JP2015214674A - インクジェット記録用インク、インク収容容器、インクジェット記録装置、記録物 - Google Patents

インクジェット記録用インク、インク収容容器、インクジェット記録装置、記録物 Download PDF

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成之 原田
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誠之 福岡
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Abstract

【課題】普通紙に対しても高い画像濃度が得られ、画像の裏抜けが低減され、更に顔料の分散安定性が良好なインクジェット記録用インクの提供。【解決手段】水、水溶性溶剤、顔料、一般式(1)で表されるホスホン酸基を有する構造単位とポリエチレングリコール及び/又はポリプロピレングリコール基を有する共重合体を含有するインクジェット記録用インク。<一般式(1)>(R1はH又はメチル基;MはH、アルカリ金属又は有機アンモニウム)【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用インク、これを用いたインク収容容器、インクジェット記録装置、及び記録物に関する。
近年、画像形成方法として、他の記録方式に比べてプロセスが簡単でかつフルカラー化が容易であり、簡略な構成の装置でも高解像度の画像が得られることから、インクジェット記録方式が普及してきた。インクジェット記録方式は、インクジェット記録装置により少量のインクを飛翔させ、紙などの記録媒体に付着させて画像を形成する方式であり、パーソナル及び産業用のプリンタや印刷まで用途が拡大してきている。
インクとしては、水溶性染料を着色剤とする水系インクが主に用いられているが、染料インクは耐候性及び耐水性に劣るという欠点がある。このため、近年、水溶性染料に代えて顔料を使用する顔料インクの研究が進められている。しかし、顔料インクは、染料インクに比べて発色性やインクの吐出安定性、保存安定性が劣る。また、OA用プリンタの高画質化技術の向上に伴い、普通紙に対して顔料インクを用いた場合でも染料インクと同等の画像濃度が要求されている。しかし、記録媒体として普通紙を使用する場合、顔料インクは紙中へ浸透するため紙表面の顔料濃度が低くなり、画像濃度が低くなるという問題がある。更に、高速印字化対策として記録媒体に付着したインクの乾燥速度を早めるため、インクに浸透剤を添加して水を記録媒体中に浸透させることにより乾燥を早める手段がとられるが、この際、水だけでなく顔料の記録媒体への浸透性も高くなってしまい、一層画像濃度が低下してしまうという現象が起こる。
画像濃度の向上については、様々な手法が提案されている。
例えば、特許文献1には、液体ビフィクル、着色剤、及び特定のカルシウム指数値を有する少なくとも1つの官能基を有するポリマーを含有するインクジェットインク組成物が提案されている。この提案では、前記ポリマーを構成するモノマーとして4−メタクリルアミド−1−ヒドロキシブタン−1,1−ジホスホン酸が示されており、着色剤が紙と接触した際に、ポリマーのジホスホン酸基と紙の中のCa塩とで不安定にさせ、印刷画像濃度を向上させることができるとしている。
また、特許文献2には、水溶性の多価金属塩を含有する紙への記録に用いられるインクが開示されている。このインクは、(a)顔料と、(b)界面活性能を持たず、分子量が150以上10000以下であり、かつ、その分子構造中におけるリン酸を基本骨格とする官能基とホスホン酸を基本骨格とする官能基由来のリンの含有率((P量/分子量)×100)が1.4以上であるリン酸を基本骨格とする官能基及びホスホン酸を基本骨格とする官能基から選択される官能基を有する化合物を少なくとも1種含有してなり、(b)化合物の含有量が、インク全質量を基準として1.5質量%以上10.0質量%以下であることを特徴としている。
また、特許文献3では、自己分散型顔料インクに特定濃度範囲の塩を添加すると、自己分散型顔料の官能基と電解質(塩)との相互作用により、間欠吐出安定性や印刷物の画像濃度及び均一性を向上させることができるとしている。
特許文献1では、ポリマーを顔料分散体の分散剤、及び添加剤として使用するのではなく、着色剤に被覆させており、前記ポリマーの官能基は、ジホスホン酸基と水酸基が隣接しているため、ジホスホン酸基と水酸基の水素結合が生じやすいためか、インクの分散安定性が低いという問題がある。また、ポリマーを構成するモノマーとして4−メタクリルアミド−1−ヒドロキシブタン−1,1−ジホスホン酸が例示されているが、本発明で用いる一般式(3)のモノマーの例示はなく、一般式(3)と一般式(4)を使用した共重合体の例示もなく、顔料の分散安定性向上に対する効果も記載されていない。
一方、特許文献2には、共重合体用のモノマーとして、本発明における一般式(3)を使用した共重合体の例示はなく、水溶性の多価金属塩の含有率が低い普通紙における画像濃度向上効果、裏抜け低減効果及び顔料の分散安定性向上に対する効果は記載されていない。
また、特許文献3では、インクに塩を加えて分散体の分散状態を不安定化させているため、インクの保存性が低下していると推測される。
そこで、本発明は、従来技術の諸問題を解決し、普通紙に対しても高い画像濃度が得られ、画像の裏抜けが低減され、更に、顔料分散体及びインク中での顔料の分散安定性が良好で保存安定性にも優れたインクジェット記録用インクの提供を目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、ホスホン酸基及び特定の構造単位を有する共重合体をインクジェット記録用インク(以下、インクということもある)の組成分として用いることにより、インクが普通紙の紙面上で凝集し、紙表面上に顔料が留まることにより、普通紙に対しても高い画像濃度を得ることができ、画像の裏抜けが低減され、更に顔料分散体及びインク中での顔料の分散が安定となることを見出し、本発明に至った。
即ち、上記課題は、次の1)の発明によって解決される。
1) 少なくとも水、水溶性溶剤、顔料、及びホスホン酸基を有する共重合体を含有するインクジェット記録用インクにおいて、前記ホスホン酸基を有する共重合体が、少なくとも、下記一般式(1)で表される構造単位と、下記一般式(2)で表される構造単位を有することを特徴とするインクジェット記録用インク。
<一般式(1)>
Figure 2015214674
上記式中、R1は、水素原子又はメチル基を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属又は有機アンモニウムを表す。

<一般式(2)>
Figure 2015214674
上記式中、R2は、水素原子又はメチル基を表し、R3は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、n、mは0〜30の整数を表す。ただし、n+mは2〜30である。
本発明によれば、普通紙に対しても高い画像濃度が得られ、画像の裏抜けが低減され、更に、顔料分散体及びインク中での顔料の分散安定性が良好で保存安定性にも優れたインクジェット記録用インクを提供することができる。
本発明のインク収容容器の一例を説明するための概略平面図。 図1に示す本発明のインク収容容器のケース(外装)を含めた概略平面図。 本発明のシリアル型インクジェット記録装置の一例を示す斜視図。 図3に示すインクジェット記録装置における一部拡大断面図。 図3に示すインクジェット記録装置における他の一部拡大断面図。
以下、上記本発明1)について詳しく説明するが、本発明の実施の形態には次の2)〜18)も含まれるので、これらについても併せて説明する。
2) 前記ホスホン酸基を有する共重合体が、少なくとも、下記一般式(3)で表されるモノマーと、下記一般式(4)で表されるモノマーを出発物質として合成されたものであることを特徴とする1)に記載のインクジェット記録用インク。
<一般式(3)>
Figure 2015214674
上記式中、R4は、水素原子又はメチル基を表す。

<一般式(4)>
Figure 2015214674
上記式中、R5は、水素原子又はメチル基を表し、R6は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、n、mは0〜30の整数を表す。ただし、n+mは2〜30である。
3) 前記ホスホン酸基を有する共重合体が更に下記一般式(5)〜(7)及び構造式(8)〜(9)のいずれかで表される構造単位を有することを特徴とする1)又は2)に記載のインクジェット記録用インク。

<一般式(5)>
Figure 2015214674
上記式中、R4′は水素原子又はメチル基を表す。

<一般式(6)>
Figure 2015214674
上記式中、R5′は水素原子又はメチル基を表す。

<一般式(7)>
Figure 2015214674
上記式中、R6′は水素原子又はメチル基を表す。

<構造式(8)>
Figure 2015214674
<構造式(9)>
Figure 2015214674
4) 前記一般式(1)で表される構造単位が、下記一般式(10)で表されるものであることを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
<一般式(10)>
Figure 2015214674
上記式中、Mは、水素原子、アルカリ金属又は有機アンモニウムを表す。

5) 前記一般式(2)で表される構造単位が、n=9、m=0のものであることを特徴とする1)〜4)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
6) 前記一般式(6)又は(7)で表される構造単位が、下記構造式(11)又は(12)で表されるものであることを特徴とする1)〜5)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
<構造式(11)>
Figure 2015214674
<構造式(12)>
Figure 2015214674
7) 前記ホスホン酸基を有する共重合体が、前記一般式(3)で表されるモノマーと、前記一般式(4)で表されるモノマーと、下記一般式(13)〜(15)及び構造式(16)〜(17)のいずれかで表されるモノマーとを少なくとも出発物質として合成されたものであることを特徴とする1)〜6)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
<一般式(13)>
Figure 2015214674
上記式中、R4′は水素原子又はメチル基を表す。

<一般式(14)>
Figure 2015214674
上記式中、R5′は水素原子又はメチル基を表す。

<一般式(15)>
Figure 2015214674
上記式中、R6′は水素原子又はメチル基を表す。

<構造式(16)>
Figure 2015214674
<構造式(17)>
Figure 2015214674
8) 前記共重合体における一般式(1)で表される構造単位の含有率が、10〜60質量%であることを特徴とする1)〜7)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
9) 前記共重合体の10質量%水溶液又は10質量%水分散液の25℃における粘度が、1.5〜30.0mPa・sであることを特徴とする1)〜8)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
10) 前記共重合体の重量平均分子量が2000〜50000であることを特徴とする1)〜9)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
11) 前記共重合体が、顔料分散体の顔料の分散剤として含有されていることを特徴とする1)〜10)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
12) 前記顔料分散体の顔料100質量部に対して、前記共重合体が10〜100質量部含まれていることを特徴とする11)に記載のインクジェット記録用インク。
13) 前記一般式(1)のMが水素原子、カリウム原子又はナトリウム原子であることを特徴とする1)〜12)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
14) 前記一般式(1)のMの総数に対する水素原子の割合が30%以下であることを特徴とする1)〜13)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
15) 前記水溶性溶剤として、少なくともグリセリンを含むことを特徴とする1)〜14)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
16) インク収容部に1)〜15)のいずれかに記載のインクが収容されていることを特徴とするインク収容容器。
17) 1)〜15)のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを記録ヘッドから飛翔させて記録媒体に画像を記録するインク飛翔手段を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
18) 1)〜15)のいずれかに記載のインクを用いて記録媒体に情報又は画像が記録されていることを特徴とする記録物。
前記一般式(1)のホスホン酸基は親水性を示すが、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオンといった多価金属イオンと反応し、疎水化する特徴を持つ。そのため、ホスホン酸基を有する共重合体を顔料分散剤として用いたインクを、水溶性の多価金属塩を含む記録媒体に対して使用すると、顔料に吸着した顔料分散剤が記録媒体から溶出してくる多価金属イオンと反応して疎水化するため顔料の凝集が起こる。その結果、顔料の紙中への浸透が抑制されて高い画像濃度を得ることができ、更に画像が紙面の裏側から透けて見える裏抜けを低減することができる。
しかし、水溶性の多価金属塩をほとんど含まないPPC普通紙の場合には、記録媒体から溶出してくる多価金属イオンの量が少なく、顔料の凝集による画像濃度向上の効果及び裏抜け低減効果は不十分であった。
上記の問題を解決する方法として、親水性の官能基であるホスホン酸基を有する共重合体を使用する方法や、顔料分散剤の疎水性構造単位の割合を増やし分散剤と顔料の吸着を強める方法が考えられる。しかし、共重合体にホスホン酸基を導入するとホスホン酸基同士の相互作用が強くなるためか、顔料の分散性低下や、顔料分散体と水溶性溶剤の混合時に増粘が生じてしまうことが判明した。また、疎水性構造単位の比率を増やすと、顔料分散体及びインクにおける顔料の分散安定性が低下し、増粘することが判明した。
そこで、更に検討した結果、一般式(1)で表される構造単位と一般式(2)で表される構造単位を組み合わせれば上記の問題を解決でき、水溶性多価金属塩の含有率が低いか又は難溶性の金属塩しか含まない普通紙においても、高い画像濃度が得られることが判明した。更に、顔料分散体及びインクにおける顔料の分散安定性を確保できることも判明した。
また、前記一般式(1)で表される構造単位に、前記一般式(2)で表される構造単位と、前記一般式(5)〜(7)及び構造式(8)〜(9)のいずれかで表される構造単位を組み合わせれば保存安定性にも優れたインクが得られることも判明した。
一般式(1)、一般式(2)、一般式(5)〜(7)及び構造式(8)〜(9)で表される各構造単位の効果は、次の〔1〕〜〔3〕のとおりである。
〔1〕一般式(1)で表される構造単位の導入により、共重合体の金属イオンに対する反応性が高くなり、共重合体を含むインクが紙に着弾した際に、顔料が凝集しやすくなった。その結果、非常に高い画像濃度が得られ、かつ裏抜けが低減した。
〔2〕一般式(2)で表される構造単位は、水溶性溶剤に対する親和性が高く、共重合体を使用した顔料分散体と水溶性溶剤を混合してインク化した時の粘度の上昇が抑えられ、吐出に有利な低粘度のインクを得ることができる。
〔3〕一般式(5)〜(7)及び構造式(8)〜(9)のいずれかで表される構造単位の導入により、共重合体の顔料への吸着力が向上し、分散剤として用いた時の顔料の分散安定性が向上した。更に、共重合体が金属イオンと反応した際に、顔料が凝集し易くなり、その結果、画像濃度が向上した。
<共重合体>
本発明で用いる共重合体は、前記一般式(1)で表される構造単位、前記一般式(2)で表される構造単位、及び前記一般式(5)〜(7)及び構造式(8)〜(9)のいずれかで表される構造単位を含み、更に必要に応じてその他の構造単位を含む。
前記一般式(1)中のMのアルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、などが挙げられる。また、有機アンモニウムとしては、例えば、モノ、ジ或いはトリメチルアミン、モノ、ジ或いはトリエチルアミン等のアルキルアミン類;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール(AEPD)等のアルコールアミン類;コリン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等の環状アミン、などが挙げられる。
特に画像濃度と保存安定性の両方の面からナトリウム又はカリウムが望ましい。
前記共重合体を構成する一般式(1)のMの総数に対する水素原子の割合は30%以下であることが好ましい。前記割合が30%以下であると、共重合体とカルシウムイオン又は他の多価金属イオンとの反応性が向上し、画像濃度向上の効果が期待できる。
前記一般式(1)で表される構造単位としては、前記一般式(10)で表される構造単位が好ましい。
また、前記一般式(2)で表される構造単位としては、n=9、m=0のものが好ましい。
また、前記一般式(6)又は一般式(7)で表される構造単位としては、前記構造式(11)又は(12)で表される構造単位が好ましい。
前記共重合体は、前記一般式(1)、一般式(2)、一般式(5)〜(7)及び構造式(8)〜(9)のいずれかで表される構造単位以外にも、その他の重合性モノマー由来の構造単位を含むことができる。
前記その他の重合性モノマーとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば重合性の疎水性モノマー、重合性の親水性モノマーなどが挙げられる。
前記重合性の疎水性モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−クロロメチルスチレン等の芳香族環を有する不飽和エチレンモノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、(メタ)アクリル酸ラウリル(C12)、(メタ)アクリル酸トリデシル(C13)、(メタ)アクリル酸テトラデシル(C14)、(メタ)アクリル酸ペンタデシル(C15)、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル(C16)、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル(C17)、(メタ)アクリル酸ノナデシル(C19)、(メタ)アクリル酸エイコシル(C20)、(メタ)アクリル酸ヘンイコシル(C21)、(メタ)アクリル酸ドコシル(C22)等の(メタ)アクリル酸アルキル;1−ヘプテン、3,3−ジメチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、5−メチル−1−ヘキセン、1−オクテン、3,3−ジメチル−1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、1−ノネン、3,5,5−トリメチル−1−ヘキセン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、1−ドコセン等のアルキル基を持つ不飽和エチレンモノマー、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合性の親水性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸又はその塩、マレイン酸又はその塩、マレイン酸モノメチル、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、フマル酸、4−スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のアニオン性不飽和エチレンモノマー;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−t−オクチルアクリルアミド等の非イオン性不飽和エチレンモノマー、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(4)のモノマーの例としては、下記(式4−1)〜(式4−7)のモノマーが挙げられる。
(式4−1):メトキシポリエチレングリコールアクリレート(MPEGA)
(式4−2):メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(MPEGMA9)
(式4−3):エトキシジエチレングリコールアクリレート(EDEGA)
(式4−4):ブトキシジエチレングリコールメタクリレート(BDEGMA)
(式4−5):メトキシトリエチレングリコールアクリレート(MTEGA)
(式4−6):メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(MPEGMA30)
(式4−7):メトキシジプロピレングリコールアクリレート(MDPGMA)
Figure 2015214674
前記一般式(1)で表される構造単位の比率は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記共重合体全体の10〜60質量%が好ましく、20〜40質量%が更に好ましい。10〜60質量%であれば、インクに用いた場合に高い画像濃度が得られ、分散安定性と保存安定性が良好となる点で有利である。
また、前記一般式(2)で表される構造単位の比率は、共重合体全体の10〜35質量%が好ましい。10質量%以上であれば、分散体及びインクの粘度が低くなり、35質量%以下であれば、画像濃度向上の効果が明確に表れる。
また、前記一般式(5)〜(7)及び構造式(8)〜(9)のいずれかで表される構造単位の比率は、共重合体全体の20〜70質量%が好ましい。この範囲であれば、インクに用いた場合に高い画像濃度が得られ、分散安定性と保存安定性が良好となる点で有利である。
前記共重合体は各種分野に幅広く用いることができるが、インクにおける顔料分散剤、顔料濃度向上剤、顔料用結着樹脂、粘度調整剤などとして好適である。
<共重合体の製造方法>
前記共重合体は、少なくとも前記一般式(3)、一般式(4)で表されるモノマー、或いは、これらと前記一般式(13)〜(15)及び構造式(16)〜(17)のいずれかで表されるモノマー、更に必要に応じて前記その他の重合性モノマーを共重合させた後、得られた共重合体をアルカリ金属塩基又は有機アミン塩基で中和処理する工程を含む製造方法により得ることができる。より具体的には、攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコ内に、溶媒及び前記各モノマーを入れ、窒素ガス還流下、重合開始剤を用いて、50℃〜150℃で共重合させた後、中和処理すればよい。
なお、共重合後に中和処理する代わりに、前記一般式(3)で表されるモノマーを予めアルカリ金属塩基又は有機アミン塩基で中和処理し、下記一般式(18)で表されるモノマーとした後、共重合させてもよい。
<一般式(18)>
Figure 2015214674
上記式中、R7は、水素原子又はメチル基を表す。Mは、水素原子、アルカリ金属又は有機アンモニウムを表す。
前記一般式(3)で表される化合物としては、例えば、R4がメチル基である下記構造式(I)で表される1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、R4が水素原子である下記構造式(II)で表される1−アクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸が挙げられる。これらの化合物は、例えば、特開昭58−222095号公報に記載の方法で合成することができる。
<構造式(I)>(MEDP)
Figure 2015214674
<構造式(II)>(AEDP)
Figure 2015214674
前記一般式(13)で表される化合物としては、例えば、R4′がメチル基の下記構造式(19)で表されるメタクリル酸オレイル、R4′が水素原子の下記構造式(20)で表されるアクリル酸オレイルが挙げられる。
<構造式(19)>
Figure 2015214674
<構造式(20)>
Figure 2015214674
前記一般式(14)で表される化合物としては、例えば、R5′がメチル基の下記構造式(21)で表されるステアリルメタクリレート、R5′が水素原子の下記構造式(22)で表されるステアリルアクリレートが挙げられる。
<構造式(21)>
Figure 2015214674
<構造式(22)>
Figure 2015214674
前記一般式(15)で表される化合物としては、例えば、R6′がメチル基の下記構造式(23)で表されるベンジルメタクリレート、R6′が水素原子の下記構造式(24)で表されるベンジルアクリレートが挙げられる。
<構造式(23)>
Figure 2015214674
<構造式(24)>
Figure 2015214674
前記共重合体の合成方法としては、重合操作及び分子量の調整が容易なことから、ラジカル重合開始剤を用いる方法が好ましく、有機溶剤中で重合させる溶液重合法が更に好ましい。
前記ラジカル重合開始剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、シアノ系のアゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビス(2,2′−イソバレロニトリル)、非シアノ系のジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレートなどが挙げられる。これらの中でも、分子量が制御しやすく、分解温度が低い点から、有機過酸化物、アゾ系化合物が好ましく、アゾ系化合物が特に好ましい。
前記重合開始剤の含有量は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、重合性モノマーの総質量に対して、1〜10質量%が好ましい。
溶液重合法でラジカル重合を行う際の溶剤には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;イソプロパノール、エタノール、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミドなどが挙げられる。これらの中でも、ケトン系溶剤、酢酸エステル系溶剤、アルコール系溶剤が好ましい。
前記共重合体の分子量を調整するために、連鎖移動剤を適量添加してもよい。
前記連鎖移動剤としては、例えば、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、2−プロパンチオール、2−メルカプトエタノール、チオフェノール、ドデシルメルカプタン、1−ドデカンチオール、チオグリセロール、などが挙げられる。
重合温度は特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜150℃が好ましく、50℃〜100℃がより好ましい。重合時間は特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、3〜48時間が好ましい。
得られた共重合体は中和処理するが、前述したように、予め中和処理した前記一般式(18)で表されるモノマーを用いて共重合させてもよい。更に、インクの製造工程において顔料と共重合体を混合した状態で中和処理することも可能である。
中和処理により、共重合体のホスホン酸基の一部又は全部を中和する。
なお、本発明でいう中和処理後の共重合体におけるホスホン酸基の中和率は、下記の方法により求めた値であり、共重合体中のプロトンが実際に金属イオンや有機アンモニウムイオンで置換されている割合とは異なる。
一般式(18)で表されるモノマーを「モノマー1」として、
中和率X(%)=(添加した塩基のモル数×塩基の陽イオンの価数)
÷(共重合体に含有するモノマー1のモル数×4)×100
添加した塩基のモル数=塩基の添加量Yg÷塩基の分子量
共重合体に含有するモノマー1のモル数
=モノマー1の仕込み量Zg÷モノマー1の分子量
したがって、中和率X%を得るために必要な塩基の量は、次式のようになる。
塩基の添加量Yg=中和率X(%)×(モノマー1の仕込み量Zg×4)
×塩基の分子量÷(塩基の陽イオン価数×100×モノマー1の分子量)
共重合体の10質量%水溶液又は10質量%水分散液の25℃における粘度は、1.5〜30.0mPa・sであることが好ましい。1.5mPa・s以上であると、紙から溶出してくる金属イオンと顔料分散剤の反応性がより向上し、画像濃度向上の効果が顕著となる。また、30.0mPa・s以下であると、顔料の分散安定性がより向上し、顔料分散体の保存安定性もより向上する。
共重合体の重量平均分子量は、2000〜50000であることが好ましい。2000以上であれば、紙から溶出してくる金属イオンと顔料分散剤の反応性がより向上し、画像濃度向上効果が顕著となる。また、50000以下であれば、顔料の分散安定性がより向上し、顔料分散体の保存安定性もより向上する。
前記共重合体の重量平均分子量は、重合温度や重合開始剤量及び反応時のモノマー濃度により、ある程度制御が可能である。前記重合温度については、高温かつ短時間で重合すると低分子量の共重合体を得やすく、低温で長時間かけて重合すると高分子量の共重合体を得やすい傾向にある。
≪インクジェット記録用インク≫
本発明のインクは、前記共重合体の他に、水、水溶性有機溶剤及び顔料を含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記共重合体のインク中の含有量は、0.5〜10.0質量%が好ましく、1.0〜5.0質量%がより好ましい。0.5質量%から画像濃度向上の効果が明確に表れ、10.0質量%以下にすることにより、インクをヘッドから吐出するのに適した粘度の範囲に抑えることが可能となる。
前記共重合体は添加剤として使用してもよいが、顔料分散体の顔料の分散剤として使用すれば、更に高い画像濃度や裏抜け低減の効果が得られる。顔料の分散剤として使用する場合には、前記一般式(1)、一般式(2)、一般式(5)〜(7)及び構造式(8)〜(9)で表される構造単位以外に、親水性のその他の重合性モノマー由来の構造単位を含むことができる。前記親水性の重合性モノマーとしては、前述したものを用いることができる。
前記共重合体を顔料の分散剤として使用する場合の含有量は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、顔料100質量部に対して、10〜100質量部が好ましい。含有量がこの範囲であれば高い画像濃度が得られる。また、共重合体の分散剤としての効果を損なわない範囲で、後述する分散剤を併用してもよい。
本発明のインクは、紙から溶出してくるCaイオン量が、1.0×10−4〜5.0×10−4[g/g]の紙に対して使用するのが好ましい。Caイオン量が1.0×10−4[g/g]以上であると、顔料分散剤との反応凝集による画像濃度向上の効果が向上するし、紙へのインクの浸透が阻害されないのでインクの乾燥性が向上し、耐擦過性及び耐マーカー性も向上する。
上記紙から溶出してくるCaイオン量は、次の方法により算出したものである。
即ち、紙を2.5cm(±0.5cm)×3.5cm(±0.5cm)四方の紙片に裁断し、高純水を用いて0.8μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック社製)でろ過して紙粉等の異物を除去する。次いで、前記紙片を高純水に浸漬し、浸漬液に含まれるCaイオンをICP発光分光分析装置によって定量する。ここで得られたCaイオン濃度[ppm]に、高純水の重量である200gを掛け、更に浸漬させた紙の重量である16gで除して、紙から溶出してくるCaイオン量[g/g]を算出する。
例えば、MyPaper(リコー社製)のCaイオン量は4.3×10−4[g/g]であり、Xerox4024(富士ゼロックス社製)のCaイオン量は1.7×10−4[g/g]である。
<水>
本発明で使用される水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、及び超純水が挙げられる。
水の含有量は、インク全体の20〜60質量%が好ましい。
<水溶性溶剤>
水溶性溶剤は保湿効果の付与によるインクの吐出安定化の向上のために使用する。含有量は、インク全体の10〜50質量%が好ましい。含有量が10質量%以上であると、インクの水分が蒸発しにくくなり、インクジェット記録装置内のインク供給系でのインクの水分蒸発が抑制され、インク詰まり等が起きにくくなる。また、含有量が50質量%以下であると、顔料や樹脂等の固形分を多く含んでいても、インク粘度が低く抑えられ、高い画像濃度を得ることができる。
前記水溶性溶剤の例としては次のようなものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物;プロピレンカーボネイト、炭酸エチレン等。
これらの水溶性溶剤は、単独で又は2種類以上を混合して使用することができる。
上記の中でも、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、トリエチレングリコール及び/又はグリセリンを含むと、水分蒸発による吐出不良を防止する上で優れた効果が得られる。特にグリセリンが好ましい。
本発明で用いられる水溶性溶剤には浸透剤も含まれる。前記浸透剤としては、炭素数8〜11のポリオール化合物及び炭素数8〜11のグリコールエーテル化合物のいずれかを含有することが好ましい。
前記浸透剤は「非湿潤剤性である媒質」ということができる。これら非湿潤剤性である浸透剤は、25℃の水中において0.2〜5.0質量%の間の溶解度を有するものが好ましい。これらの中でも、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール[溶解度:4.2質量%(25℃)]、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール[溶解度:2.0質量%(25℃)]が特に好ましい。
その他のポリオール化合物としては、例えば、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオールなどの脂肪族ジオールが挙げられる。
その他の併用できる浸透剤としては、インク中に溶解し、所望の物性に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、エタノール等の低級アルコール類、などが挙げられる。
前記浸透剤のインク中の含有量は、0.1〜4.0質量%が好ましい。含有量が0.1質量%以上であると、速乾性が得られ、滲んだ画像となるようなこともない。また4.0質量%以下であると、顔料の分散安定性が損なわれたり、ノズルが目詰まりしやすくなったりすることはなく、記録媒体(記録用メディア)への浸透性が必要以上に高くなったり、画像濃度の低下や裏抜けが発生したりすることもない。
<顔料>
本発明で用いられる顔料のインク中の含有量は、0.1〜20.0質量%が好ましい。また、顔料の体積平均粒子径(D50)は、150nm以下が好ましい。前記顔料の体積平均粒子径(D50)は、23℃、55%RHの環境下で、日機装社製マイクロトラックUPAを用いて動的光散乱法で測定したものである。
顔料としては特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、無機顔料、有機顔料のいずれでもよい。これらは1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉、カーボンブラックなどが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが好ましい。なお、前記カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、アゾメチン顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料がより好ましい。
前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などが挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、ローダミンBレーキ顔料などが挙げられる。前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなどが挙げられる。
黒色用のものとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)の金属類、酸化チタン等の金属酸化物類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料などが挙げられる。
前記カーボンブラックとしては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、一次粒径が、15〜40nm、BET法による比表面積が、50〜300m/g、DBP吸油量が40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜9を有するものが好ましい。
前記カーボンブラックの市販品としては、例えば、No.2300、No.900、MCF−88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B(いずれも、三菱化学社製);Raven700、同5750、同5250、同5000、同3500、同1255(いずれも、コロンビア社製);Regal400R、同330R、同660R、Mogul L、Monarch700、同800、同880、同900、同1000、同1100、同1300、Monarch1400(いずれも、キャボット社製);カラーブラックFW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、同S150、同S160、同S170、プリンテックス35、同U、同V、同140U、同140V、スペシャルブラック6、同5、同4A、同4(いずれも、デグッサ社製)などが挙げられる。
前記カラー用のものでイエローインクに使用できる顔料としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー2、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー75、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー180、などが挙げられる。
前記カラー用のものでマゼンタインクに使用できる顔料としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド48(Ca)、C.I.ピグメントレッド48(Mn)、C.I.ピグメントレッド57(Ca)、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202、ピグメントバイオレット19、などが挙げられる。
前記カラー用のものでシアンインクに使用できる顔料としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー3、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:34、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー63、C.I.ピグメントブルー66;C.I.バットブルー4、C.I.バットブルー60、などが挙げられる。
また、本発明で使用する顔料は、本発明のために新たに製造されたものでもよい。
なお、イエロー顔料として、ピグメントイエロー74、マゼンタ顔料として、ピグメントレッド122、ピグメントバイオレッド19、シアン顔料として、ピグメントブルー15:3を用いると、色調、耐光性が優れ、バランスの取れたインクを得ることができる。
更に本発明では、分散剤等の界面活性剤を使用したり、樹脂で被覆したグラフト処理やカプセル化処理した顔料を使用することも可能であるが、前記共重合体を分散剤に使用することがより好ましい。また、効果を損なわない範囲で上述した顔料を併用してもよい。
<その他の成分>
本発明のインクに用いられるその他の成分には特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができるが、例えば分散剤、pH調整剤、水分散性樹脂、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤などが挙げられる。
(分散剤)
前記分散剤としては本発明のホスホン酸基を有する共重合体が好ましいが、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等の種々の界面活性剤や高分子型の分散剤も挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン塩酸、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、2−ビニルピリジン誘導体、ポリ−4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアリルアルキルエーテル等のエーテル系界面活性剤;
ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系界面活性剤;
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクタン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール系界面活性剤等。
(pH調整剤)
前記pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずにpHを8.5〜11(好ましくは9〜11)に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、アルコールアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。前記pHが8.5未満又は11を超えると、インクジェットのヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きくなり、インクの変質や漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。8.5未満の時には、インク保管中にインクpHが低下して高分子微粒子が粒子径の増大により凝集することがある。
前記pHは、例えば、pHメータ(HM−30R、TOA−DKK社製)により測定することができる。
前記アルコールアミン類としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。前記アンモニウムの水酸化物としては、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物などが挙げられる。前記ホスホニウム水酸化物としては、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。前記アルカリ金属の炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げられる。
(水分散性樹脂)
前記水分散性樹脂としては、造膜性(画像形成性)に優れ、かつ高撥水性、高耐水性、高耐候性を備えたものが、高耐水性で高画像濃度(高発色性)の画像記録に有用である。
その具体例としては、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物などが挙げられる。
前記縮合系合成樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、アクリル−シリコーン樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。前記付加系合成樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂などが挙げられる。前記天然高分子化合物としては、セルロース類、ロジン類、天然ゴムなどが挙げられる。
これらの中でも、特にポリウレタン樹脂微粒子、アクリル−シリコーン樹脂微粒子及びフッ素系樹脂微粒子が好ましい。
前記水分散性樹脂の体積平均粒子径(D50)は、分散液の粘度と関係しており、組成が同じものでは粒径が小さくなるほど同一固形分での粘度が大きくなる。インクが過剰な高粘度にならないためにも水分散性樹脂の体積平均粒子径(D50)は50nm以上であることが好ましい。また、粒径が数十μmになるとインクジェットヘッドのノズル口より大きくなるため使用できない。ノズル口より小さくても粒子径の大きな粒子がインク中に存在すると吐出安定性を悪化させる。そこで、インク吐出安定性を阻害させないために、体積平均粒子径(D50)は200nm以下がより好ましい。
前記水分散性樹脂の体積平均粒子径(D50)は、23℃、55%RHの環境下において、日機装社製のマイクロトラックUPAで動的光散乱法により測定したものである。
また、前記水分散性樹脂は、前記水分散顔料を紙面に定着させる働きを有し、常温で被膜化して顔料の定着性を向上させるものが好ましい。そのため、前記水分散性樹脂の最低造膜温度(MFT)は30℃以下であることが好ましい。
また、前記水分散性樹脂のガラス転移温度が−40℃未満になると樹脂皮膜の粘稠性が強くなり印字物にタックが生じるため、ガラス転移温度が−40℃以上の水分散性樹脂であることが好ましい。
前記水分散性樹脂のインク中の含有量は、固形分で1〜15質量%が好ましく、2〜7質量%がより好ましい。
(防腐防黴剤)
前記防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
(キレート試薬)
前記キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
(防錆剤)
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
(酸化防止剤)
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、などが挙げられる。
(紫外線吸収剤)
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
<インクジェット記録用インクの製造方法>
本発明のインクは、水、水溶性溶剤、顔料、ホスホン酸基を有する共重合体、及び必要に応じてその他の成分を水性媒体中に分散又は溶解させ、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。
前記分散は、例えばサンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
本発明のインクの物性には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。
例えば、インクの25℃での粘度は3〜20mPa・sが好ましい。粘度が3mPa・s以上であると、印字濃度や文字品位を向上させる効果が得られる。一方、粘度を20mPa・s以下に抑えることによって、吐出性を確保することができる。
前記粘度は、例えば、粘度計(RL−550、東機産業社製)を用いて、25℃で測定することができる。
また、インクの表面張力は25℃で40mN/m以下が好ましい。この範囲であると、記録媒体上でインクのレベリングが起こり易く、乾燥時間の長時間化を招くようなことはない。
≪インク収容容器≫
本発明のインク収容容器は、本発明のインクを収容するインク収容部を備え、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材を有する。
前記容器の形状、構造、大きさ、材質には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルムなどで形成されたインク収容部を少なくとも有するものなどが好適である。
本発明のインク収容容器の一例を図1、図2に示す。図1はインク収容部器の概略平面図、図2は図1のインク収容容器のケース(外装)を含めた概略平面図である。
インク収容容器200は、図1に示すように、インク注入口242からインク収容部241内にインクを充填し、排気した後、該インク注入口242を融着により閉じる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に装置本体の針を刺して装置に供給する。インク収容部241は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク収容部241は、図2に示すように、通常、プラスチックス製の収容容器ケース244内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
≪インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法≫
本発明のインクジェット記録装置は、本発明のインクをインクジェットヘッドから吐出させて記録媒体に情報又は画像を記録する。この記録装置は、インクを吐出させるインク飛翔手段を少なくとも有し、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば刺激発生手段、制御手段等を有する。
前記インク飛翔手段は、インクに刺激を印加し飛翔させて画像を形成する手段である。該インク飛翔手段としては特に制限はなく、例えば、インク吐出用の各種のノズルなどが挙げられる。
前記刺激は、例えば前記刺激発生手段により発生させることができる。該刺激としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動、光、などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適である。また、前記刺激発生手段としては、例えば過熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライト等が挙げられる。具体的には、圧電素子などの圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ、などが挙げられる。
前記インクの飛翔の態様には特に制限はなく、前記刺激の種類等に応じて異なる。
例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内のインクに対し、例えばサーマルヘッド等を用いて記録信号に対応した熱エネルギーを付与し、該熱エネルギーによりインクに気泡を発生させ、該気泡の圧力により、該記録ヘッドのノズル孔からインクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。また、前記刺激が「圧力」の場合、例えば記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加して圧電素子を撓ませ、圧力室の容積を縮小させて、前記記録ヘッドのノズル孔からインクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。
なお、前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
ここで、実施例でも用いた本発明のインクジェット記録装置、及び該記録装置を用いたインクジェット記録方法について概要を説明する。
図3は、本発明のシリアル型インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。この記録装置は、装置本体101と、装置本体101に装着した用紙を装填するための給紙トレイ102と、装置本体101に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ103と、装置本体101の前面112の一端部側に、前面112から前方側に突き出し、上カバー111よりも低くなったインク収容容器装填部104とを有する。インク収容容器装填部104の上面には、操作キーや表示器などの操作部105が配置されている。インク収容容器装填部104は、インク収容容器200の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。
装置本体101内では、図4、図5(図3の記録装置の一部拡大断面図)に示すように、左右の側板(不図示)に横架したガイド部材であるガイドロッド131とステー132とで、キャリッジ133を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータによって図5に示すように矢示方向に移動走査する。
キャリッジ133には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド134を、複数のインク吐出口が主走査方向と交叉するように配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド134を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135を搭載している。サブタンク135には、インク供給チューブ(不図示)を介して、インク収容容器装填部104に装填された本発明のインク収容容器200からインクが供給されて補充される。
一方、給紙トレイ102の用紙積載部(圧板)141上に積載した用紙142を給紙するための給紙部として、用紙積載部141から用紙142を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ143)、及び給紙コロ143に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備え、この分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。
この給紙部から給紙された用紙142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、用紙142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる用紙142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ152と、略鉛直上方に送られる用紙142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とを備えている。
また、搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156を備えている。搬送ベルト151は無端状ベルトであり、搬送ローラ157とテンションローラ158との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。この搬送ベルト151は、例えば、抵抗制御を行っていない厚さ40μm程度の樹脂材〔例えば、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)〕で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。搬送ベルト151の裏側には、記録ヘッド134による印写領域に対応してガイド部材161が配置されている。
なお、記録ヘッド134で記録された用紙142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から用紙142を分離するための分離爪171と、排紙ローラ172及び排紙コロ173とが備えられており、排紙ローラ172の下方に排紙トレイ103が配されている。
装置本体101の背面部には、両面給紙ユニット181が着脱自在に装着されている。
両面給紙ユニット181は、搬送ベルト151の逆方向回転で戻される用紙142を取り込んで反転させて再度カウンタローラ152と搬送ベルト151との間に給紙する。なお、両面給紙ユニット181の上面には手差し給紙部182が設けられている。
このインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙142は、ガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンタローラ152の間に挟まれて搬送される。更に先端を搬送ガイド153で案内されて先端加圧コロ155で搬送ベルト151に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。このとき、帯電ローラ156によって搬送ベルト157が帯電されており、用紙142は、搬送ベルト151に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド134を駆動することにより、停止している用紙142にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙142を所定量搬送後、次行の記録を行う。記録終了信号又は用紙142の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより記録動作を終了し、用紙142を排紙トレイ103に排紙する。そして、サブタンク135内のインクの残量ニアーエンドが検知されると、インク収容容器200から所要量のインクがサブタンク135に補給される。
このインクジェット記録装置において、インク収容容器200中のインクを使い切ったときには、インク収容容器200における筐体を分解して内部のインク収容部だけを交換することができる。また、インク収容容器200は、縦置きで前面装填構成としても安定したインクの供給を行うことができる。従って、装置本体101の上方が塞がって設置されているような場合、例えば、ラック内に収納したりする場合、あるいは装置本体101の上面に物が置かれているような場合でも、インク収容容器200の交換を容易に行うことができる。
なお、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
本発明のインクジェット記録装置は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。
≪記録物及び記録物の製造方法≫
本発明の記録物は、本発明のインクを用いて記録媒体(記録用メディア)に情報又は画像が記録されたものである。本発明の記録物は、インクをインクジェットヘッドから吐出させて記録媒体に記録を行う工程により製造することができる。
前記記録媒体としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、普通紙、印刷用塗工紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、普通紙及び印刷用塗工紙のいずれかが好ましい。前記普通紙は安価である点で有利である。また、前記印刷用塗工紙は光沢紙に比べて比較的安価でしかも平滑な光沢ある画像を与える点で有利である。しかし、乾燥性が悪く一般にインクジェット用には使用困難であったが、本発明のインクにより乾燥性が向上し使用可能となった。
本発明の記録物は高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、例中の「部」及び「%」は、特に明示しない限り「質量部」及び「質量%」を表す。また、例中の略号は次の化合物を示す。
・MPEGA;メトキシポリエチレングリコールアクリレート;式4−1
(ブレンマーAME−400:日油社製)
・MPEGMA9;メトキシポリエチレングリコールメタクリレート;式4−2
(ブレンマーPME−400:日油社製)
・EDEGA;エトキシジエチレングリコールアクリレート;式4−3
(ライトアクリレートEC−A:共栄社化学社製)
・BDEGMA;ブトキシジエチレングリコールメタクリレート;式4−4
(ライトアクリレートBC:共栄社化学社製)
・MTEGA;メトキシトリエチレングリコールアクリレート;式4−5
(ライトアクリレートMTG−A:共栄社化学社製)
・MPEGMA30;メトキシポリエチレングリコールメタクリレート;式4−6
(ライトエステル041MA:共栄社化学社製)
・MDPGMA;メトキシジプロピレングリコールアクリレート;式4−7
(ライトアクリレートDPM−A:共栄社化学社製)
(共重合体の粘度の測定)
合成された各共重合体について、その10質量%水溶液又は10質量%水分散液の粘度を、回転粘度計(粘度計RE80L・コーンプレートタイプ、東機産業社製)を用いて、25℃で測定した。具体的には、前記水溶液又は水分散液を1.1mL採取して粘度計のサンプルカップに入れ、これを粘度計本体に取り付けて1分間静置した後、粘度計のローターを回転させて1分後の値を読み取った。粘度測定時の回転数はトルクが40〜80%の範囲で一定になるように調整した。
(共重合体の重量平均分子量の測定)
カラム恒温槽に島津製作所製CTO−20A、検出器に島津製作所製RID−10A、溶離液流路ポンプに島津製作所製LC−20AD、デガッサに島津製作所製DGU−20A、オートサンプラーに島津製作所製SIL−20Aを用いてGPC法で測定した。
カラムは東ソー社製の水系SECカラムTSKgelG3000PWXL(排除限界分子量2×10)とTSKgelG5000PWXL(排除限界分子量2.5×10)とTSKgelG6000PWXL(排除限界分子量5×10)を接続したものを用いた。サンプルは溶離液で2g/100mLの濃度に調製して測定に用いた。溶離液は酢酸と酢酸ナトリウムを各々0.5モル/リットルに調整した水溶液を用いた。カラム温度は40℃、流速は1.0mL/分とした。
標準サンプルとして、分子量1065、5050、24000、50000、107000、140000、250000、540000、920000の9種のポリエチレングリコールを用いて較正曲線を求め、その較正曲線を基に、共重合体の重量平均分子量を求めた。
<共重合体の合成>
(合成例1)
攪拌機、温度計及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0部、1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(MEDP)〔前記構造式(I)のモノマー〕40.0部、MPEGMA9〔前記(式4−2)のモノマー〕60.0部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0部を仕込み、65℃に昇温した。次いで窒素気流下で10時間重合反応させた後、反応系から仕込んだ溶媒の半量程度を留去し、アセトン中に混合物を注入して共重合体を析出させ、更に乾燥して共重合体を得た。
得られた共重合体を水で希釈しながら、100%酸中和を達成できるように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体1を合成した。
共重合体1の25℃における10%水溶液の粘度は3.4mPa・sであった。
(合成例2〜22)
合成例1におけるMEDP又はMPEGMA9を、表1の共重合体2〜22の各欄に示す構造1又は構造2のモノマーに変え、表1の構造1含有率及び構造2含有率の欄に示す割合で用いた点以外は、合成例1の場合と同様にして各共重合体を得た。
得られた各共重合体を、合成例1の場合と同様にして中和し、ホスホン酸基が100%中和された共重合体2〜22を合成した。
これらの共重合体の25℃における10%水溶液の粘度を表1に示す。
(合成例23〜25)
合成例1の場合と同様にして得た共重合体の中和用の塩基を、水酸化カリウムから水酸化ナトリウム(合成例23)、水酸化カリウム(合成例24)、ジメチルエタノールアミン(合成例25)にそれぞれ変えた点以外は、合成例1の場合と同様にして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体23〜25を合成した。
共重合体23〜25の25℃における10%水溶液の粘度は、順に2.8mPa・s、3.3mPa・s、3.5mPa・sであった。
(合成例26〜27)
合成例1の場合と同様にして得た共重合体について、70%中和(合成例26)、又は50%中和(合成例27)となるように水酸化カリウムを加えた点以外は、合成例1の場合と同様にしてホスホン酸基が70%又は50%中和された共重合体26、27を合成した。
共重合体26、27の25℃における10%水溶液の粘度は、それぞれ3.5mPa・s、4.2mPa・sであった。
(合成例28)
合成例1におけるMEDPの量を100.0部に変え、MPEGMA9を用いず、重合反応時間を15時間に変えた点以外は、合成例1の場合と同様にして共重合体を得た。
得られた共重合体を合成例1の場合と同様にして中和し、ホスホン酸基が100%中和された共重合体28を合成した。
共重合体28の25℃における10%水溶液の粘度は4.0mPa・sであった。
(合成例29)
合成例1におけるMEDPをメタクリル酸に変え、メタクリル酸とMPEGMA9の量を50部づつとし、重合反応時間を15時間に変えた点以外は、合成例1の場合と同様にして共重合体を得た。
得られた共重合体を合成例1の場合と同様にして中和し、ホスホン酸基が100%中和された共重合体29を合成した。
共重合体29の25℃における10%水溶液の粘度は10.7mPa・sであった。
(合成例30)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(1−メトキシ−2−プロパノール)500.0部と、ホスマーM(2−メタクリロキシエチルアシッドホスホエート、ユニケミカル社)18.0部、St(スチレン)30.0部、MMA(メタクリル酸メチル)20.0部、BMA(メタクリル酸ブチル)18.0部、MAA(メタクリル酸)10.0部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0部を仕込み、110℃に昇温した。次いで、窒素気流下で4時間重合反応させた後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去し、メタノール中に混合物を注入して共重合体を析出させ、更に乾燥して、共重合体を得た。
得られた共重合体を合成例1の場合と同様にして中和し、ホスホン酸基が100%中和された共重合体30を合成した。
共重合体30の25℃における10%水溶液の粘度は11.5mPa・sであった。
以上のようにして合成した共重合体1〜30の特性を表1に示す。
なお、共重合体29の構造1の欄のモノマー(MAA)は構造1のモノマーではない。また、共重合体30の構造1・構造2の欄のモノマーは、構造1・構造2のモノマーではない。
Figure 2015214674
上記表1中の略号で示した化合物及びカウンターイオンの詳細は、次のとおりである。
・MEDP:1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸:構造式(I)
・AEDP:1−アクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸:構造式(II)
・St:スチレン
・MAA:メタクリル酸
・MMA:メタクリル酸メチル
・BMA:メタクリル酸ブチル
・DMEA:ジメチルエタノールアミン
<顔料分散体の調製例1〜41>
以下のようにして、各顔料分散体を調製した。
(調製例1):顔料分散体1
下記処方の材料をプレミックスし、混合スラリーを作製した。これをディスクタイプのメディアミル(アシザワ・ファインテック社製、DMR型)により、0.05mmジルコニアビーズ、充填率55%を用いて、周速10m/s、液温10℃で3分間循環分散し、次いで遠心分離機(久保田商事社製、Model−7700)で粗大粒子を遠心分離し、顔料濃度16%の顔料分散体1を得た。
・カーボンブラック(NIPEX160、degussa社製、
BET比表面積150m/g、平均一次粒径20nm、pH4.0、
DBP吸油量620g/100g) ・・・160部
・共重合体1 ・・・ 40部
・蒸留水 ・・・800部
(調製例2〜5、7〜41):顔料分散体2〜5、7〜41
調製例1における共重合体1の部数若しくは共重合体の種類、又は顔料を、表2−1〜表2−2の調製例2〜41の各欄に示すように変え、これに対応して全体が1000部となるように蒸留水の部数を変えた点以外は、調製例1と同様にして顔料濃度16%の顔料分散体2〜5、7〜41を得た。
(調製例6):顔料分散体6
調製例1における共重合体1をポリオキシエチレン(POE)(m=40)−β−ナフチルエーテル(竹本油脂社製)10%水溶液に変えた点以外は、調製例1と同様にして、顔料濃度16%の顔料分散体を得た。
顔料分散体1〜41の組成を、表2−1、表2−2に纏めて示す。なお、表中の数値は質量部である。
Figure 2015214674
Figure 2015214674
表2−1、表2−2中の[*]は、ポリオキシエチレン(POE)(m=40)−β−ナフチルエーテル10%水溶液を表す。
<インクジェット記録用インクの作製>
(実施例1)
下記処方の材料を1時間撹拌して均一に混合し、得られた分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブレンフィルターで加圧ろ過し、粗大粒子やゴミを除去して、実施例1のインクを作製した。
・顔料分散体1(顔料濃度16%) 50.0部
・グリセリン 10.0部
・1,3−ブタンジオール 20.0部
・蒸留水 20.0部
(実施例2〜37、比較例1〜6)
表3−1〜表3−3の実施例2〜37及び比較例1〜6の各欄に示す材料を用いた点以外は、実施例1と同様にして各インクを作製した。なお、表3−1〜表3−3中の数値は質量%である。
Figure 2015214674
Figure 2015214674
Figure 2015214674
前記顔料分散体及びインクについて、以下のようにして種々の特性を測定し評価した。結果を纏めて表4に示す。

<顔料分散体及びインクの保存安定性評価>
顔料分散体1〜41及び実施例1〜37と比較例1〜6の各インクについて、25℃における粘度を、東機産業社製の粘度計RE80Lを使用して測定した。粘度測定時の回転数は、トルクが40〜80%の範囲で一定になるように調整した。
各顔料分散体及び各インク中の顔料の分散安定性の指標として、顔料分散体及びインク作製後の初期の粘度を測定し、下記の基準で評価した。
また、保存安定性については、25℃で初期の粘度を測定した後、各顔料分散体及び各インクをポリエチレン容器に入れて密封し、70℃で1週間保存した後の粘度を測定し、初期の粘度からの変化率によって、下記の基準で評価した。
〔顔料分散体評価基準〕
・初期粘度
A:初期粘度の値が、3mPa・s未満
B:初期粘度の値が、3mPa・s以上、10mPa・s未満
C:初期粘度の値が、10mPa・s以上

・保存安定性
A:初期粘度を基準とした保存後粘度の変化率が、5%未満
B:初期粘度を基準とした保存後粘度の変化率が、5%以上、50%未満
C:初期粘度を基準とした保存後粘度の変化率が、50%以上
〔インク評価基準〕
・初期粘度
A:初期粘度の値が、10mPa・s未満
B:初期粘度の値が、10mPa・s以上、20mPa・s未満
C:初期粘度の値が、20mPa・s以上

・保存安定性
A:初期粘度を基準とした保存後粘度の変化率が、5%未満
B:初期粘度を基準とした保存後粘度の変化率が、5%以上、50%未満
C:初期粘度を基準とした保存後粘度の変化率が、50%以上
<各インクの印字評価>
インクジェットプリンタ(IPSiO GXe5500、リコー社製)を用い、インクの吐出量が均しくなるようにピエゾ素子の駆動電圧を変動させ、被記録材上に同じ付着量のインクが付くように設定して、以下のような印字評価を行った。
<<画像濃度&裏抜け>>
各インクを用いて、Microsoft Word2003により作成した64pointのJIS X 0208(1997),2223の一般記号が記載されているチャートを、マイペーパー(リコー社製)に印字した後、X−Rite938(X−Rite社製)により前記記号部を測色し画像濃度を評価した。印字モードは、プリンタ添付のドライバで「普通紙−はやい」モードとした。各色の画像濃度は下記の基準で評価した。評価に際しては、1つのチャートにつき1色あたり4カ所の測定箇所をそれぞれ1回ずつ測定し、4カ所の平均値を各色の測定結果とした。なお、JIS X 0208(1997),2223は、外形が正方形であって、記号全面がインクにより塗りつぶされている記号である。
また、X−Rite938を用いて、紙の裏面測から前記記号部の画像濃度(OD値)及び紙の非印刷部のOD値を測色し、前記記号部のOD値から紙の非印刷部のOD値を差し引いて得られるOD値を裏抜け濃度として、前記と同様の基準で同様にして評価した。
〔画像濃度(OD値)評価基準〕
A:OD値 ブラック1.30以上
イエロー0.80以上
マゼンタ0.95以上
シアン 1.05以上
B:OD値 ブラック1.20以上、1.30未満
イエロー0.75以上、0.80未満
マゼンタ0.85以上、0.95未満
シアン 0.95以上、1.05未満
C:OD値 ブラック1.10以上、1.20未満
イエロー0.70以上、0.75未満
マゼンタ0.75以上、0.85未満
シアン 0.85以上、0.95未満
D:OD値 ブラック1.10未満
イエロー0.70未満
マゼンタ0.75未満
シアン 0.85未満
〔裏抜け濃度(OD値)評価基準〕
A:OD値 ブラック0.10未満
イエロー0.08未満
マゼンタ0.09未満
シアン 0.10未満
B:OD値 ブラック0.10以上、0.20未満
イエロー0.08以上、0.16未満
マゼンタ0.09以上、0.18未満
シアン 0.10以上、0.20未満
C:OD値 ブラック0.20以上、0.50未満
イエロー0.16以上、0.40未満
マゼンタ0.18以上、0.40未満
シアン 0.20以上、0.50未満
D:OD値 ブラック0.50以上
イエロー0.40以上
マゼンタ0.40以上
シアン 0.50以上
Figure 2015214674
<共重合体の合成>
(合成例1°)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0部、1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(MEDP)〔前記構造式(I)のモノマー〕30.0部、MPEGMA9〔前記(式4−2)のモノマー〕10.0部、メタクリル酸オレイル〔前記構造式(19)のモノマー〕60.0部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0部を仕込み、65℃に昇温した。次いで、窒素気流下で10時間重合反応させた後、反応系から仕込んだ溶媒の半量程度を留去し、アセトン中に混合物を注入して共重合体を析出させ、更に乾燥して共重合体を得た。
得られた共重合体を水で希釈しながら、100%酸中和を達成できるように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体1°を合成した。
共重合体1°の重量平均分子量は5000であった。
(合成例2°〜25°)
合成例1°におけるMEDP又はMPEGMA9を、表5の共重合体2°〜25°の各欄に示す構造1又は構造2のモノマーに変え、これらを表5の構造1含有率及び構造2含有率の欄に示す割合で用いた点以外は、合成例1°の場合と同様にして各共重合体を得た。
得られた各共重合体を合成例1°の場合と同様にして中和し、ホスホン酸基が100%中和された共重合体2°〜25°を合成した。
これらの共重合体の重量平均分子量を表5に示す。
(合成例26°)
MEDPのみを用いた点以外は、合成例1と同様にしてホスホン酸基が100%中和された共重合体26°を合成した。
共重合体26°の重量平均分子量は5000であった。
以上のようにして合成した共重合体1°〜26°の特性を表5に示す。
なお、表中の構造1の欄は、一般式(1)で表される構造単位に係るモノマーを示し、構造2の欄は、一般式(2)で表される構造単位に係るモノマーを示し、構造3の欄は、一般式(5)で表される構造単位に係るモノマーを示す。また共重合体24°及び25°の構造1の欄のモノマーは構造1のモノマーではない。
Figure 2015214674
上記表中の略号で示した化合物は前述したとおりである。
<顔料分散体の調製>
以下のようにして、顔料分散体1°〜30°を調製した。

(調製例1°):顔料分散体1°
下記処方の材料をプレミックスし、混合スラリーを作製した。これをディスクタイプのメディアミル(アシザワ・ファインテック社製、DMR型)により、0.05mmジルコニアビーズ、充填率55%を用いて、周速10m/s、液温10℃で3分間循環分散し、次いで遠心分離機(久保田商事社製、Model−7700)で粗大粒子を遠心分離し、顔料濃度16%の顔料分散体1°を得た。
・カーボンブラック(NIPEX160、degussa社製、
BET比表面積150m/g、平均一次粒径20nm、pH4.0、
DBP吸油量620g/100g) ・・・160部
・共重合体1° ・・・ 40部
・蒸留水 ・・・800部
(調製例2°):顔料分散体2°
調製例1°における共重合体1°を、ポリオキシエチレン(POE)(m=40)−β−ナフチルエーテル(竹本油脂社製)10%水溶液に変えた点以外は、調製例1°と同様にして、顔料濃度16%の顔料分散体2°を得た。
(調製例3°〜30°):顔料分散体3°〜30°
調製例1°における共重合体の種類又は顔料を、表6−1〜表6−2の顔料分散体3°〜30°の各欄に示すように変え、これに対応して全体が1000部となるように蒸留水の部数を変えた点以外は、調製例1°と同様にして、顔料濃度16%の顔料分散体3°〜30°を得た。
顔料分散体1°〜30°の組成を表6−1〜表6−2に示す。なお、表中の数値は質量部である。また[*]は、ポリオキシエチレン(POE)(m=40)−β−ナフチルエーテル10%水溶液を表す。
Figure 2015214674
Figure 2015214674
<インクジェット記録用インクの作製>
(実施例1°)
下記処方の材料を1時間撹拌して均一に混合し、得られた分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブレンフィルターで加圧ろ過し、粗大粒子やゴミを除去して、実施例1°のインクを作製した。
・顔料分散体1°(顔料濃度16%) 50.0部
・グリセリン 10.0部
・1,3−ブタンジオール 20.0部
・蒸留水 20.0部
(実施例2°〜29°、比較例1°〜3°)
表7−1〜表7−2の実施例2°〜29°及び比較例1°〜3°の各欄に示す材料を用いた点以外は、実施例1°と同様にして各インクを作製した。なお、表中の数値は質量部である。また、[*]は、表6−1〜表6−2の場合と同じである。
Figure 2015214674
Figure 2015214674
<顔料分散体及びインクの保存安定性評価>
顔料分散体1°〜30°及び実施例1°〜29°と比較例1°〜3°の各インクについて、前記表4の場合と同様にして特性を評価した。結果を表8に示す。
Figure 2015214674
<共重合体の合成>
(合成例1′)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0部、1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(MEDP)〔前記構造式(I)のモノマー〕30.0部、MPEGMA9〔前記(式4−2)のモノマー〕10.0部、ベンジルアクリレート〔前記構造式(24)のモノマー〕60.0部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0部を仕込み、65℃に昇温した。次いで、窒素気流下で10時間重合反応させた後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去し、アセトン中に混合物を注入して共重合体を析出させ、更に乾燥して、共重合体を得た。
得られた共重合体を水で希釈しながら、100%酸中和を達成できるように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体1′を合成した。
共重合体1′の重量平均分子量は5000であった。
(合成例2′〜25′)
合成例1′におけるMEDP、MPEGMA9、又はベンジルアクリレートを、表9の共重合体2′〜25′の各欄に示す構造1、構造2又は構造3のモノマーに変え、これらを表9の構造1含有率、構造2含有率、構造3含有率の欄に示す割合で用いた点以外は、合成例1′の場合と同様にして各共重合体を得た。
得られた各共重合体を合成例1′の場合と同様にして中和し、ホスホン酸基が100%中和された共重合体2′〜25′を合成した。
これらの共重合体の重量平均分子量を表9に示す。
(合成例26′〜28′)
合成例1′の場合と同様にして得た共重合体の中和用の塩基を、水酸化カリウムから、水酸化ナトリウム(合成例26′)、水酸化リチウム(合成例27′)、ジメチルエタノールアミン(合成例27′)にそれぞれ変えた点以外は、合成例1′と同様にして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体26′〜28′を合成した。
(合成例29′〜30′)
合成例1′の場合と同様にして得た共重合体について、70%中和(合成例29′)、又は50%中和(合成例30′)となるように水酸化カリウムを加えた点以外は、合成例1′の場合と同様にして、ホスホン酸基が70%又は50%中和された共重合体29′、30′を合成した。
(合成例31′〜32′)
合成例1′におけるMEDPを、メタクリル酸(合成例31′)又はアクリル酸(合成例32′)に変えた点以外は、合成例1′と同様にしてホスホン酸基が100%中和された共重合体31′及び32′を合成した。
共重合体31′と32′の重量平均分子量は、それぞれ10000と2000であった。
(合成例33′〜35′)
モノマーとしてMEDPのみ(合成例33′)、MPEGMA9のみ(合成例34′)、ステアリルアクリレートのみ(合成例35′)を用い、中和操作を行わなかった点以外は、合成例1′と同様にして共重合体33′〜35′を合成した。
共重合体33′〜35′の重量平均分子量は、いずれも5000であった。
(合成例36′)
モノマーとしてベンジルアクリレートのみを用いた点以外は、合成例1′と同様にしてホスホン酸基が100%中和された共重合体36′を合成した。
共重合体36′の重量平均分子量は5000であった。
以上のようにして合成した共重合体1′〜36′の特性を表9に示す。
なお、表中の構造1の欄は、一般式(1)で表される構造単位に係るモノマーを示し、構造2の欄は、一般式(2)で表される構造単位に係るモノマーを示し、構造3の欄は、一般式(6)〜(7)で表される構造単位に係るモノマーを示す。また、共重合体31′及び32′の構造1の欄のモノマーは構造1のモノマーではない。
また、表中に略号で示した化合物の名称は次のとおりであるが、前述した化合物については省略する。
・StA:ステアリルアクリレート
・StMA:ステアリルメタクリレート
・BzA:ベンジルアクリレート
・BzMA:ベンジルメタクリレート
Figure 2015214674
<顔料分散体の調製>
以下のようにして、顔料分散体1′〜40′を調製した。
(調製例1′):顔料分散体1′
下記処方の材料をプレミックスし、混合スラリーを作製した。これをディスクタイプのメディアミル(アシザワ・ファインテック社製、DMR型)により、0.05mmジルコニアビーズ、充填率55%を用いて、周速10m/s、液温10℃で3分間循環分散し、次いで遠心分離機(久保田商事社製、Model−7700)で粗大粒子を遠心分離し、顔料濃度16%の顔料分散体1′を得た。
・カーボンブラック(NIPEX160、degussa社製、
BET比表面積150m/g、平均一次粒径20nm、pH4.0、
DBP吸油量620g/100g) ・・・160部
・共重合体1′ ・・・ 40部
・蒸留水 ・・・800部
(調製例2′):顔料分散体2′
調製例1′における共重合体1′をポリオキシエチレン(POE)(m=40)−β−ナフチルエーテル(竹本油脂社製)10%水溶液に変えた点以外は、調製例1′と同様にして、顔料濃度16%の顔料分散体2′を得た。
(調製例3′〜40′):顔料分散体3′〜40′
調製例1′における共重合体の種類又は顔料を、表10−1〜表10−2の調製例3′〜40′の各欄に示すように変えた点以外は、調製例1′と同様にして顔料濃度16%の顔料分散体3′〜40′を得た。
調製例1′〜40′で得られた各顔料分散体の組成を表10−1〜表10−2に示す。
なお、表中の数値は質量部である。また、[*]は、ポリオキシエチレン(POE)(m=40)−β−ナフチルエーテル10%水溶液を表す。
Figure 2015214674
Figure 2015214674
<インクジェット記録用インクの作製>
(実施例1′)
下記処方の材料を1時間撹拌して均一に混合し、得られた分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブレンフィルターで加圧ろ過し、粗大粒子やゴミを除去して、実施例1′のインクを作製した。
・顔料分散体1′(顔料濃度16%) 50.0部
・グリセリン 10.0部
・1,3−ブタンジオール 20.0部
・蒸留水 20.0部
(実施例2′〜36′、比較例1′〜6′)
表11−1〜表11−2の実施例2′〜36′及び比較例1′〜6′の各欄に示す材料を用いた点以外は、実施例1′と同様にして各インクを作製した。なお、表中の数値は質量部である。また、[*]は、表10−1〜表10−2の場合と同じである。
Figure 2015214674
Figure 2015214674
<顔料分散体及びインクの保存安定性評価>
上記顔料分散体1′〜40′と、実施例1′〜36′及び比較例1′〜6′の各インクについて、前記表4の場合と同様にして特性を評価した。結果を表12に示す。
Figure 2015214674
<共重合体の合成>
(合成例1″)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0部、1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(MEDP)〔前記構造式(I)のモノマー〕30.0部、MPEGMA9〔前記(式4−2)のモノマー〕10.0部、1−ビニルナフタレン〔前記構造式(16)のモノマー〕60.0部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0部を仕込み、65℃に昇温した。次いで、窒素気流下で10時間重合反応させた後、反応系から仕込んだ溶媒の半量程度を留去し、アセトン中に混合物を注入して共重合体を析出させ、更に乾燥して、共重合体を得た。
得られた共重合体を水で希釈しながら、100%酸中和を達成できるように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された共重合体1″を合成した。
共重合体1″の重量平均分子量は5000であった。
(合成例2″〜23″)
合成例1″におけるMEDP、MPEGMA9又は1−ビニルナフタレンを、表13の共重合体2″〜23″の各欄に示す構造1、構造2、又は構造3のモノマーに変え、これらを表13の構造1含有率、構造2含有率、構造3含有率の欄に示す割合で用いた点以外は、合成例1″の場合と同様にして各共重合体を得た。
得られた各共重合体を合成例1″の場合と同様にして中和し、ホスホン酸基が100%中和された共重合体2″〜23″を合成した。
これらの共重合体の重量平均分子量を表13に示す。
(合成例24″〜25″)
合成例1″のMEDPを、メタクリル酸(合成例24″)又はアクリル酸(合成例25″)に変えた点以外は、合成例1″と同様にしてホスホン酸基が100%中和された共重合体24″及び25″を合成した。
共重合体24″と25″の重量平均分子量はそれぞれ10000と2000であった。
(合成例26″〜28″)
モノマーとしてMEDPのみ(合成例26″)、MPEGMA9のみ(合成例27″)、1−ビニルナフタレンのみ(合成例28″)を用いた点以外は、合成例1′と同様にして共重合体33′〜35′を合成した。
共重合体33′〜35′の重量平均分子量は、いずれも5000であった。
以上のようにして合成した共重合体1″〜28″の特性を表13に示す。
なお、表中の構造1の欄は、一般式(1)で表される構造単位に係るモノマーを示し、構造2の欄は、一般式(2)で表される構造単位に係るモノマーを示し、構造3の欄は、構造式(8)〜(9)で表される構造単位に係るモノマーを示す。また、共重合体24″及び25″の構造1の欄のモノマーは構造1のモノマーではない。
また、表中に略号で示した化合物の名称は次のとおりであるが、前述した化合物については省略する。
・1−ViN:1−ビニルナフタレン
・2−ViN:2−ビニルナフタレン
Figure 2015214674
<顔料分散体の調製>
以下のようにして、顔料分散体1″〜32″を調製した。

(調製例1″):顔料分散体1″
下記処方の材料をプレミックスし、混合スラリーを作製した。これをディスクタイプのメディアミル(アシザワ・ファインテック社製、DMR型)により、0.05mmジルコニアビーズ、充填率55%を用いて、周速10m/s、液温10℃で3分間循環分散し、次いで遠心分離機(久保田商事社製、Model−7700)で粗大粒子を遠心分離し、顔料濃度16%の顔料分散体1″を得た。
・カーボンブラック(NIPEX160、degussa社製、
BET比表面積150m/g、平均一次粒径20nm、pH4.0、
DBP吸油量620g/100g) ・・・160部
・共重合体1″ ・・・ 40部
・蒸留水 ・・・800部
(調製例2″):顔料分散体2″
調製例1″における共重合体1″をポリオキシエチレン(POE)(m=40)−β−ナフチルエーテル(竹本油脂社製)10%水溶液に変えた点以外は、調製例1″と同様にして、顔料濃度16%の顔料分散体2″を得た。
(調製例3″〜32″):顔料分散体3″〜32″
調製例1″における共重合体の種類又は顔料を、表14−1〜表14−2の調製例3″〜32″の各欄に示すように変えた点以外は、調製例1″と同様にして顔料濃度16%の顔料分散体3″〜32″を得た。
調製例1″〜32″で得られた各顔料分散体の組成を表14−1〜表14−2に示す。なお、表中の数値は質量部である。また[*]は、ポリオキシエチレン(POE)(m=40)−β−ナフチルエーテル10%水溶液を表す。
Figure 2015214674
Figure 2015214674
<インクジェット記録用インクの作製>
(実施例1″)
下記処方の材料を1時間撹拌して均一に混合し、得られた分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブレンフィルターで加圧ろ過し、粗大粒子やゴミを除去して、実施例1″のインクを作製した。
・顔料分散体1″(顔料濃度16%) 50.0部
・グリセリン 10.0部
・1,3−ブタンジオール 20.0部
・蒸留水 20.0部
(実施例2″〜29″、比較例1″〜5″)
表15−1〜表15−2の実施例2″〜29″及び比較例1″〜5″の各欄に示す材料を用いた点以外は、実施例1″と同様にして、各インクを作製した。なお、表中の数値は質量部である。また、[*]は、表14−1〜表14−2の場合と同じである。
Figure 2015214674
Figure 2015214674
<顔料分散体及びインクの保存安定性評価>
上記顔料分散体1″〜32″と、実施例1″〜29″及び比較例1″〜5″の各インクについて、前記表4の場合と同様にして特性を評価した。結果を表16に示す。
Figure 2015214674
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インク収容容器装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
143 給紙コロ
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 カウンタローラ
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 先端加圧コロ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 デンションローラ
161 ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
200 インク収容容器
241 インク収容部
242 インク注入口
243 インク排出口
244 ケース(外装)
特許第5001291号公報 特開2011−122072号公報 特開2013−103954号公報

Claims (18)

  1. 少なくとも水、水溶性溶剤、顔料、及びホスホン酸基を有する共重合体を含有するインクジェット記録用インクにおいて、前記ホスホン酸基を有する共重合体が、少なくとも、下記一般式(1)で表される構造単位と、下記一般式(2)で表される構造単位を有することを特徴とするインクジェット記録用インク。
    <一般式(1)>
    Figure 2015214674
    上記式中、R1は、水素原子又はメチル基を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属又は有機アンモニウムを表す。

    <一般式(2)>
    Figure 2015214674
    上記式中、R2は、水素原子又はメチル基を表し、R3は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、n、mは0〜30の整数を表す。ただし、n+mは2〜30である。
  2. 前記ホスホン酸基を有する共重合体が、少なくとも、下記一般式(3)で表されるモノマーと、下記一般式(4)で表されるモノマーを出発物質として合成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
    <一般式(3)>
    Figure 2015214674
    上記式中、R4は、水素原子又はメチル基を表す。

    <一般式(4)>
    Figure 2015214674
    上記式中、R5は、水素原子又はメチル基を表し、R6は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、n、mは0〜30の整数を表す。ただし、n+mは2〜30である。
  3. 前記ホスホン酸基を有する共重合体が更に下記一般式(5)〜(7)及び構造式(8)〜(9)のいずれかで表される構造単位を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用インク。
    <一般式(5)>
    Figure 2015214674
    上記式中、R4′は水素原子又はメチル基を表す。

    <一般式(6)>
    Figure 2015214674
    上記式中、R5′は水素原子又はメチル基を表す。

    <一般式(7)>
    Figure 2015214674
    上記式中、R6′は水素原子又はメチル基を表す。

    <構造式(8)>
    Figure 2015214674
    <構造式(9)>
    Figure 2015214674
  4. 前記一般式(1)で表される構造単位が、下記一般式(10)で表されるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
    <一般式(10)>
    Figure 2015214674
    上記式中、Mは、水素原子、アルカリ金属又は有機アンモニウムを表す。
  5. 前記一般式(2)で表される構造単位が、n=9、m=0のものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  6. 前記一般式(6)又は(7)で表される構造単位が、下記構造式(11)又は(12)で表されるものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
    <構造式(11)>
    Figure 2015214674
    <構造式(12)>
    Figure 2015214674
  7. 前記ホスホン酸基を有する共重合体が、前記一般式(3)で表されるモノマーと、前記一般式(4)で表されるモノマーと、下記一般式(13)〜(15)及び構造式(16)〜(17)のいずれかで表されるモノマーとを少なくとも出発物質として合成されたものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
    <一般式(13)>
    Figure 2015214674
    上記式中、R4′は水素原子又はメチル基を表す。

    <一般式(14)>
    Figure 2015214674
    上記式中、R5′は水素原子又はメチル基を表す。

    <一般式(15)>
    Figure 2015214674
    上記式中、R6′は水素原子又はメチル基を表す。

    <構造式(16)>
    Figure 2015214674
    <構造式(17)>
    Figure 2015214674
  8. 前記共重合体における一般式(1)で表される構造単位の含有率が、10〜60質量%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  9. 前記共重合体の10質量%水溶液又は10質量%水分散液の25℃における粘度が、1.5〜30.0mPa・sであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  10. 前記共重合体の重量平均分子量が2000〜50000であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  11. 前記共重合体が、顔料分散体の顔料の分散剤として含有されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  12. 前記顔料分散体の顔料100質量部に対して、前記共重合体が10〜100質量部含まれていることを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録用インク。
  13. 前記一般式(1)のMが水素原子、カリウム原子又はナトリウム原子であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  14. 前記一般式(1)のMの総数に対する水素原子の割合が30%以下であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  15. 前記水溶性溶剤として、少なくともグリセリンを含むことを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  16. インク収容部に請求項1〜15のいずれかに記載のインクが収容されていることを特徴とするインク収容容器。
  17. 請求項1〜15のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを記録ヘッドから飛翔させて記録媒体に画像を記録するインク飛翔手段を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  18. 請求項1〜15のいずれかに記載のインクを用いて記録媒体に情報又は画像が記録されていることを特徴とする記録物。
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