JP2000256589A - インクジェット記録用インク、インクカラーセット及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録用インク、インクカラーセット及びインクジェット記録方法

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JP2000256589A
JP2000256589A JP6216899A JP6216899A JP2000256589A JP 2000256589 A JP2000256589 A JP 2000256589A JP 6216899 A JP6216899 A JP 6216899A JP 6216899 A JP6216899 A JP 6216899A JP 2000256589 A JP2000256589 A JP 2000256589A
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ink
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magenta
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Eisuke Hiraoka
英輔 平岡
Yoshiro Yamashita
嘉郎 山下
Masahiko Nakajo
晶彦 中条
Hiromi Nagai
浩美 永井
Kaoru Watanabe
薫 渡辺
Yasuharu Endo
保晴 遠藤
Takeshi Hashimoto
健 橋本
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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    • C09D11/30Inkjet printing inks
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐光性、色再現性、マゼンタにちなむ二次色
であるレッド、ブルー色の色再現性に優れ、優れた画像
品質および高い信頼性を有するインクジェット記録用マ
ゼンタインク、それを用いたインクジェット記録用カラ
ーインクセット、及びそれらを用いたインクジェット記
録方法を提供する。 【解決手段】 水と色材と2種以上の水溶性有機溶剤を
含有してなるインクジェット記録用マゼンタインクであ
って、そのインクの可視吸光スペクトルにおいて、50
0〜570nmに吸光度の第1ピークA(abs.)を
有し、300〜350nmに吸光度の第2ピークB(a
bs.)を有し、A/Bが0.9〜2.5である。水と色
材と2種以上の水溶性有機溶剤を含有するマゼンタ、シ
アン及びイエローのインクジェット記録用カラーインク
セットにおいて、マゼンタインクとして前記マゼンタイ
ンクを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐光性、色再現性
に優れ、優れた画像品質及び高い信頼性を有するインク
ジェット記録用インク、そのインクを用いたインクジェ
ット記録用カラーインクセット、及びそのインクジェッ
ト記録用インクセットを用いるインクジェット記録用イ
ンク記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式の原理は、ノズ
ル、スリットあるいは多孔質フィルム等から液体あるい
は溶融固体インクを吐出し、紙、布、フィルム等に記録
を行うというものである。インクを吐出する方法につい
ては、静電誘引力を利用してインクを吐出させる、いわ
ゆる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用してイ
ンクを吐出させる、いわゆるドロップオンデマンド方式
(圧力パルス方式)、高熱により気泡を形成、成長させ
ることにより生じる圧力を利用してインクを吐出させ
る、いわゆる熱インクジェット方式等、各種の方式が提
案されており、これらの方式により、極めて高精細の画
像を得ることができる。
【0003】かかるインクジェット記録方式に使用する
インクとしては、各種の水溶性の染料を水と水溶性有機
溶剤からなる液状媒体に溶解させた水性染料インク、各
種の顔料を水と水溶性有機溶剤からなる液状媒体に分散
させた水性顔料インク、油溶性染料を有機溶剤に溶解さ
せた油性染料インク等が知られている。これらのインク
の中でも、水溶性染料を溶解した水性インクは、主溶媒
が水であるため、安全性に優れており、さらに、染料を
用いるため、カラー画像の発色性が良く高品位な印字画
像が得られ、インクの保存安定性にも優れるため、イン
クジェット記録用インクの主流となっている。
【0004】一方、近年、インクジェットプリンティン
グ技術を用いて写真に近い品質の印字画像が必要とされ
てきており、カラー画像を形成する上で、マゼンタイン
ク、シアンインク及びイエローインクは、それ自体が優
れた色再現性を有し、さらにそれらインクを重ねて印字
して得られる二次色であるRGB色の色再現性が優れてい
ることが重要である。また、写真に近い品質の印字画像
を得るために、複数の色材濃度水準のインクを重ねて印
字を行うことを考慮すると、複数回重ねて印字する際の
色のにじみや混色の発生、印字物の乾燥性の遅延を防ぐ
ことが重要である。また、高解像小ドロップのインクジ
ェット記録方法による印字画像の高解像度化のため、イ
ンクジェット記録用ヘッドのノズルが微細となり、ノズ
ル目詰まりの防止が重要となっている。さらに得られた
印字画像の品質を、長期に渡り損なうことなく保存する
ためには、耐水性、耐光性等の堅牢性が優れていること
が重要である。しかし、フルカラー画像を形成するマゼ
ンタ、シアン、イエロー、及びブラック4色の中でも、
マゼンタは光に対して劣化しやすく、その結果、画像品
位が著しく劣化することがしばしばある。
【0005】このような水性マゼンタ染料インクの耐光
性を改善するために、種々の研究開発がなされている。
例えば、特公昭61−57878号公報には、特定の構
造を有する染料によって耐光性を改善する方法が提案さ
れている。しかしながら、これらの染料を用いた場合、
耐光性は優れているものの、それだけでは画像のにじみ
がみられたり、小ドロップヘッドによる印字の際、ノズ
ル間詰まり等の問題がある。また、特開平6−1007
90号公報、特開平7−166084号公報及び特開平
9−255887号公報には特定の吸光度を有する新規
色素が提案されている。しかし、これらの染料を用いた
場合、色再現性は優れているものの、耐光性が不十分で
あったり、またカラー画像印字時にこれらのインクを組
み合わせて、カラーインクセットとして用いると、マゼ
ンタを含めた二次色であるレッド、ブルー色の発色性が
不十分であるという問題がある。一方、上記のようなカ
ラー印字時の問題を改善するために、特開平9−338
0号公報には、マゼンタインクとして色材にC.I.ダイ
レクトレッド227を用いることにより、色再現性を改
善する方法が提案されている。しかし、この場合、マゼ
ンタインクの耐光性が十分でないため、得られたカラー
印字画像の保存性が十分でない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、インク
ジェット記録用インクの水溶性インクにおいては、耐光
性、色再現性に優れるとともに、マゼンタにちなむ二次
色であるレッド、ブルー色の色再現性にも優れ、優れた
画像品質および高い信頼性を有する等、インクジェット
記録用インクに要求される種々の性能を満足させるイン
クジェット記録用インクは未だ得られていないのが現状
である。従って、本発明の目的は、上記の従来技術にお
ける諸問題を解決し、インクジェット記録用インクに要
求される種々の性能を満足させるマゼンタインク、すな
わち、耐光性、色再現性に優れるとともに、マゼンタに
ちなむ二次色であるレッド、ブルー色の色再現性にも優
れ、優れた画像品質および高い信頼性を有するインクジ
ェット記録用マゼンタインクを提供することである。ま
た、本発明の第2の目的は、前記インクジェット記録用
マゼンタインクを用いたインクジェット記録用カラーイ
ンクセットを提供することである。さらに、本発明の第
3の目的は、前記インクジェット記録用カラーインクセ
ットを用いるインクジェット記録方法を提供することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者等は、鋭
意検討を重ねた結果、インクの可視吸光スペクトルの5
00〜570nmに吸光度の第1ピークA(abs.)
を有し、300〜350nm吸光度の第2ピークB(a
bs.)を有し、A/Bが0.9〜2.5である、水と色
材と2種以上の水溶性有機溶剤を含有してなるインクジ
ェット記録用マゼンタインクが、耐光性、色再現性に優
れ、優れた画像品質を有し、ノズル目詰まりすることの
ない印字周波数応答性に優れたものであることを見出
し、本発明完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、水と色材と2種以上
の水溶性有機溶剤を含有してなるインクジェット記録用
マゼンタインクであって、そのインクの可視吸光スペク
トルにおいて、500〜570nmに吸光度の第1ピー
クA(abs.)を有し、300〜350nm吸光度の
第2ピークB(abs.)を有し、A/Bが0.9〜2.
5であることを特徴とするインクジェット記録用マゼン
タインク;前記水溶性有機溶剤が、多価アルコール、ポ
リアルキレングリコール、グリコールエーテル及び極性
溶剤から選択される2種以上であることを特徴とする前
記インクジェット記録用マゼンタインク;前記水溶性有
機溶剤の含有量が、インクジェット記録用インクに対し
て、3〜40重量%であることを特徴とする前記インク
ジェット記録用マゼンタインク;前記色材が、アニオン
性の水溶性染料であり、前記アニオン性の水溶性染料の
含有量が、インクジェット記録用マゼンタに対して、
0.1〜10.0重量%であることを特徴とする前記イン
クジェット記録用マゼンタインク; (i)ノニオン性、アニオン性及び両性界面活性剤から
選ばれる1種以上の界面活性剤をインクジェット記録用
マゼンタインクに対して0.005〜5重量%含有し、
(ii)20℃におけるpKaが6.0〜10.0の範囲に
あるカルボン酸及び/またはスルホン酸構造を有する含
窒素化合物と、アルカリ金属の水酸化物とを含有するこ
とを特徴とする前記インクジェット記録用マゼンタイン
ク;インクのpH値が5.0〜12.0、表面張力γが2
0〜45mN/m、粘度ηが1.5〜5.0mPasの範
囲にあることを特徴とする前記インクジェット記録用マ
ゼンタインク;水と色材と2種以上の水溶性有機溶剤を
含有するマゼンタ、シアン及びイエローのインクジェッ
ト記録用カラーインクセットにおいて、マゼンタインク
が前記インクジェット記録用マゼンタインクであること
を特徴とするインクジェット記録用カラーインクセッ
ト;シアンインクに用いられる色材が、C.I.ダイレク
トブルー86、C.I.ダイレクトブルー199、C.I.
ダイレクトブルー307及びC.I.アシッドブルー9よ
り選ばれる少なくとも1つ、イエローインクに用いられ
る色材が、C.I.ダイレクトイエロー86、C.I.ダイ
レクトイエロー132、C.I.ダイレクトイエロー14
2、C.I.ダイレクトイエロー144及びC.I.ダイレ
クトイエロー173より選ばれる少なくとも1つである
ことを特徴とする前記インクジェット記録用カラーイン
クセット;シアン及びマゼンタインクが、少なくとも2
種類の色材濃度水準を有することを特徴とする前記イン
クジェット記録用カラーインクセット;前記インクジェ
ット記録用マゼンタインクまたは前記カラーインクセッ
トを用いて、液滴1ドロップ当たりのインク吐出量を1
〜20nmとして記録することを特徴とするインクジェ
ット記録方法;及び印字される表面がJIS−Z−87
41において規定された75度鏡面光沢度が40%以上
であるインクジェット記録シートに印字することを特徴
とする前記インクジェット記録方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 (インクジェット記録用マゼンタインク)本発明のイン
クジェット記録用マゼンタインクは、可視吸光スペクト
ルにおいて、500〜570nmに吸光度の第1ピーク
A(abs.)を有し、300〜350nmに第2ピー
クB(abs.)を有し、A/Bが0.9〜2.5であ
り、1.6〜1.9であることがより好ましい。A/Bが
2.5より大きいと、前記の紫外線吸収効果があまり発
現せず、印字画像の耐光性が悪くなる。一方、A/Bが
0.9より小さいと、原因は定かでないが、やはり耐光
性が劣化してしまう。
【0010】本発明の作用メカニズムの詳細は良く分か
らないが、あえてメカニズムを推測するならば、次の通
りである。マゼンタ色の可視吸光スペクトルは、500
nm〜570nmの範囲に吸光度の第1ピークを持つ。
その第1ピークが500nmより小さい波長に位置する
と、赤から橙色の色相となる。また第1ピークが570
nmより大きい波長に位置すると、紫の色相となり良好
なマゼンタ色が得られない。したがって、500nm〜
570nmの範囲に第1ピークを有することは、良好な
マゼンタ色再現性を得るために重要である。ここで、ピ
ークとは、実測された値によるものであり、1つ以上の
吸収帯が重なり合った複合吸収帯についても、その値を
用いてよい。
【0011】さらに、本発明のマゼンタインクは、吸光
度の第2ピーク(abs.)を300nm〜350nm
の範囲に有することが特徴である。一般に、光に曝され
ることによる印字画像の劣化は、可視及び紫外領域の光
によって色材分子が励起され、その励起分子が反応する
ことにより生じるとされている。本発明のマゼンタイン
クが、300nm〜350nmの範囲で吸光度のピーク
を有することは、すなわち近紫外領域の光の吸収を有す
ることを意味しており、自身が紫外線吸収剤の役目を果
たし、その結果、分子を励起状態から基底状態へもど
し、光による反応を抑制していると推察される。
【0012】本発明のインクジェット記録用マゼンタイ
ンクにおいて用いられる色材としては、染料でも顔料で
もよいが、色再現性の点から染料が好ましく、安全性、
溶解安定性の点から、アニオン性の水溶性染料であるこ
とがより好ましい。アニオン性の水溶性染料としては、
酸性染料、直接性染料、反応性染料、食用染料等が使用
できる。また、特にインクジェット記録用として開発さ
れた染料としては、例えば、Bayscript Ma
genta VP SP 25005(Bayer社
製)、JPD Magenta L−406(日本化薬社
製)等が挙げられる。これらの染料は、単独でも使用で
きるが、2種以上を混合して用いてもよい。これらの染
料の含有量は、染料の発色性にもよるが、全インク量に
対して0.1〜10.0重量%の範囲であることが好ま
しい。染料の含有量が0.1重量%未満であると画像濃
度が低く、染料の含有量が10重量%を越えると染料が
析出しやすくなる。染料の溶解安定性の点から、染料の
含有量は0.3〜9重量%であることがより好ましい。
また、色材として顔料を用いる場合は、顔料の含有量
は、全インク量に対して、1〜10重量%、さらに2〜
8重量%であることが好ましい。
【0013】本発明のインクジェット記録用マゼンタイ
ンクにおいて用いられる水溶性有機溶剤は、多価アルコ
ール、ポリアルキレングリコール、グリコールエーテル
及び極性溶剤から選択される2種以上であることが好ま
しい。水溶性有機溶剤が、多価アルコール、ポリアルキ
レングリコール、グリコールエーテル及び極性溶剤から
選択される2種以上である場合には、インクの保湿性及
び色材の溶解性が良好になり、目詰まり、インクジェッ
ト記録用インクの吐出安定性を維持し、さらに長期の保
存に対しても色材の凝集・析出を防ぐことができる。
【0014】これらの中でも、色材の溶解安定性を考慮
すると、グリセリン、ジエチレングリコール、2,2'
−チオジエタノール、スルフォランが特に好ましい。ま
た、インクジェット記録用インクの紙への浸透性、及び
色材の溶解性を考慮すると、グリコールエーテルが好ま
しく、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレング
リコールモノブチルエーテルが特に好ましい。
【0015】前記多価アルコール、ポリアルキレングリ
コールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,5−ペンタ
ンジオール、グリセリン、2,2'−チオジエタノー
ル、トリエタノールアミン等を好適に用いることができ
る。
【0016】前記グリコールエーテルとしては、例え
ば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール
モノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチル
エーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等を好適
に用いることができる。
【0017】本発明において、前記極性溶剤とは、溶媒
の持つ双極子モーメントが大きいものか、溶媒の誘電率
が大きいものを指し、例えば、N,N−ジメチルホルム
アミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリド
ン、シクロヘキシルピロリドン、ジメチルスルホキシ
ド、スルフォラン等を好適に用いることができる。これ
らの中でも、色材の溶解安定性を考慮すると、2−ピロ
リドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシル
ピロリドン、スルフォラン等の環状化合物が特に好まし
い。
【0018】また、このような溶媒と別に、エタノー
ル、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコー
ル等のアルコール類、モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールア
ミンをインクジェット記録用マゼンタインクに添加して
もよい。
【0019】本発明においては、前記水溶性有機溶剤の
含有量が、インクジェット記録用マゼンタインクに対し
て、3〜40重量%であることが好ましい。前記水溶性
有機溶剤の全含有量が3重量%未満であると、インクジ
ェット記録用インクが乾燥、析出しやすくなり、ノズル
目詰まり等の吐出不良を起こしやすくなり、一方、40
重量%を越えると、インクの紙への定着性が悪く、また
インクの粘度が高くなり吐出不良を起こしやすくなる。
ノズル目詰まり防止、吐出安定性のバランスを考慮する
と、10.0〜35.0重量%がより好ましい。
【0020】本発明のインクジェット記録用マゼンタイ
ンクにおいて用いられる水は、蒸留水、イオン交換水、
純水、超純水が好ましく、多価カチオン、微生物等の混
入がなく、保管安定性、目詰まりの点で、超純水が特に
好ましく用いられる。
【0021】本発明のインクジェット記録用マゼンタイ
ンクは、pHが5.0〜12.0の範囲にあることが好ま
しい。この範囲では適度なpHの緩衝作用を発揮し、印
字後の乾燥時の急激なpH変化を緩和し、色調の変化を
抑制することができる。pHが5.0未満であると、色
材の溶解性が不安定となり析出し易くなることがあり、
pHが12.0を越えるとヘッド材料をはじめインクジ
ェット記録装置内で常時インクと接する材料の腐食や溶
解、剥離等の劣化が進みやすくなることがある。また、
色材の溶解安定性、他の構成材料の安定性を考慮する
と、pHは6.0〜10.0の範囲であることが好まし
く、6.5〜9.0の範囲であることがさらに好ましい。
なお、ここでのpH値は、インク調製後に、20℃、5
0%RHの環境下において、pHメーター(堀場製作所
社製)により測定した値である。
【0022】本発明のインクジェット記録用マゼンタイ
ンクは、表面張力γが20〜45mN/mの範囲であ
り、粘度ηが1.5〜5.0mPasの範囲であること
が好ましい。これらの値がこの範囲内であると、インク
ジェット記録用マゼンタインクの紙への浸透、定着を適
切に制御でき、その結果、印字画像のにじみや混色を防
ぎ、優れた印字画像を得ることができる。また、このイ
ンクジェット記録用マゼンタインクを長時間、連続吐出
を行っても、ソリッド部のかすれおよび白筋が発生する
ことなく、安定に吐出できる。表面張力γが20mN/
mより小さいと、浸透が過剰となり、印字画像の濃度が
低下し易く、また画像にじみが発生し易くなる。また、
ソリッド部がかすれたり白筋が発生し易くなる。45m
N/mを越えると、浸透速度が遅くなり、印字画像の乾
燥が遅延され、重ねて印字した際に混色し、印字画像が
劣化し易くなる。粘度ηが1.5mPasより小さい
と、吐出が不安定になりやすく、5.0mPasを越え
ると、浸透速度が遅くなり、印字画像の乾燥が遅延さ
れ、重ねて印字した際に混色し、印字画像が劣化し易く
なる。印字画像の品質と吐出安定性とのバランスを考慮
すると、表面張力γが30〜39mN/mで、粘度ηが
1.5〜2.5mPasであることが好ましい。
【0023】なお、ここで表面張力γとは、調製後のイ
ンク液の表面張力であり、20℃、50%RHの環境下
において、表面張力計(協和界面化学社製)により表面
張力を測定した値である。また、粘度ηとは、調製後の
インク液の粘度であり、20℃、50%RHの環境下に
おいて、粘度計(レオマット社製)により測定した値で
ある。
【0024】本発明のインクジェット記録用インクは、
その他の成分を含有することもでき、それらの成分は、
特に制限なく目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、界面活性剤をインクに含有させると、この界面
活性剤がインクジェット記録用インクの紙への浸透性を
促進するだけでなく、色材分子と相互作用を生じること
により、色材の紙繊維に対する濡れ性を向上させ、色ム
ラなどによる画質の劣化、色調の劣化を防止することが
できる。
【0025】本発明に用いられる界面活性剤は、ノニオ
ン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤もしくは両性界
面活性剤から選ばれる少なくとも1つである。ノニオン
性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニル
エーテル等の、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
キシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロッ
ク共重合体、アセチレングリコールのエチレンオキサイ
ド付加物、グリセリンのエチレンオキサイド付加物、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸ア
ルキロールアミド等を用いることができる。
【0026】アニオン性界面活性剤としては、例えば、
アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンス
ルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルマ
リン縮合物、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸
エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級
アルコールエーテルの硫酸エステル塩、及びスルホン酸
塩、高級アルキルスルホンアミドのアルキルカルボン酸
塩、スルホコハク酸塩、そのエステル塩等を用いること
ができる。両性界面活性剤としては、例えば、ベタイ
ン、スルホベタイン、サルフェートベタイン、イミダゾ
リドンベタイン等を用いることができる。
【0027】本発明においては、これらの界面活性剤の
中でも、色材のイオンや他の成分のイオンと相互作用を
起こしにくいノニオン性界面活性剤が好ましく、熱的な
安定性と純度の点でポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重
合体がより好ましい。本発明においては、これらの界面
活性剤のインクジェット記録用マゼンタインクにおける
含有量としては、0.005から5重量%であることが
好ましく、0.01から2重量%がより好ましい。
【0028】本発明のインクジェット記録用マゼンタイ
ンクは、20℃におけるpKaが6.0〜10.0の範囲
であるカルボン酸および/またはスルホン酸構造(これ
らは塩であってもよい)を有する含窒素化合物と、アル
カリ金属の水酸化物(MOHで表され、Mは、Li、N
a、Kから選択される)ことが好ましい。本発明で用い
る20℃におけるpKaが6.0〜10.0の範囲である
カルボン酸および/またはスルホン酸構造(これらは塩
であってもよい)を有する含窒素化合物としては、カル
ボキシル基が置換したアルキル基、スルホン酸基が置換
したアルキル基を含有する含窒素化合物が挙げられる。
また、カルボキシル基やスルホン酸基に加え、さらに水
酸基が置換したアルキル基、カルバモイル基が置換した
アルキル基等を含有する化合物が挙げられる。
【0029】カルボキシル基が置換したアルキル基とし
ては、例えば、カルボキシメチル基、1−カルボキシエ
チル基、2−カルボキシエチル基、1−カルボキシ−n
−プロピル基、2−カルボキシ−n−プロピル基、3−
カルボキシプロピル基、2−カルボキシ−I−プロピル
基、1−カルボキシ−n−ブチル基4−カルボキシブチ
ル基、3−カルボキシ−I−ブチル基、2−メチル−4
−カルボキシル基、カルボキシ−t−ブチル基、5−カ
ルボキシペンチル基等が挙げられる。
【0030】スルホン酸基が置換したアルキル基として
は、例えば、前記カルボキシル基が置換したアルキル基
において、該カルボキシル基をスルホン酸基で置き換え
たアルキル基等が挙げられる。
【0031】これらの酸性基は、リチウム、ナトリウ
ム、カリウムまたはアンモニウム塩の形態でアルキル基
に置換していてもよい。これらの酸性基の好ましい例と
しては、カルボキシメチル基、1−カルボキシエチル
基、1−カルボキシ−n−プロピル基、スルホメチル
基、1−スルホエチル基、1−スルホ−n−プロピル基
が挙げられる。
【0032】水酸基が置換したアルキル基としては、例
えば、メチロール基、2−ヒドロキシエチル基、メチロ
ールメチル基、トリメチロールメチル基、1−ヒドロキ
シ−n−プロピル基、2−ヒドロキシ−n−プロピル
基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシ−I−
プロピル基、1−ヒドロキシ−n−ブチル基4−ヒドロ
キシブチル基、3−ヒドロキシ−I−ブチル基、2−メ
チル−4−ヒドロキシル基、ヒドロキシ−t−ブチル
基、5−ヒドロキシペンチル基等が挙げられる。
【0033】カルバモイル基が置換したアルキル基とし
ては、例えば、前記カルボキシル基が置換したアルキル
基において、該カルボキシル基をカルバモイルで置き換
えたアルキル基等が挙げられ、その好ましい具体例とし
ては、メチロール基、2−ヒドロキシエチル基、トリメ
チロールメチル基、カルバモイルメチル基等が挙げられ
る。
【0034】これらの基等を含有する含窒素化合物とし
ては、例えば、アセトアミドグリシン、N−2−ヒドロ
キシエチルグリシン、N−カルバモイルメチル−β−ア
ラニン、N−2−ヒドロキシエチル−N−カルバモイル
メチルグリシン、N−ヒドロキシメチル−N−カルバモ
イルメチル−γ−アミノ酪酸、N−カルボキシメチルイ
ミノジアセトアミド、N−カルバモイルメチルイミノジ
酢酸、N−ヒドロキシプロピルイミノジプロピオン酸、
N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン等、あ
るいはアミノエタンスルホン酸、N−2−ヒドロキシエ
チル−2−アミノエタンスルホン酸、N−3−ヒドロキ
シプロピル−2−アミノエタンスルホン酸、N−カルバ
モイルメチル−2−アミノエタンスルホン酸、N,N−
ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスル
ホン酸、N−2−ヒドロキシエチル−N−カルバモイル
メチルアミノエタンスルホン酸、N−2−ヒドロキシエ
チル−N−カルバモイルメチル−2−アミノエタンスル
ホン酸、N,N−ビス−カルバモイルメチル−2−アミ
ノエタンスルホン酸、N−2−ヒドロキシエチルイミノ
ジエタンスルホン酸、N−トリス(ヒドロキシメチル)
メチル−3−アミノプロパンスルホン酸、またはこれら
のリチウム、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウム
塩等が挙げられる。
【0035】本発明においては、これらの含窒素化合物
の中でも、インクベヒクルへの溶解性を考慮すると、ア
ミノエタンスルホン酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシ
エチル)−2−アミノエタンスルホン酸、アセトアミド
グリシン、N−カルバモイルメチルイミノジ酢酸、N−
トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパ
ンスルホン酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)
グリシンが好ましい。また、熱的な安定性を考慮する
と、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミ
ノエタンスルホン酸がより好ましい。
【0036】これらの含窒素化合物は、1種を単独で用
いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの含
窒素化合物のインクジェット記録用マゼンタインクにお
ける含有量は、用いる色材自体の溶解性およびpHに対
する発色の安定性によって、適宜、適切な量が選択され
るが、十分な色材溶解安定化能およびpH安定性を発揮
し、含窒素化合物自体も十分に溶解安定し得るには、
0.03〜8重量%が好ましく、pH安定性と該含窒素
化合物自体の溶解安定性とのバランスを考慮すると、
0.05〜3重量%がより好ましい。
【0037】本発明で用いるアルカリ金属の水酸化物
は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および水酸化
カリウムから選ばれる。これらアルカリ金属の水酸化物
の中では、イオン化した場合の保水性の点で水酸化リチ
ウム、水酸化ナトリウムが好ましい。本発明において
は、アルカリ金属の水酸化物のインクジェット記録用マ
ゼンタインクにおける含有量は、前記含窒素化合物の含
有量に依存し、一概には規定することが出来ないが、イ
ンクジェット記録用マゼンタインクのpHを6.〜12.
に保つためには、0.03重量%以上が好ましく、ヘッ
ド材料をはじめインクジェット記録装置内で常時インク
と接する材料の腐食や溶解、剥離等の劣化を十分に抑制
するためには5.0重量%以下が好ましく、具体的に
は、0.03〜5.重量%の範囲内でインクジェット記録
用マゼンタインクのpHが6.0〜12.0の範囲に調
整されるように添加するのが好ましい。
【0038】その他、本発明のインクジェット記録用マ
ゼンタインクには、必要に応じて、デヒドロ酢酸ナトリ
ウム、安息香酸ナトリウム等の防カビ剤、シクロデキス
トリン、ポリシクロデキストシン、大環状アミン類等の
包接化合物、尿素、チオ尿素等の可溶化剤、粘度調整
剤、導電剤等を含有させることも可能である。
【0039】(インクジェット記録用カラーインクセッ
ト)本発明のインクジェット記録用マゼンタインクに
は、シアンインク、イエローインクを組み合わせて、発
色性、色再現性に優れたインクセットを構成することが
できる。この場合、シアンインクに用いられる色材とし
ては、特に限定されないが、染料や顔料が用いられる
が、色再現性の点から染料が好ましい。染料としては、
水溶性染料が安全性の点から用いられ、耐光性、色再現
性の点から、C.I.ダイレクトブルー86、C.I.ダイ
レクトブルー199、C.I.ダイレクトブルー307、
およびC.I.アシッドブルー9から選ばれる少なくとも
1つを含有することが好ましい。これらの染料のうち、
耐光性と色再現性とのバランスを考慮すると、C.I.ダ
イレクトブルー199、C.I.ダイレクトブルー307
がより好ましい。また、これら染料は、単独でも使用で
きるが、2種以上を混合して用いてもよい。さらに色調
補正として、カラーインデックスに記載されている任意
の酸性染料、直接性染料、反応性染料、食用染料を色再
現性や耐光性を損なわない程度に添加してもよい。
【0040】また、イエローインクに用いられる色材と
して、染料や顔料が用いられるが、色再現性の点から染
料が好ましい。染料としては、水溶性染料が安全性を考
慮して用いられ、耐光性の点から、C.I.ダイレクトイ
エロー86、C.I.ダイレクトイエロー132、C.I.
ダイレクトイエロー142、C.I.ダイレクトイエロー
144及びC.I.ダイレクトイエロー173から選ばれ
る少なくとも1つを含有することがより好ましい。これ
らの染料のうち、耐光性と色再現性とのバランスの点か
ら、C.I.ダイレクトイエロー132、C.I.ダイレク
トイエロー142、C.I.ダイレクトイエロー144が
より好ましい。また、これらの染料は、単独でも使用で
きるが、2種以上を混合してもよい。さらに色調補正と
して、カラーインデックスに記載されている任意の酸性
染料、直接性染料、反応性染料、食用染料を色再現性や
耐光性を損なわない程度に添加してもよい。
【0041】また、本発明のカラーインクセットに、任
意選択でブラックインクを用いてもよい。ブラックイン
クの色材は、染料、顔料のどちらを用いてもよいが、好
ましくは染料で水溶性染料がさらに好ましい。該ブラッ
クインクは、また、前記シアンインク、マゼンタイン
ク、イエローインクによる複合色からなるブラックイン
クであってもよい。
【0042】本発明のカラーインクセットの各色インク
には、少なくとも2種類の色材濃度水準を設定してもよ
い。各色の色材濃度水準は、用いる色材の種類によっ
て、適宜、適切な水準を設定することができる。色材濃
度水準が、最も高濃度であるインクの色材濃度水準を1
とした時、そのインクよりも色材が低濃度であるインク
の色材濃度水準は、画像の低濃度部における粒状感の低
減の点から、2/3〜1/20の範囲から選ばれること
が好ましい。2/3より濃い水準を用いると、画像の低
濃度部においてドット密度が減少するため、相対的に個
々のドットが視認されやすくなり、粒状感が目立ってし
まう。1/20より薄い水準を用いると、画像濃度があ
る程度必要となる場合に、過度の重ね打ちが必要とな
り、その結果、印字速度の遅延や印字画像の乾燥時間の
遅延、さらに紙等の媒体がインク液滴を吸収しきれずに
印字表面にムラとして残ってしまう。粒状感の低減と印
字画像のムラを生じない関係としては、色材濃度水準を
1/2〜1/10の範囲とすることがより好ましい。
【0043】(インクジェット記録方法)本発明のイン
クジェット記録用マゼンタインク及びカラーインクセッ
トは、液滴1個(1ドロップ)当たりのインク吐出量が
1〜20ngの範囲にある高解像度用の小ドロップイン
クジェット記録方法に用いることが好ましい。20ng
を超える大きなドロップを有するインクジェット記録方
法に用いることも可能であるが、より高解像度が優れた
画像を得るためには、1ドロップ当たりのインク吐出量
が1〜20ngの範囲にある高解像度用の小ドロップイ
ンクジェット記録用法が好ましく、本発明のインクジェ
ット記録用マゼンタインク及びカラーインクセットを用
いることで、ノズル目詰まりを生じることなく高品質の
印字画像が得られる。また、さらに高品質の印字画像を
得るためには、液滴1個当たりのインク吐出量が1〜1
0ngであることがより好ましく、1〜5ngであるこ
とが特に好ましい。
【0044】また、本発明のインクジェット記録用マゼ
ンタインク及びカラーインクセットは、印字される表面
が、JIS−Z−8741にて規定された75度鏡面光
沢度が40%以上であるインクジェット記録シートに印
字することが好ましい。このようなインクジェット記録
シートに本発明のインクジェット記録用マゼンタインク
及びカラーインクセットを用いて印字することにより、
発色性、色再現性に優れた印字画像を得ることができ
る。このようなインクジェット記録シートは、印字され
る表面に少なくとも1層以上の塗工層を有し、該塗工層
に無機微粒子および/またはカチオン性物質を少なくと
も1つ含有してもよい。
【0045】無機微粒子としては、比表面積が大きく、
屈折率の低いものが良く、合成微粒子シリカ、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カ
ルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸
亜鉛、珪酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化ア
ルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、ポリ
水酸化アルミニウム化合物、アルミナ水和物、コロイダ
ルシリカ、穀物類澱粉粒子、加工澱粉粒子、プラスチッ
クピグメント、尿素樹脂顔料、結晶化セルロース粒子、
非結晶化セルロース粒子等の無機系、有機系顔料または
粒子などを用いることができる。これらの顔料および粒
子のうち、インクの吸収および印字画像の色彩性の点か
ら、合成微粒子シリカ、炭酸マグネシウム、硫酸バリウ
ム、水酸化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム化合
物、アルミナ水和物、穀物類澱粉粒子、加工澱粉粒子が
好ましい。
【0046】カチオン性物質としては、水に溶解した時
に解離してカチオン性を呈する従来公知のモノマー、オ
リゴマーもしくはポリマーであるカチオン性樹脂または
カチオン性界面活性剤などを用いることができる。カチ
オン性樹脂としては、ポリエチレンアミンやポリプロピ
レンポリアミン等のポリアルキレンポリアミン類、また
はその誘導体、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基
を有するアクリル樹脂、ジアクリルアミン等を、カチオ
ン性界面活性剤としては、第一、第二または第三級のア
ミン塩、第四級アンモニウム塩等を用いることができ
る。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるも
のではない。 (実施例1) Bayscript Magenta VP SP 25005(Bayer社製) 2.5重量部 ジエチレングリコール 5.0重量部 グリセリン 5.0重量部 スルホラン 10.0重量部 ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5.0重量部 界面活性剤(サーフィノール465:日信化学社製) 0.1重量部 水酸化ナトリウム 0.12重量部 N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸 (pKa=7.15) 1.5重量部 イオン交換水 残量 上記の各成分を十分混合溶解した後、0.45μmフィ
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。
【0048】 (実施例2) Bayscript Magenta VP SP 25005(Bayer社製) 2.0重量部 2,2’−チオジグリコール 10.0重量部 スルホラン 5.0重量部 ジエチレングリコールモノエチルエーテル 5.0重量部 尿素 5.0重量部 界面活性剤(プルロニックPE4300:BASF社製) 0.2重量部 水酸化カリウム 0.22重量部 N−(2−アセトアミド)イミノジ酢酸(pKa=6.60) 1.5重量部 イオン交換水 残量 上記の各成分を十分混合溶解した後、0.45μmフィ
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。
【0049】 (実施例3) Bayscript Magenta VP SP 25005(Bayer社製) 1.8重量部 エチレングリコール 10.0重量部 プロピレングリコール 5.0重量部 N−メチル−2−ピロリドン 5.0重量部 ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5.0重量部 界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル(15モルEO付加物) :日本油脂社製) 0.1重量部 水酸化カリウム 0.22重量部 N−(2−アセトアミド)イミノジ酢酸(pKa=6.60) 1.6重量部 イオン交換水 残量 上記の各成分を十分混合溶解した後、0.45μmフィ
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。
【0050】 (実施例4) Bayscript Magenta VP SP 25005(Bayer社製) 1.2重量部 グリセリン 10.0重量部 2−ピロリドン 10.0重量部 ジエチレングリコールモノエチルエーテル 5.0重量部 尿素 5.0重量部 界面活性剤(プルロニックPE4300:BASF社製) 0.2重量部 水酸化ナトリウム 0.18重量部 N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸 (pKa=7.15) 1.5重量部 イオン交換水 残量 上記の各成分を十分混合溶解した後、0.45μmフィ
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。
【0051】 (実施例5) JPD Magenta L−406(日本化薬社製) 2.6重量部 エチレングリコール 10.0重量部 プロピレングリコール 5.0重量部 2−ピロリドン 5.0重量部 プロピレングリコールモノブチルエーテル 5.0重量部 界面活性剤(サーフィノール465:日信化学社製) 0.1重量部 水酸化ナトリウム 0.23重量部 N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸 (pKa=7.15) 1.5重量部 イオン交換水 残量 上記の各成分を十分混合溶解した後、0.45μmフィ
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。
【0052】 (実施例6) JPD Magenta L−406(日本化薬社製) 2.2重量部 ジエチレングリコール 10.0重量部 2,2’−チオジグリコール 5.0重量部 N−メチル−2−ピロリドン 5.0重量部 プロピレングリコールモノブチルエーテル 5.0重量部 界面活性剤(プルロニックPE4300:BASF社製) 0.2重量部 水酸化カリウム 0.17重量部 N−(2−アセトアミド)イミノジ酢酸(pKa=6.60) 1.5重量部 イオン交換水 残量 上記の各成分を十分混合溶解した後、0.45μmフィ
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。
【0053】 (実施例7) JPD Magenta L−406(日本化薬社製) 2.0重量部 グリセリン 10.0重量部 2−ピロリドン 5.0重量部 N−メチル−2−ピロリドン 5.0重量部 ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5.0重量部 尿素 5.0重量部 界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル(15モルEO付加物): 日本油脂社製) 0.1重量部 水酸化ナトリウム 0.18重量部 N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸 (pKa=7.15) 1.5重量部 イオン交換水 残量 上記の各成分を十分混合溶解した後、0.45μmフィ
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。
【0054】 (実施例8) JPD Magenta L−406(日本化薬社製) 1.5重量部 エチレングリコール 10.0重量部 プロピレングリコール 10.0重量部 ジエチレングリコールモノエチルエーテル 5.0重量部 界面活性剤(サーフィノール465:日信化学社製) 0.1重量部 水酸化カリウム 0.11重量部 N−(2−アセトアミド)イミノジ酢酸(pKa=6.60) 1.5重量部 イオン交換水 残量 上記の各成分を十分混合溶解した後、0.45μmフィ
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。
【0055】(実施例9)以下に記載のシアンインク、
イエローインクをそれぞれ調製し、実施例1のマゼンタ
インクとを併せた3色インクセットを作製した。 (シアンインク) C.I.ダイレクトブルー199 3.5重量部 ジエチレングリコール 5.0重量部 グリセリン 5.0重量部 スルホラン 10.0重量部 ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5.0重量部 界面活性剤(商品名「サーフィノール465」:日信化学社製) 0.1重量部 水酸化ナトリウム 0.12重量部 N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸 (pKa=7.15) 1.5重量部 イオン交換水 残量 上記の各成分を十分混合溶解した後、0.45μmフィ
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。
【0056】 (イエローインク) C.I.ダイレクトイエロー144 2.0重量部 ジエチレングリコール 5.0重量部 グリセリン 5.0重量部 スルホラン 10.0重量部 ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5.0重量部 界面活性剤(サーフィノール465:日信化学社製) 0.1重量部 水酸化ナトリウム 0.12重量部 N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸 (pKa=7.15) 1.5重量部 イオン交換水 残量 上記の各成分を十分混合溶解した後、0.45μmフィ
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。
【0057】(実施例10)以下に記載のシアンイン
ク、イエローインクをそれぞれ調製し、実施例2のマゼ
ンタインクとを併せた3色インクセットを作製した。 (シアンインク) C.I.ダイレクトブルー307 3.5重量部 2,2’−チオジグリコール 10.0重量部 スルホラン 5.0重量部 ジエチレングリコールモノエチルエーテル 5.0重量部 尿素 5.0重量部 界面活性剤(プルロニックPE4300:BASF社製) 0.2重量部 水酸化カリウム 0.22重量部 N−(2−アセトアミド)イミノジ酢酸(pKa=6.60) 1.5重量部 イオン交換水 残量 上記の各成分を十分混合溶解した後、0.45μmフィ
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。
【0058】 (イエローインク) C.I.ダイレクトイエロー132 2.0重量部 2,2’−チオジグリコール 10.0重量部 スルホラン 5.0重量部 ジエチレングリコールモノエチルエーテル 5.0重量部 尿素 5.0重量部 界面活性剤(プルロニックPE4300:BASF社製) 0.2重量部 水酸化カリウム 0.22重量部 N−(2−アセトアミド)イミノジ酢酸(pKa=6.60) 1.5重量部 イオン交換水 残量 上記の各成分を十分混合溶解した後、0.45μmフィ
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。
【0059】(実施例11)以下に記載のシアンイン
ク、イエローインクをそれぞれ調製し、実施例6のマゼ
ンタインクとを併せた3色インクセットを作製した。 (シアンインク) C.I.ダイレクトブルー86 3.5重量部 ジエチレングリコール 10.0重量部 2,2’−チオジグリコール 5.0重量部 N−メチル−2−ピロリドン 5.0重量部 プロピレングリコールモノブチルエーテル 5.0重量部 界面活性剤(プルロニックPE4300:BASF社製) 0.2重量部 水酸化カリウム 0.17重量部 N−(2−アセトアミド)イミノジ酢酸(pKa=6.60) 1.5重量部 イオン交換水 残量 上記の各成分を十分混合溶解した後、0.45μmフィ
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。
【0060】 (イエローインク) C.I.ダイレクトイエロー86 2.0重量部 ジエチレングリコール 10.0重量部 2,2’−チオジグリコール 5.0重量部 N−メチル−2−ピロリドン 5.0重量部 プロピレングリコールモノブチルエーテル 5.0重量部 界面活性剤(プルロニックPE4300:BASF社製) 0.2重量部 水酸化カリウム 0.17重量部 N−(2−アセトアミド)イミノジ酢酸(pKa=6.60) 1.5重量部 イオン交換水 残量 上記の各成分を十分混合溶解した後、0.45μmフィ
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。
【0061】 (比較例1) C.I.ダイレクトレッド227 2.0重量部 ジエチレングリコール 20.0重量部 スルホラン 10.0重量部 ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5.0重量部 界面活性剤(サーフィノール465:日信化学社製) 0.1重量部 水酸化ナトリウム 0.12重量部 N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸 (pKa=7.15) 1.5重量部 イオン交換水 残量 上記の各成分を十分混合溶解した後、0.45μmフィ
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。
【0062】 (比較例2) C.I.アシッドレッド52 2.0重量部 2,2’−チオジエタノール 30.0重量部 界面活性剤(プルロニックPE4300:BASF社製) 0.2重量部 水酸化カリウム 0.22重量部 N−(2−アセトアミド)イミノジ酢酸(pKa=6.60) 1.5重量部 イオン交換水 残量 上記の各成分を十分混合溶解した後、0.45μmフィ
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。
【0063】 (比較例3) C.I.アシッドレッド289 2.0重量部 プロピレングリコール 5.0重量部 スルホラン 5.0重量部 界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル(15モルEO付加物): 日本油脂社製) 0.1重量部 水酸化ナトリウム 0.18重量部 N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(pKa =7.15) 1.5重量部 イオン交換水 残量 上記の各成分を十分混合溶解した後、0.45μmフィ
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。
【0064】 (比較例4) C.I.リアクティブレッド24 2.0重量部 エチレングリコール 15.0重量部 ジエチレングリコール 15.0重量部 N−メチル−2−ピロリドン 10.0重量部 ジエチレングリコールモノエチルエーテル 5.0重量部 界面活性剤(プルロニックPE4300:BASF社製) 0.2重量部 水酸化ナトリウム 0.23重量部 N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸 (pKa=7.15) 1.5重量部 イオン交換水 残量 上記の各成分を十分混合溶解した後、0.45μmフィ
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。
【0065】 (比較例5) C.I.ダイレクトレッド227 2.5重量部 グリセリン 15.0重量部 2,2’−チオジエタノール 10.0重量部 N−メチル−2−ピロリドン 10.0重量部 ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5.0重量部 尿素 5.0重量部 界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル(15モルEO付加物): 日本油脂社製) 0.1重量部 水酸化カリウム 0.17重量部 N−(2−アセトアミド)イミノジ酢酸(pKa=6.60) 1.5重量部 イオン交換水 残量 上記の各成分を十分混合溶解した後、0.45μmフィ
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。
【0066】 (比較例6) C.I.アシッドレッド52 2.5重量部 プロピレングリコール 5.0重量部 2−ピロリドン 10.0重量部 N−メチル−2−ピロリドン 10.0重量部 プロピレングリコールモノブチルエーテル 5.0重量部 界面活性剤(サーフィノール465:日信化学社製) 0.1重量部 水酸化カリウム 0.11重量部 N−(2−アセトアミド)イミノジ酢酸(pKa=6.60) 1.5重量部 イオン交換水 残量 上記の各成分を十分混合溶解した後、0.45μmフィ
ルターにて加圧濾過し、インクを調製した。
【0067】(比較例7)比較例1のマゼンタインクと
実施例9のシアンインク及びイエローインクを併せた3
色インクセットを作製した。
【0068】(比較例8)比較例2のマゼンタインクと
実施例10のシアンインク及びイエローインクを併せた
3色インクセットを作製した。
【0069】(比較例9)比較例5のマゼンタインクと
実施例11のシアンインク及びイエローインクを併せた
3色インクセットを作製した。
【0070】(試験例1) ・特性値の測定 実施例1〜11および比較例1〜9の各インクについ
て、以下の条件で各特性値の測定を行った。その結果を
表1〜2に示す。 <吸光度>実施例1〜8及び比較例1〜6の各インク
を、それぞれ純水で1000倍に希釈し、自記分光光度
計(UV−2500PC:島津製作所製)を用いて、厚
さ10mmの石英セルで分光特性の吸光度を測定した。
実施例1〜3の可視吸光スペクトルを図1の(a)、
(b)及び(c)にそれぞれ示す。実施例5〜7の可視
吸光スペクトルを図2の(a)、(b)及び(c)にそ
れぞれ示す。また、比較例1〜4の可視吸光スペクトル
を図3の(a)〜(d)にそれぞれ示す。
【0071】<pH>20℃、50%RHの環境下にお
いて、pHメーター(堀場製作所社製)によりpHを測
定した。 <表面張力>20℃、50%RHの環境下において、表
面張力計(協和界面化学社製)により表面張力を測定し
た。
【0072】<粘度>20℃、50%RHの環境下にお
いて、粘度計(レオマット社製)により粘度を測定し
た。 <インクドロップ量>20℃、50%RHの環境下にお
いて、試作ヘッドを用い、周波数1.8kHzで1/4
tone(662×80)を5回吐出させ、インクをイ
ンク吸収体の小片に受けて重さを測定し、1pulse
当たりの吐出量を計算により求めた。
【0073】(インク性能の評価) <耐光性>実施例1〜8及び比較例1〜6の各インク
を、試作したインクジェットプリンターを用い、市販の
インクジェットプリンター用光沢紙A(75度鏡面光沢
度:82%、富士ゼロックス社製)、同じく市販のイン
クジェットプリンター用光沢紙B(75度鏡面光沢度:
64%、セイコーエプソン社製)、FX−L紙(富士ゼ
ロックス社製)及び市販の官製はがきにベタ画像を印字
した。また、実施例9〜11及び比較例7〜9の各イン
クセットについては、試作したインクジェットプリンタ
ーを用い、市販のインクジェットプリンター用光沢紙A
(75度鏡面光沢度:82%、富士ゼロックス社製)、
同じく市販のインクジェットプリンター用光沢紙B(7
5度鏡面光沢度:64%、セイコーエプソン社製)、F
X−L紙及び市販の官製はがきに、1次色であるシア
ン、マゼンタ、イエロー、及び2次色であるRGB色の
ベタ画像を印字した。その画像濃度をマクベス濃度計に
て測定した後、耐光性試験機(XF−180:島津製作
所製)を用いて、100時間光を照射し、試験前後の色
差(ΔEab={(ΔL+(Δa+(Δ
)}1/2)を計算した。なお、評価判定基準は以
下の通りである。 ○:ΔEが、25以下 △:ΔEが、25より大きく40以下 ×:ΔEが、40よ大きい
【0074】<彩度>実施例1〜8及び比較例1〜6の
各インクを、試作したインクジェットプリンターを用
い、市販のインクジェットプリンター用光沢紙A(75
度鏡面光沢度:82%、富士ゼロックス社製)、同じく
市販のインクジェットプリンター用光沢紙B(75度鏡
面光沢度:64%、セイコーエプソン社製)、FX−L
紙(富士ゼロックス社製)及び市販の官製はがきにベタ
画像を印字した。また、実施例9〜11及び比較例7〜
9の各インクセットについては、試作したインクジェッ
トプリンターを用い、市販のインクジェットプリンター
用光沢紙A(75度鏡面光沢度:82%、富士ゼロック
ス社製)、同じく市販のインクジェットプリンター用光
沢紙B(75度鏡面光沢度:64%、セイコーエプソン
社製)、FX−L紙及び市販の官製はがきに、1次色で
あるシアン、マゼンタ、イエロー、及び2次色であるR
GB色のベタ画像を印字し、彩度の目視比較官能評価を
行った。 なお、評価判定基準は以下の通りである。 ○:カラーベタ画像のくすみがほとんどない。 △:カラーベタ画像が若干くすみを帯びている。 ×:カラーベタ画像のくすみがはげしい。 特に、マゼンタにちなむ2次色のレッド、ブルーの評価
判定基準は以下の通りである。 (レッド) ○:鮮やかなレッド色である。 ×:朱色がかっている。 (ブルー) ○:鮮やかなブルー色である。 ×:くすんだブルー色である。
【0075】<耐目詰まり性評価>実施例1〜8及び比
較例1〜6の各インクを、試作した解像度800dpi
のインクジェットプリンターを用いて、20℃、50%
RHの環境下で、所定時時間開放放置後、吐出テストを
行い、以下の基準で評価を行った。 ○:300秒放置で吐出可能な状態。 △:180秒放置で吐出可能な状態。 ×:180秒放置で吐出不可能な状態。
【0076】<画像白抜け評価(印字周波数への追随性
評価)>実施例1〜8及び比較例1〜6の各インクを、
試作したインクジェットプリンターを用い、FX−L紙
(富士ゼロックス社製)にベタ画像を印字し、目視によ
る画像白抜け評価を行った。なお、評価判定基準は以下
の通りである。 ○:ベタ画像中の白抜けがなく、均一な画像である。 △:ベタ画像中に若干の白く抜けた部分がある。 ×:ベタ画像中に大きく白く抜けた部分がある。
【0077】<にじみ>実施例9〜11及び比較例7〜
9の各インクセットについては、試作したインクジェッ
トプリンターを用い、市販のインクジェットプリンター
用光沢紙A(75度鏡面光沢度:82%、富士ゼロック
ス社製)、同じく市販のインクジェットプリンター用光
沢紙B(75度鏡面光沢度:64%、セイコーエプソン
社製)、FX−L紙及び市販の官製はがきに、2次色で
あるRGB色のベタ画像を印字し、混色による色のにじ
みを目視比較官能評価を行った。なお、評価判定基準は
以下の通りである。 ○:ベタ画像に色ムラがみられない。 ×:ベタ画像に色ムラがみられる。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】表1〜表3に示される結果から、実施例1
〜8のインクジェット記録用マゼンタインク及び実施例
9〜11のインクジェット記録用カラーインクセット
は、耐光性、色再現性、耐混色にじみ性、耐ノズル目詰
まりおよび周波数応答性に優れていることが判明した。
それに対して、A/Bの関係が本発明の範囲外である比
較例(比較例1、2、3、5、6)及び吸光度の第2ピ
ークBに対応する波長が本発明の範囲外である比較例
(比較例2、4、6)のインクジェット記録用マゼンタ
インク及びこれらを用いたインクジェット記録用カラー
インクセット(比較例7〜9)では、これらの特性が劣
ったものとなった。
【0082】
【発明の効果】本発明によれば、耐光性、色再現性に優
れるとともに、マゼンタにちなむ二次色であるレッド、
ブルー色の色再現性にも優れ、優れた画像品質および高
い信頼性を有するインクジェット記録用マゼンタイン
ク、これを用いたインクジェット記録用カラーインクセ
ット及びこれらを用いたインクジェット記録方法が提供
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は実施例1、(b)は実施例2及び
(c)は実施例3のインクジェット記録用マゼンタイン
クの可視吸光スペクトルを示すグラフである。
【図2】(a)は実施例5、(b)は実施例6及び
(c)は実施例7のインクジェット記録用マゼンタイン
クの可視吸光スペクトルを示すグラフである。
【図3】(a)は比較例1、(b)は比較例2、(c)
は比較例3及び(d)は比較例4のインクジェット記録
用マゼンタインクの可視吸光スペクトルを示すグラフで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中条 晶彦 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 永井 浩美 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 渡辺 薫 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 遠藤 保晴 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 橋本 健 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 4J039 BC07 BC09 BC13 BC35 BC36 BC50 BC54 BC55 BE01 BE04 BE06 BE12 BE33 CA03 CA06 EA15 EA16 EA17 EA35 EA42 EA44 EA45 EA47 EA48 GA24

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水と色材と2種以上の水溶性有機溶剤を
    含有してなるインクジェット記録用マゼンタインクであ
    って、そのインクの可視吸光スペクトルにおいて、50
    0〜570nmに吸光度の第1ピークA(abs.)を
    有し、300〜350nm吸光度の第2ピークB(ab
    s.)を有し、A/Bが0.9〜2.5であることを特徴
    とするインクジェット記録用マゼンタインク。
  2. 【請求項2】 水と色材と2種以上の水溶性有機溶剤を
    含有するマゼンタ、シアン及びイエローのインクジェッ
    ト記録用カラーインクセットにおいて、マゼンタインク
    が請求項1に記載のインクジェット記録用マゼンタイン
    クであることを特徴とするインクジェット記録用カラー
    インクセット。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のインクジェット記録用マ
    ゼンタインクまたは請求項2記載のカラーインクセット
    を用いて、液滴1ドロップ当たりのインク吐出量を1〜
    20nmとして記録することを特徴とするインクジェッ
    ト記録方法。
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