JP2009274245A - 帳票及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ミシン目を形成しなくても一部を容易に切り離すことができる帳票を実現する。
【解決手段】本発明の帳票10は、複数のシート片11,12,13が相互に積層された状態で少なくともいずれか二枚の前記シート片が剥離可能に接着されてなる帳票10において、第1の前記シート片11と第2の前記シート片12が相互に折り返し線bを介して連続し、第3の前記シート片13が前記第1のシート片11及び前記第2のシート片12と分離した態様で前記第2のシート片12に剥離可能に接着されるとともに、前記第3のシート片13における前記折り返し線bが配置される側とは反対側にある第3の端縁部13aと、前記第2のシート片12における前記第3の端縁部13aと同側にある第2の端縁部12aとが平面的に一致することを特徴とする。
【選択図】図6
【解決手段】本発明の帳票10は、複数のシート片11,12,13が相互に積層された状態で少なくともいずれか二枚の前記シート片が剥離可能に接着されてなる帳票10において、第1の前記シート片11と第2の前記シート片12が相互に折り返し線bを介して連続し、第3の前記シート片13が前記第1のシート片11及び前記第2のシート片12と分離した態様で前記第2のシート片12に剥離可能に接着されるとともに、前記第3のシート片13における前記折り返し線bが配置される側とは反対側にある第3の端縁部13aと、前記第2のシート片12における前記第3の端縁部13aと同側にある第2の端縁部12aとが平面的に一致することを特徴とする。
【選択図】図6
Description
本発明は帳票及びその製造方法に係り、特に、少なくとも二枚のシート片が剥離可能に接着された状態で複数のシート片が積層されてなり、郵便物として利用する場合に好適な帳票の構造及び製法に関する。
一般に、複数のシート片を剥離可能に接着して積層してなる帳票で郵便物である圧着葉書や圧着封筒を構成することが知られている。このような圧着葉書や圧着封筒としては、二枚の連続したシート片を折り返し線を介して折り畳んだ状態で圧着させてなるもの、三枚以上の連続したシート片を複数の折り返し線を介して折り畳んだ状態で圧着させてなるものが知られている。
また、上記の圧着葉書としては、積層してなる複数のシート片のうち一枚のシート片若しくはシート片の一部を他のシート片若しくは他の部分に対してミシン目等を介して連続させておき、圧着面を剥離して開封した後に上記一枚のシート片若しくはシート片の一部を他のシート片若しくは他の部分から容易に切り離すことができるように構成したものが以下の特許文献1乃至3に開示されている。また、圧着封筒の構成例が以下の特許文献4に記載されている。
特開2004−160864号公報
特開2005−343096号公報
特開2006−116773号公報
特開2003−34336号公報
ところで、前述の圧着葉書や圧着封筒を構成する帳票においては、郵便料金が安価で、情報を秘匿した形で郵送を行うことができるという利点がある上、シート片の間やシート片の内部にミシン目を施すことで、たとえば、チケット、受験票、会員カード、返信葉書などを構成する部分を他の部分から容易に切り離し可能となるように構成できる。
しかしながら、この場合には、上記ミシン目を折り返し線や印刷領域に対して正確に形成しなければならないことから、ミシン目を正確な位置に形成するための工程が必要であるために煩雑かつコスト高になり、一方、上記工程の不備により折り返し線や印刷領域に対するミシン目の位置ずれが生ずると目立ちやすいために悪印象を与えかねないという問題点がある。
また、ミシン目を形成する場合には、ミシン目に沿ったシート片の切り離しにより紙粉が発生して環境を汚染したり、この紙粉(粉塵)やミシン目を切り離した箇所の端縁に生ずる毛羽や折り返し縁により機械処理において機械の紙詰まり、故障、誤動作等が発生したり、切り離し時にシート片が意図しない形状に破れてしまったりする虞があることから、利用しにくい場合があるという問題点もあった。
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、ミシン目を形成しなくても一部を容易に切り離すことができる帳票を実現することにある。
斯かる実情に鑑み、本発明の帳票(10)は、複数のシート片(11,12,13)が相互に積層された状態で少なくともいずれか二枚の前記シート片が剥離可能に接着されてなる帳票(10)において、第1の前記シート片(11)と第2の前記シート片(12)が相互に折り返し線(b)を介して連続し、第3の前記シート片(13)が前記第1のシート片(11)及び前記第2のシート片(12)と分離した態様で前記第2のシート片(12)に剥離可能に接着されるとともに、前記第3のシート片(13)における前記折り返し線(b)が配置される側とは反対側にある第3の端縁部(13a)と、前記第2のシート片(12)における前記第3の端縁部(13a)と同側にある第2の端縁部(12a)とが平面的に一致することを特徴とする。
この発明によれば、第1のシート片と第2のシート片が折り返し線を介して連続し、第3のシート片が第1のシート片及び第2のシート片に対して分離した態様で第2のシート片と剥離可能に接着されていることにより、第3のシート片を第2のシート片から剥離することで第1及び第2のシート片からそのまま切り離すことができる。また、第2のシート片の第2の端縁部と第3のシート片の第3の端縁部とが平面的に一致していることにより、第3のシート片が意図せずに剥離してしまうといった事態の発生が抑制されるので、郵送その他の搬送時などにおける意図しない不具合が低減される。さらに、第3のシート片がミシン目によって切り離されることがないので、粉塵の発生を防止でき、粉塵、毛羽、折り返し縁等に起因する機械処理時などにおける不具合が低減される。
ここで、第2の端縁部と第3の端縁部とが平面的に一致するとは、両端縁部の少なくとも一部に共通の線分に沿った部分が存在することを言う。この構成は、二枚のシート片の少なくとも一部が重なった箇所を通過する仮想線に沿って切断したときに現れる共通の線状の端縁部分を有する場合を含む。もっとも、両端縁部の全体が共通の線に沿って形成されて完全に一致していることが作用効果的にも製造上においても好ましいことは当然である。
本発明の一の態様においては、前記第1のシート片と前記第2のシート片若しくは前記第3のシート片の少なくとも一方とが剥離可能に接着され、前記第1のシート片(11)における前記第2の端縁部(12a)及び前記第3の端縁部(13a)の側にある第1の端縁部(11a)が平面的に見て前記第2の端縁部(12a)及び前記第3の端縁部(13a)より前記折り返し線(b)の側に配置される。これによれば、第1の端縁部が平面的に見て第2及び第3の端縁部より折り返し線の側に配置されることで、第1のシート片が意図せずに剥離してしまうといった事態の発生が抑制されるとともに、第1の端縁部と、第2及び第3の端縁部との間の位置ずれ部分を手がかりに剥離作業を容易に行うことが可能になる。また、連続した第1乃至第3のシート片を有する元シートを各シート片単位で折り畳んだ状態で、第2のシート片と第3のシート片の間の折り返し線と並行して隣接する線に沿って裁断して、第2のシート片と第3のシート片とを分離することにより本発明の帳票が形成される場合には、第1のシート片を共に裁断しないようにしたいときに当該第1のシート片が裁断の障害とならないので、裁断作業を容易に行うことが可能になる。
本発明の他の態様においては、前記第1のシート片(11)及び前記第2のシート片(12)が前記第3のシート片(13)の表裏両面にそれぞれ剥離可能に接着されている。これによれば、第3のシート片の表裏両面が第1のシート片及び第2のシート片で覆われるので、第3のシート片の秘匿性を表裏のいずれの面においても確保できるとともに、第3のシート片の第3の端縁部とは反対側の端縁部(13b)が第1のシート片と第2のシート片の折り返し部によって包摂されるので、第3のシート片が意図せずに剥離してしまうといったことが更に抑制される。
本発明の別の態様においては、前記第1のシート片(11′)と前記第2のシート片(12′)が相互に剥離可能に接着されているとともに、前記第2のシート片(12′)における前記第1のシート片(11′)が接着された面とは反対側の面に前記第3のシート片(13′)が剥離可能に接着されている。これによれば、第3のシート片を第2のシート片から剥離するだけで容易に切り離すことができる。
この場合においては、前記第3のシート片(13′)における前記第3の端縁部(13a′)とは反対側の端縁部(13b′)が前記第1のシート片(11′)と前記第2のシート片(12′)の折り返し線(b)より平面的に前記第3の端縁部(13a′)の側に配置される。これによれば、第3のシート片における第3の端縁部とは反対側の端縁部が平面的に見て折り返し線より第3の端縁部の側に配置されることで、第3のシート片が意図せずに剥離してしまうといった事態の発生がさらに抑制されるとともに、折り返し線と反対側の端縁部との間の位置ずれ部分を手がかりに剥離作業を容易に行うことが可能になる。
次に、本発明の帳票の製造方法は、複数のシート片(11,12,13)が相互に積層された状態で少なくともいずれか二枚の前記シート片が剥離可能に接着されてなる帳票(10)の製造方法において、連続する三枚以上の前記シート片(11,12,13)を有する元シートを各シート片単位で二以上の折り返し線(a,b)により折り畳み、少なくとも一つの折り返し線(a)の両側にある前記シート片(12,13)同士を直接若しくは間接的に剥離可能に接着して積層させる工程と、前記少なくとも一つの折り返し線(a)と並行して隣接する線(c)に沿って裁断することにより該折り返し線(a)の両側にある二枚の前記シート片(12,13)を分離する工程と、を具備することを特徴とする。
この発明によれば、連続する複数のシート片を有する元シートを各シート片単位で封数の折り返し線により折り畳み、少なくとも一つの折り返し線の両側にあるシート片同士を剥離可能に接着してから、当該少なくとも一つの折り返し線と並行して隣接する線に沿って裁断することにより、きわめて簡易な工程で他より独立したシート片が剥離可能に接着され、しかも、上記折り返し線の両側にあったシート片の端縁部が平面的に一致してなる帳票を製造することができる。
なお、請求項1、2及び6中の括弧内には後述する第1実施形態の対応する構成要素の符号のみを示すが、請求項1、2及び6に係る発明は後述する第2実施形態にも同様に反映されている。
本発明によれば、ミシン目を形成しなくても、剥離するだけで一部を容易に切り離すことのできる帳票を構成し、或いは、容易に製造できるという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。なお、以下に示す各実施形態は本発明の態様を例示したものに過ぎない。
[第1実施形態]
最初に、図1乃至図6を参照して本発明に係る第1実施形態の帳票及びその製造方法について説明する。図1は本実施形態の帳票を製造する場合に用いる元シートの表面図、図2は同元シートの裏面図、図3は同元シートの断面図である。
最初に、図1乃至図6を参照して本発明に係る第1実施形態の帳票及びその製造方法について説明する。図1は本実施形態の帳票を製造する場合に用いる元シートの表面図、図2は同元シートの裏面図、図3は同元シートの断面図である。
本実施形態の帳票を製造するには一体の元シート10Xを用いる。この元シート10Xは紙、合成樹脂、金属箔等のシート材で構成され、平面視矩形状に構成される。元シート10Xは、後に折り返し時の単位となる連続する三つのシート片11、12、13を有する。これらのシート片11,12,13は図示例ではそれぞれ矩形状に構成され、相互に同一形状とされている。なお、本発明に係る元シートとしては三つ以上のシート片を備えたものでもよく、各シート片の形状が相互に異なるものであってもよく、さらには、折り返し単位となるシート片以外の部分(例えば、インデックス用の張り出し部など)を別途有するものでも構わない。
図1及び図2に示すように、第1のシート片11においては、例えば、表面11xに適宜の広告部、説明部、通信文記載部等(図示せず)が印刷等によって構成され、裏面11yに郵便用の郵券印刷部(或いは郵券貼着部)、郵便番号記載部、宛名記載部等が印刷等により構成される。また、第2のシート片12においては、例えば、表面12x及び裏面12yのいずれにも広告部、説明部、通信文記載部等(図示せず)が印刷等によって構成される。さらに、第3のシート片13においては、表面13xに説明部、案内部等が印刷等によって構成され、裏面13yにチケットや受験票等における表題部等が印刷等によって構成される。なお、広告その他の各記載部分の有無及び態様如何はいずれも本発明を何ら限定するものではない。
また、図3に示すように、元シート10Xの表面には、上記表面11x、12x、13xに亘って(紫外線硬化)ニス層、糊層、樹脂フィルム等の透明な接着層10aで剥離可能な接着面が構成される。また、元シート10Xの裏面においては、上記裏面13yに上記と同様の透明な接着層10bで剥離可能な接着面が構成される。なお、このように本実施形態の元シート10Xは予め上記透明な接着層10a,10bが少なくとも一部の面に形成されたものであるが、印刷面を透視可能とする必要性がなければ接着層10a,10bは不透明な接着層であってもよい。また、本発明の元シートとしてはこのようなものに限られず、後の工程において上記透明若しくは不透明な接着層がラミネート、塗布等により形成されたり、後に接着剤(粘着剤)を塗布したりすることで剥離可能な接着面が構成されるようにしてもよい。
本実施形態においては、図4に示すように、元シート10Xに仮想的に設定された折り返し線aに沿って第3のシート片13を第2のシート片12の上に折り返して折り畳み、また、図5に示すように、元シートに仮想的に設定された折り返し線bに沿って、第1のシート片11を上記のように折り畳まれた第2のシート片12及び第3のシート片の上に折り返して折り畳むことにより、元シート10Xを全体として各シート片が同じ側に巻き付くように(いわゆる「巻3折り」に)構成し、図示上方から第1のシート片11、第3のシート片13、第2のシート片12の順で積層されるようにする。この状態で、各シート片の上記接着面(図示例では上記接着層10a,10b)を加熱加圧処理等によって圧着することで、各シート片間が剥離可能に接着されてなる帳票10Yが構成される。
この帳票10Yにおいては、図5に示すように、最上面に第1シート片11の裏面11yが表出し、中間の第3シート片の表面13x及び裏面13yがいずれも第2シート片12及び第1シート片11によって被覆された状態とされる。このとき、第2のシート片12と第3のシート片13の間の折り返し線aと、第1のシート片11と第2のシート片12の間の折り返し線bは、相互に反対側の端縁部に配置される。また、折り返し線aで構成される第2のシート片12及び第3のシート片13の図示右側の端縁部は、第1のシート片11における同じ側の第1の端縁部11aより図示右側に突出している。すなわち、第1の端縁部11aは、平面的に見て折り返し線aよりも反対側(折り返し線bの側、図示左側)に配置される。
その後、上記折り返し線aと並行して隣接する裁断線cに沿って、直接に剥離可能に接着された第2のシート片12及び第3のシート片13の折り返し線a側の部分を切断除去することで、第2のシート片12と第3のシート片13とが分離され、図6に示す帳票10が完成される。この帳票10は、上記裁断線cに沿った裁断によって共に形成されることによって平面的に一致するように構成された第2の端縁部12a及び第3の端縁部13aを有する。なお、この帳票10においても、上記第1の端縁部11aは、第2の端縁部12a及び第3の端縁部13aよりも反対側(折り返し線bの側、図示左側)にずれた位置に配置されている。
帳票10では、上記の裁断工程により、第2のシート片12と第3のシート片13とが分離されるので、剥離作業のみで第3のシート片13を第1のシート片11及び第2のシート片12からきわめて容易に切り離すことができるようになっている。なお、第2の端縁部と第3の端縁部が平面的に一致するとは、両端縁部の少なくとも一部に共通の線に沿って伸びる部分が存在することを言う。したがって、端縁部全体が共通の線に沿って伸びる必要は必ずしもないが、図示例のように両端縁部全体が完全に平面的に一致していることが好ましく、また、図示例のように共通の線が直線状であることが望ましい。
本実施形態の帳票10は、例えば、コンサート、フェスティバル、各種試験等の開催者、販売店、役所その他の主催者から、参加者、応募者、受験者、顧客その他の対象者に向けて発送し、対象者がこれを受け取った後に第3のシート片13を第1のシート片11及び第2のシート片12から剥離して分離し、その後、対象者が第3のシート片13をチケット、参加票、受験票、サービス券(無料券)、身分証、所属証、回答はがきその他の返答書面等として、持参したり、返送したりする場合において、以下のような多大な利便性を得ることができる。
本実施形態の帳票10においては、第3のシート片13が第1のシート片11及び第2のシート片12に対して分離されているので、剥離可能な接着面となっている表裏両面を第1のシート片11及び第2のシート片12からそれぞれ剥離するだけでそのまま独立したシート片となることから、利用者に手間をかけることがないとともに、ミシン目に沿って切断する必要がないため、切断時に紙粉等の粉塵が発生することがなく、ミシン目に沿って切断した端縁部(破れ縁)に毛羽が発生することもなく、さらには、当該端縁部に折り返しによる折り返し縁(ミシン目が折り返し線からずれた位置に形成された場合に発生する。)が残ることもない。したがって、利用者の手間が軽減され、外観が流麗となるだけでなく、機械処理時における機械の粉塵、毛羽、折り返し縁等による紙詰まり、故障、誤動作等を回避することができる。
また、帳票10では、相互に隣接する第2の端縁部12aと第3の端縁部13aとが平面的に見て一致していることから、当該隣接部分から第2のシート片12と第3のシート片13が意図しないときに剥離する虞を低減できる。これは、郵送その他の搬送時に誤って第3のシート片13が剥離して分離状態となる危険性を回避できることを意味する。同様に、第3の端縁部13aよりも第1の端縁部11aが反対側(折り返し線bの側、図示左側)に配置されていることによっても、第3のシート片13が第1のシート片11から意図せずに剥離する虞を低減できる。
もっとも、本発明においては、第1の端縁部11aを第3の端縁部13aと平面的に見て一致するように構成しても構わない。このような構造は、上記裁断工程において第2のシート片12及び第3のシート片13とともに第1のシート片11をも一括して裁断することで容易に構成できる。さらには、上記とは逆に、第3の端縁部13aが第1の端縁部11aよりも反対側(折り返し線bの側、図示左側)に配置されていてもよい。
ただし、上述のように第1の端縁部11aと、第2の端縁部12a及び第3の端縁部13aとの間に折り返し方向の位置ずれが存在することで、利用者が意図的に第3のシート片13を剥離しようとする場合には、この位置ずれ部分を端緒に剥離作業を容易に実施できる。
本実施形態では、第3のシート片13が折り返し線bで連続する第1のシート片11と第2のシート片12の間に挟持された状態で剥離可能に接着されているので、第3のシート片13の第3の端縁部13aとは反対側の端縁部13bが折り返し部分によって包摂されることとなるから、第3のシート片13が意図しないときに剥離して脱落する虞をさらに低減できる。また、第3のシート片13の表裏両面がいずれも他のシート片によって被覆されることとなるため、第3のシート片13の秘匿性を高めることも可能になる。
本実施形態の製造方法では、一体の元シート10Xを各シート片単位で折り畳み、少なくとも第2のシート片12と第3のシート片13を剥離可能に接着した後に、折り返し線aと並行して隣接する裁断線cに沿って裁断することで帳票10を製造できるので、ミシン目を形成する工程を省略でき、また、折り返し工程において折り返し線aとミシン目を正確に合わせこむ必要もなくなるため、迅速かつ容易に、しかも低コストで製造できるという利点が得られる。
また、上記のように裁断前の帳票10Yにおいて、折り返し線aによる折り返し部分よりも第1の端縁部11aを反対側(折り返し線bの側、図示左側)に配置しておくことで、第1のシート片11に遮られずに裁断線cに沿って第2のシート片12と第3のシート片13を裁断して分離することができるため、第1のシート片11の端縁部の態様とは無関係に裁断工程を実施できる。もっとも、この裁断工程において第1のシート片11を重ねて共に裁断しても構わない点は上述の通りである。
[第2実施形態]
次に、図7を参照して、本発明に係る第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態と同様に構成できる点は説明を省略し、第1実施形態と対応する部分には「′」を付加した符号を付与することとする。
次に、図7を参照して、本発明に係る第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態と同様に構成できる点は説明を省略し、第1実施形態と対応する部分には「′」を付加した符号を付与することとする。
本実施形態では、図7(a)に示すように、連続する第1のシート片11′、第2のシート片12′及び第3のシート片13′を有する元シート10X′を折り返し線a、bに沿って折り返すことは上記と同様である。しかしながら、本実施形態では、元シート10X′の表面上に形成される透明な接着層10a′が第1のシート片11′から第2のシート片12′に亘る範囲に形成され、裏面上に形成される透明な接着層10b′が第2のシート片12′から第3のシート片13′に亘る範囲に形成されている点で異なる。また、折り返し方法として、折り返し線aによる押し返し方向と、折り返し線bによる折り返し方向とが相互に逆方向とされる点で異なる。すなわち、図7(b)に示すように折り返し線aでは山折りとされるのに対して、図7(c)に示すように折り返し線bでは谷折りとされることで、元シート10X′を全体としてN字状となるように(いわゆる「N折り」に)折り畳むようにする。
そして、上記の折り畳み状態で、加熱加圧処理によって各シート片同士を圧着し、それぞれ剥離可能に接着する。このようにして構成された帳票10Y′においては、折り返し線aによる折り返し部分が第1の端縁部11a′より突出した状態とされる。また、第3のシート片13′の折り返し線bの側の端縁部13b′よりも折り返し線bによる折り返し部分が突出した状態とされる。
その後、図7(d)に示すように、折り返し線aと並行して隣接する裁断線cに沿って直接に剥離可能に接着されてなる第2のシート片12′及び第3のシート片13′を裁断し、これによって第3のシート片13′が分離された状態となって、帳票10′が完成される。
なお、この裁断後においては、新たに形成された第2の端縁部12a′と第3の端縁部13a′が平面的に見て一致した位置とされる。また、第1の端縁部11a′は第2の端縁部12a′及び第3の端縁部13a′よりも反対側(折り返し線bの側、図示左側)に配置される。さらに、上記の端縁部13b′は、折り返し線bによる折り返し部分より第3の端縁部13a′の側(図示右側)に配置される。
本実施形態においては、元シート10X′をN折り状に折り畳むことで、第3のシート片13′が第2のシート片12′のみに剥離可能に接着されることとなり、しかも、第3のシート片13′の片面が露出した状態とされる。したがって、第3のシート片13′の秘匿性は片面のみで得られ、接着面も片面のみとなるが、第3のシート13′を切り離す際には第2のシート片12′からのみ剥離させれば足りるので、切り離し作業が容易になる。なお、その他の作用効果については、以下の点を除いて第1実施形態で説明したところと同様である。すなわち、本実施形態では、上述のように第1の端縁部11a′と第2の端縁部12a′の間に折り返し方向の位置ずれが存在するので、当該位置ずれ部分を利用者が意図的に第1のシート片11′と第2のシート片12′を剥離しようとする際の端緒として用いることができ、また、上述のように端縁部13b′と折り返し線bによる折り返し部分との間にも折り返し方向の位置ずれが存在するので、この位置ずれ部分を第3のシート片13′を意図的に剥離しようとする際の端緒とすることができる。
[その他の実施形態]
最後に、図8乃至図11を参照して、上記以外の実施形態について説明する。なお、以下の説明において説明する各実施形態は、上記第1実施形態又は第2実施形態のいずれかの基本構成と同様の構成部分を備えたものであり、その構成部分における細部の構成については上記第1実施形態又は第2実施形態において基本構成に関して説明した事項及びその変形例と同様に構成可能であるので、以下の説明において当該事項及びその変形例についての説明は省略する。また、以下の各実施形態において、上記第1実施形態及び第2実施形態にて説明した各種の変形例を適宜に選択の上組み合わせて構成できることは当然である。なお、各実施形態の第1乃至第3のシート片にそれぞれ対応する各シート片に付与する符号については、各シート片について下二桁の数字を上記第1実施形態において対応する第1乃至第3のシート片の符号の数字と同一にしている。
最後に、図8乃至図11を参照して、上記以外の実施形態について説明する。なお、以下の説明において説明する各実施形態は、上記第1実施形態又は第2実施形態のいずれかの基本構成と同様の構成部分を備えたものであり、その構成部分における細部の構成については上記第1実施形態又は第2実施形態において基本構成に関して説明した事項及びその変形例と同様に構成可能であるので、以下の説明において当該事項及びその変形例についての説明は省略する。また、以下の各実施形態において、上記第1実施形態及び第2実施形態にて説明した各種の変形例を適宜に選択の上組み合わせて構成できることは当然である。なお、各実施形態の第1乃至第3のシート片にそれぞれ対応する各シート片に付与する符号については、各シート片について下二桁の数字を上記第1実施形態において対応する第1乃至第3のシート片の符号の数字と同一にしている。
図8(a)に示す実施形態は、折り返し線を介して連続する第1のシート片111と第2のシート片112の間に挟持された状態で剥離可能に接着された第3のシート片113を有する、第1実施形態と同様の基本構成に、さらに、第1のシート片111と連続し、第1のシート片111から折り返されることで第2のシート片112における第3のシート片113とは反対側の面上に剥離可能に接着された第4のシート片111′を設けたものである。ここで、図示の帳票は、当初、全てのシート片111、112、113、111′が連続した元シートであったものが、第1のシート片111、第2のシート片112、第3のシート片113が第1実施形態と同様に折り返された後、裁断線cの外側に図示点線で示す部分(第2のシート片112と第3のシート片113の折り返し部分)が裁断により切断除去され、その後、第4のシート片111′がその上を包摂するように折り返されてなる。このように、切断除去した部分をさらに被覆するように折り返し部分で被覆することが可能であり、また、第1のシート片と第2のシート片からなる連続シート体を三を越える枚数のシート片で構成することも可能である。
この実施形態では、第3のシート片113の両端縁部が第1のシート片111と第2のシート片112の折り返し部分と、第1のシート片111と第4のシート片111′の折り返し部分とによって共に被覆されるので、意図しない第3のシート片113の剥離をさらに確実に抑制することが可能になる。
なお、この実施形態では、第1のシート片112、第2のシート片111及び第3のシート片113からなる第1実施形態と同様の基本構成に、さらに第4のシート片111′を付加した構成と見ることも可能である。
図8(b)に示す実施形態では、第1のシート片111、第2のシート片112及び第3のシート片113からなる第1実施形態と同様の基本構成に、さらに第4のシート片113′を第2のシート片112における第3のシート片113とは反対側の面上に剥離可能に接着している。この実施形態では、裁断工程において、第2のシート片112と第3のシート片113の折り返し部分とともに、第1のシート片111と第4のシート片113′の折り返し部分をも切断除去することで、2枚のシート片113、113′を共に他のシート片とは分離した状態としている。このように複数の折り返し部分を切断除去して複数の独立した第3のシート片、第4のシート片をそれぞれ設けることも可能であり、また、複数の折り返し部分を単一の裁断工程において同時に切断除去することも可能である。
この実施形態では、二箇所の折り返し部分を同時に切断除去できるため、工程数が増加しないとともに、四枚のシート片を全て折り返し、全て剥離可能に接着した後に裁断を行うことができるため、全体として工程数を図8(a)に示す実施形態より削減できる。
なお、この実施形態は、第1のシート片111、第2のシート片112及び第3のシート片113′からなる第2実施形態と同様の基本構成に、さらに第4のシート片113を付加した構成と見ることも可能である。
図9(a)に示す実施形態は、第1のシート片211、第2のシート片212及び第3のシート片213からなる第2実施形態と同様の基本構成に、さらに図8(a)に示す実施形態と同様に第1のシート片211から折り返された第4のシート片212′を設けたものである。このように、第2の実施形態の基本構成についても、切断除去した部分をさらに被覆するように折り返し部分で被覆することが可能であり、また、第1のシート片と第2のシート片を含む連続シート体を三以上のシート片で構成することも可能である。
なお、この実施形態は、第1のシート片211、第2のシート片212′及び第3のシート片213からなる第1実施形態と同様の基本構成に、さらに第4のシート片212を付加した構成と見ることも可能である。
図9(b)に示す実施形態では、第1のシート片211、第2のシート片212及び第3のシート片213からなる第2実施形態と同様の基本構成に、さらに図8(b)に示す実施形態と同様に第1のシート片211から折り返された第4のシート片213′を設け、第2のシート片212と第3のシート片213の折り返し部分、及び、第1のシート片211と第4のシート片213′の折り返し部分を裁断線cによる裁断で一括して切断除去し、第3のシート片213及び第4のシート片213′を分離している。このように、第2の実施形態の基本構成についても、複数の折り返し部分を切断除去して複数のシート片をそれぞれ独立して設ける(分離する)ことも可能であり、また、複数の折り返し部分を単一の裁断工程において同時に切断除去することも可能である。
図10(a)に示す実施形態は、第1のシート片311、第2のシート片312及び第3のシート片313からなる第2実施形態と同様の基本構成に、さらに第4のシート片312′を付加した構成を有する。第4のシート片312′は、第1のシート片311における第2のシート片312とは反対側の端縁部で折り返され、第1のシート片311における第2のシート片312とは反対側の面に剥離可能に接着されている。
図10(b)に示す実施形態では、第1のシート片311、第2のシート片312及び第3のシート片313からなる第2実施形態と同様の基本構成に、さらに第4のシート片313′を付加した構成を有している。第4のシート片313′は、第1のシート片311における第2のシート片312とは反対側の面に剥離可能に接着されている。この帳票は、第1のシート片311と第4のシート片313′の折り返し部分を裁断工程により切断除去することで製造されるが、この裁断は上記と同様に第2のシート片312と第3のシート片313の折り返し部分を切断除去する裁断工程と一括して行うことができる。
なお、この実施形態は、第1のシート片312、第2のシート片311及び第3のシート片313′からなる第2実施形態と同様の基本構成に、さらに第4のシート片313を付加した構成と見ることも可能である。
図11(a)に示す実施形態は、第1のシート片411、第2のシート片412及び第3のシート片413からなる第1実施形態と同様の基本構成に、さらに第4のシート片413′を独立して付加したものである。この第4のシート片413′は、第1のシート片411と第3のシート片413の間に挟持された状態で独立して剥離可能に接着されている。この第4のシート片413′は、基本構成を形成するための裁断線cによる裁断処理とは別に、第3のシート片413と第4のシート片413′の折り返し部分を別の裁断線dにより切断除去することによって独立した状態に構成される。ここで、裁断線cの両側にある第1のシート片411と第3のシート片413は直接に剥離可能に接着されているわけではないが、第4のシート片413′を介して間接的に剥離可能に構成された後に、裁断線cに沿った裁断が行われる。
なお、この実施形態は、第1のシート片411、第2のシート片412及び第3のシート片413′からなる第1実施形態と同様の基本構成に、さらに独立した第4のシート片413を付加した構成と見ることも可能である。
図11(b)に示す実施形態では、第1のシート片411、第2のシート片412及び第3のシート片413からなる第2実施形態と同様の基本構成に、さらに第3のシート片413と折り返し部分を介して連続する第4のシート片414を付加している。このように、第3のシート片413にさらに別のシート片が連続していても構わない。
尚、本発明の帳票は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態では裁断線c、dをいずれも直線とした例のみを示したが、ジグザグ線などの折れ線、波線などの曲線であってもよい。また、各実施形態ではいずれも対向面同士を全面的に剥離可能に接着する例を示したが、対向面の一部のみを剥離可能に接着し、他の部分を接着しない構成とすることもできる。さらに、上記各実施形態では圧着葉書を構成する場合を前提として説明したが、圧着封筒やその他の各種の帳票を構成する場合でも有効である。
10…帳票、10X…元シート、10Y…(裁断前の)帳票、10a,10b…接着層、11…第1のシート片、11a…第1の端縁部、12…第2のシート片、12a…第2の端縁部、13…第3のシート片、13a…第3の端縁部、13b′…(反対側の)端縁部
Claims (6)
- 複数のシート片(11,12,13)が相互に積層された状態で少なくともいずれか二枚の前記シート片が剥離可能に接着されてなる帳票(10)において、
第1の前記シート片(11)と第2の前記シート片(12)が相互に折り返し線(b)を介して連続し、
第3の前記シート片(13)が前記第1のシート片(11)及び前記第2のシート片(12)と分離した態様で前記第2のシート片(12)に剥離可能に接着されるとともに、
前記第3のシート片(13)における前記折り返し線(b)が配置される側とは反対側にある第3の端縁部(13a)と、前記第2のシート片(12)における前記第3の端縁部(13a)と同側にある第2の端縁部(12a)とが平面的に一致することを特徴とする帳票。 - 前記第1のシート片と前記第2のシート片若しくは前記第3のシート片の少なくとも一方とが剥離可能に接着され、前記第1のシート片(11)における前記第2の端縁部(12a)及び前記第3の端縁部(13a)の側にある第1の端縁部(11a)が平面的に見て前記第2の端縁部(12a)及び前記第3の端縁部(13a)より前記折り返し線(b)の側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の帳票。
- 前記第1のシート片(11)及び前記第2のシート片(12)が前記第3のシート片(13)の表裏両面にそれぞれ剥離可能に接着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の帳票。
- 前記第1のシート片(11′)と前記第2のシート片(12′)が相互に剥離可能に接着されているとともに、前記第2のシート片(12′)における前記第1のシート片(11′)が接着された面とは反対側の面に前記第3のシート片(13′)が剥離可能に接着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の帳票。
- 前記第3のシート片(13′)における前記第3の端縁部(13a′)とは反対側の端縁部(13b′)が平面的に見て前記第1のシート片(11′)と前記第2のシート片(12′)の折り返し線(b)より前記第3の端縁部(13a′)の側に配置されることを特徴とする請求項4に記載の帳票。
- 複数のシート片(11,12,13)が相互に積層された状態で少なくともいずれか二枚の前記シート片が剥離可能に接着されてなる帳票(10)の製造方法において、
連続する三枚以上の前記シート片(11,12,13)を有する元シート(10X)を各シート片単位で二以上の折り返し線(a,b)により折り畳み、少なくとも一つの折り返し線(a)の両側にある前記シート片(12,13)同士を直接若しくは間接的に剥離可能に接着して積層させる工程と、
前記少なくとも一つの折り返し線(a)と並行して隣接する線(c)に沿って裁断することにより該折り返し線(a)の両側にある二枚の前記シート片(12,13)を分離する工程と、
を具備することを特徴とする帳票の製造方法。
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