JP2019084684A - インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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聡 竹林
ゆう子 根岸
Yuko Negishi
ゆう子 根岸
裕子 西脇
Hiroko Nishiwaki
裕子 西脇
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Shuichi Okazaki
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Abstract

【課題】記録媒体に高速で両面記録する場合でも記録媒体の汚れを抑制することが可能であり、かつ、発色性の高い画像を記録可能なインクジェット記録方法を提供する。【解決手段】インクジェット記録装置100は、吸引部から吸引することにより記録媒体10を吸着支持するプラテン6と、プラテンと対向して配置された記録ヘッドと、記録媒体の両面を記録するための記録媒体の反転機構4とを備えている。記録ヘッドからインクを吐出して、ガーレー試験機法による透気抵抗度が30秒以下の記録媒体に画像を記録する。また、インクには、体積平均粒径が60nm以上300nm以下である顔料を含有するとともに、寿命時間10ミリ秒における動的表面張力γ10が50mN/m以上の水性インクを用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置に関する。
近年、インクジェット記録装置では様々な記録媒体への記録が可能である。そして、より良好な画像を得るため、例えば、光沢紙などに写真画質の画像を記録するのに適したインクや、普通紙などに文書を記録するのに適したインクなど、その目的に応じて種々のインクについての提案がなされている。
近年では特に、文字や図表などを含むビジネス文書などを普通紙へ記録する用途にもインクジェット記録方法が利用されるようになってきている。そのような用途では、大量の普通紙に高速で両面記録でき、かつ、その画像が高い発色性を有することが求められる。インクジェット記録方法により普通紙の両面に高速記録を行うには、普通紙の表面(第1面)を記録した後、インクが乾燥する前に、その普通紙が両面記録を行うための反転機構を通過する必要がある。しかし、普通紙の表面における乾燥前のインクが反転機構を通過すると、反転機構にインクが付着し、その結果、後続の普通紙が汚れるといった、いわゆる紙汚れが発生することが知られている。
このような紙汚れに対応するため、実際には様々な対策が行われている。例えば、普通紙などの記録媒体の表面(第1面)を記録した後、その記録媒体が反転機構を通過するまでに一定時間を置くという方法がある。しかし、この場合、記録媒体の表面を記録してから裏面(第2面)を記録するまでの時間が長くなってしまうため、高速記録に対応することができない。また、インクの付与量を減らすことで汚れを抑制する方法があるが、この場合、使用できるインク量が減るため、高い発色性を得ることができない。このように、高速記録と、高い発色性は両立が困難な課題として知られており、インクの成分についても様々な検討が行われている。
普通紙の高速記録に対応するための方法としては、記録媒体への浸透性を向上させる界面活性剤などの化合物を着色インクに添加する方法が開示されている(特許文献1)。また、普通紙への記録において高い発色性を実現する方法としては、25℃で固体である成分をインク全体の20質量%以上含有するインクを用いることが開示されている(特許文献2)。さらに、高速記録時の紙汚れと、発色性を両立する手法として、表面に親水基を有する特定のカーボンブラックと炭素数が11以下のジオール系の浸透剤を含有するインクを用いることが開示されている(特許文献3)。
特開昭55−065269号公報 特開2007−217671号公報 特開2007−106997号公報
しかし、本発明者らの検討の結果、特許文献1に記載の方法では、インク中の色材が界面活性剤の効果によって記録媒体の奥深くまで入り込んでしまい、発色性が低下することがわかった。また、特許文献2に記載の方法では、高い発色性が得られるものの、固形成分が記録媒体の表面に残りやすく、紙汚れが発生することがわかった。さらに、特許文献3に記載の方法では、紙汚れに対する効果は得られるものの、インクに含まれる浸透剤、及び界面活性剤の作用により、顔料が記録媒体の内部に沈み込んでしまうことで、発色性が十分ではないことがわかった。
したがって、本発明の目的は、記録媒体に高速で両面記録する場合でも記録媒体の汚れを抑制することが可能であり、かつ、発色性の高い画像を記録可能なインクジェット記録方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、上記インクジェット記録方法に用いることが可能なインクジェット記録装置を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、吸引部から吸引することにより記録媒体を吸着支持するプラテンと、前記プラテンと対向して配置された記録ヘッドと、前記記録媒体の両面を記録するための前記記録媒体の反転機構とを備えたインクジェット記録装置を使用して、前記記録ヘッドからインクを吐出して、ガーレー試験機法による透気抵抗度が30秒以下の記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、前記インクが、体積平均粒径が60nm以上300nm以下である顔料を含有するとともに、寿命時間10ミリ秒における動的表面張力γ10が50mN/m以上の水性インクであることを特徴とするインクジェット記録方法が提供される。
本発明によれば、記録媒体に高速で両面記録する場合でも記録媒体の汚れを抑制することが可能であり、かつ、発色性の高い画像を記録可能なインクジェット記録方法を提供することができる。また、本発明によれば、上記インクジェット記録方法に用いることが可能なインクジェット記録装置を提供することができる。
インクジェット記録装置の一実施形態を模式的に示す概略構成図である。 図1に示すプラテンを記録ヘッド側から見て模式的に示した平面図である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、インクジェット用の水性インクのことを、単に「インク」と記載することがある。また、物性値は、特に断りのない限り、常温(25℃)における値とする。
<インクジェット記録方法>
まず、本発明者らは、公知技術を参考にして、発色性を確保したうえで両面記録時の記録媒体の汚れを抑制する手法の検討を行った。すなわち、本発明者らは、インクに固形成分を含有させることによりインク中の顔料を記録媒体の表面に存在させるとともに、界面活性剤の作用によりインクの浸透性を高めることで、発色性の高い画像と記録媒体の汚れの抑制を両立できると考えた。しかし、インクの浸透性を高めると、それに伴って顔料も記録媒体の内部に沈み込み、発色性が低下することがわかった。
次に本発明者らは、顔料が記録媒体の表面に存在するときに生じる記録媒体の汚れの原因について解析を行った。その結果、顔料が記録媒体の表面に存在している場合でも、水や水溶性有機溶剤などの液体成分が共存しない場合は、記録媒体の汚れが発生しないことを見出した。その理由について、本発明者らは以下のように考えている。
顔料自体は疎水性であるが、顔料は、その表面に親水性基や、親水性基を持った樹脂分散剤を吸着することで、水性インク中で安定して分散している。つまり、インク中で分散している顔料は、表面に水や水溶性有機溶剤と親和性を持った部分を有するため、水や水溶性有機溶剤を抱え込みやすい性質を有する。記録後の記録媒体の表面においても、顔料粒子の近傍に上述のような液体成分が存在すると、顔料は固定化されずに流動性を持つため、その状態で反転機構を通過すると固定化されていない顔料が反転機構を汚してしまう。一方で、顔料粒子の近傍に液体成分が存在しない場合、顔料同士の疎水性相互作用や樹脂分散剤同士の相互作用により、強い力で結着する。そのため、顔料がこの状態で反転機構を通過しても汚れは生じないものと考えられる。
さらに発明者らは、普通紙への記録において、顔料粒子の近傍に存在する液体成分を効率的に除去する手法の検討を行った。その結果、普通紙をその記録面の裏面から吸引することによって、例えば普通紙の記録面(表面)から空気をあてるなどの他の方法に比べて、劇的な効果が得られることがわかった。その理由としては、普通紙は繊維が重なった構造をしていて、通気性が良いため、普通紙に付与された顔料は、空気にさらされやすい。この状態でさらに、普通紙における記録面の裏面から空気を吸引して透過させることによって、効率的に液体成分を乾燥及び除去できると考えられる。一方で、普通紙の表面から空気をあてる方法では、ごく表層の乾燥は促進できるが、内部の乾燥は進まない。
さらに、本発明者らは、インクジェット用途で用いられる種々の普通紙について検討を行った。その結果、比較的、空気を通しやすい記録媒体を使用した場合のみ、上記の効果が得られることがわかった。
以上の検討により、本発明のインクジェット記録方法では、吸引部から吸引することにより記録媒体を吸着支持するプラテンと、記録媒体の両面を記録するための記録媒体の反転機構を備えたインクジェット記録装置を使用する。そして、この装置におけるプラテンと対向して配置された記録ヘッドからインクを吐出して、ガーレー試験機法による透気抵抗度が30秒以下の記録媒体に画像を記録する。この際に、インクとして、後述する特定の体積平均粒径を有する顔料を含有するとともに特定の動的表面張力を有する水性インクを使用する。これにより、上記の記録媒体に高速で両面記録する場合でもその記録媒体の汚れを抑制することが可能であり、かつ、発色性の高い画像を記録することが可能である。
以下、本発明のインクジェット記録方法で好適に用いることができるインクジェット記録装置、及びインクなどについて説明する。
(インクジェット記録装置)
本発明のインクジェット記録方法に用いるインクジェット記録装置は、吸引部から吸引することにより記録媒体を吸着支持するプラテンと、プラテンと対向して配置された記録ヘッドと、記録媒体の両面を記録するための記録媒体の反転機構を備える。プラテンは、吸引部が設けられた吸引領域を備える。記録ヘッドは、インクなどの液体を吐出する複数のノズルを備える。また、インクジェット記録装置は、本発明のインクジェット記録方法に用いるインクを備えることができる。以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態のインクジェット記録装置の詳細について説明する。
図1は本発明に適用可能なインクジェット記録装置の一例を示す概略構成図である。図1に示すインクジェット記録装置100は、記録媒体10を反転させて記録媒体10の両面に記録を可能とするための両面記録機構を備える。図1中に示す符号において、1は給紙トレイ(給紙部)、2は記録部(記録手段)、3は排紙トレイ(排紙部)、4は記録媒体の反転手段としての反転機構、5は記録媒体の搬送方向を切り替えるための切り替え部である。また、6はプラテン、7は搬送経路(破線)、8は上流側の第1搬送ローラ対としての搬送ローラ対、9は下流側の排紙ローラ対、41は搬送ローラ対8の上流に配置した、第2搬送ローラ対としての中間ローラ対である。
給紙トレイ1上には記録媒体10が積載されており、ここから1枚ずつ搬送経路7へと記録媒体10が給送される。記録媒体10は、中間ローラ対41と同期がとれた搬送ローラ対8の正転動作によって、プラテン6に支持されながら矢印X1方向へと搬送され、記録部2によって第1の記録面(表面)の先端領域から画像が記録される。その後、記録媒体10は上流側の搬送ローラ対8と下流側の排紙ローラ対9に挟持され、この状態で第1の記録面(表面)の通常領域に画像が記録される。最後に、記録媒体の後端が搬送ローラ対8から外れ、下流側の排紙ローラ対9のみで記録媒体が挟持された状態となり、この状態で第1の記録面(表面)の後端領域にまで画像が記録される。こうして記録媒体10の表面の記録が終了する。
下流側の排紙ローラ対9と上流側の搬送ローラ対8を逆転させて、記録媒体10を矢印X2方向へと逆送し、反転機構4へと送る。この際、記録媒体10の後端(逆送中は先端)が実線で示される切り替え部5にガイドされて反転機構4におけるループ状の反転経路4aに沿って矢印K(反時計)方向に搬送される。切り替え部5は回動中心5a回りに矢印L(時計)方向に付勢され実線の位置で停止しているが、反転経路4aに沿って矢印K方向に搬送されてきた記録媒体10の後端があたると、その記録媒体10の剛性による押し込み力で破線の位置に回動する。そして、記録媒体10は表裏及び前後を反転させた状態で再び記録部2へと供給される。すなわち、反転経路4aを通過した後の記録媒体10は、その裏面が記録部2に対向し、かつ、片面記録時には搬送方向前方に位置していた端部が反転経路4aを通過した後は搬送方向後方に位置することとなる。このようにして反転された記録媒体10は、記録部2によって裏面に記録される。それから、排紙トレイ3に排出される。
図2は、図1に示すプラテン6を記録ヘッド側から見て模式的に示した平面図である。プラテン6の下方にはファンが配備されており、ファンを駆動することにより、吸引部11を介して空気が吸引され、プラテン6上に記録媒体が密着し、プラテン6に記録媒体が吸着支持されて、画像の記録が行われる。
(インク)
以下、本発明のインクジェット記録方法に用いるインクを構成する各成分やインクの物性などについて詳細に説明する。本発明で用いるインクは、いわゆる「硬化型インク」である必要はない。したがって、本発明で用いるインクは、外部エネルギーの付加により重合しうる重合性モノマーなどの化合物を含有しなくてもよい。
[顔料]
本発明のインクジェット記録方法に用いるインクは、色材として顔料を含有する。顔料としては、無機顔料及び有機顔料を挙げることができる。顔料としては、分散剤として樹脂を用いる樹脂分散タイプの顔料、及び顔料の粒子表面に親水性基を導入した自己分散タイプの顔料(自己分散顔料)などを用いることができる。本発明のインクジェット記録方法では、樹脂分散剤を利用しない分散方式を利用することが好ましく、自己分散顔料を用いることがさらに好ましい。樹脂分散型顔料、マイクロカプセル型顔料、及び樹脂結合型顔料などの樹脂分散タイプの顔料の場合、記録媒体上の顔料層の空隙が少なくなることで記録媒体の通気性が低くなり、記録媒体の汚れに対する効果が得られにくくなる場合がある。一方、自己分散顔料は発色性の向上にも有利である。
顔料の体積平均粒径は、60nm以上300nm以下である。顔料の体積平均粒径が60nm未満であると、その顔料は記録媒体中に沈み込みやすいため、高い発色性が得られない。一方、顔料の体積平均粒径が300nmを超えると、その顔料は大きすぎるため、記録媒体の表面からはがれやすく、両面記録時の汚れを抑制する効果が得られない。顔料の体積平均粒径は、100nm以上200nm以下であることがさらに好ましい。顔料の体積平均粒径が100nm以上であると、顔料の記録媒体への沈み込みが適度に抑えられ、高い発色性が得られやすくなる。一方、顔料の体積平均粒径が200nm以下であれば、両面記録時の記録媒体の汚れを抑制する効果が得られやすくなる。
本明細書において、体積平均粒径は、体積基準の粒度分布における累積50%となる粒子径(D50)を意味する。この体積平均粒径(D50)の測定には、動的光散乱方式の粒度分布測定装置を用いることができる。具体的には、顔料分散液を、ローディングインデックス値が1〜2の範囲になるように純水で希釈する。この試料について、上記測定装置を用いて、SetZero:30s、測定回数:3回、測定時間:180秒、屈折率:1.8(カーボンブラック)又は1.5(有機顔料)の測定条件でD50を測定することができる。勿論、使用する粒度分布測定装置や測定条件などは上記に限られるものではなく、例えば、レーザー回折散乱方式の粒度分布測定装置を用いて、体積平均粒径(D50)を測定することもできる。また、上記では顔料分散液を用いて測定する手法を例に挙げて説明したが、インクから適宜分取した顔料を用いても同様に測定することができる。後記実施例では、動的光散乱方式の粒度分布測定装置(商品名「ナノトラックUPA−EX150」、日機装製)を用いて、上記の測定条件により、顔料の体積平均粒径(D50)を測定した。
樹脂分散タイプの顔料としては、高分子分散剤を使用した樹脂分散型顔料、顔料の粒子の表面を樹脂で被覆したマイクロカプセル型顔料、及び顔料の粒子の表面に高分子を含む有機基が化学的に結合した樹脂結合型顔料などがある。分散方法の異なる顔料を併用することもできる。樹脂としては、(メタ)アクリル酸などのアニオン性基を有するユニットと、芳香環や脂肪族基を有するモノマーなどのアニオン性基を有しないユニットと、少なくとも有する、アクリル樹脂を用いることが好ましい。
自己分散タイプの顔料としては、顔料の粒子表面にアニオン性基が直接又は他の原子団を介して結合したものを挙げることができる。アニオン性基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、及びホスホン酸基などを挙げることができる。アニオン性基のカウンターイオンとしては、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、及び有機アンモニウムなどのカチオンを挙げることができる。また、他の原子団は、顔料の粒子表面とイオン性基とのスペーサの機能を持つものであり、分子量が1,000以下であることが好ましい。他の原子団としては、炭素数1乃至6程度のアルキレン基;フェニレン基、ナフチレン基などのアリーレン基;エステル基;イミノ基;アミド基;スルホニル基;エーテル基などを挙げることができる。また、これらの基を組み合わせた基であってもよい。
インク中の顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがさらに好ましい。なかでも、2.0質量%以上10.0質量%以下であることが特に好ましい。顔料の含有量が2.0質量%以上であると、記録される画像の光学濃度を高めやすい。一方、顔料の含有量が10.0質量%以下であると、良好な吐出安定性が得られやすい。
顔料としてカーボンブラックを使用する場合、カーボンブラックのDBP吸油量は100mL/100g以上160mL/100g以下であることが好ましい。カーボンブラックのDBP吸油量が100mL/100g以上であると、そのカーボンブラックの記録媒体への沈み込みが適度に抑えられ、発色性を高めやすくなる。一方、カーボンブラックのDBP吸油量が160mL/100g以下であると、そのカーボンブラックの表面への水溶性有機溶剤などの液体成分の吸着が適度に抑えられるため、両面記録時の記録媒体の汚れを抑制する効果が得られやすくなる。
[水性媒体]
本発明のインクジェット記録方法に用いるインクは、水性媒体として水を含有する。水としては、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、40.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましく、50.0質量%以上90.0質量%以下であることがさらに好ましい。
インクには、水性媒体として、さらに水溶性有機溶剤を含有させることができる。水溶性有機溶剤としては、インクジェット記録方法に適用されるインクに一般的に用いられているものをいずれも用いることができる。水溶性有機溶剤の具体例としては、炭素数1乃至4のアルキルアルコール類、アミド類、ケトン又はケトアルコール類、エーテル類、ポリアルキレングリコール類、グリコール類、アルキレン基の炭素数が2乃至6のアルキレングリコール類、アルキルエーテルアセテート類、多価アルコールのアルキルエーテル類、含窒素化合物類などを挙げることができる。これらの水溶性有機溶剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましく、5.0質量%以上30.0質量%以下であることがさらに好ましい。
通常「水溶性有機溶剤」とは液体を意味するが、本発明においては、25℃(常温)で固体であるものも、水に溶解してインクを構成する液媒体となるため、便宜上、水溶性有機溶剤に含めることとする。インクに汎用であり、25℃で固体である水溶性有機溶剤の具体例としては、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、エチレン尿素、尿素、数平均分子量1,000のポリエチレングリコールなどを挙げることができる。
[界面活性剤]
インクには、界面活性剤を含有させることができる。界面活性剤は動的表面張力の調整に用いうる。インク中の界面活性剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上3.0質量%以下であることがさらに好ましい。界面活性剤の具体例としては、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーなどの炭化水素系の界面活性剤;パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物などのフッ素系の界面活性剤;ポリエーテル変性シロキサン化合物などのシリコーン系界面活性剤などを挙げることができる。なかでも、炭化水素系の界面活性剤を用いることが好ましい。これらの界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[樹脂]
インクには、樹脂を含有させることができる。樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、及びポリオレフィン樹脂などを挙げることができる。樹脂の溶解性を向上させるために、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基;アンモニア;ジメチルアミン、モノエタノールアミン、及びトリエタノールアミンなどの有機アミンなどの塩基を中和剤として添加してもよい。
インクに樹脂を含有させる場合、インク中の樹脂の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上3.0質量%以下であることがさらに好ましい。インク中の樹脂の含有量が3.0質量%を超えると、インクが記録媒体に吸収されたときに、インク中の樹脂が記録媒体の空隙を埋めることで、吸引時の気体の透過性が低くなり、両面記録時の汚れを抑制する効果が得られ難くなる場合がある。したがって、樹脂の含有量が、インク全質量を基準として、3.0質量%以下であるインクを用いることが好ましい。このインクには、樹脂が含有されていない(樹脂の含有量が0質量%である)インクも含まれる。
[その他の成分]
インクには、上記成分の他に、必要に応じて所望の物性値を有するインクとするために、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、及び還元防止剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。
[インクの物性]
インクの25℃における粘度は、1.0mPa・s以上5.0mPa・s以下であることが好ましく、1.0mPa・s以上3.0mPa・s以下であることがさらに好ましい。インクの25℃における表面張力は、15mN/m以上45mN/m以下であることが好ましい。インクの25℃におけるpHは、5以上9以下であることが好ましい。
インクの寿命時間10ミリ秒における動的表面張力γ10は、50mN/m以上であることを要する。インクの動的表面張力γ10は、65mN/m以下であることが好ましく、60mN/m以下であることがより好ましい。動的表面張力は、水溶性有機溶剤や界面活性剤の種類及び含有量などで調整することができる。インクの動的表面張力γ10は、25℃において、最大泡圧法によって測定される寿命時間10ミリ秒における値である。最大泡圧法は、測定する液体中に浸したプローブ(細管)の先端部分で形成された気泡を放出するために必要な最大圧力を測定し、測定した最大圧力から液体の表面張力を求める方法である。寿命時間は、最大泡圧法において、プローブの先端部分で気泡を形成する際に、気泡が先端部分から離れて新しい気泡の表面が形成された時点から、最大泡圧時(気泡の曲率半径とプローブ先端部分の半径が等しくなる時点)までの時間である。
(記録媒体)
本発明のインクジェット記録方法では、透気抵抗度が30秒以下の記録媒体を用いる。この記録媒体の透気抵抗度は3秒以上30秒以下であることが好ましい。透気抵抗度は、JIS P 8117:2009に規定されるガーレー試験機法にしたがって測定することができる。ガーレー試験機法による透気抵抗度(ガーレー秒数とも称される)をt(秒)、透気度をP(μm/(Pa・s))としたとき、透気度は、P=135.3/tで表される。透気抵抗度が30秒以下の記録媒体の市販品(商品名)の一例としては、以下のようなものを挙げることができる。PB PAPER(キヤノン製)、CS−680(キヤノン製)、BUSINESS MULTIPURPOSE Printer Paper(ゼロックス製)、Bright White Inkjet Paper(ヒューレットパッカード製)など。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<顔料分散液の調製>
(顔料分散液1)
5.5gの水に5gの濃塩酸を溶かした溶液に、5℃に冷却した状態で4−アミノ−1,2−ベンゼンジカルボン酸1.5gを加えた。次に、この溶液の入った容器をアイスバスに入れることで溶液を常に10℃以下に保った状態にし、これに5℃の水9gに亜硝酸ナトリウム1.8gを溶かした溶液を加えた。この溶液をさらに15分間撹拌後、DBP吸油量が128mL/100gであるカーボンブラック(商品名「NIPex160IQ」、オリオンカーボン製)6gを撹拌下で加えた。その後、さらに15分間撹拌し、得られたスラリーをろ紙(商品名「標準用濾紙No.2」、アドバンテック製)でろ過した後、粒子を充分に水洗した。これを110℃のオーブンで乾燥させ、自己分散カーボンブラックを調製した。さらに、得られた自己分散カーボンブラックに水を加えて顔料の含有量が10.0%となるように分散させ、分散液を調製した。上記の方法により、カーボンブラックの粒子表面に−C63−(COONa)2基が導入されてなる自己分散カーボンブラックが水中に分散された状態の顔料分散液を得た。その後、イオン交換法を用いて顔料分散体のナトリウムイオンをカリウムイオンに置換し、これを遠心分離にかけることによって、カーボンブラックの表面に−C63−(COOK)2基を導入した自己分散カーボンブラックが分散された顔料分散液1を得た。顔料分散液1の顔料の体積平均粒径は150nmであった。
(顔料分散液2、3)
顔料分散液1の調製で使用したカーボンブラックを、DBP吸油量が105mL/100gであるカーボンブラック(商品名「BLACK PEARLS880」、Cabot製)に変更した。そのカーボンブラックの使用と、遠心分離条件を調整したこと以外は、顔料分散液1の調製と同様の方法によって、水中に自己分散カーボンブラックが分散された顔料分散液2及び3を得た。顔料分散液2の顔料の体積平均粒径は57nm、顔料分散液3の顔料の体積平均粒径は60nmであった。
(顔料分散液4、5)
顔料分散液1の調製で使用したカーボンブラックを、DBP吸油量が155mL/100gであるカーボンブラック(商品名「TOKABLACK#5500」、東海カーボン製)に変更した。そのカーボンブラックの使用と、遠心分離条件を調整したこと以外は、顔料分散液1の調製と同様の方法によって、顔料分散液4及び5を得た。顔料分散液4の顔料の体積平均粒径は300nm、顔料分散液5の顔料の体積平均粒径は311nmであった。
(顔料分散液6、7)
顔料分散液1の調製で使用したカーボンブラックを、DBP吸油量が150mL/100gであるカーボンブラック(商品名「COLOR BLACK FW1」、オリオン・エンジニアドカーボン製)に変更した。そのカーボンブラックの使用と、遠心分離条件を調整したこと以外は、顔料分散液1の調製と同様の方法によって、顔料分散液6及び7を得た。顔料分散液6の顔料の体積平均粒径は98nm、顔料分散液7の顔料の体積平均粒径は100nmであった。
(顔料分散液8、9)
顔料分散液1の調製で使用したカーボンブラックを、DBP吸油量が122mL/100gであるカーボンブラック(商品名「MONARCH700」、Cabot製)に変更した。そのカーボンブラックの使用と、遠心分離条件を調整したこと以外は、顔料分散液1の調製と同様の方法によって、顔料分散液8及び9を得た。顔料分散液8の顔料の体積平均粒径は200nm、顔料分散液9の顔料の体積平均粒径は205nmであった。
(顔料分散液10)
アクリル系樹脂(商品名「ジョンクリル683」、BASF製)を中和当量1となる水酸化ナトリウムを用いてイオン交換水に溶解させ、樹脂の含有量が20.0%である樹脂分散剤の水溶液を調製した。顔料分散液1にも使用したカーボンブラック10.0部、樹脂分散剤の水溶液25.0部、及び水65.0部の混合物を、サンドグラインダーに入れ、1時間分散処理を行った。その後、遠心分離処理を行って、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過を行い、適量のイオン交換水を加えて、顔料分散液10を得た。顔料分散液10の顔料の含有量は10.0%、樹脂の含有量は5.0%であり、顔料の体積平均粒径は155nmであった。
(顔料分散液11)
カーボンブラック15.0部、分散剤であるポリオキシエチレン(EO数12)ラウリルエーテル硫酸アンモニウム15.0部、エチレングリコール30.0部、純水75.0部、及びpH調整剤であるジエタノールアミン1.0部を十分に混合撹拌した。その後、三本ロールミルにて分散処理を行った。この液に水388.0部を加え、混合撹拌した後、これを遠心分離にかけることによって、顔料分散液11を得た。なお、カーボンブラックには、顔料分散液1の調製で使用したカーボンブラックと同じものを使用した。顔料分散液11の顔料の含有量は10.0%、顔料の体積平均粒径は193nmであった。
(顔料分散液12)
顔料7.0g、((4−アミノベンゾイルアミノ)−メタン−1,1−ジイル)ビスホスホン酸の一ナトリウム塩14.0mmol、硝酸40.0mmol、及び純水200.0mLを混合した。顔料としては、C.I.ピグメントブルー15:3を用いた。そして、シルヴァーソン混合機を用いて、室温にて6,000rpmで混合した。30分後、この混合物に少量の水に溶解させた40.0mmolの亜硝酸ナトリウムをゆっくり添加した。亜硝酸ナトリウムを添加することによって混合物の温度は60℃に達した。この状態で1時間反応させた。その後、水酸化ナトリウム水溶液を用いて混合物のpHを10に調整した。30分後、純水20.0mLを加え、スペクトラムメンブランを用いてダイアフィルトレーションした。イオン交換水を用いて顔料の含有量を調整して、顔料分散液12を得た。顔料分散液12には、カウンターイオンがナトリウムである((4−アミノベンゾイルアミノ)−メタン−1,1−ジイル)ビスホスホン酸基が粒子表面に結合した自己分散顔料が含まれており、顔料の含有量は10.0%であった。顔料分散液12の顔料の体積平均粒径は172nmであった。
(顔料分散液13)
顔料7.0g、((4−アミノベンゾイルアミノ)−メタン−1,1−ジイル)ビスホスホン酸の一ナトリウム塩14.0mmol、硝酸40.0mmol、及び純水200.0mLを混合した。顔料としては、C.I.ピグメントレッド122を用いた。そして、シルヴァーソン混合機を用いて、室温にて6,000rpmで混合した。30分後、この混合物に少量の水に溶解させた40.0mmolの亜硝酸ナトリウムをゆっくり添加した。亜硝酸ナトリウムを添加することによって混合物の温度は60℃に達した。この状態で1時間反応させた。その後、水酸化ナトリウム水溶液を用いて混合物のpHを10に調整した。30分後、純水20.0mLを加え、スペクトラムメンブランを用いてダイアフィルトレーションした。イオン交換水を用いて顔料の含有量を調整して、顔料分散液13を得た。顔料分散液13には、カウンターイオンがナトリウムである((4−アミノベンゾイルアミノ)−メタン−1,1−ジイル)ビスホスホン酸基が粒子表面に結合した自己分散顔料が含まれており、顔料の含有量は10.0%であった。顔料分散液13の顔料の体積平均粒径は167nmであった。
(顔料分散液14)
顔料7.0g、((4−アミノベンゾイルアミノ)−メタン−1,1−ジイル)ビスホスホン酸の一ナトリウム塩7.0mmol、硝酸20.0mmol、及び純水200.0mLを混合した。顔料としては、C.I.ピグメントイエロー74を用いた。そして、シルヴァーソン混合機を用いて、室温にて6,000rpmで混合した。30分後、この混合物に少量の水に溶解させた20.0mmolの亜硝酸ナトリウムをゆっくり添加した。亜硝酸ナトリウムを添加することによって混合物の温度は60℃に達した。この状態で1時間反応させた。その後、水酸化ナトリウム水溶液を用いて混合物のpHを10に調整した。30分後、純水20.0mLを加え、スペクトラムメンブランを用いてダイアフィルトレーションした。イオン交換水を用いて顔料の含有量を調整して、顔料分散液14を得た。顔料分散液14には、カウンターイオンがナトリウムである((4−アミノベンゾイルアミノ)−メタン−1,1−ジイル)ビスホスホン酸基が粒子表面に結合した自己分散顔料が含まれており、顔料の含有量は10.0%であった。顔料分散液14の顔料の体積平均粒径は202nmであった。
(顔料分散液15)
顔料分散液1の調製で使用したカーボンブラックを、DBP吸油量が98mL/100gであるカーボンブラック(商品名「PRINTEX90」、オリオン・エンジニアドカーボン製)に変更した。そのカーボンブラックの使用と、遠心分離条件を調整したこと以外は、顔料分散液1の調製と同様の方法によって、顔料分散液15を得た。顔料分散液15の顔料の体積平均粒径は167nmであった。
(顔料分散液16)
顔料分散液1の調製で使用したカーボンブラックを、DBP吸油量が100mL/100gであるカーボンブラック(商品名「MONARCH1300」、Cabot製)に変更した。そのカーボンブラックの使用と、遠心分離条件を調整したこと以外は、顔料分散液1の調製と同様の方法によって、顔料分散液16を得た。顔料分散液16の顔料の体積平均粒径は181nmであった。
(顔料分散液17)
顔料分散液1の調製で使用したカーボンブラックを、DBP吸油量が160mL/100gであるカーボンブラック(商品名「COLOR BLACK FW200」、オリオン・エンジニアドカーボン製)に変更した。そのカーボンブラックの使用と、遠心分離条件を調整したこと以外は、顔料分散液1の調製と同様の方法によって、顔料分散液17を得た。顔料分散液17の顔料の体積平均粒径は143nmであった。
(顔料分散液18)
顔料分散液1の調製で使用したカーボンブラックを、DBP吸油量が161mL/100gであるカーボンブラック(商品名「TOKABLACK#3845」、東海カーボン製)に変更した。そのカーボンブラックの使用と、遠心分離条件を調整したこと以外は、顔料分散液1の調製と同様の方法によって、顔料分散液18を得た。顔料分散液18の顔料の体積平均粒径は160nmであった。
<インクの調製>
表1−1〜1−3の上段に示す各成分(単位:%)を混合して十分に撹拌した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過を行い、各インクを調製した。各インクについて、前述の最大泡圧法により動的表面張力を測定する装置(商品名「Bubble Pressure Tensiometer BP2」、KRUSS製)を使用して、寿命時間10ミリ秒における動的表面張力γ10を測定した。表1−1〜1−3の下段には、測定した動的表面張力γ10(mN/m)、使用した顔料の体積平均粒子径(nm)、及びインク中の樹脂の含有量(%)を示した。なお、表中に示す、「ジョンクリル683」及び「ジョンクリル690」(いずれも商品名)はいずれも、BASF製のアクリル系樹脂の水溶液(固形分20.0%)である。「スーパーフレックス150」(商品名)は、第一工業製薬製のウレタン樹脂の水分散体(固形分30.0%)である。「NIKKOL BC−20」(商品名)は、界面活性剤であり、日光ケミカルズ製のポリオキシエチレンセチルエーテルである。「アセチレノールE100」(商品名)は、界面活性剤であり、川研ファインケミカル製のアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物である。「ProxelGXL(S)」(商品名)は、アビシア製の防腐剤である。
Figure 2019084684
Figure 2019084684
Figure 2019084684
<画像の記録>
上記で得られた各インクを用いて各評価に用いる画像を記録した。画像の記録には、図1及び図2を用いて説明した、吸引部から吸引することにより記録媒体を吸着支持するプラテンと、プラテンと対向して配置された記録ヘッドと、記録媒体の両面を記録するための反転機構を備えたインクジェット記録装置を用いた。この装置に、各例で使用するインクを充填したインクカートリッジを装着し、記録媒体に画像を記録した。記録媒体としては、A4サイズのPPC用紙(商品名「PB PAPER」、キヤノン製、透気抵抗度:16秒)を用いた。本実施例では、1/600インチ×1/600インチを1ピクセルと定義し、インクの記録媒体への付与量が1ピクセルあたり18ngのインクを付与する条件で記録した画像を記録デューティ100%であると定義する。
<評価>
表2に、各例における評価条件として、使用したインクの番号及びカラー、並びに使用したインクジェット記録装置におけるプラテンに設けられた吸引部(吸引孔)からの空気の吸引の有無を示した。
(発色性)
表2に示す条件にて、記録媒体の片面に記録デューティが10%〜100%であるパッチ(縦2cm×横2cm)を、10%刻みで記録した。得られた記録物について、光学濃度を測定し、以下に示す評価基準にしたがって画像の発色性を評価した。光学濃度の測定には、蛍光分光濃度計(商品名「FD−7」、コニカミノルタ製)を用い、光源D50、視野角2度、入射角45度、反射角0度、フィルターANSI Aの条件下で、各光学濃度を測定した。本実施例においては、以下に示す評価基準で、「A」及び「B」を許容できるレベルとし、「C」を許容できないレベルとした。
[ブラックインク]
A:光学濃度の最大値が1.50以上であった。
B:光学濃度の最大値が1.45以上1.50未満であった。
C:光学濃度の最大値が1.45未満であった。
[カラーインク]
A:光学濃度の最大値が1.00以上であった。
C:光学濃度の最大値が1.00未満であった。
(両面記録時の紙汚れ)
表2に示す条件にて、記録媒体の両面に記録デューティが100%であるベタ画像(縦20cm×横15cm)を30枚連続で記録し、記録物を得た。得られた記録物の10枚目、及び30枚目の両面を目視で観察して、以下に示す評価基準にしたがって、両面記録時の紙汚れの評価を行った。本実施例においては、以下に示す評価基準で、「A」及び「B」を許容できるレベルとし、「C」を許容できないレベルとした。
A:10枚目、30枚目とも、汚れが観察されなかった。
B:10枚目には汚れが観察されたが、30枚目には汚れが観察されなかった。
C:10枚目、30枚目とも、汚れが観察された。
Figure 2019084684

Claims (7)

  1. 吸引部から吸引することにより記録媒体を吸着支持するプラテンと、前記プラテンと対向して配置された記録ヘッドと、前記記録媒体の両面を記録するための前記記録媒体の反転機構とを備えたインクジェット記録装置を使用して、前記記録ヘッドからインクを吐出して、ガーレー試験機法による透気抵抗度が30秒以下の記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記インクが、体積平均粒径が60nm以上300nm以下である顔料を含有するとともに、寿命時間10ミリ秒における動的表面張力γ10が50mN/m以上の水性インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記顔料の体積平均粒径が、100nm以上200nm以下である請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記顔料が、自己分散顔料である請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記インク中の樹脂の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、3.0質量%以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記顔料が、カーボンブラックである請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記カーボンブラックのDBP吸油量が、100mL/100g以上160mL/100g以下である請求項5に記載のインクジェット記録方法。
  7. 吸引部から吸引することにより記録媒体を吸着支持するプラテンと、前記プラテンと対向して配置された記録ヘッドと、前記記録媒体の両面を記録するための前記記録媒体の反転機構とを備え、前記記録ヘッドからインクを吐出して、ガーレー試験機法による透気抵抗度が30秒以下の記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置であって、
    前記インクが、体積平均粒径が60nm以上300nm以下である顔料を含有するとともに、寿命時間10ミリ秒における動的表面張力γ10が50mN/m以上の水性インクであることを特徴とするインクジェット記録装置。
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