JP5854670B2 - 画像記録方法、及びセット - Google Patents
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Description
本発明の画像記録方法は、酸性基によって分散している顔料を含有するインクを記録媒体に付与する工程、及び、前記インク中の前記顔料の分散状態を不安定化させる酸性の液体組成物を、前記インクを付与する領域と少なくとも一部で重なるように前記記録媒体に付与する工程を有する画像記録方法であって、前記液体組成物が、スルホン酸基及びリン酸基から選択される少なくとも1種を有する樹脂微粒子を含有する。本発明における「記録」とは、浸透性の記録媒体に対してインク及び液体組成物を用いて記録する態様、ガラス、プラスチック、フィルムなどの非浸透性の記録媒体に対してインク及び液体組成物を用いてプリントを行う態様を含む。浸透性の記録媒体としては、普通紙や光沢紙が挙げられる。本発明において、液体組成物の記録媒体への付与手段としては、インクジェット方式やローラ塗布方式などが挙げられる。また、インクの記録媒体への付与手段としては、記録信号に応じて、インクジェット方式により記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させて記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法が好ましい。特に、インクに熱エネルギーを作用させて記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させる方式のインクジェット記録方法がより好ましい。
本発明の画像記録方法に使用する液体組成物は、酸性であり、かつ、インク中の顔料の分散状態を不安定化させるものであり、更に、スルホン酸基及びリン酸基から選択される少なくとも1種を有する樹脂微粒子を含有する。本発明において、「インク中の顔料の分散状態を不安定化させる」液体組成物であるか否かは、以下の判定方法によって判定することができる。用いるインクをレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−950V2(堀場製作所製)を用いて、試料の屈折率1.5、分散媒(水)の屈折率1.333、反復回数15回の条件で50%累積体積平均粒子径(D50)を測定し、この値をD1とする。更に、インクを質量比率で0.25倍量の液体組成物中と混合した後、同様にD50を測定し、この値をD2とする。このとき、D2とD1の比(D2/D1)が1.3以上である場合、「インク中の顔料の分散状態を不安定化させる」液体組成物であると判定する。
本発明に用いる液体組成物は、スルホン酸基及びリン酸基から選択される少なくとも1種を有する樹脂微粒子(以下、単に「本発明に使用する樹脂微粒子」ともいう)を含有する。本発明において、「樹脂微粒子」とは、粒径を有する状態で存在する樹脂を意味する。更に、本発明において、樹脂微粒子は液体組成物中に分散した状態、所謂、樹脂エマルションであることが好ましい。また、本発明において、樹脂微粒子が「スルホン酸基及びリン酸基から選択される少なくとも1種を有する」とは、具体的に、樹脂微粒子にスルホン酸基及びリン酸基が化学結合している状態、樹脂微粒子の内部にスルホン酸基及びリン酸基を有する化合物が含まれる状態、及び樹脂微粒子の表面にスルホン酸基及びリン酸基を有する化合物が吸着する状態を意味する。
本発明に使用する樹脂微粒子は体積平均粒子径が10nm以上500nm以下であることが好ましい。尚、本発明において樹脂微粒子の体積平均粒子径は、以下の方法で測定する。純水で50倍(体積基準)に希釈した、樹脂微粒子を含有する水溶液について、UPA−EX150(日機装製)を使用して、SetZero:30s、測定回数:3回、測定時間:180秒、屈折率:1.5の測定条件で測定する。
本発明において、樹脂微粒子は、スルホン酸基及びリン酸基から選択される少なくとも1種を有するのであれば、何れのものも液体組成物に使用することができる。具体的に、スルホン酸基及びリン酸基から選択される少なくとも1種を有する樹脂微粒子とするには、それらの官能基を有するモノマーや界面活性剤を原料として、樹脂微粒子を合成すればよい。即ち、本発明の樹脂微粒子は、スルホン酸基及びリン酸基から選択される少なくとも1種を有するモノマー、並びに、スルホン酸基及びリン酸基から選択される少なくとも1種を有する界面活性剤、から選択される少なくとも1種を用いて合成されることが好ましい。更には、スルホン酸基又はリン酸基有するモノマー、及び、スルホン酸基又はリン酸基を有する界面活性剤、から選択される少なくとも1種を用いて合成される樹脂微粒子であることがより好ましい。尚、スルホン酸基及びリン酸基から選択される少なくとも1種を有するモノマーを用いて合成された樹脂微粒子は、スルホン酸基やリン酸基がスルホン酸基及びリン酸基が化学結合している状態である。一方、スルホン酸基及びリン酸基から選択される少なくとも1種を有する界面活性剤を用いて合成された樹脂微粒子において、前記界面活性剤は、樹脂微粒子の内部に含まれる状態又は樹脂微粒子の表面に吸着する状態で存在する。そのため、液体組成物中において、樹脂微粒子から離れて存在する前記界面活性剤も一部含有し得る。しかし、本発明者らの検討によると、大部分の界面活性剤は樹脂微粒子の表面に存在し得るため、十分に酸析反応は起こる。また、本発明者らが検討をしたところ、ノニオン性の樹脂微粒子などに、スルホン酸基及びリン酸基から選択される少なくとも1種を有する界面活性剤を添加する場合、一部の界面活性剤は樹脂微粒子表面に吸着するが、酸析反応を起こす程の量は吸着されず、インクと混合した際に顔料の分散状態は不安定化しなかった。尚、一般的に、樹脂微粒子は、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法などによって合成される。
本発明に用いる液体組成物は、スルホン酸基及びリン酸基から選択される少なくとも1種を有する樹脂微粒子に加えて、更に、その他の反応剤を含有してもよい。具体的には、プロピオン酸、コハク酸、クエン酸などのカルボン酸類;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのスルホン酸類;リン酸などのリン酸類などが挙げられる。その他の反応剤を用いる場合は、併用する樹脂微粒子と同じ官能基を有する反応剤を用いることが好ましい。例えば、スルホン酸基を有する樹脂微粒子の場合は、その他の反応剤は、前記スルホン酸類であることが好ましい。
本発明に用いる液体組成物は、水、又は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。液体組成物中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、液体組成物全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、従来、インクに一般的に用いられているものを何れも用いることができる。例えば、アルコール類、グリコール類、アルキレン基の炭素原子数が2乃至6のアルキレングリコール類、ポリエチレングリコール類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類などが挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。水は脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。液体組成物中の水の含有量(質量%)は、液体組成物全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。
本発明に用いる液体組成物は、上記の成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体など、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。更に、本発明に用いる液体組成物は、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び上記樹脂微粒子以外の樹脂などの種々の添加剤を含有してもよい。尚、上述の通り、液体組成物が反応性を有さないノニオン性樹脂微粒子を更に含有すると、反応剤の能力を阻害する場合がある。本発明においては、反応剤が樹脂微粒子であり、記録媒体の表面やその近傍に残って反応するため、ノニオン性樹脂微粒子の影響は受けにくいが、ノニオン性樹脂微粒子を含む場合は、液体組成物全質量に対する含有量が1.0質量%未満であることが好ましい。
本発明の画像記録方法に使用するインクは、酸性基によって分散している顔料を含有する。以下、本発明の画像記録方法に使用するインクを構成する各成分について、それぞれ説明する。
本発明において、インクに使用する顔料は酸性基によって分散している。酸性基によって顔料が分散するには、インク中において酸性基は酸解離型として存在する必要がある。したがって、酸性基の酸解離定数pKaが、インクのpHより小さいことが求められる。更には、本発明において、インクのpHが7以上11以下であり、かつ、酸性基のpKaが4以上5以下であることが好ましい。尚、本発明において、pH及びpKaは25℃における値である。
本発明の画像記録方法に使用するインクは、更に樹脂微粒子を含有してもよい。インクが樹脂微粒子を含有することで、画像を形成した際に、樹脂膜が形成しやすくなり、更に画像の耐擦過性が向上する。樹脂微粒子の種類としては、従来、インクに一般的に用いられているものを何れも用いることができる。本発明においては、上記の液体組成物に含有する樹脂微粒子と同じ種類のモノマーを用いた樹脂微粒子の方が、樹脂膜を形成する際に一体となりやすく、より好ましい。また、インク中の樹脂微粒子の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.5質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。
インクには、水、又は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、液体組成物に使用可能なものとして挙げた水溶性有機溶剤と同様のものを使用することができる。水は脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。また、インクには、上記の液体組成物に使用可能なものとして挙げたその他の成分と同様のものを使用することができる。
本発明のセットは、酸性基によって分散している顔料を含有するインク及びインク中の顔料の分散状態を不安定化させる酸性の液体組成物を有し、液体組成物がスルホン酸基及びリン酸基から選択される少なくとも1種を有する樹脂微粒子を含有することを特徴とする。尚、セットとして組み合わせることのできる顔料を含有するインクについての限定は特になく、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクなどを用いることができる。
DBSA:ドデシルベンゼンスルホン酸
DBSNa:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
TLPA:トリラウレス−4−リン酸
TLPNa:トリラウレス−4−リン酸ナトリウム
MMA:メタクリル酸メチル
2EHA:アクリル酸−2−エチルヘキシル
ATBS:アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸
P−1M:2−メタクリロイロキシエチルアシッドホスフェート(共栄社化学製)
BC−20:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(日光ケミカルズ製)
以下の手順に従って、液体組成物を調製した。
撹拌装置、窒素導入管、還流冷却装置、温度計を備えたフラスコに、成分Iとして、
・界面活性剤 表1参照
・イオン交換水 100.0部
を加えた後、撹拌しながら窒素雰囲気下で90℃まで昇温した。その後、成分IIとして、
・モノマー 表1参照
・界面活性剤 表1参照
・イオン交換水 100.0部
を混合した溶液と、過硫酸カリウム1.0部をイオン交換水20.0部に溶解した液体とを、それぞれ3時間かけて上記フラスコ内に滴下した。その後、2時間撹拌した後、適量のイオン交換水を加え、固形分25.0質量%の樹脂微粒子分散液を得た。各樹脂微粒子分散液の調製条件を表1に示す。得られた樹脂微粒子は何れも体積平均粒径は50nm以上250nm以下の範囲内であった。更に、得られた各樹脂微粒子について、樹脂微粒子1g当たりのスルホン酸基及びリン酸基の量(mmol/g)及びガラス転移温度をそれぞれ上述した方法で測定した。結果を表2に示す。
上記で得られた樹脂微粒子分散液を下記の組成で混合した。各液体組成物に用いる樹脂微粒子分散液の種類及び含有量、その他の反応剤の種類及び含有量は表3に示した。尚、イオン交換水の残部は、液体組成物を構成する全成分の合計が100.0質量%となる量のことである。
・樹脂微粒子分散液(樹脂の含有量は25.0質量%) 表3参照
・その他の反応剤 表3参照
・グリセリン 5.0質量%
・ジエチレングリコール 10.0質量%
・界面活性剤:アセチレノールE100(川研ファインケミカル製) 1.0質量%
・イオン交換水 残部
以下の手順に従って、インクを調製した。
(顔料分散体Aの調製)
撹拌装置、窒素導入管、還流冷却装置、温度計を備えたフラスコにメチルエチルケトンを100.0部加えた。次いでスチレン40.0部、アクリル酸n−ブチル30.0部、アクリル酸(pKa:4.3)30.0部を加えた後、撹拌しながら窒素雰囲気下で80℃まで昇温した。その後、V−59(和光純薬製;2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル))を5.0部加え6時間撹拌した。更に、V−59を1部加え4時間反応させて樹脂を合成した。得られた樹脂の酸価は230mgKOH/gであった。得られた樹脂のアニオン性基の中和率がモル基準で75%となるように水酸化カリウム水溶液を加え、更に適量の水を加えて撹拌した後、減圧条件下にてメチルエチルケトンを除去し水を加えてアニオン性樹脂分散剤水溶液(樹脂の含有量は25.0質量%)を得た。
カーボンブラックの表面にカルボキシルフェニル基(pKa:4.2)が結合した自己分散カーボンブラック顔料であるCab−O−Jet300(Cabot製)を顔料分散体B(顔料の含有量は15.0質量%)として用いた。
アニオン性樹脂分散剤水溶液に代えて、カチオン性樹脂分散剤水溶液[メタクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド−(アクリル酸−2−ヒドロキシエチル)−(アクリル酸n−ブチル)共重合体(質量比は100:30:70)の樹脂水溶液(樹脂の含有量は25.0質量%)]を用いた以外は、顔料分散体Aと同様にして顔料分散体C(顔料の含有量は15.0質量%、樹脂の含有量は5.0質量%)を得た。
撹拌装置、窒素導入管、還流冷却装置、温度計を備えたフラスコにイオン交換水を100部、ラテムルASK(花王製;アルケニルコハク酸ジカリウム)を2.5部加えた後、撹拌しながら窒素雰囲気下で90℃まで昇温した。その後、メタクリル酸メチル85.0部、アクリル酸−2−エチルヘキシル10.0部、メタクリル酸5.0部、イオン交換水を100.0部、ラテムルASKを2.5部混合した液体と、過硫酸カリウム1.0部をイオン交換水20.0部に溶解した液体とを3時間かけてそれぞれ滴下した。その後、2時間撹拌した後、適量のイオン交換水を加え、固形分25.0質量%の樹脂微粒子分散液IE−1を得た。
上記で得られた顔料分散体を下記の組成で混合した。各インクに用いる顔料分散体の種類、樹脂微粒子分散液の種類及び含有量、インクのpHは表4に示した。尚、イオン交換水の残部は、インクを構成する全成分の合計が100.0質量%となる量のことである。
・顔料分散体(顔料の含有量は15.0質量%) 20.0質量%
・樹脂微粒子分散液(樹脂の含有量は25.0質量%) 表4参照
・グリセリン 5.0質量%
・ジエチレングリコール 10.0質量%
・界面活性剤:アセチレノールE100(川研ファインケミカル製) 1.0質量%
・イオン交換水 残部
上記で得られた液体組成物及びインクを、それぞれ液体カートリッジに充填し、表5に示す組合せでセットとし、インクジェット記録装置PIXUS Pro9500(キヤノン製)に装着した。このとき、シアンの位置にインクを、フォトマゼンタの位置に液体組成物を装着した。記録媒体としては、PB PAPER GF−500(キヤノン製)、OKトップコート(王子製紙製)、及びミラーコート・ゴールド(王子製紙製)の3種を用いた。そして、上記3種の記録媒体それぞれに対し、液体組成物を記録媒体に付与し、その後、インクを記録媒体の前記液体組成物を付与した領域に重ねて付与することで、インクの記録デューティが100%及び液体組成物の記録デューティが25%の画像を作成した。得られた画像を常温で24時間保存した後、以下の評価を行った。尚、記録条件は、温度:23℃、相対湿度:55%とした。また、上記インクジェット記録装置では、解像度600dpi×600dpiで1/600インチ×1/600インチの単位領域に3.5ng(ナノグラム)のインク滴を8ドット付与する条件を、記録デューティが100%であると定義される。
インクをレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−950V2(堀場製作所製)を用いて、試料の屈折率1.5、分散媒(水)の屈折率1.333、反復回数15回の条件でD50を測定し、この値をD1とした。更に、インクを質量比率で0.25倍量の液体組成物中と混合した後、同様にD50を測定し、この値をD2とした。このとき、D2とD1の比(D2/D1)が1.3以上である場合、液体組成物によってインク中の顔料の分散状態が不安定化したと判断した。その結果、実施例1〜28及び比較例2において、D2/D1が1.3以上であり、液体組成物によってインク中の顔料の分散状態が不安定化したことを確認した。比較例1及び3では、D2/D1は1.3未満であり、液体組成物によってインク中の顔料の分散状態が不安定化しなかった。
上記で得られた画像の耐擦過性の評価を、JIS L 0849に準拠して以下の通り行った。具体的には、学振形染色摩擦堅ろう度試験機(安田機械製作所製)の曲面上に画像を配置し、摩擦子に画像を作成するのに使用したものと同種の記録媒体を固定した。そして、固定した記録媒体を1.96Nの荷重で、30回往復摩擦する擦過試験を行った。10回往復摩擦した後の画像、及び、30回往復摩擦した後の画像をそれぞれ目視で確認することで、画像の耐擦過性の評価を行った。画像の耐擦過性の評価基準は以下の通りである。尚、下記の各評価項目の評価基準において、AA〜Bが好ましいレベルとし、Cは許容できないレベルとした。評価結果を表5に示す。
AA:30回往復摩擦した後でも、全ての記録媒体の画像において、傷がほとんど見られなかった
A:10回往復摩擦した後では、全ての記録媒体の画像において、傷がほとんど見られなかったが、30回往復摩擦した後で、何れかの記録媒体の画像において、わずかな傷が見られた
B:10回往復摩擦した後では、全ての記録媒体の画像において、傷がほとんど見られなかったが、30回往復摩擦した後で、何れかの記録媒体の画像において、傷が見られた
C:10回往復摩擦した後でも、何れかの記録媒体の画像において、明らかな傷が見られた。
特開2002−302627号公報の実施例1のブラック顔料インク組成物と反応液1と同様にして、カチオン性分散剤によって分散されている顔料とカチオン性樹脂微粒子を含有するインク9と、アニオン性反応剤とアニオン性樹脂微粒子を含有する液体組成物24をそれぞれ調製した。得られたインク9及び液体組成物24をそれぞれ液体カートリッジに充填し、上記(画像の耐擦過性)と同様の評価を行ったところ、C評価であった。
特開2010−194998号公報の水性顔料シアンインク1と水性処理液1と同様にして、アニオン性樹脂分散顔料及び樹脂微粒子を含有するインク10と、ノニオン性樹脂微粒子及び反応剤である有機酸(2−ピロリドン−5−カルボン酸)を含有する液体組成物25をそれぞれ調製した。得られたインク10及び液体組成物25をそれぞれ液体カートリッジに充填し、上記(画像の耐擦過性)と同様の評価を行ったところ、C評価であった。
Claims (6)
- 酸性基によって分散している顔料を含有するインクを記録媒体に付与する工程、及び、前記インク中の前記顔料の分散状態を不安定化させる酸性の液体組成物を、前記インクを付与する領域と少なくとも一部で重なるように前記記録媒体に付与する工程を有する画像記録方法であって、
前記液体組成物が、スルホン酸基及びリン酸基から選択される少なくとも1種を有し、かつ、ガラス転移温度(Tg)が、20℃以上100℃以下である樹脂微粒子を含有することを特徴とする画像記録方法。 - 前記液体組成物中の前記樹脂微粒子が有するスルホン酸基及びリン酸基の量が、前記樹脂微粒子1g当たり、0.15mmol/g以上1.00mmol/g以下である請求項1に記載の画像記録方法。
- 前記液体組成物中の前記樹脂微粒子の含有量(質量%)が、前記液体組成物の全質量を基準として、1.0質量%以上15.0質量%以下である請求項1又は2に記載の画像記録方法。
- 前記インクの25℃におけるpHが7以上11以下であり、かつ、前記インク中の前記顔料の有する前記酸性基の25℃におけるpKaが4以上5以下である請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像記録方法。
- 前記液体組成物中の前記樹脂微粒子が、スルホン酸基及びリン酸基から選択される少なくとも1種を有するモノマー、並びに、スルホン酸基及びリン酸基から選択される少なくとも1種を有する界面活性剤、から選択される少なくとも1種を用いて合成される樹脂微粒子である請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像記録方法。
- 酸性基によって分散している顔料を含有するインク、及び、前記インク中の前記顔料の分散状態を不安定化させる酸性の液体組成物を有するセットであって、
前記液体組成物が、スルホン酸基及びリン酸基から選択される少なくとも1種を有し、かつ、ガラス転移温度(Tg)が、20℃以上100℃以下である樹脂微粒子を含有することを特徴とするセット。
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