JP2009256599A - インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】インク中の水分の蒸発が進行した際にもインクの安定性に優れ、かつ、低温低湿の環境下だけではなく、高温低湿の環境下においても間欠吐出安定性に優れたインクジェット用インクを提供すること。
【解決手段】色材及び水溶性有機溶剤を含有するインクジェット用インクにおいて、前記色材の含有量が、7.0質量%未満であり、前記水溶性有機溶剤がグリセリン及び主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールを含み、前記グリセリンの含有量Cが、6.0質量%以上12.0質量%以下であり、前記主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールの含有量Aが、4.0質量%以上11.0質量%以下であり、前記主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールの含有量A、及び、水溶性有機溶剤の含有量の合計Bが、0.30≦A/B≦0.50、の関係を満たすことを特徴とするインクジェット用インク。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録方法で画像を形成する際、記録ヘッドの走査の過程において、ある吐出口から一定時間インクが吐出されない状態が続くと、該記録ヘッドの吐出口からインク中の水分などが蒸発することにより、正常なインクの吐出が行われないことがある。すなわち、間欠吐出安定性が十分に得られない場合がある。
上記した課題を解決するために、例えば、以下のようなインクの提案がなされている。例えば、特許文献1には、炭素原子数7以上のアルキレングリコールを含有するインクに関する提案がある。また、特許文献2には、エチレングリコール系の有機溶剤を含有するインクに関する提案がある。また、特許文献3には、ジカルボン酸モノエステルを含有するインクに関する提案がある。また、特許文献4には、記録物のカールを抑制し、かつ吐出安定性が得られるインクとして、所定の温度及び湿度の環境における水分保持力が異なる水溶性有機化合物を含有するインクに関する提案がある。さらに、特許文献5には、吐出安定性が得られるインクとして、水、色材、1,5−ペンタンジオール、及び保湿剤を含有するインクや、温度及び湿度の条件によってゲル化ないしは固化から液体へと変化する性質を持つインクに関する提案がある。
特開平3−255171号公報 特開2000−297237号公報 特開平5−70726号公報 特開2005−298813号公報 特開2007−39680号公報
本発明者らは、上記したような従来のインクについて、間欠吐出安定性の程度を確認したところ、以下のことがわかった。すなわち、これらのインクは、いずれも、従来課題とされていた低温低湿の環境下における間欠吐出安定性の改善を目的としたものである。このため、これらのインクを、例えば、低温低湿、常温常湿又は常温低湿などの環境下で、吐出体積が10pL(ピコリットル)程度のインクジェット記録装置に適用したとしても間欠吐出安定性の性能に問題はないことがわかった。具体的には、温度25℃、相対湿度50〜60%などの常温常湿、温度25℃、相対湿度10〜20%などの常温低湿、温度15℃、相対湿度10〜20%などの低温低湿の各環境下において、これらのインクは間欠吐出安定性に問題はないことがわかった。なお、高湿(例えば、相対湿度80〜90%)の環境下においては、温度に関わらずに、水分などの蒸発に起因する間欠吐出安定性の低下は生じにくい。
しかし、本発明者らの検討によると、これらのインクは、低温低湿などの環境下と比べて、より水分が蒸発しやすい高温低湿の環境下(例えば、温度30℃、相対湿度10%)などにおいては、間欠吐出安定性が不十分であり、改善の余地があることがわかった。特に、吐出体積が5pL以下、さらには2pL以下の小液滴のインクを吐出する場合や、10μm未満という直径が極度に小さい吐出口からインクを吐出する場合には、間欠吐出安定性の低下が顕著であることがわかった。
一方、高温低湿の環境下での間欠吐出安定性の向上を目的とした特許文献5に記載のインクは、低温低湿の環境下におけるインクの安定性は不十分であり、インクをある一定温度以上に保温して吐出させる必要がある。このため、エネルギーをより必要とするうえ、また、様々な環境に対応するためには上記特性では不十分であることがわかった。
近年のインクジェット記録方法の普及に伴い、インクジェット記録装置を使用する環境の拡大、記録ヘッドの微細化、記録の高速化が進み、低温低湿や高温低湿などの様々な環境下におけるインクの安定性及び間欠吐出安定性の向上が必要とされてきている。
したがって、本発明の目的は、長期間放置しても色材の析出や固化が起こりにくい性質、すなわち、インクの安定性が良好であって、低温低湿の環境下だけでなく、高温低湿の環境下での間欠吐出安定性にも優れたインクジェット用インクを提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記インクジェット用インクを用いたインクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明にかかるインクジェット用インクは、少なくとも、色材及び水溶性有機溶剤を含有するインクジェット用インクであって、前記色材の含有量が、インク全質量を基準として、7.0質量%未満であり、前記水溶性有機溶剤が少なくとも、グリセリン、及び、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールを含み、前記グリセリンの含有量Cが、インク全質量を基準として、6.0質量%以上12.0質量%以下であり、前記主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールの含有量Aが、インク全質量を基準として、4.0質量%以上11.0質量%以下であり、前記主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールの含有量A、及び、インク全質量を基準とした前記水溶性有機溶剤の含有量の合計Bが、0.30≦A/B≦0.50、の関係を満たすことを特徴とする。
また、本発明の別の実施態様にかかるインクジェット記録方法は、インクをインクジェット方式で吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法であって、前記インクが、上記構成のインクジェット用インクであることを特徴とする。
また、本発明の別の実施態様にかかるインクカートリッジは、インクを収容するインク収容部を備えたインクカートリッジであって、前記インクが、上記構成のインクジェット用インクであることを特徴とする。
また、本発明の別の実施態様にかかる記録ユニットは、インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えた記録ユニットであって、前記インクが、上記構成のインクジェット用インクであることを特徴とする。
また、本発明の別の実施態様にかかるインクジェット記録装置は、インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えたインクジェット記録装置であって、前記インクが、上記構成のインクジェット用インクであることを特徴とする。
本発明によれば、インク中の水分の蒸発が進行した際にも良好なインクの安定性を保持することができ、さらには、低温低湿や高温低湿などの様々な環境下において、優れた間欠吐出安定性を有するインクジェット用インクを提供することができる。また、本発明の別の実施態様によれば、前記インクジェット用インクを用いたインクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置を提供することができる。
インクカートリッジの概略説明図である。 インクカートリッジの概略説明図である。 記録ヘッドの分解図である。 記録ヘッドの分解図である。 インクジェット記録装置の斜視図である。 インクジェット記録装置の機構部の斜視図である。 インクジェット記録装置の断面図である。 ヘッドカートリッジにインクカートリッジを装着する状態を示す斜視図である。 ヘッドカートリッジの分解斜視図である。 ヘッドカートリッジにおける記録素子基板を示す正面図である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する
なお、本発明において、水溶性有機溶剤は、常温(20〜25℃)で固体であったとしても、水に溶解させて水溶液とした場合に、色材などの成分を溶解ないしは分散させる溶媒となりうるものであれば、「水溶性有機溶剤」に含まれるものとする。
本発明者らは、上記した従来の技術における課題を解決するために、主として、インクジェット用インク(以下、単に「インク」と呼ぶことがある)に用いる水溶性有機溶剤の種類や、その含有量について検討を行った。より具体的には、水溶性有機溶剤の中でも特にアルカンジオール系の水溶性有機溶剤を含有するインクに着目して検討を行った。その結果、アルカンジオール系の水溶性有機溶剤の中でも、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールを用いた場合に、低温低湿の環境及び高温低湿の環境の両環境下で、特異的に間欠吐出安定性が向上することがわかった。このことから、本発明者らは、インク中に含有させた上記分岐アルカンジオールの分子構造が、主鎖の両末端に水酸基を有することや、分岐を有することにより、上記した優れた効果が得られたものと考えている。
しかし、本発明者らのさらなる検討によると、インク中に、水溶性有機溶剤として、上記した主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールのみを含有させた場合、インクの安定性が十分に得られない場合があることがわかった。そして、この原因は、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールは、色材に対して貧溶媒であるため、インク中の水分が蒸発するのにしたがって、色材の析出や固化が、より促進するためであると考えられる。なお、「貧溶媒」とは、色材が染料である場合においては、色材の溶解度が低い水溶性有機溶剤のことであり、色材が顔料である場合においては、顔料の分散状態を不安定化させる水溶性有機溶剤のことである。
そこで、本発明者らは、間欠吐出安定性だけでなく、インクの安定性にも優れたインクを得るために、前記主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールと、これ以外の水溶性有機溶剤とを組み合わせて含有する種々のインクについて検討を行った。その結果、組み合わせる水溶性有機溶剤の種類やその含有量によっては、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールのみを含有させた場合と比べて、インクの安定性が向上するだけでなく、以下のような予想外の効果が得られることがわかった。すなわち、上記のような両環境下、特に高温低湿の環境下における間欠吐出安定性がさらに向上するという優れた相乗効果を得ることができることがわかった。さらには、前記分岐アルカンジオールのみ、又はこれ以外の水溶性有機溶剤のみを含むインクよりも、間欠吐出安定性に優れたインクが得られることがわかった。
このように、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールと、特定の水溶性有機溶剤を組み合わせたインクが、上述したその他のインクよりも、間欠吐出安定性に優れている理由を、本発明者らは以下のように推測している。先ず、インクの間欠吐出安定性が低下する原因の一つは、記録ヘッドの走査の過程における吐出が行われない期間、すなわち、ごく短い時間においても、インク中の水分が吐出口から蒸発することにある。つまり、水分が蒸発することで色材の溶解度や分散安定性が相対的に低下し、色材の析出や固化を引き起こして吐出口を塞ぐようになり、その結果、間欠吐出安定性が低下するのである。より詳細には、インク中の水分が吐出口から蒸発するにつれて、吐出口の近傍ではインク中の色材の濃度が相対的に大きくなり、吐出口から離れたノズル内部との間には、色材の濃度差が生じる。この時点で、吐出口の近傍において、色材の溶解性や分散安定性が低下し、色材の析出や固化が起こることで吐出口が塞がれ、その結果、間欠吐出性能が低下する。また、インク中の水分の蒸発に伴うインクの増粘も、間欠吐出安定性が低下する原因の一つである。
本発明のインクは、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールと特定の水溶性有機溶剤とを含有するため、以下のような現象が起こる。すなわち、インク中の水分が吐出口から蒸発した際に、色材の溶解性や分散安定性が低下するよりも早く、吐出口の近傍とノズル内部との色材濃度差に起因する色材の拡散が生じ、その結果、吐出口の近傍における色材の析出や固化を抑制することができる。この色材の拡散は、以下のようなメカニズムにより生じる。水分の蒸発に伴い、吐出口の近傍においては、色材、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオール、特定の水溶性有機溶剤の濃度が蒸発前よりも高くなる。ここで、主鎖の両末端に水酸基を有するアルカンジオールは色材に対して貧溶媒として作用するため、色材は溶解性を保とうとして、吐出口から離れたノズル内部へと素早く拡散する。このようにして、吐出口の近傍においては、色材が析出や固化するほどに高濃度になることが抑制され、優れた間欠吐出安定性が得られる。
なお、先に挙げた特許文献4に記載された発明では、所定の水溶性有機溶剤を特定量で含有させたインクとすることで、吐出口からの水分の蒸発と、ノズル内部におけるインクの粘度の上昇とを抑制することで、吐出安定性を得ている。また、特許文献5に記載された発明では、通常の温度においてはゲル化ないしは固化しやすく、また、吐出される温度においては液化しているようにインクの特性を設計することで、良好な状態でインクを吐出させることを試みている。
このように、間欠吐出安定性を向上させる従来の技術では、保湿剤を用いて水分の蒸発を抑制し、これにより色材の析出や固化を防ぐという思想や、温度によってインクの特性を変化させるという思想に基づいている。しかし、これらの従来の技術を用いても、低温低湿のみ、又は高温低湿のみという、極めて限られた環境下における間欠吐出安定性しか達成することはできず、近年要求されている様々な環境における対応はできていない。
これらの従来技術に対して、本発明は、色材に対して貧溶媒として作用する主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールと、特定の水溶性有機溶剤とを併用させている。この構成により、ノズル内において色材を効果的に拡散させ、インクの安定性を向上し、かつ吐出安定性も向上する、という従来の技術とはまったく異なる思想に基づいている。
本発明者らは、上述した内容に加えて、さらに検討を行い、インクに用いる水溶性有機溶剤の種類及びその含有量について、最適な条件を導き出すことに注力した。その結果、以下の要件を満たした場合に、インクの安定性や、低温低湿や高温低湿など様々な環境下における間欠吐出安定性を、より満足するインクが提供されるという知見を得た。
(1)先ず、インク中における主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールの含有量A(質量%)が、インク全質量を基準として、4.0質量%以上11.0質量%以下であること。
(2)また、水溶性有機溶剤として、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールと共にグリセリンを用いること。また、インク中におけるグリセリンの含有量C(質量%)が、インク全質量を基準として、6.0質量%以上12.0質量%以下であること。
(3)さらに、前記主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールの含有量A(質量%)と、インク全質量を基準とした水溶性有機溶剤の含有量の合計B(質量%)とが、0.30≦A/B≦0.50の関係を満たすこと。
(4)加えて、インク中の色材の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、7.0質量%未満であること。
以上の構成をしたインクが、インクの安定性に優れ、低温低湿の環境下だけでなく、高温低湿の環境下における間欠吐出安定性にも優れたインクとなる理由は明確ではないが、本発明者らは以下のように推測している。
(1)の理由は以下のように推測される。すなわち、上述したように、インクの水溶性有機溶剤として用いる、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールが、分岐した構造であり、かつ、両末端に水酸基を有する構造であること。また、その含有量が4.0質量%以上であることにより、優れた間欠吐出安定性が得られると考えられる。一方、色材に対しては貧溶媒である、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールの含有量を、11.0質量%以下にすることで、インクの安定性が低下するのを抑えつつ、優れた間欠吐出安定性が得られると考えられる。
(2)の理由は以下のように推測される。先ず、グリセリンは色材に対して良溶媒として作用する。このため、インク中におけるグリセリンの含有量を上述した範囲内として主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールと併用することで、吐出口から一定時間インクを吐出しない状態でインクジェット記録装置を放置した際にも、色材が効率的に拡散する。このため、高温低湿の環境下における間欠吐出安定性をさらに向上させることができる。なお、グリセリンの含有量が6.0質量%未満であると、グリセリンを含有することによる良溶媒としての効果が十分でなくなる場合がある。また、グリセリンの含有量が12.0質量%より大きいと、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールと併用することによる相乗効果が十分に得られない場合がある。なお、前記した相乗効果をより効果的に得るためには、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールの含有量A(質量%)と、グリセリンの含有量C(質量%)との比率が、0.40≦A/C≦2.5の関係を満たすことが特に好ましい。
(3)の理由は以下のように推測される。すなわち、インク中の水溶性有機溶剤の含有量の合計Bに対する、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールの含有量Aの比率(A/B)を、上述した範囲内にする。このことで、間欠吐出安定性の相乗効果を得ること、及び、インクの安定性を得ること、を両立することができる。なお、A/Bの値が0.30未満であると、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールを用いることによる効果が、他の水溶性有機溶剤により損なわれ、間欠吐出安定性の効果が十分に得られない場合がある。また、A/Bの値が0.50より大きいと、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールは、色材に対して貧溶媒であることから、水溶性有機溶剤における貧溶媒の比率が高くなり、インクの安定性が十分に得られない場合がある。
(4)の理由は以下のように推測される。すなわち、インク中の色材の含有量が大きいほど、吐出口から一定時間インクを吐出しない状態でインクジェット記録装置を放置した際に、吐出口からのインク中の水分の蒸発が進行し、色材の析出や固化が発生しやすくなる。そして、インク中の色材の含有量が、インク全質量を基準として、7.0質量%以上である場合は、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールとグリセリンを用いることで得られる間欠吐出安定性についての優れた効果が十分に得られない場合がある。
<インク>
以下、本発明にかかるインクを構成する成分や、インクの物性などについて詳細に述べる。
(主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオール)
本発明のインクは、上述したように、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールを特定の含有量で含有することが必要である。前記主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールとしては、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。下記に挙げる、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールは、1種類又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールなど。2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールなど。2,5−ジエチル−1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオールなど。2,4,6−トリメチル−1,7−ヘプタンジオールなど。2−メチル−1,8−オクタンジオール、2,6−ジメチル−1,8−オクタンジオールなど。
また、本発明者らの検討によると、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールにおける炭素原子の総数が5以上9以下であることが好ましいことがわかった。炭素原子の総数がこのような範囲であると、高温低湿環境下における間欠吐出安定性やインクの安定性がより優れたインクを得ることができる。特に、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールにおける炭素原子の総数が9を超えると、水性媒体への溶解度の低下などにより間欠吐出安定性が低下する場合がある。なお、ここでの、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールにおける炭素原子数とは、主鎖及び分岐部分を含む、化合物中の全ての炭素原子数を指す。また、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールにおいて、分岐(置換基)は主鎖に対して対称構造になるようについていることが好ましく、例えば、主鎖の炭素原子数が奇数の場合、主鎖の中央の炭素が分岐(置換基)していることが好ましい。このようなものとしては、例えば、以下のものが挙げられる。2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール。2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールなどが挙げられる。さらに、分岐部分(置換基部分)の炭素数は、主鎖の炭素数よりも少ないことが好ましい。さらに、分岐(置換基)は、メチル基又はエチル基であることが好ましく、特にはメチル基であることが好ましい。このような条件を満たし、本発明で使用する主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールとして特に好ましいものは、3−メチル−1,5−ペンタンジオールが挙げられる。該化合物を用いることで、吐出体積が5pLや2pL以下のような小液滴のインクを吐出する場合でも、様々な環境下において、優れた間欠吐出安定性とインクの安定性を得ることができる。
(水性媒体:その他の水溶性有機溶剤、水)
本発明のインクは、上述したように、水溶性有機溶剤として、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールとグリセリンとをそれぞれ特定の含有量で用いること。また、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールの含有量Aと、水溶性有機溶剤の含有量の合計Bを特定比率とすることが必要である。そして、本発明のインクは、このような条件を満たす範囲内であれば、前記分岐アルカンジオールやグリセリンの他にも、一般のインクジェット用インクに用いるような、水及び/又は水溶性有機溶剤を水性媒体として用いることができる。水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。
主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールやグリセリン以外の水溶性有機溶剤としては、インクジェット用インクに用いられるものであれば、特に制限はなく、従来公知のいずれのものも用いることができる。具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。下記の水溶性有機溶剤は、1種類又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの炭素数1乃至4のアルキルアルコール類。ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類。アセトン、ジアセトンアルコールなどのケトン又はケトアルコール類。テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類。重量平均分子量200乃至1,000程度の、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類。エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、チオジグリコールなどのグリコール類。1,2,6−ヘキサントリオールなどのアルキレン基が2乃至6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類。ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのアルキルエーテルアセテート。エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類。トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール。N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、尿素、糖類、及びこれらの誘導体など。本発明においては、特に、この中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコール、重量平均分子量が200前後のポリエチレングリコール、尿素、2−ピロリドンを用いることが好ましい。
インク中における全ての水溶性有機溶剤の含有量の合計B(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下、さらには14.0質量%以上35.0質量%以下であることが好ましい。この範囲とすることで、特に低温低湿の環境下における間欠吐出安定性やインクの安定性がより優れたインクを得ることができる。
(色材)
本発明のインクに用いる色材は、酸性染料や直接染料などの染料、又は顔料などを用いることができ、これらは複数を組み合わせて用いてもよい。本発明においては、上記したように、インク中の色材の含有量が、インク全質量を基準として、7.0質量%未満であることが必要である。さらには、インク中の色材の含有量は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上7.0質量%未満であることが好ましい。含有量が0.1質量%未満であると、十分な画像濃度が得られない場合がある。また、含有量が7.0質量%以上であると、上記で述べたように、特定の水溶性有機溶剤を特定量用いることにより得られる、間欠吐出安定性を向上するという本発明の効果が十分には得られない場合がある。
〔染料〕
本発明のインクに用いることのできる染料は、特に制限はないが、アニオン性の染料を用いることが好ましく、適度な色調と濃度を有する染料であれば、既存のものでも、新規に合成したものでも、用いることができる。以下に、本発明において、用いることができる染料の例を色調別に示す。
〈シアンインク用の染料〉
C.I.ダイレクトブルー:1、15、22、25、41、76、77、80、86、90、98、106、108、120、158、163、168、199、226、307など。C.I.アシッドブルー:1、7、9、15、22、23、25、29、40、43、59、62、74、78、80、90、100、102、104、112、117、127、138、158、161、203、204、221、244など。
〈マゼンタインク用の染料〉
C.I.ダイレクトレッド:2、4、9、11、20、23、24、31、39、46、62、75、79、80、83、89、95、197、201、218、220、224、225、226、227、228、229、230など。C.I.アシッドレッド:6、8、9、13、14、18、26、27、32、35、42、51、52、80、83、87、89、92、106、114、115、133、134、145、158、198、249、265、289など。C.I.フードレッド:87、92、94など。C.I.ダイレクトバイオレット107など。
〈イエローインク用の染料〉
C.I.ダイレクトイエロー:8、11、12、27、28、33、39、44、50、58、85、86、87、88、89、98、100、110、132など。C.I.アシッドイエロー:1、3、7、11、17、23、25、29、36、38、40、42、44、76、98、99など。C.I.リィアクティブイエロー:2、3、17、25、37、4など。C.I.フードイエロー:3など。
〈レッドインク用の染料〉
C.I.ダイレクトレッド:2、4、9、11、20、23、24、31、39、46、62、75、79、80、83、89、95、197、201、218、220、224、225、226、227、228、229、230など。C.I.アシッドレッド:6、8、9、13、14、18、26、27、32、35、42、51、52、80、83、87、89、92、106、114、115、133、134、145、158、198、249、265、289など。C.I.リィアクティブレッド:7、12、13、15、17、20、23、24、31、42、45、46、59など。C.I.フードレッド:87、92、94など。
〈ブルーインク用の染料〉
C.I.ダイレクトブルー:1、15、22、25、41、76、77、80、86、90、98、106、108、120、158、163、168、199、226など。C.I.アシッドブルー:1、7、9、15、22、23、25、29、40、43、59、62、74、78、80、90、100、102、104、117、127、138、158、161など。C.I.リィアクティブブルー:4、5、7、13、14、15、18、19、21、26、27、29、32、38、40、44、100など。
〈ブラックインク用の染料〉
C.I.ダイレクトブラック:17、19、22、31、32、51、62、71、74、112、113、154、168、195など。C.I.アシッドブラック:2、48、51、52、110、115、156など。C.I.フードブラック:1、2など。
〔顔料〕
本発明のインクに用いることができる顔料は、例えば、以下に示すカーボンブラックや有機顔料などが挙げられる。
〈カーボンブラック〉
ブラックインクに用いる顔料は、カーボンブラックであることが好ましい。カーボンブラックは、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラックなどの市販品などを用いることができる。以下に、本発明において用いることができるカーボンブラックの例を示す。
レイヴァン:7000、5750、5250、5000 ULTRA、3500、2000、1500、1250、1200、1190 ULTRA−II、1170、1255(以上コロンビア製)。ブラックパールズL、リーガル:400R、330R、660R、モウグル:L、モナク:700、800、880、900、1000、1100、1300、1400、ヴァルカンXC−72R(以上キャボット製)。カラーブラック:FW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、プリンテックス:35、U、V、140U、140V、スペシャルブラック:6、5、4A、4(以上デグッサ製)。No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上三菱化学製)。
また、新たに調製したカーボンブラックを用いることもできる。勿論、本発明はこれらに限定されるものではなく、上記以外でも従来公知のいずれのカーボンブラックも用いることもできる。また、マグネタイト、フェライトなどの磁性体微粒子やチタンブラックなどを黒色顔料として用いることもできる。
〈有機顔料〉
カラーインクに用いる顔料は、各種の有機顔料であることが好ましい。以下に、本発明において用いることができる有機顔料の例を示す。
トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、ピラゾロンレッドなどの水不溶性アゾ顔料。リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2Bなどの水溶性アゾ顔料。アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーンなどの建染染料からの誘導体。フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系顔料。キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタなどのキナクリドン系顔料。ペリレンレッド、ペリレンスカーレットなどのペリレン系顔料。イソインドリノンイエロー、イソインドリノンオレンジなどのイソインドリノン系顔料。ベンズイミダゾロンイエロー、ベンズイミダゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンレッドなどのイミダゾロン系顔料。ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジなどのピランスロン系顔料。インジゴ系顔料。縮合アゾ系顔料。チオインジゴ系顔料。ジケトピロロピロール系顔料。フラバンスロンイエロー、アシルアミドイエロー、キノフタロンイエロー、ニッケルアゾイエロー、銅アゾメチンイエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレットなど。
また、本発明で用いることができる有機顔料を、カラーインデックス(C.I.)ナンバーで示すと、例えば、下記のものが挙げられる。
C.I.ピグメントイエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、97、109、110、117、120。125、128、137、138、147、148、150、151、153、154、166、168、180、185など。C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、71など。C.I.ピグメントレッド:9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、175、176、177、180、192など。また、同:215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、254、255、272など。C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50など。C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64など。C.I.ピグメントグリーン7、36など。C.I.ピグメントブラウン23、25、26など。
〔分散剤〕
色材としてカーボンブラックや有機顔料などの顔料を用いる場合には、前記顔料を水性媒体中に安定して分散するために、界面活性剤や樹脂(高分子)などを分散剤として用いることが好ましい。高分子分散剤として樹脂を用いる場合、樹脂の重量平均分子量は、1,000以上30,000以下、さらには3,000以上15,000以下であることが好ましい。また、樹脂の酸価は、30mgKOH/g以上400mgKOH/g以下、さらには50mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることが好ましい。
本発明において、分散剤は、例えば、イオン性基を有し、その作用によってカーボンブラックや有機顔料を水性媒体中に安定に分散することができるものが好ましい。このような分散剤としては、例えば、以下のものを用いることができる。
スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体など。スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体など。スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体など。スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体など。ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体など。スチレン−無水マレイン酸−マレイン酸ハーフエステル共重合体など。又はこれらの塩など。
〔自己分散型顔料〕
また、色材としてカーボンブラックや有機顔料などの顔料を用いる場合には、顔料粒子の表面にアニオン性基などのイオン性基を結合することによって、分散剤を用いることなく水性媒体に分散することができる顔料、所謂自己分散型顔料を用いることもできる。
(その他の添加剤)
本発明のインクには、所望の物性値を持つインクとするなどを理由として、上記した成分以外にも必要に応じて、以下の種々の添加剤を含有させてもよい。例えば、界面活性剤、pH調整剤、消泡剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、水溶性ポリマーなどを含有させることができる。
上記添加剤として、界面活性剤を用いる場合は、例えば、アニオン性やノニオン性の界面活性剤を用いることができる。アニオン性界面活性剤の具体例としては、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキルアリールスルホン酸塩類などが挙げられる。また、ノニオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、アセチレンアルコール、アセチレングリコールなどが挙げられる。これらの界面活性剤は、1種類又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。特に、本発明においては、上記した中でも、普通紙などの記録媒体への浸透性において優れた効果が得られるアセチレンアルコール類やアセチレングリコール類を界面活性剤として用いることが好ましい。インク中の界面活性剤の含有量(質量%)は、界面活性剤の種類により異なるが、一般には、インク全質量を基準として、0.01質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。
(インクの物性)
本発明のインクの表面張力は、25℃において、10mN/m以上60mN/m以下、さらには20mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。本発明のインクは、その表面張力を上記した範囲内とすることで、インクジェット方式に適用した際に吐出口の近傍の濡れによる記録ヨレ(インクの着弾点のズレ)などの発生を有効に抑制することが可能となる。インクの表面張力の調整は、上記したような界面活性剤のインク中における含有量を適宜決定することで行うことができる。また、本発明のインクは、インクジェット記録装置に適用する際に良好な耐目詰まり性などの吐出特性が得られるよう、所望の粘度やpHに調整することが好ましい。
<記録媒体>
本発明のインクを用いて画像を形成する際に用いる記録媒体は、インクを付与して記録を行う記録媒体であれば、普通紙や、光沢紙、コート紙、光沢フィルムなどの、コート層又はインク受容層を有する記録媒体などのいずれのものでも用いることができる。これらの中でも、鮮やかさ、コントラスト、透明感などにおいて、より優れた画像を得るには、基材上に親水性の多孔質粒子層や多孔質高分子層などを有する記録媒体を用いることが特に好ましい。そして、本発明においては、染料や顔料などの色材を、インク受容層の多孔質構造を構成する微粒子に吸着させるタイプのインクジェット用の記録媒体を用いることが好ましい。特には、支持体上のインク受容層に形成された空隙によりインクを吸収する、所謂吸収タイプのインク受容層を有する記録媒体を用いることが好ましい。吸収タイプのインク受容層は、微粒子を主体として構成されるものであり、さらに必要に応じて、バインダーやその他の添加剤を含有してもよい。
記録媒体に用いる微粒子は、具体的には、以下のものを用いることができる。シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、アルミナ又はアルミナ水和物などの酸化アルミニウム、珪藻土、酸化チタン、ハイドロタルサイト、又は酸化亜鉛などの無機顔料。尿素ホルマリン樹脂、エチレン樹脂、スチレン樹脂などの有機顔料。これらの微粒子は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
記録媒体に用いるバインダーは、水溶性高分子やラテックスなどが挙げられ、具体的には、以下のものを用いることができる。ポリビニルアルコール、澱粉、ゼラチン、又はこれらの変性体。アラビアゴム。カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、又はヒドロキシプロオイルメチルセルロースなどのセルロース誘導体。SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、官能基変性重合体ラテックス、又はエチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス。ポリビニルピロリドン。無水マレイン酸若しくはその共重合体、又はアクリル酸エステル共重合体など。これらのバインダーは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
記録媒体に用いる、その他の添加剤としては、例えば、分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、離型剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを用いることができる。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクは、インクをインクジェット方式で吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法に用いることが特に好ましい。インクジェット記録方法には、インクに力学的エネルギーを作用させることでインクを吐出する記録方法や、インクに熱エネルギーを作用させることでインクを吐出する記録方法などがある。本発明のインクは、これらの中でも、熱エネルギーを利用するインクジェット記録方法において、特に好ましく用いることができる。
<インクカートリッジ>
本発明のインクを用いて記録を行うのに好適なインクカートリッジは、かかるインクを収容するインク収容部を備えたインクカートリッジが挙げられる。
図1は、インクカートリッジの概略説明図である。図1において、インクカートリッジは、上部で大気連通口112を介して大気に連通し、下部でインク供給口に連通する。そして、前記インクカートリッジは、内部に負圧発生部材を収容する負圧発生部材収容室134、及び、液体のインクを収容する実質的に密閉された液体収容室136、を仕切壁138で仕切る構造を有する。負圧発生部材収容室134及び液体収容室136は、インクカートリッジの底部付近で仕切壁138に形成された連通孔140、及び液体供給動作時に液体収容室への大気の導入を促進するための大気導入溝(大気導入路)150を介してのみ連通されている。負圧発生部材収容室134を形成するインクカートリッジの上壁には、内部に突出する形態で複数個のリブが一体に成形され、負圧発生部材収容室134に圧縮状態で収容される負圧発生部材と当接している。このリブにより、上壁と負圧発生部材の上面との間にエアバッファ室が形成されている。また、液体供給口114を備えたインク供給筒には、負圧発生部材より毛管力が高く、かつ物理的強度が大きい圧接体146が設けられており、負圧発生部材と圧接している。
負圧発生部材収容室134内には、負圧発生部材として、ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂の繊維からなる第一の負圧発生部材132B及び第二の負圧発生部材132A、の2つの毛管力発生型負圧発生部材を収容している。132Cはこの2つの負圧発生部材の境界層であり、境界層132Cの仕切壁138との交差部分は、連通部を下方にしたインクカートリッジの使用時の姿勢において大気導入溝(大気導入路)150の上端部より上方に存在している。また、負圧発生部材内に収容されるインクは、インクの液面Lで示されるように、上記境界層132Cよりも上方まで存在している。
ここで、第一の負圧発生部材132Bと第二の負圧発生部材132Aの境界層は圧接しており、負圧発生部材の境界層近傍は他の部位と比較して圧縮率が高く、毛管力が強い状態となっている。すなわち、第一の負圧発生部材132Bの毛管力をP1、第二の負圧発生部材132Aの毛管力をP2、負圧発生部材同士の界面の持つ毛管力をPSとすると、P2<P1<PSとなっている。
図2は、インクカートリッジの別の形態を示す概略説明図である。図2に示す形態のインクカートリッジは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色のインクを収容する容器41と、容器41を覆う蓋部材42とを有する。インクカートリッジは、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各インクについての、イエローインク供給口43Y、マゼンタインク供給口43M、及びシアンインク供給口43Cを有する。容器41の内部は、3色のインクを収容するために、互いに平行に配置された2つの仕切板411及び412により、容量がほぼ等しい3つの空間に仕切られる。これら3つの空間は、互いにインクカートリッジホルダへインクカートリッジを装着する際のインクカートリッジの挿入方向に沿って並んでいる。これらの空間にそれぞれ、イエローのインクを吸収して保持するインク吸収体44Y、マゼンタのインクを吸収して保持するインク吸収体44M、及びシアンのインクを吸収して保持するインク吸収体44Cが収容されている。また、インク供給口に各インクを供給するインク供給部材45Y、45M、45Cがインク吸収体の下部に接して収容されている。負圧発生部材であるインク吸収体44Y、44M、44C内に収容されているインクは、インクの液面Lで示されるように、それぞれのインク吸収体の上部まで存在している。
図3は、記録ヘッドとインクカートリッジが一体構成となっている記録ヘッドの分解図である。前記記録ヘッドを用いる場合、インクセットを構成する各インクの各液室からの蒸発量の差が、実質的に等しいインクカートリッジを好ましく用いることができる。インクセットを構成する各インクの各液室からの蒸発量の差が実質的に等しいとは、例えば、各液室に水を含有させて各液室からの蒸発速度を測定した場合に、蒸発速度の差が1%程度以下となることをいう。
図3に示される記録ヘッド1001は、インクジェット記録装置に載置されているキャリッジの位置決め手段及び電気的接点によって支持固定される。また、記録ヘッド1001は、キャリッジに対して着脱可能となっており、搭載したインクが消費されると交換される。
記録ヘッド1001はインクを吐出するためのものであり、インク供給口が並列して形成された記録素子基板1100、インクを吐出するための電気信号を印加する電気信号経路を形成する電気配線テープ1300を有する。さらに、その内部は、樹脂成形により形成されたインク供給保持部材1400、インクを保持するための負圧を発生するインク吸収体1500、蓋部材1600から構成されている。
インク供給保持部材1400は、インクカートリッジの機能、及び、インク供給機能とを備えている。すなわち、内部にシアン、マゼンタ、イエローのインクを保持するための負圧を発生するための吸収体1500を保持するための空間を有することでインクカートリッジの機能を有する。さらに、記録素子基板1100のインク供給口にインクを導くための独立したインク流路を形成することでインク供給機能を有する。インク流路の下流部には、記録素子基板1100にインクを供給するためのインク供給口1200が形成されている。そして、記録素子基板1100のインク供給口がインク供給保持部材1400のインク供給口1200に連通するよう、記録素子基板1100がインク供給保持部材1400に対して固定される。また、インク供給口1200付近周囲の平面には、電気配線テープ1300の一部の裏面が固定される。蓋部材1600は、インク供給保持部材1400の上部開口部に溶着されることで、インク供給保持部材1400内部の空間を閉塞するものである。蓋部材1600は記録ヘッドをインクジェット記録装置に固定するための係合部1700を有している。
図4は、本発明に用いることができる別の一例である記録ヘッドの分解図である。図4に示される記録ヘッドは、図3の場合と同様に、インクカートリッジ一体構成となっている。記録ヘッド1001は、異なる複数の色のインク(例えば、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク)を搭載することができ、搭載したインクが消費されると交換される。
記録ヘッド1001は異なる複数の色のインク(例えば、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク)を吐出するためのもので、シアン、マゼンタ、イエロー用のインク供給口が並列して形成された記録素子基板1100などから構成されている。記録素子基板1100には、複数のインクに対応する記録素子の列(ノズル列)が形成されている。本発明においては、写真などの画質を向上する観点から、吐出体積が5pL以下、さらには2pL以下の小液滴のインクを吐出することが可能な構成のノズルであることが好ましく、また、吐出口の直径は10μm未満であることが好ましい。さらに、高画質と高速記録の両立の観点から、異なる複数の吐出体積のインクを吐出させることができるようなノズルの構成(例えば、5pL、2pL、1pL)とするのも好ましい。インク供給保持部材1400は、インクカートリッジの機能、及び、インク供給機能とを備えている。すなわち、内部にシアン、マゼンタ、イエローのインクを保持するための負圧を発生するための吸収体1501、1502、1503をそれぞれ独立して保持するための空間を有することでインクカートリッジの機能を有する。さらに、記録素子基板1100のインク供給口にそれぞれのインクを導くための独立したインク流路を形成することでインク供給機能を有する。
<記録ユニット>
本発明のインクを用いて記録を行うのに好適な記録ユニットは、かかるインクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えた記録ユニットが挙げられる。特に、前記記録ヘッドが、記録信号に対応した熱エネルギーをインクに作用することによりインクを吐出する記録ユニットを好ましく用いることができる。
<インクジェット記録装置>
本発明のインクを用いて記録を行うのに好適なインクジェット記録装置は、かかるインクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えたインクジェット記録装置が挙げられる。特に、前記インクを収容するインク収容部を有する記録ヘッドの内部のインクに、記録信号に対応した熱エネルギーを作用することによりインクを吐出するインクジェット記録装置が挙げられる。
以下に、インクジェット記録装置の機構部の概略構成を説明する。インクジェット記録装置は、各機構の役割から、給紙部、搬送部、キャリッジ部、排紙部、クリーニング部、及びこれらを保護し、意匠性を持たせる外装部などで構成される。
図5は、インクジェット記録装置の斜視図である。また、図6及び図7は、インクジェット記録装置の内部機構を説明する図であり、図6は右上部からの斜視図、図7はインクジェット記録装置の側断面図をそれぞれ示す。
給紙を行う際には、給紙トレイM2060を含む給紙部において、記録媒体の所定枚数のみが給紙ローラM2080と分離ローラM2041から構成されるニップ部に送られる。記録媒体はニップ部で分離され、最上位の記録媒体のみが搬送される。搬送部に搬送された記録媒体は、ピンチローラホルダM3000及びペーパーガイドフラッパーM3030に案内されて、搬送ローラM3060とピンチローラM3070とのローラ対に搬送される。搬送ローラM3060とピンチローラM3070とのローラ対は、LFモータE0002の駆動により回転し、この回転により記録媒体がプラテンM3040上を搬送される。
記録媒体に画像を形成する際には、キャリッジ部は、記録ヘッドH1001(図8;詳細な構成は後述する)を目的の画像を形成する位置に配置して、電気基板E0014からの信号にしたがって記録媒体にインクを吐出する。記録ヘッドH1001により記録を行いながらキャリッジM4000が列方向に走査する主走査と、搬送ローラM3060により記録媒体を行方向に搬送する副走査とを交互に繰り返すことにより、記録媒体に画像を形成する。画像が形成された記録媒体は、排紙部において、第1の排紙ローラM3110と拍車M3120とのニップに挟まれた状態で搬送されて、排紙トレイM3160に排出される。
なお、クリーニング部は、画像を形成する前後の記録ヘッドH1001をクリーニングする。キャップM5010で記録ヘッドH1001の吐出口をキャッピングした状態で、ポンプM5000を作動すると、記録ヘッドH1001の吐出口から不要なインクなどが吸引されるようになっている。また、キャップM5010を開いた状態で、キャップM5010の内部に残っているインクなどを吸引することにより、残インクによる固着やその他の弊害が起こらないようになっている。
(記録ヘッドの構成)
ヘッドカートリッジH1000の構成について説明する。ヘッドカートリッジH1000は、記録ヘッドH1001と、インクカートリッジH1900を搭載する手段、及びインクカートリッジH1900から記録ヘッドにインクを供給する手段を有しており、キャリッジM4000に対して着脱可能に搭載される。
図8は、ヘッドカートリッジH1000に、インクカートリッジH1900を装着する様子を示した図である。インクジェット記録装置は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、淡マゼンタ、淡シアン、及びグリーンの各インクで画像を形成する。したがって、インクカートリッジH1900も7色分が独立に用意されている。なお、上記において、少なくともひとつのインクに、本発明のインクを用いる。そして、図8に示すように、それぞれのインクカートリッジが、ヘッドカートリッジH1000に対して着脱可能となっている。なお、インクカートリッジH1900の着脱は、キャリッジM4000にヘッドカートリッジH1000を搭載した状態でも行うことができる。
図9は、ヘッドカートリッジH1000の分解斜視図である。ヘッドカートリッジH1000は、記録素子基板、プレート、電気配線基板H1300、カートリッジホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルターH1700、シールゴムH1800などで構成される。記録素子基板は第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101で構成され、プレートは第1のプレートH1200及び第2のプレートH1400で構成される。
第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101はSi基板であり、その片面にインクを吐出するための複数の記録素子(ノズル)がフォトリソグラフィ技術により形成されている。各記録素子に電力を供給するAlなどの電気配線は成膜技術により形成されており、個々の記録素子に対応した複数のインク流路はフォトリソグラフィ技術により形成されている。さらに、複数のインク流路にインクを供給するためのインク供給口が裏面に開口するように形成されている。
図10は、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101の構成を説明する正面拡大図である。H2000〜H2600は、それぞれ異なるインク色に対応する記録素子の列(以下ノズル列ともいう)である。第1の記録素子基板H1100には、イエローインクのノズル列H2000、マゼンタインクのノズル列H2100、及びシアンインクのノズル列H2200の3色分のノズル列が形成されている。第2の記録素子基板H1101には、淡シアンインクのノズル列H2300、ブラックインクのノズル列H2400、グリーンインクのノズル列H2500、及び淡マゼンタインクのノズル列H2600の4色分のノズル列が形成されている。
各ノズル列は、記録媒体の搬送方向(副走査方向)に1,200dpi(dot/inch;参考値)の間隔で並ぶ768個のノズルによって構成され、約2pLを吐出する。各吐出口における開口面積はおよそ100μm2、開口部の直径はおよそ6μmに設定されている。
以下、図8及び図9を参照して説明する。第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101は第1のプレートH1200に接着固定されている。ここには、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101にインクを供給するためのインク供給口H1201が形成されている。さらに、第1のプレートH1200には、開口部を有する第2のプレートH1400が接着固定されている。第2のプレートH1400は、電気配線基板H1300と第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101とが電気的に接続されるように、電気配線基板H1300を保持する。
電気配線基板H1300は、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101に形成されている各ノズルからインクを吐出するための電気信号を印加する。この電気配線基板H1300は、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101に対応する電気配線と、この電気配線端部に位置し、インクジェット記録装置からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H1301とを有する。外部信号入力端子H1301は、カートリッジホルダーH1500の背面側に位置決め固定されている。
インクカートリッジH1900を保持するカートリッジホルダーH1500には、流路形成部材H1600が、例えば、超音波溶着により固定され、インクカートリッジH1900から第1のプレートH1200に通じるインク流路H1501を形成する。インクカートリッジH1900と係合するインク流路H1501のインクカートリッジ側端部には、フィルターH1700が設けられており、外部からの塵埃の侵入を防止し得るようになっている。また、インクカートリッジH1900との係合部にはシールゴムH1800が装着され、係合部からのインクの蒸発を防止し得るようになっている。
さらに、上記したように、カートリッジホルダー部と記録ヘッド部H1001とを接着などで結合することで、ヘッドカートリッジH1000が構成される。なお、カートリッジホルダー部は、カートリッジホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルターH1700、及びシールゴムH1800から構成される。また、記録ヘッド部H1001は、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101、第1のプレートH1200、電気配線基板H1300及び第2のプレートH1400から構成される。
なお、ここでは記録ヘッドの一形態として、電気信号に応じた膜沸騰をインクに生じさせるための熱エネルギーを生成する電気熱変換体(記録素子)を用いて記録を行うサーマルインクジェット方式の記録ヘッドについて述べた。この代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4,723,129号明細書、同第4,740,796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は、所謂、オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用することができる。
サーマルインクジェット方式は、オンデマンド型に適用することが特に有効である。オンデマンド型の場合には、インクを保持する液流路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を超える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加する。このことによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、インクに膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応したインク内の気泡を形成できる。この気泡の成長及び収縮により吐出口を介してインクを吐出することで、少なくともひとつの滴を形成する。駆動信号をパルス形状とすると、即時、適切に気泡の成長及び収縮が行われるので、特に応答性に優れたインクの吐出が達成でき、より好ましい。
また、本発明のインクは、前記のサーマルインクジェット方式に限らず、下記に述べるような、力学的エネルギーを利用したインクジェット記録装置においても好ましく用いることができる。かかる形態のインクジェット記録装置は、複数のノズルを有するノズル形成基板と、ノズルに対向して配置される圧電材料と導電材料からなる圧力発生素子と、この圧力発生素子の周囲を満たすインクを備えてなる。そして、印加電圧により圧力発生素子を変位させ、インクをノズルから吐出する。
インクジェット記録装置は、上記したように、記録ヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、それらが分離不能に一体になったものを用いてもよい。さらに、インクカートリッジは記録ヘッドに対して分離可能又は分離不能に一体化されてキャリッジに搭載されるもの、また、インクジェット記録装置の固定部位に設けられて、チューブなどのインク供給部材を介して記録ヘッドにインクを供給するものでもよい。また、記録ヘッドに対して、好ましい負圧を作用させるための構成をインクカートリッジに設ける場合には、以下の構成とすることができる。すなわち、インクカートリッジのインク収容部に吸収体を配置した形態、又は可撓性のインク収容袋とこれに対してその内容積を拡張する方向の付勢力を作用するばね部とを有した形態などとすることができる。また、インクジェット記録装置は、上記したようなシリアル型の記録方式を採るもののほか、記録媒体の全幅に対応した範囲にわたって記録素子を整列させてなるラインプリンタの形態をとるものであってもよい。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、特に指定のない限り、「%」とあるものは、質量基準である。
<インクの調製>
下記表1〜表3の上段に示す各成分を混合し、十分に撹拌して溶解した後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過を行い、実施例1〜17及び比較例1〜8の各インクを調製した。なお、下記表1〜表3の下段には、実施例1〜17及び比較例1〜8のインクの特徴である上述した含有量A〜C及びこれらの比率を併せて示した。
Figure 2009256599
Figure 2009256599
Figure 2009256599
<インクの評価>
(間欠吐出安定性:低温低湿の環境下)
上記で得られた各インクを、それぞれ、PIXUS9900i(キヤノン製)用のインクカートリッジに充填し、得られた各インクカートリッジを、それぞれ、インクジェット記録装置(PIXUS9900i;キヤノン製)を改造したものに搭載した。なお、この際に使用した記録ヘッドの吐出体積は約2pLである。次に、インクカートリッジを搭載させたそれぞれのインクジェット記録装置を、温度15℃、相対湿度10%(低温低湿)の環境下で5時間以上吐出を行わないで放置した後、同じ環境下でインクを吐出させた。そして、吐出を5秒間休止させた後、記録ヘッドの回復動作などを行わないまま、インクを吐出し、記録媒体(商品名:HR−101;キヤノン製)に縦罫線を記録した。得られた記録物を目視で確認することで、間欠吐出安定性(低温低湿の環境下)の評価を行った。間欠吐出安定性(低温低湿の環境下)の評価基準は以下の通りである。評価結果を表4に示す。本発明においては、下記の評価基準でA及びBが十分な性能を有するレベルであり、Aが優れているレベル、Cが許容できないレベルである。
A:目視で確認できる乱れがない。
B:目視で確認できる程度の乱れが若干ある。
C:縦罫線に不吐出や乱れがはっきりと確認され、正常に記録できない。
(間欠吐出安定性:高温低湿の環境下)
上記で得られた各インクを、それぞれ、PIXUS9900i(キヤノン製)用のインクカートリッジに充填し、得られた各インクカートリッジを、それぞれ、インクジェット記録装置(PIXUS9900i;キヤノン製)を改造したものに搭載した。なお、この際に使用した記録ヘッドの吐出体積は約2pLである。次に、インクカートリッジを搭載させたそれぞれのインクジェット記録装置を、温度30℃、相対湿度10%(高温低湿)の環境下で5時間以上吐出を行わないで放置した後、同じ環境下でインクを吐出させた。そして、吐出を5秒間休止させた後、記録ヘッドの回復動作などを行わないまま、インクを吐出し、記録媒体(商品名:HR−101;キヤノン製)に縦罫線を記録した。得られた記録物を目視で確認することで、間欠吐出安定性(高温低湿の環境下)の評価を行った。間欠吐出安定性(高温低湿の環境下)の評価基準は以下の通りである。評価結果を表4に示す。本発明においては、下記の評価基準でA及びBが十分な性能を有するレベルであり、Aが優れているレベル、Cが許容できないレベルである。
A:目視では確認できないが、10倍のルーペを用いて観察すると確認できる程度の乱れがある。
B:目視で確認できる程度の乱れが若干ある。
C:縦罫線に不吐出や乱れがはっきりと確認され、正常に記録できない。
(インクの安定性)
上記で得られた各インクを、それぞれ、別々に用意したシャーレに7gずつ入れ、温度30℃、相対湿度10%の環境下において、質量変化がなくなるまで放置した。その後、シャーレ中のインクの様子を、それぞれ、目視で確認することにより、インクの安定性の評価を行った。インクの安定性の評価基準は以下の通りである。評価結果を表4に示す。本発明においては、下記の評価基準でA及びBが十分な性能を有するレベルであり、Aが優れているレベル、Cが許容できないレベルである。
A:インクに流動性がある。
B:析出物が若干存在するが、インクに流動性がある。
C:インクに流動性がない。
Figure 2009256599

Claims (8)

  1. 少なくとも、色材及び水溶性有機溶剤を含有するインクジェット用インクであって、
    前記色材の含有量が、インク全質量を基準として、7.0質量%未満であり、
    前記水溶性有機溶剤が、少なくとも、グリセリン、及び、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールを含み、
    前記グリセリンの含有量Cが、インク全質量を基準として、6.0質量%以上12.0質量%以下であり、
    前記主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールの含有量Aが、インク全質量を基準として、4.0質量%以上11.0質量%以下であり、
    前記主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールの含有量A、及び、インク全質量を基準とした前記水溶性有機溶剤の含有量の合計Bが、0.30≦A/B≦0.50の関係を満たすことを特徴とするインクジェット用インク。
  2. 前記水溶性有機溶剤の含有量の合計Bが、インク全質量を基準として、14.0質量%以上35.0質量%以下である請求項1に記載のインクジェット用インク。
  3. 前記主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールの炭素原子の総数が、5以上9以下である請求項1又は2に記載のインクジェット用インク。
  4. 前記主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールが、3−メチル−1,5−ペンタンジオールである請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
  5. インクをインクジェット方式で吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法であって、前記インクが、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット用インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  6. インクを収容するインク収容部を備えたインクカートリッジであって、前記インクが、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット用インクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  7. インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えた記録ユニットであって、前記インクが、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット用インクであることを特徴とする記録ユニット。
  8. インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えたインクジェット記録装置であって、前記インクが、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット用インクであることを特徴とするインクジェット記録装置。
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