JP2024092795A - 水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 - Google Patents

水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 Download PDF

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健 笠井
隆也 平岡
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Abstract

【課題】顔料などの粒子状の色材を用いながらも、耐擦過性に優れた画像を記録することが可能なインクジェット用の水性インクを提供する。
【解決手段】色材粒子及び共重合体を含有するインクジェット用の水性インクである。共重合体が、炭素数10以上のα-オレフィンに由来するユニット及び不飽和二塩基酸に由来するユニットを有する共重合体Aを含み、色材粒子が、(i)炭素数4以上のアルキル基を持ったアルキル(メタ)アクリレートに由来するユニットを有する共重合体Bの作用によって分散された顔料、(ii)共重合体B及び染料を含む粒子、又は(iii)アニオン性基を有する自己分散顔料である。
【選択図】なし

Description

本発明は、水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法に用いるインクとして、近年、顔料などの粒子状の色材を含有するインクが注目されている。顔料を色材として含有するインクは、染料を色材として含有するインクに比して、記録される画像の耐光性や耐ガス性などの堅牢性に優れている点で有利である。
しかし、顔料を色材として含有するインクを用いると、記録媒体の表面に粒子状の顔料が残りやすく、画像の耐擦過性が低下しやすくなる傾向にある。そして、近年、インクジェット記録方法がより幅広い分野で利用されるようになり、耐擦過性により優れた画像を記録しうるインクなどが要求されており、種々の検討が精力的に行われている。
耐擦過性が向上した画像を記録すべく、例えば、自己分散顔料、非晶性ポリオレフィン、及びアクリル樹脂を含有するインクジェット用のインクが提案されている(特許文献1)。また、顔料、変性ポリオレフィン樹脂粒子、及びコアシェル構造を有する樹脂粒子を含有するインクジェット用のインクが提案されている(特許文献2)。
特開2012-255089号公報 特開2018-83897号公報
本発明者らは、特許文献1及び2で提案されたインクを用いて記録した画像の耐擦過性について検討した。その結果、いずれのインクを用いて記録した画像の耐擦過性についても十分であるとはいえず、さらなる改良の余地があることが判明した。
したがって、本発明の目的は、顔料などの粒子状の色材を用いながらも、耐擦過性に優れた画像を記録することが可能なインクジェット用の水性インクを提供することにある。また、本発明の別の目的は、この水性インクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することにある。
すなわち、本発明によれば、色材粒子及び共重合体を含有するインクジェット用の水性インクであって、前記共重合体が、炭素数10以上のα-オレフィンに由来するユニット及び不飽和二塩基酸に由来するユニットを有する共重合体Aを含み、前記色材粒子が、(i)炭素数4以上のアルキル基を持ったアルキル(メタ)アクリレートに由来するユニットを有する共重合体Bの作用によって分散された顔料、(ii)前記共重合体B及び染料を含む粒子、又は(iii)アニオン性基を有する自己分散顔料であることを特徴とする水性インクが提供される。
本発明によれば、顔料などの粒子状の色材を用いながらも、耐擦過性に優れた画像を記録することが可能なインクジェット用の水性インクを提供することができる。また、本発明によれば、この水性インクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することができる。
本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、インクジェット用の水性インクのことを、単に「インク」と記載することがある。物性値は、特に断りのない限り、常温(25℃)における値である。「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリロイル」と記載した場合は、それぞれ「アクリル酸、メタクリル酸」、「アクリレート、メタクリレート」、「アクリロイル、メタクリロイル」を示す。
本発明者らは、顔料などの粒子状の色材(以下、色材粒子とも記す)を用いながらも、耐擦過性に優れた画像を記録しうるインクの構成について検討した。画像の耐擦過性を向上させるには、画像表面を平滑にするとともに、画像の表面エネルギーを低下させて、滑りやすくさせることが重要であると考えられる。このような考えの下、本発明者らは、以下の構成とすることによって、粒子状の色材を用いながらも、耐擦過性に優れた画像を記録することが可能となることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明のインクは、色材粒子及び共重合体を含有するインクジェット用の水性インクであり、共重合体は、炭素数10以上のα-オレフィンに由来するユニット及び不飽和二塩基酸に由来するユニットを有する共重合体Aを含む。そして、色材粒子は、以下に示す(i)~(iii)のいずれかである。
(i)炭素数4以上のアルキル基を持ったアルキル(メタ)アクリレートに由来するユニットを有する共重合体Bの作用によって分散された顔料
(ii)共重合体B及び染料を含む粒子
(iii)アニオン性基を有する自己分散顔料
共重合体Aを構成するα-オレフィンに由来するユニットは疎水性が高いため、インク滴が記録媒体に着弾した後の乾燥過程において、気液界面に配向しやすい。また、α-オレフィンに由来するユニットは表面エネルギーが低いため、画像表面の色材粒子の表面エネルギーを低下させ、画像の耐擦過性を向上させることができる。
α-オレフィンの炭素数は10以上である。炭素数10以上のα-オレフィンを用いることで、記録される画像の表面エネルギーを有効に低下させることができる。α-オレフィンの炭素数が大きいほど、配向時に表面を覆う面積が広がり、耐擦過性が向上すると考えられる。α-オレフィンの炭素数が10未満であると、耐擦過性の向上効果が不足する。
共重合体Aは、不飽和二塩基酸に由来するユニットを含む。不飽和二塩基酸は、2つの酸解離定数を有するために緩衝領域が広い。このため、不飽和二塩基酸に由来するユニットを含む共重合体Aは、インク滴が記録媒体に着弾した後の乾燥過程において、流動性を示す時間が色材粒子よりも長い。これにより、色材粒子が凝集した後、共重合体Aが凝集した色材粒子の表面を隙間なく覆って乾燥し、耐擦過性が向上すると考えられる。
色材粒子が、(i)炭素数4以上のアルキル基を持ったアルキル(メタ)アクリレートに由来するユニットを有する共重合体Bの作用によって分散された顔料、又は(ii)共重合体B及び染料を含む粒子である場合を想定する。この場合、インクの乾燥過程において、共重合体B中のアルキル基と、共重合体A中のα-オレフィンに由来するアルキル基とが疎水的に相互作用する。これにより、色材粒子が共重合体Aによって覆われやすくなり、画像の耐擦過性が向上すると考えられる。
また、色材粒子が、(iii)アニオン性基を有する自己分散顔料である場合を想定する。この場合、インクの乾燥過程において、自己分散顔料は、共重合体Aよりも短時間で分散破壊して記録媒体上で凝集する。これにより、色材粒子である自己分散顔料が共重合体Aによって覆われやすくなり、画像の耐擦過性が向上すると考えられる。
<水性インク>
本発明のインクは、色材粒子及び共重合体を含有するインクジェット用の水性インクであり、共重合体は、炭素数10以上のα-オレフィンに由来するユニット及び不飽和二塩基酸に由来するユニットを有する共重合体Aを含む。そして、色材粒子は、以下に示す(i)~(iii)のいずれかである。以下、インクを構成する各成分について、それぞれ説明する。
(i)炭素数4以上のアルキル基を持ったアルキル(メタ)アクリレートに由来するユニットを有する共重合体Bの作用によって分散された顔料
(ii)共重合体B及び染料を含む粒子
(iii)アニオン性基を有する自己分散顔料
(色材粒子)
インクは、色材粒子を含有する。色材粒子の体積基準の累積50%粒子径(D50)は、20mn以上400nm以下であることが好ましく、40mn以上200nm以下であることがさらに好ましい。本明細書において、単に「平均粒子径」というときは「体積基準の累積50%粒子径(D50)」を意味する。この「体積基準の累積50%粒子径(D50)」は、動的光散乱法による粒度分布測定装置を使用して測定することができる。
インク中の色材粒子の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがさらに好ましい。
色材粒子は、(i)後述する共重合体Bの作用によって分散された顔料、(ii)共重合体B及び染料を含む粒子、及び(iii)アニオン性基を有する自己分散顔料、のいずれかである。顔料としては、カーボンブラック、酸化チタンなどの無機顔料;アゾ、フタロシアニン、キナクリドン、イソインドリノン、イミダゾロン、ジケトピロロピロール、ジオキサジンなどの有機顔料;を挙げることができる。
共重合体B及び染料を含む粒子としては、例えば、共重合体Bが染料で染着された樹脂粒子(染着樹脂粒子)を挙げることができる。このような染着樹脂粒子は、樹脂粒子を染着することで形成することができる。樹脂粒子は、乳化重合法、ミニエマルション重合法、シード重合法、転相乳化法などの従来公知の方法にしたがって製造することができる。樹脂粒子の染着方法としては、染料を溶解させたモノマー混合液を重合して樹脂粒子を形成する方法;染料及び樹脂を溶剤に溶解させて水中に懸濁させた後に溶剤を除去する方法;並びに樹脂粒子に染料を添加して加熱する方法;などを挙げることできる。なお、公知の方法にしたがって樹脂粒子にシェル層を設けたり、樹脂粒子の表面を架橋剤で架橋したりしてもよい。
染料としては、油性染料、分散染料、及び塩基性染料などを挙げることができる。これらの染料は、染着樹脂粒子から溶出しにくいために好ましい。染着樹脂粒子から染料が溶出すると、画像の耐擦過性の向上効果が不十分になることがある。
油性染料及び分散染料の具体例をC.I.ナンバーで示すと、C.I.ソルベントイエロー7、43、44、85、98、131、160:1、172、196;C.I.ソルベントレッド43、44、45、49、149;C.I.ソルベントオレンジ5、45、63、115;C.I.ディスパースイエロー82、186;C.I.ディスパースレッド58、60;C.I.ディスパースオレンジ11などを挙げることができる。
塩基性染料の具体例をC.I.ナンバーで示すと、C.I.ベーシックレッド1、1:1、2、4、8、11、12、13;C.I.ベーシックバイオレット1、3、10、11、11:1、14;ローダミン19、575;C.I.ベーシックイエロー1、2、9、13、24、37、40、96;C.I.ベーシックブルー7;C.I.ベーシックグリーン1;C.I.フルオレセントブライトナー363などを挙げることができる。
色材粒子が共重合体Bを含むか否かについては、以下に示す方法にしたがって検証することができる。まず、遠心分離処理によりインク中の色材粒子を沈殿させて分離する。次いで、分離した沈殿のみを有機溶媒に溶解させた後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって各層を構成する樹脂を分取する。その後、分取した樹脂を燃焼法により元素分析する。また、酸分解(フッ化水素酸添加)法又はアルカリ融解法によって分取した樹脂を前処理した後、誘導結合プラズマ発光分光分析法によって無機成分を定量分析する。そして、核磁気共鳴(NMR)分光法及びマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法(MALDI-MS)によって分取した樹脂を分析する。これにより、樹脂を構成するユニット(モノマー)及び架橋性成分の種類や割合を知ることができる。さらに、熱分解ガスクロマトグラフィーによって分取した樹脂を分析することで、解重合で生じたモノマーを直接検出することもできる。このようにして、沈殿中の共重合体Bの存在を確認し、色材粒子が共重合体Bを含むか否かを検証することができる。
アニオン性基を有する自己分散顔料は、公知の方法にしたがって調製することができる。具体的には、顔料の表面を酸化処理して顔料の粒子表面に水酸基やカルボン酸基などの官能基を導入した後、導入した官能基を中和する方法などがある。顔料の表面を酸化処理する際に用いる酸化剤としては、硝酸、次亜塩素酸、及びペルオキシ硫酸などを挙げることができる。また、ジアゾカップリング反応により顔料の粒子表面に親水性基を導入する方法もある。アニオン性基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、及びホスホン酸基などを挙げることができる。なかでも、凝集などの塩析速度の観点から、カルボン酸基、リン酸基、及びホスホン酸基が好ましい。
また、自己分散顔料の表面電荷量は、0.1mmol/g以上0.5mmol/g以下であることが好ましい。表面電荷量が0.1mmol/g未満であると、乾燥過程で激しく凝集して粗大な凝集体が形成されることがある。これにより、画像表面の平滑性が低下する場合があり、画像の耐擦過性の向上効果が低下することがある。一方、表面電荷量が0.5mmol/g超であると、自己分散顔料の凝集速度が遅くなり、共重合体Aと同等のタイミングで凝集しやすくなる。これにより、共重合体Aが色材粒子の表面を十分に覆うことが困難になる場合があり、耐擦過性の向上効果が低下することがある。自己分散顔料の表面電荷量は、以下の方法により測定することができる。すなわち、流動電位滴定ユニット(PCD-500)を搭載した電位差自動滴定装置(商品名「AT-510」、京都電子工業製)を使用し、メチルグリコールキトサンを滴定試薬として用いた電位差滴定を行う。これにより、自己分散顔料の表面電荷量を測定することができる。
また、その表面が金属酸化物で被覆された無機顔料を、アニオン性基を有する自己分散顔料として用いることができる。金属酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化鉄、及び酸化亜鉛などを挙げることができる。
その表面が金属酸化物で被覆された無機顔料の、インク中におけるζ電位は、-50mV以上-10mV以下であることが好ましい。ζ電位が-50mV未満であると、凝集速度が遅くなり、共重合体Aと同等のタイミングで凝集しやすくなる。これにより、共重合体Aが色材粒子の表面を十分に覆うことが困難になる場合があり、耐擦過性の向上効果が低下することがある。一方、ζ電位が-10mV超であると、乾燥過程で激しく凝集して粗大な凝集体が形成されることがある。これにより、画像表面の平滑性が低下する場合があり、画像の耐擦過性の向上効果が低下することがある。その表面が金属酸化物で被覆された無機顔料としては、市販品を用いてもよく、既知の方法で調製したものを用いてもよい。無機顔料の表面を金属酸化物で被覆する方法は、例えば、特開2016-216285号公報などに記載されている。
(共重合体A)
インクは、共重合体Aを含有する。共重合体Aは、炭素数10以上のα-オレフィンに由来するユニット及び不飽和二塩基酸に由来するユニットを有する共重合体である。
[α-オレフィン]
α-オレフィンの炭素数は10以上、好ましくは16以上である。α-オレフィンの炭素数が10未満であると、表面エネルギーを低下させる効果が弱くなり、耐擦過性の向上効果が不十分になる。
炭素数10以上のα-オレフィンとしては、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン、1-ドコセン、1-テトラコセン、1-ヘキサコセン、1-オクタコセン、1-トリアコンテン、1-ドトリアコンテン、1-テトラトリアコンテン、1-ヘキサトリアコンテン、1-オクタトリアコンテン、及び1-テトラコンテンなどを挙げることができる。
α-オレフィンの炭素数は、30以下であることが好ましい。炭素数30超のα-オレフィンを用いると、共重合体Aの疎水性が過度に高まることがある。このため、共重合体Aの凝集速度が速くなり、共重合体Aが色材粒子の表面を十分に覆うことが困難になる場合があり、耐擦過性の向上効果が低下することがある。
[不飽和二塩基酸]
不飽和二塩基酸としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、メチレンコハク酸、アリルマロン酸、イソプロピリデンコハク酸、2,4-ヘキサジエン二酸、及びアセチレンジカルボン酸などを挙げることができる。なかでも、ユニットに占める酸性基の割合が高くなるとともに、親水性がより高くなるため、マレイン酸が好ましい。
[その他モノマー]
共重合体Aは、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、エチレンや前述のα-オレフィン以外のその他のα-オレフィンに由来するユニットを含んでもよい。その他のα-オレフィンとしては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘプテン、1-ヘキセン、1-オクテン、及び1-ノネンなどの炭素数9以下のα-オレフィンを挙げることができる。
共重合体Aは、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、無水不飽和二塩基酸に由来するユニットを含んでもよい。無水不飽和二塩基酸としては、無水マレイン酸及び無水シトラコン酸などを挙げることができる。
共重合体Aは、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、不飽和結合を有するその他のモノマーに由来するユニットを含んでもよい。不飽和結合を有するその他のモノマーとしては、スチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、及びメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
[共重合体A]
共重合体Aの酸価は、100mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であることが好ましい。共重合体Aの酸価が100mgKOH/g未満であると、共重合体Aの疎水性が過度に高まることがある。このため、共重合体Aの凝集速度が速くなり、共重合体Aが色材粒子の表面を十分に覆うことが困難になる場合があり、耐擦過性の向上効果が低下することがある。一方、共重合体Aの酸価が300mgKOH/g超であると、共重合体A中の親水性基の量が多くなって表面エネルギーを低下させる効果が弱くなり、耐擦過性の向上効果が低下することがある。
共重合体Aの酸価は、共重合体A中の不飽和二塩基酸に由来するユニットの量を調整することによって制御することができる。共重合体Aなどの共重合体(樹脂)の酸価は、JIS K 0070:1992に準拠した、以下に示す方法により測定することができる。
(1)試料0.5~2.0gを精秤する。精秤した質量を「M(g)」とする。
(2)50mLビーカーに試料を入れ、テトラヒドロフラン/エタノール(2/1)の混合液25mLを加え溶解する。
(3)0.1mol/LのKOH/エタノール溶液を用い、電位差滴定測定装置を使用して滴定する。電位差滴定装置としては、平沼産業製の自動滴定装置(商品名「COM-2500」)などを使用することができる。
(4)KOH/エタノール溶液の使用量を「S(mL)」とする。同様にブランクを測定し、KOH/エタノール溶液の使用量を「B(mL)」とする。
(5)下記式(1)(f:KOHエタノール溶液のファクター)より酸価を算出する。
酸価(mgKOH/g)={(S-B)×f×5.61}/M ・・・(1)
共重合体Aの重量平均分子量(Mw)は、3,000以上20,000以下であることが好ましい。共重合体Aの重量平均分子量が3,000未満であると、乾燥して形成される共重合体Aの皮膜の強度がやや弱くなる場合があり、画像の耐擦過性の向上効果が不十分になることがある。一方、共重合体Aの重量平均分子量が20,000超であると、インクの粘度が過度に上昇する場合があり、吐出不良が生じやすくなることがある。共重合体Aの重量平均分子量は、重合時に用いる開始剤の量を調整することによって制御することができる。
共重合体Aなどの共重合体(樹脂)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。GPCの測定条件は以下に示す通りである。
・装置:Alliance GPC-2695(Waters製)
・カラム:Shodex KF-806Mの4連カラム(昭和電工製)
・移動相:THF(特級)
・流速:1.0mL/min
・オーブン温度:40.0℃
・試料溶液の注入量:0.1mL
・検出器:RI(屈折率)
・ポリスチレン標準試料:PS-1及びPS-2(Polymer Laboratories製、分子量:7,500,000、2,560,000、841,700、377,400、320,000、210,500、148,000、96,000、59,500、50,400、28,500、20,650、10,850、5,460、2,930、1,300、580の17種)。
インクを調製する際には、共重合体Aを、共重合体Aを含む液体の状態で用いることが好ましい。共重合体Aを含む液体は、例えば、共重合体Aを水性媒体に添加した後、分散機などを用いて溶融条件下で分散処理する方法;共重合体Aを有機溶媒に添加した後、水性媒体を徐々に添加する方法;などを挙げることができる。
共重合体Aは、粒子状であっても、溶解状態であってもよい。共重合体Aによって形成される樹脂粒子の平均粒子径は、200nm以下であることが好ましい。樹脂粒子の平均粒子径が200nm超であると、吐出不良が生じやすくなることがある。
ある樹脂が「樹脂粒子」であるか否かについては、以下に示す方法にしたがって判断することができる。まず、樹脂の水溶液(樹脂固形分:0.1質量%)を用意する。次いで、用意した水溶液中の樹脂の粒子径を動的光散乱法により測定した場合に、粒子径を有する粒子が測定された場合に、その樹脂は「樹脂粒子」であると判断することができる。動的光散乱法による粒度分布測定装置としては粒度分析計(例えば、商品名「UPA-EX150」、日機装製)などを使用することができる。この際の測定条件は、例えば、SetZero:30秒、測定回数:3回、測定時間:180秒、形状:真球形、屈折率:1.59、とすることができる。勿論、使用する粒度分布測定装置や測定条件などは上記に限られるものではない。
共重合体Aなどの共重合体(樹脂)の組成については、以下に示す方法によって検証することができる。まず、共重合体Aなどの共重合体(樹脂)を含む溶液を、溶解可能な有機溶媒中に溶解させた後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって分離する。次いで、核磁気共鳴(NMR)分光法及びマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法(MALDI-MS)によって分取した樹脂を分析する。これにより、樹脂を構成するユニット(モノマー)の種類や割合を知ることができる。さらに、熱分解ガスクロマトグラフィーによって分取した樹脂を分析することで、解重合で生じたモノマーを直接検出することもできる。
インク中、共重合体Aの含有量(質量%)は、自己分散顔料の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.01倍以上1.0倍以下であることが好ましく、0.05倍以上0.5倍以下であることがさらに好ましい。上記の質量比率が0.01倍未満であると、色材粒子の表面を覆う共重合体Aの量がやや不足するので、耐擦過性の向上効果がやや低下することがある。一方、上記の質量比率が1.0倍超であると、インクの粘度が過度に上昇する場合があり、吐出不良が生じやすくなることがある。
(共重合体B)
インク中の色材粒子が、以下に示す(i)及び(ii)のいずれかである場合、インクは共重合体(B)を含有する。共重合体Bは、炭素数4以上のアルキル基を持ったアルキル(メタ)アクリレートに由来するユニットを有する。共重合体Bは、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、及びこれら以外の共重合体のいずれであってもよい。共重合体Bがブロック共重合体である場合、共重合体Bは、酸基を有しないセグメントA及び酸基を有するセグメントBを含むブロック共重合体であることが好ましい。疎水性の高いセグメントAと、親水性の高いセグメントBとが分離していることで、セグメントAのアルキル基が、共重合体Aのα-オレフィンに由来するユニット中のアルキル基とより効率的に相互作用することができる。
[アルキル(メタ)アクリレート]
共重合体Bは、アルキル(メタ)アクリレートに由来するユニットを有する。アルキル(メタ)アクリレートに由来するユニットは、共重合体Aとの相互作用に寄与する。すなわち、共重合体B中のアルキル(メタ)アクリレートに由来するアルキル基と、共重合体A中のα-オレフィンに由来するアルキル基とが、疎水相互作用する。
アルキル(メタ)アクリレートは、炭素数4以上のアルキル基を有する。アルキル基の炭素数が4未満であると、共重合体A中のα-オレフィンに由来するアルキル基との相互作用が弱くなり、共重合体Aが色材粒子の表面を十分に覆うことができず、耐擦過性を向上させることができない。アルキル(メタ)アクリレートは、炭素数18以下のアルキル基を有することが好ましい。アルキル基の炭素数が18超であると、共重合体B全体の疎水性が過度に高くなる場合があり、共重合体Bが激しく凝集して粗大な凝集体が形成されることがある。これにより、画像表面の平滑性が低下する場合があり、画像の耐擦過性の向上効果が低下することがある。
炭素数4以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートは、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、アラキジル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、及びリグノセリル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
共重合体B中、上記のアルキル(メタ)アクリレートに由来するユニットの含有量(質量%)は、共重合体B全質量を基準として、10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上40質量%以下であることがさらに好ましい。アルキル(メタ)アクリレートに由来するユニットの含有量が10質量%未満であると、共重合体A中のα-オレフィンに由来するアルキル基との相互作用がやや弱くなる。このため、共重合体Aが色材粒子の表面を十分に覆うことができなくなる場合があり、耐擦過性の向上効果が低下することがある。
[(メタ)アクリル酸]
共重合体Bは、(メタ)アクリル酸に由来するユニットをさらに有することが好ましい。(メタ)アクリル酸に由来するユニットは、共重合体Bの親水性に寄与するユニットである。共重合体B中、(メタ)アクリル酸に由来するユニットの含有量(質量%)は、共重合体B全質量を基準として、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上30質量%以下であることがさらに好ましい。(メタ)アクリル酸に由来するユニットの含有量が5質量%未満であると、共重合体Bの疎水性が過度に高くなる場合があり、共重合体Bが激しく凝集して粗大な凝集体が形成されることがある。これにより、画像表面の平滑性が低下する場合があり、画像の耐擦過性の向上効果が低下することがある。
[その他のモノマー]
共重合体Bは、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、不飽和結合を持った芳香族化合物に由来するユニットをさらに有してもよい。芳香族化合物に由来する芳香環は多くの色材粒子と相互作用しやすいため、不飽和結合を持った芳香族化合物に由来するユニットをさらに有する共重合体Bを用いることで、インク中における色材粒子の分散安定性を向上させることができる。
不飽和結合を有する芳香族化合物としては、スチレン、ビニルトルエン、p-フルオロスチレン、p-クロロスチレン、α-メチルスチレン、2-ビニルナフタレン、9-ビニルアントラセン、9-ビニルカルバゾール、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4-ジアミノ-6-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル-1,3,5-トリアジン、2-ナフチル(メタ)アクリレート、9-アントリル(メタ)アクリレート、及び(1-ピレニル)メチル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
[共重合体B]
共重合体Bの酸価は、100mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であることが好ましい。共重合体Bの酸価が100mgKOH/g未満であると、共重合体Bが激しく凝集して粗大な凝集体が形成されることがある。これにより、画像表面の平滑性が低下する場合があり、画像の耐擦過性の向上効果が低下することがある。一方、共重合体Bの酸価が300mgKOH/g超であると、共重合体Bの親水性が過度に高まることがある。これにより、色材粒子の凝集速度がやや遅くなる場合があり、画像の耐擦過性の向上効果がやや低下することがある。
共重合体Bの重量平均分子量(Mw)は、3,000以上20,000以下であることが好ましい。共重合体Bの重量平均分子量が3,000未満であると、顔料の分散性がやや低下することがある。これにより、共重合体Bが凝集して粗大な凝集体が形成される場合があり、画像表面の平滑性が低下して、画像の耐擦過性の向上効果が低下することがある。一方、共重合体Bの重量平均分子量が20,000超であると、インクの粘度が過度に上昇する場合があり、吐出不良が生じやすくなることがある。
インクを調製する際には、共重合体Bを、共重合体Bを含む液体の状態で用いることが好ましい。共重合体Aを含む液体は、例えば、共重合体Bを水性媒体に添加して溶解させる方法などを挙げることができる。
インク中、共重合体Bの含有量(質量%)は、共重合体Aの含有量(質量%)に対する質量比率で、100.0倍以下であることが好ましく、0.5倍以上50.0倍以下であることがさらに好ましい。上記の質量比率が100.0倍超であると、共重合体Aの量が相対的に少ないため、記録される画像の表面エネルギーがやや高くなりやすく、耐擦過性の向上効果が低下することがある。一方、上記の質量比率が0.5倍未満であると、インクの粘度がやや上昇する場合があり、吐出不良が生じやすくなることがある。
インク中、共重合体Bの含有量(質量%)は、色材粒子の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.06倍以上1.0倍以下であることが好ましく、0.1倍以上0.5倍以下であることがさらに好ましい。上記の質量比率が0.06倍未満であると、共重合体Bの量が相対的に少ないため、色材粒子の分散性が不安定になり、色材粒子が凝集して粗大な凝集体が形成されることがある。これにより、画像表面の平滑性が低下する場合があり、画像の耐擦過性の向上効果が低下することがある。一方、上記の質量比率が1.0倍超であると、共重合体Bの量が相対的に多いため、色材粒子の凝集速度が遅くなる場合がある。これにより、共重合体Aが色材粒子の表面を十分に覆うことができなくなる場合があり、耐擦過性の向上効果がやや低下することがある。
(その他の樹脂)
インクは、前述の共重合体A及び共重合体B以外の樹脂をさらに含有してもよい。樹脂は、水溶性樹脂であってもよく、水分散性樹脂(樹脂粒子)であってもよい。樹脂としては、アクリル樹脂及びウレタン樹脂などを挙げることができる。これら樹脂を含有させることで、画像の耐擦過性をさらに向上させることができる。なかでも、アクリル樹脂粒子をさらに含有することが好ましい。
(その他の色材)
インクは、色材粒子以外の色材として、水溶性の色材をさらに含有してもよい。水溶性の色材を含有させることで、画像の発色性を向上させることができる。水溶性の色材としては、直接染料、酸性染料、反応染料、及び塩基性染料などを挙げることができる。直接染料としては、C.I.ダイレクトブルー199、C.I.ダイレクトレッド227、及びC.I.ダイレクトイエロー132などを挙げることができる。酸性染料としては、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドレッド249、及びC.I.アシッドイエロー23などを挙げることができる。反応性染料としては、C.I.リアクティブブルー15、C.I.リアクティブレッド3、及びC.I.リアクティブイエロー2などを挙げることができる。塩基性染料としては、C.I.ベーシックイエロー40、C.I.ベーシックレッド1、及びC.I.ベーシックブルー1などを挙げることができる。
(水性媒体)
本発明のインクは、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有する水性インクである。水としては脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、アルコール類、グリコール類、(ポリ)アルキレングリコール類、含窒素化合物類、及び含硫黄化合物類などのインクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤の含有量が3.0質量%未満であると、インクをインクジェット記録装置に用いる場合に耐固着性などの信頼性が得られない場合がある。一方、水溶性有機溶剤の含有量が50.0質量%超であると、インクの供給不良が起きやすくなる場合がある。
(その他の成分)
インクは、上記した成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体などの、25℃で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。さらに、インクには、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、消泡剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、及びキレート剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。界面活性剤を用いる場合、インク中の界面活性剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上2.0質量%以下であることがさらに好ましい。
(インクの物性)
本発明のインクは、インクジェット方式に適用する水性インクである。したがって、信頼性の観点から、その物性値を適切に制御することが好ましい。25℃におけるインクの粘度は、1.0mPa・s以上10.0mPa・s以下であることが好ましく、1.0mPa・s以上5.0mPa・s以下であることがさらに好ましく、1.0mPa・s以上3.0mPa・s以下であることが特に好ましい。また、25℃におけるインクの表面張力は、10mN/m以上60mN/m以下であることが好ましく、20mN/m以上60mN/m以下であることがさらに好ましく、30mN/m以上50mN/m以下であることが特に好ましい。25℃におけるインクのpHは、5.0以上10.0以下であることが好ましく、7.0以上9.5以下であることがさらに好ましい。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、インクと、このインクを収容するインク収容部とを備える。そして、このインク収容部に収容されているインクは、上記で説明した本発明の水性インクである。図1は、本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示すように、インクカートリッジの底面には、記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給口12が設けられている。インクカートリッジの内部はインクを収容するためのインク収容部となっている。インク収容部は、インク収容室14と、吸収体収容室16とで構成されており、これらは連通口18を介して連通している。また、吸収体収容室16はインク供給口12に連通している。インク収容室14には液体のインク20が収容されており、吸収体収容室16には、インクを含浸状態で保持する吸収体22及び24が収容されている。インク収容部は、液体のインクを収容するインク収容室を持たず、収容されるインク全量を吸収体により保持する形態であってもよい。また、インク収容部は、吸収体を持たず、インクの全量を液体の状態で収容する形態であってもよい。さらには、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明の水性インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが特に好ましい。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
図2は、本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。インクジェット記録装置には、記録媒体32を搬送する搬送手段(不図示)、及びキャリッジシャフト34が設けられている。キャリッジシャフト34にはヘッドカートリッジ36が搭載可能となっている。ヘッドカートリッジ36は記録ヘッド38及び40を具備しており、インクカートリッジ42がセットされるように構成されている。ヘッドカートリッジ36がキャリッジシャフト34に沿って主走査方向に搬送される間に、記録ヘッド38及び40から記録媒体32に向かってインク(不図示)が吐出される。そして、記録媒体32が搬送手段(不図示)により副走査方向に搬送されることによって、記録媒体32に画像が記録される。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<共重合体Aの製造>
(共重合体A-1)
1-オクタデセン25.0部及びトルエン10.0部をフラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換した。90℃に加熱して撹拌しながら、無水マレイン酸5.0部及び開始剤(ジ-tert-ブチルペルオキシド)0.15部を添加した。160℃で6時間反応させた後、トルエンを蒸発させて除去した。冷却して内容物を固化させて、1-オクタデセン-無水マレイン酸共重合体を得た。
フラスコに、得られた1-オクタデセン-無水マレイン酸共重合体、テトラヒドロフラン3,000部、及び48%水酸化ナトリウム水溶液10.2部を入れた。55℃で3時間反応させて無水マレイン酸を加水分解した後、内容物を撹拌しながら、イオン交換水3,000部を30分間かけて滴下した。減圧してテトラヒドロフランを留去した後、さらに水を留去して、共重合体A-1を含む液体を得た。得られた液体中の共重合体A-1の含有量は10.0%であり、共重合体A-1の酸価は191mgKOH/gであった。
(共重合体A-2~10)
表1に示す配合としたこと以外は、前述の共重合体A-1の場合と同様にして、共重合体A-2~10をそれぞれ含む液体を得た。得られた液体中の共重合体の含有量は、いずれも10.0%であった。得られた共重合体の酸価を表1に示す。なお、共重合体A-10は、無水マレイン酸に由来するユニットの約半分を加水分解したものである。
(共重合体A-11)
1-オクタデセン25.0部及びトルエン10.0部をフラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換した。90℃に加熱して撹拌しながら、無水マレイン酸5.0部及び開始剤(ジ-tert-ブチルペルオキシド)0.15部を添加した。160℃で6時間反応させた後、トルエンを蒸発させて除去した。冷却して内容物を固化させて、1-オクタデセン-無水マレイン酸共重合体を得た。
フラスコに、得られた1-オクタデセン-無水マレイン酸共重合体、テトラヒドロフラン3,000部、48%水酸化ナトリウム水溶液10.2部、及びイオン交換水3,000部を入れた。55℃で3時間反応させ無水マレイン酸を加水分解した後、減圧してテトラヒドロフランを留去した。さらに水を留去して、共重合体A-11を含む液体を得た。得られた液体中の共重合体A-11の含有量は10.0%であり、共重合体A-11の酸価は192mgKOH/gであった。
(共重合体A-12、13)
表1に示す配合としたこと以外は、前述の共重合体A-11の場合と同様にして、共重合体A-12、13をそれぞれ含む液体を得た。得られた液体中の共重合体の含有量は、いずれも10.0%であった。得られた共重合体の酸価を表1に示す。
(共重合体A-14)
1-オクタデセン25.0部及びトルエン10.0部をフラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換した。90℃に加熱して撹拌しながら、アクリル酸4.0部及び開始剤(ジ-tert-ブチルペルオキシド)0.15部を添加した。130℃で6時間反応させた後、トルエンを蒸発させて除去した。冷却して内容物を固化させて、1-オクタデセン-アクリル酸共重合体を得た。
フラスコに、得られた1-オクタデセン-アクリル酸共重合体、テトラヒドロフラン3,000部、及び48%水酸化ナトリウム水溶液5.6部を入れた。内容物を撹拌しながら、イオン交換水3,000部を30分間かけて滴下した。減圧してテトラヒドロフランを留去した後、さらに水を留去して、共重合体A-14を含む液体を得た。得られた液体中の共重合体A-14の含有量は10.0%であり、共重合体A-14の酸価は213mgKOH/gであった。
(重合体A-15)
無水マレイン酸30.0部及びトルエン10部をフラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換した。開始剤(ジ-tert-ブチルペルオキシド)0.15部を添加した後、160℃で6時間反応させた。トルエンを蒸発させて除去した後、冷却して内容物を固化させて、無水マレイン酸の重合体を得た。フラスコに、得られた無水マレイン酸の重合体、テトラヒドロフラン3,000部、及び48%水酸化ナトリウム水溶液71.4部を入れた。55℃で3時間反応させて無水マレイン酸を加水分解した後、イオン交換水3,000部を30分間かけて滴下した。減圧してテトラヒドロフランを留去した後、さらに水を留去して、重合体A-15を含む液体を得た。得られた液体中の重合体A-15の含有量は10.0%であり、重合体A-15の酸価は1,014mgKOH/gであった。
(重合体A-16)
1-オクタデセン30.0部及びトルエン10.0部をフラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換した。開始剤(ジ-tert-ブチルペルオキシド)0.15部を添加した後、160℃で6時間反応させた。トルエンを蒸発させて除去した後、冷却して内容物を固化させて、1-オクタデセンの重合体を得た。フラスコに、得られた1-オクタデセンの重合体及びテトラヒドロフラン3,000部を入れた。55℃に加熱して1-オクタデセンの重合体を溶解させた後、内容物を撹拌しながらイオン交換水3,000部を30分間かけて滴下した。減圧してテトラヒドロフランを留去した後、さらに水を留去して、重合体A-16を含む液体を得た。得られた液体中の重合体A-16の含有量は10.0%であり、重合体A-16の酸価は4mgKOH/gであった。
Figure 2024092795000001
<共重合体Bの製造>
(共重合体B-1~13)
表2に示す種類及び量(%)のモノマーを常法にしたがって重合し、ランダム共重合体である共重合体B-1~13を製造した。10%水酸化ナトリウム水溶液をそれぞれ適量添加してアニオン性基を中和した後、適量の水をさらに添加して、各共重合体を含む液体を得た。得られた液体中の共重合体の含有量は、いずれも10.0%であった。各共重合体をテトラヒドロフランに溶解して測定用試料を調製し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、いずれも10,000であった。
Figure 2024092795000002
(共重合体B-14)
特開2012-072357号公報に記載されたブロック共重合体の合成方法に準拠し、以下の手順にしたがって共重合体B-14を製造した。窒素置換したグローブボックス内で、スチレン0.6g、ブチルメタクリレート0.2g、及びメタクリル酸0.2gをこの順で反応させてブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体をクロロホルム5mLに溶解させて溶液を調製した。調製した溶液を、水/メタノール混合溶液300mL(水:メタノール=1:4)中に撹拌下で注いで、生成した沈殿物を吸引ろ過して得た。得られた沈殿物を乾燥させた後、酸価に対して0.8モル倍の水酸化カリウム及び適量のイオン交換水を添加して撹拌した。減圧して溶媒を除去した後、適量のイオン交換水を添加して、共重合体B-14を含む液体を得た。得られた液体中の共重合体B-14の含有量は、10.0%であった。また、GPCにより測定した共重合体B-14のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、10,000であった。
<色材粒子分散液の製造>
(色材粒子分散液C-1)
フラスコにメチルエチルケトン200.0部を入れ、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温した。ブチルメタクリレート30.0部、メチルメタクリレート60.0部、メタクリル酸6.0部、重合開始剤(商品名「V-59」、和光純薬製)1.5部、及びメチルエチルケトン20.0部の混合液を、80℃を維持したまま2時間かけて滴下した。80℃で4時間撹拌した後、C.I.ベーシックレッド1 4.0部を添加した。さらに、樹脂の酸価に対して0.8当量の水酸化カリウム及びイオン交換水200.0部を撹拌しながら添加して粒子を形成した。減圧してメチルエチルケトンを除去した後、適量のイオン交換水を添加して希釈し、色材粒子分散液C-1を得た。得られた分散液中の色材粒子の含有量は、10.0%であった。
(色材粒子分散液C-2)
C.I.ベーシックレッド1に代えて、C.I.ダイレクトブルー199を用いたこと以外は、前述の色材粒子分散液C-1の場合と同様にして、色材粒子分散液C-2を得た。得られた分散液中の色材粒子の含有量は、10.0%であった。
(色材粒子分散液C-3)
アニオン性基を有する市販の自己分散顔料の水分散液(商品名「CAB-O-JET200」、キャボット製)に適量の水を添加して、色材粒子分散液C-3を得た。得られた分散液中の色材粒子の含有量は、10.0%であった。
(色材粒子分散液C-4)
特開2016-216285号公報に記載された方法に準じて、酸化チタン粒子を酸化ケイ素で被覆した後、水及び水酸化カリウムと混合した。ホモジナイザーを使用して均一化した後、ガラスビーズ及びペイントシェーカーを使用して分散処理した。ガラスビーズをろ別した後、遠心分離処理して粗大粒子を除去した。イオン交換水を添加して濃度を調整し、色材粒子分散液C-4を得た。得られた分散液中の色材粒子の含有量は、10.0%であった。得られた分散液中の色材粒子の表面はアニオン性であり、ζ電位は-45mVであった。ζ電位(mV)は、電気泳動法によるゼータ電位測定装置(商品名「ゼータサイザー ナノZ」、Malvern Instruments製)を使用し、無機粒子の移動度を求めることで算出した。
(色材粒子分散液C-5)
ブチルメタクリレートに代えて、エチルメタクリレートを用いたこと以外は、前述の色材粒子分散液C-1の場合と同様にして、色材粒子分散液C-5を得た。得られた分散液中の色材粒子の含有量は、10.0%であった。
<アクリル樹脂粒子の製造>
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、エチルメタクリレート20.0部、メチルメタクリレート70.0部、メタクリル酸10.0部、及びイオン交換水150.0部を、ホモジナイザーを使用して混合し、混合液を得た。ホモジナイザーとしては、商品名「T50Dウルトラタラックス」(IKA製)を使用した。得られた混合液50.0部をフラスコに入れ、窒素雰囲気下で撹拌しながら90℃まで昇温した。混合液の残部、及び過硫酸カリウム1.0部をイオン交換水20.0部に溶解した液体を、それぞれ2時間かけて滴下した。90℃で2時間撹拌した後、pHを8.5に調整するとともに、適量のイオン交換水を添加して、アクリル樹脂粒子の分散液を得た。得られた分散液中のアクリル樹脂粒子の含有量は10.0%であり、アクリル樹脂粒子の平均粒子径は200nmであった。
<インクの調製>
(実施例1)
0.3mm径のジルコニアビーズ100部を充填したバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に、カーボンブラック5.0部、共重合体B-1を含む液体20.0部、及びイオン交換水59.9部の混合物を入れ、5時間分散処理した。遠心分離処理して粗大粒子を除去した後、共重合体A-1を含む液体5.0部、グリセリン5.0部、トリエチレングリコール10.0部、及び界面活性剤0.1部を添加して十分に撹拌した。界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤(商品名「アセチレノールE100」、川研ファインケミカル製)を用いた。ポアサイズ2.5μmのミクロフィルターにて加圧ろ過して、実施例1のインクを調製した。
(実施例2~6、12~39、比較例1、4~11)
表3-1~3-4に示す組成としたこと以外は、前述の実施例1の場合と同様にして、実施例2~6、12~39、比較例1、4~11のインクを調製した。
(実施例7)
色材粒子分散液C-1 50.0部、共重合体A-1を含む液体5.0部、グリセリン5.0部、トリエチレングリコール10.0部、アセチレノールE100 0.1部、及びイオン交換水29.9部を混合して十分に撹拌した。ポアサイズ2.5μmのミクロフィルターにて加圧ろ過して、実施例7のインクを調製した。
(実施例8~11、比較例2)
表3-1及び3-4に示す組成としたこと以外は、前述の実施例7の場合と同様にして、実施例8~11、比較例2のインクを調製した。
(比較例3)
C.I.ダイレクトブラック19 5.0部とイオン交換水54.9部を混合し、C.I.ダイレクトブラック19を完全に溶解させた。共重合体B-1を含む液体20.0部、共重合体A-1を含む液体5.0部、グリセリン5.0部、トリエチレングリコール10.0部、及びアセチレノールE100 0.1部を添加して十分に撹拌した。ポアサイズ2.5μmのミクロフィルターにて加圧ろ過して、比較例3のインクを調製した。
表3-1~3-4中の略号の意味を以下に示す。
・CB:カーボンブラック
・PB15:3:C.I.ピグメントブルー15:3
・PR122:C.I.ピグメントレッド122
・PY74:C.I.ピグメントイエロー74
・DBL199:C.I.ダイレクトブルー199
・AR249:C.I.アシッドレッド249
・DBk19:C.I.ダイレクトブラック19
Figure 2024092795000003
Figure 2024092795000004
Figure 2024092795000005
Figure 2024092795000006
<評価>
各インクをそれぞれ充填したインクカートリッジを、熱エネルギーの作用によりインクを吐出するインクジェット記録装置(商品名「PIXUS Pro9500」、キヤノン製)に搭載した。本実施例では、1/600インチ×1/600インチの単位領域に、1滴当たりの質量が3.5ngであるインク滴を8滴付与する条件で記録したベタ画像の記録デューティを100%と定義する。
(耐擦過性)
上記のインクジェット記録装置を使用し、記録媒体(光沢紙、商品名「キヤノン写真用紙・微粒面光沢ラスター」、キヤノン製)に、記録デューティが30%である5cm×5cmのベタ画像を含むパターンを記録して記録物を得た。得られた記録物を常温で24時間保存した。5cm×5cmの正方形の底面を有する直方体状の錘(200g)を用意した。この錘の底面に、未使用の記録媒体(光沢紙、商品名「キヤノン写真用紙・微粒面光沢ラスター」、キヤノン製)を張り付けた。分光測色計(商品名「FD-7」、コニカミノルタ製)を使用して、画像の初期画像濃度(OD1)を測定した。次いで、画像上に錘をのせ、10往復水平移動させた。これにより、画像と、錘の底面に張り付けた記録媒体とを、荷重200gで10往復摩擦させた。その後、画像の画像濃度(OD2)を測定した。そして、下記式(2)より△OD(%)を算出し、以下に示す評価基準にしたがって画像の耐擦過性を評価した。本発明においては、以下に示す評価基準で、「AA」、「A」、及び「B」を許容できるレベル、「C」を許容できないレベルとした。評価結果を表4に示す。
△OD(%)=(OD1-OD2)/OD1 ・・・(2)
AA:△ODが5%未満であった。
A:△ODが5%以上10%未満であった。
B:△ODが10%以上20%未満であった。
C:△ODが20%以上であった。
Figure 2024092795000007
本実施形態の開示は、以下の構成及び方法を含む。
(構成1)色材粒子及び共重合体を含有するインクジェット用の水性インクであって、
前記共重合体が、炭素数10以上のα-オレフィンに由来するユニット及び不飽和二塩基酸に由来するユニットを有する共重合体Aを含み、
前記色材粒子が、(i)炭素数4以上のアルキル基を持ったアルキル(メタ)アクリレートに由来するユニットを有する共重合体Bの作用によって分散された顔料、(ii)前記共重合体B及び染料を含む粒子、又は(iii)アニオン性基を有する自己分散顔料であることを特徴とする水性インク。
(構成2)前記共重合体B中、前記アルキル(メタ)アクリレートに由来するユニットの含有量が、10質量%以上である構成1に記載の水性インク。
(構成3)前記共重合体Bが、(メタ)アクリル酸に由来するユニットをさらに有し、
前記共重合体B中、前記(メタ)アクリル酸に由来するユニットの含有量が、5質量%以上である構成1又は2に記載の水性インク。
(構成4)前記共重合体Bの含有量(質量%)が、前記共重合体Aの含有量(質量%)に対する質量比率で、100.0倍以下である構成1乃至3のいずれか1項に記載の水性インク。
(構成5)前記共重合体Bの含有量(質量%)が、前記色材粒子の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.06倍以上1.0倍以下である構成1乃至4のいずれか1項に記載の水性インク。
(構成6)前記アルキル(メタ)アクリレートが、炭素数18以下のアルキル基を有する構成1乃至5のいずれか1項に記載の水性インク。
(構成7)前記共重合体Bが、酸基を有しないセグメントA及び酸基を有するセグメントBを含むブロック共重合体である構成1乃至6のいずれか1項に記載の水性インク。
(構成8)前記α-オレフィンの炭素数が、30以下である構成1乃至7のいずれか1項に記載の水性インク。
(構成9)前記共重合体Aの酸価が、100mgKOH/g以上300mgKOH/g以下である構成1乃至8のいずれか1項に記載の水性インク。
(構成10)アクリル樹脂粒子をさらに含有する構成1乃至9のいずれか1項に記載の水性インク。
(構成11)インクと、前記インクを収容するインク収容部とを備えたインクカートリッジであって、
前記インクが、構成1乃至10のいずれか1項に記載の水性インクであることを特徴とするインクカートリッジ。
(方法1)インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
前記インクが、構成1乃至10のいずれか1項に記載の水性インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。

Claims (12)

  1. 色材粒子及び共重合体を含有するインクジェット用の水性インクであって、
    前記共重合体が、炭素数10以上のα-オレフィンに由来するユニット及び不飽和二塩基酸に由来するユニットを有する共重合体Aを含み、
    前記色材粒子が、(i)炭素数4以上のアルキル基を持ったアルキル(メタ)アクリレートに由来するユニットを有する共重合体Bの作用によって分散された顔料、(ii)前記共重合体B及び染料を含む粒子、又は(iii)アニオン性基を有する自己分散顔料であることを特徴とする水性インク。
  2. 前記共重合体B中、前記アルキル(メタ)アクリレートに由来するユニットの含有量が、10質量%以上である請求項1に記載の水性インク。
  3. 前記共重合体Bが、(メタ)アクリル酸に由来するユニットをさらに有し、
    前記共重合体B中、前記(メタ)アクリル酸に由来するユニットの含有量が、5質量%以上である請求項1に記載の水性インク。
  4. 前記共重合体Bの含有量(質量%)が、前記共重合体Aの含有量(質量%)に対する質量比率で、100.0倍以下である請求項1に記載の水性インク。
  5. 前記共重合体Bの含有量(質量%)が、前記色材粒子の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.06倍以上1.0倍以下である請求項1に記載の水性インク。
  6. 前記アルキル(メタ)アクリレートが、炭素数18以下のアルキル基を有する請求項1に記載の水性インク。
  7. 前記共重合体Bが、酸基を有しないセグメントA及び酸基を有するセグメントBを含むブロック共重合体である請求項1に記載の水性インク。
  8. 前記α-オレフィンの炭素数が、30以下である請求項1に記載の水性インク。
  9. 前記共重合体Aの酸価が、100mgKOH/g以上300mgKOH/g以下である請求項1に記載の水性インク。
  10. アクリル樹脂粒子をさらに含有する請求項1に記載の水性インク。
  11. インクと、前記インクを収容するインク収容部とを備えたインクカートリッジであって、
    前記インクが、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の水性インクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  12. インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記インクが、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の水性インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。

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