JP5950512B2 - インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット記録にも好適なインク、該インクを利用したインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法に関する。
近年、インクジェット記録方法に用いられるカラーインクとして、画像の耐ガス性や耐光性などの堅牢性をより向上させることを目的として、色材として有機顔料を含有する顔料インクが広く使用されるようになっている。該顔料インクでは、有機顔料を、分散剤としての水溶性の樹脂や、樹脂によるカプセル化や、樹脂による顔料粒子の表面の改質などによって、水性媒体中に分散させている。しかし、一般的に、顔料インクによって記録された画像の発色性は、染料インクの場合と比べ不十分であるという課題がある。また、顔料が粒子であることに起因して、特に、表面に光沢を有する記録媒体(いわゆる光沢紙類)に記録した画像の光沢性が、染料インクの場合と比べ不十分であるという課題もある。なお、ここでの「光沢性」とは、画像の20°グロス値(光沢度)を意味しており、この20°光沢度が50以上であれば、光沢性に優れると言える。この値は、例えば、マイクロヘイズメーター(BYKガートナー製)を用いて測定することができる。
上記課題に対して、これまでにも様々な検討がなされてきた。例えば、画像の発色性に関しては、顔料インクに樹脂微粒子を添加し、顔料と樹脂微粒子の粒径の比率が特定の範囲内にあることで、いわゆる普通紙における画像の発色性を高める顔料インクの提案がある(特許文献1参照)。また、画像の光沢性に関しては、顔料インクに1,2−アルカンジオールを添加することで、記録媒体におけるインクドットの平滑性を向上させ、画像の光沢性を高めるインク処方についての提案がある(特許文献2参照)。
特開2004−238445号公報 特開2005−194500号公報
しかし、本発明者らの検討の結果、上記に挙げた従来技術では、特に、表面に光沢を有する記録媒体(以下、光沢紙と呼ぶ)に記録した画像において、発色性及び光沢性の両立を高いレベルで達成できていないことがわかった。上記特許文献1で提案された画像の発色性を高める顔料インクは、自己分散顔料と乳化重合法で得られた樹脂微粒子とで構成したインクであるが、普通紙におけるモノクロ画像の発色性を高めることはできても、光沢紙における画像の光沢性は不十分であった。また、本発明者らの検討によれば、当該インクで光沢紙に記録した画像は、普通紙に記録した画像と異なり、その発色性についても近年要求されるレベルまで高めることができなかった。また、特許文献2に記載されている画像の光沢性が高まるとしたインクは、光沢紙に記録した画像の光沢性については高めることができたものの、その発色性を高めることはできなかった。
したがって、本発明の目的は、発色性及び光沢性の、いずれにおいても優れるカラー画像を記録することができるインクジェット記録にも好適なインク、該インクを利用したインクカートリッジ及びインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は下記の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、有機顔料、該有機顔料を分散させるための樹脂、及び樹脂微粒子を含有してなるインクであって、前記有機顔料を分散させるための樹脂が、(メタ)アクリル酸に由来する親水性ユニットと、芳香環を有するモノマーに由来する疎水性ユニットと、を有する共重合体であり、さらに、ポリエーテル系ウレタン樹脂を含有してなり、前記樹脂微粒子の平均粒径が、前記有機顔料の平均粒径に対して、0.60倍以上1.2倍以下であることを特徴とするインク、該インクを利用したインクカートリッジ及びインクジェット記録方法を提供する。
本発明によれば、発色性及び光沢性が共に優れるカラー画像をも記録することができるインクジェット記録にも好適なインクが提供される。本発明によれば、該インクを利用することで、発色性及び光沢性を両立してなる優れる画像の提供を可能にする、インクカートリッジ及びインクジェット記録方法が提供される。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。なお、本発明における平均粒径とは、体積基準の平均粒径(D50)であり、粒径分布の50%累積値のことである。
先ず、画像の発色性を向上させるにあたり、本発明者らは、画像の発色性に優れる染料インクと、これに比べて画像の発色性が不十分である顔料インクにおける発色性との違いに注目した。まず、水性媒体に溶解し、記録媒体の受容層に定着する染料を色材として含有する染料インクと異なり、顔料インクは、記録媒体の表面上に100nm程度の平均粒径を有する顔料粒子が定着することで、画像表面に凹凸が生じる。そして、この画像表面に生じた凹凸によって、画像表面に光が入射した際に「表面散乱」を引き起こす。また、画像を形成している顔料層の内部には、顔料の他に空気が内包される空隙が散在しており、この空隙により「内部散乱」が起こる。ここで、光を吸収させることが重要なモノクロ画像と異なり、カラー画像の場合は、顔料粒子で構成される顔料層によって形成される画像において、その発色波長の光のみを反射させるようにすることが、画像の発色性を向上させる上で重要である。本発明者らは、そのためには、上記した、顔料層内部に形成される空隙や、画像表面の凹凸に起因する散乱を効果的に抑制し、散乱による反射光量の低下や、本来発色すべき色とは異なる補色の反射光を抑えることで、画像の発色性を高めることができると考えた。
上記のことに鑑み、本発明者らは、まず、顔料インクに樹脂微粒子を含有させ、顔料層表面の凹凸を、この樹脂微粒子で埋めるようにすれば、画像表面の平滑化が図れ、凹凸に起因する「表面散乱」を抑制できると考えた。また、顔料層内部に形成される空隙を樹脂微粒子で埋められれば、当該空隙に起因して生じる「内部散乱」をも抑制できると考えた。
そこで、本発明者らは、インクに含有させる顔料と樹脂微粒子との平均粒径の関係に注目し、検討を行った。その結果、顔料よりもかなり大きい樹脂微粒子を用いたインクにおいては、十分な発色性が得られないことが分かった。具体的には、インクに含有させた樹脂微粒子の平均粒径が、顔料の平均粒径に対して1.2倍よりも大きい樹脂微粒子をインク中に添加した場合は、樹脂微粒子を添加したことによる発色性の向上は見られなかった。
上記に続いて、顔料よりもかなり小さい樹脂微粒子を含有させたインクで検討を行ったところ、僅かに発色性の向上が見られた。そして、特に、インクに含有させる樹脂微粒子の平均粒径が、顔料粒子の平均粒径に対して、0.60倍以上1.2倍以下である場合に、画像の発色性が向上することを見出した。さらに、この比率の範囲内となる平均粒径の樹脂微粒子を用いることで、光沢紙に記録した画像の光沢性も向上することを見出した。上記のようにすることで、画像の発色性が向上した理由を本発明者らは次のように考えている。インク中に顔料粒子の平均粒径に対して、0.60倍以上1.2倍以下である樹脂微粒子を添加すると、該樹脂微粒子が、前述した顔料層内部の空隙や顔料層表面の凹凸を埋めることができ、これらの結果として光散乱が抑制され、発色性が高められたと考えられる。
そして、上記の場合に画像の光沢性が向上した理由も同様であり、適切な大きさの樹脂微粒子によって画像表面の凹凸を効果的に平滑化できたことで、画像表面での反射効率が高まり、結果として、画像の光沢性が向上したと考えられる。さらに、上記に加えて、顔料層中の空隙を樹脂微粒子で埋めることで、画像表面の屈折率を上げることができたためと考えられる。つまり、屈折率が空気よりも高い樹脂微粒子で、顔料層中の空隙を埋めることで、当該顔料層全体の屈折率を高めることができ、結果として、光沢性(20°グロス値)が高められたと考えられる。
一般的に、顔料の屈折率が高いカーボンブラックなどの無機顔料を使用したブラックインクと異なり、カラーインクでは、無機顔料よりも低屈折率の有機顔料を主たる色材として用いているため、カラー画像部の屈折率はモノクロ画像部よりも低くなる。そのため、光沢紙に写真などの画像を記録した際に、この屈折率の低いカラー画像部と、屈折率の高いモノクロ画像部との間で、光沢に違いが生じて、フルカラー画像が、全体として光沢ムラが発生する場合がある。これに対して、本発明のインクを用いることで、前述したように、形成されるカラー画像の顔料層の屈折率が高まり、モノクロ画像との光沢性の差を縮めることができるため、画像の光沢性が向上すると共に、その均一性も良好なものになる。
<インク>
以下、インクジェット用にも好適な、本発明のインクを構成する各成分などについて説明する。なお、以下の記載において、有機顔料のことを単に顔料と記載することがある。
(有機顔料と、該顔料を分散するための樹脂)
本発明のインクに使用する色材は有機顔料であり、樹脂微粒子の平均粒径が、有機顔料の平均粒径に対して、0.60倍以上1.2倍以下であることを要する。また、上記有機顔料は樹脂を用いることでインク中、より具体的には水性媒体中に分散されるものである。以下、樹脂によって分散される顔料のことを樹脂分散顔料と呼ぶことがある。樹脂分散顔料の種々の形態については後述する。
前述した通り、カラーインクで記録される画像の発色性及び光沢性を高めるにあたり、顔料層内部の空隙と顔料層表面の凹凸を樹脂微粒子で効率的に埋めることが重要である。その際、顔料層内部の空隙の大きさや頻度、顔料層表面の凹凸の高低差が小さい方が、樹脂微粒子によってこれらを効率的に埋め易いと考えられる。ここで、インクの色材に、樹脂分散顔料を用いた場合と、自己分散顔料を用いた場合とを比較すると、例えば、表面に光沢を有する記録媒体に記録した際における顔料の凝集状態は異なったものになる。すなわち、顔料粒子の表面に化学的に結合させたアニオン性基による静電反発で分散されている自己分散顔料では、記録媒体中のカチオンと反応し、静電反発が失われると顔料が著しく凝集する。このため、自己分散顔料を用いた場合は、顔料層内部の空隙は大きくなり、顔料層表面の凹凸の高低差が大きい顔料層が形成される。
これに対し、樹脂分散顔料では、樹脂のアニオン性基による静電反発と樹脂の立体反発の両方の作用があるため、記録媒体中のカチオンと反応した際、自己分散顔料よりも緩やかに凝集する。このため、本発明のように樹脂分散顔料をインクの色材として用いた場合は、自己分散顔料を用いた場合よりも、顔料層内部の空隙は小さくなり、顔料層表面の凹凸の高低差も小さくなる。したがって、樹脂微粒子によって顔料層内部の空隙や顔料層表面の凹凸を埋めるためには、顔料層内部の空隙と顔料層表面の凹凸の高低差がより小さい樹脂分散顔料を用いた方が好適である。上記した理由から、本発明では、樹脂分散顔料を用いている。
有機顔料を分散するために使用する樹脂、すなわち樹脂分散剤としては、有機顔料を、アニオン性基の作用によってインクを構成する水性媒体中に安定に分散させることのできる水溶性樹脂が好適に用いられる。なお、本発明において樹脂が水溶性であることとは、該樹脂を酸価と当量のアルカリで中和した場合に、粒径を測定しうる粒子を形成しないものであることとする。このような条件を満たす樹脂を、本明細書においては水溶性の樹脂として記載する。インク中の樹脂分散剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。
分散剤として使用される樹脂としては、以下に挙げるような親水性ユニット及び疎水性ユニットを少なくとも構成ユニットとして有するものが好ましい。なお、本明細書における(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルを示すものとする。
重合により親水性ユニットとなるモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸などのカルボキシ基を有するモノマー、スチレンスルホン酸などのスルホン酸基を有するモノマー、(メタ)アクリル酸−2−ホスホン酸エチルなどのホスホン酸基を有するモノマーなどの酸モノマー、これらの酸モノマーの無水物や塩などのアニオン性モノマーなどが挙げられる。なお、酸モノマーの塩を構成するカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、有機アンモニウムなどのイオンが挙げられる。
また、重合により疎水性ユニットとなるモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香環を有するモノマー、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸(イソ)プロピル、(メタ)アクリル酸(n−、iso−、t−)ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルなどの脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
本発明においては、(メタ)アクリル酸に由来する親水性ユニットや脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルに由来するユニットなどのアクリル成分を少なくとも有するアクリル系の水溶性樹脂を用いることが好ましい。さらには、(メタ)アクリル酸に由来する親水性ユニットと、スチレン、α−メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香環を有するモノマーに由来する疎水性ユニットとを少なくとも有する共重合体を用いることが特に好適である。
本発明においては、分散剤として使用される樹脂は、重量平均分子量が1,000以上30,000以下のものが好ましい。また、分散剤として使用される樹脂は、酸価が50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下、さらには120mgKOH/g以上250mgKOH/g以下のものが好ましい。
本発明のインクは、有機顔料をインク中、より具体的には水性媒体中に分散させるための樹脂を含む。分散形態は、樹脂分散剤を有機顔料の粒子表面に物理的に吸着させることによって分散されていることに限らず、樹脂を用いることで分散される顔料であってもよい。すなわち、上述した分散剤として樹脂を用いる樹脂分散顔料の他に、マイクロカプセル化顔料や樹脂結合型顔料などを用いることができる。ここで、「マイクロカプセル化顔料」とは、樹脂や高分子で顔料を被覆してマイクロカプセル化して分散する顔料をいい、また、「樹脂結合型顔料」とは、顔料粒子の表面に高分子を含む有機基が化学的に結合している顔料をいう。無論、上記に挙げた樹脂による分散方法の異なる顔料を組み合わせて使用することも可能である。なお、後述する樹脂微粒子は、有機顔料の分散に寄与している必要はなく、有機顔料の粒子表面に樹脂微粒子が吸着していないことが好ましい。
本発明のインクに用いる色材は、酸化チタンやカーボンブラックなどの無機顔料ではなく、有機顔料であるので、インクの色相は、ブラックではなくカラーとなる。有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、イミダゾロン顔料、ピランスロン系顔料、(チオ)インジゴ顔料、ジケトピロロピロール顔料、ジオキサジン顔料などを用いることができる。有機顔料の平均粒径は50nm以上150nm以下、さらには80nm以上130nm以下であることが好ましい。インク中の有機顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。
本発明を特徴づけるインク中の樹脂微粒子の詳細については後述するが、インク中における該樹脂微粒子の含有量(質量%)は、有機顔料の含有量(質量%)に対して、質量比率で、0.20倍以上2.0倍以下であることが好ましい。すなわち、樹脂微粒子の含有量/有機顔料の含有量=0.20倍以上2.0倍以下であることが好ましい。なお、質量比率を算出する場合の含有量とは、インク全質量を基準とした、各成分の含有量のことである。上記質量比率が0.20倍未満であると、画像を形成した後の顔料層中の空隙を樹脂微粒子によって十分に埋めることができず、画像の発色性及び光沢性をより向上する効果が十分に得られない場合があるので好ましくない。また、上記質量比率が2.0倍より大きいと、空隙を埋めて余った樹脂微粒子が堆積することで、画像の表面平滑性がかえって低下し、画像の発色性及び光沢性をより向上する効果が十分に得られない場合があるので好ましくない。
また、インク中の有機顔料と樹脂微粒子の合計の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。含有量が0.1質量%未満であると、画像の発色性及び光沢性が十分に得られなくなる場合があるので好ましくない。一方、含有量が10.0質量%を超えると、インク中の固形分の含有量が高くなりすぎ、インクジェット用のインクとして必要となる吐出安定性が十分に得られない場合があるので好ましくない。
(樹脂微粒子)
本発明のインクには樹脂微粒子を含有させるが、該樹脂微粒子は、インク中においていわゆるエマルションの状態として存在するものである。インク中の樹脂微粒子の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.3質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。樹脂微粒子としては、本発明の効果を損なわない限り、一般的なモノマーを(共)重合して得られるものが使用できる。具体的には、以下に挙げるような親水性ユニット及び疎水性ユニットを少なくとも構成ユニットとして有する樹脂微粒子が好ましい。なお、本明細書における(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルを示すものとする。
重合により親水性ユニットとなるモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸などの酸モノマー、これらの酸モノマーの無水物や塩などのアニオン性モノマーが挙げられる。なお、酸モノマーの塩を構成するカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、有機アンモニウムなどのイオンが挙げられる。また、重合により疎水性ユニットとなるモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどの飽和脂肪族第一級アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、α−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、(メタ)アクリル酸フェニル、ベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香環を有するモノマーなどが挙げられる。また、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニルなどのモノマーも使用することもできる。
本発明においては、(メタ)アクリル酸に由来する親水性ユニットや脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルに由来するユニットなどのアクリル成分を少なくとも有するアクリル系の樹脂微粒子を用いることが好ましい。さらには、(メタ)アクリル酸に由来する親水性ユニットと、芳香環を有するモノマーや飽和脂肪族第一級アルコールの(メタ)アクリル酸エステルなどに由来する疎水性ユニットとを少なくとも有する共重合体を用いることがより好ましい。特には、親水性ユニットとしてアクリル酸に由来するユニットを有する共重合体を用いることが好ましい。このようなユニットで構成され、かつ、所定の平均粒径比を満たす樹脂微粒子を用いることで、本発明の効果を十分に得ることができるため、本発明のインクには、上記樹脂微粒子のみを含有させればよく、その他の樹脂微粒子を含有させなくてもよい。
本発明で使用する樹脂微粒子は、酸価が40mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であることが好ましい。樹脂微粒子の酸価が40mgKOH/g未満であると、樹脂微粒子の疎水性が高くなるため分散安定性が十分に得られず、インクジェット用のインクとして必要となる吐出安定性が十分に得られない場合があるので好ましくない。一方、樹脂微粒子の酸価が200mgKOH/gを超えると、以下に述べるような理由により、画像の発色性及び光沢性をより向上させる効果が十分に得られない場合がある。すなわち、酸価が高いとインク中の樹脂微粒子の分散状態が安定化される。すると、樹脂微粒子が顔料層の下部に浸透する割合が増えることになり、逆に画像表面上に残存する樹脂微粒子の割合が減り、画像表面の凹凸、顔料層中の空隙の一部を埋められない場合があるためである。
本発明で使用する樹脂微粒子は、平均粒径が30nm以上200nm以下、さらには40nm以上170nm以下であることが好ましい。また、本発明で使用する樹脂微粒子は、最低造膜温度が15℃以下であることが好ましい。一方、最低造膜温度の下限は−50℃以上であることが好ましい。樹脂微粒子の最低造膜温度は、使用するモノマーの種類やその組成比、樹脂微粒子の重量平均分子量などを変更することで調整することができる。なお、樹脂微粒子の最低造膜温度は、ISO2115の試験法に準拠して測定することができる。
本発明で使用する樹脂微粒子は、合成方法に関して特に限定されるものではないが、ソープフリー重合法によって得られる樹脂微粒子を用いることが好ましい。さらには、ソープフリー重合法によって得られる、コアシェル構造を有する樹脂微粒子を用いることが特に好ましい。後述するように、本発明者らの検討によれば、画像の発色性及び光沢性をより高いレベルで両立させるためには、後述するように、樹脂微粒子の表面エネルギーを下げるポリオキシエチレンアルキルエーテルを含有させることが有効である。しかし、合成時に乳化剤又は界面活性剤を併用する乳化重合では、樹脂微粒子の水分散液中にこれらが残留するおそれがある。この残留する乳化剤や界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテルによる樹脂微粒子の表面エネルギーを下げる作用を阻害する場合があり、結果として画像の高い発色性及び光沢性が得られない場合がある。
(界面活性剤:ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
本発明のインクには、さらに、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを含有させることが好ましい。すなわち、本発明者らの検討によれば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを併用することで、画像の発色性及び光沢性を、より高いレベルで両立することができる。このような結論に至った経緯について以下に述べる。
先に述べたように、画像の発色性及び光沢性を高めるためのモデルとして、顔料層内部の空隙と顔料層表面の凹凸を、上記したような樹脂微粒子で効率的に埋めることが重要である。これに対し、本発明者らは、樹脂微粒子の表面エネルギーを下げることで、顔料層中の空隙と顔料層表面の凹部分へ樹脂微粒子をより入り込みやすくさせることができるのではないかと考えるに至った。本発明者らは、このような観点から検討を行った結果、樹脂微粒子の表面エネルギーを下げるのに、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが有効であることを見出した。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、R−O−(CH2CH2O)nH(Rはアルキル基、nは整数である。)の構造を有するものであり、界面活性剤の一種である。本発明で使用することができるポリオキシエチレンアルキルエーテルは、その疎水基である上記式中のR(アルキル基)の炭素数が界面活性能を有するような範囲、例えば、炭素数が12乃至22であればよい。具体的には、例えば、ラウリル基(12)、セチル基(16)、ステアリル基(18)、オレイル基(18)、ベへニル基(22)などが挙げられる(括弧内の数値はアルキル基の炭素数である)。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの親水基である上記式中のn、すなわちエチレンオキサイド基の数は、Rの構造及びHLB値から決定することができ、10以上が好ましく、また、50以下が好ましい。
本発明で使用することができるポリオキシエチレンアルキルエーテルのグリフィン法により求められるHLB値は、13.0以上20.0以下であることが好ましい。HLB値が13.0未満であると疎水性が強くなり、それ自身では水に溶解しづらいため、インクの保存安定性が確保できない場合があるので好ましくない。
ここで、本発明において、界面活性剤のHLB値を規定するために利用しているグリフィン法について説明する。グリフィン法によるHLB値は、界面活性剤の親水基の式量と分子量から下記式(1)により求められ、界面活性剤の親水性や親油性の程度を0.0から20.0の範囲で示すものである。このHLB値が低いほど界面活性剤の親油性すなわち疎水性が高いことを示し、逆に、HLB値が高いほど界面活性剤の親水性が高いことを示す。
Figure 0005950512
本発明において、インク中のポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。また、インク全質量を基準とした、前記樹脂微粒子の含有量(質量%)が、前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量(質量%)に対して、質量比率で1.0倍以上6.0倍以下であることが好ましい。すなわち、樹脂微粒子の含有量/ポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量=1.0倍以上6.0倍以下であることが好ましい。なお、質量比率を算出する場合の含有量とは、インク全質量を基準とした、各成分の含有量のことである。上記質量比率が1.0倍未満であると、樹脂微粒子に対してポリオキシエチレンアルキルエーテルの量が多くなり過ぎ、樹脂微粒子が顔料層中の下部まで入り込み易くなる場合がある。この結果として、顔料層表面の凹部分の一部を樹脂微粒子によって埋めることができない場合や、顔料層中の上部に空隙が存在するようになる場合が生じるおそれがある。このようになると、画像の発色性及び光沢性をより向上する効果が十分に得られなくなると考えられる。一方、上記質量比率が6.0倍より大きいと、樹脂微粒子の表面エネルギーを十分に低くするのに必要なポリオキシエチレンアルキルエーテルの量が不足する。このため、顔料層中の空隙と顔料層表面の凹凸へ樹脂微粒子が効率よく入り込みにくい場合があり、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの添加により画像の発色性及び光沢性をより向上する効果が十分に得られない場合がある。
(1,2−アルカンジオール)
本発明者らは、インクに、前述したポリオキシエチレンアルキルエーテルを使用するのと同時に、さらに、水溶性有機溶剤として、1,2−アルカンジオールも併用することで、画像の発色性及び光沢性をさらに高いレベルで両立することができることを見出した。このような結論に至った経緯について以下に述べる。
先に述べたように、光沢紙での画像の発色性及び光沢性を高めるために、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを併用することで樹脂微粒子の表面エネルギーを下げ、顔料層中の空隙と顔料層表面の凹凸に樹脂微粒子を入り込み易くさせることができる。しかし、ここで、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの添加により表面エネルギーが低くなった樹脂微粒子は、顔料層内部において下部まで入り込み易くなる場合があることが考えられる。その結果としては、一部の顔料層表面の凹凸に樹脂微粒子が埋まらない場合や、顔料層内部の空隙が一部残る場合が生じる。本発明者らは、この問題に対して、記録媒体にインクを付与した直後のインクにより形成されるドットの高さをより低くさせることで、前述した一部の顔料層表面の凹凸や空隙が形成されるのを抑制し、さらに高い発色性及び光沢性を達成できると考えた。かかる観点から、本発明者らが検討を行った結果、ドットの高さをより低くさせるのに好適な水溶性有機溶剤として、1,2−アルカンジオールが有効であることを見出した。
本発明で使用することができる1,2−アルカンジオールは、炭素数が5乃至8である1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールであることが特に好ましい。炭素数が4以下の場合、ドットの高さを低くさせる作用が小さくなるので好ましくない。一方、炭素数が9以上の場合は、それ自身ではほとんど水に溶解せず、水に溶解させるためには何らかの共溶媒が必要となるので好ましくない。本発明において、インク中の1,2−アルカンジオールの含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、1.0質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。
(水溶性のウレタン樹脂)
本発明のインクの好ましい形態としては、インクにさらに、水溶性のウレタン樹脂を含有させることが挙げられる。本発明にかかるインクにおいて、水溶性のウレタン樹脂を併用することで、画像の発色性及び光沢性をより高いレベルで両立することができることを見出した。なお、本発明において樹脂が水溶性であることとは、該樹脂を酸価と当量のアルカリで中和した場合に、粒径を測定しうる粒子を形成しないものであることとする。このような条件を満たす樹脂を、本明細書においては水溶性の樹脂として記載する。
このような結論に至った経緯について以下に述べる。先に述べたように、本発明では、樹脂微粒子を顔料層中の空隙と画像表面の凹凸を埋めることで画像の発色性及び光沢性の向上を図っている。このインク中に水溶性ウレタン樹脂を含有させることで、顔料と樹脂微粒子から構成される粒子間の小さな空隙を埋めることができる。ここで、ウレタン樹脂以外の水溶性樹脂を用いると、インク中の水性媒体が記録媒体に吸収される際に、水性媒体と共に浸透し、樹脂が顔料層中に残らない場合や、残っても顔料層表面の平滑性をかえって損ない、画像の発色性及び光沢性が低下する場合がある。
本発明のインクに使用する水溶性のウレタン樹脂は、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させて得られるものであり、さらに、鎖延長剤を反応させたものでもよい。また、ウレタン樹脂及びその他の樹脂を結合させたハイブリッド型の樹脂などであってもよい。インク中の水溶性ウレタン樹脂の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。
また、本発明者らは、さらなる検討の結果、水溶性のウレタン樹脂の中でもポリ(オキシテトラメチレン)構造を有するポリエーテル系ウレタン樹脂を用いると、より高いレベルの画像の発色性及び光沢性が得られることを見出した。この理由として本発明者らは、以下のように考えている。ポリ(オキシテトラメチレン)構造が顔料粒子の表面と相互作用することで、顔料粒子の近傍にウレタン樹脂を存在させることができる。このため、より効率的に顔料層中にウレタン樹脂を存在させることができ、その結果、より高いレベルの画像の発色性及び光沢性が得られたと考えている。
(その他の樹脂)
本発明のインクには、上記で説明した有機顔料の樹脂分散剤、樹脂微粒子、上記した必要に応じて添加される水溶性ウレタン樹脂などの他にも、別の樹脂を添加することができる。このような樹脂は、水性媒体中に有機顔料、樹脂微粒子をさらに安定して分散させるための分散剤として用いても、又は他の目的でインクに添加してもよい。
(水性媒体)
本発明のインクには、水、又は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有させる。水としては脱イオン水を用いることが好ましい。本発明においては、水性媒体として水を少なくとも含有する、水性インクとすることが特に好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。また、インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。なお、この水溶性有機溶剤の含有量には、1,2−アルカンジオールの含有量を含むものとする。水溶性有機溶剤としては、アルコール類、アルキレングリコール類、グリコールエーテル類、含窒素化合物類などのインクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができ、1種又は2種以上をインクに含有させることができる。
(その他の成分)
本発明のインクには、上記成分の他に、尿素やその誘導体、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。また、必要に応じて所望の物性値を有するインクとするために、上記で説明したポリオキシエチレンアルキルエーテル以外の界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤などの種々の添加剤を含有してもよい。
(インクの調製方法)
上記で説明した本発明のインクは常法にしたがって調製することができるが、例えば、以下のような方法により調製することが特に好ましい。先ず、分散剤として使用する樹脂を含む水溶液と顔料との混合物について分散処理を行い、樹脂分散剤により分散されてなる顔料を含む顔料分散体を得る。次に、得られた顔料分散体と、樹脂微粒子などのその他の成分を混合し、インクを調製する。水溶性のウレタン樹脂を使用する場合には、予め樹脂分散剤によって各顔料を分散し、その後水溶性のウレタン樹脂などのその他の成分と混合することが好ましい。このような方法によれば、画像の発色性及び光沢性をより高いレベルで両立するためにインクに添加する水溶性のウレタン樹脂の作用を効率よく発揮させることができるため、本発明においては特に好適である。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、インクと、このインクを収容するインク収容部とを備える。そして、インク収容部に収容されているインクが、上記で説明した本発明のインクである。インクカートリッジの構造としては、インク収容部が、負圧によりインクを含浸した状態で保持する負圧発生部材を収容する負圧発生部材収容室、及び、負圧発生部材により含浸されない状態でインクを収容するインク収容室で構成されるものが挙げられる。又は、上記のようなインク収容室を持たず、インクの全量を負圧発生部材により含浸した状態で保持する構成や、負圧発生部材を持たず、インクの全量を負圧発生部材により含浸されない状態で収容する構成のインク収容部としてもよい。さらには、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出させて記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられ、本発明においては、熱エネルギーを利用するインクジェット記録方法を採用することが特に好ましい。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。また、記録媒体としては、どのようなものを用いてもよいが、本発明においては、インク中の顔料や樹脂微粒子を記録媒体の表面やその近傍に存在させることができるような記録媒体を用いることが好ましい。このような記録媒体としては、インク受容層を有する記録媒体が挙げられ、特に、表面に光沢を有する光沢紙などの記録媒体に用いた場合に顕著な効果が得られるので好適である。
本発明のインクは、別のインクと組み合わせて、インクセットとしても用いることができる。別インクの色相は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、レッド、グリーン、及びブルーなどのインクから1種又は2種以上を選択することができる。また、インクセットを構成するインクとして、上記のインクと互いに同じ色相を有し、顔料の含有量がそれぞれ異なる複数のインクを用いてもよい。このような複数のインクの組み合わせとしては、濃シアン、中シアン、及び淡シアンなどのシアンの色相を有するインク、さらには、濃マゼンタ、中マゼンタ、及び淡マゼンタなどのマゼンタの色相を有するインクが挙げられる。また、インクセットを構成するインクとして、色材を含有しないクリアインクを用いてもよい。勿論、本発明はこれらの色相のインクに限られるものではなく、また、濃、中、淡などのインクの名称もこれらに限られるものではない。
次に、実施例、参考例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、下記実施例によって限定されるものではない。なお、文中「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
<平均粒径の測定条件>
以下、顔料及び樹脂微粒子の平均粒径の測定方法を説明する。平均粒径の測定には、動的光散乱方式の粒度分布測定装置(ナノトラックUPA−EX150;日機装製)を用いた。有機顔料の平均粒径は、顔料分散体を、ローディングインデックス値が1〜2の範囲になるように純水で希釈し、上記装置を用いて、SetZero:30s、測定回数:3回、測定時間:180秒、屈折率:1.5の測定条件で測定した。また、樹脂微粒子の平均粒径は、調製した樹脂微粒子を体積基準で50倍になるように純水で希釈し、上記装置を用いて、SetZero:30s、測定回数:3回、測定時間:180秒、屈折率:1.5の測定条件で測定した。なお、本発明者らは、顔料分散体、及び、樹脂微粒子の水分散液について上記のようにして測定したそれぞれの平均粒径の値と、インク中での有機顔料及び樹脂微粒子の平均粒径の値が同等であることを確認した。勿論、平均粒径を測定する装置や条件などは上記に限られるものではない。
<顔料分散体の調製>
(顔料分散体1)
以下に示す手順により、樹脂により分散された有機顔料を含む顔料分散体1を調製した。C.I.ピグメントブルー15:3(クラリアント製)25部、分散剤20部、イオン交換水70部を混合し、バッチ式縦型サンドミルを用いて3時間分散した。前記分散剤としては、酸価210mgKOH/g、重量平均分子量8,000のスチレン−アクリル酸共重合体(水溶性樹脂)を用い、10%水酸化ナトリウム水溶液で中和することにより得られた水溶液の状態で用いた。その後、遠心分離処理によって粗大粒子を除去した。さらに、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過し、顔料分散体1を得た。顔料分散体1中の顔料の含有量は25.0%、樹脂分散剤(固形分)の含有量は20.0%、顔料の平均粒径は95nmであった。
(顔料分散体2)
分散剤の種類を、酸価210mgKOH/g、重量平均分子量8,000のベンジルメタクリレート−アクリル酸共重合体(水溶性樹脂)に変更した以外は顔料分散体1の調製と同様にして、顔料分散体2を得た。顔料分散体2中の顔料の含有量は25.0%、樹脂分散剤(固形分)の含有量は20.0%、顔料の平均粒径は95nmであった。
(顔料分散体3)
顔料の種類を、C.I.ピグメントレッド202及びC.I.ピグメントバイオレット19の固溶体に変更した以外は顔料分散体1の調製と同様にして、顔料分散体3を得た。顔料分散体3中の顔料の含有量は25.0%、樹脂分散剤(固形分)の含有量は20.0%、顔料の平均粒径は115nmであった。なお、上記固溶体としては、Chromophtal Jet Magenta 2BC(BASF製)を用いた。
(顔料分散体4)
顔料分散体4としては、自己分散顔料を含有する市販の顔料分散体である、CAB−O−JET250C(キャボット製)を用いた。顔料分散体4中の顔料の含有量は10.0%、顔料の平均粒径は110nmであった。なお、この顔料分散体中の顔料は有機顔料(C.I.ピグメントブルー15:4)であるが、樹脂により分散されていないものである。
<樹脂微粒子の合成>
(ソープフリー重合法によるコアシェル構造を有する樹脂微粒子の合成)
〔シェルポリマーの合成〕
以下の手順にしたがって、シェルポリマーを合成した。撹拌機、還流冷却装置、及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、100.0部のエチレングリコールモノブチルエーテルを添加した後、反応系に窒素ガスを導入し、撹拌下で110℃に昇温させた。このフラスコに、アクリル酸2−エチルヘキシル38.0部、メタクリル酸メチル34.0部、アクリル酸28.0部の混合物と、t−ブチルパーオキサイド(重合開始剤)1.3部のエチレングリコールモノブチルエーテル溶液を3時間かけて滴下した。その後、エージングを2時間行い、さらにエチレングリコールモノブチルエーテルを減圧下で除去して、固形の樹脂を得た。このようにして得られたシェルポリマーを、その酸価と当量の水酸化カリウム及び適量のイオン交換水を加えて80℃で溶解させて、シェルポリマー(固形分)の含有量が30%であるシェルポリマーの水溶液を得た。シェルポリマーの酸価は216mgKOH/g、重量平均分子量は15,000であった。
〔コアシェル構造を有する樹脂微粒子の合成〕
以下のソープフリー重合法にしたがって、P1〜P5の平均粒径が異なるコアシェル構造を有する樹脂微粒子を合成した。撹拌機、還流冷却装置、及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、上記で得られたシェルポリマーの水溶液を、表1に示す固形分量となるように添加した後、反応系に窒素ガスを導入し、撹拌下で80℃に昇温させた。このフラスコに、スチレンとメタクリル酸エチルの質量比が4:1の混合物を表1に示す固形分量となるように添加した後、1.0部の過硫酸カリウム(重合開始剤)を水16.7部に溶解した液体を3時間かけて滴下した。そして、エージングを2時間行った後、適量のイオン交換水で固形分を調整し、樹脂微粒子(固形分)の含有量が10.0%である樹脂微粒子P1〜P5の水分散液を得た。各樹脂微粒子の平均粒径と最低造膜温度を表1に示した。
Figure 0005950512
〔乳化重合法によるコアシェル構造を有する樹脂微粒子の合成〕
以下の手順にしたがって、乳化重合法により樹脂微粒子P6を合成した。撹拌機、還流冷却装置、及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに100.0部の水を添加した後、反応系に窒素ガスを導入し、撹拌下で80℃に昇温させた。水40.0部、ラウリル硫酸ナトリウム0.4部、アクリル酸−2−エチルヘキシル8.0部、メタクリル酸メチル32.0部を混合し、モノマーの乳化物Aを調製した。上記のフラスコに、モノマーの乳化物Aと5%の過硫酸カリウム水溶液4.0部を1時間かけて滴下した後、エージングを2時間行い、コアポリマーとなるポリマー微粒子を合成した。これとは別に、水60.0部、ラウリル硫酸ナトリウム0.6部、アクリル酸−2−エチルヘキシル16.8部、メタクリル酸メチル26.4部、アクリル酸16.8部を混合し、モノマーの乳化物Bを調製した。上記と同じフラスコに、モノマーの乳化物Bと5%の過硫酸カリウム水溶液15.0部を1時間かけて滴下した後、エージングを2時間行った。そして、適量のイオン交換水で固形分を調整し、樹脂微粒子(固形分)の含有量が10.0%である樹脂微粒子P6の水分散液を得た。樹脂微粒子の平均粒径は110nm、最低造膜温度は8℃であった。
<水溶性ウレタン樹脂の合成>
(ポリオキシテトラメチレン構造を有する水溶性ウレタン樹脂U1の合成)
温度計、撹拌機、窒素導入管、冷却管を備えた4つ口フラスコを用いて、合成を行った。まず、数平均分子量2,000のポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(オキシテトラメチレンユニットの平均繰り返し数=27.5)を480g、イソホロンジイソシアネートを282g、ジブチル錫ジラウレートを0.007gフラスコ内に仕込んだ。その後、窒素ガス雰囲気下、100℃で1時間反応させた。その後、65℃以下に冷却し、ジメチロールプロピオン酸0.007g、ネオペンチルグリコール及びメチルエチルケトン447.8gを添加し、80℃で16時間反応させた。その後、メチルエチルケトン408.1g、メタノールを加えて反応を停止した。このようにして、酸価55mgKOH/g、ポリスチレン換算の重量平均分子量が33,000である、直鎖状のポリオキシテトラメチレン構造を有するポリエーテル系ポリウレタン樹脂U1を得た。このウレタン樹脂U1は、ポリ(オキシテトラメチレン)構造を54%含み、ネオペンチルグリコールとイソホロンジイソシアネートとの重付加反応構造を有する。そして、適量のイオン交換水で固形分を調整して、水溶性ウレタン樹脂(固形分)の含有量が20.0%であるウレタン樹脂U1の水溶液を得た。
(ポリオキシテトラメチレン構造を有さない水溶性ウレタン樹脂U2の合成)
ウレタン樹脂U1の合成方法において、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコールに代えて、数平均分子量2,000のポリプロピレングリコールを480g使用すること以外は、同様の合成を行った。このようにして、酸価55mgKOH/g、ポリスチレン換算の重量平均分子量が29,000である、直鎖状のポリエーテル系ポリウレタン樹脂U2を得た。このウレタン樹脂U2は、ポリ(オキシプロピレン)構造を54%含み、ネオペンチルグリコールとイソホロンジイソシアネートとの重付加反応構造を有する。そして、適量のイオン交換水で固形分を調整して、水溶性ウレタン樹脂(固形分)の含有量が20.0%であるウレタン樹脂U2の水溶液を得た。
<インクの調製>
表2−1〜2−3の上段に示した各成分(単位:%)を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ0.8μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過を行い、各インクを調製した。表2−1〜2−3中の、ポリエチレングリコールは平均分子量1,000のものである。アセチレノールE100(川研ファインケミカル製)はアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物であり、ノニオン性界面活性剤である。NIKKOL BC−20(日光ケミカルズ製)はポリオキシエチレンセチルエーテルであり、エチレンオキサイド基の付加モル数が20、グリフィン法によるHLB値が15.7の界面活性剤である。また、NIKKOL BO−50(日光ケミカルズ製)はポリオキシエチレンオレイルエーテルであり、エチレンオキサイド基の付加モル数が50、グリフィン法によるHLB値が17.8の界面活性剤である。
表2−1〜2−3の下段には、樹脂微粒子の平均粒径/有機顔料の平均粒径の比、樹脂微粒子の含有量/有機顔料の含有量の質量比率、樹脂微粒子の含有量/ポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量の質量比率、の各値を示した。なお、樹脂微粒子の平均粒径/有機顔料の平均粒径の比は、下記のようにして求めた値である。調製したインク3gを、80,000rpm、10時間の遠心分離を掛け、上澄みに含まれる樹脂微粒子の平均粒径と下層(沈殿)に含まれる顔料の平均粒径をそれぞれ測定し、上記平均粒径の比を算出した。

Figure 0005950512
Figure 0005950512
Figure 0005950512
<評価>
上記で得られた各インクをそれぞれ充填したインクカートリッジを、熱エネルギーの作用によりインクを吐出するインクジェット記録装置(商品名:PIXUS Pro9500;キヤノン製)のレッドのポジションに搭載した。この記録装置では、解像度が600dpi×600dpiで、1/600インチ×1/600インチの単位領域に、1滴当たりの質量が3.5ng(ナノグラム)のインク滴を8滴付与する条件で記録した画像を記録デューティ100%であると定義するものである。そして、キヤノン写真用紙・光沢 ゴールド(キヤノン製)に、10%から100%まで10%刻みとして、各記録デューティの10種のベタ画像を含むパターンを記録した。本発明においては、下記の評価基準で、A以上を許容できるレベル、AAが優れているレベルとし、B及びCを許容できないレベルとした。評価結果を表3に示した。
(発色性の評価)
上記で得られた記録物における10種の画像について、Spectrolino(Gretag Macbeth製)を用いてCIEL***表示系に基づくa*及びb*を測定した。そして、彩度c*={(a*2+(b*21/2の値を算出し、10種の画像のうち最も高いc*の値から発色性の評価を行った。評価基準は以下の通りである。
AA:c*が75以上であった。
A:c*が73以上75未満であった。
B:c*が70以上73未満であった。
C:c*が70未満であった。
(光沢性の評価)
上記で得られた記録物における記録デューティが100%である画像について、マイクロヘイズメータープラス(BYKガードナー製)を用いて20°光沢度を測定し、光沢性の評価を行った。評価基準は以下の通りである。
AA:20°光沢度が55以上であった。
A:20°光沢度が50以上55未満であった。
B:20°光沢度が45以上50未満であった。
C:20°光沢度が45未満であった。
Figure 0005950512
なお、実施例18の発色性及び光沢性は、実施例1よりもやや劣っていた。

Claims (14)

  1. 有機顔料、該有機顔料を分散させるための樹脂、及び樹脂微粒子を含有してなるインクであって、
    前記有機顔料を分散させるための樹脂が、(メタ)アクリル酸に由来する親水性ユニットと、芳香環を有するモノマーに由来する疎水性ユニットと、を有する共重合体であり、
    さらに、ポリエーテル系ウレタン樹脂を含有してなり、
    前記樹脂微粒子の平均粒径が、前記有機顔料の平均粒径に対して、0.60倍以上1.2倍以下であることを特徴とするインク。
  2. インク中の前記ポリエーテル系ウレタン樹脂の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、0.1質量%以上5.0質量%以下である請求項1に記載のインク。
  3. インク全質量を基準とした、前記樹脂微粒子の含有量(質量%)が、前記有機顔料の含有量(質量%)に対して、質量比率で0.20倍以上2.0倍以下である請求項1又は2に記載のインク。
  4. さらに、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを含有してなる請求項1乃至のいずれか1項に記載のインク。
  5. インク全質量を基準とした、前記樹脂微粒子の含有量(質量%)が、前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量(質量%)に対して、質量比率で1.0倍以上6.0倍以下である請求項に記載のインク。
  6. さらに、水溶性有機溶剤として1,2−アルカンジオールを含有してなる請求項1乃至のいずれか1項に記載のインク。
  7. 前記樹脂微粒子が、ソープフリー重合法を用いて重合されたものである請求項1乃至のいずれか1項に記載のインク。
  8. 前記有機顔料の平均粒径が、50nm以上150nm以下である請求項1乃至のいずれか1項に記載のインク。
  9. 前記樹脂微粒子の平均粒径が、30nm以上200nm以下である請求項1乃至のいずれか1項に記載のインク。
  10. 前記樹脂微粒子の酸価が、40mgKOH/g以上200mgKOH/g以下である請求項1乃至のいずれか1項に記載のインク。
  11. 前記ポリエーテル系ウレタン樹脂が、ポリ(オキシテトラメチレン)構造を有する請求項1乃至10のいずれか1項に記載のインク。
  12. インクと、前記インクを収容するインク収容部とを備えたインクカートリッジであって、
    前記インクが、請求項1乃至11のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  13. インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出させて記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記インクが、請求項1乃至11のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  14. 前記記録媒体が光沢紙である請求項13に記載のインクジェット記録方法。
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