JP5709441B2 - 液体組成物、セット、液体カートリッジ、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

液体組成物、セット、液体カートリッジ、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 Download PDF

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Description

本発明は、液体組成物、セット、液体カートリッジ、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置に関する。
従来、インクジェット記録方法において、有機酸を用いた2液反応システムが検討されている。有機酸を用いた2液反応システムとは、有機酸を添加した液体組成物と、pHが酸性域になると色材が凝集するインクを記録媒体上で接触させることで、インクのpHを酸性領域に変化させ、インク中の色材を凝集させて記録を行うものである。この方法において、水酸化カリウムなどの強塩基を加えてpH調整を行った液体組成物を、熱エネルギーの作用により吐出させる方法を用いて繰り返し吐出させた場合、吐出できなくなる現象が発生することが知られている。これは、強塩基により、発熱抵抗体の保護層に含まれるタンタルなどの金属及び/又は金属の酸化物が溶解し、保護層が削れてしまうことによる。
また、熱エネルギーの作用により吐出される液体組成物中に含まれる多価金属イオンに起因する発熱抵抗体の保護層の削れを解決するために、タウリンなどのアミノ基を有するスルホン酸を液体組成物中に含有させる方法が提案されている(特許文献1)。
特開2002−172847号公報
しかし、特許文献1に記載の方法を、有機酸を用いた2液反応システムに適用した場合には、近年要求されている画像性能を満足しながら、発熱抵抗体の保護層の削れ現象を解決することは非常に困難であることが本発明者らの検討によって判明した。
従って、本発明の目的は、連続吐出時の発熱抵抗体の保護層の削れを抑制し、かつ、色材を含有するインクと共に用いられたときに高い光学濃度を有する画像を与える液体組成物を提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記液体組成物を用いたセット、液体カートリッジ、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置を提供することにある。
上記の目的は、以下の本発明によって達成される。即ち、本発明の液体組成物は、色材を含有するインクと共に用いられ、発熱抵抗体及び前記発熱抵抗体の保護層を有し、前記保護層が液体組成物と接触する層としての金属及び金属の酸化物の少なくとも一方を含む記録ヘッドから、前記発熱抵抗体の熱エネルギーの作用により吐出される液体組成物であって、前記液体組成物が、カルボキシ基を有する有機酸、アルカリ金属イオン、スルホン酸基を有し、アミノ基を有さない有機酸、多価金属イオン及び水を含有することを特徴とする液体組成物である。
本発明によれば、連続吐出時の発熱抵抗体の保護層の削れを抑制し、かつ、色材を含有するインクと共に用いられたときに高い光学濃度を有する画像を与える液体組成物を提供することができる。また、本発明の別の実施態様によれば、前記液体組成物を用いたセット、液体カートリッジ、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置を提供することができる。
以下、好適な実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明する。尚、本発明においては、液体組成物に添加する有機酸などの化合物は、液体組成物中で解離して存在するので、「イオンを含有する」と表現する。
まず、発熱抵抗体の保護層の削れ現象の発生メカニズムについて詳細に説明する。カルボキシ基を有する有機酸(以下、「有機酸」とも言う)と、水酸化カリウムなどの強塩基を含む液体組成物が加熱された際、保護層の近傍に存在する液体組成物では、以下の現象が起きている。即ち、発熱抵抗体の保護層近傍の液体組成物に含まれるカルボキシ基を有する有機酸の一部は、発熱抵抗体の熱により分解したり、分子間や分子内で脱水反応を起こしたりしてしまう。例えば、カルボキシ基を有する有機酸であるグルタル酸は、発熱抵抗体の最高到達温度以下の約150℃で分子内のカルボキシ基間で脱水縮合して、無水グルタル酸になる。これにより、中和反応の対象となる酸が存在しなくなるため、発熱抵抗体の保護層近傍では、中和反応に使われない水酸化カリウムなどの強塩基由来のアルカリ金属イオンが過剰となる。この過剰なアルカリ金属イオンによって、発熱抵抗体の保護層に含まれるタンタルなどの金属及び金属の酸化物の少なくとも一方が溶解され、発熱抵抗体の保護層の削れ現象を引き起こしていると推測される。
特許文献1に記載された発明のように、タウリンなどのアミノ基を有するスルホン酸を含有する液体組成物を用いた場合では、前記の通り、発熱抵抗体の保護層の削れ現象の抑制は可能だが、近年求められる画像性能を満足させられない。これは、以下の理由に基づく。発熱抵抗体の保護層に含まれる金属及び金属の酸化物の少なくとも一方の溶解を効率的に抑制するためには、液体中にかなりの量のタウリンを含有させる必要がある。ところが、タウリンなどのアミノ基を有するスルホン酸は、一般的に水への溶解性が低く、発熱抵抗体の保護層の溶解を抑制するためには、アミノ基を有するスルホン酸の溶解性を上げる工夫が必要である。具体的には液体組成物中の有機酸の含有量を低減させる方法や、水分量を増加させるために溶剤の含有量を低減させる方法などの工夫をする必要性がある。しかしながら、有機酸の含有量を低減させると、画像性能(光学濃度が高い高品位な画像)を十分に満足することができなくなってしまう。更に、溶剤量を減少させると、耐固着性を充分に満足することができない。このように、従来提案されている方法では、近年求められる画像性能を満足させながら、発熱抵抗体の保護層の削れ現象を解決することは非常に困難である。
本発明者らが検討したところ、スルホン酸基が、カルボキシ基と比較して、発熱抵抗体の最高到達温度以下で熱分解や脱水をしにくいことを見出した。そこで、カルボキシ基を有する有機酸と水酸化カリウムなどの強塩基由来のアルカリ金属イオンを含有する液体組成物中に、スルホン酸基を有する化合物を含有させた。その結果、スルホン酸基を有する化合物が、発熱抵抗体の発熱の際に発熱抵抗体の保護層近傍に過剰に存在するアルカリ金属イオンを中和することで、発熱抵抗体の保護層の溶解を抑制可能となった。さらに、多価金属イオンを含有させた場合、画像性能を満足させながら、発熱抵抗体の保護層の削れ現象を解決できることが明らかとなった。つまり、有機酸とタウリンなどのアミノ基を有するスルホン酸を含有させた場合では困難であった、高い光学濃度を満足させながら、発熱抵抗体の保護層の削れ現象を解決することが可能となった。この理由について、本発明者らは、以下のように推測している。
ここで、反応剤としてカルボキシ基を有する有機酸のみを含有させた液体組成物Aと、反応剤としてスルホン酸基を有する化合物と多価金属イオンを含有させた液体組成物Bを考える。液体組成物Aは、有機酸の酸緩衝能により、液体組成物とインクとの混合液のpHを色材が凝集する範囲に導くことで、色材を凝集させる。一方、液体組成物Bは、カチオン性である多価金属イオンと色材とのカチオン/アニオンによる静電的相互作用により凝集体を形成する反応である。液体組成物Aと液体組成物Bを比較した場合、液体組成物Aを用いた場合は色材の存在する系全体が酸性になるため、凝集反応は混合液の系内全体で起こる。一方、液体組成物Bでは、多価金属イオンが凝集の反応点となる。従って、液体組成物Aは液体組成物Bと比較して凝集反応がより生じやすいと言える。これより、混合液系内の色材を凝集させるスピードも液体組成物Aの方が液体組成物Bと比べて速いと推測される。
液体組成物中に、色材を凝集させるスピードの異なるこれらの2種類の反応剤を併用した液体組成物Cは、それぞれの反応剤と色材が、相互に作用しながら色材の凝集体を形成する。この際に、以下の(1)〜(3)の少なくとも1つの現象が起こることで、2種類の反応剤をそれぞれ単独で用いた場合から予測される性能を上回る光学濃度が得られると本発明者らは推測している。
(1)記録媒体において液体組成物と、色材を含むインクが混合されると、反応の第1段階として、カルボキシ基を有する有機酸と色材とが酸緩衝作用により会合し、インク中の色材が瞬間的に凝集し液相から分離する。次に反応の第2段階として、多価金属イオンと、第1段階の酸緩衝作用で生じた色材の会合体が、サイズがより大きい凝集体を形成する。この凝集体は、記録媒体の繊維間の隙間に入り込みにくく、記録媒体上に保持されやすいため、光学濃度の向上が図られると推測される。
(2)記録媒体において液体組成物と、色材を含むインクが混合されると、反応の第1段階として、凝集スピードが速い反応剤であるカルボキシ基を有する有機酸と色材とが酸緩衝作用により会合した凝集体が、記録媒体の繊維間の隙間を埋める。次に反応の第2段階として、多価金属イオンとの作用で生じた色材の凝集体は、その上に集積するので、記録媒体の繊維間の隙間に入り込みにくくなり、色材の凝集体は記録媒体上に保持されやすく、光学濃度の向上が図られると推測される。
(3)上記(1)、(2)の反応の第2段階において、多価金属イオンと接触した色材は、緩やかな凝集状態を保ちつつ記録媒体上で拡がりながら凝集体を形成する。この作用により、記録媒体上のより広い範囲で色材が凝集体を形成することでムラが抑えられ、画像全体での光学濃度の向上が図られると推測される。
また、上記色材凝集現象において、スルホン酸基を有する有機酸がどのように働くかのメカニズムは定かではない。しかし、後述の実施例とカルボキシ基を有する有機酸のみを用いた比較例及び多価金属イオンのみを用いた比較例を比較すると、実施例の光学濃度が格段に向上していることから、スルホン酸を有する有機酸が何らかの好適な作用を及ぼすことは明らかである。具体的には、本発明者らは、スルホン酸基を有する有機酸が、多価金属イオンを安定化させ、反応の第2段階が効率的に起きるように寄与していると推測している。
本発明者らの検討によって、上記(1)〜(3)の現象は、カルボキシ基を有する有機酸の含有量が液体組成物全質量を基準として3.0質量%以上15.0質量%以下の範囲内である場合に、より効率よく生じることが判明した。この理由を本発明者らは以下のように推測している。
カルボキシ基を有する有機酸の含有量が3.0質量%未満だと、カルボキシ基の量が少ないため、有機酸の酸緩衝能が充分でなく、光学濃度を特に向上する効果が充分に得られない場合がある。一方、カルボキシ基を有する有機酸の含有量が15.0質量%より多いと、有機酸の酸緩衝能が強すぎて、色材が局所的に凝集する部分が多くなり、ムラが生じ光学濃度が充分に得られない場合がある。従って、カルボキシ基を有する有機酸の含有量が上記規定の範囲外では、液体組成物中に、有機酸と多価金属イオンを共に含有させたとしても、多価金属イオンによる色材の凝集体が優先的に形成されやすい。その結果、上記(1)〜(3)のような、2種類の反応剤による相互作用が効率的に起きにくくなると考えられる。
また、本発明者らの検討によると、液体組成物と接触したときの色材の存在状態を考慮すると、液体組成物のpHを5.5以下とすることが好ましいことが判明した。一方、液体組成物のpHが低すぎると、インクジェット記録装置を構成する部材などの腐食が発生する場合があるために、液体組成物のpHは3.5以上とすることが好ましい。尚、液体組成物のpHは、25℃における値であり、一般的なpHメータを用いて測定することができる。後述する実施例においては、pHメータ(商品名:F−21;堀場製作所製)を用い、25℃でpH測定を行った。
また、カルボキシ基を有する有機酸の含有量が液体組成物全質量を基準として3.0質量%以上15.0質量%以下の範囲内である、かつ、液体組成物のpHが3.5以上5.5以下であるときに、予測される性能をはるかに上回る光学濃度が得られた。
[液体組成物]
以下、本発明の液体組成物を構成する各成分について説明する。本発明の液体組成物は、インクで記録した画像に影響を及ぼさないためには、無色、乳白色又は白色であることが好ましい。特に、純水で50倍(質量倍)に希釈した液体組成物の吸光スペクトルが、400nm乃至800nmの範囲においてピークを有さないものが好ましい。このような液体組成物は、色材を含有しないことが好ましい。
<カルボキシ基を有する有機酸>
本発明において「有機酸」とは、有機化合物のうち酸であるものを意味する。本発明の液体組成物に用いるカルボキシ基を有する有機酸としては、水への溶解度が優れるため、カルボキシ基の炭素原子を除いたアルキル鎖の炭素数が3以下のものが好ましく用いられる。例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などのモノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸などのジカルボン酸;リンゴ酸、酒石酸などのヒドロキシカルボン酸が挙げられる。
また、色材と接触した場合の凝集性の観点から、モノカルボン酸よりもジカルボン酸が好ましく用いられる。このメカニズムは明らかになっていないが、本発明者らは以下のように推測している。即ち、カルボキシ基を有する有機酸と色材が接触したときに、色材のモル数に対するカルボキシ基のモル数の比率が高い方が、酸緩衝能が高く、酸による色材の凝集がより一層促進されると考えられる。従って、一分子中のカルボキシ基の数を増加させることで、反応性がより高くなることが考えられる。しかし、3価以上のカルボン酸は、クエン酸のように水溶性が低くなることも考えられるため、本発明ではジカルボン酸が特に好ましく用いられる。
本発明の液体組成物に用いるカルボキシ基を有する有機酸は一般的に弱酸であるため、酸の強さを示す尺度として、酸解離定数(pKa)を適用することができる。本発明の液体組成物に用いるカルボキシ基を有する有機酸のpKaは、色材を効果的に凝集させる観点からは、25℃の水中でのpKaが2.5以上6.5以下であるものが特に好ましく用いられる。pKaが2.5未満では酸性度が強く、インクジェット記録装置に用いられる部材などの酸腐食が発生する場合がある。一方、pKaが6.5より大きいと、酸性度が弱く、色材が充分に凝集せず、十分な光学濃度が得られない場合がある。尚、2価以上のカルボン酸はその価数のカルボキシ基に由来する複数段階の電離を示すため、複数のpKaを有する。このように複数のpKaを有する場合は、全ての段階のpKaが上記範囲に含まれるのが好ましい。尚、本発明におけるpKaは0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いた電位差滴定法により測定した値である。
<多価金属イオン>
本発明の液体組成物に用いる多価金属イオンとしては、二価以上の金属イオンが挙げられる。二価の金属イオンとしては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム及びラジウムなどのアルカリ土類金属、三価以上の金属イオンとしてはアルミニウム、イットリウム、ジルコニウム、鉄やその他の遷移金属イオンが挙げられる。本発明において、前記多価金属イオンは水酸化物、塩化物などの塩の形態で液体組成物に添加することができ、解離して生じるイオンとして用いられてもよい。本発明においては、液体組成物中で多価金属イオンとなりやすいことから、スルホン酸基を有する有機酸の多価金属塩、より好ましくはアルカリ土類金属塩の形態で添加されることが好ましい。その一例として、メタンスルホン酸カルシウムなどが挙げられる。
本発明の液体組成物に含まれる、多価金属イオンの物質量としては、液体組成物100gに対して7.6×10−4mol以上2.3×10−2mol以下の範囲が好ましい。より好ましくは1.5×10−3mol以上1.1×10−2mol以下の範囲である。さらに好ましくは、3.1×10−3mol以上7.2×10−3mol以下の範囲である。多価金属イオンの物質量が、液体組成物100gに対して7.6×10−4mol未満では、多価金属イオンの量が少なく、光学濃度の向上が十分に得られない場合がある。一方、液体組成物100gに対して2.3×10−2molより大きい場合は、液体組成物の粘度が高くなり、吐出安定性が十分に得られない場合がある。
<スルホン酸基を有する有機酸>
本発明の液体組成物に用いるスルホン酸基を有する有機酸は、水溶性が高いものが好ましく用いられる。本発明の液体組成物に用いるスルホン酸基を有する有機酸は、極性官能基としてスルホン酸以外のアニオン性基を更に有していてもよいが、極性官能基が、スルホン酸基のみの有機酸がより好ましく用いられる。本発明の液体組成物に用いるスルホン酸基を有する有機酸の一例として、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などが挙げられる。本発明においては、多価金属イオンを含む有機酸と、スルホン酸基を有する有機酸を別々に含有させても良いが、特に好ましくはスルホン酸基を有する有機酸の多価金属塩を含有させる方法が挙げられる。尚、液体組成物中においては、スルホン酸基を有する有機酸の少なくとも一部はイオンの形態として存在するが、本発明においてはこの状態を含めて「液体組成物がスルホン酸基を有する有機酸を含有する」と記載する。尚、本発明の液体組成物に用いるスルホン酸基を有する有機酸は、アミノ基は有さない。
本発明の液体組成物に用いるスルホン酸基を有する有機酸のpKaは、6.5以下であることが好ましい。複数の極性官能基を有する場合は、複数のpKaを有するが、そのような場合はすべてのpKaが、6.5以下であることが好ましい。
本発明の液体組成物に含まれる、スルホン酸基を有する化合物の物質量としては、液体組成物100gに対して3.6×10−3mol以上1.1×10−1mol以下の範囲が好ましい。より好ましくは7.2×10−3mol以上5.4×10−2mol以下の範囲である。スルホン酸基を有する化合物の物質量が、液体組成物100gに対して3.6×10−3mol未満では、スルホン酸基を有する化合物の量が少なく、アルカリ成分の中和が十分に行われない場合がある。一方、液体組成物100gに対して5.4×10−2molより大きい場合は、液体組成物の粘度が高くなり、吐出安定性が十分に得られない場合がある。
<カルボキシ基を有する有機酸とスルホン酸基を有する有機酸の含有量の質量比率>
本発明の液体組成物中のカルボキシ基を有する有機酸の含有量(質量%)がスルホン酸基を有する有機酸の含有量(質量%)に対して、質量比率で0.3倍以上5.0倍以下であることが好ましい。上記質量比率が、0.3倍未満のときは、カルボキシ基を有する有機酸の含有量が少なく、色材を含むインクを凝集させる能力が十分でなく、光学濃度を十分に向上させる効果が得られない場合がある。また、上記質量比率が5.0倍よりも高いときには、スルホン酸基を有する有機酸の含有量によっては、その溶解度が低く、ヘッド内で析出し固着してしまう場合もあり得る。尚、各有機酸の含有量は、液体組成物全質量を基準とした含有量の値であり、また、酸型として計算するものとする。
<アルカリ金属イオン>
本発明の液体組成物に用いるアルカリ金属イオンとしては、具体的に、リチウム、カリウム、ナトリウムなどが挙げられる。これらのアルカリ金属イオンは水酸化物などの塩の形態でインクに添加することができ、解離して生じるイオンとして用いられてもよい。取り扱いの容易さの点から、例えば、水酸化物の形態で添加されることが好ましい。その一例として、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。
本発明の液体組成物に用いるアルカリ金属イオンは、液体組成物のpHが好ましい範囲になるように添加される。好ましい含有量としては、液体組成物全量に対して、塩の形で0.1質量%以上25.0質量%以下の範囲が好ましい。より好ましくは0.5質量%以上20.0質量%以下の範囲である。
<水性媒体>
本発明の液体組成物には、水、又は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。水は脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。液体組成物中の水の含有量(質量%)は、液体組成物全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。
また、液体組成物中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、液体組成物全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、従来、インクジェット記録方法に適用される液体に一般的に用いられているものをいずれも用いることができる。例えば、炭素数1乃至4のアルキルアルコール類、アミド類、ケトン又はケトアルコール類、エーテル類、ポリアルキレングリコール類、グリコール類、アルキレン基の炭素原子数が2乃至6のアルキレングリコール類、アルキルエーテルアセテート類、多価アルコールのアルキルエーテル類、含窒素化合物類などが挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
<その他の成分>
本発明の液体組成物には、上記成分の他に、尿素、尿素誘導体、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの常温で固体の水溶性有機化合物を含有させてもよい。また、必要に応じて所望の物性値を有する液体組成物とするために、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤などの種々の添加剤を含有してもよい。
[インク]
<インクの色材>
次に、本発明の液体組成物と共に用いられるインクの色材について説明する。色材としては、染料及び顔料の少なくとも一方を用いるのが好ましい。本発明においては、堅牢性などの観点から顔料が好ましい。また、顔料と染料を併用してもよい。また、色材の含有量としては、インク全質量を基準として、0.1質量%以上15.0質量%以下が適しており、さらには1.0質量%以上10.0質量%以下とするのがより好ましい。
(染料)
本発明の液体組成物と共に用いられるインクは公知の染料をいずれも使用することができる。具体的には、直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料、食用染料などが挙げられ、本発明の液体組成物とインクが混合された際に凝集するものを選択する。
(顔料)
本発明の液体組成物と共に用いられるインクは公知の無機顔料や有機顔料をいずれも使用することができる。顔料の分散方法としては、分散剤として樹脂を用いる樹脂分散タイプの顔料(高分子分散剤を使用した樹脂分散型顔料、顔料粒子の表面を樹脂で被覆したマイクロカプセル型顔料、顔料粒子の表面に高分子を含む有機基が化学的に結合したポリマー結合型自己分散顔料)や顔料粒子の表面に親水性基を導入した自己分散タイプの顔料(自己分散型顔料)が挙げられる。無論、分散方法の異なる顔料を併用することも可能である。
<分散剤>
本発明においては、インクの色材として顔料を用いる場合は、その分散方式としては、樹脂分散タイプの顔料とすることが特に好ましい。この場合の分散剤としては、アニオン性基の作用によって上記の顔料を水性媒体に安定に分散させることのできるものが好適に用いられる。分散剤として使用する樹脂は、従来のインクに用いられているものをいずれも好ましく使用することができる。また、これらの分散剤は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により得られるポリスチレン換算の重量平均分子量が1,000以上30,000以下の範囲のものが好ましく、特には3,000以上15,000以下の範囲のものが好ましい。また、分散剤として使用する樹脂は、その酸価が50.0mgKOH/g以上300.0mgKOH/g以下の範囲のものが好ましい。特には、100.0mgKOH/g以上150.0mgKOH/g以下の範囲のものが好ましい。
<水性媒体及びその他の成分>
インクには、水、又は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、液体組成物に使用可能なものとして挙げた水溶性有機溶剤と同様のものを使用することができる。水は脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。また、インクには、上記の液体組成物に使用可能なものとして挙げたその他の成分と同様のものを使用することができる。
[液体組成物とインクとのセット]
本発明の液体組成物は、色材を含有するインクと組み合わせてセットとした場合において好ましく使用することができる。本発明におけるセットは、本発明の液体組成物を、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリーン、ブルー、ブラックなどの各色のインクと共に用いる状態のことである。尚、セットとして組み合わせることのできるインクについての限定は特になく、本発明の液体組成物と混合された際に凝集するインクが少なくとも一つあればよい。また、本発明におけるセットとは、液体カートリッジが複数一体になっている液体カートリッジ自体は無論のこと、単独の液体カートリッジを複数組み合わせて使用する場合も含み、更に、前記液体カートリッジ及び記録ヘッドを一体としたものも含まれる。
[インクジェット記録方法]
本発明のインクジェット記録方法は、液体組成物を熱エネルギーの作用により吐出する工程を有するインクジェット記録方法である。本発明のインクジェット記録方法は、液体組成物を熱エネルギーの作用により記録ヘッドから吐出して記録媒体上に付与する工程(A)と、インクを記録媒体に付与する工程(B)の2つの工程を有する。工程(A)を工程(B)に先立って行っても、工程(B)の後に工程(A)を行っても構わないが、光学濃度及び定着性の向上の観点から、工程(A)を工程(B)に先立って行う方がより好ましい。
[液体カートリッジ]
本発明の液体カートリッジは、上記で説明した本発明の液体組成物を収容する収容部を備えた液体カートリッジである。
[記録ユニット]
本発明の液体組成物を用いて記録を行うのに好適な記録ユニットは、吐出口から液体組成物を吐出するための熱エネルギーを発生させる発熱抵抗体が設けられたサーマルインクジェット記録ヘッドを具備し、かつ、液体組成物を収容する収容部を有する。さらに上記発熱抵抗体が、液体組成物と接する面に金属及び金属の酸化物の少なくとも一方を含む保護層を有するものである。前記金属及び金属の酸化物の少なくとも一方の具体例は、例えば、Ta、Zr、Ti、Ni、Al、Wなどの金属及びこれらの金属の酸化物が挙げられる。また、本発明における記録ユニットとしては、前記液体カートリッジ及び記録ヘッドを一体としたものが好ましく用いられる。
[インクジェット記録装置]
本発明のインクジェット記録装置は、液体組成物を吐出するための熱エネルギーを発生させる発熱抵抗体が設けられたサーマルインクジェット記録ヘッドを具備し、かつ、液体組成物の収容部を有するものが挙げられる。記録ヘッドは、ひとつの記録素子に液体組成物の吐出口列とインクの吐出口列とが設けられた構成であっても、又は、各吐出口列が複数の記録素子にそれぞれ設けられた構成であってもよい。固着の抑制などのインク及び液体組成物の信頼性の観点から、一般的なインクジェット記録装置では、ひとつの記録素子に対して、ひとつのキャップが設けられてキャッピングが行われる構成となっているため、後者の構成がより好ましい。また、記録ヘッドに対して、好ましい負圧を作用させるための構成を液体カートリッジに設ける場合には、以下の構成とすることができる。即ち、液体カートリッジの収容部に吸収体を配置した形態、又は、可撓性の収容袋とこれに対してその内容積を拡張する方向の付勢力を作用するばね部とを有した形態などとすることができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の顔料分散液、インク及び液体組成物の調製の記載で「%」、「部」とあるものは、特に断りのない限り質量基準である。
<顔料分散液の調製>
以下に示す手順により、顔料(カーボンブラック)分散液を調製した。スチレン−(n−ブチルアクリレート)−アクリル酸樹脂(組成(モル)比33:44:23、重量平均分子量5,000、酸価120.2mgKOH/g)を水酸化カリウム(KOH)にて1当量で中和した20.0%の樹脂水溶液37.5部、カーボンブラック15.0部、水47.5部を混合し、ジルコニアビーズを用いて、ビーズミルにて分散し、カーボンブラック顔料分散液(顔料濃度15.0%、樹脂濃度7.5%、体積平均粒径105nm)を得た。
<インクの調製>
得られたカーボンブラック顔料分散液を用い、以下の各成分を混合して、十分撹拌した。その後、ポアサイズ1.2μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧濾過を行いインクとした。得られたインクは、下記で調整した液体組成物と組み合わせてセットとして用いた。
顔料分散液 20.0%
ポリエチレングリコール600 9.0%
グリセリン 6.0%
アセチレノールE100(川研ファインケミカル社製) 1.0%
水 64.0%
<液体組成物の調製>
表1〜3に示した組成の各成分を混合して、十分撹拌した。その後、ポアサイズ0.45μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧濾過を行い、液体組成物を調製した。pH調整は8mol/L規定の水酸化カリウム(KOH)又は水酸化ナトリウム(NaOH)の水溶液を用いて行い、表1〜3に示した値となるように調整した。この際、液体組成物のpH測定をpHメータ(商品名:F−21;堀場製作所製)を用い、25℃で行った。尚、表中のアセチレノールE100は川研ファインケミカル社製の界面活性剤である。
また、実施例の各液体組成物は、純水で50倍(質量倍)に希釈した液体組成物の吸光度を測定した際に、400nm乃至800nmの範囲においてピークを有さなかった。
<評価>
(削れ)
上記で得られた液体組成物をそれぞれ、熱エネルギーの作用によりインクや液体組成物を吐出する記録ヘッドを具備するインクジェット記録装置(商品名:PIXUS iP3300;キヤノン製)に搭載した。記録条件を1滴あたりの吐出量:5pL、吐出周波数:15,000ヘルツ、吐出回数:3.0×10回として、連続吐出試験を行った。尚、上記インクジェット記録装置の記録ヘッドには発熱抵抗体の保護層としてタンタル及びタンタルの酸化物が用いられている。連続吐出試験後に、FIB−SEM(商品名:DB235;FEI社製)を用い、ヘッドの発熱抵抗体の保護層を切断した断面のSEM観察を行った。発熱抵抗体の保護層の厚さの残存率を以下の式より算出した。
発熱抵抗体の保護層の厚さの残存率(%)={(連続吐出試験後の発熱抵抗体の保護層の厚さ)/(連続吐出試験前の発熱抵抗体の保護層の厚さ)}×100
評価基準は以下の通りである。評価結果を表1〜3に示した。本発明においては、下記の評価基準で、Aが好ましいレベルとし、Bが許容できないレベルとした。
A:発熱抵抗体の保護層の厚さの残存率が50%以上であった
B:発熱抵抗体の保護層の厚さの残存率が50%未満であった。
(光学濃度)
上記で得られたインク及び液体組成物をそれぞれ、熱エネルギーの作用により液体を吐出する記録ヘッドを具備するインクジェット記録装置(商品名:PIXUS Pro9500;キヤノン製)に搭載した。尚、上記インクジェット記録装置の記録ヘッドには発熱抵抗体の保護層としてタンタル及びタンタルの酸化物が用いられている。また、上記記録ヘッドは2つの記録素子を有するが、液体組成物とインクが別の記録素子にそれぞれ設けられた吐出口列から吐出されるようにした。記録条件を、温度:23℃、相対湿度:55%、記録密度:4,800dpi×2,400dpi、1滴あたりの吐出量:3.0pLとした。そして、記録媒体にインクの記録デューティを150%、液体組成物の記録デューティを50%とした画像を形成した。尚、上記インクジェット記録装置を用いて、解像度600dpi×600dpiで1/600dpi×1/600dpiの単位領域に1滴あたり3.5pLの体積のインクを4滴付与する条件を、記録デューティが100%として評価を行った。液体組成物を記録媒体に付与し、その後、インクを記録媒体の前記液体組成物を付与した領域に重ねて付与した。得られた記録物を温度23℃、相対湿度55%の環境下で24時間乾燥させ、評価用の画像とした。
上記で得られた画像の光学濃度を測定した。光学濃度は、分光光度計(商品名:Spectrolino;Gretag Macbeth製)を用いて、光源:D50、視野:2°の条件で測定した。光学濃度の評価基準は以下の通りである。評価結果を表1〜3に示した。本発明においては、下記の評価基準で、AA〜Bが記録物の光学濃度として好ましいレベルとし、CとDは記録物の光学濃度として許容できないレベルとした。
AA:光学濃度が1.50以上であった
A:光学濃度が1.45以上1.50未満であった
B:光学濃度が1.40以上1.45未満であった
C:光学濃度が1.30以上1.40未満であった
D:光学濃度が1.30未満であった。
Figure 0005709441
Figure 0005709441
Figure 0005709441
実施例1の光学濃度はAランクであったが、他の実施例のAランクの画像と比較すると光学濃度はやや低かった。実施例5のように、pH3.5未満の場合では、pH3.5以上のもの(例えば、実施例6)と比較して、液体組成物と接する部材との接液性が劣っていた。また、比較例9では、pHが低すぎて、液体組成物と接するインクジェット記録装置の部材が酸により一部腐食し、評価を行うことは出来なかった。比較例7、比較例9では、削れはAランクであるが、他のAランクの実施例と比較すると保護層厚さの残存率はやや低かった。尚、スルホン酸基を有する有機酸に代えて、無機酸である硫酸を添加した系についても検討を行ったが、液体組成物の吐出が不可能であり評価することができなかった。

Claims (10)

  1. 色材を含有するインクと共に用いられ、発熱抵抗体及び前記発熱抵抗体の保護層を有し、前記保護層が液体組成物と接触する層としての金属及び金属の酸化物の少なくとも一方を含む記録ヘッドから、前記発熱抵抗体の熱エネルギーの作用により吐出される液体組成物であって、
    前記液体組成物が、カルボキシ基を有する有機酸、アルカリ金属イオン、スルホン酸基を有し、アミノ基を有さない有機酸、多価金属イオン及び水を含有することを特徴とする液体組成物。
  2. 前記カルボキシ基を有する有機酸がジカルボン酸である請求項1に記載の液体組成物。
  3. 前記液体組成物のpHが3.5以上5.5以下である請求項1又は2に記載の液体組成物。
  4. 前記カルボキシ基を有する有機酸の含有量が液体組成物全質量を基準として、3.0質量%以上15.0質量%以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液体組成物。
  5. 前記カルボキシ基を有する有機酸の含有量(質量%)が前記スルホン酸基を有し、アミノ基を有さない有機酸の含有量(質量%)に対して、質量比率で0.3倍以上5.0倍以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液体組成物。
  6. 色材を含有するインク及び液体組成物で構成されるセットであって、前記液体組成物が請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液体組成物であることを特徴とするセット。
  7. 液体組成物を収容する収容部を備えた液体カートリッジであって、前記液体組成物が請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液体組成物であることを特徴とする液体カートリッジ。
  8. 液体組成物を熱エネルギーの作用により吐出する工程を有するインクジェット記録方法であって、前記液体組成物が請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液体組成物であることを特徴とするインクジェット記録方法。
  9. 液体組成物を収容する収容部と、液体組成物を吐出するための記録ヘッドとを備えたインクジェット記録装置であって、前記液体組成物が請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液体組成物であることを特徴とするインクジェット記録装置。
  10. 前記金属及び金属の酸化物の少なくとも一方が、タンタル及びタンタルの酸化物の少なくとも一方である請求項9に記載のインクジェット記録装置。
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