JP4954009B2 - アレルゲンの検出方法及び検出用キット - Google Patents

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本発明は、食品等の試料中に含まれるSDS未変性及びSDS変性のアクチニジンを認識する2種類又はそれ以上のモノクローナル抗体を用いるキウイアレルゲンの検出方法や、それに用いられるアレルゲンの検出用キットに関する。
キウイはマタタビ科の植物で、サルナシ、マタタビが同属の植物となる。キウイは、ビタミンCが豊富なフルーツとして世界中で食されている一方で、キウイは平成13年3月21日付けの厚生労働省からの通知「アレルギー物質を含む食品に関する表示について」(食企発第2号食監発第46号)により、表示が推奨される20品目の一つに指定されている。表示推奨品目の果物類の中でキウイは最も患者数が多く、口腔内アレルギー症候群(Oral Allergy Syndrome;OAS)や重篤なアレルギー症状を示すものとして知られている。キウイアレルギーの原因物質としては、アクチニジン(EC 3.4.22.14)が知られており、キウイに含まれる総たんぱく質の40〜50%を占め、分子量27kDa、220残基のアミノ酸よりなるシステインプロテアーゼである。
従来、アレルゲンの検出する方法としては、例えば、アレルゲンに特異的に反応するイムノグロブリンを定量する方法(例えば、特許文献1参照)や、抗原抗体複合体を含有する検体中の該抗原抗体複合体を酸処理等により解離させ、必要に応じてアルカリを用いて中和処理を行った後、該検体中のアレルゲン特異的IgE抗体を測定する方法(例えば、特許文献2参照)等が知られている。
また、現在、乳、卵、小麦、そば、落花生の特定原材料を検出するための公定法として、加熱・非加熱複合抗原より得られるポリクローナル抗体を用いた免疫学的な検出方法(例えば、特許文献3参照;以下「市販公定法A」という)、あるいは精製抗原より得られたポリクローナル抗体を用いた免疫学的な検出方法(以下「市販公定法B」という)が用いられている。これらは、特異的にアレルゲンを検出するために有効な方法であるが問題も多い。例えば、市販公定法Aでは複合抗原を用いているため、何に対する抗体なのかが不明で、交差性が高く、例えば、イムノブロット法などによる抗原の同定ができず、また非特異反応が増える可能性がある。また、市販公定法Bでは、抗原が精製されているため抗体の特異性は明確であるものの、未変性の抗原を用いて作製された抗体を使用しているため、変性/未変性により抗体が結合する程度に違いがあるため、同じ添加量であっても、加熱前、加熱後での定量値が異なるという問題があった。
特開平05−249111号公報 特開平07−140144号公報 特開2003−155297号公報
本発明の課題は、キウイアレルゲンを含む食品等の被検試料から、SDSを用いて、キウイアレルゲンであるアクチニジンを抽出し、上記アレルゲンがSDS変性/SDS未変性のいかなる状態にあっても検出できる高感度な免疫学的な検出方法及びそれに用いられる検出キット等を提供することにある。
本発明者らは、キウイのアレルゲンを検出する方法について鋭意検討し、SDS未変性及びSDS変性のアクチニジンを認識する2種類又はそれ以上のモノクローナル抗体を用いると、これら特定原材料のSDS抽出液を用いてキウイアレルゲンを正確に検出することができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は(1)キウイアレルゲンであるアクチニジン含有又は未含有試料を、SDS未変性のアクチニジンを認識する2種類又はそれ以上のモノクローナル抗体と、SDS変性のアクチニジンを認識する2種類又はそれ以上のモノクローナル抗体とを用いて免疫反応に供することを特徴とするキウイアレルゲンの検出方法や、(2)キウイアレルゲンであるアクチニジン含有又は未含有試料として、SDSと2−メルカプトエタノールによる抽出液を用いることを特徴とする前記(1)記載のキウイアレルゲンの検出方法や、(3)SDS未変性のアクチニジンを認識する2種類又はそれ以上のモノクローナル抗体が、ハイブリドーマ(FERM P−21377)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体N−ACT1とハイブリドーマ(FERM P−21378)が産生するモノクローナル抗体N−ACT2、又は、ハイブリドーマ(FERM P−21046)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体N−ACT3とハイブリドーマ(FERM P−21047)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体N−ACT4であることを特徴とする前記(1)又は(2)記載のキウイアレルゲンの検出方法や、(4)SDS変性のアクチニジンを認識する2種類又はそれ以上のモノクローナル抗体が、ハイブリドーマ(FERM P−21381)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体D−ACT4とハイブリドーマ(FERM P−21382)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体D−ACT5、又は、ハイブリドーマ(FERM P−21379)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体N−ACT5とハイブリドーマ(FERM P−21380)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体D−ACT3であることを特徴とする前記(1)又は(2)記載のキウイアレルゲンの検出方法に関する。
また本発明は(5)SDS未変性のアクチニジンを認識する2種類又はそれ以上のモノクローナル抗体と、SDS変性のアクチニジンを認識する2種類又はそれ以上のモノクローナル抗体とを備えたことを特徴とするキウイアレルゲンの検出セットや、(6)SDS未変性のアクチニジンを認識する2種類又はそれ以上のモノクローナル抗体が、ハイブリドーマ(FERM P−21377)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体N−ACT1とハイブリドーマ(FERM P−21378)が産生するモノクローナル抗体N−ACT2、又は、ハイブリドーマ(FERM P−21046)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体N−ACT3とハイブリドーマ(FERM P−21047)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体N−ACT4であることを特徴とする前記(5)記載のキウイアレルゲンの検出セットや、(7)SDS変性のアクチニジンを認識する2種類又はそれ以上のモノクローナル抗体が、ハイブリドーマ(FERM P−21381)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体D−ACT4とハイブリドーマ(FERM P−21382)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体D−ACT5、又は、ハイブリドーマ(FERM P−21379)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体N−ACT5とハイブリドーマ(FERM P−21380)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体D−ACT3であることを特徴とする前記(5)記載のキウイアレルゲンの検出セットに関する。
本発明によると、食品等に含まれるキウイアレルゲンについての免疫学的な検出方法において、キウイアレルゲンが、変性/未変性のいかなる状態にあっても、正確に定性かつ定量的に検出することができる。
本発明のキウイアレルゲンの検出方法としては、キウイアレルゲンであるアクチニジン含有又は未含有試料を、SDS未変性のアクチニジンを認識する2種類又はそれ以上のモノクローナル抗体と、SDS変性のアクチニジンを認識する2種類又はそれ以上のモノクローナル抗体とを用いて免疫反応に供する方法であれば特に制限されず、また、上記キウイアレルゲンであるアクチニジン含有又は未含有試料としては、SDSと2−メルカプトエタノールによる抽出液を用いることが好ましく、より具体的には、0.5%SDS及び0.5%2−メルカプトエタノールを含む緩衝液による抽出液を用いることが好ましい。
また、本発明のキウイアレルゲンの検出キットとしては、SDS未変性のアクチニジンを認識する2種類又はそれ以上のモノクローナル抗体と、SDS変性のアクチニジンを認識する2種類又はそれ以上のモノクローナル抗体とを備えたキットであれば特に制限されず、2種類のモノクローナル抗体の少なくとも一つが、イムノクロマト用に用いられる金コロイドで標識されたモノクローナル抗体であることが好ましい。
上記SDS未変性のアクチニジンを認識する2種類又はそれ以上のモノクローナル抗体として、具体的には、ハイブリドーマ(FERM −21377)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体N−ACT1とハイブリドーマ(FERM −21378)が産生するモノクローナル抗体N−ACT2との組み合わせ、ハイブリドーマ(FERM P−21046)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体N−ACT3とハイブリドーマ(FERM P−21047)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体N−ACT4との組み合わせ等を好適に例示することができ、また、SDS変性のアクチニジンを認識する2種類又はそれ以上のモノクローナル抗体として、プリマハム株式会社基礎研究所(茨城県土浦市中向原635)にて所有するハイブリドーマが産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体D−ACT1と、ハイブリドーマ(FERM P−21045)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体D−ACT2との組み合わせ、ハイブリドーマ(FERM −21379)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体N−ACT5と、ハイブリドーマ(FERM −21380)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体D−ACT3との組み合わせ、ハイブリドーマ(FERM −21381)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体D−ACT4とハイブリドーマ(FERM −21382)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体D−ACT5との組み合わせ等を好適に例示することができる。抗アクチニジンモノクローナル抗体N−ACT5とD−ACT3との組み合わせは、100℃・30分、121℃・15分の加熱変性したアクチニジンを認識することができる。
したがって、抗アクチニジンモノクローナル抗体である、N−ACT1とN−ACT2とD−ACT1とD−ACT2との組み合わせや、N−ACT3とN−ACT4とD−ACT1とD−ACT2との組み合わせや、N−ACT1とN−ACT2とN−ACT5とD−ACT3との組み合わせや、N−ACT3とN−ACT4とN−ACT5とD−ACT3との組み合わせや、N−ACT1とN−ACT2とD−ACT4とD−ACT5との組み合わせや、N−ACT3とN−ACT4とD−ACT4とD−ACT5との組み合わせや、N−ACT1とN−ACT2とN−ACT5とD−ACT3とD−ACT4とD−ACT5との組み合わせや、N−ACT3とN−ACT4とN−ACT5とD−ACT3とD−ACT4とD−ACT5との組み合わせを用いることで、特に有利にサンドイッチELISAやイムノクロマトを行うことができ、SDS未変性及びSDS変性のアクチニジンを定量することができる。
以上の本発明の免疫学的なキウイアレルゲンの検出方法は、未変性/変性のキウイアレルゲンを含む試料を、標識化した前記本件モノクローナル抗体と接触させ、あるいは標識化した抗体の存在下に前記本件モノクローナル抗体と接触させ、抗原抗体反応により標識化免疫複合体として捕捉する免疫反応段階と、生成した該免疫複合体をその分子中に存在する標識物質を用いて分離・測定する検出段階とからなり、かかる免疫反応段階における抗原抗体反応の方法も特に制限されず、例えば、以下の方法を例示することができる。
不溶性担体に結合した本件モノクローナル抗体に試料中のキウイアレルゲンを捕捉させた後に標識化抗IgG抗体を反応させるサンドイッチ法や、不溶性担体に結合した本件モノクローナル抗体と異なるエピトープを認識する標識本件モノクローナル抗体(第二抗体)を用いるサンドイッチ二抗体法や、不溶性担体に結合した本件モノクローナル抗体に試料中のキウイアレルゲンを標識化抗原の存在下で反応させる競合法や、キウイアレルゲンを含有する試料にこれらと特異的に反応する磁気ビーズ結合標識本件モノクローナル抗体を作用させた後、磁力により分離した免疫複合体中の標識物質を検出する磁気ビーズ法や、キウイアレルゲンを含有する試料にこれらと特異的に反応する標識本件モノクローナル抗体を作用させて凝集沈殿させた後、遠心分離により分離した免疫複合体中の標識物質を検出する凝集沈殿法や、金コロイド等で標識された本件モノクローナル抗体とキウイアレルゲンであるアクチニジンが結合した抗原抗体複合体が試験ストリップ上を毛管現象等により移動する途中に、キウイアレルゲンと結合する本件モノクローナル抗体をあらかじめ固定しておき、抗原抗体複合体を捕捉させることで現れる着色ラインの有無によって定性分析するイムノクロマト法の他、二重免疫拡散法、放射免疫拡散法など公知の免疫測定法を利用することができるが、本件モノクローナル抗体として、それぞれ異なるエピトープを認識する2以上のモノクローナル抗体を用いる方法、例えば、食品中の未変性キウイアレルゲン及び/又は変性キウイアレルゲンが100〜1000ppbの濃度範囲においても定性的かつ定量的に分析しうる高感度の点でサンドイッチ二抗体法が、定性的には簡便性からイムノクロマト法が好ましい。
上記抗原抗体反応において用いられる不溶性担体としては、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、フッ素樹脂、架橋デキストラン、ポリサッカライド等の高分子化合物、その他、ガラス、金属、磁性粒子及びこれらの組み合わせ等を挙げることができ、また、不溶性担体の形状としては、例えば、トレイ状、球状、繊維状、棒状、盤状、容器状、セル、マイクロプレート、試験管、ラテックスビーズ状等の種々の形状で用いることができる。更に、これら不溶性担体への抗原又は抗体の固定化方法は特に限定されるものでなく、物理的吸着法、共有結合法、イオン結合法等を用いることができる。
本発明のアレルゲンの検出方法やアレルゲン検出用キットに用いられる本件モノクローナル抗体の免疫グロブリンのクラス及びタイプは特に制限されないが、本件モノクローナル抗体として、IgGクラス、タイプκの抗体が好適に用いられる。また、モノクローナル抗体の形態としては、全抗体又はF(ab’)、Fab等の断片を用いることもできる。抗体の由来は特に限定されるものではないが、マウス、ラット、ヒト、兎、鶏等を挙げることができるが、作製の簡便性からマウスに由来するモノクローナル抗体が好適に用いられる。また、本件モノクローナル抗体は、未変性又はSDS変性のキウイアレルゲンであるアクチニジンで免疫した動物から採取した抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞融合により調製されるハイブリドーマを培地上で培養するか、又は動物腹腔内に投与して腹水内で増殖させた後、該培養物又は腹水から採取することにより製造することができる。
本件モノクローナル抗体産生ハイブリドーマは、例えば、未変性又はSDS変性のキウイアレルゲンであるアクチニジンを用いてBALB/cマウスを免疫し、免疫されたマウスの抗体産生細胞とマウスミエローマ細胞とを、常法により細胞融合させ、免疫蛍光染色パターンによりスクリーニングすることにより、本件モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを作出することができる。上記の抗体産生細胞としては、例えばSDS未変性及び/若しくはSDS変性のキウイアレルゲンであるアクチニジン又はこれを含有する組成物を投与して免疫した動物から得られる脾臓細胞、リンパ節細胞、B−リンパ球等を挙げることができる。免疫する動物としてはマウス、ラット、ウサギ、ウマ等が挙げられる。免疫は、例えば未変性又はSDS変性のキウイアレルゲンであるアクチニジンをそのまま又は適当なアジュバントと共に動物の皮下、筋肉内又は腹腔内に1〜2回/月、1〜6ケ月間投与することにより行なわれる。抗体産生細胞の分離は、最終免疫から2〜4日後に免疫動物から採取することにより行なわれる。ミエローマ細胞としては、マウス、ラット由来のもの等を使用することができる。抗体産生細胞とミエローマ細胞とは同種動物由来であることが好ましい。
細胞融合は、例えばダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)等の培地中で抗体産生細胞とミエローマ細胞とをポリエチレングリコール等の融合促進剤の存在下で混合することにより行なうことができる。細胞融合終了後、DMEM等で適当に希釈し、遠心分離し、沈殿をHAT培地等の選択培地に懸濁して培養することによりハイブリドーマを選択し、次いで、培養上清を用いて酵素抗体法により抗体産生ハイブリドーマを検索し、限界希釈法等によりクローニングを行ない、本件モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを得ることができる。また、未変性のキウイアレルゲンであるアクチニジンのみを用いて免疫した抗免疫動物から、有利に抗変性アクチニジンモノクローナル抗体を得ることができる場合もある。この場合、抗変性アクチニジンモノクローナル抗体等の本件モノクローナル抗体産生ハイブリドーマをスクリーニングしてもよいし、あるいは、固相状態でのELISAで未変性のアクチニジンに対するモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを選択し、この抗体産生ハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体から液相状態で未変性のアクチニジンに対してのみ特異的に反応する本件モノクローナル抗体を得ることができる。前記のように、抗体産生ハイブリドーマを培地中又は生体内で培養しモノクローナル抗体を培養物から採取することができるが、培養物又は腹水からのモノクローナル抗体の分離・精製方法としては、タンパク質の精製に一般的に用いられる方法であればどのような方法でもよく、例えば、IgG精製に通常使用される硫安分画法、陰イオン交換体又はプロテインA、G等のカラムによるクロマトグラフィーによって行なうことができる。
また、標識化抗体作製に用いられる標識物質としては、単独でまたは他の物質と反応することにより検出可能なシグナルをもたらすことができる標識物質であればよく、酵素、蛍光物質、化学発光物質、放射性物質、金コロイド等を使用するのができ、酵素としてはペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、アルコール脱水素酵素、リンゴ酸脱水素酵素、ペニシリナーゼ、カタラーゼ、アポグルコースオキシダーゼ、ウレアーゼ、ルシフェラーゼ若しくはアセチルコリンエステラーゼ等を、蛍光物質としては、フルオレスセインイソチオシアネート、フィコビリタンパク、希土類金属キレート、ダンシルクロライド若しくはテトラメチルローダミンイソチオシアネート等を、発光物質としては、ルミノール類、ジオキセタン類、アクリジニウム塩類等を、放射性物質としてはH、14C、125I若しくは131I等を例示することができる。標識物質が酵素である場合には、その活性を測定するために基質、必要により発色剤、蛍光剤、発光剤等が用いることができる。
本発明のアレルゲン検出用キットには、有効成分としての本件モノクローナル抗体、好ましくはそれぞれ異なるエピトープを認識する2以上の本件モノクローナル抗体を含むが、これらは保存安定性の点から、溶液状態よりも凍結乾燥物として収容されていることが好ましく、検出用キットにはかかる本件モノクローナル抗体溶解する緩衝液や培養液の他、試料を調製するためのSDSと2−メルカプトエタノールを含む緩衝液等を含んでいてもよい。また、より好ましい別の態様の本発明のアレルゲン検出用キットとしては、前記イムノクロマト法における試験ストリップを挙げることができる。この場合、異なるエピトープを認識する2種類のモノクローナル抗体の少なくとも一つを、イムノクロマト用に用いられる金コロイドで標識されたモノクローナル抗体とすることが好ましい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
I.抗アクチニジンMAbの作製
1.材料および方法
1)アクチニジンの精製
アクチニジンは、Pastorello et al .(Identification of actinidin as the major allergen of kiwi fruit. J Allergy Clin Immunol. 101; 531-7.1998)を一部改変し、精製した。すなわち、新鮮なキウイ果実(ヘイワード種、Actinidia deliciosa、以下キウイ)の皮をむき、最終濃度2% PVPP、2μg/mL E−64 を含む0.1 mol/Lリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)と混合し(1:2wt/vol)、 ホモジナイズした。4℃で12,000g×30分の遠心分離後、上清を0.1mol/L リン酸カリウム緩衝液(pH7)に対し48時間、4℃で透析した。透析後、4℃で3000g×3時間の遠心分離を行い、粗画分を得た。粗画分をRESOURCE Q カラムを用いた陰イオンクロマトグラフィで分画した。分離には20mmol/L Tris HCl(pH7.5)を用い、0から0.5mol/L NaClのグラジエントにより分画した。得られたアクチニジンを含む画分をさらにゲルろ過カラムにより精製後、蒸留水に対し透析し、凍結乾燥したものを精製未変性アクチニジン(以下N−ACT)とした。一方、粗画分よりPrepセル(日本バイオラッド)を用いたSDS−ポリアクリルアミド電気泳動法によりアクチニジンを精製後、蒸留水に対して透析し、凍結乾燥したものを精製変性アクチニジン(以下D−ACT)とした。
2)供試動物
6週齢のオスのBALB/cマウスを計10尾供試した。
3)抗原溶液の作製
生理食塩水で0.1%のN−ACTあるいはD−ACT溶液を作製し、1mL容エッペンドルフチューブに500μLずつ分注し、免疫に供するまで−20℃で凍結保管した。
4)免疫
初回免疫には、complete Freund's adjuvant(Difco)を0.1%のN−ACTあるいはD−ACTが500μL入ったエッペンドルフチューブに等量加え、ボルテックスミキサーにて攪拌して作製したエマルジョンを供試した。N−ACTに5尾、D−ACTに5尾を充て、各エマルジョンを1尾当たり150μL腹腔内に注射した。
追加免疫は、3週間の間隔で2回行った。免疫には、incomplete Freund's adjuvant(Difco)を0.1%のN−ACTあるいはD−ACTが500μL入ったエッペンドルフチューブに等量加え、ボルテックスミキサーにて攪拌して作製したエマルジョンを供試した。このエマルジョンを1尾当たり150μL腹腔内に注射した。
5)血中抗体価の測定
初回あるいは追加免疫でN−ACTあるいはD−ACTを注射した1週間後に、各BALB/cマウスの尾部静脈より採血を行った。採血した血液は室温に2時間放置後、遠心分離を行い、血清を得た。これらの血清の10倍希釈段を作製し、非競合法ELISAによりマウス血中の抗N−ACTあるいはD−ACT抗体価を調べた。なお、二次抗体にはアルカリフォスファターゼ標識抗マウスIgG(H+L)抗体を用いた。
6)ハイブリドーマの作製
ハイブリドーマの作製は、Kolher and Milstein (1975)に従った。すなわち、十分に抗体価が上がったマウスに、0.1%N−ACTあるいはD−ACT溶液100μLを尾部静脈より注射した。静脈注射から4日後、マウスより脾臓を無菌的に摘出した。脾臓を細切後、RPMI1640で洗浄して、滅菌ナイロンメッシュ(Cell Strainer, 70mm,Becton Dickinson)を通し、脾臓細胞懸濁液を得た。1,000rpm×10分の遠心分離により脾臓細胞を集め、再度RPMI1640で再懸濁し細胞数をカウントした。この脾臓細胞懸濁液とマウスミエローマ細胞懸濁液(P3X63Ag8.653)を細胞数が10:1になるように混合し、再度1,000rpm×10分の遠心分離を行い、ペレットを得た。このペレットに45%ポリエチレングリコールを滴下し細胞融合を行った。細胞溶液にRPMI1640を加え希釈後、遠心分離でペレットにした。このペレットに、ハイブリドーマ用培地(10%牛胎児血清、40mM 2−メルカプトエタノール(以下2-ME)、100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシンを含むRPMI1640培地)に100μMヒポキサンチン、0.4μMアミノプテリン、16μMチミジンを含むHAT選択培地を加え、5×10cells/wellとなるように24ウェルの細胞培養用プレート(Becton Dickinson)に分注し、5%CO下で培養した。
7)限界希釈法によるクローニング
細胞培養用プレートの各ウェルの培養上清について、ELISAの一次抗体として供試し、抗N−ACTあるいはD−ACT抗体を産生しているハイブリドーマの存在を調べた。ELISAによりN−ACTあるいはD−ACTに対して陽性を示したウェルのハイブリドーマについて、0.9cell/wellとなるように96穴細胞培養用プレート(Becton Dickinson)に移し、限界希釈法によるクローニングを行った。なお、フィーダー細胞として、4週齢BALB/cマウス胸腺細胞を5×10cells/wellとなるように96穴細胞培養用プレートの各ウェルに加えた。クローニングされたハイブリドーマの培養には、10%牛胎児血清、40mM 2-ME、100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシンを含むRPMI1640培地を用いた。
8)腹水の採取およびMAbの精製
Jonesら(1990)に従い、まず、BALB/cマウスにincomplete Freund's adjuvantを0.2mL腹腔内に注射した。1週間後、一尾当たり5×10 cellsのクローニングされたハイブリドーマを接種した。腹水貯留後、シリンジにより腹水を採取した。採種した腹水をProtein G カラム(アマシャム ファルマシア)により精製し、以下に供試した。
9)MAbのクラス、サブクラスおよびタイプ
MAbのクラス及びサブクラスについては、Monoclonal mouseimmunoglobulinisotyping kit(Pharmingen)により、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、IgM、IgA、IgL(κ)及びIgL(γ)を決定した。
10)MAbのビオチン化
精製したMAbについて、サンドイッチELISAに供試するため、それぞれビオチン化処理を行った。50mM炭酸緩衝液(pH8.5)に20mg/mLとなるよう調製し、DMSOに3mg/100μlで溶解したNHS−ビオチン溶液を10μl加え、撹拌後、氷冷しながら2時間静置した。その後、20mg/mLとなるようにPBSで置換した。
2.結果および考察
1)各抗N−ACT MAbおよび抗D−ACT MAbの特異性とクラス、サブクラス、抗N−ACT MAb8種類、抗D−ACT MAb20種類を得た。それぞれの特異性およびクラス・サブクラスおよびタイプを表1に示す。
2)組合せ条件
N−ACTを検出するためのMAbあるいはD−ACTを検出するためのMAbの組合せは、サンドイッチELISAにより選出した。その結果、最も感度の高い組み合わせとして、N−ACTではキウイのみ検出できるN−ACT1とN−ACT2、近縁種であるサルナシも検出できるN−ACT3とN−ACT4を、またD−ACTではサルナシも検出できるD−ACT1とD−ACT2、D−ACT4とD−ACT5、121℃・15分加熱したキウイでも検出できるN−ACT3とD−ACT3を選択した。
II.サンドイッチELISAによるN−ACTあるいはD−ACTの検出
1.材料および方法
1)N−ACT検出系の検討
〔1〕抽出後のアクチニジン検出率の変化
アクチニジンはプロテアーゼであることから、キウイあるいは被検食品から抽出後、自己消化する可能性が考えられるため、抽出液中での安定性を調べた。I.1.1)に従い、E−64を加えずにキウイから抽出した粗画分を4℃、25℃、37℃に置き、6、12、24および48時間後にサンプリングし−40℃でELISAに供するまで保管した。キウイのみ検出できるN−ACT1とN−ACT2、近縁種であるサルナシも検出できるN−ACT3とN−ACT4のサンドイッチELISAにより残存するアクチニジンを測定した。
〔2〕加熱温度による検出率の変化
加工食品は加工工程中で加熱処理を行われる場合があるため、アクチニジンの加熱による安定性を調べた。キウイ粗たんぱく質画分を、BSAを標準物質としてプロテインアッセイキット(日本バイオラッド)でたんぱく質濃度を測定後1,000ppmに調製し、63℃・30分、80℃・30分、100℃・30分加熱した。冷却後、N−ACT1とN−ACT2、およびN−ACT3とN−ACT4のサンドイッチELISAによりアクチニジンを測定した。
〔3〕他の食品への交差性
市販食品24種類に対する交差性を調べた。各食品を、フードカッターで粉砕後、1g量り、PBSTを19mL加えホモジナイズし、遠心分離後、フィルターろ過したろ液をさらにPBSで20倍に希釈し、サンプルとした。
2)D−ACT検出系の検討
〔1〕抽出後のアクチニジン検出率の変化
特定原材料の通知法(食発第1106001号、最終改正 平成17年10月11日食安発第1011002号)の抽出液によりキウイより抽出した粗たんぱく質を、4℃、25℃、37℃に置き、5、10、24および48時間後にサンプリングし−40℃でELISAに供するまで保管した。D−ACT1とD−ACT2のサンドイッチELISAにより残存するアクチニジンを測定した。
〔2〕加熱温度による検出率の変化
キウイ粗画分を、BSAを標準物質としてプロテインアッセイ(日本バイオラッド)で1000ppmに調製後、63℃・30分、80℃・30分、100℃・30分、121℃・15分加熱しサンプルとした。冷却後、未加熱のものを対照として、サンプルを特定原材料の通知法の抽出液で10000倍に希釈後、12時間振とう抽出し、D−ACT1とD−ACT2のサンドイッチELISAによりアクチニジンを測定した。また、同様に、N−ACT5とD−ACT3、及びD−ACT4とD−ACT5の他、N−ACT5とD−ACT3とD−ACT4とD−ACT5の4種類を組み合わせたサンドイッチELISAによりアクチニジンを測定した。
〔3〕他の食品への交差性
市販食品24種類に対する交差性を調べた。各食品を、フードカッターで粉砕後、特定原材料の通知法に従い抽出液を加え12時間震とう抽出し、遠心分離後、フィルターろ過したろ液をサンプルとした。
2.結果および考察
1)N−ACT検出系の検討
〔1〕抽出後のアクチニジンの検出率の変化
抽出後のアクチニジンの検出率を図1a、1bに示した。4℃保管されたアクチニジンは48時間後もN−ACT1とN−ACT2、およびN−ACT3とN−ACT4で95%以上検出され、また、25℃保管でも48時間後で90%検出された。一方、37℃保管ではN−ACT1とN−ACT2で80%、N−ACT3とN−ACT4で72%検出された。これらの結果から、アクチニジンはプロテアーゼではあるものの自己消化は少なく、サンプル抽出後、低温に保管することで、検出率の低下は防げるものと考えられた。
〔2〕加熱温度による検出率の変化
加熱温度によるアクチニジンの検出率の変化を、N−ACT1とN−ACT2の結果を図2a、N−ACT3とN−ACT4の結果を2bに示した。いずれの組み合わせでも、63℃・30分で約60%、80℃・30分で約20%、100℃・30分で約3%にまでアクチニジンの検出率は低下した。このことから、N−ACT1とN−ACT2、及びN−ACT3とN−ACT4の組合せは未加熱のアクチニジンを特異的に検出するときに有利に用いることができ、加熱後のジュース、缶詰などに混入したキウイを検出するには適していないと考えられた。
〔3〕他の食品への交差性
N−ACT1とN−ACT2の標準曲線を図3a、およびN−ACT3とN−ACT4の標準曲線を図3bに示した。これらの標準曲線を用いて市販食品24種に対する交差性を調べた。その結果、N−ACT1とN−ACT2、およびN−ACT3とN−ACT4はいずれも、他の食品への交差性を示さなかった。特に、アクチニジンはシステインプロテアーゼとしてパパイン、ブロメラインと相同性が認められているが、パパイア、パイナップルに対して交差性を示すことは無く、特異的にキウイを検出できる抗体の組み合わせであった。
2)D−ACT検出系の検討
〔1〕抽出後のアクチニジンの安定性
抽出後のアクチニジンのD−ACT1とD−ACT2による検出率を図4に示した。SDSと2-MEを含む通地法の抽出液で抽出後、各温度で保管されたアクチニジンは48時間後の残存率は100%であった。システインプロテアーゼであるアクチニジンは、2-ME存在下で活性化される(http://www1.ttv.ne.jp/~kiwi/actinidin-0.html)とされているが、試料の保管は48時間程度であれば問題ないものと考えられた。
〔2〕加熱温度による検出率の変化
D−ACT1とD−ACT2を用いた加熱温度によるアクチニジンの検出率を図5に示した。63℃・30分、80℃・30分、100℃・30分で加熱したものは未加熱のものとほぼ同等の検出率となった。一方、121℃・15分も未加熱に比較し、40%程度検出可能であった。同様に、D−ACT4とD−ACT5とN−ACT5とD−ACT3を用いた加熱温度によるアクチニジンの検出率を図6に示した。D−ACT4とD−ACT5の組み合わせでは63℃・30分、80℃・30分、100℃・30分で100%程度の検出となり、121℃・15分では40%の検出率であった。また、N−ACT5とD−ACT3の組み合わせでは63℃・30分で300%、80℃・30分で430%、100℃・30分で570%、121℃・15分では610%の検出となり、121℃・15分のようなレトルト処理したアクチニジンを高く検出する組み合わせであった。さらに、N−ACT5とD−ACT3とD−ACT4とD−ACT5の4種類を組み合わせた場合、121℃・15分で85%程度の検出となり、4種類を組み合わせることによって、未加熱から121℃・15分処理したアクチニジンまで検出できるものと考えられた。
〔3〕他の食品への交差性
D−ACT1とD−ACT2の標準曲線を図7に示す。この標準曲線を用いて市販食品24種に対する交差性を調べた。その結果、D−ACT1とD−ACT2は、他の食品への交差性を示さず、また、サルナシやアクチニジンの含有量が極めて低いゼスプリゴールドキウイ(Actinidia chinensis)も検出可能であった。
III.イムノクロマト法によるN−ACTあるいはD−ACTの検出
1.材料および方法
1)金コロイド標識及びコンジュゲートパッドの作製
2mMホウ酸緩衝液(pH9.0)で1mg/mLとなるようにN−ACT2、N−ACT4およびD−ACT2のMAb溶液を調製した。あらかじめ0.2M炭酸カリウム溶液でpH9.0に調製した金コロイド溶液(シグマ社製)5mLにMAb溶液を500μL加え室温で30分間反応した後、10%BSA溶液を625μLを加え、さらに15分間反応させた。遠心分離を行い、1%BSA溶液でOD525=1.0になるよう調製した。ガラスウール製コンジュゲートパッド(Schleicher&Schuell社製)に68mL/cmとなるよう塗布し、乾燥させた。
2)抗体固定化メンブレンの作製
PBSで4mg/mLとなるようにN−ACT1、N−ACT3およびD−ACT1のMAb溶液を調製し、ニトロセルロースメンブレンに直線状に塗布し乾燥させた。その後、1%BSA、0.1%Tween20を含むPBSで37℃、2時間ブロッキング後、PBSで洗浄し乾燥させた。
3)イムノクロマトストリップの組立
上記で作製したコンジュゲートパッド、抗体固定化メンブレンに加えて、被検液スポット用のガラスウール製サンプルパッド、被検液吸収用のガラスウール製吸収パッドを別途用意し、サンプルパッド、コンジュゲートパッド、抗体固定化メンブレン、吸収パッドの順にそれぞれ貼り付け、N−ACT1とN−ACT2、N−ACT3とN−ACT4をN−ACT検出用、またD−ACT1とD−ACT2をD−ACT検出用として3組のイムノクロマトストリップを作製した。
4)検出感度の検証
〔1〕N−ACT溶液の調製
PBSによりキウイ粗たんぱく質画分を抽出し、BSAを標準物質としてプロテインアッセイキットでたんぱく質濃度を測定後、PBSで100ppb、10ppb、1ppb、0ppb溶液を調製し、63℃・30分、80℃・30分、100℃・30分加熱した。冷却後、未加熱を対照として、作製したN−ACT1とN−ACT2、N−ACT3とN−ACT4の2組のイムノクロマトキットに100μLずつ供試した。
〔2〕D−Act溶液の調製
PBSによりキウイ粗たんぱく質画分を抽出し、BSAを標準物質としてプロテインアッセイキットでたんぱく質濃度を測定後、2000ppb、200ppb、20ppb、0ppb溶液を調製し、63℃・30分、80℃・30分、100℃・30分、121℃・15分加熱した。冷却後、未加熱を対照として、サンプルに特定原材料の通知法の抽出液を20倍量加え、12時間震とう抽出を行い、D−ACT1とD−ACT2の組合せのイムノクロマトキットに100μLずつ供試した。
2.結果および考察
1)N−ACT1とN−ACT2のイムノクロマトキット
1ppbの濃度のキウイ粗たんぱく質を検出可能であった。また、各加熱温度の影響では、100ppbでは、80℃・30分でわずかに検出したが100℃・30分は検出できず、ELISAの結果と一致するものとなった。特異性に関しては、ELISAと同様、キウイのみ検出するイムノクロマトキットであった。
2)N−ACT3とN−ACT4のイムノクロマトキット
1ppbの濃度のキウイ粗たんぱく質を検出可能であった。また、各加熱温度の影響では、100ppbでは、80℃・30分でわずかに検出したが100℃・30分は検出できず、ELISAの結果と一致するものとなった。特異性に関しては、ELISAと同様、キウイのみならず、サルナシやアクチニジンをほとんど含まないゼスプリゴールドキウイなどキウイ類を幅広く検出できるイムノクロマトキットであった。
3)D−ACT1とD−ACT2のイムノクロマトキット
低濃度のキウイ粗たんぱく質を検出可能であった。特異性に関しては、ELISAと同様、キウイのみならず、サルナシやアクチニジンをほとんど含まないゼスプリゴールドキウイなどキウイ類を幅広く検出できるイムノクロマトキットであった。
抽出後のアクチニジン検出率の変化を示した図である。 加熱温度による検出率の変化を示した図である。 N−ACT1とN−ACT2(a)、およびN−ACT3とN−ACT4(b)の標準曲線を示した図である。 抽出後のアクチニジンのD−ACT1とD−ACT2による検出率の変化を示した図である。 D−ACT1とD−ACT2を用いた加熱温度による検出率の変化を示した図である。 D−ACT4とD−ACT5とN−ACT5とD−ACT3を用いた加熱温度による検出率の変化を示した図である。 D−ACT1とD−ACT2の標準曲線を示した図である。

Claims (7)

  1. キウイアレルゲンであるアクチニジン含有又は未含有試料を、SDS未変性のアクチニジンを認識する2種類又はそれ以上のモノクローナル抗体と、SDS変性のアクチニジンを認識する2種類又はそれ以上のモノクローナル抗体とを用いて免疫反応に供することを特徴とするキウイアレルゲンの検出方法。
  2. キウイアレルゲンであるアクチニジン含有又は未含有試料として、SDSと2−メルカプトエタノールによる抽出液を用いることを特徴とする請求項1記載のキウイアレルゲンの検出方法。
  3. SDS未変性のアクチニジンを認識する2種類又はそれ以上のモノクローナル抗体が、ハイブリドーマ(FERM P−21377)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体N−ACT1とハイブリドーマ(FERM P−21378)が産生するモノクローナル抗体N−ACT2、又は、ハイブリドーマ(FERM P−21046)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体N−ACT3とハイブリドーマ(FERM P−21047)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体N−ACT4であることを特徴とする請求項1又は2記載のキウイアレルゲンの検出方法。
  4. SDS変性のアクチニジンを認識する2種類又はそれ以上のモノクローナル抗体が、ハイブリドーマ(FERM P−21381)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体D−ACT4とハイブリドーマ(FERM P−21382)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体D−ACT5、又は、ハイブリドーマ(FERM P−21379)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体N−ACT5とハイブリドーマ(FERM P−21380)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体D−ACT3であることを特徴とする請求項1又は2記載のキウイアレルゲンの検出方法。
  5. SDS未変性のアクチニジンを認識する2種類又はそれ以上のモノクローナル抗体と、SDS変性のアクチニジンを認識する2種類又はそれ以上のモノクローナル抗体とを備えたことを特徴とするキウイアレルゲンの検出セット。
  6. SDS未変性のアクチニジンを認識する2種類又はそれ以上のモノクローナル抗体が、ハイブリドーマ(FERM P−21377)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体N−ACT1とハイブリドーマ(FERM P−21378)が産生するモノクローナル抗体N−ACT2、又は、ハイブリドーマ(FERM P−21046)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体N−ACT3とハイブリドーマ(FERM P−21047)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体N−ACT4であることを特徴とする請求項5記載のキウイアレルゲンの検出セット。
  7. SDS変性のアクチニジンを認識する2種類又はそれ以上のモノクローナル抗体が、ハイブリドーマ(FERM P−21381)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体D−ACT4とハイブリドーマ(FERM P−21382)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体D−ACT5、又は、ハイブリドーマ(FERM P−21379)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体N−ACT5とハイブリドーマ(FERM P−21380)が産生する抗アクチニジンモノクローナル抗体D−ACT3であることを特徴とする請求項5記載のキウイアレルゲンの検出セット。
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