JP4110067B2 - 反応液、反応液とインクとのセット、インクジェット記録装置及び画像記録方法 - Google Patents

反応液、反応液とインクとのセット、インクジェット記録装置及び画像記録方法 Download PDF

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Description

本発明は、反応液、該反応液とインクとのセット、インクジェット記録装置及び画像記録方法に関し、特に、記録媒体に対して反応液とインクとを併用して印字を行う場合に使用する保存性に優れた反応液、該反応液とインクとのセット、該セットを用いた安定な画像形成が可能なインクジェット記録装置及びそれを用いた画像記録方法に関するものである。
インクジェット記録方法として、通常のインクジェット用インクとは別に、画像を良好にせしめるための液体を用意し、該液体を記録インクの噴射に先立って記録媒体上に付着させて画像を形成する方法が、種々提案されている。例えば、塩基性ポリマーを有する液体を付着させた後、アニオン性染料を含有するインクを記録する方法(例えば、特許文献1参照)、反応性化学種を含む第1の液体と、該反応性化学種と反応を起こす化合物を含む液体を記録媒体上で混合する記録方法(例えば、特許文献2参照)及び1分子あたり2個以上のカチオン性基を有する有機化合物を含有する液体を付着させた後、アニオン性染料を含有したインクを記録する方法(例えば、特許文献3参照)等が提案されている。又、コハク酸等を含有した酸性液体を付着させた後、アニオン性染料を含有したインクを付与する方法(例えば、特許文献4参照)や染料を不溶化させる液体をインクの記録に先だって付与する方法(例えば、特許文献5及び特許文献6参照)等も提案されている。
しかしながら、上記したいずれの方法も、記録媒体上に染料自体を折出させることによって、画像の滲みの抑制や、画像の耐水性を向上させようとするものであるが、異なる色調のカラーインク間のブリーディング抑制効果は不十分であり、又、折出した染料が記録紙上で不均一に分布し易いために、画質の均一感が低下することがあった。特に、記録媒体として普通紙を用いた場合等においては、パルプ繊維に対する被覆性が悪くなることから、この傾向が顕著に観察されることがあった。
一方、インクの色材として顔料を用いた系では、多色印刷物での滲みを軽減する目的で、顔料分散体を含むインクと、多価金属を含むインクとを組み合わせて用いるインクセットが提案されている(例えば、特許文献7参照)が、この場合には、多価金属を含むインクとして、色材との相性、即ち、インクの安定性を考慮した多価金属を用いる必要がある等の制約があり、十分な画像濃度を得にくいといった別の問題があった。
このような問題を解決する方法として、多価金属イオンを含む液体組成物を予め記録媒体に付与した後、該液体組成物と反応性のあるインクを印字することで、画像の均一性や画像濃度の向上を達成させる記録方法が、種々提案されている(例えば、特許文献8〜12等参照)。しかしながら、近年の更なる高画質化の要求をも満足するような高い光学濃度を得ることができなかったり、初期と経時後に得られる画質が異なってしまったりすることがあった。
特開昭63−60783号公報 特開昭63−22681号公報 特開昭63−299971号公報 特開昭64−9279号公報 特開昭64−63185号公報 特開昭64−69381号公報 特開平9−118850号公報 特開昭63−299970号公報 特公平6−86142号公報 特開平9−207424号公報 特開平11−349873号公報 特開2000−94825公報
従って、本発明の目的は、初期から経時後まで安定して高い光学濃度の画像を得ることを可能とする反応液、該反応液とインクとのセット、該セットを用いたインクジェット記録装置及び画像記録方法を提供することである。
即ち、本発明は、色材を溶解状態又は分散状態で含んでいるインクと共に画像記録に用いられる反応液であって、上記インクと接触することによって該インク中の色材の溶解状態若しくは分散状態を不安定化させる反応液において、上記反応液、少なくとも多価金属イオンと、有機溶剤と、緩衝剤とを含んでなり、反応液中に緩衝剤由来の金属イオンが存在し、pHが2以上であり、且つpH変化に対する緩衝作用を有しており、該緩衝作用は、反応液50mlに対して0.1規定の水酸化リチウム水溶液を1.0ml添加した際のpHと、水酸化リチウム水溶液を添加する前の反応液のpHとの差が0.5以内になることによって検証されることを特徴とする反応液である。
又、本発明は、色材を溶解状態若しくは分散状態で含んでいるインクと、該インクと接触することによって該インク中の色材の溶解状態若しくは分散状態を不安定化させる反応液と、を具備している、インクと反応液とのセットにおいて、上記反応液、少なくとも多価金属イオンと、有機溶剤と、緩衝剤とを含んでなり、反応液中に緩衝剤由来の金属イオンが存在し、pHが2以上であり、且つpH変化に対する緩衝作用を有しており、該緩衝作用は、反応液50mlに対して0.1規定の水酸化リチウム水溶液を1.0ml添加した際のpHと、水酸化リチウム水溶液を添加する前の反応液のpHとの差が0.5以内になることによって検証される反応液であることを特徴とするセットである。
又、本発明は、色材を溶解状態又は分散状態で含んでいるインクを吐出するための記録ヘッド、インクを収容したインク収容部を有するインクカートリッジ、該インクカートリッジから該記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給手段及び該インクと接触することによって該インク中の色材の溶解状態若しくは分散状態を不安定化させる反応液を供給する手段を具備するインクジェット記録装置において、上記反応液は、少なくとも多価金属イオンと、有機溶剤と、緩衝剤とを含んでなり、反応液中に緩衝剤由来の金属イオンが存在し、pHが2以上であり、且つpH変化に対する緩衝作用を有しており、該緩衝作用は、反応液50mlに対して0.1規定の水酸化リチウム水溶液を1.0ml添加した際のpHと、水酸化リチウム水溶液を添加する前の反応液のpHとの差が0.5以内になることによって検証されることを特徴とするインクジェット記録装置である。
更に、本発明は、色材を溶解状態又は分散状態で含んでいるインクと接触することによって該インク中の色材の溶解状態若しくは分散状態を不安定化させる反応液を記録媒体に付与する工程、及び上記インクをインクジェット法で該記録媒体に付与する工程、とを有する画像記録方法において、上記反応液は、少なくとも多価金属イオンと、有機溶剤と、緩衝剤とを含んでなり、反応液中に緩衝剤由来の金属イオンが存在し、pHが2以上であり、且つpH変化に対する緩衝作用を有しており、該緩衝作用は、反応液50mlに対して0.1規定の水酸化リチウム水溶液を1.0ml添加した際のpHと、水酸化リチウム水溶液を添加する前の反応液のpHとの差が0.5以内になることによって検証されることを特徴とする画像記録方法である。
本発明によれば、多価金属の種類によらずに、インクを不安定化させる効果が最大限発揮され、しかも保存性に優れ、機器部材との接液性にも問題のない反応液が提供される。それによって、普通紙等の記録媒体で、印字裏面への色材の裏抜けのない、高濃度で高発色の高品質画像が、反応液の使用初期から経時後まで安定して得られる反応液、該反応液とインクとのセット、該セットを用いたインクジェット記録装置及び画像記録方法が提供される。
以下、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。本発明の反応液は、少なくとも多価金属イオンと、有機溶剤と、緩衝剤とを含んでなり、反応液中に緩衝剤由来の金属イオンが存在し、pHが2以上であり、且つpH変化に対する緩衝作用を有していることを特徴とする。ここで、本発明でいう反応液のpH変化に対する緩衝作用とは、下記の方法によって検証可能なものである。検証は、対象となる反応液50mlに対して0.1規定の水酸化リチウム水溶液を1.0ml添加した際のpHと、水酸化リチウム水溶液を添加する前の反応液のpHとの差を測定することで行う。そして、差が0.5以内、好ましくは0.3以内である場合に緩衝作用があるとする。インクと共に画像形成に用いる反応液の構成を上記のようにすることによって、本発明の顕著な効果が得られる理由は定かではないが、以下のように推定される。
本発明にかかる反応液中には有機溶剤が含まれているが、該有機溶剤が酸化されることによって発生する、例えばカルボキシル基等の酸基と、反応液中に含有させた多価金属イオンとが反応し、多価金属イオンのカウンターアニオンと、上記したような酸基のプロトンが酸を生成することによって、反応液のpHが低下することが起こる。反応液のpHが変動すれば、反応液の反応性が変化するので、得られる画質も変化してしまう。例えば、反応液の反応性が低下すれば、色材が記録媒体に浸透してしまうため、高い光学濃度が得られなかったり、色材が記録媒体の裏側近傍に達してしまったりする(所謂色材の裏抜け)。これに対して、本発明にかかる反応液は、反応液のpH変化に対する緩衝作用を有しているので、このpH低下を最小限に抑えることができると考えられる。
加えて、緩衝作用を得るためにインク中に緩衝剤を含有させる形態とすれば、緩衝剤由来の金属イオンがインクの色材の不安定化にも寄与するので、該反応液を用いた場合には、単に多価金属イオンを有する反応液を用いるだけでは得ることができないような、高い光学濃度が得られる。本発明にかかる反応液を画像形成に用いると、該反応液によってもたらされる上記で述べたような機能が相乗的に作用し、非常に高い光学濃度を示す画像が、反応液の使用初期から経時後まで極めて安定的に得られるようになったものと考えられる。尚、本発明におけるpHは、25℃環境下、常法によって測定することができる。
[反応液]
本発明にかかる反応液は、色材を溶解状態若しくは分散状態で含んでいるインクと共に画像記録に用いられるものであるが、該インク中の色材の溶解状態又は分散状態を不安定化させる機能が求められる。特に、その機能の実現手段として、色材の溶解状態若しくは分散状態を不安定化させる物質が含まれている態様の反応液である場合に、優れた効果が発揮される。本発明でいうインク中の色材の溶解状態又は分散状態の不安定化とは、インクと反応液が混ざりあった際に、当該混合物において、色材の凝集やゲル化といった状態が引き起こされることを指す(以降「インクの不安定化」とも表現する場合がある)。本発明においては、インクを不安定化させるために反応液中に含有させる物質として、多価金属イオンを用いる。
(多価金属イオン)
本発明にかかる反応液に用いることのできる好ましい多価金属イオンとしては、具体的には、例えば、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+、Sr2+及びBa2+等の2価の金属イオンや、Al3+、Fe3+、Cr3+及びY3+等の3価の金属イオンが挙げられるがこれらに限定されるものではない。これら多価金属イオンを反応液中に含有させるためには、多価金属の塩を用いる。塩とは、上記に挙げたような多価金属イオンと、これらのイオンに結合する陰イオンとから構成される金属塩のことであるが、水に可溶なものであることを要する。塩を形成するための好ましい陰イオンとしては、例えば、Cl-、NO3 -、I-、Br-、ClO3 -、SO4 2-、CO3 2-、CH3COO-及びHCOO-等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
反応液中の多価金属塩の含有量は、本発明にかかる効果を考慮すると、反応液の全量に対して、質量基準で0.01%以上20%以下とすることが好ましい。インクを不安定化させる機能を充分に発揮し得るものとするためには、反応液に対して0.01%以上の多価金属塩を含有させることが好ましい。ここで、反応液が、前記した好ましい範囲内のpHを保持している状態においては、反応液中に多価金属塩を20%を超えて含有させることも可能である。しかし、その分、pHに対する緩衝作用を持つ物質も多く入れる必要が生じてくること、更には、20%よりも多く入れたとしても、インクを不安定化させる機能の著しい増大は望めないこと、等の理由で、多価金属塩を過剰に含有させることはあまり好ましくない。多価金属イオンの含有量としては、反応液の全量に対して、質量基準で0.01%以上10%以下であることが好ましい。
更に、本発明者らの検討によれば、多価金属塩の中でも硝酸や塩酸、硫酸といった強酸との塩を用いた時に反応液のpHが経時的に変化しやすくなる。上述の多価金属アニオンと酸基のプロトンによって形成された酸のイオン解離度が大きくなり、プロトンが反応液中に存在しやすくなるからである。従って、この場合、本発明が特に有効に作用する。
更に、この中でもインク中の成分を不安定化させる能力が高い金属イオンを含む強酸塩が含有されている反応液の場合に、先に述べたpHの低下が起こりやすい傾向にあることがわかった。従って、本発明は、このような場合に特に有効である。本発明者らが、4質量%のカーボンブラック分散体水溶液(分散剤:スチレン−アクリル酸、酸価200、分散剤の質量%/顔料の質量%=0.2)を用い、各多価金属イオンの硝酸塩で検討した場合には、Fe3+、Y3+、Al3+>Cu2+、Ca2+>Mg2+、Sr2+の順に不安定化する能力が高く、且つpHの低下もこの順番で起こりやすかった。これら多価金属イオンと強酸からなる塩を使用する場合には、反応液中に存在する金属イオン濃度としてFe3+、Al3+及びY3+で0.2質量%以上、Ca2+及びCu2+で0.5質量%以上、Mg2+及びSr2+で1.0質量%以上添加するのがインクとの反応性の点で好ましい。
又、インクを不安定化させる能力が比較的低いMg2+、Sr2+との塩においても、より能力が高いFe3+、Al3+及びY3+塩と同等の能力を得ようとすると、より多くの添加量が必要となるため、先に説明した反応液のpHの経時による低下が起こりやすくなることが確認されている。
尚、本発明においては、反応性や着色性、更には取り扱いの容易さ等の点から、多価金属イオンとしては、Ca2+、Mg2+、Sr2+、Al3+及びY3+が特に好ましく、更には、Ca2+が好ましい。又、陰イオンとしては、溶解性等の点から、NO3 -が特に好ましい。
(反応液のpH変化に対する緩衝作用)
前述したように、本発明における「pH変化に対して緩衝作用を有する」とは、具体的には、反応液50mlに対して0.1規定の水酸化リチウム水溶液を1.0ml添加した際のpHと、水酸化リチウム水溶液を添加する前の反応液のpHとの差を求めた場合に、差が0.5以内になることである。
緩衝作用を得るためには、反応液中に緩衝剤を含有させることが好ましい。用いることのできる緩衝剤の好ましい具体例としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム等の酢酸塩、りん酸水素塩、炭酸水素塩、或いは、フタル酸水素ナトリウム、フタル酸水素カリウム等の多価カルボン酸の水素塩を用いることができる。更に、多価カルボン酸の具体例としては、フタル酸以外にも、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ピロメリット酸、トリメリット酸等が挙げられる。これ以外でも、添加することによって、反応液のpHを、上記した好ましいpHの範囲内に保つことが可能な物質であれば、従来公知の、pHに対して緩衝作用を発現させる化合物は、いずれも本発明に用いることができる。但し、本発明においては、緩衝剤として、インクと併用させる反応液のpHとして適当なpHで緩衝作用を示す点から、酢酸塩を用いることが特に好ましい。
本発明においては、反応液のpHは2以上である。pHが2に満たないと本発明の顕著な効果が得られにくいだけではなく、反応液中の成分がタンクやローラー等の部材表面を侵食し、部材の構成成分が反応液へ溶出し、画像に悪影響を及ぼすことがあるので好ましくない。又、本発明においては、反応液のpHを2以上7以下、より好ましくは3以上6以下の範囲内に保持されるようにすることが好ましい。この範囲内であれば、多価金属イオンを反応液中により安定して存在させることができるので反応液の反応性を十分に確保でき、又、十分な緩衝作用を得ることができるので反応液の長期保存安定性も維持することができる。
更に、本発明においては、反応液のpHの方が、併用するインクのpHよりも低くなるように構成した方が、インクと反応液との反応がより効果的に起こりやすくなり、印字物のベタ均一性や裏抜け性等の観点からより好ましい。
(水性媒体)
本発明の反応液は、上記した成分を水性媒体に溶解或いは分散してなるが、通常は、水と水溶性有機溶剤との混合溶媒が使用される。水溶性有機溶剤としては、反応液の乾燥防止効果を有するものが特に好ましい。具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の低級アルキルエーテルアセテート;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の多価アルコール;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。上記のごとき水溶性有機溶剤は、単独でも或いは混合物としても使用することができる。又、水としては脱イオン水を使用することが好ましい。
反応液中に含有される水溶性有機溶剤の含有量は特に限定されないが、反応液全量に対して、質量基準で、3〜70%の範囲が好適である。又、反応液に含有される水の含有量は、反応液全量に対して、質量基準で、25〜95%の範囲が好適である。
(反応液のその他の成分)
又、本発明の反応液は、上記した成分以外に、下記に挙げる成分を含有させることができる。
<高分子化合物>
本発明の反応液中には、更に高分子化合物を含有させることができ、かかる構成によって、高分子化合物がインク中の色材のバインダーとして機能するので、形成した記録物の耐擦過性を向上させることができる。本発明者らの検討によれば、特に、反応液中に高分子化合物を含有させた場合に、先に述べた反応液のpH変化が、該高分子化合物を添加しない場合と比較して大きくなる場合があることがわかった。これは、先に説明した有機溶剤の酸化と同様に、高分子化合物の酸化も反応液のpH変化に影響を与えるためと考えられる。従って、反応液に高分子化合物を含有させた構成の場合には、上記したpHの緩衝作用を付加しておくことが極めて有効な手段となる。即ち、本発明を特徴づける反応液に対してpHの緩衝作用を付加することは、反応液中に、インクを不安定化させる機能を付与する目的で、単に、多価金属イオン等の物質を含有させただけの構成の場合に適用するよりも、むしろ、記録画像の堅牢性を高める目的で、多価金属イオン等の物質に加えて高分子化合物が添加されている構成の反応液に適応した場合の方が、より顕著な効果が得られる。
本発明にかかる反応液に使用する高分子化合物としては、インク中の色材等の成分と、反応液中の多価金属イオン等との反応に直接関与しない、ノニオン性の水溶性高分子であることが好ましい。具体的には、例えば、ポリアクリルアマイド、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性セルロース、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール等の樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば、画像を形成する場合に、インク及び反応液が、それぞれの基本性能を維持できる範囲で、これらのノニオン性高分子に、アニオンユニット若しくはカチオンユニットを加えた高分子化合物を用いても構わない。更に、上述した高分子化合物は、水溶性であれば申し分ないが、ラテックスやエマルジョンのような分散体であっても構わない。
上記に挙げたような高分子化合物の好ましい添加量は、反応液全量に対して、質量基準で、0.01〜20%とすることが好ましい。即ち、0.01%以上であれば、画像を形成した場合における、インクの耐擦過性や定着性の向上に効果を発揮する。又、上記の範囲内では、反応液の粘度が高くなりすぎることも無い。
<その他の成分>
又、本発明にかかる反応液には、上記の成分の他に、更に必要に応じて、所望の物性値を持たせるために、界面活性剤、消泡剤、防黴剤及び防腐剤等を適宜に添加することができる。この際に添加することのできる界面活性剤としては、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、アセチレンアルコール、アセチレングリコール等の非イオン性界面活性剤があり、これらの1種又は、2種以上を適宜選択して使用できる。その使用量は、含有させる高分子化合物等によっても異なるが、インク全量に対して、質量基準で、0.01〜10%が好ましい。この際、反応液の表面張力が、20dyn/cm(mN/m)以上になるように界面活性剤の添加量を決定することが好ましい。なぜなら、反応液の表面張力がこれよりも小さい値を示す場合には、インクジェット用とした場合に、ノズル先端のぬれによる印字よれ(液滴の着弾点のズレ)等、好ましくない事態を引き起こすからである。
以上のような構成を有する本発明にかかる反応液は、画像を形成する際にインクと併用されるので、色材を含有せず、画像への影響を考慮すると可視域に吸収を示さない無色のものであることが好ましい。しかし、必ずしもこれに限定されるものではなく、可視域に吸収を示すものであっても、実際の画像に影響を与えない程度であれば、可視域に吸収を示す淡色ものであっても構わない。
[インク]
上記したような構成を有する本発明の反応液は、少なくとも一種類の色材を溶解状態又は分散状態で含んでいるインクと共に画像を形成する際に用いられる。本発明にかかる反応液は、特に、色材がイオン性基によって水性媒体に分散又は溶解させられているインクと組み合わせて記録に用いることで、インクジェット記録画像を形成した場合に、先に述べた好ましい効果を与える。本発明で好適に使用することのできるインクとしては、色材として、顔料(マイクロカプセル化顔料、更には着色樹脂等も本願中では顔料の範疇とする)を用いた顔料インクが挙げられる。特に、本発明の反応液は、顔料がイオン性基によって水性媒体に安定に分散してなる顔料インクと組み合わせて画像形成に用いた場合に、記録媒体上で色材凝集物を形成して高品質の画像形成を可能にする。従って、本発明で使用する顔料インクを構成する色材としては、アニオン性基が表面に化学的に結合されている顔料、更には、色材として顔料を含み、且つアニオン性分散剤を含んでいる態様等、が挙げられる。以下、インクを構成する、顔料及び水性媒体等の成分について詳述する。
(顔料)
本発明で用いることのできる顔料としては、例えば、下記に述べるカーボンブラックや有機顔料等が挙げられる。
<カーボンブラック>
カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料で、例えば、レイヴァン(Raven)7000、レイヴァン5750、レイヴァン5250、レイヴァン5000、レイヴァン3500、レイヴァン2000、レイヴァン1500、レイヴァン1250、レイヴァン1200、レイヴァン1190ULTRA−II、レイヴァン1170、レイヴァン1255(以上コロンビア社製)、ブラックパールズ(BlackPearls)L、リーガル(Regal)400R、リーガル330R、リーガル660R、モウグル(Mogul)L、モナク(Monarch)700、モナク800、モナク880、モナク900、モナク1000、モナク1100、モナク1300、モナク1400、ヴァルカン(Valcan)XC−72R(以上キャボット社製)、カラーブラック(ColorBlack)FW1、カラーブラックFW2、カラーブラックFW2V、カラーブラックFW18、カラーブラックFW200、カラーブラックS150、カラーブラックS160、カラーブラックS170、プリンテックス(Printex)35、プリンテックスU、プリンテックスV、プリンテックス140U、プリンテックス140V、スペシャルブラック(SpecialBlack)6、スペシャルブラック5、スペシャルブラック4A、スペシャルブラック4(以上デグッサ社製)、No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上三菱化学社製)等を使用することができる。しかし、これらに限定されるものではなく、従来公知のカーボンブラックを使用することが可能である。又、マグネタイト、フェライト等の磁性体微粒子やチタンブラック等を黒色顔料として用いてもよい。
<有機顔料>
有機顔料としては、例えば、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッド等の不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2B等の溶性アゾ顔料、アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーン等の建染染料からの誘導体、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ等のキナクリドン系顔料、ペリレンレッド、ペリレンスカーレット等のペリレン系顔料、イソインドリノンエロー、イソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系顔料、ベンズイミダゾロンエロー、ベンズイミダゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンレッド等のイミダゾロン系顔料、ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジ等のピランスロン系顔料、インジゴ系顔料、縮合アゾ系顔料、チオインジゴ系顔料、フラバンスロンエロー、アシルアミドエロー、キノフタロンエロー、ニッケルアゾエロー、銅アゾメチンエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等、その他の顔料が例示できる。
又、有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーにて示すと、C.I.ピグメントエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、109、110、117、120、125、137、138、147、148、151、153、154、166、168、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、175、176、177、180、192、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:1、15:4、15:6、22、60、64、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントブラウン23、25、26等が例示できる。勿論、上記以外でも従来公知の有機顔料が使用可能である。
<分散剤>
上記したカーボンブラックや有機顔料を用いる場合には分散剤を併用することが好ましい。分散剤としては、アニオン性基の作用によって上記の顔料を水性媒体に安定に分散させることのできるものが好適である。分散剤の具体例は、例えば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸−マレイン酸ハーフエステル共重合体或いはこれらの塩等が含まれる。又、これらの分散剤は、重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲のものが好ましく、特には3,000〜15,000の範囲のものが好ましい。
又、分散剤の酸価としては、インクの吐出安定性や保存安定性といったインクとしての信頼性と、インクと反応液との反応性の両立の観点から、300mgKOH/g以下であることが好ましい。より好ましくは100mgKOH/g以上300mgKOH/g以下である。又、分散剤の添加量としては、インク中の色材の割合(質量%)に対して、0.1倍以上3倍以下の範囲で使用することが、酸価と同様の理由で好ましい。更には、0.2倍以上2倍以下であることがより好ましい。インクの信頼性の観点で分散剤の酸価を高めたり、或いは添加量を増やしたりすることにより、反応液に対してのインクの安定性も増す傾向がある。その場合には反応液中の多価金属イオン量を増やすことで十分な画像性能が得られるが、反応液のpHが低下しやすくなる傾向であるため、緩衝作用を示す物質の量も必要に応じて多くすることが好ましい。
<自己分散型顔料>
本発明では、色材として、顔料表面にイオン性基(アニオン性基)を結合させることによって得られる、分散剤を使用することなく水性媒体に分散する顔料、所謂、自己分散型顔料を用いることもできる。このような顔料の一例として、例えば、自己分散型カーボンブラックを挙げることができる。自己分散型カーボンブラックとしては、例えば、アニオン性基がカーボンブラック表面に結合したもの(以下アニオン性CB)が挙げられる。以下、カーボンブラックを例にとって説明する。
<アニオン性CB>
アニオン性CBとしては、カーボンブラックの粒子表面に、例えば、−COO(M2)、−SO3(M2)、−PO3H(M2)、−PO3(M2)2から選ばれる少なくとも1つのアニオン性基を結合させたものが挙げられる。上記式中、M2は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表わす。これらの中でも特に、−COO(M2)や−SO3(M2)をカーボンブラック表面に結合してアニオン性に帯電せしめたカーボンブラックは、インク中の分散性が良好なため、本発明に特に好適に用い得る。
ところで、上記親水性基中「M2」として表したもののうち、アルカリ金属の具体例としては、例えば、Li、Na、K、Rb及びCs等が挙げられる。又、有機アンモニウムの具体例としては、例えば、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、メタノールアンモニウム、ジメタノールアンモニウム、トリメタノールアンモニウム等が挙げられる。
これらの「M2」を、アンモニウム或いは有機アンモニウムとした自己分散型カーボンブラックを含むインクを用いた場合には、記録画像の耐水性をより向上させることができ、この点において特に好適である。これは当該インクが記録媒体上に付与されると、アンモニウムが分解し、アンモニアが蒸発する影響によるものと考えられる。ここで「M2」をアンモニウムとした自己分散型カーボンブラックとしては、例えば、「M2」がアルカリ金属である自己分散型カーボンブラックをイオン交換法を用いて「M2」をアンモニウムに置換する方法や、酸を加えてH型とした後に水酸化アンモニウムを添加して「M2」をアンモニウムにする方法等によって得ることができる。
アニオン性に帯電している自己分散型カーボンブラックの製造方法としては、例えば、カーボンブラックを次亜塩素酸ソーダで酸化処理する方法が挙げられる。例えば、この方法によってカーボンブラック表面に−COONa基を化学結合させることができる。
ところで、上記したような種々の親水性基は、カーボンブラックの表面に直接結合させてもよいし、或いは、他の原子団をカーボンブラック表面と該親水性基との間に介在させ、該親水性基をカーボンブラック表面に間接的に結合させてもよい。ここで他の原子団の具体例としては、例えば、炭素原子数1〜12の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、置換若しくは未置換のフェニレン基、置換若しくは未置換のナフチレン基が挙げられる。ここで、フェニレン基及びナフチレン基の置換基としては、例えば、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。又、他の原子団と親水性基の組み合わせの具体例としては、例えば、−C24COO(M2)、−Ph−SO3(M2)、−Ph−COO(M2)等(但し、Phはフェニル基を表す)が挙げられる。
本発明においては、上記した自己分散型カーボンブラックの中から2種若しくはそれ以上を適宜選択して、インクの色材に用いてもよい。又、インク中の自己分散型カーボンブラックの添加量としては、インク全量に対して、質量基準で、0.1〜15%、特には1〜10%の範囲とすることが好ましい。この範囲とすることで、自己分散型カーボンブラックは、インク中に含有された場合に、十分な分散状態を維持することができる。更に、インクの色調の調製等を目的として、自己分散型カーボンブラックに加えて染料を色材として添加してもよい。
<着色微粒子/マイクロカプセル化顔料>
本発明に用いるインクの色材としては、上記したものの他に、ポリマー等でマイクロカプセル化した顔料や樹脂粒子の周囲を色材で被覆した着色微粒子等も用いることができる。マイクロカプセルに関しては、本来的に水性媒体に対する分散性を有するが、分散安定性を高めるために上記したような分散剤を更にインク中に共存させてもよい。又、着色微粒子を色材として用いる場合には、上記したアニオン系分散剤等を用いることが好ましい。
インク中における上記したような色材の含有量は、インクジェット記録に用いるものの場合には優れたインクジェット吐出特性を備え、又、所望の色調や濃度を有するように適宜に選択すればよい。目安としては、例えば、インク全質量に対して、質量基準で、1〜50%の範囲が好ましい。
(水性媒体)
上記したような顔料を分散させる水性媒体は、特に限定されるものでなく、反応液に用いる水性媒体として前記に列挙したものと同様のものを用いることができる。又、本発明においては、該カラーインクをインクジェット法(例えば、バブルジェット(登録商標)法等)によって記録媒体に付着せしめるため、優れたインクジェット吐出特性を有するように、インクが、所望の粘度、表面張力を有するように調製することが好ましい。本発明で使用するインクに用いられる水性媒体の例としては、例えば、水、或いは水と水溶性有機溶剤との混合溶媒が挙げられる。水溶性有機溶媒としては、インクの乾燥防止効果を有するものが特に好ましい。
具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の低級アルキルエーテルアセテート;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の多価アルコール;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。上記のごとき水溶性有機溶剤は、単独でも或いは混合物としても使用することができる。又、水としては脱イオン水を使用することが好ましい。
本発明で使用するインク中に含有される水溶性有機溶剤の含有量は特に限定されないが、インク全量に対して、質量基準で、好ましくは3〜50%の範囲が好適である。又、インクに含有される水の含有量は、インク全量に対して、質量基準で、50〜95%の範囲とすることが好ましい。更に、上記の成分の他に、必要に応じて保湿剤を添加することは勿論、所望の物性値を持つインクとするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤等を添加しても構わない。
本発明においては、インクのpHは6以上10以下であることが好ましく、特には、7以上9以下であることが好ましい。又、上述のように、本発明においては、反応液のpHの方がインクのpHよりも低い方が、インクと反応液との反応がより効果的に起こりやすく、印字物のベタ均一性や裏抜け性等の観点からより好ましい。
[セット]
本発明にかかるセットは、上記で説明したインクと、前記で説明した本発明にかかる反応液とを具備して構成される。この場合に反応液と組み合わせるインクの色味は特に限定されず、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、レッド、グリーン、ブルー及びブラックから選ばれる1つの色調を示すインクであればよい。具体的には、所望の色調のインクとなるように適宜前記した色材の中から選択して用いることができる。又、反応液と組み合わせるインクは、1種類に限定されるものでなく、異なる色のインクを2つ以上組み合わせて多色画像の形成に適したインクセットとした態様がより好ましい。尚、この場合は、2つ以上のインクのうち、少なくとも1つのインクが反応液と反応する形態であればよい。
例えば、水性媒体に色材がイオン性基の作用によって分散させられているインクであれば、他のインクが染料を色材として含むインクとしてもよく、勿論、全てのインクを水性媒体に色材がイオン性基の作用によって分散させられているインクとしてもよい。このような構成を有する本発明にかかるセットを用いれば、多色画像をインクジェット装置で形成する場合に問題とされる、異なる色調のインクが記録媒体上で隣接して付与された時のブリーディングを抑えることができる。
より具体的には、下記のようなセットとすることが好ましい。インクジェット多色画像において問題とされるブリーディングは、黒色インクと他のカラーインク(例えば、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、レッドインク、グリーンインク及びブルーインクから選ばれる少なくとも1つのインク)との間が特に顕著になり易いことが知られている。従って、本発明にかかる反応液によって不安定化させるインクとしては、例えば、水性媒体にイオン性基の作用によって顔料を分散させた黒色インクが好ましい。そして他のカラーインクについては、染料を水性媒体に溶解したインクであってもよい。勿論、他の全てのインクを、上記の黒色インクと同様に、色材をイオン性基の作用によって水性媒体に分散させたインクとして、本発明の反応液によって不安定化される性質のものとしてもよい。
[記録方法、装置]
本発明にかかる反応液は、該反応液によって不安定化するインクと組み合わされて画像形成に用いられるが、その際の記録方法としては、少なくともインクによる記録をインクジェット記録方式で行う記録方法が好適である。本発明にかかる画像形成方法は、反応液を記録媒体の少なくともインクが付与される領域に付与する工程と、インクを記録媒体にインクジェット方式で付与する工程とを有し、上記反応液に本発明にかかる反応液を用いることを特徴とする。
かかる構成を有する本発明にかかる画像形成方法によれば、本発明にかかる反応液をインクと併用することによってインクが記録媒体上で凝集或いはゲル化し、特に、カラーブリードを生じることのない、更には、印字裏面への色材の裏抜けが低減した、高濃度で高発色の高品位画像を、使用初期から経時後まで安定して得ることが可能となる。即ち、本発明にかかる反応液は、経時変化が抑制され、保存した場合においても反応液のインクとの反応性に大きな変化を生じることがなく、又、機器部材との接液性についても何ら問題がない保存性に優れたものであるため、上記したような高品位の画像を安定して得ることが可能となる。
本発明にかかる反応液の記録媒体への付与方法としては、インクと同様にインクジェット記録方式を用いる方法、及び本発明の反応液をローラー等で記録媒体に塗布する方法等が挙げられる。これらの中では、吐出性等を考慮する必要がないローラー等による塗布が好ましい。具体的な塗布方法については後述する。
記録媒体に対する反応液の付与量は、反応液中の多価金属イオン種やその量、或いはそれと反応させるインクによって適宜調製することができるが、0.5g/m2以上10g/m2以下にすることが、得られる記録物の画像のベタ均一性や定着性等の観点で好ましい。更に好ましい記録媒体に対する反応液の付与量は、2g/m2を超えて5g/m2以下である。
(インクジェット記録装置)
図1は、本発明にかかるインクジェット記録装置の一例を示すものである。この画像形成装置は、シリアル型のインクジェット記録方式を採用するもので、記録ヘッド1と、給紙カセット16と、記録紙の搬送方向と直交する方向へ記録ヘッドを往復移動させるための駆動手段と、これらの構成要素の駆動を制御する制御手段とを有する。そして、上記給紙カセット16は、記録媒体(以下、記録紙ともいう)19を給紙するための給紙トレイ17と、先に説明した本発明にかかる反応液を塗布するための塗布手段とが一体形成されており、給紙トレイ17から給紙された記録紙19に、該反応液が、均一且つ調整された塗布量で塗布される構造となっている。反応液塗布手段については後述する。
記録ヘッド1は、インク吐出口が形成された面をプラテン11側に配向するようにしてキャリッジ2に搭載されている。図示しないが、記録ヘッド1は、上記インク吐出口と、インク液を加熱するための複数の電気熱変換体(例えば、発熱抵抗素子)と、これを支持する基板を有する。尚、記録ヘッド1はその上部のキャリッジ内にインクカートリッジを搭載している。
キャリッジ2は、記録ヘッド1を搭載し、且つ記録紙19の幅方向に沿って平行に延びる2本のガイド軸9に沿って往復移動することができる。又、記録ヘッド1は、このキャリッジ2の往復移動と同期して駆動し、インク液滴を記録紙19に吐出して画像を形成する。
給紙カセット16は、画像形成装置本体から着脱することができる。記録紙19は、この給紙カセット16内の給紙トレイ17上に積載収納される。給紙時において、給紙トレイ17を上方向に押圧するスプリング18により最上位のシートが給紙ローラー10に圧接される。この給紙ローラー10は、断面形状が概略半月形のローラーであり、図示しないモーターによって駆動回転し、不図示の分離爪により最上位のシート(記録紙19)のみを給紙する。
分離給紙された記録紙19は、大径の中間ローラー12と、それに圧接している小径の塗布ローラー6とによって、給紙カセット16の搬送面16Aとペーパーガイド27の搬送面27Aとに沿って搬送される。これらの搬送面は、中間ローラー12と同心的な円弧を描くようにして湾曲した面からなる。従って、給紙された記録紙19は、これらの搬送面16A及び27Aを通過することによって、その搬送方向を逆転する。即ち、記録紙19の印字がなされる面は、給紙トレイ17から搬送されて中間ローラー12に達するまでは、下方向を向いているが、記録ヘッド1に対向する時点では、上方向(記録ヘッド側)を向く。従って、記録紙の印字面は、常に画像形成装置の外側方向に向いている。
図1に示した装置では、反応液塗布手段は、先に述べたように給紙カセット16内に設けられているが、これについて説明する。かかる反応液塗布手段は、反応液15を供給するための補充タンク22と、該タンク22に周面の一部を浸した状態で回転自在に支持された供給ローラー13と、該供給ローラー13と平行となるようにして配置され、且つ供給ローラー13と接触し、同一方向へ回転する塗布ローラー6とを有する。そして、該塗布ローラー6は、記録紙19を搬送するための中間ローラー12と周面が接触、且つ平行となるようにして配置している。従って、記録紙19が搬送される際、中間ローラー12の回転に伴って中間ローラー12及び塗布ローラー6が回転する。その結果、供給ローラー13によって塗布ローラー6の周面に反応液15が供給され、更に、塗布ローラー6と中間ローラー12とによって挟持された記録紙19の印字面に、満遍なく反応液が塗布ローラー6によって塗布されることとなる。
又、図1に示した画像形成装置では、補充タンク22内にフロート14が設けられている。このフロート14は、反応液15より比重の軽い物質であり、反応液15の液面に浮かぶことにより透明部材である残量表示窓21を通して外から反応液15の残量を目視で確認できる。
図2は残量表示部を正面から見た図である。残量表示部は、残量表示窓21の長手方向に沿って、残量の程度を表す表示が設けられている。図中、「Full」と表示された位置に、反応液15の液面又はフロート14が達している場合が満杯の状態である。一方、「Add」と表示された位置に、反応液15の液面又はフロート14がある場合は、反応液15が残り少ないことを示している。従って、この残量表示窓21を外部から観察すれば、反応液15が徐々に減り、フロート14がAddラインまで下がった時に反応液を補充すればよいことが一目瞭然でわかる。
補充タンク22内への反応液15の補充方法としては、例えば、図3に示したように、給紙カセット16を画像形成装置本体から引き出した状態で、注入機具23の先端を切れ目の入ったゴム部材で構成される注入口20に差し込むことにより補充タンク22内に反応液を注入すればよい。
上記したような反応液塗布手段によって、反応液15を塗布された記録紙19は、その後、主搬送ローラー7とそれに圧接しているピンチローラー8により所定量送られて記録部へと搬送され、記録ヘッド1からインクを付与される。以上の構成において給紙、印字された記録紙19は、排紙ローラー3とこれに圧接する拍車4とによって排出搬送され、排紙トレイ5上にスタックされる。
又、反応液15をローラー等により付与する場合には、特に反応液15の粘度が、インクの粘度よりも高くなるようにすることが好ましい。このようにすれば、少ない反応液15の付与量でインクを効果的に不安定化することができ、且つ記録物の定着性等にもよいため、好ましい。より具体的に説明すると、インクの粘度よりも反応液の粘度が高い方が、反応液中の多価金属イオンがより記録媒体の上方に留まりやすくなり、インクと効果的に反応しやすくなる。
これに対しインクにおいては、反応液と反応した後、インク中の色材成分は記録媒体の上方に留まって、インク中の溶剤や水等は速やかに記録媒体中に浸透する、即ち、固液分離が速やかに行われることが好ましいため、粘度は低い方が記録物の定着性等の観点で好ましい。具体的には、反応液をローラー等により付与する場合の反応液の粘度としては3mPa・s以上100mPa・s以下、更には5mPa・s以上60mPa・s以下とすることが好ましい。一方、インクの粘度は、1〜15mPa・sとすることが好ましい。このようにすることは、インクジェット記録におけるインクの吐出安定性の点からも好ましい。本発明における反応液やインクの粘度は、25℃環境下、常法によって測定することができる。
一方、インクジェット記録方法で、本発明のセットを構成するインクと反応液の何れもを記録媒体上に付与する場合の、記録媒体上へ付与する順序は、下記に挙げる方法等、様々な記録方法が考えられるが、何れであってもよく、適宜に選択すればよい。
a):反応液を付与した後にインクを印字する。
b):インクを印字した後に反応液を付与する。
c):インクを印字した後に反応液を付与させ更にインクを印字させる。
d):反応液を付与した後にインクを印字させ更に反応液を付与させる。
本発明の目的を鑑みれば、反応液を、インクに先だって記録媒体に記録する工程を少なくとも含むa)又はd)が好ましい。
図4に、インクジェット記録装置の別の一例を示す。図4において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持固定されており、カンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッド65による記録領域に隣接した位置に配置され、又、本例の場合、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。
62は記録ヘッド65の突出口面のキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配置され、記録ヘッド65の移動方向と垂直な方向に移動して、インク吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更に、63はブレード61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。上記ブレード61、キャップ62及びインク吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61及びインク吸収体63によって吐出口面の水分、塵埃等の除去が行われる。又、キャップを介して不図示のポンプによって記録へッドの各インク、更には、反応液の吐出口の位置しているインク等を吸引して、記録ヘッド本来のインク、或いはインク及び反応液の本来の吐出性能を回復させる回復系ユニットを構成している。
65は、吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する記録媒体にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行うためのキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモーター68によって駆動されるベルト69と接続(不図示)している。これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。51は記録媒体を挿入するための給紙部、52は不図示のモーターにより駆動される紙送りローラーである。
これらの構成により記録ヘッド65の吐出口面と対向する位置へ記録媒体が給紙され、記録が進行するにつれて排紙ローラー53を配した排紙部へ排紙される。以上の構成において記録ヘッド65が記録終了してホームポジションへ戻る際、吐出回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。その結果、記録ヘッド65の吐出口がワイピングされる。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は上記したワイピングの時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。
上述の記録ヘッドのホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
(インク特性;インクジェット吐出特性、記録媒体への浸透性)
本発明にかかるセットは、インクジェット記録用として特に好適である。インクジェット記録方法としては、インクに力学的エネルギーを作用させ、液滴を吐出する記録方法、及びインクに熱エネルギーを加えてインクの発泡により液滴を吐出する記録方法があり、それらの記録方法に本発明にかかるセットは好適に利用できる。この場合には、本発明にかかるセットを構成している反応液及びインクは、インクジェットヘッドから吐出可能である特性のものとすることが好ましい。インクジェットヘッドからの吐出性という観点からは、これらの液体の特性を、例えば、その粘度を1〜15mPa・s、表面張力を25mN/m(dyn/cm)以上、特には、粘度を1〜5mPa・s、表面張力を25〜50mN/m(dyn/cm)とすることが好ましい。更に、本発明にかかる反応液は、紙面等の記録媒体上で、特定のインクのみと反応させる必要があるため、特定のインクによる記録部とは別の箇所に反応液が滲まないように、反応液の表面張力を、インクジェットヘッドから吐出可能な範囲内で、且つ、反応液によって不安定化させる対象となるインクのそれよりも大きくすることが好ましい。
(インクカートリッジ)
図5は、記録ヘッドにインク若しくは反応液を供給する部材、例えば、チューブを介して供給されるインク若しくは反応液を収容したカートリッジ45の一例を示す図である。ここで40は供給用のインク又は反応液を収納した収容部、例えば、袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、袋40中のインク又は反応液をヘッドに供給可能にする。44は廃インク又は廃反応液を受容する吸収体である。収容部40としてはインク又は反応液との接液面がポリオレフィン、特にポリエチレンで形成されているものが好ましい。このようなカートリッジは、例えば、図6に示したように、インク又は反応液を吐出せしめる記録ヘッド901に着脱可能に構成されてなるとともに、該カートリッジ45を記録ヘッドに装着した状態ではインク又は反応液が記録ヘッド901に供給されるように構成されている。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味する。
[反応液の調製]
下記の組成からなる本発明の実施例の反応液1、2及び3と、比較例の反応液4、5及び6をそれぞれ調製した。具体的な調製方法としては、下記の成分を混合し、十分攪拌して溶解後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過して、各反応液とした。尚、アセチレノールEHは、川研ファインケミカル製である。又、各反応液及びインクのpH及び粘度の測定には、pH計(pH METER F−21、堀場製作所製)と、粘度計(VISCOMETER RE−80L、東機産業製)をそれぞれ用い、25℃環境下で行った。
<実施例1>
(反応液1の組成)
・硝酸アルミニウム 4%
・酢酸カリウム 5%
・トリメチロールプロパン 20%
・プロピレングリコール 20%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH) 1%
・水 残量
上記で得られた反応液1のpHは5.0であり、粘度は4.5mPa・sであった。又、この反応液50mlに対して0.1規定の水酸化リチウム水溶液を1.0ml添加した際のpHを測定したところ、5.0であり、反応液が緩衝作用を有することが確認できた。
<実施例2>
(反応液2の組成)
・硝酸カルシウム 3%
・酢酸カリウム 2%
・酢酸 2%
・トリメチロールプロパン 20%
・プロピレングリコール 20%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH) 1%
・水 残量
上記で得られた反応液2のpHは4.5であり、粘度は4.2mPa・sであった。又、この反応液50mlに対して0.1規定の水酸化リチウム水溶液を1.0ml添加した際のpHを測定したところ、4.5であり、反応液が緩衝作用を有することが確認できた。
<実施例3>
(反応液3の組成)
・硝酸イットリウム 10%
・酢酸カリウム 1%
・トリメチロールプロパン 20%
・プロピレングリコール 20%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH) 1%
・水 残量
上記で得られた反応液3のpHは4.5であり、粘度は5.4mPa・sであった。又、この反応液50mlに対して0.1規定の水酸化リチウム水溶液を1.0ml添加した際のpHを測定したところ、4.6であり、反応液が緩衝作用を有することが確認できた。
<比較例1>
(反応液4の組成)
・硝酸アルミニウム 4%
・トリメチロールプロパン 20%
・プロピレングリコール 20%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH) 1%
・水 残量
上記で得られた反応液4のpHは1.5であり、粘度は4.2mPa・sであった。又、この反応液50mlに対して0.1規定の水酸化リチウム水溶液を1.0ml添加した際のpHを測定したところ、1.6と非常に低かった。
<比較例2>
(反応液5の組成)
・硝酸カルシウム 10%
・トリメチロールプロパン 20%
・プロピレングリコール 20%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH) 1%
・水 残量
上記で得られた反応液5のpHは7.5であり、粘度は5.0mPa・sであった。又、この反応液50mlに対して0.1規定の水酸化リチウム水溶液を1.0ml添加した際のpHを測定したところ、pHは8.9であり、緩衝作用を有さないことが確認できた。
<比較例3>
(反応液6の組成)
・硝酸イットリウム 6%
・トリメチロールプロパン 20%
・プロピレングリコール 20%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH) 1%
・水 残量
上記で得られた反応液6のpHは4.1であり、粘度は4.9mPa・sであった。又、この反応液50mlに対して0.1規定の水酸化リチウム水溶液を1.0ml添加した際のpHを測定したところ、pHは4.7であり、緩衝作用を有さないことが確認できた。
[インクの調製]
上記した各反応液と共に使用するインクとして、下記の組成を有する黒色のブラックインク1を調製した。
(ブラックインク1)
顔料[カーボンブラック(商品名:MogulL、キャブラック製)]10部、アニオン系高分子P−1(スチレン−アクリル酸共重合体、酸価200、重量平均分子量10,000、固形分10%の水溶液、中和剤:水酸化カリウム)20部、純水70部を混合し、以下に示す材料をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを150部充填し、水冷しつつ、5時間分散処理を行った。この分散液を遠心分離機にかけ粗大粒子を除去した後、最終調製物の固形分は約12%、重量平均粒径は120nmの顔料分散体Bkを得た。
(インク組成)
・顔料分散体Bk 30%
・グリセリン 9%
・ジエチレングリコール 6%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH) 1%
・水 54%
上記で得られたブラックインク1のpHは7.3であり、粘度は2.5mPa・sであった。
[評価]
(1)各反応液のpH経時変化の評価
上記で得た実施例及び比較例の各反応液の初期pHと、60℃オーブンで1ヶ月間密閉保存した後のpHとを測定し、各反応液のpHの安定性を評価した。得られた結果を表1に示した。
(2)裏抜け性の評価
上記で調製したブラックインク1と、実施例及び比較例の各反応液とをそれぞれ用いてセットとし、該セットを用いて画像を形成した。得られた画像について、以下のようにして印字裏面への色材の裏抜けの程度を評価した。
先ず、各反応液を、それぞれPPC紙(キヤノン製)に対して塗布した。実施例1及び2と比較例1、2及び3の各反応液についてはバーコーターを用いて塗布し、実施例3の反応液については塗布ローラーを用いて塗布した。塗布直後、ブラックインク1をBJS700(キヤノン製)を用いて2cm四方のベタ印字を行い、印字面の裏側から、ブラックインク1の裏抜けの度合いを目視で観察し、下記の基準で評価した。その結果を表1に示した。尚、実施例1〜3の反応液を用いたセットで得られた画像は非常に高い光学濃度を有していた。
<裏抜け性の評価基準>
A:インクの裏抜けが殆どない。
B:インクの裏抜けが多少確認される。
C:インクの裏抜けが顕著。
Figure 0004110067
更に、60℃オーブンで1ヶ月間保存した後の各反応液を用いて、上記(2)と同じ評価を行ったところ、実施例1〜3及び比較例1については保存前後の反応液で裏抜け性に違いが見られなかったが、比較例2及び3については保存前後で裏抜けの度合いが変化していた。
本発明の活用例としては、本発明によれば、多価金属の種類によらずに、インクを不安定化させる効果が最大限に発揮され、特に、反応液の保存性、接液性にも問題がない反応液が提供されるため、該反応液と、該反応液と接触することでインク中の色材の溶解状態若しくは分散状態が不安定化するインクとを併用することによって、普通紙等の記録媒体上に画像を形成した場合に、特に、印字裏面への色材の裏抜けが生じることがなく、且つ高濃度で高発色の高品質画像が、反応液の使用の初期から終了まで安定して得られることを達成できる、反応液、該反応液とインクとのセット、該セットを用いたインクジェット記録装置が挙げられる。
本発明のインクジェット記録装置の一例を示す概略側断面図である。 図1のインクジェット記録装置に設けられた反応液残量表示部の正断面図である。 図1のインクジェット記録装置への反応液補充状態を示す概略側断面図である。 本発明のインクジェット記録装置の一例を示す概略斜視図である。 インクカートリッジの一例を示す縦断面図である。 本発明の一実施態様にかかるインクカートリッジが記録ヘッドに装着された状態を示す概略平面図である。
符号の説明
1:記録ヘッド
2:キャリッジ
3:排紙ローラー
4:拍車
5:排紙トレイ
6:塗布ローラー
7:主搬送ローラー
8:ピンチローラー
9:ガイド軸
10:給紙ローラー
11:プラテン
12:中間ローラー
13:供給ローラー
14:フロート
15:反応液
16:給紙カセット
16A:給紙カセットの搬送面
17:給紙トレイ
18:スプリング
19:記録媒体(記録紙)
20:注入口
21:残量表示窓
22:補充タンク
23:注入機具
27:ペーパーガイド
27A:ペーパーガイドの搬送面
40:袋
42:栓
44:吸収体
45:インクカートリッジ
51:給紙部
52:紙送りローラー
53:排紙ローラー
61:ブレード
62:キャップ
63:インク吸収体
64:吐出回復部
65:記録ヘッド
66:キャリッジ
67:ガイド軸
68:モーター
69:ベルト
901:記録ヘッド

Claims (22)

  1. 色材を溶解状態又は分散状態で含んでいるインクと共に画像記録に用いられる反応液であって、上記インクと接触することによって該インク中の色材の溶解状態若しくは分散状態を不安定化させる反応液において、
    上記反応液、少なくとも多価金属イオンと、有機溶剤と、緩衝剤とを含んでなり、反応液中に緩衝剤由来の金属イオンが存在し、pHが2以上であり、且つpH変化に対する緩衝作用を有しており、該緩衝作用は、反応液50mlに対して0.1規定の水酸化リチウム水溶液を1.0ml添加した際のpHと、水酸化リチウム水溶液を添加する前の反応液のpHとの差が0.5以内になることによって検証されることを特徴とする反応液。
  2. 多価金属イオンの含有量が、反応液全量に対して、質量基準で0.01%以上10%以下である請求項1に記載の反応液。
  3. 更に、強酸イオンが含有されている請求項1又は2に記載の反応液。
  4. 前記緩衝剤が、酢酸塩、りん酸水素塩、炭酸水素塩、多価カルボン酸の水素塩から選ばれる請求項1〜3の何れか1項に記載の反応液。
  5. pHが7以下である請求項1〜4の何れか1項に記載の反応液。
  6. 色材を溶解状態若しくは分散状態で含んでいるインクと、該インクと接触することによって該インク中の色材の溶解状態若しくは分散状態を不安定化させる反応液と、を具備している、インクと反応液とのセットにおいて、
    上記反応液、少なくとも多価金属イオンと、有機溶剤と、緩衝剤とを含んでなり、反応液中に緩衝剤由来の金属イオンが存在し、pHが2以上であり、且つpH変化に対する緩衝作用を有しており、該緩衝作用は、反応液50mlに対して0.1規定の水酸化リチウム水溶液を1.0ml添加した際のpHと、水酸化リチウム水溶液を添加する前の反応液のpHとの差が0.5以内になることによって検証される反応液であることを特徴とするセット。
  7. 色材を溶解状態又は分散状態で含んでいるインクを吐出するための記録ヘッド、インクを収容したインク収容部を有するインクカートリッジ、該インクカートリッジから該記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給手段及び該インクと接触することによって該インク中の色材の溶解状態若しくは分散状態を不安定化させる反応液を供給する手段を具備するインクジェット記録装置において、
    上記反応液は、少なくとも多価金属イオンと、有機溶剤と、緩衝剤とを含んでなり、反応液中に緩衝剤由来の金属イオンが存在し、pHが2以上であり、且つpH変化に対する緩衝作用を有しており、該緩衝作用は、反応液50mlに対して0.1規定の水酸化リチウム水溶液を1.0ml添加した際のpHと、水酸化リチウム水溶液を添加する前の反応液のpHとの差が0.5以内になることによって検証されることを特徴とするインクジェット記録装置。
  8. 反応液中の多価金属イオンの含有量が、反応液全量に対して、質量基準で0.01%以上10%以下である請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 反応液が、更に強酸イオンを含有している請求項7又は8に記載のインクジェット記録装置。
  10. 反応液のpHが7以下である請求項7〜の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  11. 反応液のpHがインクのpHよりも低い請求項7〜1の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  12. 反応液の粘度がインクの粘度よりも高い請求項7〜1の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  13. 更に、反応液を記録媒体に塗布するための塗布ローラーを有する請求項7〜1の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  14. 塗布ローラーによって塗布される反応液の記録媒体への塗布量が0.5g/m2以上10g/m2以下である請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  15. 色材を溶解状態又は分散状態で含んでいるインクと接触することによって該インク中の色材の溶解状態若しくは分散状態を不安定化させる反応液を記録媒体に付与する工程、及び上記インクをインクジェット法で該記録媒体に付与する工程、とを有する画像記録方法において、
    上記反応液は、少なくとも多価金属イオンと、有機溶剤と、緩衝剤とを含んでなり、反応液中に緩衝剤由来の金属イオンが存在し、pHが2以上であり、且つpH変化に対する緩衝作用を有しており、該緩衝作用は、反応液50mlに対して0.1規定の水酸化リチウム水溶液を1.0ml添加した際のpHと、水酸化リチウム水溶液を添加する前の反応液のpHとの差が0.5以内になることによって検証されることを特徴とする画像記録方法。
  16. 反応液中の多価金属イオンの含有量が、反応液全量に対して、質量基準で0.01%以上10%以下である請求項1に記載の画像記録方法。
  17. 反応液が、更に強酸イオンを含有している請求項1又は1に記載の画像記録方法。
  18. 反応液のpHが7以下である請求項1〜1の何れか1項に記載の画像記録方法。
  19. 反応液のpHがインクのpHよりも低い請求項118の何れか1項に記載の画像記録方法。
  20. 反応液の粘度がインクの粘度よりも高い請求項119の何れか1項に記載の画像記録方法。
  21. 反応液の記録媒体への付与が塗布ローラーによって行われる請求項1〜2の何れか1項に記載の画像記録方法。
  22. 塗布ローラーによって行われる反応液の記録媒体への塗布量が0.5g/m2以上10g/m2以下である請求項2に記載の画像記録方法。
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