JPH0692009A - インクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録方法

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JPH0692009A
JPH0692009A JP4242247A JP24224792A JPH0692009A JP H0692009 A JPH0692009 A JP H0692009A JP 4242247 A JP4242247 A JP 4242247A JP 24224792 A JP24224792 A JP 24224792A JP H0692009 A JPH0692009 A JP H0692009A
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water
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head
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JP4242247A
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Fumi Takaide
文 高出
Akio Kashiwazaki
昭夫 柏崎
Yuko Suga
祐子 菅
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Canon Inc
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 記録液にエネルギーを付与して、微細孔から
液滴として、顔料、水溶性溶剤および水を含有する記録
液を吐出させて記録を行うインクジェット記録方法にお
いて、記録を行う前、同時、あるいは記録を行った後
に、記録媒体上に、酸、アルカリ可溶型樹脂、塩または
緩衝溶液を含有する補助液を塗布、或いは前記吐出手段
により噴射することを特徴とするインクジェット記録方
法とその装置を提供する。 【効果】 本発明方法は熱エネルギーを利用したインク
ジェットプリンターに適用した時、印字物の堅牢性に優
れ、どのような種類の普通紙に印字した場合にも印字濃
度が高く、駆動条件の変更や長時間の使用でも常に安定
した吐出を行うことが可能で、信頼性、長期保存安定性
にも優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録ヘッドのオリフィ
スから熱エネルギーの作用によって記録液を飛翔させて
非塗工用紙、いわゆる普通紙に記録を行う記録方法なら
びにその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、記録時の騒
音の発生が少なく、高集積のヘッドを使用することによ
り、高解像の記録画像が高速で得られるという利点を有
している。このようなインクジェット記録方式では、記
録液として各種の水溶性染料を水または、水と有機溶剤
との混合液に溶解させたものが使用されているが、記録
画像の耐光性、耐水性、印字品位が問題になる場合が多
い。
【0003】一方、水溶性染料を使用した記録液に比較
して、水性分散系顔料記録液は、耐水性、耐光性ともに
格段に優れるために、種種の水性顔料記録液の検討がな
されている。水性顔料記録液を用いたインクジェットイ
ンクとしては、特開昭56−147859、56−14
7860号公報等に、特定の水溶性溶剤と高分子分散剤
を用いた顔料記録液が提案されている。また、特開平4
−57859、4−57860等には、顔料と染料を併
用した記録液の提案がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
水性顔料インクは、普通紙(コピー用紙、ボンド紙など
の一般にオフィスに普及している紙)に記録を行った場
合、紙の種類によっては、印字品位、印字濃度が、著し
く劣化するという不都合が生じた。一般に、普通紙は、
インクジェット専用紙と異なり、紙の表面状態が一定で
ないために、記録液の吸収性、にじみかた等の違いによ
り、印字物の品位が変化する。特に、印字物の品位を大
きく左右する印字濃度を考えた場合、水溶性染料を用い
た記録液では、染料が紙の繊維に染着し、紙の表面に残
りやすいために、紙の表面状態による印字濃度などへの
影響は、比較的少ない。一方、水性顔料記録液では、紙
の表面に顔料を残存させることにより、印字濃度を得て
いるために紙の表面状態が、印字物の印字濃度に与える
影響は大きい。また、インクジェット用インクは、文具
用インクとは異なり、吐出安定性、長期の分散安定性、
さらに、微細なノズル先端における長期の放置による固
化防止など多くの重要技術課題が有り、記録液の組成検
討だけで全てを解決することは、難しく、これらの技術
課題を記録液の組成と記録方法に機能分離することによ
って、効果的に解決することが、望まれている。
【0005】そこで本発明の目的は、前述した従来技術
の問題点を解消し、どんな種類の普通紙上においても、
良好な印字品位で、耐水性、耐光性等の堅牢性に優れた
記録画像が得られるインクジェット記録方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】上記の目的は、
以下の本発明によって達成される。
【0007】即ち、本発明は、記録液に、記録信号に応
じた熱エネルギーを付与して微細孔から、液滴として、
顔料、水溶性樹脂、水溶性溶剤および、水を含有する記
録液を吐出させて記録を行うインクジェット記録方法に
おいて、記録を行う前、同時、或は、後に記録媒体上
に、特定物質を含有する補助液を噴射、或は、塗布する
ことを特徴とするインクジェット記録方法である。
【0008】この補助液に含有される特定物質として
は、酸や、酸価30〜100のアルカリ可溶型樹脂、
塩、および緩衝溶液が使用される。
【0009】本発明者らは顔料を使用した水性顔料記録
液を用いて普通紙上にインクジェット記録を行った場
合、紙の種類によって、印字品位、印字濃度が、著しく
劣化する原因を鋭意検討した結果、紙の表面状態が印字
品位、特に印字濃度に与える影響が大きいことを見いだ
し、本発明に至った。つまり、水性顔料インクは、吐出
した記録液が紙の表面に到達した直後に記録液が凝集
し、紙の表面に留まることによって印字濃度が得られ、
紙の表面状態が、インクの安定性を壊すものであれば、
良好な印字濃度が得られ、逆に、記録液の凝集より、浸
透が先に起これば、望ましい印字濃度は得られないとい
うことである。一方、普通紙は、大きく酸性紙と中性紙
に分類されるが、その表面状態は、紙の用途により、い
ろいろな処理が施されており、全ての紙において、表面
で瞬時に凝集が開始するような記録液を設計すること
は、困難である。また、記録液の分散状態を不安定にし
て、印字濃度を得るという記録液の設計は、インクジェ
ット用記録液に要求される吐出安定性、長期の貯蔵安定
性、さらに微細なノズル先端における長期の放置による
固化防止とは、相反するものである。そこで、本発明者
らは、これら相反する要求性能を記録手段と記録液の組
成に分離することによって、普通紙における印字品位、
耐光性、耐水性が良好で、信頼性に優れた水性顔料記録
液を用いたインクジェット記録方法を提供するに至っ
た。本発明者らは、水性顔料記録液の分散安定性が、
少量の酸を添加すること、酸価の低い水溶性樹脂を添
加すること、少量の塩を添加すること、少量の緩衝
液を添加すること、などによって著しく劣化することを
利用し、記録液としての水性顔料記録液を噴射する前、
或は、後に、これら特定物質を含有する補助液(以下、
補助液とする)を紙上に噴射、或は、塗布することによ
って、紙の種類によらない良好な印字物を提供するイン
クジェット記録方法を見いだし、本発明に至った。
【0010】つまり、紙の表面にこれら特定物質を付着
させることによって、記録液が紙に着弾した際に瞬時に
凝集を起こし、紙の種類によらず、好ましい印字品位を
得ることが可能である。特開昭56−89595、64
−63185公報などに記録液の噴射に先だって先打ち
液を噴射させ、印字物のシャープネス、耐水性等を改良
したものが開示されているが、いずれの場合にも、色材
として染料が使用され、耐候性に欠点が残る。さらに、
特開平3−240557、特開平3−240558に
は、インクジェット記録において、記録液を噴射する
前、或は、後に記録液を増粘させる溶液を噴射し、記録
液の増粘により、にじみのない、定着性の良好な記録方
法を提供しているが、この方法では、記録紙上でインク
が増粘するために、定着までに時間を要し、さらに、増
粘だけでは、完全に色材を記録紙上に残すことができな
いために、良好な印字濃度が得られない場合が有る。本
発明は、顔料記録液が、たとえば酸の作用により、紙の
表面pHを下げることによって、記録紙上に着弾した顔
料記録液の分散安定性が壊れ、瞬時に凝集し、顔料記録
液中の顔料分を記録紙上に残し、印字物の濃度を上げる
という機構を利用しているため、定着性、印字濃度共に
良好なものである。
【0011】また、顔料記録液が、30〜100の酸価
を有するアルカリ可溶型水溶性樹脂や、塩、緩衝溶液な
どの作用により、瞬時に凝集し、紙の繊維を埋めること
によって、顔料記録液中の顔料分を記録紙上に残し、印
字物の濃度を上げるようにしているため、酸を使用する
場合と同様、定着性、印字濃度共に良好なものである。
【0012】以下、本発明を詳細に述べる。
【0013】本発明で使用される補助液に含有される酸
は、水溶液中で酸性を示すものならどんなものでもよい
が、塩酸、酢酸及びカルボキシル基を有する化合物、炭
酸、硫酸及びスルホン基を有する化合物、硝酸、リン
酸、及びリン酸化合物、亜硫酸、亜硝酸等が挙げられ
る。水溶液中で酸性を示すものならば、これらに限定さ
れるものではない。
【0014】本発明で使用される補助液に含有されるア
ルカリ可溶型樹脂としては、酸価が30から100で塩
基を溶解した水に安定に溶解が可能なものならどんなも
のでもよいが、重量平均分子量は1000から3000
0の範囲が好ましい。さらに、好ましくは、3000か
ら15000の範囲である。分子量が大きい樹脂を使用
すると、スムースな析出が起こらず、増粘により、定着
性が悪化するために、分子量は小さいものを使用するこ
とが望ましい。具体的には、スチレン、スチレン誘導
体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α、
β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエ
ステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン
酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導
体、フマール酸、フマール酸誘導体等から選ばれた少な
くとも1つ以上の単量体からなるブロック共重合体、グ
ラフト共重合体あるいは、ランダム共重合体、また、こ
れらの塩等が挙げられる。塩基を溶解した水に溶解する
ものならば、これらに限定されるものではない。
【0015】また、本発明で使用される補助液に含有さ
れる塩は、水に安定に溶解が可能なものならどんなもの
でもよいが、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチ
ウム、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、塩化マグネ
シウム、塩化バリウム等の塩酸塩、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
リチウム、炭酸アンモニウム等の炭酸塩、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カリウム、酢酸リチウム等の酢酸塩、硫酸ナト
リウム、硫酸カリウム、硫酸アルミニウム等の硫酸塩、
または、硝酸塩、亜硫酸塩、亜硝酸塩等が挙げられる。
水に溶解し電離するものならば、これらに限定されるも
のではない。
【0016】さらに、本発明で使用される補助液に含有
される緩衝溶液は、部材との接液性、記録液の凝集効果
の点から、pHが、3から9のものならどんなものでも
よいが、より好ましくは、3から6である。具体的に
は、Clark-Lubsの緩衝溶液、 Sφrensenの緩衝溶液、Ko
lthoffの緩衝溶液、Michaelis の緩衝溶液、McIlvaine
の緩衝溶液、Britton-Robinsonの緩衝溶液、Carmody の
緩衝溶液、Gomoriの緩衝溶液、Bates-Bower の緩衝溶液
などが挙げられる。
【0017】また、本発明の記録方法では、2種類の液
体を紙に吸収させるために、補助液は、いち早く紙に浸
透し、記録液の定着性、印字品位に影響をおよぼさない
ように設計しなくてはならない。この目的のためには、
脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂
肪油硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類
等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、
ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、ア
セチレンアルコール、アセチレングリコール等の非イオ
ン性界面活性剤等の紙に対する浸透性の高い界面活性剤
を含有させることが好ましい。さらに媒体としてイオン
交換水及び、多価アルコール、または、そのアルキルエ
ーテル、1級アルコール等の水溶性の有機溶剤を含有し
てもよい。
【0018】この液体中に含まれる酸の量は、重量で
0.01%から20%、特に、好ましくは、0.05%
から10%の範囲で用いることが好ましい。
【0019】また、酸価が30−100のアルカリ可溶
型水溶性樹脂の量は、重量で0.1%から20%、特
に、好ましくは、1%から10%の範囲で用いることが
好ましい。樹脂を溶解させるアミンあるいは塩基の量
を、樹脂の酸価から計算によって求めたアミンあるいは
塩基量の1倍以上添加することが必要である。このアミ
ンあるいは塩基の量は以下の式によって求められる。
【0020】アミンあるいは塩基の量(g)=(樹脂の
酸価*アミンあるいは塩基の分子量*樹脂量(g))/
5600 補助液の作成方法としては、上記計算式で計算した塩基
の量を溶解した水溶液に樹脂を混合し、60℃程度に加
温し、約1時間攪拌することによって樹脂溶液を作成
し、この溶液に任意に水溶性溶剤、その他添加剤を混合
し補助液とする。
【0021】補助液中に含まれる塩の量は、重量で0.
1%から20%、特に、好ましくは、1%から10%の
範囲で用いることが好ましい。また、緩衝溶液を用いる
場合は、その量は、所望のpH、選んだ緩衝溶液の種類
に依存し、任意に設定できる。
【0022】本発明で使用するインクに含有される顔料
の量は、重量比で1〜20重量%、好ましくは2〜12
重量%の範囲で用いることが好ましい。
【0023】本発明で使用する顔料は上記性能を満足す
るものならばどのようなものでも使用可能だが、黒色顔
料記録液に使用されるカーボンブラックとしては、ファ
ーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラック
で、一次粒子径が15から40mμ、BET法による比
表面積が、50から300平方m/g、DBP吸油量
が、40から150ml/100g、揮発分が、0.5
から10%、pH値が、2から9を有し、例えば、NO.2
300,NO.900,MCF88,NO.33,NO.40,NO.45,NO.52,MA7,MA8,N
O.2200B (以上三菱化成製)、RAVEN1255 (コロンビア
製)、REGAL400R, REGAL330R, REGAL660R, MOGUL L(キ
ャボット製)、Color Black FW1, COLOR Black FW18, C
olor Black S170, Color Black S150, Printex 35,Prin
tex U (デグッサ)等の市販品を使用することが出来
る。また、本発明のために新たに試作されたものでもよ
い。イエロー記録液に使用される顔料としては、C.I.Pi
gment Yellow 1, C.I.Pigment Yellow 2, C.I.Pigment
Yellow 3, C.I.Pigment Yellow 13, C.I.Pigment Yello
w 16, C.I.Pigment Yellow 83 、マゼンタ記録液として
使用される顔料としては、C.I.Pigment Red 5, C.I.Pig
ment Red 7, C.I.PigmentRed 12, C.I.Pigment Red 48
(Ca), C.I.Pigment Red 48(Mn), C.I.Pigment Red57(C
a), C.I.Pigment Red 112, C.I.Pigment Red 122、シア
ン記録液として使用される顔料としては、C.I.Pigment
Blue 1, C.I.Pigment Blue 2, C.I.PigmentBlue 3, C.
I.Pigment Blue 15:3, C.I.Pigment Blue 16, C.I.Pigm
ent Blue 22,C.I.Vat Blue 4, C.I.Vat Blue 6 等が挙
げられるが、本発明のために新たに製造されたものでも
使用可能である。本発明で使用する記録液中の顔料の分
散剤は、水溶性樹脂ならどんなものでも使用可能だが、
重量平均分子量は1000から30000の範囲が好ま
しい。さらに、好ましくは、3000から15000の
範囲である。具体的には、スチレン、スチレン誘導体、
ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α、β−
エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステ
ル等の疎水性単量体、または、アクリル酸、アクリル酸
誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、
イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体等か
ら選ばれる2つ以上の単量体からなるブロック共重合
体、グラフト共重合体あるいは、ランダム共重合体、ま
た、これらの塩等が挙げられる。これらの樹脂は、塩基
を溶解させた水溶液に可溶でアルカリ可溶型樹脂であ
る。さらに、親水性単量体からなるホモポリマー、ま
た、それらの塩でも良い。また、ポリビニルアルコー
ル、カルボキシメチルセルロース、ナフタレンスルホン
酸ホルムアルデヒド縮合物等の水溶性樹脂も使用するこ
とが可能である。しかし、アルカリ可溶型の樹脂を用い
た場合の方が、分散液の低粘度化が可能で、分散も容易
であるという利点が有る。さらに、pH6以下で、凝集
を開始する樹脂が、印字濃度の向上には、特に好まし
い。尚、前記水溶性樹脂は記録液全量に対して0.1か
ら5重量%の範囲で含有される事が好ましい。また、こ
のような水溶性樹脂を使用する場合には、前記補助液と
して緩衝溶液を含有する場合は、pH6以下の緩衝溶液
を用いることが、鮮明な画像を得るためには、より好ま
しい。さらに、本発明の記録液は、好ましくは記録液全
体が中性またはアルカリ性に調整されていることが、前
記水溶性樹脂の溶解性を向上させ、一層の長期保存性に
優れた記録液とすることができるので望ましい。但し、
この場合、インクジェット記録装置に使われている種々
の部材の腐食の原因となる場合があるので好ましくは7
−10のpH範囲とされるのが望ましい。
【0024】また、pH調整剤としては、例えば、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機ア
ミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリ
ウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤、
有機酸や、鉱酸があげられる。
【0025】以上のごとき、顔料及び水溶性樹脂は水溶
性媒体中に分散または溶解される。
【0026】本発明の記録液において好適な水性媒体
は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒であり、水として
は種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交
換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。
【0027】また、その他、併用しうる任意の溶剤成分
としては水と混合して使用される水溶性有機溶剤として
は、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n
−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−
ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、ter
t−ブチルアルコール等の炭素数1−4のアルキルアル
コール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等の
ケトンまたはケトアルコール類;テトラヒドロフラン、
ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコー
ル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブ
チレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,
6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレ
ングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基
が2−6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;
グリセリン;エチレングリコールモノメチル(またはエ
チル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(または
エチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル
(またはエチル)エーテル等の多価アルコールの低級ア
ルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−
ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
等があげられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中で
もジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチ
レングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル等
の多価アルコールの低級アルキルエーテルが好ましい。
【0028】さらに、吐出の安定性をえるためにはエタ
ノール、あるいは、イソプロピルアルコールを1%以上
添加することが効果的である。これはこれら溶剤を添加
することによって記録液の薄膜抵抗体上での発泡をより
安定に行うことができるからと考えられる。しかし、こ
れら溶剤を過剰に加えると印字物の印字品位が損なわれ
るという欠点が生じるため、これら溶剤の適切な濃度は
3−10%であることがわかった。さらにこれら溶剤の
効果として、分散液にこれら溶剤を添加することによ
り、分散時における泡の発生を押え、効率的な分散が行
えることが挙げられる。
【0029】本発明の記録液中の上記水溶性有機溶剤の
含有量は、一般には記録液全重量の3−50重量%の範
囲であり、好ましくは、3−40重量%の範囲であり、
使用する水は記録液全重量の10−90重量%、好まし
くは30−80重量%の範囲である。
【0030】又、本発明の記録液は、上記の成分のほか
に必要に応じて所望の物性値を持つ記録液とするため
に、界面活性剤、消泡材、防腐剤等を添加することがで
き、さらに、市販の水溶性染料などを添加することもで
きる。
【0031】界面活性剤としては脂肪酸塩類、高級アル
コール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩
類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イオン界面活
性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオ
キシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレン
ソルビタンアルキルエステル類、アセチレンアルコー
ル、アセチレングリコール等の非イオン性界面活性剤が
あり、これらの1種または、2種以上を適宜選択して使
用できる。その使用量は分散剤により異なるが記録液全
量に対して0.01から5重量%が望ましい。この際、
記録液の表面張力は30dyne/cm以上になるよう
に活性剤の添加する量を決定する事が好ましい。なぜな
ら、記録液の表面張力がこれより小さい値を示す事は、
本発明のような記録方式においてはノズル先端のぬれに
よる印字よれ(記録液滴の着弾点のズレ)等好ましくな
い事態を引き起こしてしまうからである。
【0032】本発明のインクの作成方法としては、はじ
めに、分散樹脂、水を少なくとも含有する水溶液に顔料
を添加し、かくはんした後、後述の分散手段を用いて分
散を行い、必要に応じて遠心分離処理を行い、所望の分
散液を得る。次に、この分散液に上記で掲げたような成
分を加え、かくはんして記録液とする。
【0033】又、アルカリ可溶型樹脂を使用する場合、
樹脂を溶解させるために塩基を添加することが必要であ
る。樹脂を溶解させるアミンあるいは塩基の量を、樹脂
の酸価から計算によって求めたアミンあるいは塩基量の
1倍以上添加することが必要である。このアミンあるい
は塩基の量は以下の式によって求められる。
【0034】アミンあるいは塩基の量(g)=(樹脂の
酸価*アミンあるいは塩基の分子量*樹脂量(g))/
5600 更に、顔料を含む水溶液を分散処理する前にプレミキシ
ングを30分間以上行うと分散効率が良い。このプレミ
キシング操作は、顔料表面の濡れ性を改善し、顔料表面
への吸着を促進するものである。
【0035】アルカリ可溶型樹脂を使用した場合の分散
液に添加される塩基類としては、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミ
ンメチルプロパノール、アンモニア等の有機アミン、あ
るいは、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩
基が好ましい。
【0036】一方、本発明に使用する分散機は、一般に
使用される分散機なら、如何なるものでも良いが、たと
えば、ボールミル、ロールミル、サンドミルなどが挙げ
られる。
【0037】その中でも、高速型のサンドミルが好まし
く、たとえば、スーパーミル、サンドグラインダー、ビ
ーズミル、アジテータミル、グレンミル、ダイノーミ
ル、パールミル、コボルミル(いずれも商品名)等が挙
げられる。
【0038】本発明において、所望の粒度分布を有する
顔料を得る方法としては、分散機の粉砕メデイアのサイ
ズを小さくする、粉砕メデイアの充填率を大きくする、
また処理時間を長くする、吐出速度を遅くする、粉砕後
フィルターや遠心分離機等で分級するなどの手法が用い
られる。またはそれらの手法の組合せが挙げられる。
【0039】前記の補助液は、所定のエネルギーによ
り、液滴を吐出させて記録を行うインクジェット記録ヘ
ッドと別の手段によって、被記録面に付与される。具体
的には、記録を行う前にスプレー、バーコーターにより
塗布したり、また、図1、図2に示されるように記録液
を含有するインクジェットヘッドとは別にインクジェッ
トヘッドを具備する装置を設けてもよい。そこで、本発
明のインクジェット記録方法を模式図によって示すと、
図1のようになる。即ち、記録用紙2に向けて、まず、
副ヘッド1bから、この補助液を噴射した後、一定の遅
れ時間をとって主ヘッド1aから記録液を噴射して記録
を行う。この際、主ヘッド1aから噴射されるインク滴
が、記録用紙2上で事前に副ヘッド1bから噴射された
液滴の着弾点とほぼ一致するように両ヘッドの配置を定
める。また、補助液と記録液を入れ換え、記録液を噴射
した後に、補助液を噴射させることも可能である。ま
た、図2のように、主ヘッド5aと副ヘッド5bを上下
に配置して、印字を行うことも可能である。図2におい
て、4は、記録紙である。さらには、1つのヘッド内に
2つの液室を設け、2種類の液体を同時に噴射すること
も可能である。本発明の記録方法に用いられる記録装置
としては、記録信号によってピエゾ振動子を振動させる
ことによって液滴を噴射させる装置、また、記録ヘッド
の室内のインクに記録信号に対応した熱エネルギーを与
え、該エネルギーにより液滴を発生させる装置が挙げら
れる。
【0040】図3(a)、図3(b)、図4に、例とし
てその主要部である熱エネルギーによってインクを噴射
させるヘッド構成例を示す。ヘッド13は、インクを通
す溝14を有するガラス、セラミックス、またはプラス
チック板などと、感熱記録に用いられる発熱ヘッド15
(図では薄膜ヘッドが示されているが、これに限定され
るものではない)とを接着して得られる。発熱ヘッド1
5は、酸化シリコンなどで形成される保護膜16、アル
ミニウム電極17−1、17−2、ニクロム等で形成さ
れる発熱抵抗体層18、蓄熱層19、アルミナ等の放熱
性の良い基板20より成っている。
【0041】インク21は吐出オリフィス(微細孔)2
2まで来ており、圧力Pによりメニスカス23を形成し
ている。
【0042】いま、電極17−1、17−2に電気信号
が加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激
に発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生
し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が
吐出し、オリフィス22より記録小滴24となり被記録
体25に向かって飛翔する。図4には、図3(a)に示
すヘッドを多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。該
マルチヘッドはマルチ溝26を有するガラス板27と、
図3(a)に説明したものと同様な発熱ヘッド28を接
着して作られている。
【0043】尚、図3(a)はインク流路に沿ったヘッ
ド13の断面図であり、図3(b)は図3(a)のA−
B線での切断面である。
【0044】図5に、本発明のインクジェット記録方法
を示す装置の一例を示す。図5において、61はワイピ
ング部材としてのブレードであり、その一端はブレード
保持部材によって保持されて固定端となりカンチレバー
の形態をなす。ブレード61は記録ヘッドによる記録領
域に隣接した位置に配設され、又、本例の場合、記録ヘ
ッドの移動経路中に突出した形態で保持される。62、
62′はキャップであり、ブレード61に隣接するホー
ムポジションに配設され、記録ヘッドの移動方向と垂直
な方向に移動して吐出面と当接しキャッピングを行う構
成を具える。さらに63はブレード61に隣接して設け
られるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録
ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。上記
ブレード61、キャップ62、62′、吸収体63によ
って吐出回復部64が構成され、ブレード61及び吸収
体63によってインク吐出口面の水分、塵やほこり等の
除去が行われる。65、65′は吐出エネルギー発生手
段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被記録材
にインクを吐出して記録を行う記録ヘッドを示し、65
は、水性顔料インクを搭載したヘッド、65′は、補助
液を搭載したヘッドである。66は記録ヘッド65、6
5′を搭載して記録ヘッド65、65′の移動を行うた
めのキャリッジである。キャリッジ66は、ガイド軸6
7と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部は、モー
タ68によって駆動されるベルト69と接続(不図示)
している。これによりキャリッジ66はガイド軸67に
沿った移動が可能となり、記録ヘッド65、65′によ
る記録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。
記録ヘッド65、65′に含有される液体を入れ換える
ことも可能である。
【0045】51は、被記録材を挿入するための給紙
部、52は不図示のモータにより駆動される紙送りロー
ラである。これら構成によって記録ヘッドの吐出口面と
対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行するに
つれて排紙ローラ53を配した排紙部へ排紙される。
【0046】上記構成において、記録ヘッド65、6
5′が記録終了等でホームポジションに戻る際、ヘッド
回復部64のキャップ62は記録ヘッド65、65′の
移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路
中に突出している。この結果、記録ヘッド65、65′
の吐出口面がワイピングされる。なお、キャップ62が
記録ヘッド65、65′の吐出口面に当接してキャッピ
ングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路
中へ突出するように移動する。
【0047】記録ヘッド65、65′がホームポジショ
ンから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及び
ブレード61は上述したワイピング時の位置と同一の位
置にある。この結果、この移動においても、記録ヘッド
65、65′の吐出口面はワイピングされる。
【0048】上述した記録ヘッドのホームポジションへ
の移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録
ヘッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間
隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、こ
の移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0049】図6は、ヘッドにインク供給チューブを介
して供給されるインクを収容したインクカートリッジ4
5の一例を示す図である。ここで40は供給用インクを
収納したインク袋であり、その先端にはゴム製の栓42
が設けられている。この栓42に針(不図示)を挿入す
ることにより、インク袋40中のインクをヘッドに供給
可能にできる。44は廃インクを受容するインク吸収体
である。
【0050】本発明で使用されるインクジェット記録装
置としては、上記のごときヘッドとインクカートリッジ
とが別体となったものに限らず、図7に示すごときそれ
らが一体になったものも好適に用いられる。
【0051】図7において、70はインクジェットカー
トリッジであって、この中にはインクを含浸させたイン
ク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中のイ
ンクが複数のオリフィスを有するヘッド部71からイン
ク滴として吐出される構成になっている。72はカート
リッジ内部を大気に連通させるための大気連通口であ
る。
【0052】このインクジェットカートリッジ70は、
図5で示す記録ヘッド65、65′に代えて用いられる
ものであって、キャリッジ66に対して着脱自在になっ
ている。
【0053】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を更に説明す
る。尚、文中部または、%とあるのは、重量基準であ
る。 実施例1〜4 (補助液(ア)〜(ウ)の調整):下記の組成の液組成
物を補助液として調整する。
【0054】 塩酸 0.35部 グリセリン 10 部 エチルアルコール 3.5 部 アセチレノールEH(川研) 0.5 部 イオン交換水 85.65部 これらを精秤し、混合し、1時間攪拌し、0.22μの
フロロポアフィルターで加圧漉過し、補助液(ア)とし
た。
【0055】同様に下記の組成で補助液(イ)を(ア)
と同様の方法で作成した。
【0056】 炭酸 0.6部 エチレングリコール 30 部 ノイゲンEA−126(第一工業製薬) 1 部 イオン交換水 68.4部 同様に下記の組成で補助液(ウ)を(ア)と同様の方法
で作成した。
【0057】 酢酸 0.6部 チオジグリコール 30 部 サーフィノール465(日信化学) 0.5部 イオン交換水 68.9部 (記録液(A)〜(C)の調整): (顔料分散液の作成) スチレン−アクリル酸−アクリル酸ブチル共重合体 1.5部 (酸価116、重量平均分子量3700) モノエタノールアミン 1 部 イオン交換水 81.5部 ジエチレングリコール 5 部 上記成分を混合し、ウオーターバスで70℃に加温し、
樹脂分を完全に溶解させる。この溶液に新たに試作され
たカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10
部、イソプロピルアルコール1部を加え、30分間プレ
ミキシングをおこなった後、下記の条件で分散処理を行
った。
【0058】分散機 サンドグラインダー(五
十嵐機械製) 粉砕メデイア ジルコニウムビーズ 1mm径 粉砕メデイアの充填率 50%(体積) 粉砕時間 3時間 さらに遠心分離処理(12000RPM、20分間)を
おこない、粗大粒子を除去して分散液とした。 (インクの作成) 上記分散液 10部 グリセリン 2部 ジエチレングリコール 15部 N−メチルピロリドン 5部 イソプロピルアルコール 3部 イオン交換水 65部 上記成分を混合し、pHをモノエタノールアミンで8か
ら10になるように調整し、記録液(A)とした。 (顔料分散液の作成) スチレン−マレイン酸−マレイン酸ハーフエステル共重合体 4部 (酸価200、重量平均分子量12000) アミノメチルプロパノール 2部 イオン交換水 74部 ジエチレングリコール 5部 上記成分を混合し、ウオーターバスで70℃に加温し、
樹脂分を完全に溶解させる。この溶液にカーボンブラッ
ク(MCF88、三菱化成製)15部を加え、30分間
プレミキシングをおこなった後、下記の条件で分散処理
を行った。
【0059】 分散機 パールミル(アシザワ製) 粉砕メデイア ガラスビーズ 1mm径 粉砕メデイアの充填率 50%(体積) 吐出速度 100ml/min. さらに遠心分離処理(12000RPM、20分間)を
おこない、粗大粒子を除去して分散液とした。 (インクの作成) 上記分散液 20 部 グリセリン 8 部 エチレングリコール 5 部 エタノール 5 部 イオン交換水 61.5部 上記成分を混合し、pHが8から10になるように、ア
ミノメチルプロパノールで調整し、記録液(B)を得
た。 (顔料分散液の作成) デモールN 1.5部 イオン交換水 81.5部 エチレングリコール 5 部 上記成分を混合し、ウオーターバスで70℃に加温し、
樹脂分を完全に溶解させる。この溶液に新たに試作され
たカーボンブラック(S170、デグサ製)11部、イ
ソプロピルアルコール1部を加え、60分間プレミキシ
ングをおこなった後、下記の条件で分散処理を行った。
【0060】 分散機 サンドグラインダー(五十嵐機械製) 粉砕メデイア ジルコニウムビーズ 0.5mm径 粉砕メデイアの充填率 70%(体積) 粉砕時間 10時間 さらに遠心分離処理(12000RPM、20分間)を
おこない、粗大粒子を除去して分散液とした。 (インクの作成) 上記分散液 10部 グリセリン 12部 ジエチレングリコール 15部 2−ピロリドン 5部 イソプロピルアルコール 3部 イオン交換水 55部 上記成分を混合し、pHをモノエタノールアミンで8か
ら10になるように調整し、記録液(C)とした。 (印字物の作成) (1)図5に示されているような2列にオンディマンド
型のインクジェットカートリッジを並べ、先に噴射され
る方のカートリッジには、補助液を、また、後のカート
リッジには、記録液を充填し、印字を行い、下記の評価
を行った。 (2)図2に示されているようにピエゾ振動子を具備す
るオンディマンド型記録ヘッドを2つ有する記録装置を
用い、それぞれのインクタンクには、先に噴射されるヘ
ッドのインクタンクには、記録液を、また、もう一方の
インクタンクには、補助液を充填し、印字を行い、下記
評価を行った。 (3)インクジェット記録装置で記録を行う前にスプレ
ー法により補助液で記録用紙を処理した後、バブルジェ
ットプリンターBJ−10v(キヤノン製)の記録ヘッ
ドに上記で作成した記録液を充填し、印字を行い、下記
評価を行った。 (評価1) 印字物の印字濃度 上記のインクジェット記録装置を用いて、Xerox4
024コピー用紙、キヤノンNP−DRYコピー用紙に
印字を行い、印字物の印字濃度をマクベス濃度計(TR
918)で測定した。 (評価2) 印字物の耐光性、耐水性 上記の印字物を水道水に5分間浸し、試験前後の印字濃
度を測定し、印字濃度残存率を計算し、2紙の平均値を
印字物の耐水性とした。
【0061】上記の印字物をアトラスフェードメーター
で200時間照射し、試験前後の印字濃度を測定し、印
字濃度残存率を計算し、2紙の平均値を印字物の耐光性
とした。
【0062】各実施例は、記録液、補助液および印字物
作成方法の組合せとし、表1に実施例1〜4の組合せを
示した。 (比較例1、2、3及び4)記録液を噴射するためのイ
ンクジェットカートリッジのみを有する記録装置によっ
て、実施例1〜4の記録液を用いて評価を行った。比較
例1〜4は実施例1〜4に夫々対応する。 (比較例5) (記録液(D)の作成) C.I.フードブラック2 3部 グリセリン 8部 エチレングリコール 5部 エタノール 5部 イオン交換水 79部 上記成分を混合し、pHが8から10になるように、ア
ミノメチルプロパノールで調整し、記録液(D)を得
た。これと補助液(ア)及び印字物作成方法(1)の組
合せを比較例5とした。
【0063】表1に実施例1〜4、比較例1〜5の評価
結果を記載する。 実施例5〜8 (補助液(カ)〜(ク)の調整):下記の組成の液組成
物を補助液として調整する。
【0064】 スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体 4 部 (酸価60、分子量5600) モノエタノールアミン 0.5部 グリセリン 10 部 イソプロピルアルコール 3.5部 アセチレノールEH(川研) 0.5部 イオン交換水 81.5部 イオン交換水とモノエタノールアミンを混合しウオータ
ーバス中で混合し、はかりとった樹脂を徐々に加えてゆ
く。1時間攪拌し、樹脂を完全に溶解させ、室温に戻し
た後にその他の組成物を混合し、0.22μのフロロポ
アフィルターで加圧漉過し、補助液(カ)とした。
【0065】同様に下記の組成で補助液(キ)を(カ)
と同様の方法で作成した。
【0066】 α−メチルスチレン−メタアクリル酸−メタクリル酸 ブチル (酸価85、分子量3700) 5 部 アミノメチルプロパノール 1.5部 エチレングリコール 20 部 ノイゲンEA−126(第一工業製薬) 1 部 イオン交換水 72.5部 同様に下記の組成で補助液(ク)を(カ)と同様の方法
で作成した。
【0067】 スチレン−マレイン酸ハーフエステル−マレイン酸 アンモニウム塩 (酸価40、分子量7800) 4 部 チオジグリコール 15 部 サーフィノール465(日信化学) 0.5部 イオン交換水 80.5部 (記録液の調整): 実施例1〜4の記録液(A)〜
(C)を使用した。
【0068】印字物の作成方法および評価の方法は実施
例1〜4と同様とし、各実施例は記録液,補助液および
印字物の作成方法の組合せとし、表2に実施例5〜8の
組合せと評価結果を示した。 実施例9〜12 (補助液(サ)〜(ス)の調整):下記の組成の液組成
物を補助液として調整する。
【0069】 塩化ナトリウム 5 部 グリセリン 10 部 エチルアルコール 3.5部 アセチレノールEH(川研) 0.5部 イオン交換水 81 部 これらを精秤し、混合し、1時間攪拌し、0.22μの
フロロポアフィルターで加圧漉過し、補助液(サ)とし
た。
【0070】同様に下記の組成で補助液(シ)を(サ)
と同様の方法で作成した。
【0071】 炭酸カルシウム 3 部 エチレングリコール 30 部 ノイゲンEA−126(第一工業製薬) 1 部 イオン交換水 66 部 同様に下記の組成で補助液(ス)を(サ)と同様の方法
で作成した。
【0072】 酢酸リチウム 7 部 チオジグリコール 30 部 サーフィノール465(日信化学) 0.5部 イオン交換水 62.5部 (記録液の調整): 実施例1〜4の記録液(A)〜
(C)を使用した。
【0073】印字物の作成方法および評価の方法は実施
例1〜4と同様とし、各実施例は記録液,補助液および
印字物の作成方法の組合せとし、表3に実施例9〜12
の組合せと評価結果を示した。 実施例13〜16 (補助液(タ)〜(ツ)の調整):下記の組成の液組成
物を補助液として調整する。
【0074】 トリスアミノヒドロキシメチルアミノメタン 0.1モル水溶液 25 部 塩酸 0.1モル水溶液 5 部 グリセリン 10 部 エチルアルコール 3.5部 アセチレノールEH(川研) 0.5部 イオン交換水 61 部 これらを精秤し、混合し、1時間攪拌し、0.22μの
フロロポアフィルターで加圧漉過し、補助液(タ)とし
た。pHを測定したところ、6.5であった。
【0075】同様に下記の組成で補助液(チ)を(タ)
と同様の方法で作成した。
【0076】 フタル酸水素カリウム 0.2モル水溶液 25 部 塩酸 0.1モル水溶液 3 部 エチレングリコール 30 部 ノイゲンEA−126(第一工業製薬) 1 部 イオン交換水 41 部 pHを測定した結果、3.8となった。
【0077】同様に下記の組成で補助液(ツ)を(タ)
と同様の方法で作成した。
【0078】 クエン酸二水素カリウム 0.1モル水溶液 25 部 水酸化ナトリウム 0.1モル水溶液 1.5部 チオジグリコール 30 部 サーフィノール465(日信化学) 0.5部 イオン交換水 43 部 pHを測定した結果、4.5となった。 (記録液の調整): 実施例1〜4の記録液(A)〜
(C)を使用した。
【0079】印字物の作成方法および評価の方法は実施
例1〜4と同様とし、各実施例は記録液,補助液および
印字物の作成方法の組合せとし、表4に実施例13〜1
6の組合せと評価結果を示した。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
【表3】
【0083】
【表4】
【0084】
【発明の効果】以上説明したように本発明のインクジェ
ット記録方法は、熱エネルギーを利用したインクジェッ
トプリンターに適用したとき、印字物の堅牢性に優れる
ことはもちろんのこと、どのような種類の普通紙に印字
した場合にも印字濃度が高く、駆動条件の変動や長時間
の使用でも常に安定した吐出を行うことが可能で、信頼
性、長期保存安定性にも優れるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録方法の一例を説明
する模式図である。
【図2】本発明のインクジェット記録方法の他の例を説
明する模式図である。
【図3】(a)熱エネルギーによってインクを噴射させ
るヘッドの構成例を説明する断面図である。(b)図3
(a)のA−B線での切断面を説明する断面図である。
【図4】図3(a)のヘッドを多数並べたマルチヘッド
を説明する外観図である。
【図5】本発明のインクジェット記録方法を実施する装
置の一例を説明する斜視図である。
【図6】インクカートリッジの一例を説明する断面図で
ある。
【図7】ヘッドとインクカートリッジが一体となった記
録装置を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1a,5a 主ヘッド 1b,5b 副ヘッド 2,4 記録用紙 3 両ヘッドの共通部 13 ヘッド 14 溝 15 発熱ヘッド 16 保護膜 17−1,17−2 アルミニウム電極 18 発熱抵抗体層 19 蓄熱層 20 基板 21 インク 22 吐出オリフィス 23 メニスカス 24 記録小滴 25 被記録体 26 マルチ溝 27 ガラス板 28 発熱ヘッド 40 インク袋 42 栓 44 インク吸収体 45 インクカートリッジ 51 給紙部 52 紙送りローラ 53 排紙ローラ 61 ブレード 62,62′ キャップ 63 インク吸収体 64 吐出回復部 65 水性顔料インクを搭載したヘッド 65′ 微粒子及びバインダーポリマーを含有する液体
を搭載したヘッド 66 キャリッジ 67 ガイド軸 68 モータ 69 ベルト 70 インクジェットカートリッジ 71 ヘッド部 72 大気連通口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 9012−2C B41J 3/04 103 X

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録液に、エネルギーを付与して微細孔
    から、液滴として、顔料、水溶性溶剤および、水を含有
    する記録液を吐出させて記録を行うインクジェット記録
    方法において、記録を行う前、同時、或は、記録を行っ
    た後に記録媒体上に、酸を含有する補助液を塗布或は、
    前記吐出手段により噴射することを特徴とするインクジ
    ェット記録方法。
  2. 【請求項2】 前記補助液が酸価30から100のアル
    カリ可溶型樹脂を含有するものである請求項1に記載の
    インクジェット記録方法。
  3. 【請求項3】 前記補助液が塩を含有するものである請
    求項1に記載のインクジェット記録方法。
  4. 【請求項4】 前記補助液が緩衝溶液を含有するもので
    ある請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  5. 【請求項5】 記録液にエネルギーを付与して、微細孔
    から液滴として顔料、水溶性溶剤、および水を含有する
    記録液を吐出させて記録を行うインクジェット記録装置
    において、記録液を吐出する主ヘッドと、記録を行う
    前、同時あるいは記録を行った後に、酸、アルカリ可溶
    型樹脂、塩または緩衝溶液を含有する補助液を記録媒体
    上に吐出する副ヘッドとを具備し、主ヘッドから噴射さ
    れる記録液が副ヘッドから噴射される補助液の着弾点と
    ほぼ一致して着弾するように両ヘッドが配置されている
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
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