JP2017222143A - インクジェット記録方法 - Google Patents

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Arihiro Saito
有弘 齋藤
佐藤 真一
Shinichi Sato
真一 佐藤
袴田 慎一
Shinichi Hakamata
慎一 袴田
知洋 山下
Tomohiro Yamashita
知洋 山下
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Abstract

【課題】光学濃度が高く、記録後短時間での耐擦過性を満足できる画像を記録することが可能なインクジェット記録方法を提供する。【解決手段】顔料及び第1の樹脂粒子を含有するインクを記録媒体に付与する工程を含むインクジェット記録方法である。このインクジェット記録方法は、さらに、第2の樹脂粒子を含有し、インクと反応する反応液を、インクを記録媒体に付与する前に、インクを付与する領域と少なくとも一部で重なるように記録媒体に付与する工程を含む。インク中の第1の樹脂粒子の含有量及び反応液中の第2の樹脂粒子の含有量はいずれも9.00質量%以上である。また、第1の樹脂粒子の平均粒径が220nm以上600nm以下であり、顔料の平均粒径が50nm以上210nm以下であり、第2の樹脂粒子の平均粒径が30nm以上200nm以下であり、第2の樹脂粒子の平均粒径<顔料の平均粒径の関係を満たす。【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録方法に関する。
記録媒体として普通紙などを用い、文字や図表を含むビジネス文章などの記録にもインクジェット記録方法が利用されている。このため、普通紙などの記録媒体に文字や図表を記録するのに適したインクとして、色材として顔料を用いることが増えてきている。特には、普通紙に高い光学濃度を有する画像を記録し得ることが求められている。
従来から、インクジェット記録方法として、色材を含有するインクとは別に、画像性能を良好にするための液体を、いわゆる反応液として用意し、反応液とインクとを記録媒体に付与して画像を記録する方法が種々提案されている。当該方法によれば、記録媒体における色材の凝集を反応液により促進することで、記録媒体の表面に色材を効率的に存在させることができるので、インクのみで画像を記録する方法に比べて、画像性能の向上が可能になってきている。
しかし、当該方法では、記録媒体の表面上に色材が多く存在するため、画像の耐擦過性が低下する場合がある。特に、記録後に十分な乾燥時間を待たずに記録物が取り扱われる場合には、画像の耐擦過性が著しく低く、画像を擦った際に汚れが生じる場合がある。これまで、反応液とインクを併用する2液反応システムにおいて、画像の耐擦過性を向上させるために、反応液及びインクに樹脂粒子を含有させるインクジェット記録方法が検討されている(特許文献1、2及び3)。
特許文献1には、記録媒体に、有機酸及びノニオン性樹脂粒子を含有する水性処理液(反応液)を付与した後、顔料、界面活性剤、特定の樹脂粒子及び水溶性溶媒を含有するインクを吐出するインクジェット記録方法が開示されている。特許文献2には、酸性基によって分散している顔料及び樹脂粒子を含有するインクと、樹脂粒子を含有するとともにインク中の顔料の分散状態を不安定化させる酸性の液体組成物(反応液)とを用いた画像記録方法が開示されている。特許文献3には、樹脂粒子を含有する水性処理液(反応液)を記録媒体に付与後900msの間に70質量%以上の水分を蒸発させて遮断層を形成し、その遮断層の上に、顔料及び樹脂粒子を含有するインクを付与するインクジェット記録方法が開示されている。
特開2010−194998号公報 特開2013−018156号公報 特開2009−241586号公報
しかし、特許文献1乃至3に記載の方法では、本発明で求めるような記録後の短時間では高いレベルの耐擦過性は得られなかった。優れた光学濃度を得るためには、反応液とインクの反応性を高め、記録媒体の表面上に顔料を効率的に存在させることが有効である。しかし、この場合、記録後短時間での記録媒体の表面上には、液体成分を保持している顔料−樹脂の凝集物が存在することになる。液体成分を多く保持する状態では、顔料−樹脂の凝集力が得られず、画像の耐擦過性が発現しない場合がある。
したがって、本発明の目的は、光学濃度が高く、記録後短時間での耐擦過性を満足できる画像を記録することが可能なインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すわなち、本発明によれば、顔料、及び第1の樹脂粒子を含有するインクを記録媒体に付与する工程と、第2の樹脂粒子を含有し、前記インクと反応する反応液を、前記インクを前記記録媒体に付与する前に、前記インクを付与する領域と少なくとも一部で重なるように前記記録媒体に付与する工程と、を含むインクジェット記録方法であって、前記インク中の前記第1の樹脂粒子の含有量及び前記反応液中の前記第2の樹脂粒子の含有量がいずれも9.00質量%以上であり、前記第1の樹脂粒子の平均粒径が220nm以上600nm以下であり、前記顔料の平均粒径が50nm以上210nm以下であり、前記第2の樹脂粒子の平均粒径が30nm以上200nm以下であり、前記第2の樹脂粒子の平均粒径<前記顔料の平均粒径の関係を満たすことを特徴とするインクジェット記録方法が提供される。
本発明によれば、光学濃度が高く、記録後短時間での耐擦過性を満足できる画像を記録することが可能なインクジェット記録方法を提供することができる。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。なお、本明細書においては、インクジェット用のインクのことを、単に「インク」と記載することがある。また、物性値は、特に断りのない限り、常温(25℃)における値である。以下、顔料、及び第1の樹脂粒子を含有するインクにより記録媒体に形成される層を「インク層」と記載することがある。また、第2の樹脂粒子を含有する反応液により記録媒体に形成される層を「反応液層」と記載することがある。インク層は主に顔料及び第1の樹脂粒子の凝集物で形成され、反応液層は主に第2の樹脂粒子の凝集物で形成される。記録媒体に記録される画像は、このようにして形成される「反応液層及びインク層」で構成され、これを「画像層」と呼ぶことがある。なお、インクと反応液は互いに反応を生じるため、通常、インク層及び反応液層の境界は不明確となる傾向にある。
本発明者らは、まず、記録後短時間での画像の耐擦過性を向上させる条件について検討を行った。その結果、次の(1)及び(2)の2つの条件をともに達成することが重要であるとの結論に達した。
(1)記録後短時間での画像層に含まれる液体成分を速やかに分離する、つまり、固液分離を促進すること。
(2)顔料及び樹脂粒子の凝集力を高め、さらに、顔料及び樹脂粒子の凝集物と記録媒体との結着力を高めること。
顔料インクを用いた2液反応システムにおいて、上記条件(1)を達成するためには、インク及び反応液中の顔料や樹脂粒子などの固形分を一定量以上として液体成分を減らすこと、並びにインク層に含まれる液体成分の浸透を促進することが必要である。また、上記条件(2)を達成するためには、インク及び反応液に樹脂粒子を一定量以上含有させることが必要である。
本発明者らは、従来技術を参考に、顔料及び樹脂粒子を含有するインクと、反応剤及び樹脂粒子を含有する反応液を併用する2液反応システムによる、記録後短時間での耐擦過性の検討を行った。
まず、本発明者らは、特許文献1を参考に、平均粒径が100nmの樹脂分散顔料を顔料の含有量として4.0質量%、及び平均粒径が100nmのノニオン性樹脂粒子を3.3質量%含有するインクを準備した。また、平均粒径が100nmのノニオン性樹脂粒子を3.3質量%、及び2−ピロリドン−5−カルボン酸(反応剤)を20.0質量%含有する反応液を準備した。そして、記録媒体への付与順序を反応液、インクの順とし、インクを付与する領域と少なくとも一部で重なるように反応液を記録媒体に付与して画像の記録を行い、記録してから3分後の画像の耐擦過性を調べた。その結果、求められるレベルでの耐擦過性は得られなかった。この理由について、本発明者らは、記録してから3分後では、上記(2)の顔料及び樹脂粒子の凝集力を高められていないためと推測している。
そこで、本発明者らは、顔料及び樹脂粒子の凝集力を高めるために、特許文献2を参考に、反応剤にアニオン性樹脂粒子を使用した検討を行った。平均粒径が100nmの樹脂分散顔料を顔料の含有量として4.0質量%、及び平均粒径が100nmのアクリル系樹脂粒子を4.0質量%含有するインクを準備した。また、リン酸基が導入された平均粒径が100nmの樹脂粒子(反応剤)を2.5質量%含有する反応液を準備した。そして、上述のインク及び反応液の記録媒体への付与と同様の操作によって画像を記録し、記録してから3分後の画像の耐擦過性を調べた。しかし、求められるレベルでの耐擦過性は得られなかった。確かに、インク中の顔料や樹脂粒子と、反応剤との反応性は高まったと考えられる。但し、この方法では、記録3分後では画像層から液体成分を十分に分離できず、結果として顔料及び樹脂粒子の凝集力を高められていないと推測される。
さらに、本発明者らは、特許文献3のように、反応液を付与した後に液体成分を除去する乾燥工程を導入した検討を行った。平均粒径が100nmの樹脂粒子を8.0質量%、及び平均粒径が100nmの顔料を4.0質量%含有するインク、並びに平均粒径が100nmの樹脂粒子を4.0質量%、及びマロン酸(反応剤)を含有する反応液を準備した。記録媒体に反応液を付与した後に乾燥炉を通過させ、反応液中の液体成分の一部を蒸発させ、反応液中の樹脂粒子を皮膜化させた。その後、反応液を付与した領域と少なくとも一部で重なるようにインクを付与し記録を行った。そして、記録してから3分後の画像の耐擦過性を評価した結果、求められるレベルでの耐擦過性は得られなかった。これは、反応液中の樹脂粒子が記録媒体の表面で皮膜化し、その上に付与されたインク中の液体成分の記録媒体への浸透が遮断されたため、画像層から液体成分を十分に分離できず、顔料及び樹脂粒子の凝集力を高められなかったためと推測される。
ここで、本発明者らは、画像層から液体成分を速やかに分離するために、インク及び反応液に樹脂粒子を多く含有させることで、インク及び反応液中の液体成分の含有量を少なくしたインク及び反応液を用いて検討を行った。平均粒径が100nmの樹脂粒子を10.0質量%、及び平均粒径が100nmの顔料を4.0質量%含有したインク、並びに平均粒径が100nmの樹脂粒子を10.0質量及び多価金属塩を含有した反応液を準備した。そして、付与順序を反応液、インクの順とし、インクを付与する領域と少なくとも一部で重なるように反応液を記録媒体に付与して記録を行い、記録してから3分後の画像の耐擦過性を評価した。その結果、依然として、耐擦過性は求められるレベルに達していなかった。
本発明者らは、液体成分の浸透をさらに促進するための検討を行った。2液反応システムでは通常記録媒体として普通紙を用いるが、普通紙の密度は不均一であり、液体成分が浸透しやすい部分と浸透しにくい部分が存在する。液体成分が浸透しにくい部分に反応液とインクが付与されると、インク層から液体成分が速やかに分離できず、記録後短時間での高いレベルの耐擦過性が得られない。検討の結果、画像層、特にインク層から液体成分を速やかに分離し、浸透させるためには、普通紙の表面に液体成分が浸透しやすい層、つまり、強い毛細管力をもつ層を形成することが重要であるとの結論に至った。毛細管力を高めるためには、液体成分が入りこむ「空隙の半径」を小さくすることが有効である。インク層の平均空隙半径よりも平均空隙半径の小さい層を予め普通紙上に形成することで、インク層から空隙半径が小さい層へ毛細管力が作用し、インク層に含まれる液体成分が空隙半径の小さい層へ移動する。
ここで、毛細管現象とは繊維と繊維などの「空隙」のような細い空間を、重力や上下左右に関係なく液体が浸透していく現象である。具体的には、液体中に細管を立てた場合、管内表面に対する液体の付着力と表面張力との作用で、管内の液体面が管外の液面より上昇又は下降する現象である。本明細書における「平均空隙半径」とは、その空隙を円柱と仮定したときの、その円柱の底辺の平均半径を意味する。そして、毛細管現象によって液体が上昇する高さhは、下記式1から算出できることが知られている。
Figure 2017222143
(T=表面張力(N/m)、θ=接触角、ρ=液体の密度(kg/m3)、g=重力加速度(m/s2)、r=管の半径(平均空隙半径)(m))
式1より、インク及び反応液の組成を固定した場合、毛細管力によって液体が上昇する高さhは、管の半径(平均空隙半径)に依存する。つまり、インク層の平均空隙半径よりも記録媒体側に形成した層の平均空隙半径が小さいと、インク層から記録媒体側に形成した層に向かう毛細管力が生じる。そのため、インク層中の液体成分が記録媒体側に形成した空隙半径の小さい層に移動しやすくなり、固液分離が促進されると推測される。
したがって、インク層よりも記録媒体側に形成した層の平均空隙半径を小さくすることで、インク層に含まれる液体成分の浸透を促進する方向の毛細管力を生じさせることができる。
画像層内の平均空隙半径を調整するためには、層を構成する粒子の大きさを変えることが有効である。大きな粒子で構成される層の空隙半径は大きくなり、また、小さな粒子で構成される層の空隙半径は小さくなる。具体的には、インクよりも先に記録媒体に付与する反応液中の樹脂粒子の平均粒径を、インク中の樹脂粒子及び顔料の各平均粒径よりも相対的に小さくする。これにより、反応液層の空隙半径がインク層の空隙半径よりも小さくなり、インク層から反応液層へ向かう毛細管力が生じ、インク層からの液体成分の分離を促進することができる。
次に、本発明を構成する個々の要素について説明する。前述の記録後短時間での画像の耐擦過性を向上させる2つの条件をともに達成するために、インクには樹脂粒子を9.00質量%以上含有させる。インクが樹脂粒子を9.00質量%以上含有することで、インク中の液体成分の総量が減ることとなり、インク層からの液体成分の分離を促進するだけでなく、樹脂粒子の凝集によってインク層の凝集力の向上に寄与する。インク中の樹脂粒子の含有量が9.00質量%より少ないと、インク層の液体成分が増えることとなり、インク層から液体成分を速やかに分離することができず、記録後短時間での耐擦過性が得られない。
また、反応液には樹脂粒子を9.00質量%以上含有させる。反応液が樹脂粒子を9.00質量%以上含有することにより、記録媒体の表面に反応液層を形成することができ、その反応液層による強い毛細管力が得られ、インク層の液体成分を反応液層へと速やかに移動させることができる。さらに、記録媒体とインク層の間に形成された反応液層が、インク層と記録媒体との結着性を高め、記録媒体からのインク層の剥離を抑制することができる。反応液中の樹脂粒子の含有量が9.00質量%より少ない場合には、記録媒体の表面に反応液層を形成することができないため、毛細管力が得られず、また、インク層と記録媒体との結着性を高められず、記録後短時間での耐擦過性が得られない。一方、インク及び反応液中の樹脂粒子の含有量は、いずれも30.00質量%以下であることが好ましい。インク及び反応液中の樹脂粒子の含有量が30.00質量%を超えると、系内の粘度が高まり、安定して吐出ができない場合があるためである。
インク層から反応液層に毛細管力を作用させるためには、インク層の平均空隙半径よりも反応液層の平均空隙半径を小さくする必要がある。そのためには、反応液中の樹脂粒子の平均粒径をインク中の樹脂粒子及び顔料の平均粒径よりも相対的に小さくする必要がある。具体的には、インク中の樹脂粒子の平均粒径が220nm以上600nm以下であり、顔料の平均粒径が50nm以上210nm以下であり、反応液中の樹脂粒子の平均粒径が30nm以上200nm以下であることを要する。かかる平均粒径の範囲において、さらに、反応液中の樹脂粒子の平均粒径<顔料の平均粒径の関係を満たすことが必要である。以下、インクに含有させる平均粒径が220nm以上600nm以下の樹脂粒子を「第1の樹脂粒子」と記載することがあり、反応液に含有させる平均粒径が30nm以上200nm以下の樹脂粒子を「第2の樹脂粒子」と記載することがある。
反応液中の第2の樹脂粒子の平均粒径が30nm未満の場合には、第2の樹脂粒子が記録媒体に浸透し、反応液層を形成できないため、毛細管力を作用させることができず、記録後短時間での耐擦過性は得られない。また、反応液中の第2の樹脂粒子の平均粒径が200nmより大きい場合には、反応液層の平均空隙半径を小さくすることができず、毛細管力を高めることができず、記録後短時間での耐擦過性が求められるレベルでは得られない。
また、インク中の第1の樹脂粒子の平均粒径が220nm未満の場合には、インク層の平均空隙半径が小さく、インク層の毛細管力が高まるため、インク層に液体成分が留まり、記録後短時間での耐擦過性が得られない。また、インク中の第1の樹脂粒子の平均粒径が600nmより大きいと、安定して吐出できない場合がある。
高い光学濃度を得るためには、インク中の顔料の平均粒径を50nm以上とする必要がある。一方、インク中の顔料の平均粒径が210nmよりも大きいと、安定して吐出できない場合がある。
本明細書において、樹脂粒子及び顔料の「平均粒径」は、体積基準の粒度分布における累積50%となる粒子径(D50)を意味する。樹脂粒子及び顔料の平均粒径は、例えば、マイクロトラックUPA150(日機装製)を使用して、粒子径分布の体積50%累積値(D50)を測定することで求めることができる。
また、本明細書において、「樹脂粒子」とは、水性媒体中に分散し、粒径を有する状態で水性媒体中に存在し得る樹脂を意味する。つまり、樹脂粒子はインク中や反応液中に分散した状態、すなわち、樹脂エマルションの状態で存在する。
ある樹脂が「樹脂粒子」であるか否かについては、以下に示す方法にしたがって判断することができる。まず、酸価相当のアルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)により中和された樹脂を含む液体(樹脂固形分:10質量%)を用意する。次いで、用意した液体を純水で10倍(体積基準)に希釈して試料溶液を調製する。そして、試料溶液中の樹脂の粒径を動的光散乱法により測定した場合に、粒径を有する粒子が測定された場合に、その樹脂は「樹脂粒子」であると判断することができる。この際の測定条件は、例えば、SetZero:30秒、測定回数:3回、測定時間:180秒、形状:真球形、屈折率:1.59、とすることができる。粒度分布測定装置としては、動的光散乱法による粒度分析計(例えば、商品名「UPA−EX150」、日機装製)などを使用することができる。勿論、使用する粒度分布測定装置や測定条件などは上記に限られるものではない。なお、後述の実施例で使用した樹脂粒子及び顔料の各平均粒径(D50)も上述の粒度分析計を用いて上述の条件で測定した。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、顔料及び第1の樹脂粒子を含有するインクを記録媒体に付与する工程と、第2の樹脂粒子を含有するとともにインクと反応する反応液を記録媒体に付与する工程とを含む。この記録方法では、インクを記録媒体に付与する前に、インクを付与する領域と少なくとも一部で重なるように反応液を記録媒体に付与する。本発明における「記録」とは、特に、浸透性の記録媒体にインク及び反応液を用いて記録することを意味する。浸透性の記録媒体としては、例えば、普通紙を挙げることができる。
反応液の記録媒体への付与手段としては、インクジェット方式、ローラ塗布方式、及びバーコーティング方式などが挙げられる。また、インクの記録媒体への付与は、インクジェット方式にて行う。インクジェット方式としては、記録信号に応じて、インクジェット方式により記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させて記録媒体に記録を行う方法が好ましい。インクジェット方式により記録ヘッドの吐出口からインクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。特に、インクに熱エネルギーを作用させて記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させる方式のインクジェット記録方法がより好ましい。
上述の通り、本発明のインクジェット記録方法は、インクを付与する領域と少なくとも一部で重なるように記録媒体に反応液を付与する工程(以下、「工程A」)と、インクを記録媒体に付与する工程(以下、「工程B」)とを有する。そして、本方法では、工程Aの後に工程Bを行う。工程Aの後に工程Bを行うことにより、高い光学濃度と記録後短時間での耐擦過性の両立が可能となる。工程Bの後に工程Aを行うと、高い光学濃度が得られない。以下、本発明のインクジェット記録方法に用いるインク及び反応液について説明する。
[インク]
(第1の樹脂粒子)
インクは、平均粒径が220nm以上600nm以下である第1の樹脂粒子を含有する。インク中の第1の樹脂粒子の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、9.00質量%以上である必要があり、好ましくは9.00質量%以上30.00質量%以下、より好ましくは9.00質量%以上20.00質量%以下である。
また、インク中の第1の樹脂粒子の含有量(質量%)は、インク中の顔料の含有量(質量%)に対する質量比率で1.0倍以上であることが好ましい。インク中の顔料の含有量に対する樹脂粒子の含有量の比率が1.0倍未満の場合、顔料を覆うための樹脂量が不足し、記録後短時間での耐擦過性が低下する場合がある。インク中の顔料の含有量(質量%)に対する第1の樹脂粒子の含有量(質量%)の質量比率は、10.0倍以下であることが好ましい。
樹脂粒子に適用できる樹脂としては、特に限定されず、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、及びポリオレフィン樹脂などを挙げることができる。これらの樹脂の1種又は2種以上を用いることができる。また、同一系統の樹脂を組み合わせて用いてもよく、異なる系統の樹脂を組み合わせて用いてもよいが、樹脂粒子は、不飽和単量体の乳化重合によって得られた樹脂粒子の形態で含有されていることが好ましい。樹脂粒子は、公知の乳化重合法により得ることができる。例えば、不飽和単量体(不飽和ビニルモノマーなど)を、必要に応じて重合開始剤や界面活性剤を存在させた水中において乳化重合することによって得ることができる。
不飽和単量体としては、一般に乳化重合で使用されるものを挙げることができる。不飽和単量体の具体例としては、メチル(メタ)アリレート、エチル(メタ)アリレート、イソプロピル(メタ)アリレート、n−ブチル(メタ)アリレート、イソブチル(メタ)アリレート、n−アミル(メタ)アリレート、イソアミル(メタ)アリレート、n−ヘキシル(メタ)アリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アリレート、オクチル(メタ)アリレート、デシル(メタ)アリレート、ドデシル(メタ)アリレート、オクタデシル(メタ)アリレート、シクロヘキシル(メタ)アリレート、フェニル(メタ)アリレート、ベンジル(メタ)アリレート、及びグリシジル(メタ)アリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル単量体;酢酸ビニルなどのビニルエステル単量体;アクリロニトリル及びメタクリロニトリルなどのビニルシアン化合物;塩化ビニリデン及び塩化ビニルなどのハロゲン化単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、4−t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、及びビニルナフタレンなどの芳香族ビニル単量体;エチレン及びプロピレンなどのオレフィン単量体;ブタジエン及びクロロプレンなどのジエン単量体;ビニルエーテル、ビニルケトン、及びビニルピロリドンなどのビニル単量体;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、及びマレイン酸などの不飽和カルボン酸;アクリルアミド、メタクリルアミド、及びN,N’−ジメチルアクリルアミドなどのアクリルアミド;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、及び2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのヒドロキシ基含有単量体;並びにメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、及びポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのエチレンオキサイド基を有する化合物などを挙げることができる。これらの単量体を単独又は2種以上混合して使用することができる。また、重合可能な二重結合を二つ以上有する架橋性単量体も使用することができる。
また、樹脂粒子は、インクの保存安定性向上の観点から、系内に分散させるための官能基として、ノニオン性基、アニオン性基、又はそれらの両方を有することが好ましい。さらに、樹脂粒子としては、単層構造及び多層構造(コアシェル型)のいずれのものも使用することができる。
インク中の第1の樹脂粒子の表面電荷量は50μmol/g以上600μmol/g以下であることがより好ましい。第1の樹脂粒子の表面電荷量が50μmol/g未満であると、電荷反発が少なく、顔料との衝突頻度が高まり、分散不安定となり、安定して吐出ができない場合がある。第1の樹脂粒子の表面電荷量が600μmol/gよりも高いと、電荷量が多く、反応液との反応が遅くなり、記録後短時間での耐擦過性が低下する場合がある。
(顔料)
インクは、色材として顔料を含有する。インクが含有する顔料の平均粒径は50nm以上210nm以下であり、かつ、後述する反応液中の第2の樹脂粒子の平均粒径よりも大きいことが必要である。インク中の顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、1.00質量%以上15.00質量%以下であることが好ましく、2.00質量%以上10.00質量%以下であることがさらに好ましい。
顔料の種類は特に限定されず、公知の無機顔料や有機顔料をいずれも用いることができる。具体的には、例えば、炭酸カルシウム、酸化チタン、カーボンブラックなどの無機顔料、アゾ、フタロシアニン、キナクドリンなどの有機顔料が挙げられる。
顔料の分散方法としては、分散剤としてアニオン性基を有する樹脂を用いる樹脂分散タイプの顔料や、顔料粒子の表面にアニオン性基が直接又は他の原子団を介して結合した自己分散タイプの顔料(自己分散顔料)を用いる方法が挙げられる。樹脂分散タイプの顔料としては、樹脂分散剤を使用した樹脂分散顔料、顔料粒子の表面を樹脂で被覆したマイクロカプセル顔料、及び顔料粒子の表面に樹脂を含む有機基が化学的に結合した樹脂結合型の顔料などを用いることができる。分散方法の異なる顔料を併用することも可能である。
アニオン性基を有する樹脂としては、アクリル酸やメタクリル酸などのカルボキシ基を有するモノマーを用いて重合したアクリル系樹脂;ジメチロールプロピオン酸などのアニオン性基を有するジオールを用いて重合したウレタン系樹脂などが挙げられる。樹脂分散顔料を用いる場合は、樹脂の酸価は90mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であることが好ましい。樹脂のGPCにより得られるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、1,000以上15,000以下であることが好ましい。また、インク中の分散剤として用いる樹脂の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.50質量%以上5.00質量%以下であることが好ましい。
インクに使用する顔料が、顔料粒子の表面にアニオン性基が直接又は他の原子団を介して結合した自己分散顔料である場合、アニオン性基としては、−COOM、−SO3M、及び−PO32からなる群より選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。式中のMは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。他の原子団としては、炭素数1乃至6程度のアルキレン基、フェニレン基やナフチレン基などのアリーレン基、アミド基、スルホン基、イミノ基、カルボニル基、エステル基、及びエーテル基などを挙げることができる。また、これらの基を組み合わせた基などを挙げることができる。前記式中、Mで表されるアルカリ金属の具体例としては、Li、Na、Kなどを挙げることができる。アニオン性基が塩を形成している場合、インク中の塩は、その一部が解離した状態又は全てが解離した状態のいずれであってもよい。
顔料粒子の表面にアニオン性基が直接結合した自己分散顔料は、次亜塩素酸ソーダなどの次亜塩素酸塩やオゾンによる酸化処理を施した後に酸化剤により湿式酸化し、粒子表面を改質するなどの方法によって得られるものなどを挙げることができる。他の分散方式の顔料(例えば、樹脂分散顔料、マイクロカプセル顔料、樹脂結合型自己分散顔料など)や染料をさらに併用してもよい。
(インクの表面張力)
インクの表面張力は、26mN/m以上43mN/m以下とすることができ、27mN/m以上35mN/m以下であることがより好ましい。インクの表面張力が27mN/m未満であると、インクが記録媒体に浸透しすぎ、顔料が記録媒体の表面上に効率的に存在せず、光学濃度が低下する場合がある。一方、インクの表面張力が35mN/mよりも高いと、インク中の液体成分が浸透しにくくなり、記録後短時間での耐擦過性が低下する場合がある。
インクの表面張力の調整は、インクに含有させることが可能な後述の水溶性有機溶剤及び界面活性剤の種類や含有量を適宜決定することにより行うことができる。後述の界面活性剤の中でも、インクの表面張力を好適な範囲に調整するために、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物を用いることが特に好ましい。インクの表面張力は、白金プレート法により測定した25℃における静的表面張力である。
(インクの粘度)
インクの粘度は、1.5mPa・s以上15.0mPa・s以下がより好ましい。インクの粘度が1.5mPa・s未満であると、インクを長期間保存した場合、顔料や樹脂粒子が沈降する場合がある。また、インクの粘度が15.0mPa・sより高いと、粘度が高すぎるため、安定して吐出しにくくなる場合がある。
[反応液]
(第2の樹脂粒子)
反応液は、平均粒径が30nm以上200nm以下である第2の樹脂粒子を含有する。記録媒体に反応液層を形成するために、反応液には粒度分布の狭い第2の樹脂粒子を使用することが好ましい。具体的には、第2の樹脂粒子の粒子径分布において、体積10%累積値(D10)を体積50%累積値(D50)で割った値が0.1以上であり、体積90%累積値(D90)を体積50%累積値(D50)で割った値が3以下であることがより好ましい。例えば、マイクロトラックUPA150(日機装製)を使用して、D10、D50、D90を求めることができる。
反応液中の第2の樹脂粒子の含有量は、反応液の全質量を基準として、9.00質量%以上である必要があり、好ましくは9.00質量%以上30.00質量%以下、より好ましくは9.00質量%以上20.00質量%以下である。
反応液に含有させる第2の樹脂粒子に適用できる樹脂の種類、その樹脂を構成する単量体成分、合成方法、及び構造などは、前述のインクに含有させる第1の樹脂粒子の説明で述べたことと同様である。
反応液中の第2の樹脂粒子はマイナスの電荷を有し、その表面電荷量が10μmol/g以下であり、かつ、反応液が多価金属塩を含有することがより好ましい。第2の樹脂粒子にアニオン性基を持たせること、つまり、第2の樹脂粒子の表面電荷量を0μmol/gより高くすることで、反応剤である多価金属塩による多価金属イオンと第2の樹脂粒子由来のアニオン性基とが相互作用し、第2の樹脂粒子間で架橋が生じる。そして、第2の樹脂粒子間で架橋構造が形成されることで、樹脂粒子の記録媒体への浸透が抑制され、より強い毛細管力をもつ樹脂粒子の密な層が形成され、記録後短時間での耐擦過性が向上する。また、第2の樹脂粒子の表面電荷量が10μmol/gより高い場合、反応液系内で第2の樹脂粒子の分散状態が不安定化し、安定して吐出できない場合がある。
(反応剤)
反応液は、インクと反応する反応剤を含有することができ、インク中の顔料及び第1の樹脂粒子の分散状態を不安定化させる反応剤を含有することがより好ましい。反応剤を含有する反応液を使用することにより、インク中にイオン性基の作用によって水性媒体に分散している顔料や第1の樹脂粒子の分散状態を記録媒体において不安定化させることによって、凝集を促進することができる。反応剤としては、多価金属塩及び有機酸などを挙げることができ、上述した多価金属イオンと第2の樹脂粒子由来のアニオン性基との相互作用による効果の観点から、多価金属塩を使用することが好ましい。
水溶性の多価金属塩を添加すると、反応液では、多価金属塩の少なくとも一部が多価金属イオンとアニオンとに解離して存在する。多価金属イオンとしては、例えば、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+、Sr2+、及びBa2+などの2価の金属イオン;Al3+、Fe3+、Cr3+、及びY3+などの3価の金属イオンが挙げられる。インク中の顔料や樹脂粒子のアニオン性基と強いイオン反応を生じるような、凝集性の強い多価金属イオンを用いることが好ましい。このため、多価金属イオンとしては、Ca2+、Al3+、及びY3+からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、中でもCa2+が特に好ましい。
多価金属イオン(カチオン)とともに多価金属塩を形成する対イオン(アニオン)としては、例えば、Cl-、Br-、I-、ClO-、ClO2 -、ClO3 -、ClO4 -、NO2 -、NO3 -、SO4 2-、CO3 2-、PO4 3-、HPO4 2-、及びH2PO4 -などの無機アニオン;HCO3 -、HCOO-、(COO-2、COOH(COO-)、CH3COO-、C24(COO-2、C65COO-、C64(COO-2、及びCH3SO4 -などの有機アニオンが挙げられる。反応液を構成する水性媒体への溶解性が優れているため、対イオンがNO3 -であることが特に好ましい。これらのことから、反応液を調製する際には、Ca(NO32を用いることが特に好ましい。多価金属塩は水和物の形態で使用してもよい。
反応剤として有機酸を用いる場合、反応液は、酸性領域、つまり、pH7.0未満のpH領域に緩衝能を有することが好ましい。酸性領域にpH緩衝能を有する反応液とするためには、酸性領域にpH緩衝能を有する有機酸を反応液に含有させることが好ましい。反応液中の有機酸の含有量(質量%)は、反応液全質量を基準として、1.00質量%以上15.00質量%以下であることが好ましい。
反応液に緩衝能を持たせるためには、具体的には、以下に挙げるようなカルボキシ基を有する有機酸を使用することが好ましい。例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、及び酪酸などのモノカルボン酸の塩;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ピロメリット酸、及びトリメリット酸などのジカルボン酸の塩や水素塩;クエン酸などのトリカルボン酸の塩や水素塩;並びにオキシコハク酸、DL−リンゴ酸、及び酒石酸などのヒドロキシカルボン酸の塩などが挙げられる。塩を形成するカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、及びカリウムなどのアルカリ金属イオンが挙げられる。これらの中でも、水への溶解度が高い有機酸を用いることが好ましい。そのような有機酸としては、酢酸塩及びプロピオン酸塩などのモノカルボン酸の塩、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、及びクエン酸などの多価カルボン酸の塩や水素塩、リンゴ酸及び酒石酸などのヒドロキシカルボン酸の塩などが挙げられる。
反応液は、カルボキシ基を有する有機酸を含有し、かつ、反応液のpHが3.5以上5.5以下であることが好ましい。反応液のpHが低すぎると、記録装置を構成する部材に腐食を生じさせやすい場合があるため、反応液のpHは3.5以上が好ましい。一方、反応液のpHが5.5以下であると、インク中の顔料や樹脂粒子を急激に不溶化させることができ、より高いレベルの光学濃度を得ることができる。
(反応液の表面張力)
反応液の表面張力は、26mN/m以上43mN/m以下とすることができ、27mN/m以上35mN/m以下であることがより好ましい。反応液の表面張力が27mN/m未満であると、反応液が記録媒体に浸透しすぎ、反応が生じにくくなるため、顔料が記録媒体の表面上に効率的に存在せず、光学濃度が低下する場合がある。一方、反応液の表面張力が35mN/mよりも高いと、反応液中の液体成分が記録媒体へ浸透しにくくなり、その結果、液体成分がインク層から反応液層へ移動しにくくなるため、記録後短時間での耐擦過性が低下する場合がある。
反応液の表面張力の調整は、反応液に含有させることが可能な後述する水溶性有機溶剤及び界面活性剤の種類や含有量を適宜決定することにより行うことができる。後述する界面活性剤の中でも、反応液の表面張力を好適な範囲に調整するために、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物を用いることが好ましい。反応液の表面張力は、白金プレート法により測定した25℃における静的表面張力である。
[インク及び反応液のその他の成分]
インク及び反応液は、上述した成分以外にも、インクジェット用のインク及び反応液に一般的に使用される、界面活性剤、水性媒体、及びそれら以外のその他の添加剤などを含有することができる。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アセチレングリコール系化合物、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、及びポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体などのノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ベタイン系化合物などの両性界面活性剤、フッ素系化合物などのフッ素系界面活性剤、並びにシリコーン系化合物などのシリコーン系界面活性剤を挙げることができる。
インク中の界面活性剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.10質量%以上2.50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.30質量%以上2.50質量%以下である。反応液中の界面活性剤の含有量(質量%)は、反応液全質量を基準として、0.01質量%以上2.00質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.10質量%以上2.00質量%以下である。インク及び反応液には、1種又は2種以上の界面活性剤を含有させることができ、2種以上の界面活性剤が用いられる場合の上記好適な含有量(質量%)は、界面活性剤の総量である。
(水性媒体)
インク及び反応液はいずれも、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒を水性媒体として含有することが好ましい。水としては、脱イオン水やイオン交換水を用いることが好ましい。特に、インク及び反応液は、水性媒体として少なくとも水を含有する水性の液体であることが好ましい。インク全質量を基準としたインク中の水の含有量、及び反応液全質量を基準とした反応液中の水の含有量は、25.00質量%以上95.00質量%以下であることが好ましく、より好ましくは50.00質量%以上95.00質量%以下である。
また、水溶性有機溶剤としては、インクジェット用のインクや反応液に一般的に使用される公知のものをいずれも用いることができ、さらに1種又は2種以上の水溶性有機溶剤を用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量、及び反応液中の水溶性有機溶剤の含有量は、インク又は反応液の全質量を基準として、3.00質量%以上70.00質量%以下であることが好ましく、より好ましくは3.00質量%以上50.00質量%以下である。
(その他の添加剤)
インク及び反応液には、上記成分の他に、尿素、尿素誘導体、トリメチロールプロパン、及びトリメチロールエタンなどの常温で固体の水溶性有機化合物を含有させてもよい。また、必要に応じて、インクには、水溶性樹脂を含有させてもよく、水溶性樹脂の溶解性を向上させるために、塩基を含有させてもよい。さらに、必要に応じて所望の物性値を得るために、インク及び反応液は、高分子化合物、pH調整剤、消泡剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート剤などの種々の添加剤を含有していてもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準(それぞれ「質量部」及び「質量%」)である。
<樹脂粒子の合成>
撹拌機、還流冷却装置、及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、50.0部の水を添加した後、反応系に窒素ガスを導入し、撹拌下で80℃に昇温させた。界面活性剤(Nikkol BC20、日光ケミカルズ製)、表1に示したモノマー及び水50.0部を混合し、モノマーの乳化物を得た。上記のフラスコに、乳化物と5%の過硫酸カリウム水溶液10.0部を3時間かけて滴下した。そして、エージングを2時間行った後、適量のイオン交換水を添加して、樹脂粒子の含有量が40.0%、pHが8.5の樹脂粒子の水分散液を得た。
樹脂粒子の平均粒径は、マイクロトラックUPA−EX150(日機装製)によって得られる体積平均粒径の50%累計値(D50)とした。樹脂粒子の表面電荷量は、京都電子工業製の電位差自動的定装置「AT−510」に流動電位滴定ユニット「PCD−500」を用い、滴定試薬としてメチルグリコールキトサンを用いた電位差滴定により測定した。結果を表1に示す。
Figure 2017222143
表1に示す略記は以下の通りである。
St:スチレン
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
BA:n−ブチルアクリレート
EMA:エチルメタクリレート
(EO)A:メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレンオキサイド基のモル数:10)
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
<顔料分散液の調製>
(顔料分散液1)
カーボンブラック10.0部、酸価が200mgKOH/gで重量平均分子量が10,000のスチレン−アクリル酸共重合体を5.0%水酸化ナトリウム水溶液で中和した樹脂10.0部、水35.0部を混合した。カーボンブラックとしては、比表面積が254m2/gでDBP吸油量が180mL/100gであるものを用いた。この混合物を、サンドグラインダーを用いて60分間分散した後、遠心分離処理を行って粗大粒子を除去し、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過を行った。上記の方法により、カーボンブラックが樹脂分散剤により水中に分散された状態の顔料分散液1を得た。上記で得られた顔料分散液1中の顔料の含有量は20.0%、樹脂分散剤の含有量は10.0%、顔料分散液1のpHは10.0であり、顔料の粒子径分布の体積50%累積値(D50)は120nmであった。
(顔料分散液2)
5.5gの水に5gの濃塩酸を溶かした溶液に、5℃に冷却した状態で4−アミノ−1,2−ベンゼンジカルボン酸1.8gを加えた。次に、この溶液の入った容器をアイスバスに入れて液を撹拌することにより溶液を常に10℃以下に保った状態にし、これに5℃の水9gに亜硝酸ナトリウム1.8gを溶かした溶液を加えた。この溶液をさらに15分間撹拌後、比表面積が254m2/gでDBP吸油量が180mL/100gであるカーボンブラック6gを撹拌下で加えた。その後、さらに15分間撹拌した。得られたスラリーをろ紙(商品名:標準用濾紙No.2;アドバンテック製)でろ過した後、粒子を十分に水洗し、110℃のオーブンで乾燥させ、自己分散型カーボンブラックを調製した。さらに、上記で得られた自己分散型カーボンブラックに水を加え、顔料の含有量が20.0%である顔料分散液を調製した。上記の方法により、カーボンブラックの粒子表面に−C63−(COONa)2基が結合している自己分散型カーボンブラックが水中に分散された状態の顔料分散液2を得た。顔料分散液2における顔料の粒子径分布の体積50%累積値(D50)は120nmであった。
(顔料分散液3)
顔料をC.I.ピグメントブルー15:3に変えた以外は、前述の顔料分散液1の場合と同様の手順により、C.I.ピグメントブルー15:3が樹脂分散剤により水中に分散された状態の顔料分散液3を得た。顔料分散液3中の顔料の含有量は20.0%、樹脂分散剤の含有量は10.0%、顔料分散液3のpHは10.0であり、粒子径分布の体積50%累積値(D50)は120nmであった。
(顔料分散液4)
顔料をC.I.ピグメントレッド122に変えた以外は、前述の顔料分散液1の場合と同様の手順により、C.I.ピグメントレッド122が樹脂分散剤により水中に分散された状態の顔料分散液4を得た。顔料分散液4中における顔料の含有量は20.0%、樹脂分散剤の含有量は10.0%、顔料分散液4のpHは10.0であり、粒子径分布の体積50%累積値(D50)は120nmであった。
(顔料分散液5)
顔料をC.I.ピグメントイエロー74に変えた以外は、前述の顔料分散液1の場合と同様の手順により、C.I.ピグメントイエロー74が樹脂分散剤により水中に分散された状態の顔料分散液5を得た。顔料分散液5中における顔料の含有量は10.0%、樹脂分散剤の含有量は10.0%、顔料分散液5のpHは10.0であり、粒子径分布の体積50%累積値(D50)は120nmであった。
(顔料分散液6)
サンドグラインダーによる分散時間を180分に変えた以外は、前述の顔料分散液1の場合と同様の手順により、カーボンブラックが樹脂分散剤により水中に分散された状態の顔料分散液6を得た。顔料分散液6中における顔料の含有量は20.0%、樹脂分散剤の含有量は10.0%、顔料分散液6のpHは10.0であり、粒子径分布の体積50%累積値(D50)は50nmであった。
(顔料分散液7)
サンドグラインダーによる分散時間を30分に変えた以外は、前述の顔料分散液1の場合と同様の手順により、カーボンブラックが樹脂分散剤により水中に分散された状態の顔料分散液7を得た。顔料分散液7中における顔料の含有量は20.0%、樹脂分散剤の含有量は10.0%、顔料分散液7のpHは10.0であり、粒子径分布の体積50%累積値(D50)は210nmであった。
(顔料分散液8)
サンドグラインダーによる分散時間を200分に変えた以外は、前述の顔料分散液1の場合と同様の手順により、カーボンブラックが樹脂分散剤により水中に分散された状態の顔料分散液8を得た。顔料分散液8中における顔料の含有量は20.0%、樹脂分散剤の含有量は10.0%、顔料分散液8のpHは10.0であり、粒子径分布の体積50%累積値(D50)は49nmであった。
(顔料分散液9)
サンドグラインダーによる分散時間を27分に変えた以外は、前述の顔料分散液1の場合と同様の手順により、カーボンブラックが樹脂分散剤により水中に分散された状態の顔料分散液9を得た。顔料分散液9中における顔料の含有量は20.0%、樹脂分散剤の含有量は10.0%、顔料分散液9のpHは10.0であり、粒子径分布の体積50%累積値(D50)は211nmであった。
<反応液の調製>
表2−1及び2−2の中段に示す各成分(単位:%)を混合して十分に撹拌した後、ポアサイズ1.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過を行い、各反応液を調製した。表中の「アセチレノールE100」は、川研ファインケミカル製の界面活性剤の商品名であり、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物である。また、表中の「ゾニールFS3100」は、デュポン製のフッ素系界面活性剤である。
Figure 2017222143
Figure 2017222143
<インクの調製>
表3−1乃至3−3の中段に示す各成分(単位:%)を混合して十分に撹拌した後、ポアサイズ1.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過を行い、各インクを調製した。調製したインクの粘度はいずれも4.5から12.0mPa・sの範囲内にあった。
Figure 2017222143
Figure 2017222143
Figure 2017222143
<評価>
表4に示すインク及び反応液を用いた。また、記録信号に応じて熱エネルギーをインクに付与することでインクを吐出させる、オンデマンド型マルチ記録ヘッドを有するインクジェット記録装置(キヤノン製の商品名「PIXUS Pro9500」)を用いて評価を行った。比較例9は、反応液を使用しないで同様の評価を行った。
上記記録装置のフォトマゼンタの位置に反応液を注入したカートリッジを装着し、インクはシアン及びレッドの位置に同じインクを注入したカートリッジを装着し、記録ヘッド2色分を使用して記録を行った。この際、記録ヘッドのスキャン方向は、ホームポジションから記録位置へ向かう動きを往方向とした。そして、実施例1〜40及び比較例1〜8では、1回のスキャンの往方向の動作において画像を記録し、帰りの復方向では記録を行わない、1パス片方向記録で記録した。この記録を行うことで、常に、反応液が付与された後にインクが記録される記録方法により記録を行った(工程A→工程B)。比較例10では、記録方法が上記と逆である1パス片方向記録で記録を行うことで(工程B→工程A)、常に、インクが付与された後に反応液が記録される記録方法により記録を行った。記録は温度23℃、相対湿度55%の環境下で行った。
反応液の付与量は、1/600dpi格子を4分割した際に千鳥格子状に2滴付与する量とした。インクの付与量はレッドインクの吐出口列で1/600dpi格子を4分割した際に千鳥格子状に3滴付与し、シアンインクの吐出口列で1/600dpi格子を4分割した際に千鳥格子状に3滴付与することで、1/600dpi格子に6滴付与する量とした。
(耐擦過性)
上記のインクジェット記録方法で、A4サイズの記録媒体に、11ptの文字である「定着」、10mm×2mm、10mm×4mm、10mm×6mmの各ベタ画像を記録した。記録媒体には、キヤノン製の商品名「PB PAPER GF−500」及びゼロックス製の商品名「4200」を用いた。上記で得られた画像を用いて、記録から3分後に、ベタ画像の上にシルボン紙及び面圧40g/cm2の分銅を置き、ベタ画像とシルボン紙を擦り合わせた。その後、シルボン紙及び分銅を取り除き、画像の尾引き汚れ具合を目視にて確認し、以下に示す評価基準にしたがって画像の耐擦過性を評価した。評価結果を表4に示す。なお、本実施例においては、耐擦過性の評価基準で「AAA」、「AA」、「A」及び「B」を許容できるレベル、「C」を許容できないレベルとした。
AAA:全ての画像において、尾引きがなかった。
AA:いずれの記録媒体においても、11ptの文字である「定着」、10mm×2mm、及び10mm×4mmのベタ画像において尾引きがないが、少なくとも一方の記録媒体において、10mm×6mmのベタ画像で尾引きが生じた。
A:いずれの記録媒体においても、11ptの文字である「定着」、及び10mm×2mmのベタ画像において尾引きがないが、少なくとも一方の記録媒体において、10mm×4mm、及び10mm×6mmのベタ画像で尾引きが生じた。
B:いずれの記録媒体においても、11ptの文字である「定着」において尾引きがないが、少なくとも一方の記録媒体において、10mm×2mm、10mm×4mm、及び10mm×6mmのベタ画像で尾引きが生じた。
C:少なくとも一方の記録媒体において、全ての画像で尾引きが生じた。
(光学濃度)
上記のインクジェット記録方法で、A4サイズの記録媒体(キヤノン製の商品名「PB PAPER GF−500」及びゼロックス製の商品名「4200」)上に、10mm×6mmのベタ画像を記録した。上記で得られた記録物を温度23℃、相対湿度55%の環境下で24時間乾燥させた後、光源:D50、視野:2°の条件で光学濃度を測定した。この際、ブラックの画像の光学濃度の測定には、マクベス濃度計(Macbeth製の商品名「Macbeth RD918」)を用いた。また、カラー(シアン、マゼンタ、イエロー)の画像の光学濃度の測定には、分光光度計(Gretag Macbeth製の商品名「Spectrolino」)を用いた。2紙の光学濃度の平均値を計算し、以下に示す評価基準にしたがって、画像の光学濃度(発色性)の評価を行った。評価結果を表4に示す。なお、以下に示す括弧内の評価基準は、インクに使用した顔料種がカーボンブラック以外の場合(ブラックの画像以外のカラーの画像)に適用した。また、本実施例においては、光学濃度の評価基準で「A」及び「B」を許容できるレベル、「C」を許容できないレベルとした。
A:光学濃度が1.3以上(1.2以上)であった。
B:光学濃度が1.1以上1.3未満(1.0以上1.2未満)であった。
C:光学濃度が1.1未満(1.0未満)であった。
Figure 2017222143
Figure 2017222143
実施例7は、反応液中の樹脂粒子の表面電荷量が10μmol/gを超えていたため、安定して吐出ができず、部分的にかすれが生じた。実施例24は、インク中の樹脂粒子の表面電荷量が50μmol/g未満であったため、安定して吐出ができず、部分的にかすれが生じた。比較例5は、インク中の顔料の粒径が大きすぎるため、安定して吐出ができず、評価ができなかった。比較例8は、インク中の樹脂粒子の粒径が大きすぎるため、安定して吐出ができず、評価ができなかった。

Claims (6)

  1. 顔料及び第1の樹脂粒子を含有するインクを記録媒体に付与する工程と、
    第2の樹脂粒子を含有し、前記インクと反応する反応液を、前記インクを前記記録媒体に付与する前に、前記インクを付与する領域と少なくとも一部で重なるように前記記録媒体に付与する工程と、を含むインクジェット記録方法であって、
    前記インク中の前記第1の樹脂粒子の含有量及び前記反応液中の前記第2の樹脂粒子の含有量がいずれも9.00質量%以上であり、
    前記第1の樹脂粒子の平均粒径が220nm以上600nm以下であり、前記顔料の平均粒径が50nm以上210nm以下であり、前記第2の樹脂粒子の平均粒径が30nm以上200nm以下であり、
    前記第2の樹脂粒子の平均粒径<前記顔料の平均粒径の関係を満たすことを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記インク中の前記第1の樹脂粒子の含有量(質量%)が、前記インク中の前記顔料の含有量(質量%)に対する質量比率で1.0倍以上である請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記インク中の前記第1の樹脂粒子の表面電荷量が50μmol/g以上600μmol/g以下である請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記反応液中の前記第2の樹脂粒子がマイナスの電荷を有し、表面電荷量が10μmol/g以下であり、かつ、前記反応液が多価金属塩を含有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記インクの表面張力が27mN/m以上35mN/m以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記反応液の表面張力が27mN/m以上35mN/m以下である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
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