JP2006263941A - インクジェット記録方法及び記録物 - Google Patents

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Masafumi Tsujimura
政史 辻村
Yoichi Takada
陽一 高田
Yasuhiro Nito
康弘 仁藤
Shinichi Hakamata
慎一 袴田
Takashi Imai
貴志 今井
Fumiaki Fujioka
文章 藤岡
Shinya Mishina
伸也 三品
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Abstract

【課題】スループットの低下を伴うことなく、多次色記録部のシミやムラを低減することができるインクジェット記録方法及び記録物の提供。
【解決手段】記録媒体に少なくとも2種のインクをインクジェット方式で付与する工程Aと、該インクの少なくとも1種と反応する成分を含んでなる反応液を付与する工程Bとを有し、工程Aが工程Bの後に行われるインクジェット記録方法において、インクのうちの1種が、可視領域における最大吸収波長が500nm以下の範囲に存在するインクであり、且つ、上記工程Aで、該インクと他のインクを用いて多次色の画像を形成する際に、上記可視領域における最大吸収波長が500nm以下の範囲に存在するインクを記録媒体へ最後に付与することを特徴とするインクジェット記録方法、及び該方法で形成された記録物。
【選択図】なし

Description

本発明は、高品位の多次色記録部を形成することが可能なインクジェット記録方法、及び該方法によって形成した多次色記録部を有する記録物に関する。
インクジェット記録は、インク組成物(以下、単にインクという。)の小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法であるが、安価な装置で、高解像度、高品位な画像を、高速で印刷可能であるという特徴を有する。しかしながら、インクジェット記録方法は、使用するインクが液体であるために、紙等の記録媒体上に着弾した際に、インク液滴が記録媒体中に浸透し、画像の輪郭部が不明瞭となったり、又、隣接する異なる色の画像間の境界にじみ(所謂カラーブリード)が発生する現象があった。
上記の問題を解決することを目的として、例えば、多価金属塩溶液を記録媒体に適用した後、少なくとも一つのカルボキシル基を有する染料を含むインクを適用する方法が提案されている(特許文献1参照)。即ち、この方法によれば、多価金属イオンを含有する反応液と、インク中の染料が記録媒体で接触することにより不溶性物が形成され、この結果として、輪郭部の不明瞭性が改善され、又、カラーブリードの発生が抑制され、更に、耐裏抜け性に優れた(即ち、記録媒体の裏面側にインクが浸透することがない)高品位の画像を得ることが可能となる。
又、塩との作用によって増粘又は凝集する特性を有するブラックインクと、その塩を含有するカラーインクとを組合せて使用することにより、画像濃度が高く、且つカラーブリードがない高品位のカラー画像が得られる、という技術手段についても開示されている(例えば、特許文献2参照)。即ち、塩を含有する第1の液と、特定のインクとの2液を用いて印字することで、良好な画像を得ることが可能となる。この他にも、インクに加えて、種々の構成からなる液の2液を用いて画像を形成することについて、各種の提案がなされている(例えば、特許文献3及び4等参照)。
特開平5−202328号公報 特開平6−106735号公報 特開平3−240557号公報 特開平3−240558号公報
本発明者らは、上記多価金属イオンを含有するインクセットについて種々の検討を行った。その結果、このようなインクセットを用いて画像を形成することによって、得られる画像は、確かに輪郭部の不明瞭性が改善され、且つカラーブリードを生じることがないものとなった。しかしながら、本発明者らは、更なる検討によって、下記に述べるような新たな弊害を認識するに到った。
即ち、イエローインクのように、可視領域の最大吸収波長が500nm以下であるインクを少なくとも1種含む複数のインクを用いて、多次色の画像を1回の走査により形成した場合に、形成された画像において、シミやムラが顕著に目立ってしまう、という弊害が明らかとなった。
以下は仮定であり、これによって本発明が限定的に解釈されないことを条件に、上記弊害の原因を、多価金属イオンを含有する液を併用した系で、2種のインクを用いて2次色の画像の形成を例に挙げて述べれば、以下の通りである。図1を参照して説明すると、2次色を形成する際に、先ず、図1(A−1)に示したように、記録媒体へ多価金属イオンを付与する。そして、この記録媒体へ2種類のインクA及びBを付与して2次色の画像を形成する。その際、最初に記録媒体に付与されたインクA中の色材aは、記録媒体に予め付与されている多価金属イオンと反応する結果、記録媒体の表面近傍に存在することになる[図1(A−2)参照]。
しかし、次に付与されるインクBは、既に、記録媒体の表面近傍には色材aが存在しているため、この状態の記録媒体に対して付与されたインクB中に含まれる色材bは、その一部(色材b1)のみが、記録媒体の表面近傍に残存している多価金属と反応して、記録媒体の表面近傍に存在することになる[図1(A−3)参照]。一方、記録媒体の表面近傍の多価金属と反応できなかった色材b(色材b2)は、記録媒体中の隙間から記録媒体内部へと浸透していき、記録媒体内部に存在する多価金属と反応して、記録媒体内部に存在することとなる[図1(A−3)参照]。即ち、記録媒体の表面近傍では、不均一に色材bが残存してしまうことになる。
以上述べたように、記録媒体の表面近傍に、異なる2種の色材が各々均一に残存することができない、即ち、色材aがリッチな2次色部、及び色材bがリッチな2次色部が記録媒体表面近傍で形成されることで、上記弊害が起こるものと考えられる。
上記のような弊害は、多次色形成時の記録媒体へのインクの付与を複数の走査により行うことで、低減することが可能であるが、本発明者らの検討によれば、この場合は、スループットの低下を伴ってしまう。
従って、本発明の目的は、スループットの低下を伴うことなく、多次色記録部のシミやムラを低減することができるインクジェット記録方法及び記録物を提供することにある。
上記の目的は、以下の本発明により達成される。即ち、本発明は、記録媒体に少なくとも2種のインクをインクジェット方式で付与する工程Aと、該インクの少なくとも1種と反応する成分を含んでなる反応液を付与する工程Bとを有し、工程Aが工程Bの後に行われるインクジェット記録方法において、上記インクのうちの1種が、可視領域における最大吸収波長が500nm以下の範囲に存在するインクであり、且つ、上記工程Aで、該インクと他のインクを用いて多次色の画像を形成する際に、上記可視領域における最大吸収波長が500nm以下の範囲に存在するインクを記録媒体へ最後に付与することを特徴とするインクジェット記録方法である。尚、本発明でいう可視領域とは、400〜700nmの範囲である。
又、本発明の別の形態は、記録媒体に少なくとも2種のインクをインクジェット方式で付与する工程Aと、該インクの少なくとも1種と反応する成分を含んでなる反応液を付与する工程Bとを有し、工程Aが工程Bの後に行われるインクジェット記録方法において、上記インクのうちの2種が、可視領域における最大吸収波長が500nm以下の範囲に存在するインクであり、且つ、上記工程Aで、上記インクを用いて多次色の画像を形成する際に、上記可視領域における最大吸収波長が500nm以下の範囲に存在する少なくとも2種のインクのうち、最大吸収波長が長いものから順次記録媒体へ付与していく(但し、最大吸収波長が500nmを超える範囲に存在するインク組成物を用いる場合には、該インク組成物を最大吸収波長が500nm以下の範囲に存在する全てのインク組成物に先立って記録媒体へ付与する)ことを特徴とするインクジェット記録方法である。
又、本発明の別の実施形態は、上記何れかに記載のインクジェット記録方法により印字されたことを特徴とする記録物である。
上記で使用する反応液の好適なものとしては、(1)そのKa値が1ml・m-2・msec-1/2以上であるもの、(2)多価金属イオンを含有するものが挙げられる。又、上記で使用するインクの好適なものとしては、(1)前記インクのKa値が、1ml・m-2・msec-1/2以上であるもの、(2)インクに含まれる色材が顔料であるものが挙げられる。更に、前記工程Aが、1回の走査により行われる形態のインクジェット記録方法に適用することが好ましい。
本発明によれば、スループットの低下を伴うことなく、多次色記録部のシミやムラを低減することができるインクジェット記録方法及び記録物が提供される。
次に、好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。本発明者らは、前記した従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、多価金属イオン等を含む反応液が付与された記録媒体へ、可視領域の最大吸収波長が500nm以下であるインクを少なくとも1種含む複数のインクを付与して、多次色の画像を形成した際に、多次色記録部にシミやムラを生じることがあるが、スループット低下を伴うことなく上記弊害を低減するためには、記録媒体への複数のインクの付与順序、特に、可視領域の最大吸収波長が500nm以下であるインクの付与順序が重要であることに着目するに到った。
そして、本発明者らは、上記の点に鑑みて鋭意検討した結果、可視領域の最大吸収波長が500nm以下であるインクを少なくとも1種含む複数のインクを用いて多次色の画像を形成する際に、該インクを最後に記録媒体へ付与することで、画像のシミやムラの発生が低減できることを見出して本発明に到った。
更に、可視領域の最大吸収波長が500nm以下であるインクを2種類以上用いて多次色を形成する際には、該2種以上のインクの記録媒体への付与順序を、これら2種以上のインクの各々の最大吸収波長が相対的に大きいものから順次付与していくことで、シミやムラが低減できることを見出して本発明に到った。
以下に、本発明にかかるインクジェット記録方法で用いる反応液及びインク(これらを組み合わせたものをインクセットと呼ぶ)について説明する。
<反応液>
本発明で使用する反応液は、本発明で使用する複数のインクの少なくとも1種と反応する成分を含んでなるものであればいずれのものであってもよい。例えば、インクと反応する成分として、水性媒体中にイオン性基の作用によって水性媒体に分散又は溶解させられているインク中の色材の分散安定性を記録媒体上で破壊及び凝集することができるような成分を含むものが好ましく、このような成分としては、例えば、金属イオンが挙げられる。本発明で使用する具体的な反応液としては、金属塩及び水性媒体を含んでなるものが好ましい。又、本発明においては、印字物の耐擦過能等を考慮して、反応液中に顔料のバインダーとして機能する樹脂を添加したものも好適に使用できる。
(金属塩について)
上記反応液に用いることができる金属塩とは、1価の金属イオン及び2価以上の多価金属イオンと、これらの金属イオンに結合する陰イオンとから構成され、水に可溶なものである。ここで、多価金属イオンの具体例としては、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+及びBa2+等の2価の金属イオン、Al3+、Fe3+、Cr3+及びY3+等の3価金属イオン等が挙げられる。これらの金属イオンに結合する陰イオンとしては、例えば、SO4 2-、Cl-、CO3 2-、NO3 -、I-、Br-、ClO3 -、CH3COO-、及びHCOO-等が挙げられる。勿論、本発明で使用する金属塩は上記化合物に限定されるものではない。
又、反応液中の上記に列挙したような金属塩の含有量は、本発明にかかる効果を考慮すると、0.01〜20質量%が好ましい。又、反応液は、可視域に吸収を示さないものが好ましいが、必ずしも可視域に吸収を示さないものである必要はない。即ち、可視域に吸収を示すとしても、実質上画像に影響を与えない範囲であれば可視域に吸収を示すものであってもかまわない。
(バインダー樹脂について)
反応液中に添加することができる樹脂としては、インク及び反応液のイオン性にもよるが、基本的には、インク中の成分との反応に関与しないノニオン性の水溶性高分子が好ましい。例としては、ポリアクリルアマイド、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性セルロース、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール等が挙げられるが、これらに限定されないのは言うまでもない。又、反応液のそれぞれの基本性能が維持できる範囲で、これらのノニオン性高分子に、アニオンユニット若しくはカチオンユニットを加えた樹脂を用いても構わない。更に、上述した樹脂は水溶性であれば申し分ないが、ラテックスやエマルジョンのような分散体であっても構わない。
(水性媒体)
本発明に用いる反応液は、上記したようなインクと反応する成分と、必要に応じて添加する樹脂を、水性媒体に溶解或いは分散して得られる。ここで用いられる水性媒体の例としては、例えば、水、或いは水と水溶性有機溶剤との混合溶媒が挙げられる。水溶性有機溶媒は、バインダー樹脂との相溶性等を考慮し適宜に選択すればよい。用いられる水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の低級アルキルエーテルアセテート;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の多価アルコール;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。上記の如き水溶性有機溶剤は、単独でも或いは混合物としても使用することができる。又、水としては脱イオン水を使用することが望ましい。
本発明で使用する反応液を構成する上記したような水溶性有機溶剤の含有量は特に限定されないが、反応液全質量に対して、好ましくは3〜50質量%の範囲が好適である。又、反応液に含有される水の含有量は反応液全質量に対して好ましくは50〜95質量%の範囲である。更に上記の成分のほかに必要に応じて所望の物性値を持つ反応液とするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤等を添加することができる。
(記録媒体への付与方法)
本発明にかかるインクジェット記録方法は、記録媒体に少なくとも2種のインク組成物をインクジェット方式で付与する工程Aと、該インク組成物の少なくとも1種と反応する成分を含んでなる上記したような反応液を付与する工程Bとを有し、上記工程Aが上記工程Bの後に行われることを要するが、該反応液の付与方法について以下に説明する。
本発明においては、反応液の記録媒体への付与方法に関しては、インクの場合と同様にインクジェット方式を用いてもよいし、勿論、バーコート、ローラーコート、スプレーコート等の塗布方法等、従来公知の如何なる付与方法を用いてもよい。更に、詳述すると、本発明においてインクと反応液とを併用して画像形成を行うのは、反応液によって記録媒体表面にある種の改質を加え、反応液中の成分とインク中の成分とを記録媒体の表面近傍で反応させることで、高品位な画像を得るためであり、かかる目的を達成するといった観点からは、反応液によって記録媒体全面を改質することが、本発明の効果をより確実に発揮させるためには好適であると言うこともできる。従って、以上の点を考慮すると、記録媒体への反応液の付与は、必ずしもインクと同様にインクジェット方式である必要もなく、むしろ、図16及び図17に示したようなローラーコートやバーコート、スプレーコート等の方式で、記録媒体の全面を改質する方が好ましい場合もある。これらユニットが記録装置と一体であっても別体であっても構わない。
<インク>
上記で説明した反応液は、2種以上の複数のインクと共に画像形成に用いられるが、インクとしては、少なくとも1種のインクが、上記反応液中の金属イオン等の成分と反応するものであればよい。例えば、金属イオンを含有する反応液と反応するインクとしては、色材がイオン性基によって水性媒体に分散又は溶解させられているインクが挙げられる。このようなインクと反応液とを組み合わせて記録に用いることで、カラーブリードの発生が抑制された高品質の画像が形成される等の好ましい効果を得られる。本発明において好適なインクとしては、顔料(マイクロカプセル化顔料、更には着色樹脂等も本明細書中では顔料の範疇とする)を色材として含有するものが挙げられる。更に、本発明においては、使用する複数のインクのうちの1種或いは2種が、可視領域における最大吸収波長が500nm以下の範囲(インクの色としては、イエローからオレンジの領域)に存在するインクであることを要する。先に述べたように、本発明においては、これらのインクを付与する順を特定のものとすることで、シミやムラのない高品位の多次色画像の形成が可能となる。以下、本発明で使用するインクに好適な色材について詳述する。
[顔料]
本発明で用いることのできるインクに含有させる顔料としては、例えば、下記で説明する有機顔料やカーボンブラック等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明で必要となる可視領域における最大吸収波長が500nm以下の範囲に存在するインク(インクの色としては、イエローからオレンジの領域)は、下記に挙げる顔料の中から適宜な顔料を選択し、更には、これに他の色材を添加して調色することで得ることができる。
(有機顔料)
有機顔料としては、例えば、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッド等の不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2B等の溶性アゾ顔料、アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーン等の建染染料からの誘導体、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ等のキナクリドン系顔料、ペリレンレッド、ペリレンスカーレット等のペリレン系顔料、イソインドリノンエロー、イソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系顔料、ベンズイミダゾロンエロー、ベンズイミダゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンレッド等のイミダゾロン系顔料、ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジ等のピランスロン系顔料、チオインジゴ系顔料、縮合アゾ系顔料、チオインジゴ系顔料、フラバンスロンエロー、アシルアミドエロー、キノフタロンエロー、ニッケルアゾエロー、銅アゾメチンエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等、の顔料が例示できる。
又、有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーにて示すと、C.I.ピグメントエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、109、110、117、120、125、128、137、138、147、148、151、153、154、166、168、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、71、C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、175、176、177、180、192、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:1、15:4、15:6、22、60、64、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントブラウン23、25、26等が例示できる。勿論、上記以外でも従来公知の有機顔料が使用可能である。
(カーボンブラック)
本発明で使用することのできるカーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料で、例えば、レイヴァン(Raven)7000、レイヴァン5750、レイヴァン5250、レイヴァン5000、レイヴァン3500、レイヴァン2000、レイヴァン1500、レイヴァン1250、レイヴァン1200、レイヴァン1190ULTRA−II、レイヴァン1170、レイヴァン1255(以上、コロンビア社製)、ブラックパールズ(Black Pearls)L、リーガル(Regal)400R、リーガル330R、リーガル660R、モウグル(Mogul)L、モナク(Monarch)700、モナク800、モナク880、モナク900、モナク1000、モナク1100、モナク1300、モナク1400、ヴァルカン(Valcan)XC−72R(以上、キャボット社製)、カラーブラック(Color Black)FW1、カラーブラックFW2、カラーブラックFW2V、カラーブラックFW18、カラーブラックFW200、カラーブラックS150、カラーブラックS160、カラーブラックS170、プリンテックス(Printex)35、プリンテックスU、プリンテックスV、プリンテックス140U、プリンテックス140V、スペシャルブラック(SpecialBlack)6、スペシャルブラック5、スペシャルブラック4A、スペシャルブラック4(以上、デグッサ社製)、No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上、三菱化学社製)等を使用することができるが、これらに限定されるものではなく、従来公知のカーボンブラックを使用することが可能である。又、マグネタイト、フェライト等の磁性体微粒子やチタンブラック等を黒色顔料として用いてもよい。
(分散剤)
上記した有機顔料やカーボンブラックを用いてインクを調製する場合には、分散剤を併用することが好ましい。分散剤としては、アニオン性基の作用によって上記の顔料を水性媒体に安定に分散させることのできるものが好適に用いられる。分散剤の具体例は、例えば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸−マレイン酸ハーフエステル共重合体或いはこれらの塩等が含まれる。又、これらの分散剤は、重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲のものが好ましく、特には3,000〜15,000の範囲のものが好ましい。
(その他の顔料)
本発明で使用するインクの色材としては、上記に挙げたものの他、顔料表面にイオン性基(アニオン性基)を結合させることによって、分散剤なしで水性媒体に分散させることのできる顔料、所謂自己分散型顔料を用いることもできる。このような顔料の一例としては、例えば、アニオン性基が顔料粒子表面に結合したものを挙げることができる。自己分散型顔料について、下記に、アニオン性基がカーボンブラック粒子表面に結合してなる自己分散型カーボンブラックを例にとって説明する。
アニオン性カーボンブラックとしては、カーボンブラックの表面に、例えば、−COO(M2)、−SO3(M2)、−PO3H(M2)、−PO3(M2)2から選ばれる少なくとも1つのアニオン性基を結合させたものが挙げられる。上記式中、M2は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表わす。
これらの中でも特に、−COO(M2)や−SO3(M2)をカーボンブラック表面に結合してアニオン性に帯電せしめたカーボンブラックは、インク中の分散性が良好なため、特に好適に用いることができる。ここで、上記親水性基中「M2」として表したもののうち、アルカリ金属の具体例としては、例えば、Li、Na、K、Rb及びCs等が挙げられ、又、有機アンモニウムの具体例としては、例えば、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、メタノールアンモニウム、ジメタノールアンモニウム、トリメタノールアンモニウム等が挙げられる。
そして、前記M2をアンモニウム或いは有機アンモニウムとした自己分散型カーボンブラックを含むインクは、記録画像の耐水性をより向上させることができ、この点において特に好適である。その理由は、当該インクが記録媒体上に付与されると、アンモニウムが分解し、アンモニアが蒸発する影響によるものと考えられる。ここで、M2をアンモニウムとした自己分散型カーボンブラックを製造する方法としては、例えば、M2がアルカリ金属である自己分散型カーボンブラックをイオン交換法を用いてM2をアンモニウムに置換する方法や、酸を加えてH型とした後に水酸化アンモニウムを添加してM2をアンモニウムにする方法等が挙げられる。
アニオン性に帯電している自己分散型カーボンブラックの製造方法としては、例えば、カーボンブラックを次亜塩素酸ソーダで酸化処理する方法が挙げられ、この方法によってカーボンブラック表面に−COONa基を化学結合させることができる。
ところで、上記したような種々の親水性基は、顔料粒子表面に直接結合させてもよい。或いは他の原子団を顔料粒子表面と該親水性基との間に介在させ、該親水性基を顔料粒子表面に間接的に結合させてもよい。ここで、他の原子団の具体例としては、例えば、炭素原子数1〜12の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、置換若しくは未置換のフェニレン基、置換若しくは未置換のナフチレン基が挙げられる。ここで、フェニレン基及びナフチレン基の置換基としては、例えば、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が挙げられる。又、他の原子団と親水性基の組合せの具体例としては、例えば、−C24COO(M2)、−Ph−SO3(M2)、−Ph−COO(M2)等(但し、Phはフェニル基を表す)が挙げられる。
上記したような自己分散型顔料は、単独で、或いは2種若しくはそれ以上を適宜に選択してインクの色材に用いてもよい。又、インク中の自己分散型顔料の添加量としては、インク全量に対して、質量基準で、0.1〜15質量%、特には1〜10質量%の範囲とすることが好ましい。この範囲とすることで自己分散型顔料はインク中で十分な分散状態を維持することができる。更に、インクの色調の調整等を目的として、自己分散型顔料に加えて染料を色材として添加してもよい。
本発明で使用することのできる色材としては、上記したものの他に、ポリマー等でマイクロカプセル化した顔料や樹脂粒子の周囲を色材で被覆した着色微粒子等も用いることができる。マイクロカプセルに関しては、本来的に水性媒体に対する分散性を有するが、分散安定性を高めるために先に説明したような分散剤を更にインク中に共存させてもよい。又、着色微粒子を色材として用いる場合には、上記したアニオン系分散剤等を用いることが好ましい。
[水性媒体]
本発明で使用するインクは、上記に挙げたような顔料等の色材を、水性媒体に分散或いは溶解することで得られるが、水性媒体としては、特に限定されるものでなく、反応液に用いる水性媒体として前記で説明したものと同様のものを、同様の3〜50質量%の含有量で用いることができる。又、本発明で使用するインクは、更に必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤等の種々の添加剤を加えることができるが、特に、インクジェット方式(例えば、バブルジェット(登録商標)法等)で記録媒体に付着するものであるので、水溶性有機溶剤や添加剤等で、インクが所望の粘度や表面張力を有するように調整して、優れたインクジェット吐出特性を有するものとすることが好ましい。
(インクセット)
本発明にかかるインクジェット記録方法では、前記反応液に、2種以上のインクを少なくとも組み合わせてなるインクセットを用いる。該インクセットを構成するインクは、使用する複数のインクのうちの1種或いは2種が、可視領域における最大吸収波長が500nm以下の範囲に存在するインクであることを要するが、その他は特に限定されない。本発明で使用する可視領域における最大吸収波長が500nm以下の範囲に存在するインクとは、例えば、イエロー、オレンジ、レッドといった色調を呈するものである。本発明に使用するできるその他のインクとしては、例えば、マゼンタ、シアン、グリーン、ブルー、バイオレット及びブラック等の色調を示すインクが挙げられる。これらのインクは、所望の色調のインクとなるように前記したものの中から色材を適宜に選択することで調製することができる。
ここで各インク中における顔料等の色材の含有量は、インクが優れたインクジェット吐出特性を備え、又、所望の色調や濃度を有するように適宜選択すればよいが、目安としては、例えば、インク全量に対して、質量基準で、1〜50質量%の範囲、より好ましくは、1〜10質量%とすることが好ましい。又、インクに含有される水の量は、インク全質量に対して50〜95質量%の範囲とすることが好ましい。又、必要に応じて使用される先に挙げたような分散剤は、使用する顔料によっても異なるが、顔料全量(分散剤は除く)に対して、質量基準で、10〜300質量%、特には30〜200質量%の範囲とすることが好ましい。更に、インクの色調の調整等を目的として、上記した顔料に加えて染料を色材として添加してもよい。
本発明で使用するインクセットを構成する複数のインクは、前記したように、特定の色調のインクを1種或いは2種含んで複数が組み合わされたものである。更に、本発明で使用するインクは、複数のインクの少なくとも1種が、本発明においてインクと併用する反応液と反応し得るインクであることを要するが、他はいずれのものであってもよい。本発明で使用するインクは、特に、反応液と瞬時に反応するインクであることが好ましいが、このようなものとしては、例えば、分散剤の有するイオン性基の作用によって顔料が水性媒体中に良好に分散してなる顔料インクや、或いは、顔料粒子表面に結合したイオン性基によって自己分散型顔料が水性媒体中に良好に分散してなる顔料インク等が挙げられる。即ち、これらのインクを反応液と併用して画像を形成した場合には、記録媒体上で反応液中の反応剤である金属イオン等と接触することで、インクの分散安定性が損なわれて瞬時に凝集等を生じ、発色性に優れたブリードのない画像の形成が可能となる。本発明で使用する複数のインクは、特定の色調以外の色のインクや、色材を溶解してなる染料インクを組み合わせたものであってもよく、勿論、用いる全てのインクが、上記したような、水性媒体に色材(顔料等)がイオン性基の作用によって分散させられているインクであってもよい。このようなインクセットを用いることで、シミやムラのない高品位の多次画像が得られると同時に、多色画像をインクジェット装置で形成する場合に問題とされる、異なる色調のインクが記録媒体上で隣接して付与されたときのブリーディングを有効に抑制することができる。
ここで、インクジェット多色画像において問題とされるブリーディングは、特に黒色インクと他のカラーインク(例えば、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、オレンジインク、レッドインク、グリーンインク、ブルーインク及びバイオレットインクから選ばれる少なくとも1つのインク)との間で顕著になり易い。このため、本発明においても、例えば、金属イオンを含有する反応液を用いる場合には、黒色インク中の色材が、予め記録媒体に付与された反応液中の金属イオンと反応するように、黒色インクを、水性媒体中にイオン性基の作用によって顔料が分散されてなる構成のものとすることが好ましい。他のカラーインクについては、染料を水性媒体に溶解したインクであってもよく、勿論、黒色インクと同様に、顔料をイオン性基の作用によって水性媒体に分散させた顔料インクとしてもよい。
(インク特性;インクジェット吐出特性、記録媒体への浸透性について)
本発明の記録方法に用いるインクは、インクジェット記録方式で記録される。この際のインクジェット記録方法としては、インクに力学的エネルギーを作用させ、液滴を吐出する記録方法、及びインクに熱エネルギーを加えてインクの発泡により液滴を吐出する記録方法があり、これらの記録方法をいずれも使用することができる。本発明においては、反応液及びインクの両方をインクジェット記録方式で記録媒体へと付与するように構成してもよいが、この場合には、反応液及びインクのいずれについても、インクジェットヘッドから吐出可能である特性を有するものを用いる。
インクジェットヘッドからの良好な吐出性と、形成した記録部の多次色のムラやシミの防止及び印字部の定着速度の短縮という観点からは、インク等の液体の特性を、例えば、その粘度が1〜15cps(mPa・s)、その表面張力が35mN/m(dyne/cm)以下、そのブリストウ法によるKa値が1ml・m-2・msec-1/2以上とすること、特には、その粘度が1〜5cps(mPa・s)、その表面張力が25〜35mN/m(dyne/cm)、Ka値が1〜5ml・m-2・msec-1/2以上とすることが好ましい。上記特性を満たすように、使用するインク或いは反応液の物性を調整すれば、本発明にかかるインクジェット記録方法によって、多次色画像のムラ・シミ防止が達成され、印字部における定着速度短縮の両立が可能となる。この結果、本発明にかかるインクジェット記録方法によれば、高品位画像が得られ、しかも両面印字や高速印字が可能となる。
しかしながら、先に述べたように、本発明にかかる記録方法では、インクの付与に先立って行う反応液の記録媒体への付与は、インクジェット記録方式によらず、ローラーコート、バーコート、スプレーコート等の塗布方法で行うことが好ましい。更に、本発明における効果が最大限に発揮されるようにするためには、図1(A−1)に示したように、記録媒体に予め付与された反応液中の反応性成分(例えば、多価金属イオン)が、記録媒体の表面近傍において均一に存在しているようにすることが好ましい。このため、上記に挙げた塗布方法の中でも、特にローラーコートやバーコートによる塗布方法を用いて、反応液を記録媒体表面の全領域に付与するようにすることが好ましい。
これに対して、例えば、図1(B−1)に示したように、多価金属イオン値の反応性成分が記録媒体の表面近傍に不均一に存在すると、図1(B−2)及び図1(B−3)に示したように、多価金属イオンが存在していない部分に付与された色材a及びbは、記録媒体の裏面まで浸透してしまい(図中に色材a2及び色材b3で示した)、所謂裏抜けを起こす恐れがある。このような裏抜けの発生は、両面印字等の弊害になり兼ねないので好ましくない。
上記したような裏抜けを抑制するための手段としては、色材を含むインクの浸透性を抑えることが考えられる。しかしながら、このような方法では、単色で形成された画像部の定着性が劣ってしまうことが起こり、高速印字等の弊害になり兼ねない。従って、本発明においては、上記したように、記録媒体の記録部の全面にわたって反応液を付与するように構成することが好ましい。このためには、例えば、図16及び図17に示したような装置によるローラーコート方法等で、反応液を記録媒体表面に付与することが好ましい。
(インクジェット記録装置)
次に、本発明において、インク、場合によっては反応液を記録媒体に付与する際に使用するインクジェット記録方式を実現する記録装置について説明する。図2は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図3は、図2のA−B線での切断面図である。ヘッド13はインクを通す流路(ノズル)14を有するガラス、セラミック、シリコン又はプラスチック板等と発熱素子基板15とを接着して得られる。
発熱素子基板15は酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン等で形成される保護層16、アルミニウム、金、アルミニウム−銅合金等で形成される電極17−1、17−2、HfB2、TaN、TaAl等の高融点材料から形成される発熱抵抗体層18、熱酸化シリコン、酸化アルミニウム等で形成される蓄熱層19、シリコン、アルミニウム、窒化アルミニウム等の、放熱性のよい材料で形成される基板20より成り立っている。
上記ヘッドの電極17−1及び17−2にパルス状の電気信号が印加されると、発熱素子基板15のnで示される領域が急速に発熱し、この表面に接しているインクに気泡が発生し、その発生する圧力でメニスカス23が突出し、インクがヘッドのノズル14を通して吐出し、吐出オリフィス22よりインク小滴24となり、記録媒体25に向かって飛翔する。
図4には、図2に示したヘッドを多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。このマルチヘッドはマルチノズル26を有するガラス板27と、図2に説明したものと同じような発熱ヘッド28を接着して作られている。
図5に、このヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の一例を示す。図5において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持固定されており、カンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッド65による記録領域に隣接した位置に配置され、又、本例の場合、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。
62は記録ヘッド65の突出口面のキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配置され、記録ヘッド65の移動方向と垂直な方向に移動して、インク吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更に、63はブレード61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。
上記ブレード61、キャップ62及びインク吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61及びインク吸収体63によって吐出口面の水分や塵埃等の除去が行われる。又、キヤップを介して不図示のポンプによって記録へッドの各インク、更には反応液の吐出口の位置しているインク等を吸引して、記録ヘッド本来のインク、或いはインク及び反応液の本来の吐出性能を回復させる回復系ユニットを構成している。
65は、吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する記録媒体にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行うためのキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモーター68によって駆動されるベルト69と接続(不図示)している。これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。51は記録媒体を挿入するための紙給部、52は不図示のモーターにより駆動される紙送りローラーである。
これらの構成により記録ヘッドの65の吐出口面と対向する位置へ記録媒体が給紙され、記録が進行につれて排紙ローラー53を配した排紙部へ排紙される。以上の構成において記録ヘッド65が記録終了してホームポジションへ戻る際、吐出回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。その結果、記録ヘッド65の吐出口がワイピングされる。
尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は上記したワイピングの時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。
上述の記録ヘッドのホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
(インクカートリッジ)
図6は、記録ヘッドにインク若しくは反応液を供給する部材、例えば、チューブを介して供給されるインク若しくは該反応液を収容したカートリッジ45の一例を示す図である。ここで40は供給用のインク又は反応液を収納した収容部、例えば、袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、袋40中のインク又は反応液をヘッドに供給可能にする。
44は廃インク又は廃反応液を受容する吸収体である。収容部40としてはインク又は反応液との接液面がポリオレフィン、特にポリエチレンで形成されているものが好ましい。このようなカートリッジは、例えば、図7に示したようにインク又は反応液を吐出せしめる記録ヘッド901に着脱可能に構成されてなるとともに、該カートリッジ45を記録ヘッドに装着した状態ではインク又は反応液が記録ヘッド901に供給されるように構成されている。
又、本発明で使用するインクカートリッジの他の態様としては、反応液とインクとを各々個別に収容した2つの収容部を有し、インク及び反応液を吐出させるためのヘッドに対して着脱可能に構成され、且つインク及び反応液が記録ヘッドに供給可能に構成されているカートリッジを挙げることができる。
図8はそのようなカートリッジ1001の一例を示すものであり、1003は反応液の収容部、1005がインクの収容部であり、カートリッジは図9に示すようにインク及び反応液の各々を吐出せしめる記録ヘッド1101に着脱可能に構成されてなるとともに、カートリッジ1001を記録ヘッド1101に装着した状態では反応液及びインクが記録ヘッド1101に供給されるように構成されているものである。
又、本発明では、図8に示したように反応液とインクとが物理的に一体化されているものばかりでなく、例えば、図10に示すように、反応液を収納したカートリッジ1201とインクを収納したカートリッジ1203とを反応液及びインクの各々を吐出させる共通の記録ヘッド1205に装着し、反応液及びインクとを用いてインクジェット画像の記録を行うことのできるように構成されているものも使用できる。
(記録ユニット)
本発明で使用されるインクジェット装置としては、上述のようにヘッドとカートリッジとが別体となったものに限らず、図11に示すようなそれらが一体になったものにも好適に用いられる。図11において、70は記録ユニットであり、この中にはインク又は反応液を収容した収容部である。例えば、インクを収容する場合には、インク吸収体を収納し、かかるインク吸収体中のインクが複数オリフィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出される構成になっている。インク吸収体の材料としてはポリウレタン、ポリプロピレンを用いることが好ましい。
又、吸収体を用いず、収容部が内部にバネ等を仕込んだ袋であるような構造でもよい。72はカートリッジ内部を大気に連通させるための大気連通口である。この記録ユニット70は図5に示す記録ヘッド65に代えて用いられるものであって、キャリッジ66に対して着脱自在になっている。
更に、本発明で使用する反応液と、1種或いは2種以上の可視領域における最大吸収波長が500nm以下の範囲に存在するインク(例えば、イエローからオレンジのインク)と、更に、それ以外の、黒、マゼンタ、シアン、レッド、グリーン及びブルーの色相を有するカラーインクから選ばれるインクとを、1個のインクタンク内の各々のインク収納部に収納し、且つ各々のインクを吐出させるための記録ヘッドを一体的に備えた記録ユニットも好適に用いることができる。具体的には、例えば、図12に示すように、金属イオンを含有してなる反応液を収容部1301Lに収納し、イオン性基によって水性媒体に顔料が分散してなる黒インクを収納部1301Bkに収納し、イエロー、シアン及びマゼンタのカラーインクを各々、カラーインク収納部1301Y、1301C及び1301Mに収納し、更に反応液と他の4つの色調の異なるインクを各々個別に吐出させることができるようにインク流路を分けて構成した記録ヘッド1303を備えているような記録ユニット1301が挙げられる。
力学的エネルギーを利用したインクジェット記録装置の形態としては、複数のノズルを有するノズル形成基板と、ノズルに対向して配置される圧電材料と導電材料からなる圧力発生素子と、この圧力発生素子の周囲を満たすインクを備え、印加電圧により圧力発生素子を変位させ、インクの小液滴をノズルから吐出させるオンデマンドインクジェット記録ヘッドを挙げることができる。その記録装置の主要部である記録ヘッドの構成例を図13に示す。
ヘッドは、インク室(不図示)に連通したインク流路80と、所望の体積のインク滴を吐出するためのオリフィスプレート81と、インクに直接圧力を作用させる振動板82と、この振動板82に接合され、電気信号により変位する圧電素子83と、オリフィスプレート81、振動板等を指示固定するための基板84とから構成されている。
図13において、インク流路80は、感光性樹脂等で形成され、オリフィスプレート81は、ステンレス、ニッケル等の金属を電鋳やプレス加工による穴あけ等により吐出口85が形成され、振動板82はステンレス、ニッケル、チタン等の金属フィルム及び高弾性樹脂フィルム等で形成され、圧電素子83は、チタン酸バリウム、PZT等の誘電体材料で形成される。
以上のような構成の記録ヘッドは、圧電素子83にパルス状の電圧を与え、ひずみ応力を発生させ、そのエネルギーが圧電素子83に接合された振動板を変形させ、インク流路80内のインクを垂直に加圧しインク滴(不図示)をオリフィスプレートの吐出口85より吐出して記録を行うように動作する。このような記録ヘッドは図5に示したものと同様な記録装置に組み込んで使用される。記録装置の細部の動作は先述と同様に行うもので差しつかえない。
反応液と、4色のインクとからなるインクセットを用いてカラー画像を記録する場合に、例えば、前記図4に示した記録ヘッドを5つキャリッジ1401上に並べた記録装置を用いることができる。図14はその一実施例であり、1401L、1401Bk、1401Y、1401M及び1401Cはそれぞれ、反応液L、黒色インクBk、イエローY、シアンC及びマゼンタMの各色のインクを吐出するための記録ユニットである。記録ユニットは前記した記録装置のキャリッジ上に配置され、記録信号に応じて各色のインクを吐出する。本発明においては、反応液は、各色の或いは各色の中の少なくとも1色の記録インクが記録媒体に付着する部分に、先立って或いはインク付着後に付着させる。
上記図14では記録ユニットを5つ使用した例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、図15に示したように、1つの記録ヘッドで、反応液、黒色インクとYMCの3色のインクを各々含むインクカートリッジ、1501L、1501Bk、1501Y、1501M及び1501Cから供給される各色のインクを、各々個別に吐出させることができるように、インク流路を分けて構成した記録ヘッド1501に取り付けて記録を行う態様であってもよい。
以下、実施例及び比較例を用いて更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記実施例により限定されるものではない。尚、以下の記載で、「部」及び「%」とあるものは特に断らない限り質量基準である。先ず、下記のようにして反応液とインクとを調製した。又、アセチレノールEHは、川研ファインケミカル(株)製である。
[反応液の調製]
(反応液)
以下の成分を混合し、十分攪拌して溶解後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過し、反応液を調製した。
・硝酸カルシウム(4水和物) 8部
・トリメチロールプロパン 6部
・グリセリン 5部
・ジエチレングリコール 5部
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH) 1部
・水 75部
[インクの調製]
(シアンインクCの調製)
顔料[C.I.ピグメントブルー15:3(製品名:ファストゲンブルーFGF、大日本インキ化学(株)製)]を10部、アニオン系高分子P−1(スチレン−アクリル酸共重合体、酸価200、重量平均分子量10,000、固形分10%の水溶液、中和剤:水酸化カリウム)を20部、純水を70部混合し、これらをバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを150部充填し、水冷しつつ、5時間分散処理を行った。この分散液を遠心分離機にかけ粗大粒子を除去した後、最終調製物として、固形分が約12%、重量平均粒径が100nmの顔料分散体Cを得た。
上記で得た顔料分散体Cを含む下記の組成の成分を混合し、常法によって顔料を含むシアンインクCを調製した。
・顔料分散体C 30部
・グリセリン 9部
・ジエチレングリコール 6部
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH) 1部
・水 54部
(マゼンタインクMの調製)
顔料[C.I.ピグメントレッド122(大日本インキ化学(株)製)]10部、アニオン系高分子P−3(スチレン/2−ヒドロキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(共重合比(質量比)=50/20/30)、酸価200、重量平均分子量10,000、固形分10%の水溶液、中和剤:水酸化カリウム)20部、純水70部を混合し、これらの材料をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを150部充填し、水冷しつつ、5時間分散処理を行った。この分散液を遠心分離機にかけ粗大粒子を除去した後、最終調整物の固形分が約12%、重量平均粒径が150nmの顔料分散体Mを得た。
上記で得た顔料分散体Mを含む下記の組成の成分を混合し、常法によって顔料を含むマゼンタインクMを調製した。
・顔料分散体M 30部
・グリセリン 9部
・ジエチレングリコール 6部
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH) 1部
・水 54部
(イエローインクYの調製)
顔料[C.I.ピグメントイエロー180(製品名:ノバパームイエローPH−G、ヘキスト社製)]10部、アニオン系高分子P−1(スチレン−アクリル酸共重合体、酸価200、重量平均分子量10,000、固形分10%の水溶液、中和剤:水酸化カリウム)20部、純水70部を混合し、これらの材料をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを150部充填し、水冷しつつ、5時間分散処理を行った。この分散液を遠心分離機にかけ粗大粒子を除去した後、最終調整物の固形分が約12%、重量平均粒径が125nmの顔料分散体Yを得た。
上記で得た顔料分散体Yを含む下記の組成の成分を混合し、常法によって顔料を含むイエローインクYを調製した。
・顔料分散体Y 30部
・グリセリン 9部
・ジエチレングリコール 6部
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH) 1部
・水 54部
(オレンジインクORの調製)
顔料[C.I.ピグメントオレンジ71)10部、アニオン系高分子P−1(スチレン−アクリル酸共重合体、酸価200、重量平均分子量10,000、固形分10%の水溶液、中和剤:水酸化カリウム]20部、純水70部を混合し、これらをバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを150部充填し、水冷しつつ、5時間分散処理を行った。この分散液を遠心分離機にかけ粗大粒子を除去した後、最終調整物の固形分が約12%、重量平均粒径が120nmの顔料分散体ORを得た。
上記で得た顔料分散体ORを含む下記の組成の成分を混合し、常法によって顔料を含むオレンジインクORを調製した。
・顔料分散体OR 30部
・グリセリン 9部
・ジエチレングリコール 6部
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH) 1部
・水 54部
[各インク及び反応液の特性]
上記で得られたシアンインクC、マゼンタインクM、イエローインクY及びオレンジインクORについての可視領域における最大吸収波長と、各インクと反応液についてのブリストウ法により測定したKa値とを表1にまとめて示した。ここで、可視領域とは400〜700nmの範囲である。最大吸収波長の測定にあたり、各インクを質量基準で、水で2,000倍に希釈したものを測定用のサンプルとして用いた。そして、該水希釈インクを用いて分光光度計[U−3300(日立製作所製)]により、各インクの最大吸収波長を測定した。
Figure 2006263941
<実施例1>
上記で調製した反応液とインクとを組み合わせてインクセット1とした。インクセット1は、反応液と、シアンインクC及びイエローインクYとの組み合わせからなる。このインクセット1を使用して画像を形成した。その際の反応液及び各インクの記録媒体への付与順序は、反応液、シアンインクC、イエローインクYの順序である。
<実施例2>
上記で調製した反応液とインクとを組み合わせてインクセット2とした。インクセット2は、反応液と、マゼンタインクM及びオレンジインクORとの組み合わせからなる。このインクセット2を使用して画像を形成した。その際の反応液及び各インクの記録媒体への付与順序は、反応液、マゼンタインクM、オレンジインクORの順序である。
<実施例3>
上記で調製した反応液とインクとを組み合わせてインクセット3とした。インクセット2は、反応液と、オレンジインクOR及びイエローインクYとの組み合わせからなる。このインクセット3を使用して画像を形成した。その際の反応液及び各インクの記録媒体への付与順序は、反応液、オレンジインクOR、イエローインクYの順序である。
<比較例1>
インクセット1を使用して画像を形成した。その際の反応液及び各インクの記録媒体への付与順序は、反応液、イエローインクY、シアンインクCの順序である。
<比較例2>
インクセット2を使用して画像を形成した。その際の反応液及び各インクの記録媒体への付与順序は、反応液、オレンジインクOR、マゼンタインクMの順序である。
<比較例3>
インクセット3を使用して画像を形成した。その際の反応液及び各インクの記録媒体への付与順序は、反応液、イエローインクY、オレンジインクORの順序である。
[評価]
上記の構成を有する実施例及び比較例の各インクセットを用いて、下記の方法で、先に述べた順序で反応液及びインクを記録媒体上に付与して画像を形成した。記録信号に応じた熱エネルギーをインクに付与することによりインクを吐出させる、オンデマンド型マルチ記録ヘッドを有するインクジェット記録装置BJF900(キヤノン製)の改造機を用いて、1回の走査により2次色を印字した。被プリント材(記録媒体)としては、市販のコピー用紙、ボンド紙及び再生紙の3種類を使用した。反応液は、バーコーターを使用して、インクの付与に先立ち紙の記録面に付与した。得られた各画像について、下記の方法及び基準で2次色のシミ、ムラについて評価した。
<2次色のシミ、ムラの評価結果>
先ず、各記録媒体に各インクセットを用いて、先に述べた方法で2cm×2cmのマスの2次色ベタ画像を印字した。そして、得られたそれぞれの印字物について、印字物から約30cm離した距離で目視観察したところ、実施例のインクセットで画像を形成した場合の2次色のシミ、ムラは、比較例のインクセットに比べて目立たなかった。
上記実施例より、可視領域における最大吸収波長が500nm以下の範囲に存在するインクを用いて多次色の画像を形成する場合に、可視領域における最大吸収波長が500nm以下の範囲に存在するインクを記録媒体へ最後に付与することで、或いは、可視領域における最大吸収波長が500nm以下の範囲に存在するインクが複数ある場合には、最大吸収波長が長いものから順に付与して画像を形成することで、得られる印字物の多次色記録部のシミ、ムラが低減されることが確認できた。
(A−1)〜(A−3)は、反応液を全面に付与した紙に、色材aとbとを用いて画像を形成した場合の様子を説明するための模式図である。(B−1)〜(B−3)は、反応液が不均一に付与された紙に、色材aとbとを用いて画像を形成した場合の様子を説明するための模式図である。 インクジェット記録装置のヘッドの一例を示す縦断面図である。 インクジェット記録装置のヘッドの一例を示す横断面図である。 図2に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外観斜視図である。 インクジェット記録装置の一例を示す概略斜視図である。 インクカートリッジの一例を示す縦断面図である。 インクカートリッジが記録ヘッドに装着された状態を示す概略平面図である。 インクカートリッジの他の態様を示す概略平面図である。 図8のインクカートリッジが記録ヘッドに装着された状態を示す概略平面図である。 記録ヘッドの他の態様を示す概略平面図である。 記録ユニットの一例を示す斜視図である。 記録ユニットの他の態様を示す概略斜視図である。 記録ヘッドの別の構成例を示す概略断面図である。 反応液を収納した記録ユニットと、各色のインクを収納した記録ユニットが同一キヤリッジ上に装着された状態を示す該略図である。 図5のインクジェット装置の記録ヘッド部の一態様のオリフィス部の拡大図である。 反応液を付与する方法の一例を示す模式図である。 反応液を付与する他の一例を示す模式図である。
符号の説明
14:インク溝
15:発熱ヘッド
17−1、17−2:電極
18:発熱抵抗体層
19:蓄熱層
20、84:基板
21:インク
22:吐出オリフィス(微細孔)
23:メニスカス
24:インク小滴
25:記録媒体
26:マルチ溝
27:ガラス板
28:発熱ヘッド
40:インク袋
42:栓
44:インク吸収体
51:給紙部
52:紙送りローラー
64:吐出回復部
65:記録ヘッド
66:キャリッジ
70、1301:記録ユニット
71:ヘッド部
72:大気連通口
80:インク流路
81:オリフィスプレート
82:振動板
83:圧電素子
84:基板
85:吐出口
91:反応液
92:インク
321:紙送りローラー
322:反応液
323:コーティングローラー
324:タンク
331:コーティングローラー
901:記録ヘッド
45、1001、1201、1203:インクカートリッジ
1003:反応液の収容部
1005:インクの収容部
1101、1205、1303、1501:記録ヘッド
1401:キャリッジ

Claims (8)

  1. 記録媒体に少なくとも2種のインク組成物をインクジェット方式で付与する工程Aと、該インク組成物の少なくとも1種と反応する成分を含んでなる反応液を付与する工程Bとを有し、工程Aが工程Bの後に行われるインクジェット記録方法において、上記インク組成物のうちの1種が、可視領域における最大吸収波長が500nm以下の範囲に存在するインク組成物であり、且つ、上記工程Aで、該インク組成物と他のインク組成物を用いて多次色の画像を形成する際に、上記可視領域における最大吸収波長が500nm以下の範囲に存在するインク組成物を記録媒体へ最後に付与することを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 記録媒体に少なくとも2種のインク組成物をインクジェット方式で付与する工程Aと、該インク組成物の少なくとも1種と反応する成分を含んでなる反応液を付与する工程Bとを有し、工程Aが工程Bの後に行われるインクジェット記録方法において、上記インク組成物のうちの2種が、可視領域における最大吸収波長が500nm以下の範囲に存在するインク組成物であり、且つ、上記工程Aで、上記インク組成物を用いて多次色の画像を形成する際に、上記可視領域における最大吸収波長が500nm以下の範囲に存在する少なくとも2種のインク組成物のうち、最大吸収波長が長いものから順次記録媒体へ付与していく(但し、最大吸収波長が500nmを超える範囲に存在するインク組成物を用いる場合には、該インク組成物を最大吸収波長が500nm以下の範囲に存在する全てのインク組成物に先立って記録媒体へ付与する)ことを特徴とするインクジェット記録方法。
  3. 前記反応液のブリストウ法によるKa値が、1ml・m-2・msec-1/2以上である請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記インク組成物のブリストウ法によるKa値が、1ml・m-2・msec-1/2以上である請求項1〜3の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記工程Aが、1回の走査により行われる請求項1〜4の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記インク組成物に含まれる色材が、顔料である請求項1〜5の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記反応液が、多価金属イオンを含有する請求項1〜6の何れか1項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載のインクジェット記録方法により印字されたことを特徴とする記録物。
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