JP3885086B2 - インクジェット用ブラックインク、インクセット、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット用ブラックインク、インクセット、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット及びインクジェット記録装置 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット用インクとして、高い画像濃度を持ち、耐オゾン性に優れ、固着性、保存安定性の高いインク、及び、当該インクをブラックインクとして用いたインクセットに関する。又更に、当該インクセットを用いたインクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録方法は、インク小滴を普通紙、及び、光沢メディア等の記録媒体上に付与して、画像を形成する記録方法であり、その低価格化、記録速度の向上により、急速に普及が進んでいる。又、その記録画像の高画質化が進んだことに加えて、デジタルカメラの急速な普及に伴い、銀塩写真に匹敵する写真画像の出力方法として広く一般的になっている。
近年、インク滴の極小液滴化や、多色インクの導入に伴う色域の向上などにより、今まで以上に高画質化が進んでいる。しかしその反面、色材やインクに対する要求はより大きくなり、発色性の向上や、固着性、吐出安定性等の信頼性においてより厳しい特性が要求されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−290552号公報
ブラックインクにおいては、耐オゾン性等の高い耐候性と高い画像濃度の達成が求められている。
高い耐オゾン性を達成するためには、(1)染料自身の耐オゾン性を高める(2)記録媒体の耐オゾン性を高める、という2つの手段が考えられる。しかし、特定の記録媒体における耐候性を高めることができたとしても、全ての記録媒体における耐候性が高まるわけではなく、耐候性を高めるという課題に対しての根本的解決にはならない。つまり、染料自身の耐オゾン性を高めることが必要である。
又、高い画像濃度を達成するためには、(1)染料自身の発色性を高める(2)インク中の染料濃度を高める(3)メディアへのインク付与量を高める、という3つの方法が考えられる。しかし、記録媒体へのインクの付与量には限界がある。又、染料自身の発色性を高めることと耐オゾン性を高めることを両立させるのは困難であった。つまり、インク中の染料濃度を高めることが必要である。
本発明者らが、染料自身の耐オゾン性を高めるための更なる数々の検討を行った結果、下記一般式(I)で表される化合物又はその塩は、優れた耐オゾン性を有することを見出した。
一般式(I)
Figure 0003885086
(一般式(I)中、R、R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子;ヒドロキシル基;アミノ基;カルボキシル基;スルホン基;炭素数1〜4のアルキル基;炭素数1〜4のアルコキシ基;ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、スルホン基若しくはカルボキシル基で置換されているアルコキシ基;カルボキシル基又はスルホン基で更に置換されてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基;又はフェニル基、アルキル基、又はアシル基によって置換されているアミノ基であり、nは0又は1である。)
しかし、上記一般式(I)で表される化合物又はその塩である染料は、インク中の染料濃度を高めると、固着回復性が低下しやすい(固着しやすい)という課題があることがわかった。このため、固着回復性に優れる、保湿性含窒素化合物等を用いる必要がある。
しかし、本発明者らが更に検討を進めたところ、上記一般式(I)で表される化合物又はその塩と保湿性含窒素化合物が共存し、且つ、pHが高い状態で長期間保存された場合、一般式(I)で表される化合物又はその塩の分解による変色が起きやすいという、一般式(I)で表される化合物又はその塩に特有の問題があることがわかった。更に、インクの保存温度が高いほど、この変色が加速されることもわかった。
従って、本発明の目的は、インクジェット用ブラックインクとして好ましい色味を有し、高い耐オゾン性、高い画像濃度及び固着回復性が得られ、且つ、長期保存時における一般式(I)で表される化合物又はその塩の分解を抑制することができるインクジェット用ブラックインクを提供することにある。
又、本発明の別の目的は、前記インクジェット用ブラックインクを用いたインクセット、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット及びインクジェット記録装置を提供することにある。
上記の目的は、下記の本発明によって達成される。即ち、本発明にかかるインクジェット用ブラックインクは、少なくとも下記一般式(I)で表される化合物又はその塩を含有するインクジェット用ブラックインクであって、該インクジェット用ブラックインクは、更に、少なくとも1種の保湿性含窒素化合物を含有し、且つ、インクのpHが9.0以下であり、そのインクを温度60℃の環境で10日間保存した後のインクのpHが、9.0以下であり、前記保湿性含窒素化合物が、エチレン尿素又は2−ピロリドンであることを特徴とする。
一般式(I)
Figure 0003885086
(一般式(I)中、R、R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子;ヒドロキシル基;アミノ基;カルボキシル基;スルホン基;炭素数1〜4のアルキル基;炭素数1〜4のアルコキシ基;ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、スルホン基若しくはカルボキシル基で置換されているアルコキシ基;カルボキシル基又はスルホン基で更に置換されてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基;又はフェニル基、アルキル基、又はアシル基によって置換されているアミノ基であり、nは0又は1である。)
又、本発明の別の実施態様にかかるインクジェット用ブラックインクは、上記構成のインクジェット用ブラックインクにおいて、更に、下記一般式(II)で表される化合物又はその塩を含有することを特徴とする。
一般式(II)
Figure 0003885086
(一般式(II)中、R、Rはそれぞれ独立に水素原子;ヒドロキシル基;アミノ基;カルボキシル基;スルホン基;炭素数1〜4のアルキル基;又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、R、Rは、水素原子;炭素数1〜4のアルキル基;炭素数1〜4のアルコキシ基;ヒドロキシル基;ヒドロキシル基若しくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されても良い炭素数1〜4のアルキル基;ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、スルホン基若しくはカルボキシル基で置換されてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基;又はアルキル基若しくはアシル基によって置換されているアミノ基であり、nは0又は1である。)
又、本発明の別の実施態様にかかるインクジェット用ブラックインクは、上記構成のインクジェット用ブラックインクにおいて、更に、下記一般式(III)で表される化合物と下記一般式(IV)で表される化合物との縮合染料又はその塩、並びに、前記縮合染料又はその塩の還元によって得られる染料(縮合後又は還元後の染料の対イオンは、水素イオン、アルカリ金属イオン、有機アミンのカチオン、又はアンモニウムイオンである)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする。
一般式(III)
Figure 0003885086
(一般式(III)中、Mは水素原子又はアルカリ金属原子である。)
一般式(IV)
Figure 0003885086
(一般式(IV)中、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;ヒドロキシル基;スルホン基;カルボキシル基;炭素数1〜4のアルキル基;又は炭素数1〜4のアルコキシ基である。)
又、本発明の別の実施態様にかかるインクジェット用ブラックインクは、上記構成のインクジェット用ブラックインクにおいて、更に、pH緩衝剤を含有することを特徴とする。
又、本発明の別の実施態様にかかるインクセットは、複数のインクからなるインクセットにおいて、ブラックインクとして上記構成のインクジェット用ブラックインクを含むことを特徴とする。
又、本発明の別の実施態様にかかるインクセットは、前記ブラックインクをキャッピングするキャップと同一キャップでキャッピングされる他のインクが、揮発性塩基を含まないことを特徴とする。
又、本発明の別の実施態様にかかるインクジェット記録方法は、インクをインクジェット方法で吐出する工程を有するインクジェット記録方法において、前記インクが、上記構成のインクジェット用ブラックインクであることを特徴とする。
又、本発明の別の実施態様にかかるインクカートリッジは、インクを収容するインク収容部を備えたインクカートリッジにおいて、前記インクが、上記構成のインクジェット用ブラックインクであることを特徴とする。
又、本発明の別の実施態様にかかる記録ユニットは、インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えた記録ユニットにおいて、前記インクが、上記構成のインクジェット用ブラックインクであることを特徴とする。
又、本発明の別の実施態様にかかるインクジェット記録装置は、インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えたインクジェット記録装置において、前記インクが、上記構成のインクジェット用ブラックインクであることを特徴とする。
本発明によれば、インクジェット用ブラックインクとして好ましい色味を有し、高い耐オゾン性、高い画像濃度及び固着回復性が得られ、且つ、長期保存時における一般式(I)で表される化合物又はその塩の分解を抑制することができるインクジェット用ブラックインクを提供することができる。又、前記インクジェット用ブラックインクを用いたインクセット、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット及びインクジェット記録装置を提供することができる。
以下、好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
尚、本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。
<インク>
以下、本発明にかかるインクジェット用ブラックインク(以下、単にインクと呼ぶこともある)を構成する成分等について詳細に述べる。
(色材)
本発明のインクに用いられる色材は、下記一般式(I)で表される化合物又はその塩である。
一般式(I)
Figure 0003885086
(一般式(I)中、R、R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子;ヒドロキシル基;アミノ基;カルボキシル基;スルホン基;炭素数1〜4のアルキル基;炭素数1〜4のアルコキシ基;ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、スルホン基若しくはカルボキシル基で置換されているアルコキシ基;カルボキシル基又はスルホン基で更に置換されてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基;又はフェニル基、アルキル基、又はアシル基によって置換されているアミノ基であり、nは0又は1である。)
特に本発明においては、上記一般式(I)で表される化合物又はその塩が、下記に示される例示化合物1であることが好ましい。
例示化合物1
Figure 0003885086
本発明のインクにおける、一般式Iで表される化合物又はその塩である色材の含有量は、インク全質量に対して0.1質量%以上10.0質量%以下が好ましい。含有量が0.1質量%未満である場合、本発明の効果の1つである十分な画像濃度が得られず、10.0質量%を超える場合、本発明の効果の1つである固着回復性が得られないためである。ただし、高い画像濃度を達成するためには、含有量が3.0質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、更に、より高い画像濃度を達成するためには、含有量が4.5%質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。
本発明のインクにおいては、一般式(I)で表される化合物又はその塩を単独で用いても良く、又、色調を整えるために他の色材と併用しても良い。ただし、一般式(I)で表される化合物又はその塩以外の色材を併用する場合、本発明の効果を十分に発揮するためには、一般式(I)で表される化合物又はその塩の含有量がインク全質量に対して0.1質量%以上3.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上であることが更に好ましい。又、上記一般式(I)で表される化合物又はその塩の含有量、及びその他の色材の含有量、の質量比率が、2:1以上1:10以下であることが好ましい。
一般式(I)で表される化合物又はその塩は、下記一般式(II)で表される化合物又はその塩と併用することが好ましい。更には、例示化合物2、下記一般式(III)で表される4,4’−ジニトロスチルベン−2,2’−ジスルホン酸及び下記一般式(IV)で表される化合物の縮合染料、又は、前記縮合染料の還元によって得られる染料(縮合後又は還元後の染料の対イオンは、水素イオン、アルカリ金属イオン、有機アミンのカチオン、アンモニウムイオンである)と併用することが好ましい。これらの化合物は、高い画像濃度を得ることができ、Cが小さいため黒らしい黒インクを得ることができるので好ましい。尚、Cは彩度であり、鮮やかさの度合いを示す。このCが小さいほどニュートラルな色相を示す。
上記効果を十分に得るためには、上記一般式(I)で表される化合物又はその塩、及び下記一般式(II)で表される化合物又はその塩の、インク中の質量比率が2:1以上1:5以下であることが好ましい。又、上記効果を十分に得るためには、上記一般式(I)で表される化合物又はその塩、並びに下記一般式(III)及び下記一般式(IV)で表される化合物の縮合染料の、インク中の質量比率が2:1以上1:5以下であることが好ましい。
一般式(II)
Figure 0003885086
(一般式(II)中、R、Rはそれぞれ独立に水素原子;ヒドロキシル基;アミノ基;カルボキシル基;スルホン基;炭素数1〜4のアルキル基;又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、R、Rは、水素原子;炭素数1〜4のアルキル基;炭素数1〜4のアルコキシ基;ヒドロキシル基;ヒドロキシル基若しくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されても良い炭素数1〜4のアルキル基;ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、スルホン基若しくはカルボキシル基で置換されてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基;又はアルキル基若しくはアシル基によって置換されているアミノ基であり、nは0又は1である。)
例示化合物2
Figure 0003885086
一般式(III)
Figure 0003885086
(一般式(III)中、Mは水素原子又はアルカリ金属原子である。)
一般式(IV)
Figure 0003885086
(一般式(IV)中、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;ヒドロキシル基;スルホン基;カルボキシル基;炭素数1〜4のアルキル基;又は炭素数1〜4のアルコキシ基である。)
〔色材の検証方法〕
本発明において用いられる色材の検証には、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた下記(1)〜(3)の検証方法が適用できる。
(1)ピークの保持時間
(2)(1)のピークにおける最大吸収波長
(3)(1)のピークにおけるマススペクトルのM/Z(posi、nega)
高速液体クロマトグラフィーの分析条件は以下に示す通りである。純水で約1000倍に希釈したインク溶液に対して、下記の条件で高速液体クロマトグラフィーでの分析を行い、メインピークの保持時間(retention time)、及び、ピークの最大吸収波長を測定する。
・カラム:Symmetry C18 2.1mm×150mm
・カラム温度:40℃
・流速:0.2ml/min
・PDA:210nm〜700nm
・移動相及びグラジエント条件:表1
Figure 0003885086
又、マススペクトルの分析条件は以下に示す通りである。得られたピークに対して、下記の条件でマススペクトルを測定し、最も強く検出されたM/Zをposi、negaそれぞれに対して測定する。
・イオン化法
・ESI キャピラリ電圧 3.5kV
脱溶媒ガス 300℃
イオン源温度 120℃
・検出器 posi 40V 200−1500amu/0.9sec
nega 40V 200−1500amu/0.9sec
例示化合物1、2、及び一般式(III)で表される化合物及び一般式(IV)で表される化合物の縮合染料であるC.I.ダイレクトオレンジ39に対しての保持時間、最大吸収波長、M/Z(posi)、M/Z(nega)の値を表2に示す。表2に示された値に該当する場合、本発明において用いる化合物に該当すると判断できる。
Figure 0003885086
(水性媒体)
〔保湿性含窒素化合物〕
本発明のインクは、少なくとも1種の保湿性含窒素化合物を含有することを特徴とする。本発明における、保湿性含窒素化合物とは、保湿性の高い窒素化合物である。保湿性含窒素化合物の具体例は、尿素、エチレン尿素等の尿素誘導体類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のピロリドン類が挙げられる。中でも特に、エチレン尿素及び2−ピロリドンが好ましい。
保湿性含窒素化合物と染料が共存すると、水分を吸収、又は、水分を逃がしにくくする効果が得られる。インク中に保湿性含窒素化合物を存在させることで固着回復性を向上するためには、含有量(質量%)が、インク全質量に対して、0.1質量%以上30.0質量%以下であることが好ましい。更には、1.0質量%以上15.0質量%以下であることがより好ましい。含有量が0.1質量%未満だと、固着回復性の改善効果が不十分となる場合があり、30.0質量%を超えると、インクの粘度が高くなることにより、良好なインクジェット特性が得られなくなる場合があるためである。
〔その他の水溶性有機溶剤及び水〕
本発明のインクにおいては、上記した保湿性含窒素化合物の他に、これらを添加することによる効果が得られ、且つ本発明の目的効果を損なわない範囲で、水、或いは水と各種の水溶性有機溶剤との混合溶媒を使用することができる。水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はなく、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含硫黄極性溶媒等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量に対して10.0質量%以下であることが好ましい。これは、一般式(I)の色材と保湿性含窒素化合物を併用することで得られる効果を十分に発揮させるためである。又、水は脱イオン水(イオン交換水)を使用することが好ましい。水の含有量は、インク全質量に対して10.0質量%〜90.0質量%であることが好ましい。
(その他の添加剤)
更に、本発明においては必要に応じて、界面活性剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び、水溶性ポリマーなど、種々の添加剤を含有させてもよい。
一般式(I)で表される化合物又はその塩と保湿性含窒素化合物とが共存し、且つ、pHが高い状態で長期間保存された場合、一般式(I)で表される化合物又はその塩は、分解し、変色を起こす。この分解を抑制するためには、インクのpHを、pH9.5以下、より好ましくは9.0以下にすることが必要である。又、インクのpHは、インクの初期だけでなく、長期間の保存後においても9.5以下に抑えることが重要である。これは、本発明のインクに含有される保湿性含窒素化合物の一部が保存時に分解し、インクのpHを上昇させるためである。この場合、インクの初期のpHだけを9.5以下、より好ましくは、9.0以下に抑えても、保存時にpHが上昇し、その結果、一般式(I)で表される化合物の分解が起こってしまう。このため、初期だけではなく保存後の該インクのpHも、9.5以下、より好ましくは9.0以下にすることが必要である。
上述の通り、一般式(I)で表される化合物又はその塩と保湿性含窒素化合物を併用する場合、初期のインクのpH及び長期間の保存後におけるインクのpHを9.5以下、より好ましくは9.0以下にすることで、一般式(I)で表される化合物又はその塩の分解を抑えることができる。
保湿性含窒素化合物の分解速度は、温度が高いほど、大きいことが知られている。本発明者らの検討の結果、温度60℃で10日保存した場合における上記保湿性含窒素化合物の分解が、通常のユーザーの使用期間に起こり得る上記保湿性含窒素化合物の分解に相当することがわかった。このため、温度60℃、10日保存後のpHを9.5以下、より好ましくは9.0以下にすれば、通常のユーザーの使用環境下においても、一般式(I)で表される化合物又はその塩の分解を抑えることができる。
本発明においては、インクのpHを、通常の状態でのpH、及び長期間の保存後(温度60℃の環境で10日間の保存後)のpHとして規定している。ここで、通常の状態とは、インクの調製直後を含めてユーザーがインクを使用する状態であれば、いつの状態であっても構わない。本発明のインクにおいては、通常の状態(インク使用時)におけるpHが9.5以下又は9.0以下であり、且つ、長期間の保存後(温度60℃の環境で10日間の保存後)における該インクのpHが9.5以下又は9.0以下である場合、該インクの調製直後からインク使用時の全ての期間において、インクのpHが9.5以下又は9.0以下であることが想定される。即ち、該インクの調製直後からインク使用時の全ての期間において、インクのpHが9.5又は9.0を上回ることが起こり得ないと考えられる。従って、インクの調製直後及び通常の状態(インク使用時)において、インクのpHは実質的に同等であると判断することができる。
保存時のpHの上昇を抑制するためには、インク中に緩衝剤を含有させることが好ましい。緩衝剤の具体例は、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウム等のアンモニウム塩、アルギニン等のアミノ酸、トリスバッファー等、緩衝効果を有するものであれば、どのようなものでも使用できる。緩衝材の含有量は、任意で構わないが、インクジェット用ブラックインク全質量に対して0.01質量%以上5.0質量%以下であることがより好ましい。含有量が0.01質量%を下回る場合、pHの上昇を抑制する効果が得られにくく、又、5.0質量%を上回る場合、保存安定性や固着回復性性等のインクジェット特性が低下する場合があるためである。
<インクセット>
本発明のインクは、他のインクと組み合わせてインクセットとした場合においても好ましく使用することができる。本発明におけるインクセットは、本発明のインクを、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク等の他のインクと共に用いる状態ことである。尚、インクセットとして組み合わせることのできる他のインクについての限定は特にない。又、本発明におけるインクセットとは、インクタンクが複数一体になっているインクタンク自体は無論のこと、単独のインクタンクを複数組み合わせて使用する場合も含み、更に、前記インクタンク及び記録ヘッドを一体としたものも含まれる。
尚、インクジェット記録装置のクリーニング部において、画像記録前後の記録ヘッドをクリーニングする際に、本発明のインクジェット用ブラックインクと他のインクを同一キャップでキャッピングする場合、他のインクは揮発性塩基を含有しないことが好ましい。他のインクが揮発性塩基を含有する場合、キャッピング時に前記揮発性塩基が揮発し、一般式(I)で表される化合物又はその塩を含有するブラックインク中に溶解し、ブラックインクのpHが上昇する。その結果、ブラックインク中の一般式(I)で表される化合物又はその塩が分解し、変色することがある。特に揮発性塩基がアンモニアである場合、上述の現象が起こりやすい。従って、本発明のインクジェット用ブラックインクと他のインクを同一キャップでキャッピングする場合、他のインクにはアンモニアを含まないインクセットがより好ましい。
尚、本発明のインクセットには、前記揮発性塩基がインク調製時からインクに含有されている場合の他に、インク調製時には揮発性塩基が含まれていなかった場合であっても、経時変化により、インクの成分の分解等によりインク中に含まれることとなった場合も含まれる。
<記録媒体>
本発明のインクを用いて画像を形成する際に用いる記録媒体は、インクを付与して記録を行う記録媒体であれば何れのものでも使用することができる。
本発明は、染料や顔料などの色材をインク受容層内の多孔質構造を形成する微粒子に吸着させて、少なくともこの吸着した微粒子から画像が形成される記録媒体に適用され、インクジェット法を利用する場合に特に好適である。このようなインクジェット用の記録媒体は支持体上のインク受容層に形成された空隙によりインクを吸収するいわゆる吸収タイプであることが好ましい。
吸収タイプのインク受容層は、微粒子を主体とし、必要に応じて、バインダーやその他の添加剤を含有する多孔質層として構成される。微粒子の具体例は、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、アルミナあるいはアルミナ水和物等の酸化アルミニウム、珪藻土、酸化チタン、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛等の無機顔料や尿素ホルマリン樹脂、エチレン樹脂、スチレン樹脂等の有機顔料が挙げられ、これらの1種以上が使用される。バインダーとして好適に使用されているものには水溶性高分子やラテックスを挙げることができる。例えば、ポリビニルアルコール又はその変性体、澱粉又はその変性体、ゼラチン又はその変性体、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロオイルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、官能基変性重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸又はその共重合体、アクリル酸エステル共重合体などが使用され、必要に応じて2種以上を組み合わせて用いることができる。その他、添加剤を使用することもでき、例えば、必要に応じて分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、離型剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などが使用される。
特に、本発明において好ましく用いられる記録媒体は、上記微粒子として、平均粒子径が1μm以下の微粒子を主体として、インク受容層を形成した記録媒体が好ましい。上記の微粒子として、特に好ましいものは、例えばシリカ微粒子や酸化アルミニウム微粒子等が挙げられる。シリカ微粒子として好ましいものは、コロイダルシリカに代表されるシリカ微粒子である。コロイダルシリカ自体は市場より入手可能であるが、特には、例えば特許第2803134号、同2881847号公報に掲載されたものが好ましい。酸化アルミニウム微粒子として好ましいものは、アルミナ水和物微粒子等である。このようなアルミナ水和物微粒子の一つとして下記一般式により表されるアルミナ水和物を挙げることができる。
AlO3−n(OH)2n・mH
(上記式中、nは1、2又は3の整数の何れかを表し、mは0〜10、好ましくは0〜5の値を表す。但し、mとnは同時には0にはならない。mHOは、多くの場合mHO結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相をも表すものである為、mは整数又は整数でない値を取ることもできる。又この種の材料を加熱するとmは0の値に達することがありうる。)
記録媒体は上記したインク受容層を支持するための支持体を有することが好ましい。支持体は、インク受容層が、上記多孔質の微粒子で形成することが可能であって、且つインクジェットプリンタ等の搬送機構によって搬送可能な剛度を与えるものであれば、特に制限はなく、何れのものでも使用できる。具体的には、例えば、天然セルロース繊維を主体としてパルプ原料から成る紙支持体、ポリエステル(例:ポリエチレンテレフタラート)、セルローストリアセテート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリイミド等の材料からなるプラスチック支持体、基紙の少なくとも一方に白色顔料等を添加したポリオレフィン樹脂被樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙(例:RCペーパー)が挙げられる。
<インクジェット記録方法>
本発明にかかるインクは、インクをインクジェット方法で吐出する工程を有するインクジェット記録方法に用いることが特に好適である。インクジェット記録方法は、インクに力学的エネルギーを作用させてインクを吐出させる記録方法、及びインクに熱エネルギーを作用させてインクを吐出させる記録方法等がある。特に、本発明においては、熱エネルギーを利用するインクジェット記録方法を好ましく用いることができる。
<インクカートリッジ>
本発明にかかるインクを用いて記録を行うのに好適なインクカートリッジは、これらのインクを収容するインク収容部を備えたインクカートリッジが挙げられる。本発明においては、インクセットを構成する各インクの各液室からの蒸発量の差が、実質的に等しいインクカートリッジを好ましく用いることができる。インクセットを構成する各インクの各液室からの蒸発量の差が、実質的に等しいとは、例えば、各液室に水を含有させて各液室からの蒸発速度を測定した場合に、蒸発速度の差が1%程度以下となることをいう。
図7は、本発明に用いることができる記録ヘッドの分解図である。図7に示される記録ヘッドは、インクタンク一体構成となっている。記録ヘッド1001は、インクジェット記録装置本体に載置されているキャリッジの位置決め手段及び電気的接点によって支持固定されるとともに、キャリッジに対して着脱可能となっており、搭載したインクが消費されると交換される。
記録ヘッド1001はインクを吐出させるためのもので、インク供給口が並列して形成された記録素子基板1100、インクを吐出するための電気信号を印加する電気信号経路を形成する電気配線テープ1300、樹脂成形により形成されたインク供給保持部材1400、インクを保持するための負圧を発生するインク吸収体1500、蓋部材1600から構成されている。
インク供給保持部材1400は、内部にシアン、マゼンタ、イエローのインクを保持するための負圧を発生するための吸収体1500を保持するための空間を有することでインクタンクの機能と、記録素子基板1100のインク供給口にインクを導くための独立したインク流路を形成することでインク供給機能とを備えている。インク流路の下流部には、記録素子基板1100にインクを供給するためのインク供給口1200が形成されており、記録素子基板1100のインク供給口がインク供給保持部材1400のインク供給口1200に連通するよう、記録素子基板1100がインク供給保持部材1400に対して固定される。又、インク供給口1200付近周囲の平面には、電気配線テープ1300の一部の裏面が固定される。蓋部材1600は、インク供給保持部材1400の上部開口部に溶着されることで、インク供給保持部材1400内部の空間を閉塞するものである。蓋部材1600は記録ヘッドをインクジェット記録装置に固定するための係合部1700を有している。
図8は、本発明に用いることができる別の一例である記録ヘッドの分解図である。図8に示される記録ヘッドは、図7の場合と同様に、インクタンク一体構成となっている。記録ヘッド1001は、異なる複数の色のインク(例えば、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク)を搭載することができ、搭載したインクが消費されると交換される。
記録ヘッド1001は異なる複数の色のインク(例えば、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク)を吐出させるためのもので、シアン、マゼンタ、イエロー用のインク供給口が並列して形成された記録素子基板1100等から構成されている。インク供給保持部材1400は、内部にシアン、マゼンタ、イエローのインクを保持するための負圧を発生するための吸収体1501、1502、1503をそれぞれ独立して保持するための空間を有することでインクタンクの機能と、記録素子基板1100のインク供給口にそれぞれのインクを導くための独立したインク流路を形成することでインク供給機能とを備えている。
<記録ユニット>
本発明にかかるインクを用いて記録を行うのに好適な記録ユニットは、これらのインクを収容するインク収容部と、記録ヘッドとを備えた記録ユニットが挙げられる。特に、前記記録ヘッドが、記録信号に対応した熱エネルギーをインクに作用させ、前記エネルギーによりインク液滴を発生させる記録ユニットが挙げられる。
<インクジェット記録装置>
本発明にかかるインクを用いて記録を行うのに好適な記録装置は、これらのインクが収容されるインク収容部を有する記録ヘッドの室内のインクに、記録信号に対応した熱エネルギーを与え、前記エネルギーによりインク液滴を発生させる装置が挙げられる。
以下に、インクジェット記録装置の機構部の概略構成を説明する。記録装置本体は、各機構の役割から、給紙部、用紙搬送部、キャリッジ部、排紙部、クリーニング部及びこれらを保護し、意匠性を持たす外装部から構成されている。以下、これらの概略を説明していく。
図1は、記録装置の斜視図である。又、図2及び図3は、記録装置本体の内部機構を説明するための図であり、図2は右上部からの斜視図、図3は記録装置本体の側断面図をそれぞれ示したものである。
記録装置において給紙を行う際には、まず給紙トレイM2060を含む給紙部において記録媒体の所定枚数のみが給紙ローラM2080と分離ローラM2041から構成されるニップ部に送られる。送られた記録媒体はニップ部で分離され、最上位の記録媒体のみが搬送される。用紙搬送部に送られた記録媒体は、ピンチローラホルダM3000及びペーパーガイドフラッパーM3030に案内されて、搬送ローラM3060とピンチローラM3070とのローラ対に送られる。搬送ローラM3060とピンチローラM3070とからなるローラ対は、LFモータE0002の駆動により回転され、この回転により記録媒体がプラテンM3040上を搬送される。
キャリッジ部では記録媒体に画像を形成する場合、記録ヘッドH1001(図4)を目的の画像形成位置に配置させ、電気基板E0014からの信号に従って、記録媒体に対しインクを吐出する。記録ヘッドH1001についての詳細な構成は後述するが、記録ヘッドH1001により記録を行いながらキャリッジM4000が列方向に走査する記録主走査と、搬送ローラM3060により記録媒体が行方向に搬送される副走査とを交互に繰り返すことにより、記録媒体上に画像を形成していく構成となっている。
最後に画像を形成された記録媒体は、排紙部で第1の排紙ローラM3110と拍車M3120とのニップに挟まれ、搬送されて排紙トレイM3160に排出される。
尚、クリーニング部において、画像記録前後の記録ヘッドH1001をクリーニングする目的のために、キャップM5010を記録ヘッドH1001のインク吐出口に密着させた状態で、ポンプM5000を作用させると、記録ヘッドH1001から不要なインク等が吸引されるようになっている。又、キャップM5010を開けた状態で、キャップM5010に残っているインクを吸引することにより、残インクによる固着及びその後の弊害が起こらないように配慮されている。
(記録ヘッド構成)
ヘッドカートリッジH1000の構成について説明する。ヘッドカートリッジH1000は、記録ヘッドH1001と、インクタンクH1900を搭載する手段、及びインクタンクH1900から記録ヘッドにインクを供給するための手段を有しており、キャリッジM4000に対して着脱可能に搭載される。
図4は、ヘッドカートリッジH1000に対し、インクタンクH1900を装着する様子を示した図である。記録装置は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、淡マゼンタ、淡シアン、及びグリーンインクによって画像を形成し、従ってインクタンクH1900も7色分が独立に用意されている。上記において、少なくとも一種のインクに、本発明にかかるインクを用いる。そして、図に示すように、それぞれがヘッドカートリッジH1000に対して着脱自在となっている。尚、インクタンクH1900の着脱は、キャリッジM4000にヘッドカートリッジH1000が搭載された状態で行えるようになっている。
図5は、ヘッドカートリッジH1000の分解斜視図を示したものである。図において、ヘッドカートリッジH1000は、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101、第1のプレートH1200、第2のプレートH1400、電気配線基板H1300、タンクホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルタH1700、シールゴムH1800などから構成されている。
第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101はSi基板であり、その片面にインクを吐出するための複数の記録素子(ノズル)がフォトリソ技術により形成されている。各記録素子に電力を供給するAl等の電気配線は、成膜技術により形成されており、個々の記録素子に対応した複数のインク流路も又、フォトリソグラフィ技術により形成されている。更に、複数のインク流路にインクを供給するためのインク供給口が裏面に開口するように形成されている。
図6は、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101の構成を説明するための正面拡大図である。H2000〜H2600は、それぞれ異なるインク色に対応する記録素子の列(以下ノズル列ともいう)であり、第1の記録素子基板H1100には、イエローインクの供給されるノズル列H2000、マゼンタインクの供給されるノズル列H2100、及びシアンインクの供給されるノズル列H2200の3色分のノズル列が構成されている。第2の記録素子基板H1101には、淡シアンインクの供給されるノズル列H2300、ブラックインクの供給されるノズル列H2400、オレンジインクの供給されるノズル列H2500、及び淡マゼンタインクの供給されるノズル列H2600の4色分のノズル列が構成されている。
各ノズル列は、記録媒体の搬送方向に1200dpi(dot/inch;参考値)の間隔で並ぶ768個のノズルによって構成され、約2ピコリットルのインク滴を吐出させる。各ノズル吐出口における開口面積は、およそ100平方μmに設定されている。又、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101は第1のプレートH1200に接着固定されており、ここには、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101にインクを供給するためのインク供給口H1201が形成されている。
更に、第1のプレートH1200には、開口部を有する第2のプレートH1400が接着固定されており、この第2のプレートH1400は、電気配線基板H1300と第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101とが電気的に接続されるように、電気配線基板H1300を保持している。
電気配線基板H1300は、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101に形成されている各ノズルからインクを吐出するための電気信号を印加するものであり、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101に対応する電気配線と、この電気配線端部に位置し記録装置本体からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H1301とを有している。外部信号入力端子H1301は、タンクホルダーH1500の背面側に位置決め固定されている。
一方、インクタンクH1900を保持するタンクホルダーH1500には、流路形成部材H1600が例えば超音波溶着により固定され、インクタンクH1900から第1のプレートH1200に通じるインク流路H1501を形成している。
インクタンクH1900と係合するインク流路H1501のインクタンク側端部には、フィルタH1700が設けられており、外部からの塵埃の侵入を防止し得るようになっている。又、インクタンクH1900との係合部にはシールゴムH1800が装着され、係合部からのインクの蒸発を防止し得るようになっている。
更に、前述のようにタンクホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルタH1700及びシールゴムH1800から構成されるタンクホルダー部と、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101、第1のプレートH1200、電気配線基板H1300及び第2のプレートH1400から構成される記録ヘッド部H1001とを、接着等で結合することにより、ヘッドカートリッジH1000が構成されている。
尚、ここでは記録ヘッドの一形態として、電気信号に応じて膜沸騰をインクに対して生じさせるための熱エネルギーを生成する電気熱変換体(記録素子)を用いて記録を行うバブルジェット(登録商標)方式の記録ヘッドについて一例を挙げて述べた。
この代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4,723,129号明細書、同第4,740,796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は、所謂オンデマンド型、コンティニュアス型の何れにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液流路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を超える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長・収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
又、第二の力学的エネルギーを利用したインクジェット記録装置の形態として、複数のノズルを有するノズル形成基板と、ノズルに対向して配置される圧電材料と導電材料からなる圧力発生素子と、この圧力発生素子の周囲を満たすインクを備え、印加電圧により圧力発生素子を変位させ、インクの小液滴をノズルから吐出させるオンデマンドインクジェット記録ヘッドを挙げることができる。
又、インクジェット記録装置は、上述のようにヘッドとインクタンクとが別体となったものに限らず、それらが分離不能に一体になったものを用いるものでもよい。又、インクタンクはヘッドに対し分離可能又は分離不能に一体化されてキャリッジに搭載されるもののほか、装置の固定部位に設けられて、インク供給部材、例えばチューブを介して記録ヘッドにインクを供給する形態のものでもよい。更に、記録ヘッドに対し好ましい負圧を作用させるための構成をインクタンクに設ける場合には、インクタンクのインク収納部に吸収体を配置した形態、あるいは可撓性のインク収容袋とこれに対しその内容積を拡張する方向の付勢力を作用するばね部とを有した形態などを採用することができる。又、記録装置は、上述のようにシリアル記録方式を採るもののほか、記録媒体の全幅に対応した範囲にわたって記録素子を整列させてなるラインプリンタの形態をとるものであってもよい。
以下、実施例、参考例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、特に指定の無い限り、実施例、比較例のインク成分は「質量部」を意味する。
<色材の調製>
(例示化合物1の調製)
下記式(A)の化合物を、水酸化ナトリウムを添加した水に加えて溶解し、更に亜硝酸ナトリウム水溶液を添加し、ジアゾ化を行った。このジアゾ混濁液を、6−アミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3、5−ジスルホン酸のアルカリ水溶液に滴下してカップリング反応を行い、塩化ナトリウムで塩析した後、濾過、洗浄を行った。次いで、前記化合物を、水酸化ナトリウムを添加した水に加えて溶解し、塩酸、亜硝酸ナトリウムを添加してジアゾ化を行った。このジアゾ混濁液に、8−アミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸を添加し、炭酸ナトリウムを添加して、終夜攪拌し反応液Aを得た。次に、1−アミノ−2−ベンゼンスルホン酸を、水酸化ナトリウムを添加した水に加えて溶解し、更に亜硝酸ナトリウム水溶液を添加し、ジアゾ化を行った。このジアゾ混濁液を、6−アミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3−スルホン酸のアルカリ水溶液に滴下してカップリング反応を行い、塩化ナトリウムで塩析した後、濾過、洗浄を行った。次いで、前記化合物を、水酸化ナトリウムを添加した水に加えて溶解し、塩酸、亜硝酸ナトリウムを添加してジアゾ化を行った。このジアゾ混濁液を上記反応液(A)に添加してカップリング反応を行い、塩化ナトリウムで塩析した後、濾過、洗浄を行うことにより、例示化合物1を得た。
式(A)
Figure 0003885086
例示化合物1
Figure 0003885086
(例示化合物2の調製)
下記式(B)の化合物を、炭酸ナトリウムを添加した水に加えて溶解し、更に塩酸、亜硝酸ナトリウムを添加し、ジアゾ化を行った。このジアゾ混濁液に、6−フェニルアミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3−スルホン酸水溶液を添加し、炭酸ナトリウムの存在下で溶解し、溶液(B)を得た。次に、2−アミノスルホン酸を、水酸化ナトリウムの存在下で溶解し、塩酸、亜硝酸ナトリウムを添加して、ジアゾ化を行った。次に、6−アミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3−スルホン酸を、水酸化ナトリウムの存在下で溶解し、無水酢酸を添加し、アセチル化を行った。ここに上記ジアゾ混濁液を炭酸ナトリウムの存在下で滴下して、カップリング反応を行い、反応液(B)を得た。この反応液(B)に、水酸化ナトリウム、次いで塩化ナトリウムを添加して塩析を行い、させ、化合物を得た。この化合物を水酸化ナトリウムの存在下で、水に溶解させ、塩酸、亜硝酸ナトリウムを添加し、ジアゾ化を行った。このジアゾ混濁液に、炭酸ナトリウムの存在下で、溶液(B)を滴下し、カップリング反応を完結させ、反応液を得た。この反応液を塩化ナトリウムで塩析した後、濾過を行うことにより化合物(B)を得た。N,N−ジメチルホルムアミドに、2−ニトロ−4−クレゾール、トルエン、水酸化カリウムを添加し、トルエンとの共沸により水を留去し、プロパンスルトンを滴下した後、水酸化ナトリウムを添加し、これを濃縮後、オートクレーブにて、パラジウムカーボンを添加し、水素ガスを封入し溶液を得た。これを、塩酸、亜硝酸ナトリウム添加することでジアゾ化を行い、上記反応液(B)を滴下し、水酸化ナトリウムの存在下でカップリング反応を完結させ、反応液を得た。この反応液を塩酸、亜硝酸ナトリウム添加によりジアゾ化を行い、このジアゾ混濁液を上記化合物(B)を溶解した水溶液に添加し、カップリング反応を完結させた。これを塩化ナトリウムにより塩析した後、濾過、洗浄を行うことにより、例示化合物2を得た。
式(B)
Figure 0003885086
例示化合物2
Figure 0003885086
<インクの調製>
下記表3に示した各成分を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターにて加圧濾過を行い、ブラックインク1〜9を調製した。
又、ブラックインク1〜9を以下に示す基準で、pH(初期)、pH(保存後)の測定を行った。pHの評価結果を表3に示す。
(A)pH(初期)
インクのpHを、pHメーターを用いて測定した。pH(初期)の基準は以下の通りである。
A:pHが9.0以下
B:pHが9.0を超え、9.5以下
C:pHが9.5を超える
(B)pH(保存後)
インクをテフロン(登録商標)ジャーに入れて温度60℃で10日間保存した。保存後のpHを、pHメーターを用いて測定した。pH(保存後)の基準は以下の通りである。
A:pHが9.0以下
B:pHが9.0を超え、9.5以下
C:pHが9.5を超える
Figure 0003885086
<評価>
上記で得られたブラックインク1〜9を、発熱素子をインク吐出のエネルギー源とするオンデマンド式インクジェット記録装置である、インクジェットプリンタ(キヤノン製 PIXUS 950i改造機)にそれぞれ搭載し、下記の評価項目について評価を行った。
(1)画像濃度
前記プリンタにインクを充填して、インクジェット用光沢記録媒体PR101(キヤノン製)に100%dutyの印字を行った後、24時間乾燥させて、その後の画像について画像濃度の測定を行った。尚、測定には分光光度計(Spectorolino;Gretag Macbeth製)を用いた。画像濃度の基準は以下の通りである。評価結果を表4に示す。
A:画像濃度が2.1以上
B:画像濃度が1.9以上、2.1未満
C:画像濃度が1.9未満
(2)色味
前記プリンタにインクを充填して、インクジェット用光沢記録媒体PR101(キヤノン製)に100%dutyの印字を行った後、24時間乾燥させて、その後の画像についてCの測定を行った。尚、測定には分光光度計(Spectorolino;Gretag Macbeth製)を用いた。色味の基準は以下の通りである。評価結果を表4に示す。
A:Cが10未満
B:Cが10以上20未満
C:Cが20以上
(3)固着回復性
記録ヘッド部にインクを充填した後、記録ヘッド部を取り外し、吐出口を環境雰囲気下に曝し、温度35℃、湿度10%の環境で2週間放置を行った。その後、再度記録ヘッドをプリンタ本体に装着し、固着回復性についての評価を行った。固着回復性の基準は以下の通りである。評価結果を表4に示す。
A:ヘッド装着後、吸引2回以内で全ノズルが問題なく吐出可能に回復する
B:ヘッド装着後、吸引3回以上、4回以内に全ノズルが問題なく吐出可能に回復する
C:ヘッド装着後、吸引5回以上行っても一部、吐出できないノズルが存在する
(4)保存安定性
インクをテフロン(登録商標)ジャーに入れ、温度60℃の環境で10日間保存した。保存前後にインクの吸光度スペクトルを測定し、その最大吸光度におけるピーク強度の残存率を算出した。尚、最大吸光度におけるピーク強度の測定には、分光光度計(商品名:U−3300;日立製作所製)を用い、380nm〜780nmの範囲で測定した。又、インクは純水で2000倍に希釈して測定を行った。保存安定性の基準は以下の通りである。評価結果を表4に示す。
A:最大吸光度におけるピーク強度の残存率が99%以上
B:最大吸光度におけるピーク強度の残存率が95%以上99%未満
C:最大吸光度におけるピーク強度の残存率が95%未満
Figure 0003885086
実施例2、実施例3、比較例2からわかるように保湿性含窒素化合物は、固着回復性を向上させる。実施例2、参考例1、比較例3からわかるように、インクの初期のpH及び保存後のpHは、9.5以下であれば、色味変化はほとんど起こらず、9.0以下であれば全く起こらない。参考例2、比較例1からわかるように、インク中に緩衝剤を入れておくと、尿素のように保存によりpHが上昇するような物質が存在していても、pHの上昇を抑制できる。その結果、色味の変化はほとんど起こらない。実施例1、3、からわかるように、色材の濃度は、3%以上のほうが、画像濃度が高くなるので望ましく、又、例示化合物1だけでなく、例示化合物2、C.I.ダイレクトオレンジ39を組み合わせる方が、Cの小さい好ましい黒インクとなる。
<インクセット>
インクセットが同一キャップでキャッピングされた場合、キャップ内はインクセットを構成する各インクの揮発成分で満たされることから、本発明のブラックインクに他のインクの揮発成分が混入することが想定される。このため、以下のモデル実験を行った。
モデル実験は、実際にキャップ内が揮発成分で満たされ、前記揮発成分がブラックインクに混入することにより、ブラックインクに弊害が起きるかを確認するための実験であり、実際にインクセットが同一キャップでキャッピングされた場合においても、同一の現象が生じているという考えを基に行ったものである。
本発明者らは、キャッピング放置期間が、例えば1年と長い場合には、このモデル実験と同様の現象が顕著に生じることを確認している。前記現象を短期間で生じさせるために、上記構成のモデル実験を行った。
<シアンインクの色材(色材A)の調製>
(1)銅フタロシアニンテトラスルホン酸テトラナトリウム塩(式(C))の合成
式(C)
Figure 0003885086
スルホラン、4−スルホフタル酸モノナトリウム塩、塩化アンモニウム、尿素、モリブデン酸アンモニウム、塩化銅(II)を混合し、攪拌した後、メタノールで洗浄を行った。その後、水を加え、水酸化ナトリウム水溶液を用いて、溶液のpHを11に調整した。得られた溶液に攪拌下で塩酸水溶液を加え、更に塩化ナトリウムを徐々に加え、結晶を析出させた。得られた結晶を濾別したものを、20%塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、続いてメタノールを加え、析出した結晶を濾別し、70%メタノール水溶液で洗浄した後に乾燥させ、式(C)の銅フタロシアニンテトラスルホン酸テトラナトリウム塩を青色結晶として得た。
(2)銅フタロシアニンテトラスルホン酸クロライド(式(D))の合成
式(D)
Figure 0003885086
クロロスルホン酸中に、上記で得られた銅フタロシアニンテトラスルホン酸テトラナトリウム塩(式(C))を徐々に加え、更に、塩化チオニルを滴下し、反応を行った。その後、反応液を冷却し、析出した結晶を濾過し、式(D)の銅フタロシアニンテトラスルホン酸クロライドのウェットケーキを得た。
(3)下記化合物X(式(E))の合成
式(E)
Figure 0003885086
氷水中に、リパールOH、塩化シアヌル、アニリン−2,5−ジスルホン酸モノナトリウム塩を加え、水酸化ナトリウム水溶液を添加しながら反応を行った。次に、反応液に、水酸化ナトリウム水溶液を添加して、反応液のpHを10に調整した。この反応液に、28%アンモニア水、エチレンジアミンを加え、反応を行った。得られた反応液に、塩化ナトリウム、濃塩酸を滴下して、結晶を析出させた。析出した結晶を濾過分取し、20%塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、ウェットケーキを得た。得られたウェットケーキに、メタノール及び水を加え、更に濾過し、メタノールで洗浄を行った後、乾燥させて、式(E)の化合物Xを得た。
(4)色材Aの合成
氷水中に、(2)で得られた銅フタロシアニンテトラスルホン酸クロライド(式(D))のウェットケーキを加え、攪拌を行って懸濁させ、更に、アンモニア水、(3)で得られた化合物X(式(E))を添加して、反応を行った。これに、水、塩化ナトリウムを加えて、結晶を析出させた。得られた結晶を濾過し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、再度濾過を行った後、洗浄、乾燥させて、青色結晶として色材Aを得た。
色材A
Figure 0003885086
(色材A中、l、m、nはそれぞれl=0〜2、m=1〜3、n=1〜3(但し、l+m+n=3〜4)であり、置換基の置換位置は、4位若しくは4’位である。)
<マゼンタインクの色材(色材B)の調製>
キシレン中で、下記式(F)で表される化合物、炭酸ナトリウム、ベンゾイル酢酸エチルエステルとを反応させ、反応物を濾過、洗浄した。これを、N,N−ジメチルホルムアミド中で、メタアミノアセトアニリド、酢酸銅、炭酸ナトリウムを順次添加して反応を行い、反応物を濾過、洗浄した。更に、これを、発煙硫酸中でスルホン化を行った後、濾過、洗浄し、これを、水酸化ナトリウムの存在下で、シアヌルクロライドと縮合反応を行った。この反応液中に、アンスラニル酸を添加し、水酸化ナトリウムの存在下で縮合反応を行った。これを濾過、洗浄を行うことにより、下記の色材Bを得た。
式(F)
Figure 0003885086
色材B
Figure 0003885086
<インクセットの作成>
下記表5に示した各成分を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターにて加圧濾過を行い、シアンインク1、2及びマゼンタインク1、2を調製した。
Figure 0003885086
本発明においては、ブラックインク、シアンインク及びマゼンタインクと組み合わせて、インクセットとした。勿論、本発明はこれに限られるものではない。
表5のシアンインク、マゼンタインク、及び上記ブラックインク4を、下記表6に示す組み合わせで用いて実施例7及び比較例4のインクセットとした。
Figure 0003885086
<評価>
参考例3のインクセットを構成する各インクを、それぞれ50mlのビーカーに入れ、前記ビーカーをポリプロピレン製の容器に入れ、密封した。更に、前記ポリプロピレン製の容器を、温度24℃の環境で1ヶ月放置した。その後、参考例3のインクセットを構成するブラックインクを、インクジェットプリンタ(キヤノン製 PIXUS 950i改造機)に充填して、インクジェット用光沢記録媒体PR101(キヤノン製)の記録媒体に100%dutyの印字を行った。同様の操作を、比較例4のインクセットについても行った。
得られた記録物を確認したところ、参考例3では、放置前のインクで作成した記録物の印字、及び放置後のインクで作成した記録物の印字を比較すると、目視による差がほとんど生じていなかったのに対して、比較例4では、放置前のインクで作成した記録物の印字、及び放置後のインクで作成した記録物の印字を比較すると、目視により確認できる色味変化が生じていた。
記録装置の斜視図である。 記録装置の機構部の斜視図である。 記録装置の断面図である。 ヘッドカートリッジにインクタンクを装着する状態示した斜視図である。 ヘッドカートリッジの分解斜視図である。 ヘッドカートリッジにおける記録素子基板を示す正面図である。 記録ヘッドの分解図である。 記録ヘッドの分解図である。
符号の説明
M2041 分離ローラ
M2060 給紙トレイ
M2080 給紙ローラ
M3000 ピンチローラホルダ
M3030 ペーパーガイドフラッパー
M3040 プラテン
M3060 搬送ローラ
M3070 ピンチローラ
M3110 排紙ローラ
M3120 拍車
M3160 排紙トレイ
M4000 キャリッジ
M5000 ポンプ
M5010 キャップ
E0002 LFモータ
E0014 電気基板
H1000 ヘッドカートリッジ
H1001 記録ヘッド
H1100 第1の記録素子基板
H1101 第2の記録素子基板
H1200 第1のプレート
H1201 インク供給口
H1300 電気配線基板
H1301 外部信号入力端子
H1400 第2のプレート
H1500 タンクホルダー
H1501 インク流路
H1600 流路形成部材
H1700 フィルタ
H1800 シールゴム
H1900 インクタンク
H2000 イエローノズル列
H2100 マゼンタノズル列
H2200 シアンノズル列
H2300 淡シアンノズル列
H2400 ブラックノズル列
H2500 グリーンノズル列
H2600 淡マゼンタノズル列
1001 記録ヘッド
1100 記録素子基板
1200 インク供給口
1300 電気配線テープ
1400 インク供給部材
1500 インク吸収体
1501 インク吸収体
1502 インク吸収体
1503 インク吸収体
1600 蓋部材
1700 係合部

Claims (11)

  1. 少なくとも下記一般式(I)で表される化合物又はその塩を含有するインクジェット用ブラックインクであって、
    該インクジェット用ブラックインクは、更に、少なくとも1種の保湿性含窒素化合物を含有し、
    且つ、インクのpHが9.0以下であり、そのインクを温度60℃の環境で10日間保存した後のインクのpHが、9.0以下であり、
    前記保湿性含窒素化合物が、エチレン尿素又は2−ピロリドンであることを特徴とするインクジェット用ブラックインク。
    一般式(I)
    Figure 0003885086
    (一般式(I)中、R、R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子;ヒドロキシル基;アミノ基;カルボキシル基;スルホン基;炭素数1〜4のアルキル基;炭素数1〜4のアルコキシ基;ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、スルホン基若しくはカルボキシル基で置換されているアルコキシ基;カルボキシル基又はスルホン基で更に置換されてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基;又はフェニル基、アルキル基、又はアシル基によって置換されているアミノ基であり、nは0又は1である。)
  2. 更に、下記一般式(II)で表される化合物又はその塩を含有する請求項1に記載のインクジェット用ブラックインク。
    一般式(II)
    Figure 0003885086
    (一般式(II)中、R、Rはそれぞれ独立に水素原子;ヒドロキシル基;アミノ基;カルボキシル基;スルホン基;炭素数1〜4のアルキル基;又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、R、Rは、水素原子;炭素数1〜4のアルキル基;炭素数1〜4のアルコキシ基;ヒドロキシル基;ヒドロキシル基若しくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されても良い炭素数1〜4のアルキル基;ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、スルホン基若しくはカルボキシル基で置換されてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基;又はアルキル基若しくはアシル基によって置換されているアミノ基であり、nは0又は1である。)
  3. 更に、下記一般式(III)で表される化合物と下記一般式(IV)で表される化合物との縮合染料又はその塩、並びに、前記縮合染料又はその塩の還元によって得られる染料(縮合後又は還元後の染料の対イオンは、水素イオン、アルカリ金属イオン、有機アミンのカチオン、又はアンモニウムイオンである)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1又は2に記載のインクジェット用ブラックインク。
    一般式(III)
    Figure 0003885086
    (一般式(III)中、Mは水素原子又はアルカリ金属原子である。)
    一般式(IV)
    Figure 0003885086
    (一般式(IV)中、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子;ハロゲン原子;ヒドロキシル基;スルホン基;カルボキシル基;炭素数1〜4のアルキル基;又は炭素数1〜4のアルコキシ基である。)
  4. 更に、pH緩衝剤を含有する請求項1〜の何れか1項に記載のインクジェット用ブラックインク。
  5. 複数のインクを有するインクセットにおいて、ブラックインクとして請求項1〜の何れか1項に記載のインクジェット用ブラックインクを含むことを特徴とするインクセット。
  6. 前記ブラックインクをキャッピングするキャップと同一キャップでキャッピングされる他のインクが、揮発性塩基を含まない請求項に記載のインクセット。
  7. 前記揮発性塩基が、アンモニアである請求項に記載のインクセット。
  8. インクをインクジェット方法で吐出する工程を有するインクジェット記録方法において、前記インクが、請求項1〜の何れか1項に記載のインクジェット用ブラックインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  9. インクを収容するインク収容部を備えたインクカートリッジにおいて、前記インクが、請求項1〜の何れか1項に記載のインクジェット用ブラックインクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  10. インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えた記録ユニットにおいて、前記インクが、請求項1〜の何れか1項に記載のインクジェット用ブラックインクであることを特徴とする記録ユニット。
  11. インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えたインクジェット記録装置において、前記インクが、請求項1〜の何れか1項に記載のインクジェット用ブラックインクであることを特徴とするインクジェット記録装置。
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