JP3320792B2 - 新規色素及び感熱転写材料 - Google Patents

新規色素及び感熱転写材料

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JP3320792B2
JP3320792B2 JP25000992A JP25000992A JP3320792B2 JP 3320792 B2 JP3320792 B2 JP 3320792B2 JP 25000992 A JP25000992 A JP 25000992A JP 25000992 A JP25000992 A JP 25000992A JP 3320792 B2 JP3320792 B2 JP 3320792B2
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    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B55/00Azomethine dyes
    • C09B55/009Azomethine dyes, the C-atom of the group -C=N- being part of a ring (Image)

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規色素及び感熱転写材
料に関し、更に詳しくは、感熱転写材料及び感熱転写材
料やインクジェット等の画像形成材料に用いることが出
来る、新規で、画像保存性及び吸収特性の改良された色
素及び該色素を用いた感熱転写材料に関する。
【0002】
【従来技術】ドライ処理で画像、特に高画質なフルカラ
ー画像を簡易に得る方法としては感熱転写材料を用いる
方法が知られている。感熱転写材料においてはカラー画
像を形成をする為に用いられる色素は特に重要であり各
種の感熱転写材料用色素が提案されている。
【0003】ところで、特開平3−83686号、同3
−83687号、同3−83688号、同3−8368
9号、同3−114890号、同1−228601号、
同1−229755号、同1−229756号等の特許
公報にはフェノール性水酸基を有する色素を用いて、受
像層中に含有する媒染剤と該色素との反応により形成さ
れる色素により画像を形成させる方法が提案されてい
る。前記公報に記載された色素で形成された画像は、該
色素と媒染剤とが完全に反応した場合には、色相が良好
であり、定着性にも優れている等、従来の感熱転写の問
題点を改良する優れた特性を有している。
【0004】しかしながら感熱転写の画像形成において
は、サーマルヘッド等の加熱による画像形成が非常に短
時間で行なわれるので、反応が十分に完結せずに未反応
色素の残存による2色性により好ましくない不整吸収の
存在が問題になると共に画像が光や熱により褪色すると
言う問題点を有しており改善が望まれていた。
【0005】ところで、カラー画像形成用の色素として
は、吸収がシャープで副吸収が少なく、分子吸光係数が
高いなど吸収特性が良好で、熱、光に対する安定性に優
れた色素が求められている。また、色素の合成が容易で
あることや溶剤に対する溶解性が良好であることもも重
要である。
【0006】特開平3−205189号及び同4−17
8646号の特許公報には色素に色素部位の褪色を抑制
する効果を有する原子団からなる基を共有結合させるこ
とで熱や光に対する安定性を改良させた色素及び該色素
を用いた感熱転写材料が開示されている。
【0007】しかしながらこれらの色素では、褪色を抑
制する原子団からなる基を色素に結合させる為に合成が
煩雑になるとか、色素の分子吸光係数が低い等の問題点
を有していた。
【0008】本発明の目的は上記の従来技術の問題点の
改良にある。
【0009】本発明の第1の目的は熱、光に対する安定
性の優れた色素及び該色素を用いた感熱転写材料の開発
にある。本発明の第2の目的は吸収がシャープで副吸収
が少なく、分子吸光係数が高い色素及び該色素を用いた
感熱転写材料の開発にある。本発明の第3の目的は合成
が容易で溶剤に対する溶解性が良好な色素の開発にあ
る。
【0010】
【前記課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研
究の結果、本発明の上記目的は下記一般式(1)で表さ
れる新規色素及び支持体上に少なくとも色素及びバイン
ダーからなる色素含有層を有する感熱転写材料におい
て、該色素が下記一般式(1)で表されることを特徴と
する感熱転写材料により達成されることを見い出し本発
明を完成するに至った。
【0011】一般式(1)
【0012】
【化1】
【0013】{ただし、式中、Aはアゾ色素、アントラ
キノン色素、アゾメチン色素、インドアニリン、ナフト
キノン、キノフタロン又はスチリルの色素残基であるか
又はフェノキシアニオンとともにアゾ色素、アゾメチン
色素又はインドアニリン色素残基を形成する原子の集ま
を表す。Xはベンゼン環に置換する基を表わし、nは
0〜4の整数を表わす。nが2以上のとき、Xは同じで
も異なっていてもよく、環を形成していてもよい。R
、R2 、R3 及びR4 は置換基を有しても良いアルキ
ル基またはアリール基を表わし、それぞれ同じでも異な
っていてもよく、R1 、R2 、R3 及びR4 の少なくと
も一つは下記一般式(9)又は(10)で表される原子
団からなる基または該原子団を有する基で置換されてい
る。}一般式(9)
【化9】 一般式(10)
【化10】 {ただし、式中、R 12 は水素原子、アルキル基又はアリ
ール基を表す。R 13 、R 14 、R 15 、R 16 、R 17 は水素原
子又は1価の置換基を表すが、R 12 が水素原子でない場
合はR 13 、R 15 の少なくと1つはアルコキシ基又はアル
キル基で置換されていても良いアミノ基を表す。また、
各置換基R 12 〜R 17 は互いに結合して環を形成しても良
い。R 18 、R 19 、R 20 、R 21 はアルキル基又は水素原子
を表し、R 22 はアルキル基、アルケニル基、アリール
基、ヒドロキシ基、スルホニル基、スルフィニル基、ア
シル基、又は水素原子を表す。Dは5〜7員の炭素環又
は複素環を形成するのに必要な原子の集まりを表し、形
成された環は更に縮合環を形成しても良い。また、各置
換基R 18 〜R 22 は互いに結合して環を形成しても良
い。} 一般式(1)について更に詳述する。
【0014】Xはベンゼン環に置換する基を表すが、好
ましくは置換基を有してもよいアルキル基(例えばメチ
ル、エチル基、トリフルオロメチル基)、ハロゲン原子
(例えばフッ素原子、塩素原子)、アルコキシ基(例え
ばメトキシ基)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミ
ノ基)、シアノ基等を表す。
【0015】Aはアゾ色素、アントラキノン色素、アゾ
メチン色素、インドアニリン、ナフトキノン、キノフタ
ロン又はスチリルの色素残基であるか又はフェノキシア
ニオンとともにアゾ色素、アゾメチン色素又はインドア
ニリン色素残基を形成する原子の集まりを表す
【0016】特に吸収特性が良好で分子吸光係数が大き
い等の優れた特性を有する点で好ましいAとしてはフェ
ノキシアニオンと共に下記一般式(2)で表される色素
アニオンを形成する基である。
【0017】一般式(2)
【0018】
【化2】
【0019】{ただし、式中X、nは一般式(1)で定
義されたものと同義であり、Bは一般式(2)で表され
るアニオンが可視域及び/又は赤外域に吸収を有する色
素アニオンとなる為の原子の集まりを表す。} 一般式(2)で表される色素アニオンとして更に好まし
いのは、下記一般式(3)〜(7)で表すことができ
る。
【0020】一般式(3)
【0021】
【化3】
【0022】{ただし、式中、X及びnは一般式(1)
で定義されたものと同義であり、R1は置換基を有して
いても良いアルキル基又はアリール基を表し、R2 は置
換基を有していても良いアリール基、アルキル基又は複
素環残基を表す。} 一般式(4)
【0023】
【化4】
【0024】{ただし、式中、X及びnは一般式(1)
で定義されたものと同義であり、R3は置換基を有して
いても良いアルキル基、アリール基、アルキルアミノ
基、アリールアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、
アリールカルボニルアミノ基を表し、R4 は置換基を有
していても良いアルキル基、アリール基を表す。} 一般式(5)
【0025】
【化5】
【0026】{ただし、式中、X及びnは一般式(1)
で定義されたものと同義であり、R5は置換基を有して
いても良いアルキル基又はアリール基を表し、Z1 、Z
2 及びZ3 はそれぞれ=N=又は−C(R6 )=を表
す。R6 は水素原子又は非金属置換基を表す。} 一般式(6)
【0027】
【化6】
【0028】{ただし、式中、X及びnは一般式(1)
で定義されたものと同義であり、R7は置換基を有して
いても良いアルキル基、アリール基、−NHCOR8
−NHCONHR8 、−CONHR8 (ただし、R8
置換基を有していても良いアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基、アルケニル基、複素環残基を表す)、ハロ
ゲン原子、シアノ基を表し、mは0〜4の整数を表す。
mが2以上のとき、2以上あるR7 は同じであっても異
なっていても良い。} 一般式(7)
【0029】
【化7】
【0030】{ただし、式中、X及びnは一般式(1)
で定義されたものと同義であり、R7は置換基を有して
いても良いアルキル基、アリール基、−NHCOR8
−NHCONHR8 、−CONHR8 (R8 は置換基を
有していても良いアルキル基、アリール基、アラルキル
基、アルケニル基、複素環残基を表す)、ハロゲン原
子、シアノ基を表し、p は0〜2の整数を表す。pが2
のとき、2以上あるR9 は同じであっても異なっていて
も良い。} 一般式(8)
【0031】
【化8】
【0032】{ただし、式中、式中、X及びnは一般式
(1)で定義されたものと同義であり、R10、R11は各
々アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環残基
を表す。} 上記の一般式(3)〜(8)で表される色素はp−アミ
ノフェノール誘導体とカプラーとのカップリング反応に
より合成される。
【0033】この発明においては、上記色素以外にも公
知のカプラーとp−アミノフェノール誘導体とのカップ
リングにより合成される色素も用いることが出来る。そ
のような色素の具体例としては、特開平3−83686
号、同3−83687号、同3−83688号、同3−
83689号、同3−114890号、同1−2286
01号、同1−229755号、同1−229756号
に記載の色素が挙げられる。
【0034】R 、R2 、R3 及びR4 は置換基を有
しても良いアルキル基またはアリール基を表わすが、少
なくとも一つは下記一般式(9)又は(10)で表され
原子団からなる基または該原子団を有する基で置換さ
れている。
【0035】
【0036】一般式(9)
【0037】
【化9】
【0038】一般式(10)
【0039】
【化10】
【0040】ただし、式中、R12は水素原子、アルキル
基又はアリール基を表す。R13、R14、R15、R16、R
17は水素原子又は1価の置換基を表すが、R12が水素原
子でない場合はR13、R15の少なくと1つはアルコキシ
基又はアルキル基で置換されていても良いアミノ基を表
す。また、各置換基R12〜R17は互いに結合して環を形
成しても良い。
【0041】R18、R19、R20、R21はアルキル基又は
水素原子を表し、R22はアルキル基、アルケニル基、ア
リール基、ヒドロキシ基、スルホニル基、スルフィニル
基、アシル基、又は水素原子を表す。Dは5〜7員の炭
素環又は複素環を形成するのに必要な原子の集まりを表
し、形成された環は更に縮合環を形成しても良い。ま
た、各置換基R18〜R22は互いに結合して環を形成して
も良い。
【0042】これらの原子団の具体例としては、特開昭
4−178646号公報の第8〜10ペ−ジに記載の原
子団が挙げられる。
【0043】本発明の色素の具体例としては、図1に示
すD−1〜6、図2に示すD−7〜12、図3に示すD
−13〜18、図4に示すD−19〜24の化合物が挙
げられる。
【0044】本発明の色素は、下記一般式(11)で表
される色素と下記一般式(12)で表される色素部位の
褪色を抑制する効果を有する原子団からなる基または該
原子団を有する基で置換された基を有する4級アンモニ
ウム塩を別途に合成し、両者を反応させることにより合
成することができる。
【0045】一般式(11)
【0046】
【化11】
【0047】一般式(12)
【0048】
【化12】
【0049】(式中、A、X、n、R1 、R2 、R3
4 は一般式(1)で定義されたものと同義である。) 即ち、本発明の色素は、色素部分と色素部位の褪色を抑
制する効果を有する原子団部分とを別途に合成し、得ら
れた色素部分と原子団部分との塩形成により合成するこ
とができる。塩形成の反応自体極めて容易に進行する
し、しかも前記色素部分及び前記原子団部分の合成は容
易であるので、本発明の色素自体極めて容易に合成する
ことができる。
【0050】次に本発明の色素を用いた感熱転写材料に
ついて説明する。
【0051】本発明の感熱転写材料は支持体上に少なく
とも色素及びバインダーからなる色素含有層を有する。
色素の含有量は、支持体1m2 当り0.05〜10gが
好ましい。
【0052】バインダ−としてはアクリル樹脂、メタク
リル樹脂、ポリスチレン、ポリカ−ボネ−ト、ポリスル
ホン、ポリエ−テルスルホン、ポリビニルブチラ−ル、
ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ニトロ
セルロース、エチルセルロース等の溶剤可溶性ポリマ−
が好ましい。これらのバインダ−は、一種又は二種以上
を有機溶媒に溶解して用いるだけでなく、ラテックス分
散の形で使用してもよい。バインダーの使用量として
は、支持体1m2 当り0.1〜20gが好ましい。
【0053】前記色素含有層は、本発明の塩の一種又は
二種以上をバインダーと共に溶剤中に溶解することによ
って、或いは溶媒中に微粒子状に分散させることによっ
て感熱転写層形成用インク液を調製し、該インクを支持
体上に塗布して適宜に乾燥することにより形成すること
ができる。
【0054】色素含有層の厚さは乾燥膜厚で0.1〜1
0μmが好ましい。
【0055】本発明の支持体としては、寸法安定性がよ
く、記録の際に感熱ヘッド等の加熱に耐えるものであれ
ばよいが、コンデンサ−紙、グラシン紙のような薄葉
紙、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリアミド、ポリカ
ーボネートのような耐熱性のプラスチックフィルムが好
ましく用いられる。
【0056】支持体の厚さは、2〜30μmが好まし
く、また支持体にはバインダ−との接着性の改良や色素
の支持体への転写、染着を防止する目的で選択されたポ
リマ−からなる下引き層を有することが好ましい。更に
支持体の裏面(色素含有層と反対側)には、ヘッドが支
持体に粘着するのを防止する目的でスリッピング層を有
してもよい。
【0057】本発明の感熱転写材料をフルカラーの画像
記録が可能な感熱転写材料にするには、イエロー色素か
らなる塩を含有するイエロー感熱転写層、マゼンタ色素
からなる塩を含有するマゼンタ感熱転写層、シアン色素
からなる塩を含有するシアン感熱転写層の合計3層を支
持体上の同一表面上で平面方向に順次に繰り返して塗設
することが好ましい。
【0058】また、必要の応じて他に黒色画像形成物質
を含む感熱転写層の合計4層が同一表面上で平面方向に
順次に繰り返して塗設されていても良い。
【0059】本発明の感熱転写材料を用いた記録方法と
しては、前記感熱転写材料の色素含有層と受像材料とを
重ね合わせてから、画像情報に応じた熱を感熱転写記録
材料に与え、色素による画像を受像材料上に形成するこ
とが出来る。
【0060】受像材料は支持体上に受像層を有するもの
が用いられる。
【0061】受像材料の支持体としては、紙、プラスチ
ックフィルム、又は紙−プラスチックフィルム複合体を
用いることが出来る。具体的には支持体としては特開平
3−54556号公報5ページ右上17行〜左下11行
に記載の支持体が挙げられる。
【0062】受像層はポリマーバインダーから構成され
る。ポリマーバインダーとしては熱可塑性ポリマーが好
ましく、例えばポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、塩化ビニルと他のモノマー(例えば酢酸ビニル等)
との共重合樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルピ
ロリドン、ポリカーボネート等の一種又は二種以上のポ
リマー層を形成してなる。
【0063】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説
明する。
【0064】
【実施例】
(実施例1) <色素D−1の合成>色素D−1は以下のスキームで合
成される。
【0065】
【化13】
【0066】カプラー25g 、2,6−ジクロロアミノ
フェノール19gをメタノール450mlに溶かし、炭
酸カリウム40gを水200mlに溶かした溶液を加え
た。室温で撹伴しながら、過硫酸アンモニウム30gを
水100mlに溶かした溶液を1時間かけて滴下した。
2時間かけて撹伴した後に、酸性になるまで希塩酸を加
え、酢酸エチル900mlを加えて抽出を行なった。有
機層を分取した後、水100mlで洗浄し、溶媒を減圧
下で留去した。茶色の固体(中間体−A)20gを得
た。
【0067】次に、この固体16gを酢酸エチル200
ml、メタノール20mlに溶かし、テトラメチルグア
ニジン6g、2−(p−メトキシフェニルオキシ)エチ
ルトリメチルアンモニウムブロマイド18gを加えた。
蒸留水200mlで2回洗浄した後、溶媒を減圧下で留
去した。さらに、真空乾燥を行ない色素(D−1)13
gを得た。NMRにより得られた色素が目的物であるこ
とを確認した。
【0068】<色素D−9の合成>
【0069】
【化14】
【0070】カプラー21g、2,6−ジクロロアミノ
フェノール15.7gをメタノール200mlに溶か
し、炭酸カリウム33gを水150mlに溶かした溶液
を加えた。室温で撹伴しながら、過硫酸アンモニウム2
7.4gを水50mlに溶かした溶液を1時間かけて滴
下した。2時間かけて撹伴した後に、酸性になるまで希
塩酸を加え、酢酸エチル700mlを加えて抽出を行な
った。有機層を分取した後、水100mlで洗浄し、硫
酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去し、黄色
固体(中間体−B)16gを得た。
【0071】次に、この固体10gを酢酸エチル200
ml、メタノール50mlに懸濁し、ジフェニルグアニ
ジン5g、2−(p−メトキシフェニルオキシ)エチル
トリメチルアンモニウムブロマイド18gを加えた。蒸
留水200mlで2回洗浄した後、溶媒を減圧下で留去
した。さらに、真空乾燥を行ない色素(D−9)7gを
得た。NMRにより得られた色素が目的物であることを
確認した。
【0072】<色素D−14の合成>
【0073】
【化15】
【0074】カプラー3.3g、2,6−ジクロロアミ
ノフェノール1.9gをメタノール45mlに溶かし、
炭酸カリウム4gを水20mlに溶かした溶液を加え
た。室温で撹伴しながら、過硫酸アンモニウム3.0g
を水10mlに溶かした溶液を1時間かけて滴下した。
2時間かけて撹伴した後に、酸性になるまで希塩酸を加
え、酢酸エチル700mlを加えて抽出を行なった。有
機層を分取した後、水30mlで洗浄し、硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去した。アメ状物2.
1gを得た。
【0075】次に、この固体1.5gを酢酸エチル40
ml、メタノール5mlに溶解し、ジフェニルグアニジ
ン0.9g、2−(p−メトキシフェニルオキシ)エチ
ルトリメチルアンモニウムブロマイド2.5gを加え
た。蒸留水20mlで2回洗浄した後、溶媒を減圧下で
留去した。さらに、真空乾燥を行ない色素(D−14)
1.3gを得た。NMRにより得られた色素が目的物で
あることを確認した。
【0076】<色素の評価>前記のようにして合成した
色素のアセトン溶液でのモル吸光係数を表1に、吸収ス
ペクトルを図5に示す。比較として化16で示される色
素A、化17で示される色素B、化18で示される色素
Cのデータについても同様に示す。
【0077】
【化16】
【0078】
【化17】
【0079】
【化18】
【0080】表1及び図5から明らかな様に、本発明の
色素は同じタイプのカプラーから合成される類似の比較
色素に比べて吸光度が大きく、吸収もシャープであり不
整吸収も小さいこと等色素としての優れた特性を有して
いる。
【0081】
【表1】
【0082】(実施例2) 感熱転写材料の作成及び画像評価 −インクの調製− 下記の原料を混合して本発明に係わる色素を含有する均
一な溶液のインクを得た。
【0083】 色素(D−1)・・・・・・・・・・・・6g ポリビニルブチラール樹脂 (BL−1,積水化学工業(株)製)・・4g メチルエチルケトン・・・・・・・・200ml −感熱転写材料の作成− 上記インクを、厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタ
レートベース上にワイヤーバーを用いて乾燥後の塗布量
が0.8g/m2 になるように塗布、乾燥し、ポリエチ
レンフタレートフィルム上に感熱転写層を形成してなる
感熱転写材料1を作成した。なお、上記ポリエチレンテ
レフタレートベースの裏面には、スティキング防止層と
してシリコン変性ウレタン樹脂(SP−2105,大日
精化工業(株)製)を含むニトロセルロース層が設けら
れている。
【0084】−受像材料の作成− 紙の両面にポリエチレンをラミネートした支持体(片側
のポリエチレン層に白色顔料(TiO2 )と青味剤を含
む)の上に、受像層としてエステル変性シリコン(付き
量0.15g/m2 )を含むポリエステル樹脂を含むメ
チルエチルケトン溶液をポリエステル樹脂の付き量が5
g/m2 になるように塗布し、受像材料−1を得た。
【0085】−感熱転写画像の作成− 前記感熱転写材料1と受像材料1とを各々重ね、感熱ヘ
ッドを感熱転写材料の裏面からあてて、下記の記録条件
で画像記録を行なったところ、階調性の優れたマゼンタ
画像(画像−1)が得られた。得られた画像の最高濃度
を表2に示す。
【0086】(記録条件) 主走査、副走査の記録密度:8ドット/mm 記録電力:0.6W/ドット 加熱時間:20〜0.2msecの間で段階的に加熱時
間を調整。
【0087】上記の感熱転写材料1の色素を表2に示す
色素に変えた以外は感熱転写材料1と同じ構成の感熱転
写材料2〜7及び比較感熱転写材料8〜10を作成し、
上記と同じ方法により画像2〜10を作成した。得られ
た画像の最高濃度を表2に示す。
【0088】−耐光性評価− 得られた画像に対してキセノンフェードメーターで光照
射を行い耐光性を評価した。光照射後の色素残存率の結
果を表2に示す。尚、色素残存率は光照射前の濃度をD
0 、光照射後の濃度をDとしてD/D0 ×100で表
す。
【0089】
【表2】
【0090】表2に示す通り本発明の色素を用いた感熱
転写材料により形成された画像の耐光性は類似の構造を
有する比較色素に対して大幅に改良されており、形成さ
れる画像の濃度も良好である。
【0091】
【発明の効果】本発明の色素は吸光係数が大きく、2次
吸収の少ないシャープな吸収を有しており、耐光性も良
好である。したがって、本発明の色素は感熱転写材料を
始めとするインクジェットなどの他の画像形成材料やカ
ラーフィルター等に用いた場合に優れた特性を示すこと
が出来る。換言すると、本発明の色素を用いた感熱転写
材料は耐光性に優れ、かつ画像濃度の高い画像を形成す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の色素の具体例を示す説明図であ
る。
【図2】図2は本発明の色素の具体例を示す説明図であ
る。
【図3】図3は本発明の色素の具体例を示す説明図であ
る。
【図4】図4は本発明の色素の具体例を示す説明図であ
る。
【図5】図1は実施例1で合成した色素の吸収スペクト
ルを示すスペクトルチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−80900(JP,A) 特開 平4−239061(JP,A) 特開 平4−178646(JP,A) 特開 平3−205189(JP,A) 特開 平3−114890(JP,A) 特開 平3−83689(JP,A) 特開 平3−83688(JP,A) 特開 平3−83687(JP,A) 特開 平3−83686(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09B 55/00 B41M 5/30 C09B 53/02 C09B 69/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される新規色素 一般式(1) 【化1】 {ただし、式中、Aはアゾ色素、アントラキノン色素、
    アゾメチン色素、インドアニリン、ナフトキノン、キノ
    フタロン又はスチリルの色素残基であるか又はフェノキ
    シアニオンとともにアゾ色素、アゾメチン色素又はイン
    ドアニリン色素残基を形成する原子の集まりを表す。X
    はベンゼン環に置換する基を表し、nは0〜4の整数を
    表す。nが2以上のとき、Xは同じでも異なっていても
    よく、環を形成していてもよい。R1 、R2 、R3 及び
    4 は置換基を有しても良いアルキル基またはアリール
    基を表わし、それぞれ同じでも異なっていてもよく、R
    1 、R2 、R3及びR4 の少なくとも一つは下記一般式
    (9)又は(10)で表される原子団からなる基または
    該原子団を有する基で置換されている。}一般式(9) 【化9】 一般式(10) 【化10】 {ただし、式中、R 12 は水素原子、アルキル基又はアリ
    ール基を表す。R 13 、R 14 、R 15 、R 16 、R 17 は水素原
    子又は1価の置換基を表すが、R 12 が水素原子でない場
    合はR 13 、R 15 の少なくと1つはアルコキシ基又はアル
    キル基で置換されていても良いアミノ基を表す。また、
    各置換基R 12 〜R 17 は互いに結合して環を形成しても良
    い。R 18 、R 19 、R 20 、R 21 はアルキル基又は水素原子
    を表し、R 22 はアルキル基、アルケニル基、アリール
    基、ヒドロキシ基、スルホニル基、スルフィニル基、ア
    シル基、又は水素原子を表す。Dは5〜7員の炭素環又
    は複素環を形成するのに必要な原子の集まりを表し、形
    成された環は更に縮合環を形成しても良い。ま た、各置
    換基R 18 〜R 22 は互いに結合して環を形成しても良
    い。}
  2. 【請求項2】 支持体上に少なくとも色素及びバインダ
    ーからなる色素含有層を有する感熱転写材料において、
    該色素が下記一般式(1)で表されることを特徴とする
    感熱転写材料。 一般式(1) 【化1】 {ただし、式中、Aはアゾ色素、アントラキノン色素、
    アゾメチン色素、インドアニリン、ナフトキノン、キノ
    フタロン又はスチリルの色素残基であるか又はフェノキ
    シアニオンとともにアゾ色素、アゾメチン色素又はイン
    ドアニリン色素残基を形成する原子の集まりを表す。X
    はベンゼン環に置換する基を表わし、nは0〜4の整数
    を表わす。nが2以上のとき、Xは同じでも異なってい
    てもよく、環を形成していてもよい。R 、R2 、R3
    及びR4 は置換基を有しても良いアルキル基またはア
    リール基を表わし、それぞれ同じでも異なっていてもよ
    く、R1 、R2 、R3 及びR4 の少なくとも一つは下記
    一般式(9)又は(10)で表される原子団からなる基
    または該原子団を有する基で置換されている。}一般式(9) 【化9】 一般式(10) 【化10】 {ただし、式中、R 12 は水素原子、アルキル基又はアリ
    ール基を表す。R 13 、R 14 、R 15 、R 16 、R 17 は水素原
    子又は1価の置換基を表すが、R 12 が水素原子でない場
    合はR 13 、R 15 の少なくと1つはアルコキシ基又はアル
    キル基で置換されていても良いアミノ基を表す。また、
    各置換基R 12 〜R 17 は互いに結合して環を形成しても良
    い。R 18 、R 19 、R 20 、R 21 はアルキル基又は水素原子
    を表し、R 22 はアルキル基、アルケニル基、アリール
    基、ヒドロキシ基、スルホニル基、スルフィニル基、ア
    シル基、又は水素原子を表す。Dは5〜7員の炭素環又
    は複素環を形成するのに必要な原子の集まりを表し、形
    成された環は更に縮合環を形成しても良い。ま た、各置
    換基R 18 〜R 22 は互いに結合して環を形成しても良
    い。}
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