移動方向と平行なクリートを幅方向に複数形成した踏板と、これら踏板の往路側両終端部に設けられた乗降床と、この乗降床の先端に取付けられ、前記踏板のクリートと非接触状態で噛合う櫛歯を有する櫛板とを備えた乗客コンベアにおいて、隣接する前記櫛歯の根元部に、紐状可撓体の侵入防止手段を形成したことを特徴とする乗客コンベア。
  7. 無端状に複数連結されて移動し、表面に移動方向と平行なクリートを幅方向に複数形成した踏板と、これら踏板の往路側両終端部に設けられた乗降床と、この乗降床の先端に取付けられ、前記踏板のクリートと非接触状態で噛合う櫛歯を有する櫛板とを備えた乗客コンベアにおいて、隣接する前記櫛歯の根元部に、紐状可撓体が前記櫛歯の根元部中央に集まるのを防止する手段を形成したことを特徴とする乗客コンベア。
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