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落花生アレルゲンの検出方法
本発明は、食品等の試料中に含まれる未変性及び変性の落花生アレルゲンを指標としたアレルゲンの検出方法や、それに用いられるアレルゲンの検出用キットに関する。
また、本発明は、食品等の試料中に含まれる未変性又は変性の落花生アレルゲンを定性的かつ定量的に高感度で分析することができる、落花生の主要タンパク質であるAra h1を指標とした落花生アレルゲンの検出方法や、それに用いられる落花生アレルゲンの検出用キットに関する。
自然環境の減少、車や工場などからの排気ガス、住宅事情等、或いは食べ物の変化など様々な因子により、現在では、3人に1人が何らかのアレルギー疾患をもつといわれている。特に、食物アレルギーは、食品中に含まれるアレルギー誘発物質(以下、食物アレルゲンという)の摂取が引き起こす有害な免疫反応であり、皮膚炎、喘息、消化管障害、アナフィラキシーショック等を引き起こし、このような食物アレルギーの患者が増加していることから、医学上及び食品産業上、深刻な問題を生じている。これらの危害は死に至らせることがあり、未然に処置を施す必要がある。そのためには、表示を通じて消費者へ情報提供の必要性も高まっており、FAO/WHO合同食品規格委員会は、アレルギー物質として知られている8種の原材料を含む食品にあっては、それを含む旨の表示について合意し、加盟国で各国の制度に適した表示方法を検討することとした(1999年6月)。日本では過去の健康危害などの程度、頻度を考慮して重篤なアレルギー症状を起した実績のある24品目の食品について、その表示方法が定められた(2002年4月より施行)。アレルギーを引き起こす食品としては、卵類、牛乳類、肉類、魚類、甲殻類及び軟体動物類、穀類、豆類及びナッツ類、果実類、野菜類、ビール酵母若しくはゼラチンなどが知られており、特に乳アレルゲンの主要成分としてのαs1カゼインや、ホエーアレルゲンの主要成分であるβラクトグロブリンや、卵白アレルゲン成分としてはオボアルブミンとオボムコイドや、小麦アレルゲンの主要成分としてグリアジンや、そばの主要タンパク質である分子量24kDaと76kDaのタンパク質や、落花生の主要タンパク質であるAra h1が知られている。
従来、アレルゲンを検出する方法としては、例えば、アレルゲンに特異的に反応するイムノグロブリンを定量する方法(特開平05−249111号公報参照)や、抗原抗体複合体を含有する検体中の該抗原抗体複合体を酸処理等により解離させ、必要に応じてアルカリを用いて中和処理を行った後、該検体中のアレルゲン特異的IgE抗体を測定する方法(特開平07−140144号公報参照)等が知られている。
また、現在、乳、卵、小麦、そば、落花生の特定原材料を検出するための公定法として、加熱・非加熱複合抗原より得られるポリクローナル抗体を用いた免疫学的な検出方法(特開2003−155297号公報参照;以下「市販公定法A」という)、あるいは精製抗原より得られたポリクローナル抗体を用いた免疫学的な検出方法(以下「市販公定法B」という)が用いられている。これらは、特異的にアレルゲンを検出するために有効な方法であるが問題も多い。例えば、市販公定法Aでは複合抗原を用いているため、何に対する抗体なのかが不明で、交差性が高く、例えば、イムノブロット法などによる抗原の同定ができず、また非特異反応が増える可能性がある。また、市販公定法Bでは、抗原が精製されているため抗体の特異性は明確であるものの、未変性の抗原を用いて作製された抗体を使用しているため、変性/未変性により抗体が結合する程度に違いがあるため、同じ添加量であっても、加熱前、加熱後での定量値が異なるという問題があった。特に、小麦は他の特定原材料(卵、乳、そば、落花生)の中でも過酷な加熱処理が施される場合が多い(例えばパン、唐揚げ等)ため、小麦アレルゲンは未変性から加熱変性まで、広範囲な状態で存在する。そこで、小麦アレルゲンを検出するためには、どの様な状態のアレルゲンに対して結合するかを明らかにしたモノクローナル抗体を作製し、その特性に応じて利用する必要がある。
さらに、卵の同定、定量に関しては、オボムコイドを指標として、すでにポリクローナル抗体を用いた方法(例えば、Int. Archs. Allergy appl. Immun., 75, 8-15, 1984参照)あるいはモノクローナル抗体を用いた方法(例えば、Nutr. Sci. Vitaminol. 45, 491-500, 1999参照)が知られている。また、オボムコイドを認識するモノクローナル抗体で
、未変性オボムコイドと反応するが熱変性オボムコイドとは反応しないモノクローナル抗体、熱変性オボムコイドと反応するが未変性オボムコイドとは反応しないモノクローナル抗体、及び未変性オボムコイドと熱変性オボムコイドに反応するモノクローナル抗体を用いて、加熱変性状態をも識別してオボムコイドを定量し、卵アレルゲンの同定と正確な定量を可能とする免疫学的定量方法が報告されている(例えば、特開2002−253230号公報参照)。
本発明の課題は、落花生アレルゲンを含む食品において、落花生アレルゲンが、変性/未変性のいかなる状態にあっても検出できる高感度な免疫学的な検出方法及びそれに用いられる検出キット等を提供することにある。
本発明者らは、特定原材料である落花生アレルゲンを検出する方法について鋭意検討し、未変性及び変性の落花生アレルゲンを認識する2種類又はそれ以上のモノクローナル抗体を用いると、これらアレルゲンを検出することができることを見い出した。
特定原材料の一つである落花生の検出方法の検討を行うに当たっては、精製した未変性のAra h1(以下「NAh1」という場合がある)、又は精製したAra h1を尿素と2−メルカプトエタノールを用いて変性したAra h1(以下「DAh1」という場合がある)に対するモノクローナル抗体を作出し、その中からNAh1、DAh1、未変性の落花生粗タンパク質(以下「NP−e」という場合がある)、及び/又は尿素処理した落花生粗タンパク質(以下「DP−e」という場合がある)を認識することができるMAbを複数選択し、サンドイッチELISAにより、未加熱(未変性)、加熱(変性)のいかなる状態の落花生タンパク質でも、高感度で分析できるMAbの組合わせを見い出した。また、これらのMAbを用いると、食品中の落花生アレルゲンがいかなる加工工程を経た場合にでも、本発明による検出方法や検出キットを利用する者がより簡便に検査対象製品からの落花生アレルゲンを検出しうることを確認した。
本発明(落花生アレルゲン)のPAh1−1およびPAh1−2のサンドイッチELISAによる各種落花生粗タンパク質に対する反応性を示す図である。 本発明(落花生アレルゲン)のPAh1−2およびPAh1−3のサンドイッチELISAによる各種落花生粗タンパク質に対する反応性を示す図である。 本発明(落花生アレルゲン)のPAh1−1、PAh1−2及びPAh1−3のMAb混合系サンドイッチELISAによる未変性落花生粗タンパク質に対する反応性を示す図である。 本発明(落花生アレルゲン)のPAh1−1、PAh1−2及びPAh1−3のMAb混合系サンドイッチELISAによる変性落花生粗タンパク質に対する反応性を示す図である。
本発明の落花生アレルゲンの検出方法としては、未変性落花生Ara h1タンパク質及び加熱変性落花生Ara h1タンパク質を認識する抗Ara h1タンパク質モノクローナル抗体を用いる落花生アレルゲンの免疫学的な検出方法や、未変性落花生Ara h1タンパク質及び加熱変性落花生Ara h1タンパク質を認識し、かつ異なるエピトープを認識する2種以上の抗Ara h1タンパク質モノクローナル抗体を併用する落花生アレルゲンの免疫学的な検出方法であれば特に制限されず、また、本発明の落花生アレルゲン検出用キットとしては、未変性落花生Ara h1タンパク質及び加熱変性落花生Ara h1タンパク質を認識する抗落花生Ara h1タンパク質モノクローナル抗体を備えた免疫学的なアレルゲン検出用キットや、未変性落花生Ara h1タンパク質及び加熱変性落花生Ara h1タンパク質を認識し、かつ異なるエピトープを認識する2種以上の抗落花生Ara h1タンパク質モノクローナル抗体を備えた免疫学的なアレルゲン検出用キットであれば特に制限されず、抗Ara h1タンパク質モノクローナル抗体としては、未変性Ara h1タンパク質と未変性落花生粗タンパク質、及び/又は、尿素処理Ara h1タンパク質と尿素処理落花生粗タンパク質を認識する抗Ara h1タンパク質モノクローナル抗体が好ましく、具体的には、ハイブリドーマ(FERM BP−10269)が産生する抗未変性Ara h1タンパク質モノクローナル抗体PAh1−1、ハイブリドーマ(FERM BP−10270)が産生する抗未変性Ara h1タンパク質モノクローナル抗体PAh1−2、ハイブリドーマ(FERM BP−10271)が産生する抗加熱変性Ara h1タンパク質モノクローナル抗体PAh1−3等を好適に例示することができる。また、PAh1−1等の未変性Ara h1タンパク質と未変性落花生粗タンパク質を認識する抗Ara h1タンパク質モノクローナル抗体と、PAh1−2等の未変性/変性Ara h1タンパク質と未変性/変性落花生粗タンパク質を認識する抗Ara h1タンパク質モノクローナル抗体との組合せや、PAh1−2とPAh1−3等の未変性/変性Ara h1タンパク質と未変性/変性落花生粗タンパク質を認識する抗Ara h1タンパク質モノクローナル抗体同士の組み合わせ、中でも、これらのモノクローナル抗体の混合系として組み合わせることで、特に有利にサンドイッチELISAやイムノクロマトを行うことができる。例えば、サンドイッチELISAにより、未変性落花生Ara h1タンパク質及び加熱変性落花生Ara h1タンパク質を、10〜1000ppbの濃度範囲においても定性的かつ定量的に分析することができる。
さらに、本発明の落花生アレルゲンの検出方法においては、検体から、尿素と2−メルカプトエタノールを用いて加熱変性落花生粗タンパク質を抽出することが好ましく、また、本発明の落花生アレルゲン検出用キットとしては、検体からの加熱変性落花生粗タンパク質抽出剤としての、尿素と2−メルカプトエタノールが備えられているものが好ましい。
以上の本発明の免疫学的なアレルゲンの検出方法は、未変性及び変性の落花生アレルゲン(以下「食物アレルゲン」ということがある)を含む試料を、標識化した抗落花生Ara h1タンパク質MAbと接触させ、あるいは標識化した抗体の存在下に食物アレルゲンMAbと接触させ、抗原抗体反応により標識化免疫複合体として捕捉する免疫反応段階と、生成した該免疫複合体をその分子中に存在する標識物質を用いて分離・測定する検出段階とからなり、かかる免疫反応段階における抗原抗体反応の方法も特に制限されず、例えば、以下の方法を例示することができる。
不溶性担体に結合した本発明の抗落花生Ara h1タンパク質MAbに試料中の食物アレルゲンを捕捉させた後に標識化抗IgG抗体を反応させるサンドイッチ法や、不溶性担体に結合した抗落花生Ara h1タンパク質MAbと異なるエピトープを認識する標識抗落花生Ara h1タンパク質MAb(第二抗体)を用いるサンドイッチ二抗体法や、不溶性担体に結合した抗落花生Ara h1タンパク質MAbに試料中の落花生アレルゲンを標識化抗原の存在下で反応させる競合法や、落花生アレルゲンを含有する試料にこれらと特異的に反応する磁気ビーズ結合標識抗落花生Ara h1タンパク質MAbを作用させた後、磁力により分離した免疫複合体中の標識物質を検出する磁気ビーズ法や、落花生アレルゲンを含有する試料にこれらと特異的に反応する標識抗落花生Ara h1タンパク質MAbを作用させて凝集沈殿させた後、遠心分離により分離した免疫複合体中の標識物質を検出する凝集沈殿法や、金コロイド等で標識された抗落花生Ara h1タンパク質MAbと落花生アレルゲンであるタンパク質が結合した抗原抗体複合体が試験ストリップ上を毛管現象等により移動する途中に、落花生アレルゲンと結合する抗落花生Ara h1タンパク質MAbをあらかじめ固定しておき、抗原抗体複合体を補足させることで現れる着色ラインの有無によって定性分析するイムノクロマト法の他、二重免疫拡散法、放射免疫拡散法など公知の免疫測定法を利用することができるが、抗落花生Ara h1タンパク質MAbとして、それぞれ異なるエピトープを認識する2以上のモノクローナル抗体を用いる方法、例えば、食品中の未変性アレルゲン及び/又は変性アレルゲンが100〜1000ppbの濃度範囲においても定性的かつ定量的に分析しうる高感度の点でサンドイッチ二抗体法が、定性的には簡便性からイムノクロマト法が好ましい。また、食肉製品等の食品試料中からアレルゲンを抽出する場合、尿素と2−メルカプトエタノールを用いることが望ましい。
上記抗原抗体反応において用いられる不溶性担体としては、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、フッ素樹脂、架橋デキストラン、ポリサッカライド等の高分子化合物、その他、ガラス、金属、磁性粒子及びこれらの組み合わせ等を挙げることができ、また、不溶性担体の形状としては、例えば、トレイ状、球状、繊維状、棒状、盤状、容器状、セル、マイクロプレート、試験管、ラテックスビーズ状等の種々の形状で用いることができる。更に、これら不溶性担体への抗原又は抗体の固定化方法は特に限定されるものでなく、物理的吸着法、共有結合法、イオン結合法等を用いることができる。
本発明の落花生アレルゲンの検出方法や落花生アレルゲン検出用キットに用いられる抗落花生Ara h1タンパク質MAbの免疫グロブリンのクラス及びタイプは特に制限されないが、抗落花生Ara h1タンパク質MAbとして、IgGクラス、タイプκの抗体が好適に用いられる。また、モノクローナル抗体の形態としては、全抗体又はF(ab’)、Fab等の断片を用いることもできる。抗体の由来は特に限定されるものではないが、マウス、ラット、ヒト、兎、鶏等を挙げることができるが、作製の簡便性からマウスに由来するモノクローナル抗体が好適に用いられる。また、抗落花生Ara h1タンパク質MAbは、未変性又は変性の落花生Ara h1タンパク質で免疫した動物から採取した抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞融合により調製されるハイブリドーマを培地上で培養するか、又は動物腹腔内に投与して腹水内で増殖させた後、該培養物又は腹水から採取することにより製造することができる。
落花生Ara h1タンパク質MAb産生ハイブリドーマは、例えば、未変性及び/又は変性の落花生アレルゲンを用いてBALB/cマウスを免疫し、免疫されたマウスの抗体産生細胞とマウスミエローマ細胞とを、常法により細胞融合させ、免疫蛍光染色パターンによりスクリーニングすることにより、抗落花生Ara h1タンパク質MAb産生ハイブリドーマを作出することができる。上記の抗体産生細胞としては、例えば未変性及び/若しくは変性の落花生アレルゲン又はこれを含有する組成物を投与して免疫した動物から得られる脾臓細胞、リンパ節細胞、B−リンパ球等を挙げることができる。免疫する動物としてはマウス、ラット、ウサギ、ウマ等が挙げられる。免疫は、例えば未変性及び/又は変性の落花生アレルゲンをそのまま又は適当なアジュバントと共に動物の皮下、筋肉内又は腹腔内に1〜2回/月、1〜6ケ月間投与することにより行なわれる。抗体産生細胞の分離は、最終免疫から2〜4日後に免疫動物から採取することにより行なわれる。ミエローマ細胞としては、マウス、ラット由来のもの等を使用することができる。抗体産生細胞とミエローマ細胞とは同種動物由来であることが好ましい。
細胞融合は、例えばダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)等の培地中で抗体産生細胞とミエローマ細胞とをポリエチレングリコール等の融合促進剤の存在下で混合することにより行なうことができる。細胞融合終了後、DMEM等で適当に希釈し、遠心分離し、沈殿をHAT培地等の選択培地に懸濁して培養することによりハイブリドーマを選択し、次いで、培養上清を用いて酵素抗体法により抗体産生ハイブリドーマを検索し、限界希釈法等によりクローニングを行ない、抗落花生Ara h1タンパク質MAbを産生するハイブリドーマを得ることができる。また、落花生の未変性の食物アレルゲンのみを用いて免疫した抗免疫動物から、有利に抗変性落花生アレルゲンMAbを得ることができる場合もある。この場合、抗変性落花生Ara h1タンパク質MAb等の抗変性食物アレルゲンMAb産生ハイブリドーマをスクリーニングしてもよいし、あるいは、固相状態でのELISAで未変性の落花生アレルゲンに対するモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを選択し、この抗体産生ハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体から液相状態で未変性の落花生Ara h1タンパク質に対してのみ特異的に反応する抗食物アレルゲンMAbを得ることができる。前記のように、抗体産生ハイブリドーマを培地中又は生体内で培養しモノクローナル抗体を培養物から採取することができるが、培養物又は腹水からのモノクローナル抗体の分離・精製方法としては、タンパク質の精製に一般的に用いられる方法であればどのような方法でもよく、例えば、IgG精製に通常使用される硫安分画法、陰イオン交換体又はプロテインA、G等のカラムによるクロマトグラフィーによって行なうことができる。
また、標識化抗体作製に用いられる標識物質としては、単独でまたは他の物質と反応することにより検出可能なシグナルをもたらすことができる標識物質であればよく、酵素、蛍光物質、化学発光物質、放射性物質、金コロイド等を使用するのができ、酵素としてはペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコ−ス−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、アルコール脱水素酵素、リンゴ酸脱水素酵素、ペニシリナーゼ、カタラーゼ、アポグルコースオキシダーゼ、ウレアーゼ、ルシフェラーゼ若しくはアセチルコリンエステラーゼ等を、蛍光物質としては、フルオレスセインイソチオシアネート、フィコビリタンパク、希土類金属キレート、ダンシルクロライド若しくはテトラメチルローダミンイソチオシアネート等を、発光物質としては、ルミノール類、ジオキセタン類、アクリジニウム塩類等を、放射性物質としてはH、14C、125I若しくは131I等を例示することができる。標識物質が酵素である場合には、その活性を測定するために基質、必要により発色剤、蛍光剤、発光剤等が用いることができる。
本発明の食物アレルゲン検出用キットには、有効成分としての抗落花生Ara h1タンパク質MAb、好ましくはそれぞれ異なるエピトープを認識する2以上の抗落花生Ara h1タンパク質MAbを含むが、これらは保存安定性の点から、溶液状態よりも凍結乾燥物として収容されていることが好ましく、検出用キットにはかかる抗落花生Ara h1タンパク質MAbを溶解する緩衝液や培養液の他、試料を調製するための緩衝液等を含んでいてもよい。また、より好ましい別の態様の本発明の抗食物アレルゲン検出用キットとしては、前記イムノクロマト法における試験ストリップを挙げることができる。この場合、異なるエピトープを認識する2種類のモノクローナル抗体の少なくとも一つを、イムノクロマト用に用いられる金コロイドで標識されたモノクローナル抗体とすることが好ましい。
本発明のモノクローナル抗体としては、ハイブリドーマ(FERM BP−10269)が産生する抗未変性Ara h1タンパク質モノクローナル抗体PAh1−1や、ハイブリドーマ(FERM BP−10270)が産生する抗未変性Ara h1タンパク質モノクローナル抗体PAh1−2や、ハイブリドーマ(FERM BP−10271)が産生する抗加熱変性Ara h1タンパク質モノクローナル抗体PAh1−3を挙げることができ、これらハイブリドーマは、平成17(2005)年2月24日(受領日)付で独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(〒305−8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に寄託されている。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
1.抗Ara h1MAbの確立
1−1 材料及び方法
1)Ara h1タンパク質の調製
市販生落花生に5倍量の20mM bis-tris-propanebuffer(pH7.2)を加え、室温で2時間攪拌後3000×gで遠心分離を行い沈殿および油分を除去した。得られた水溶性画分を再度10000×gで遠心分離を行い上清を得た。上清をさらにSourceQ(アマシャム ファルマシア)を用いて、20mMのbis-tris-propane buffer(pH7.2)、NaClのリニアグラジエント(0〜1M)により精製を行った。精製したAra h1画分を蒸留水による透析後、凍結乾燥を行い、未変性Ara h1(以下NAh1と記す)とした。また、変性Ara h1(以下DAh1と記す)はNAh1を10mg量り、尿素6g、2−メルカプトエタノール(以下2−MEと記す)0.2ml、50mMのTris−HCl緩衝液(pH 8.6)1ml、蒸留水1.5mlを加え、アルミフォイルで蓋をした後、100℃で1時間オイルバスで加熱、変性処理を行った。その後透析し、凍結乾燥を行った。これらの凍結乾燥を用い、生理食塩水で0.1%のDAh1溶液及び0.1%のDAh1溶液それぞれを作製し、1ml容エッペンドルフチューブに500μlずつ分注して抗原溶液とし、免疫に供するまで−20℃で凍結保管した。
2)免疫
供試動物として、5週齢のBALB/cマウス(日本クレア株式会社製)5尾を用いた。初回免疫には、完全フロイントアジュバント(Difco)を0.1%のNAh1溶液及び0.1%のDAh1溶液がそれぞれ500μl入ったエッペンドルフチューブに等量ずつ加え、ボルテックスミキサーにて攪拌して作製したエマルジョンを供試した。このエマルジョンを1尾当たり150μl腹腔内に注射した。また、追加免疫は、2週間の間隔で3回行った。免疫には、不完全フロイントアジュバント(Difco)を0.1%のNAh1溶液及び0.1%のDAh1溶液がそれぞれ500μl入ったエッペンドルフチューブに等量ずつ加え、ボルテックスミキサーにて攪拌して作製したエマルジョンを供試した。このエマルジョンを1尾当たり150μl腹腔内に注射した。
3)血中抗体価の測定
初回あるいは追加免疫でNAh1溶液又はDAh1溶液を注射した1週間後に、各BALB/cマウスの尾部静脈より採血を行った。採血した血液は室温に2時間放置後、遠心分離を行い、血清を得た。これらの血清の10倍希釈段を作製し、非競合法ELISAによりマウス血中の抗NAh1抗体価及び抗DAh1抗体価を調べた。なお、二次抗体にはアルカリフォスファターゼ標識抗マウスIgG(H+L)抗体(Jackson ImmunoReserch Laboratories Inc.製)を用いた。
4)ハイブリドーマの作製
ハイブリドーマの作製は、ケラーとミルシュタインの方法(1975)に従った。すなわち、十分に抗体価が上がったマウスに、0.1%のNAh1溶液又は0.1%のDAh1溶液それぞれ100μlを尾部静脈より注射した。静脈注射から4日後、マウスより脾臓を無菌的に摘出した。脾臓を細切後、RPMI1640で洗浄して、滅菌ナイロンメッシュ(Cell Strainer, 70 mm, Becton Dickinson)を通し、脾臓細胞懸濁液を得た。1,000rpm×10分の遠心分離により脾臓細胞を集め、再度RPMI1640で再懸濁し細胞数をカウントした。この脾臓細胞懸濁液とマウスミエローマ細胞(P3X63Ag8.653)懸濁液を細胞数が10:1になるように混合し、再度1,000rpm×10分の遠心分離を行い、ペレットを得た。このペレットに平均分子量3,350の45%ポリエチレングリコールを滴下し細胞融合を行った。細胞溶液にRPMI1640を加え希釈後、遠心分離でペレットにした。このペレットに、ハイブリドーマ用培地(10%牛胎児血清、40mMの2−メルカプトエタノール、100U/mlのペニシリン、100mg/mlのストレプトマイシンを含むRPMI1640培地)に100μMのヒポキサンチン、0.4μMのアミノプテリン、16μMのチミジンを含むHAT選択培地を加え、5×10cells/wellとなるように24ウェルの細胞培養用プレート(Becton Dickinson)に分注し、5%CO下37℃で培養した。
5)限界希釈法によるクローニング
細胞培養用プレートの各ウェルの培養上清について、ELISAの一次抗体として供試し、抗NAh1抗体又はDAh1抗体を産生しているハイブリドーマの存在を調べた。ELISAによりNAh1又はDAh1に対して陽性を示したウェルのハイブリドーマについて、0.9cell/wellとなるように96ウェルの細胞培養用プレート(Becton Dickinson)に移し、限界希釈法によるクローニングを行った。なお、フィーダー細胞として、4週齢BALB/cマウス胸腺細胞を5×10cells/wellとなるように96ウェル細胞培養用プレートの各ウェルに加えた。クローニングされたハイブリドーマの培養には、10%牛胎児血清、40mMの2−メルカプトエタノール、100U/mlのペニシリン、100g/mlのストレプトマイシンを含むRPMI1640培地を用いた。
6)抗体のスクリーニング
モノクローナル抗体のスクリーニングは、NAh1、DAh1、あるいは落花生粗タンパク質の未変性物(以下NP−eと記す)、尿素処理(以下DP−eと記す)の4種類に対する反応性の違いを調べることで特異性の異なるクローンを得ることとした。なお、NP−eは落花生に5倍量の20mMbis-tris-propanebuffer(pH7.2)を加え、室温で2時間攪拌後遠心分離を2回行い得られた上清を透析した後、凍結乾燥したものとした。また、DP−eはNP−eを10mg量り、尿素6g、2−ME0.2ml、50mMのTris−HCl緩衝液(pH8.6)1ml、蒸留水1.5mlを加え、アルミフォイルで蓋をした後、100℃で1時間オイルバスで加熱、変性処理を行ったものとした。培養上清のNAh1、NP−e、DAh1あるいはDP−eに対する反応性を非競合法ELISAにて調べた。
7)腹水の採取及びMAbの精製
Jonesら(1990)に従い、まず、BALB/cマウスに不完全フロイントアジュバントを0.2ml腹腔内に注射した。1週間後、一尾当たり5×10cellsのクローニングされたハイブリドーマを接種した。腹水貯留後、シリンジにより腹水を採取した。採種した腹水をProtein G カラム(アマシャム ファルマシア)により精製した。
8)MAbの特性とMAbのクラス、サブクラス及びタイプ
抗NAh1MAb又は抗DAh1MAbの特性を決定するために、固相法を用いた。固相法として、NAh1、DAh1、NP−e又はDP−eをあらかじめ細胞培養用プレートのウェル内に固定し、この固定化された抗原に抗NAh1MAb又はDAh1MAbを作用させる方法を用いた。また、MAbのクラス及びサブクラスについては、Monoclonal mouse immunoglobulin isotypingkit(Pharmingen)により、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、IgM、IgA、IgL(κ)及びIgL(γ)を決定した。
9)MAbのビオチン化
精製したMAbについて、サンドイッチELISAに供試するため、それぞれビオチン化処理を行った。50mMの炭酸緩衝液(pH8.5)を用いて20mg/mlとなるよう調製し、DMSOに3mg/100μlで溶解したNHS−ビオチン溶液を10μl加え、撹拌後、氷冷しながら2時間静置した。その後、20mg/mlとなるようにPBSで置換した。
1−2 結果
1)抗NAh1MAbとDAh1MAbの特性とクラス、サブクラス
NAh1に対する特異性を持つMAb7種類、及び、DAh1に対する特異性を持つMAb3種類を得た。それぞれ固相の抗原に対する特異性を表1及び表2に示した。
Figure 2009271091
Figure 2009271091
2)組合せ条件
固相の抗原に対し陽性反応を示した各MAbをそれぞれ固相あるいはビオチン化抗体として、NP−eおよびDP−eを検出するためのMAbの組合せを、サンドイッチELISAにおける検出感度の点から選出した。その結果、NP−eを検出できる組合せとして、プレート抗体にPAh1−2(FERM BP−10270)とビオチン抗体にPAh1−1(FERM BP−10269)、また、DP−eを検出できる組合せとしてプレート抗体にPAh1−2とビオチン抗体にPAh1−3(FERM BP−10271)の組合せを選択した(図と図)。
3)MAb混合系でのNP−e、DP−eの検出
固相にPAh1−2、ビオチン化にPAh1−1およびPAh1−3を混合し、NP−e、DP−eの検出感度を確認した。それぞれのMAb濃度は50μg/mlに設定した。その結果、MAb混合系でNP−e、DP−eともに検出することが可能であった(図と図)。
2.サンドイッチELISAによる食品中の落花生粗タンパク質の検出
上記1.で選択されたPAh1−1、PAh1−2およびPAh1−3の組合せにより、実際の食品中の落花生粗タンパク質を検出できるかを試みた。
2−1 材料及び方法
1)モデル食肉製品の作製
定量試験のためのモデル食品として食肉製品を選択し、表に示す配合にて各濃度の落花生粗タンパク質を含むモデル食肉製品を作製した。豚赤肉は、豚ロース肉より脂、スジを除去し、5mmで挽肉にしたものを使用した。各配合に従い添加物を計量し、フードプロセッサーにて混合後、塩ビチューブに充填を行い、75℃で30分の加熱を行った。
Figure 2009271091
2)サンドイッチELISAによる定量分析
(モデル塩漬肉)
各モデル塩漬肉を、フードプロセッサーにて均一になるまで磨砕し、分析用サンプルとした。サンプル1gを量り取り、PBST19gを加えホモジナイザーにて30秒攪拌した。3000rpm×20分の遠心分離を行い、上清をろ紙でろ過したものを0.5ml測り取り、PBSTを9.5ml加え、ELISA用サンプルとした。検量線には同様にPBSTに溶解した落花生粗タンパク質の段階希釈を用いた。
(モデル加熱製品)
各モデル加熱製品を、フードプロセッサーにて均一になるまで磨砕し、分析用サンプルとした。サンプル1gを量り取り、1M尿素および0.1%2−MEを含むPBS19gを加えホモジナイザーにて30秒攪拌した。その後、100℃で1時間加熱処理を行った。冷却後3000rpm×20分の遠心分離を行い、上清をろ紙でろ過したものを0.5ml測り取りPBSTを9.5ml加え、ELISA用サンプルとした。検量線には同様に1M尿素および0.1% 2−ME処理を行った落花生粗タンパク質の段階希釈を用いた。また、分析用サンプルからPBSTを用いて抽出し、PBSTに溶解した落花生粗タンパク質を検量線とした尿素および2−MEを用いない場合との比較を行った。
2−2 結果
サンドイッチELISAによるモデル食肉製品中の落花生粗タンパク質の分析について、モデル塩漬肉の結果を表に、モデル加熱製品の結果を表に、また、PBSTのみで抽出した結果を表に示す。
Figure 2009271091
Figure 2009271091
Figure 2009271091
以上の結果から、モデル塩漬肉のように未加熱の落花生粗タンパク質でも、モデル加熱製品のような加熱変性した落花生粗タンパク質でも、高い回収率で落花生粗タンパク質を検出可能であった。これらのことから、未変性タンパク質に結合可能なMAbと変性タンパク質に結合可能なMAbを組み合わせることにより、未加熱(未変性)、加熱(変性)のいかなる状態の落花生タンパク質でも、高感度で分析できることがわかった。また、食品中からの落花生粗タンパク質の抽出には尿素および2−MEを用いることが有効であり、尿素で変性させたAh1に結合可能であることが必要であることが明らかとなった。
3.イムノクロマトによる未変性および変性落花生粗タンパク質の検出
3−1 材料及び方法
1)金コロイド標識及びコンジュゲートパッドの作製
2mMホウ酸緩衝液(pH9.0)で1mg/mlとなるようにPAh1−1とPAh1−3のMAb溶液を調製した。あらかじめ0.2M炭酸カリウム溶液でpH9.0に調製した金コロイド溶液(シグマ社製)5mlにMAb溶液を500ml加え、室温で30分間反応した後、10%BSA溶液625μlを加え、さらに15分間反応させた。遠心分離を行い、1% BSA溶液でOD525=2.0になるよう調製し、1:1の割合で混合した。ガラスウール製コンジュゲートパッドに68μl/cmとなるよう塗布し、乾燥させた。
2)抗体固定化メンブレンの作製
PBSで4mg/mlとなるようPAh1−2のMAb溶液を調製し、ニトロセルロースメンブレンに直線状に塗布し乾燥させた。その後、1%スキムミルクを含む10mMリン酸バッファー(pH7.5)で37℃、1時間ブロッキング後、10mMリン酸バッファー(pH7.5)で洗浄し乾燥させた。
3)イムノクロマトストリップの組立と評価
上記で作製したサンプルパッド、コンジュゲートパッド、抗体固定化メンブレン、吸収パッドをそれぞれ貼り付け、イムノクロマトストリップとした。非検液としては、上記2.で調製したモデル食肉製品を適宜希釈して用いた。
3−2 結果
メンブレン塗布MAb PAh1−2、および金コロイド標識MAb PAh1−1とPAh1−3 の組合せにより、落花生粗タンパク質は加熱、非加熱に係わらず50ppb(食品中2ppm)まで検出することができた。この結果から、製造工程中に混入した落花生タンパク質が対象となっても、加熱後の製品が対象となっても、いかなる場合にでも対応できるイムノクロマトストリップの設計が可能となった。
市販のアレルゲン検出用イムノクロマトストリップでは、ブランクとして0.01M尿素、0.2%2−MEを含むPBSを滴下したところ、非特異的なバンドが生じてしまい、擬陽性となってしまった。これでは、加熱などにより変性した食品タンパク中から効率よくアレルゲンを抽出するためのタンパク質変性剤を使用できず、アレルゲンとして検出できる対象が極めて狭い範囲に限られてしまう危険性が考えられた。
本発明によると、食品等に含まれる落花生アレルゲンについての免疫学的な検出方法において、これらアレルゲンが、変性/未変性のいかなる状態にあっても正確に定性かつ定量的に検出することができる。

Claims (15)

  1. 未変性落花生Ara h1タンパク質及び加熱変性落花生Ara h1タンパク質を認識する抗Ara h1タンパク質モノクローナル抗体を用いることを特徴とする落花生アレルゲンの検出方法。
  2. 未変性落花生Ara h1タンパク質及び加熱変性落花生Ara h1タンパク質を認識し、かつ異なるエピトープを認識する2種以上の抗Ara h1タンパク質モノクローナル抗体を併用することを特徴とする落花生アレルゲンの検出方法。
  3. 抗Ara h1タンパク質モノクローナル抗体が、未変性Ara h1タンパク質と未変性落花生粗タンパク質、及び/又は、尿素処理Ara h1タンパク質と尿素処理落花生粗タンパク質を認識する抗Ara h1タンパク質モノクローナル抗体であることを特徴とする請求項1又は2記載の落花生アレルゲンの検出方法。
  4. 抗落花生Ara h1タンパク質モノクローナル抗体が、ハイブリドーマ(FERM BP−10269)が産生する抗未変性Ara h1タンパク質モノクローナル抗体PAh1−1及び/又はハイブリドーマ(FERM BP−10270)が産生する抗未変性Ara h1タンパク質モノクローナル抗体PAh1−2及び/又はハイブリドーマ(FERM BP−10271)が産生する抗加熱変性Ara h1タンパク質モノクローナル抗体PAh1−3であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の落花生アレルゲンの検出方法。
  5. サンドイッチELISAにより、未変性落花生Ara h1タンパク質及び加熱変性落花生Ara h1タンパク質を、10〜1000ppbの濃度範囲においても定性的かつ定量的に分析しうることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の落花生アレルゲンの検出方法。
  6. 検体から、尿素と2−メルカプトエタノールを用いて加熱変性落花生Ara h1タンパク質を抽出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の落花生アレルゲンの検出方法。
  7. 未変性落花生Ara h1タンパク質及び加熱変性落花生Ara h1タンパク質を認識する抗落花生Ara h1タンパク質モノクローナル抗体を備えたことを特徴とする落花生アレルゲン検出用キット。
  8. 未変性落花生Ara h1タンパク質及び加熱変性落花生Ara h1タンパク質を認識し、かつ異なるエピトープを認識する2種以上の抗落花生Ara h1タンパク質モノクローナル抗体を備えたことを特徴とする落花生アレルゲン検出用キット。
  9. 抗Ara h1タンパク質モノクローナル抗体が、未変性Ara h1タンパク質と未変性落花生粗タンパク質、及び/又は、尿素処理Ara h1タンパク質と尿素処理落花生粗タンパク質を認識する抗Ara h1タンパク質モノクローナル抗体であることを特徴とする請求項7又は8記載の落花生アレルゲン検出用キット。
  10. 抗落花生Ara h1タンパク質モノクローナル抗体が、ハイブリドーマ(FERM BP−10269)が産生する抗未変性Ara h1タンパク質モノクローナル抗体PAh1−1及び/又はハイブリドーマ(FERM BP−10270)が産生する抗未変性Ara h1タンパク質モノクローナル抗体PAh1−2及び/又はハイブリドーマ(FERM BP−10271)が産生する抗加熱変性Ara h1タンパク質モノクローナル抗体PAh1−3であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか記載の落花生アレルゲン検出用キット。
  11. 異なるエピトープを認識する2種以上のモノクローナル抗体の少なくとも一つが、イムノクロマト用に用いられる金コロイドで標識されたモノクローナル抗体であることを特徴とする請求項7〜10のいずれか記載の落花生アレルゲン検出用キット。
  12. 検体からのタンパク質抽出剤としての、尿素と2−メルカプトエタノールが備えられていることを特徴とする請求項7〜11のいずれか記載の落花生アレルゲン検出用キット。
  13. ハイブリドーマ(FERM BP−10269)が産生する抗未変性Ara h1タンパク質モノクローナル抗体PAh1−1。
  14. ハイブリドーマ(FERM BP−10270)が産生する抗未変性Ara h1タンパク質モノクローナル抗体PAh1−2。
  15. ハイブリドーマ(FERM BP−10271)が産生する抗加熱変性Ara h1タンパク質モノクローナル抗体PAh1−3。
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