JP4110067B2 - 反応液、反応液とインクとのセット、インクジェット記録装置及び画像記録方法 - Google Patents
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Description
本発明にかかる反応液は、色材を溶解状態若しくは分散状態で含んでいるインクと共に画像記録に用いられるものであるが、該インク中の色材の溶解状態又は分散状態を不安定化させる機能が求められる。特に、その機能の実現手段として、色材の溶解状態若しくは分散状態を不安定化させる物質が含まれている態様の反応液である場合に、優れた効果が発揮される。本発明でいうインク中の色材の溶解状態又は分散状態の不安定化とは、インクと反応液が混ざりあった際に、当該混合物において、色材の凝集やゲル化といった状態が引き起こされることを指す(以降「インクの不安定化」とも表現する場合がある)。本発明においては、インクを不安定化させるために反応液中に含有させる物質として、多価金属イオンを用いる。
本発明にかかる反応液に用いることのできる好ましい多価金属イオンとしては、具体的には、例えば、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+、Sr2+及びBa2+等の2価の金属イオンや、Al3+、Fe3+、Cr3+及びY3+等の3価の金属イオンが挙げられるがこれらに限定されるものではない。これら多価金属イオンを反応液中に含有させるためには、多価金属の塩を用いる。塩とは、上記に挙げたような多価金属イオンと、これらのイオンに結合する陰イオンとから構成される金属塩のことであるが、水に可溶なものであることを要する。塩を形成するための好ましい陰イオンとしては、例えば、Cl-、NO3 -、I-、Br-、ClO3 -、SO4 2-、CO3 2-、CH3COO-及びHCOO-等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前述したように、本発明における「pH変化に対して緩衝作用を有する」とは、具体的には、反応液50mlに対して0.1規定の水酸化リチウム水溶液を1.0ml添加した際のpHと、水酸化リチウム水溶液を添加する前の反応液のpHとの差を求めた場合に、差が0.5以内になることである。
本発明の反応液は、上記した成分を水性媒体に溶解或いは分散してなるが、通常は、水と水溶性有機溶剤との混合溶媒が使用される。水溶性有機溶剤としては、反応液の乾燥防止効果を有するものが特に好ましい。具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の低級アルキルエーテルアセテート;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の多価アルコール;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。上記のごとき水溶性有機溶剤は、単独でも或いは混合物としても使用することができる。又、水としては脱イオン水を使用することが好ましい。
又、本発明の反応液は、上記した成分以外に、下記に挙げる成分を含有させることができる。
<高分子化合物>
本発明の反応液中には、更に高分子化合物を含有させることができ、かかる構成によって、高分子化合物がインク中の色材のバインダーとして機能するので、形成した記録物の耐擦過性を向上させることができる。本発明者らの検討によれば、特に、反応液中に高分子化合物を含有させた場合に、先に述べた反応液のpH変化が、該高分子化合物を添加しない場合と比較して大きくなる場合があることがわかった。これは、先に説明した有機溶剤の酸化と同様に、高分子化合物の酸化も反応液のpH変化に影響を与えるためと考えられる。従って、反応液に高分子化合物を含有させた構成の場合には、上記したpHの緩衝作用を付加しておくことが極めて有効な手段となる。即ち、本発明を特徴づける反応液に対してpHの緩衝作用を付加することは、反応液中に、インクを不安定化させる機能を付与する目的で、単に、多価金属イオン等の物質を含有させただけの構成の場合に適用するよりも、むしろ、記録画像の堅牢性を高める目的で、多価金属イオン等の物質に加えて高分子化合物が添加されている構成の反応液に適応した場合の方が、より顕著な効果が得られる。
又、本発明にかかる反応液には、上記の成分の他に、更に必要に応じて、所望の物性値を持たせるために、界面活性剤、消泡剤、防黴剤及び防腐剤等を適宜に添加することができる。この際に添加することのできる界面活性剤としては、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、アセチレンアルコール、アセチレングリコール等の非イオン性界面活性剤があり、これらの1種又は、2種以上を適宜選択して使用できる。その使用量は、含有させる高分子化合物等によっても異なるが、インク全量に対して、質量基準で、0.01〜10%が好ましい。この際、反応液の表面張力が、20dyn/cm(mN/m)以上になるように界面活性剤の添加量を決定することが好ましい。なぜなら、反応液の表面張力がこれよりも小さい値を示す場合には、インクジェット用とした場合に、ノズル先端のぬれによる印字よれ(液滴の着弾点のズレ)等、好ましくない事態を引き起こすからである。
上記したような構成を有する本発明の反応液は、少なくとも一種類の色材を溶解状態又は分散状態で含んでいるインクと共に画像を形成する際に用いられる。本発明にかかる反応液は、特に、色材がイオン性基によって水性媒体に分散又は溶解させられているインクと組み合わせて記録に用いることで、インクジェット記録画像を形成した場合に、先に述べた好ましい効果を与える。本発明で好適に使用することのできるインクとしては、色材として、顔料(マイクロカプセル化顔料、更には着色樹脂等も本願中では顔料の範疇とする)を用いた顔料インクが挙げられる。特に、本発明の反応液は、顔料がイオン性基によって水性媒体に安定に分散してなる顔料インクと組み合わせて画像形成に用いた場合に、記録媒体上で色材凝集物を形成して高品質の画像形成を可能にする。従って、本発明で使用する顔料インクを構成する色材としては、アニオン性基が表面に化学的に結合されている顔料、更には、色材として顔料を含み、且つアニオン性分散剤を含んでいる態様等、が挙げられる。以下、インクを構成する、顔料及び水性媒体等の成分について詳述する。
本発明で用いることのできる顔料としては、例えば、下記に述べるカーボンブラックや有機顔料等が挙げられる。
<カーボンブラック>
カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料で、例えば、レイヴァン(Raven)7000、レイヴァン5750、レイヴァン5250、レイヴァン5000、レイヴァン3500、レイヴァン2000、レイヴァン1500、レイヴァン1250、レイヴァン1200、レイヴァン1190ULTRA−II、レイヴァン1170、レイヴァン1255(以上コロンビア社製)、ブラックパールズ(BlackPearls)L、リーガル(Regal)400R、リーガル330R、リーガル660R、モウグル(Mogul)L、モナク(Monarch)700、モナク800、モナク880、モナク900、モナク1000、モナク1100、モナク1300、モナク1400、ヴァルカン(Valcan)XC−72R(以上キャボット社製)、カラーブラック(ColorBlack)FW1、カラーブラックFW2、カラーブラックFW2V、カラーブラックFW18、カラーブラックFW200、カラーブラックS150、カラーブラックS160、カラーブラックS170、プリンテックス(Printex)35、プリンテックスU、プリンテックスV、プリンテックス140U、プリンテックス140V、スペシャルブラック(SpecialBlack)6、スペシャルブラック5、スペシャルブラック4A、スペシャルブラック4(以上デグッサ社製)、No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上三菱化学社製)等を使用することができる。しかし、これらに限定されるものではなく、従来公知のカーボンブラックを使用することが可能である。又、マグネタイト、フェライト等の磁性体微粒子やチタンブラック等を黒色顔料として用いてもよい。
有機顔料としては、例えば、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッド等の不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2B等の溶性アゾ顔料、アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーン等の建染染料からの誘導体、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ等のキナクリドン系顔料、ペリレンレッド、ペリレンスカーレット等のペリレン系顔料、イソインドリノンエロー、イソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系顔料、ベンズイミダゾロンエロー、ベンズイミダゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンレッド等のイミダゾロン系顔料、ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジ等のピランスロン系顔料、インジゴ系顔料、縮合アゾ系顔料、チオインジゴ系顔料、フラバンスロンエロー、アシルアミドエロー、キノフタロンエロー、ニッケルアゾエロー、銅アゾメチンエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等、その他の顔料が例示できる。
上記したカーボンブラックや有機顔料を用いる場合には分散剤を併用することが好ましい。分散剤としては、アニオン性基の作用によって上記の顔料を水性媒体に安定に分散させることのできるものが好適である。分散剤の具体例は、例えば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸−マレイン酸ハーフエステル共重合体或いはこれらの塩等が含まれる。又、これらの分散剤は、重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲のものが好ましく、特には3,000〜15,000の範囲のものが好ましい。
本発明では、色材として、顔料表面にイオン性基(アニオン性基)を結合させることによって得られる、分散剤を使用することなく水性媒体に分散する顔料、所謂、自己分散型顔料を用いることもできる。このような顔料の一例として、例えば、自己分散型カーボンブラックを挙げることができる。自己分散型カーボンブラックとしては、例えば、アニオン性基がカーボンブラック表面に結合したもの(以下アニオン性CB)が挙げられる。以下、カーボンブラックを例にとって説明する。
アニオン性CBとしては、カーボンブラックの粒子表面に、例えば、−COO(M2)、−SO3(M2)、−PO3H(M2)、−PO3(M2)2から選ばれる少なくとも1つのアニオン性基を結合させたものが挙げられる。上記式中、M2は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表わす。これらの中でも特に、−COO(M2)や−SO3(M2)をカーボンブラック表面に結合してアニオン性に帯電せしめたカーボンブラックは、インク中の分散性が良好なため、本発明に特に好適に用い得る。
本発明に用いるインクの色材としては、上記したものの他に、ポリマー等でマイクロカプセル化した顔料や樹脂粒子の周囲を色材で被覆した着色微粒子等も用いることができる。マイクロカプセルに関しては、本来的に水性媒体に対する分散性を有するが、分散安定性を高めるために上記したような分散剤を更にインク中に共存させてもよい。又、着色微粒子を色材として用いる場合には、上記したアニオン系分散剤等を用いることが好ましい。
上記したような顔料を分散させる水性媒体は、特に限定されるものでなく、反応液に用いる水性媒体として前記に列挙したものと同様のものを用いることができる。又、本発明においては、該カラーインクをインクジェット法(例えば、バブルジェット(登録商標)法等)によって記録媒体に付着せしめるため、優れたインクジェット吐出特性を有するように、インクが、所望の粘度、表面張力を有するように調製することが好ましい。本発明で使用するインクに用いられる水性媒体の例としては、例えば、水、或いは水と水溶性有機溶剤との混合溶媒が挙げられる。水溶性有機溶媒としては、インクの乾燥防止効果を有するものが特に好ましい。
本発明にかかるセットは、上記で説明したインクと、前記で説明した本発明にかかる反応液とを具備して構成される。この場合に反応液と組み合わせるインクの色味は特に限定されず、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、レッド、グリーン、ブルー及びブラックから選ばれる1つの色調を示すインクであればよい。具体的には、所望の色調のインクとなるように適宜前記した色材の中から選択して用いることができる。又、反応液と組み合わせるインクは、1種類に限定されるものでなく、異なる色のインクを2つ以上組み合わせて多色画像の形成に適したインクセットとした態様がより好ましい。尚、この場合は、2つ以上のインクのうち、少なくとも1つのインクが反応液と反応する形態であればよい。
本発明にかかる反応液は、該反応液によって不安定化するインクと組み合わされて画像形成に用いられるが、その際の記録方法としては、少なくともインクによる記録をインクジェット記録方式で行う記録方法が好適である。本発明にかかる画像形成方法は、反応液を記録媒体の少なくともインクが付与される領域に付与する工程と、インクを記録媒体にインクジェット方式で付与する工程とを有し、上記反応液に本発明にかかる反応液を用いることを特徴とする。
図1は、本発明にかかるインクジェット記録装置の一例を示すものである。この画像形成装置は、シリアル型のインクジェット記録方式を採用するもので、記録ヘッド1と、給紙カセット16と、記録紙の搬送方向と直交する方向へ記録ヘッドを往復移動させるための駆動手段と、これらの構成要素の駆動を制御する制御手段とを有する。そして、上記給紙カセット16は、記録媒体(以下、記録紙ともいう)19を給紙するための給紙トレイ17と、先に説明した本発明にかかる反応液を塗布するための塗布手段とが一体形成されており、給紙トレイ17から給紙された記録紙19に、該反応液が、均一且つ調整された塗布量で塗布される構造となっている。反応液塗布手段については後述する。
a):反応液を付与した後にインクを印字する。
b):インクを印字した後に反応液を付与する。
c):インクを印字した後に反応液を付与させ更にインクを印字させる。
d):反応液を付与した後にインクを印字させ更に反応液を付与させる。
本発明の目的を鑑みれば、反応液を、インクに先だって記録媒体に記録する工程を少なくとも含むa)又はd)が好ましい。
本発明にかかるセットは、インクジェット記録用として特に好適である。インクジェット記録方法としては、インクに力学的エネルギーを作用させ、液滴を吐出する記録方法、及びインクに熱エネルギーを加えてインクの発泡により液滴を吐出する記録方法があり、それらの記録方法に本発明にかかるセットは好適に利用できる。この場合には、本発明にかかるセットを構成している反応液及びインクは、インクジェットヘッドから吐出可能である特性のものとすることが好ましい。インクジェットヘッドからの吐出性という観点からは、これらの液体の特性を、例えば、その粘度を1〜15mPa・s、表面張力を25mN/m(dyn/cm)以上、特には、粘度を1〜5mPa・s、表面張力を25〜50mN/m(dyn/cm)とすることが好ましい。更に、本発明にかかる反応液は、紙面等の記録媒体上で、特定のインクのみと反応させる必要があるため、特定のインクによる記録部とは別の箇所に反応液が滲まないように、反応液の表面張力を、インクジェットヘッドから吐出可能な範囲内で、且つ、反応液によって不安定化させる対象となるインクのそれよりも大きくすることが好ましい。
図5は、記録ヘッドにインク若しくは反応液を供給する部材、例えば、チューブを介して供給されるインク若しくは反応液を収容したカートリッジ45の一例を示す図である。ここで40は供給用のインク又は反応液を収納した収容部、例えば、袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、袋40中のインク又は反応液をヘッドに供給可能にする。44は廃インク又は廃反応液を受容する吸収体である。収容部40としてはインク又は反応液との接液面がポリオレフィン、特にポリエチレンで形成されているものが好ましい。このようなカートリッジは、例えば、図6に示したように、インク又は反応液を吐出せしめる記録ヘッド901に着脱可能に構成されてなるとともに、該カートリッジ45を記録ヘッドに装着した状態ではインク又は反応液が記録ヘッド901に供給されるように構成されている。
[反応液の調製]
下記の組成からなる本発明の実施例の反応液1、2及び3と、比較例の反応液4、5及び6をそれぞれ調製した。具体的な調製方法としては、下記の成分を混合し、十分攪拌して溶解後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過して、各反応液とした。尚、アセチレノールEHは、川研ファインケミカル製である。又、各反応液及びインクのpH及び粘度の測定には、pH計(pH METER F−21、堀場製作所製)と、粘度計(VISCOMETER RE−80L、東機産業製)をそれぞれ用い、25℃環境下で行った。
(反応液1の組成)
・硝酸アルミニウム 4%
・酢酸カリウム 5%
・トリメチロールプロパン 20%
・プロピレングリコール 20%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH) 1%
・水 残量
(反応液2の組成)
・硝酸カルシウム 3%
・酢酸カリウム 2%
・酢酸 2%
・トリメチロールプロパン 20%
・プロピレングリコール 20%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH) 1%
・水 残量
(反応液3の組成)
・硝酸イットリウム 10%
・酢酸カリウム 1%
・トリメチロールプロパン 20%
・プロピレングリコール 20%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH) 1%
・水 残量
(反応液4の組成)
・硝酸アルミニウム 4%
・トリメチロールプロパン 20%
・プロピレングリコール 20%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH) 1%
・水 残量
(反応液5の組成)
・硝酸カルシウム 10%
・トリメチロールプロパン 20%
・プロピレングリコール 20%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH) 1%
・水 残量
(反応液6の組成)
・硝酸イットリウム 6%
・トリメチロールプロパン 20%
・プロピレングリコール 20%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH) 1%
・水 残量
上記した各反応液と共に使用するインクとして、下記の組成を有する黒色のブラックインク1を調製した。
顔料[カーボンブラック(商品名:MogulL、キャブラック製)]10部、アニオン系高分子P−1(スチレン−アクリル酸共重合体、酸価200、重量平均分子量10,000、固形分10%の水溶液、中和剤:水酸化カリウム)20部、純水70部を混合し、以下に示す材料をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを150部充填し、水冷しつつ、5時間分散処理を行った。この分散液を遠心分離機にかけ粗大粒子を除去した後、最終調製物の固形分は約12%、重量平均粒径は120nmの顔料分散体Bkを得た。
・顔料分散体Bk 30%
・グリセリン 9%
・ジエチレングリコール 6%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH) 1%
・水 54%
上記で得られたブラックインク1のpHは7.3であり、粘度は2.5mPa・sであった。
(1)各反応液のpH経時変化の評価
上記で得た実施例及び比較例の各反応液の初期pHと、60℃オーブンで1ヶ月間密閉保存した後のpHとを測定し、各反応液のpHの安定性を評価した。得られた結果を表1に示した。
上記で調製したブラックインク1と、実施例及び比較例の各反応液とをそれぞれ用いてセットとし、該セットを用いて画像を形成した。得られた画像について、以下のようにして印字裏面への色材の裏抜けの程度を評価した。
A:インクの裏抜けが殆どない。
B:インクの裏抜けが多少確認される。
C:インクの裏抜けが顕著。
2:キャリッジ
3:排紙ローラー
4:拍車
5:排紙トレイ
6:塗布ローラー
7:主搬送ローラー
8:ピンチローラー
9:ガイド軸
10:給紙ローラー
11:プラテン
12:中間ローラー
13:供給ローラー
14:フロート
15:反応液
16:給紙カセット
16A:給紙カセットの搬送面
17:給紙トレイ
18:スプリング
19:記録媒体(記録紙)
20:注入口
21:残量表示窓
22:補充タンク
23:注入機具
27:ペーパーガイド
27A:ペーパーガイドの搬送面
40:袋
42:栓
44:吸収体
45:インクカートリッジ
51:給紙部
52:紙送りローラー
53:排紙ローラー
61:ブレード
62:キャップ
63:インク吸収体
64:吐出回復部
65:記録ヘッド
66:キャリッジ
67:ガイド軸
68:モーター
69:ベルト
901:記録ヘッド
Claims (22)
- 色材を溶解状態又は分散状態で含んでいるインクと共に画像記録に用いられる反応液であって、上記インクと接触することによって該インク中の色材の溶解状態若しくは分散状態を不安定化させる反応液において、
上記反応液は、少なくとも多価金属イオンと、有機溶剤と、緩衝剤とを含んでなり、反応液中に緩衝剤由来の金属イオンが存在し、pHが2以上であり、且つpH変化に対する緩衝作用を有しており、該緩衝作用は、反応液50mlに対して0.1規定の水酸化リチウム水溶液を1.0ml添加した際のpHと、水酸化リチウム水溶液を添加する前の反応液のpHとの差が0.5以内になることによって検証されることを特徴とする反応液。 - 多価金属イオンの含有量が、反応液全量に対して、質量基準で0.01%以上10%以下である請求項1に記載の反応液。
- 更に、強酸イオンが含有されている請求項1又は2に記載の反応液。
- 前記緩衝剤が、酢酸塩、りん酸水素塩、炭酸水素塩、多価カルボン酸の水素塩から選ばれる請求項1〜3の何れか1項に記載の反応液。
- pHが7以下である請求項1〜4の何れか1項に記載の反応液。
- 色材を溶解状態若しくは分散状態で含んでいるインクと、該インクと接触することによって該インク中の色材の溶解状態若しくは分散状態を不安定化させる反応液と、を具備している、インクと反応液とのセットにおいて、
上記反応液は、少なくとも多価金属イオンと、有機溶剤と、緩衝剤とを含んでなり、反応液中に緩衝剤由来の金属イオンが存在し、pHが2以上であり、且つpH変化に対する緩衝作用を有しており、該緩衝作用は、反応液50mlに対して0.1規定の水酸化リチウム水溶液を1.0ml添加した際のpHと、水酸化リチウム水溶液を添加する前の反応液のpHとの差が0.5以内になることによって検証される反応液であることを特徴とするセット。 - 色材を溶解状態又は分散状態で含んでいるインクを吐出するための記録ヘッド、インクを収容したインク収容部を有するインクカートリッジ、該インクカートリッジから該記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給手段及び該インクと接触することによって該インク中の色材の溶解状態若しくは分散状態を不安定化させる反応液を供給する手段を具備するインクジェット記録装置において、
上記反応液は、少なくとも多価金属イオンと、有機溶剤と、緩衝剤とを含んでなり、反応液中に緩衝剤由来の金属イオンが存在し、pHが2以上であり、且つpH変化に対する緩衝作用を有しており、該緩衝作用は、反応液50mlに対して0.1規定の水酸化リチウム水溶液を1.0ml添加した際のpHと、水酸化リチウム水溶液を添加する前の反応液のpHとの差が0.5以内になることによって検証されることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 反応液中の多価金属イオンの含有量が、反応液全量に対して、質量基準で0.01%以上10%以下である請求項7に記載のインクジェット記録装置。
- 反応液が、更に強酸イオンを含有している請求項7又は8に記載のインクジェット記録装置。
- 反応液のpHが7以下である請求項7〜9の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 反応液のpHがインクのpHよりも低い請求項7〜10の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 反応液の粘度がインクの粘度よりも高い請求項7〜11の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 更に、反応液を記録媒体に塗布するための塗布ローラーを有する請求項7〜12の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 塗布ローラーによって塗布される反応液の記録媒体への塗布量が0.5g/m2以上10g/m2以下である請求項13に記載のインクジェット記録装置。
- 色材を溶解状態又は分散状態で含んでいるインクと接触することによって該インク中の色材の溶解状態若しくは分散状態を不安定化させる反応液を記録媒体に付与する工程、及び上記インクをインクジェット法で該記録媒体に付与する工程、とを有する画像記録方法において、
上記反応液は、少なくとも多価金属イオンと、有機溶剤と、緩衝剤とを含んでなり、反応液中に緩衝剤由来の金属イオンが存在し、pHが2以上であり、且つpH変化に対する緩衝作用を有しており、該緩衝作用は、反応液50mlに対して0.1規定の水酸化リチウム水溶液を1.0ml添加した際のpHと、水酸化リチウム水溶液を添加する前の反応液のpHとの差が0.5以内になることによって検証されることを特徴とする画像記録方法。 - 反応液中の多価金属イオンの含有量が、反応液全量に対して、質量基準で0.01%以上10%以下である請求項15に記載の画像記録方法。
- 反応液が、更に強酸イオンを含有している請求項15又は16に記載の画像記録方法。
- 反応液のpHが7以下である請求項15〜17の何れか1項に記載の画像記録方法。
- 反応液のpHがインクのpHよりも低い請求項15〜18の何れか1項に記載の画像記録方法。
- 反応液の粘度がインクの粘度よりも高い請求項15〜19の何れか1項に記載の画像記録方法。
- 反応液の記録媒体への付与が塗布ローラーによって行われる請求項15〜20の何れか1項に記載の画像記録方法。
- 塗布ローラーによって行われる反応液の記録媒体への塗布量が0.5g/m2以上10g/m2以下である請求項21に記載の画像記録方法。
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