JP6043657B2 - インクジェット記録用インク、並びに該インクを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法及びインク記録物 - Google Patents
インクジェット記録用インク、並びに該インクを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法及びインク記録物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6043657B2 JP6043657B2 JP2013051457A JP2013051457A JP6043657B2 JP 6043657 B2 JP6043657 B2 JP 6043657B2 JP 2013051457 A JP2013051457 A JP 2013051457A JP 2013051457 A JP2013051457 A JP 2013051457A JP 6043657 B2 JP6043657 B2 JP 6043657B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink
- mass
- pigment
- jet recording
- copolymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Description
インクジェット記録方式は、熱により発生する泡や、ピエゾや静電等を利用して発生させた圧力で少量のインクを飛翔させ、紙などの記録媒体に付着させて素早く乾燥させること、あるいは記録媒体に浸透させることにより画像を形成する方式であり、パーソナル及び産業用のプリンタや印刷まで用途が拡大してきている。
また、OA用プリンタの高画質化技術の向上に伴って、顔料インクにおいても記録媒体として普通紙でも染料インクと同等の画像濃度が要求されている。しかし、顔料インクは、記録媒体として普通紙を使用する場合、紙中へ浸透することにより紙表面の顔料濃度が低くなり、画像濃度が低くなるという問題が生じている。
前記リン酸基を含む共重合体が、下記一般式(1)で表される構造単位と、下記一般式(2)で表される構造単位と、を少なくとも含む。
本発明のインクジェット記録用インクは、水と、水溶性溶剤と、顔料と、リン酸基を含む共重合体とを含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
しかし、PPC普通紙の場合、含まれる多価金属塩は一般的に難水溶性の炭酸カルシウムであり、インク中へ溶出するカルシウムイオン量は少ない。そのため、前記一般式(1)で表される構造単位を含むだけでは、普通紙において充分な画像濃度を得ることができない。
前記課題を解決する方法の一つとして、リン酸基を含む共重合体における前記一般式(1)で表される構造単位の比率を高くすることが考えられる。しかし、前記一般式(1)で表される構造単位の比率を高くすると、リン酸基同士の相互作用が強くなるためかリン酸基を含む共重合体のゲル化が起こり、インクの保存安定性の低下を引き起こすという問題がある。したがって、従来のリン酸基を含む共重合体の構成比率は20質量%未満にせざるを得なかった。
本発明のインクジェット記録用インクは、前記一般式(1)で表される構造単位と、前記一般式(2)で表される構造単位とを含むリン酸基を含む共重合体を用いることにより、水溶性多価金属塩が少ない一般的な普通紙においても高い画像濃度を得ることができ、インクの保存安定性を向上させることができる。
前記リン酸基を含む共重合体は、前記一般式(1)で表される構造単位と、前記一般式(2)で表される構造単位とを少なくとも含み、更に必要に応じてその他の構造単位を含む。
本発明においては、前記リン酸基を含む共重合体を顔料分散剤又は添加剤として使用することができるが、特に顔料分散剤として用いることにより、更に高画像濃度及び保存安定性が良好なインクを提供することができる。
前記一般式(1)中のM+のアルカリ金属イオンにおけるアルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、などが挙げられる。
前記一般式(1)中のM+の有機アミンイオンにおける有機アミンとしては、例えば、モノ、ジ或いはトリメチルアミン、モノ、ジ或いはトリエチルアミン等のアルキルアミン類;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール(AEPD)等のアルコールアミン類;コリン、モルホリン、N−メチルモノホルリン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等の環状アミン、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等の有機アンモニウム、などが挙げられる。
これらの中でも、インクの保存安定性、吐出安定性の点から、エタノールアミン、ジメチルエタノールアミンが好ましい。
前記M+としては、半数以上がアルカリ金属イオン又は有機アミンイオンであり、残りは水素イオン(プロトン)であることが好ましく(リン酸基を含む共重合体の中和率は50%以上が好ましく)、画像濃度、及び保存安定性、吐出安定性の点から、すべて(中和率が100%)がアルカリ金属イオン又は有機アミンイオンであることが特に好ましい。
前記中和率が、50%未満であると、顔料の分散が不安定となり、顔料分散体の初期粘度が高くなったり、保存安定性が低下したりすることがある。
前記中和率は、リン酸基を含む共重合体の合成時の前記一般式(1)で表される構造単位(下記一般式(3)で表されるモノマー)の仕込み量に対する中和剤の添加量の比率から求めることができる。
前記その他のモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、重合性の疎水性モノマー、重合性の親水性モノマー、などが挙げられる。
前記2−メタクイロキシエチルアシッドホスホエートとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、共栄社化学工業株式会社から「ライトエステルP−1M」、ユニケミカル株式会社から「ホスマーM」の製品名で市販されており入手可能である。
前記2−アクロイロキシエチルアシッドホスホエートとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、共栄社化学工業株式会社から「ライトアクリレートP−1A」の製品名で市販されており入手可能である。
前記2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとしては、適宜合成したものを使用することができる。
前記2−アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとしては、適宜合成したものを使用することができる。
前記ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、一般に用いられているものなら使用可能で、具体的には、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、シアノ系のアゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビス(2,2’−イソバレロニトリル)、非シアノ系のジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、などが挙げられる。
これらの中でも、分子量の制御がしやすく、分解温度の低い有機過酸化物やアゾ系化合物が好ましく、アゾ系化合物が特に好ましい。
前記重合開始剤の使用量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、重合性単量体の総質量に対して、1質量%〜10質量%が好ましい。
また、リン酸基を含む共重合体の分子量を調整するために、例えば、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、2−プロパンチオール、2−メルカプトエタノール、チオフェノール、ドデシルメルカプタン、1−ドデカンチオール、チオグリセロール等の連鎖移動剤を重合系に適量添加してもよい。
重合温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜150℃が好ましい。重合時間は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3時間〜48時間が好ましい。
前記リン酸基を含む共重合体は、例えば、四口フラスコに温度計、攪拌機、窒素導入管を設置し、溶媒と前記一般式(3)で表されるモノマーと、前記一般式(4)で表されるモノマーとを、必要に応じて、重合開始剤、連鎖移動剤を加え、常温〜150℃にて重合できる。
前記中和処理に用いる塩基としては、例えば、アルカリ金属、有機アミン、などが挙げられ、これらの具体例は、上述したとおりである。
前記粘度は、例えば、回転粘度計(TV−22形粘度計、コーンプレートタイプ、東機産業株式会社製)などにより測定することができる。
前記リン酸基を含む共重合体を添加剤として使用する場合の前記インクジェット記録用インクにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5質量%〜10質量%が好ましく、1質量%〜5質量%がより好ましい。前記含有量が0.5質量%以上の添加から画像濃度向上の効果が明確に表れ、10質量%以下にすることで、インクをヘッドから吐出する際に適した粘度の範囲に抑えることが可能となる。
前記リン酸基を含む共重合体を顔料分散剤として使用する場合の前記インクジェット記録用インクにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記顔料100質量部に対して、1質量部〜100質量部が好ましく、5質量部〜80質量部がより好ましい。この範囲内で最も適した顔料の粒径が得られ画像濃度と分散性と保存安定性が良好な範囲となる。また、上記効果を損なわない範囲で、後に記載する分散剤を共重合体と併用してもよい。
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水、などが挙げられる。
前記水の前記インクジェット記録用インクにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20質量%〜60質量%が好ましい。
前記水溶性溶剤は、保湿効果の付与による吐出安定性の向上を図る機能などを有している。
前記水溶性溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブチルグリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネイト、炭酸エチレンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水分蒸発による吐出不良を防止する点から、1,3−ブタンジオール、2−ピロリドン、グリセリン、トリメチロールプロパンが好ましい。
前記顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機顔料、及び有機顔料のいずれであってもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが好ましい。なお、前記カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、アゾメチン顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。
前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、ローダミンBレーキ顔料、などが挙げられる。前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。
黒色用のものとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料、などが挙げられる。
前記カーボンブラックとして市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、No.2300、No.900、MCF−88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B(いずれも、三菱化学株式会社製);Raven 700、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255(いずれも、コロンビアンケミカルズ社製);Regal 400R、Regal 330R、Regal 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400(いずれも、キャボット社製);カラーブラックFW1、カラーブラックFW2、カラーブラックFW2V、カラーブラックFW18、カラーブラックFW200、カラーブラックS150、カラーブラックS160、カラーブラックS170、プリンテックス35、プリンテックスU、プリンテックスV、プリンテックス140U、プリンテックス140V、スペシャルブラック6、スペシャルブラック5、スペシャルブラック4A、スペシャルブラック4、NIPEX160(いずれも、エボニックデグッサ社製)、などが挙げられる。
また、本発明で使用する各インクに含有される顔料は、本発明のために新たに製造されたものでも使用可能である。
なお、イエロー顔料として、C.I.ピグメントイエロー74、マゼンタ顔料として、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントバイオレッド19、シアン顔料として、C.I.ピグメントブルー15:3を用いることにより、色調、耐光性が優れ、バランスの取れたインクを得ることができる。
更に、本発明で使用される顔料は、分散剤等の界面活性剤や樹脂で被覆したグラフト処理やカプセル化処理した物を使用することも可能であるが、本発明の化合物を分散剤に使用した方がより好ましい。
なお、効果を損なわない範囲で上述した顔料を併用してもよい。
前記顔料の体積平均粒径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、150nm以下が好ましい。
前記顔料の体積平均粒径は、23℃、55%RHの環境下において、日機装株式会社製マイクロトラックUPAで動的光散乱法により測定することができる。
前記顔料の前記インクジェット記録用インクにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1質量%〜20質量%が好ましい。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、及び更に必要に応じてその他の成分を混合した後、分散機で分散し、粒径を調整して得られる。
前記顔料分散剤としては、本発明の前記リン酸基を含む共重合体を用いることが好ましいが、その他の使用可能な分散剤としては、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等の種々の界面活性剤、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物、高分子型の分散剤、などが挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記カチオン界面活性剤としては、例えば、2−ビニルピリジン誘導体、ポリ−4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
前記ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアリルキルアルキルエーテル等のエーテル系界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系界面活性剤;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチル−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール系界面活性剤、などが挙げられる。
得られた顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置等で粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸透剤、pH調整剤、水分散性樹脂、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
前記浸透剤としては、炭素数8〜11のポリオール化合物及び炭素数8〜11のグリコールエーテル化合物のいずれかを含有することが好ましい。
前記浸透剤は、前記湿潤剤とは別なものであり、前記湿潤剤よりも湿潤性が比較的少ないので、「非湿潤剤性である媒質」ということができる。これら非湿潤剤性である浸透剤は、25℃の水中において0.2質量%〜5.0質量%の間の溶解度を有するものが好ましい。
これらの中でも、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール[溶解度:4.2質量%(25℃)]、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール[溶解度:2.0質量%(25℃)]が特に好ましい。
その他のポリオール化合物として、脂肪族ジオールとしては、例えば、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオールなどが挙げられる。
その他の併用できる浸透剤としては、インク中に溶解し、所望の物性に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、エタノール等の低級アルコール類、などが挙げられる。
前記浸透剤の前記インクジェット記録用インクにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1質量%〜4質量%が好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると、速乾性が得られず滲んだ画像となることがあり、4質量%を超えると、顔料の分散安定性が損なわれ、ノズルが目詰まりしやすくなったり、また記録用メディア(記録媒体)への浸透性が必要以上に高くなったり、画像濃度の低下や裏抜けが発生したりすることがある。
前記pH調整剤としては、調合されるインクジェット記録用インクに悪影響を及ぼさずにpHを8.5〜11、好ましくはpHを9〜11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。前記pHが、8.5未満及び11を超えるとインクジェットのヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。8.5未満の時には、インク保管中にインクpHが低下して高分子微粒子が粒子径の増大により凝集することがある。
前記pHは、例えば、pHメータ(HM−30R、TOA−DKK社製)により測定することができる。
前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、などが挙げられる。前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、などが挙げられる。前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、などが挙げられる。前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、などが挙げられる。
前記水分散性樹脂としては、造膜性(画像形成性)に優れ、かつ高撥水性、高耐水性、高耐候性を備えて、高耐水性で高画像濃度(高発色性)の画像記録に有用である。
前記水分散性樹脂の具体例としては、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物などが挙げられる。
前記縮合系合成樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、アクリル−シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、などが挙げられる。前記付加系合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂、などが挙げられる。前記天然高分子化合物としては、例えば、セルロース類、ロジン類、天然ゴムなどが挙げられる。
これらの中でも、ポリウレタン樹脂微粒子、アクリル−シリコーン樹脂微粒子及びフッ素系樹脂微粒子が好ましい。
前記水分散性樹脂の体積平均粒径は、分散液の粘度と関係しており、組成が同じものでは粒径が小さくなるほど同一固形分での粘度が大きくなる。インクが過剰な高粘度にならないためにも水分散性樹脂の体積平均粒径は50nm以上であることが好ましい。また、粒径が数十μmになるとインクジェットヘッドのノズル口より大きくなるため使用できない。ノズル口より小さくとも粒子径の大きな粒子がインク中に存在すると吐出安定性を悪化させる。そこで、インク吐出安定性を阻害させないために体積平均粒径は200nm以下がより好ましい。
ここで、前記水分散性樹脂の体積平均粒径は、23℃、55%RHの環境下において、日機装株式会社製マイクロトラックUPAで動的光散乱法により測定したものである。
また、前記水分散性樹脂は、前記水分散顔料を紙面に定着させる働きを有し、常温で被膜化して顔料の定着性を向上させることが好ましい。そのため、前記水分散性樹脂の最低造膜温度(MFT)は30℃以下であることが好ましい。
また、前記水分散性樹脂のガラス転移温度が−40℃以下になると樹脂皮膜の粘稠性が強くなり印字物にタックが生じるため、ガラス転移温度が−30℃以上の水分散性樹脂であることが好ましい。
前記水分散性樹脂の前記インクジェット記録用インクにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%〜15質量%が好ましく、2質量%〜7質量%がより好ましい。
前記防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、などが挙げられる。
前記キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム、などが挙げられる。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、などが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、などが挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
前記インクジェット記録用インクは、水、水溶性溶剤、顔料、及びリン酸基を含む共重合体、更に必要に応じて他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、必要に応じて攪拌混合して製造することができる。
前記分散は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
前記粘度は、例えば、粘度計(RL−550、東機産業株式会社製)を使用して、25℃で測定することができる。
前記インクジェット記録用インクの表面張力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25℃で、40mN/m以下が好ましい。前記表面張力が、40mN/mを超えると、記録用メディア上のインクのレベリングが起こり難く、乾燥時間の長時間化を招くことがある。
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記インクジェット記録用インクを容器中に収容するものであり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材を有してなる。
前記容器としては、その形状、構造、大きさ、材質に特に制限無く、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルムなどで形成されたインク袋を少なくとも有するものなどが好適に挙げられる。
インクカートリッジ200は、図1に示すように、インク注入口242からインク袋241内に充填され、排気した後、該インク注入口242は融着により閉じられる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に装置本体の針を刺して装置に供給される。インク袋241は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋241は、図2に示すように、通常、プラスチックス製のカートリッジケース244内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
本発明のインクジェット記録装置は、インク飛翔手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、刺激発生手段、制御手段等を有してなる。
本発明のインクジェット記録方法は、インク飛翔工程を少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、刺激発生工程、制御工程等を含む。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録装置により好適に実施することができ、前記インク飛翔工程は前記インク飛翔手段により好適に行うことができる。前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
前記インク飛翔工程は、本発明の前記インクジェット記録用インクに、刺激を印加し、前記インクジェット記録用インクを飛翔させて画像を形成する工程である。
前記インク飛翔手段は、本発明の前記インクジェット記録用インクに、刺激を印加し、前記インクジェット記録用インクを飛翔させて画像を形成する手段である。前記インク飛翔手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、インク吐出用の各種のノズル、などが挙げられる。
前記刺激発生手段としては、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライト、などが挙げられる。具体的には、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ、などが挙げられる。
なお、前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器、などが挙げられる。
図3は、本発明のシリアル型インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。
この図3に示すインクジェット記録装置は、装置本体101と、装置本体101に装着した用紙を装填するための給紙トレイ102と、装置本体101に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ103と、装置本体101の前面112の一端部側には、前面112から前方側に突き出し、上カバー111よりも低くなったインクカートリッジ装填部104とを有する。インクカートリッジ装填部104の上面には、操作キーや表示器などの操作部105が配置されている。インクカートリッジ装填部104は、インクカートリッジ200の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。
キャリッジ133には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド134を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド134を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135を搭載している。サブタンク135には、図示しないインク供給チューブを介して、インクカートリッジ装填部104に装填された本発明のインクカートリッジ200から前記インクが供給されて補充される。
この給紙部から給紙された用紙142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、用紙142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる用紙142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ152と、略鉛直上方に送られる用紙142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とが備えられる。
なお、記録ヘッド134で記録された用紙142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から用紙142を分離するための分離爪171と、排紙ローラ172及び排紙コロ173とが備えられており、排紙ローラ172の下方に排紙トレイ103が配されている。
両面給紙ユニット181は、搬送ベルト151の逆方向回転で戻される用紙142を取り込んで反転させて再度カウンタローラ152と搬送ベルト151との間に給紙する。なお、両面給紙ユニット181の上面には手差し給紙部182が設けられている。
このインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙142は、ガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンタローラ152との間に挟まれて搬送される。更に先端を搬送ガイド153で案内されて先端加圧コロ155で搬送ベルト151に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。このとき、帯電ローラ156によって搬送ベルト157が帯電されており、用紙142は、搬送ベルト151に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド134を駆動することにより、停止している用紙142にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙142を所定量搬送後、次行の記録を行う。
記録終了信号又は用紙142の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙142を排紙トレイ103に排紙する。そして、サブタンク135内のインクの残量ニアーエンドが検知されると、インクカートリッジ200から所要量のインクがサブタンク135に補給される。
本発明のインク記録物は、本発明のインクジェット記録用インクにより記録された画像を記録媒体(記録メディア)上に有してなる。
前記記録メディアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、普通紙、印刷用塗工紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、普通紙及び印刷用塗工紙の少なくともいずれかが好ましい。前記普通紙は安価である点で有利である。また、前記印刷用塗工紙は光沢紙に比べ比較的安価でしかも平滑な光沢ある画像を与える点で有利である。しかし、乾燥性が悪く一般にインクジェット用には使用困難であったが、本発明のインクジェット記録用インクにより乾燥性が向上し使用可能となった。
本発明のインク記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
また、以下の略号は次の化合物を意味する。
PMA:2−メタクイロキシエチルアシッドホスホエート(「ホスマーM」、ユニケミカル株式会社製)
PA:2−アクロイロキシエチルアシッドホスホエート(「ライトアクリレートP−1A」、共栄社化学工業株式会社製)
MPC:2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(日油株式会社製)
APC:2−アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(日油株式会社製)
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
合成された共重合体の10質量%水溶液の粘度の測定は、回転粘度計(TV−22形粘度計、コーンプレートタイプ、東機産業株式会社製)を用いて行った。具体的な操作を以下に示す。共重合体を1.1mL採取し粘度計のサンプルカップに入れた。25℃で、サンプルカップを粘度計本体に取り付けて1分間静置した後、粘度計のローターを回転し、1分間後の値を読み取った。
共重合体の中和率は、共重合体の合成時のリン酸基を含むモノマーの仕込み量に対する中和剤の添加量の比率から求めた。
−共重合体1の合成−
PMA;12.0g、MPC;18.0g、及びエタノール170.0gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.0gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながら、10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和率が100%になるように中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体1の水溶液とした。得られた共重合体1の水溶液の粘度は、25℃で、13.4mPa・sであった。
−共重合体2の合成−
PMA;12.0g、MPC;18.0g、及びエタノール170.0gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.0gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながら、10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和率が50%になるように中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体2の水溶液とした。得られた共重合体2の水溶液の粘度は、25℃で、9.3mPa・sであった。
−共重合体3の合成−
PMA;12.00g、APC;18.0g、及びエタノール170.0gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.0gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながら、10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和率が100%になるように中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体3の水溶液とした。得られた共重合体3の水溶液の粘度は、25℃で、14.3mPa・sであった。
−共重合体4の合成−
PMA;12.00g、MPC;18.0g、及びエタノール170.0gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.0gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながら、10質量%に濃度調整したものをモノエタノールアミン(EA)で中和率が100%になるように中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体4の水溶液とした。得られた共重合体4の水溶液の粘度は、25℃で、13.8mPa・sであった。
−共重合体5の合成−
PA;12.00g、MPC;18.0g、及びエタノール170.0gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.0gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながら、10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和率が100%になるように中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体5の水溶液とした。得られた共重合体5の水溶液の粘度は、25℃で、12.9mPa・sであった。
−共重合体6の合成−
PMA;4.0g、MPC;16.0g、及びエタノール380.0gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;4.0gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながら、10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和率が100%になるように中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体6の水溶液とした。得られた共重合体6の水溶液の粘度は、25℃で、4.3mPa・sであった。
−共重合体7の合成−
PMA;4.6g、MPC;41.4、及びエタノール154.0gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.0gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながら、10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和率が100%になるように中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体7の水溶液とした。得られた共重合体7の水溶液の粘度は、25℃で、30.0mPa・sであった。
−共重合体8の合成−
PMA;9.0g、MPC;6.0g、及びエタノール285.0gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;3.0gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながら、10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和率が100%になるように中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体8の水溶液とした。得られた共重合体8の水溶液の粘度は、25℃で、4.0mPa・sであった。
−共重合体9の合成−
PMA;27.6g、MPC;18.4g、及びエタノール154.0gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.0gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながら、10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和率が100%になるように中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体9の水溶液とした。得られた共重合体9の水溶液の粘度は、25℃で、28.7mPa・sであった。
−共重合体10の合成−
PMA;6.4g、MPC;25.6g、及びエタノール768.0gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;8.0gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながら、10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和率が100%になるように中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体10の水溶液とした。得られた共重合体10の水溶液の粘度は、25℃で、3.1mPa・sであった。
−共重合体11の合成−
PMA;5.0g、MPC;45.0g、及びエタノール150.0gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.0gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながら、10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和率が100%になるように中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体11の水溶液とした。得られた共重合体11の水溶液の粘度は、25℃で、33.5mPa・sであった。
−共重合体12の合成−
PMA;7.2g、MPC;4.8g、及びエタノール288.0gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;3.0gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながら、10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和率が100%になるように中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体12の水溶液とした。得られた共重合体12の水溶液の粘度は、25℃で、3.3mPa・sであった。
−共重合体13の合成−
PMA;30.0g、MPC;20.0g、及びエタノール150.0gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.0gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながら、10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和率が100%になるように中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体13の水溶液とした。得られた共重合体13の水溶液の粘度は、25℃で、34.1mPa・sであった。
−参考共重合体14の合成−
PMA;1.6g、MPC;30.4g、及びエタノール768.0gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;8.0gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながら、10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和率が100%になるように中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを参考共重合体14の水溶液とした。得られた参考共重合体14の水溶液の粘度は、25℃で、2.9mPa・sであった。
−参考共重合体15の合成−
PMA;2.5g、MPC;47.5g、及びエタノール150.0gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.0gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながら、10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和率が100%になるように中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを参考共重合体15の水溶液とした。得られた参考共重合体15の水溶液の粘度は、25℃で、32.7mPa・sであった。
−参考共重合体16の合成−
PMA;9.6g、MPC;2.4g、及びエタノール288.0gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;3.0gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながら、10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和率が100%になるように中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを参考共重合体16の水溶液とした。得られた参考共重合体16の水溶液の粘度は、25℃で、3.0mPa・sであった。
−参考共重合体17の合成−
PMA;40.0g、MPC;10.0g、及びエタノール150.0gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.0gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながら、10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和率が100%になるように中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを参考共重合体17の水溶液とした。得られた参考共重合体17の水溶液の粘度は、25℃、33.3mPa・sであった。
−共重合体18の合成−
PMA;12.00g、MPC;18.0g、及びエタノール170.0gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.0gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながら、10質量%に濃度調整したものをジメチルエタノールアミン(DMEA)で中和率が100%になるように中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体18の水溶液とした。得られた共重合体18の水溶液の粘度は、25℃で、14.1mPa・sであった。
−比較共重合体1の合成−
マレイン酸100g、スチレン100g、水500g、及び過硫酸アニモニウム15gを、4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、80℃〜90℃でAIBN;2gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながら、10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和率が100%になるように中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを比較共重合体1の水溶液とした。得られた比較共重合体1の水溶液の粘度は、25℃で、13.5mPa・sであった。
−比較共重合体2の合成−
比較合成例1におけるマレイン酸、及びスチレンを、PMA、及びスチレンとした以外は、比較共重合体1の合成と同様にして、比較共重合体2の水溶液を得た。得られた比較共重合体2の水溶液の粘度は、25℃で、14.4mPa・sであった。
−比較共重合体3の合成−
比較合成例1におけるマレイン酸、及びスチレンを、マレイン酸、及びMPCとした以外は、比較共重合体1の合成と同様にして、比較共重合体3の水溶液を得た。得られた比較共重合体3の水溶液の粘度は、25℃で、14.1mPa・sであった。
−比較共重合体4の合成−
PMA;12.0g、MPC;18.0g、及びエタノール170.0gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.0gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながら、10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和率が40%になるように中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを比較共重合体4の水溶液とした。得られた比較共重合体4の水溶液の粘度は、25℃で、7.8mPa・sであった。
*DMEA:ジメチルエタノールアミン
<顔料分散体1の調製>
下記処方(1)にて、下記カーボンブラック顔料、共重合体、及び純水の混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、KDL型、メディア:直径0.1mmのジルコニアボール使用)で周速10m/sで10分間循環分散して、ブラック顔料分散体を得た。
−処方(1)−
・カーボンブラック顔料(NIPEX150、エボニックデグサ社製、ガスブラック)・・・20質量部
・共重合体1の水溶液(固形分10.0質量%)・・・75質量部
・純水・・・5質量部
−顔料分散体2の調製−
顔料分散体の調製例1のカーボンブラック顔料を、ピグメントブルー15:3に代えた以外は、顔料分散体の調製例1と同様にして、顔料分散体2を得た。
−顔料分散体3の調製−
顔料分散体の調製例1のカーボンブラック顔料を、ピグメントレッド122に代えた以外は、顔料分散体の調製例1と同様にして、顔料分散体3を得た。
−顔料分散体4の調製−
顔料分散体の調製例1のカーボンブラック顔料を、ピグメントイエロー74に代えた以外は、顔料分散体の調製例1と同様にして、顔料分散体4を得た。
−顔料分散体5の調製−
顔料分散体の調製例1の共重合体1の水溶液を、共重合体2の水溶液に代えた以外は、顔料分散体の調製例1と同様にして、顔料分散体5を得た。
−顔料分散体6の調製−
顔料分散体の調製例1の共重合体1の水溶液を、共重合体3の水溶液に代えた以外は、顔料分散体の調製例1と同様にして、顔料分散体6を得た。
−顔料分散体7の調製−
顔料分散体の調製例1の共重合体1の水溶液を、共重合体4の水溶液に代えた以外は、顔料分散体の調製例1と同様にして、顔料分散体7を得た。
−顔料分散体8の調製−
顔料分散体の調製例1の共重合体1の水溶液を、共重合体5の水溶液に代えた以外は、顔料分散体の調製例1と同様にして、顔料分散体8を得た。
−顔料分散体9の調製−
顔料分散体の調製例9のカーボンブラック顔料を、ピグメントブルー15:3に代えた以外は、顔料分散体の調製例9と同様にして、顔料分散体9を得た。
−顔料分散体10の調製−
顔料分散体の調製例9のカーボンブラック顔料を、ピグメントレッド122に代えた以外は、顔料分散体の調製例9と同様にして、顔料分散体10を得た。
−顔料分散体11の調製−
顔料分散体の調製例9のカーボンブラック顔料を、ピグメントイエロー74に代えた以外は、顔料分散体の調製例9と同様にして、顔料分散体11を得た。
−顔料分散体12〜19及び24の調製−
顔料分散体の調製例1の共重合体1の水溶液を、共重合体6〜13及び18の水溶液に代えた以外は、顔料分散体の調製例1と同様にして、顔料分散体12〜19及び24を得た。
(参考顔料分散体の調製例20〜23)
−参考顔料分散体20〜23の調製−
顔料分散体の調製例1の共重合体1の水溶液を、参考共重合体14〜17の水溶液に代えた以外は、顔料分散体の調製例1と同様にして、参考顔料分散体20〜23を得た。
−比較顔料分散体1の合成−
顔料分散体の調製例1の共重合体1の水溶液を、比較共重合体1の水溶液に代えた以外は、顔料分散体の調製例1と同様にして、比較顔料分散体1を得た。
−比較顔料分散体2の合成−
顔料分散体の調製例3の共重合体1の水溶液を、比較共重合体1の水溶液に代えた以外は、顔料分散体の調製例3と同様にして、比較顔料分散体2を得た。
−比較顔料分散体3の合成−
顔料分散体の調製例4の共重合体1の水溶液を、比較共重合体1の水溶液に代えた以外は、顔料分散体の調製例4と同様にして、比較顔料分散体3を得た。
−比較顔料分散体4の合成−
顔料分散体の調製例5の共重合体1の水溶液を、比較共重合体1の水溶液に代えた以外は、顔料分散体の調製例5と同様にして、比較顔料分散体4を得た。
−比較顔料分散体5の合成−
顔料分散体の比較調製例1の比較共重合体1の水溶液を、比較共重合体2の水溶液に代えた以外は、顔料分散体の比較調製例1と同様にして、比較顔料分散体5を得た。
−比較顔料分散体6の合成−
顔料分散体の比較調製例1の比較共重合体1の水溶液を、比較共重合体3の水溶液に代えた以外は、比較調整例1と同様にして、比較顔料分散体6を得た。
−比較顔料分散体7の合成−
顔料分散体の比較調製例1の比較共重合体1の水溶液を、比較共重合体4の水溶液に代えた以外は、比較調整例1と同様にして、比較顔料分散体7を得た。
−インクジェット記録用インクの作製−
下記処方の材料を30分間混合攪拌し、インクジェット記録用インクを作製した。
・顔料分散体の調製例1の顔料分散体1(顔料濃度20質量%)・・・44.4質量部
・1,3−ブタンジオール・・・15.0質量部
・グリセリン・・・20.0質量部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール・・・1.0質量部
・2,2−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・1.0質量部
・ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル(FS−300、Dupont社製、成分40質量%)・・・2.5質量部
・純水・・・16.1質量部
−インクジェット記録用インクの作製−
下記処方の材料を30分間混合攪拌し、インクを作製した。
・顔料分散体の調製例1の顔料分散体1(顔料濃度20質量%)・・・44.4質量部
・1,3−ブタンジオール・・・15.0質量部
・グリセリン・・・20.0質量部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール・・・1.0質量部
・2,2−トリメチル−1,3−ペンタンジオール・・・1.0質量部
・ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル(FS−300、Dupont社製、成分40質量%)・・・2.5質量部
・アクリル−シリコーン樹脂エマルジョン(昭和高分子株式会社製、ポリゾールROY6312)・・・6.0質量部
・純水・・・10.1質量部
−インクジェット記録用インクの作製−
下記処方の材料を30分間混合攪拌し、インクジェット記録用インクを作製した。
・顔料分散体の調製例2の顔料分散体2(顔料濃度20質量%)・・・33.3質量部
・1,3−ブタンジオール・・・15.0質量部
・グリセリン・・・20.0質量部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール・・・2.0質量部
・ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル(FS−300、Dupont社製、成分40質量%)・・・2.5質量部
・純水・・・27.2質量部
−インクジェット記録用インクの作製−
下記処方の材料を30分間混合攪拌し、インクジェット記録用インクを作製した。
・顔料分散体の調製例3の顔料分散体3(顔料濃度20質量%)・・・33.3質量部
・1,3−ブタンジオール・・・15.0質量部
・グリセリン・・・20.0質量部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール・・・2.0質量部
・ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル(FS−300、Dupont社製、成分40質量%)・・・2.5質量部
・純水・・・27.2質量部
−インクジェット記録用インクの作製−
下記処方の材料を30分間混合攪拌し、インクジェット記録用インクを作製した。
・顔料分散体の調製例4の顔料分散体4(顔料濃度20質量%)・・・33.3質量部
・1,3−ブタンジオール・・・15.0質量部
・グリセリン・・・20.0質量部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール・・・2.0質量部
・ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル(FS−300、Dupont社製、成分40質量%)・・・2.5質量部
・純水・・・27.2質量部
−インクジェット記録用インクの作製−
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体5〜7に代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例6〜8のインクを作製した。
−インクジェット記録用インクの作製−
実施例1〜5において、顔料分散体1〜4を顔料分散体8〜11に代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例9〜13のインクを作製した。
−インクジェット記録用インクの作製−
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体12〜19及び24に代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例14〜21及び26のインクを作製した。
(参考例22〜25)
−インクジェット記録用インクの作製−
実施例1において、顔料分散体1を参考顔料分散体20〜23に代えた以外は、実施例1と同様にして、参考例22〜25のインクを作製した。
−インクジェット記録用インクの作製−
実施例1において、顔料分散体1を比較顔料分散体1に代えた以外は、実施例1と同様にして、比較例1のインクを作製した。
−インクジェット記録用インクの作製−
実施例3において、顔料分散体1を比較顔料分散体2に代えた以外は、実施例1と同様にして、比較例2のインクを作製した。
−インクジェット記録用インクの作製−
実施例4において、顔料分散体1を比較顔料分散体3に代えた以外は、実施例1と同様にして、比較例3のインクを作製した。
−インクジェット記録用インクの作製−
実施例5において、顔料分散体1を比較顔料分散体4に代えた以外は、実施例1と同様にして、比較例4のインクを得た。
−インクジェット記録用インクの作製−
実施例1において、顔料分散体1を比較顔料分散体5に代えた以外は、実施例1と同様にして、比較例5のインクを作製した。
−インクジェット記録用インクの作製−
実施例1において、顔料分散体1を比較顔料分散体6に代えた以外は、実施例1と同様にして、比較例6のインクを作製した。
−インクジェット記録用インクの作製−
実施例1において、顔料分散体1を比較顔料分散体7に代えた以外は、実施例1と同様にして、比較例7のインクを作製した。
23℃で50%RH環境下、インクジェットプリンター(株式会社リコー製、IPSiO GX5000)に作製した各インクを充填し、Microsoft Word2000(Microsoft社製)にて作成した64point文字「■」の記載のあるチャートをMyPaper(株式会社リコー製)に打ち出し、印字面の「■」部をX−Rite938にて測色して、画像濃度を評価した。このとき、印字モードは、プリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準はやい」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。なお、各色の画像濃度の判定は、以下の評価基準を基に行った。
〔評価基準〕
◎ :ブラック:1.25以上、
マゼンタ:1.00以上、
シアン:1.00以上、又は、
イエロー:0.85以上
○ :ブラック:1.2以上、
マゼンタ:0.95以上、
シアン :0.95以上、又は、
イエロー:0.8以上
○△ :ブラック:1.15以上、
マゼンタ:0.9以上、
シアン :0.9以上、又は、
イエロー:0.75以上
△ :ブラック:1.10以上、
マゼンタ:0.85以上、
シアン :0.85以上、又は、
イエロー:0.7以上
× :ブラック:1.10未満、
マゼンタ:0.85未満、
シアン :0.85未満、又は、
イエロー:0.70未満
各インクをインクカートリッジに充填して60℃で2週間保存し、保存前の粘度に対する保存後の粘度の変化率を下記基準により評価した。なお、インクの粘度は、東機産業株式会社製の粘度計RE80Lを使用し、25℃で測定した。
[評価基準]
◎:粘度の変化率が±3%未満
○:粘度の変化率が±3%以上±6%未満
○△:粘度の変化率が±6%以上±10%未満
△:粘度の変化率が±10%以上±20%未満
×:粘度の変化率が20%以上
吐出安定性については、印刷物を印刷した後、記録ヘッドにキャップした状態でインクジェットプリンターを50℃の環境下で1ヶ月放置した。放置後のプリンタの吐出状態が初期の吐出状態に回復するか否かを下記のクリーニング動作回数によって、下記評価基準に従い評価した。
[評価基準]
◎ :クリーニング無しで印刷できた。
○ :1〜3回の動作により回復した。
○△ :4〜5回の動作により回復した。
△ :6〜10回の動作により回復した。
× :10回以上の動作によっても回復がみられなかった。
実施例1〜21、26、及び参考例22〜25と比較例1〜7との比較で、本発明のインクジェット記録用インクは、画像濃度が高く、インクの保存安定性が同等以上であることがわかった。
更に、実施例同士の比較から以下のことがわかった。
実施例1、6と比較例7の比較から、前記一般式(1)で表される構造単位における中和塩による中和率が50%以上で効果が得られることがわかった。
実施例1と7との比較から、前記一般式(2)で表される構造単位のR2が、メチル基及び水素原子のいずれであっても同様の効果が得られることがわかった。
実施例1、8と26の比較から、前記一般式(1)で表される構造単位における中和塩の種類によらず同様の効果が得られることがわかった。
実施例1〜5と9〜13の比較から、前記一般式(1)で表される構造単位のR1が、メチル基及び水素原子のいずれであっても同様の効果があることがわかった。
実施例14〜17より、前記一般式(1)で表される構造単位と、前記一般式(2)で表される構造単位との比率を変えても同様の効果があることがわかった。
実施例1〜17、26と18〜21との比較から、リン酸基を含む共重合体の10質量%水溶液の粘度が、25℃で、4.0mPa・s〜30.0mPa・sであると、画像濃度及びインクの保存安定性のいずれにおいても優れていることがわかった。
実施例18〜21と参考例22〜25との比較から、前記一般式(1)で表される構造単位の比率が10質量%〜60質量%であると、画像濃度、及びインクの保存安定性のいずれにおいても優れていることがわかった。
実施例1〜5、9〜13から、顔料の色によらず効果があることがわかった。
実施例1と2、9と10から、インクの処方によらず効果があることがわかった。
<1> 水と、水溶性溶剤と、顔料と、リン酸基を含む共重合体とを含有してなり、
前記リン酸基を含む共重合体が、下記一般式(1)で表される構造単位と、下記一般式(2)で表される構造単位と、を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録用インクである。
<2> 前記リン酸基を含む共重合体における一般式(1)で表される構造単位の含有率が10質量%〜60質量%である前記<1>に記載のインクジェット記録用インクである。
<3> 前記リン酸基を含む共重合体の10質量%の水溶液の粘度が、25℃で、2.5mPa・s〜35.0mPa・sである前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクである。
<4> 前記リン酸基を含む共重合体が、下記一般式(3)で表されるモノマーと、下記一般式(4)で表されるモノマーと、を重合させてなる前記<1>から<3>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクである。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジである。
<6> 前記<1>から<4>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクに刺激を印加し、前記インクジェット記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法である。
<7> 前記<1>から<4>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクに刺激を印加し、前記インクジェット記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置である。
<8> 記録媒体上に、前記<1>から<4>のいずれかに記載のインクジェット記録用インクにより記録された画像を有してなることを特徴とするインク記録物である。
134 記録ヘッド
142 用紙
200 インクカートリッジ
Claims (8)
- 水と、水溶性溶剤と、顔料と、リン酸基を含む共重合体とを含有してなり、
前記リン酸基を含む共重合体が、下記一般式(1)で表される構造単位と、下記一般式(2)で表される構造単位と、を少なくとも含み、
前記リン酸基を含む共重合体における前記一般式(1)で表される構造単位の含有率が10質量%〜60質量%であり、
前記リン酸基を含む共重合体における前記一般式(2)で表される構造単位の含有率が20質量%〜90質量%であることを特徴とするインクジェット記録用インク。
- 前記リン酸基を含む共重合体における前記一般式(1)で表される構造単位の含有率が15質量%〜50質量%である請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
- 前記リン酸基を含む共重合体の10質量%の水溶液の粘度が、25℃で、2.5mPa・s〜35.0mPa・sである請求項1から2のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
- 前記リン酸基を含む共重合体が、下記一般式(3)で表されるモノマーと、下記一般式(4)で表されるモノマーと、を重合させてなる請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
- 請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジ。
- 請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録用インクに刺激を印加し、前記インクジェット記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
- 請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録用インクに刺激を印加し、前記インクジェット記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置。
- 記録媒体上に、請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録用インクにより記録された画像を有してなることを特徴とするインク記録物。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013051457A JP6043657B2 (ja) | 2013-03-14 | 2013-03-14 | インクジェット記録用インク、並びに該インクを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法及びインク記録物 |
US14/202,284 US9688871B2 (en) | 2013-03-14 | 2014-03-10 | Inkjet recording ink and ink cartridge using the ink, inkjet recording apparatus, inkjet recording method and ink recording matter |
CN201410097753.9A CN104046133B (zh) | 2013-03-14 | 2014-03-14 | 喷墨记录油墨以及使用该油墨的墨盒、喷墨记录装置、喷墨记录方法和油墨记录物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013051457A JP6043657B2 (ja) | 2013-03-14 | 2013-03-14 | インクジェット記録用インク、並びに該インクを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法及びインク記録物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014177527A JP2014177527A (ja) | 2014-09-25 |
JP6043657B2 true JP6043657B2 (ja) | 2016-12-14 |
Family
ID=51697824
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013051457A Expired - Fee Related JP6043657B2 (ja) | 2013-03-14 | 2013-03-14 | インクジェット記録用インク、並びに該インクを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法及びインク記録物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6043657B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015113449A (ja) * | 2013-12-16 | 2015-06-22 | 株式会社リコー | インクジェット記録用インク、インク収納容器、インクジェット記録装置、記録物の製造方法、記録物 |
JP6964344B2 (ja) | 2016-07-08 | 2021-11-10 | 国立大学法人 東京大学 | 表面処理剤、表面処理方法、表面処理基材、及び表面処理基材の製造方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4765176B2 (ja) * | 2001-02-23 | 2011-09-07 | 日油株式会社 | インクジェット用インク組成物 |
JP4333169B2 (ja) * | 2003-03-14 | 2009-09-16 | 東洋インキ製造株式会社 | インクジェットインキ |
JP5145631B2 (ja) * | 2005-09-09 | 2013-02-20 | Dic株式会社 | 水性顔料分散体及びインクジェット記録用水性インク |
JP2010209244A (ja) * | 2009-03-11 | 2010-09-24 | Canon Inc | 水性インク、インクカートリッジ、記録ユニット、記録画像形成方法及び記録装置 |
-
2013
- 2013-03-14 JP JP2013051457A patent/JP6043657B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014177527A (ja) | 2014-09-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6224990B2 (ja) | インクジェット記録用インク、並びに該インクを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録物の製造方法、インクジェット記録装置、およびインク記録物 | |
JP2015214674A (ja) | インクジェット記録用インク、インク収容容器、インクジェット記録装置、記録物 | |
JP6115110B2 (ja) | 顔料分散剤、顔料分散体、インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置 | |
JP6043659B2 (ja) | インクジェット記録用インク、並びに該インクを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法及びインク記録物 | |
JP2015108114A (ja) | インクジェット記録用インク、インク収容容器、インクジェット記録装置、記録物 | |
JP2015214672A (ja) | インクジェットインク及びその製造方法 | |
JP6032069B2 (ja) | インクジェット記録用インク、インク収容容器、インクジェット記録装置、記録物、及び該記録物の製造方法 | |
JP6255922B2 (ja) | インクジェット記録用インク、インクジェット記録用インクの製造方法、インク収容容器、インクジェット記録装置、記録物の製造方法及び記録物 | |
JP6032071B2 (ja) | インクジェット記録用インク、インク収容容器、インクジェット記録装置、記録物の製造方法、記録物 | |
JP6083263B2 (ja) | インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、記録方法、記録装置、記録物 | |
JP6225581B2 (ja) | インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、インク記録物 | |
JP6146700B2 (ja) | インクジェット記録用インク、インク収容容器、インクジェット記録装置、記録物の製造方法、及び記録物 | |
JP6279344B2 (ja) | インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録物の製造方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物 | |
JP6164483B2 (ja) | インクジェット記録用インク、並びに該インクを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録物の製造方法、インクジェット記録装置、およびインク記録物 | |
JP6044398B2 (ja) | インクジェット記録用インク | |
JP6043657B2 (ja) | インクジェット記録用インク、並びに該インクを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法及びインク記録物 | |
JP6043658B2 (ja) | インクジェット記録用インク、並びに該インクを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法及びインク記録物 | |
JP6044217B2 (ja) | インクジェット記録用インク、並びに該インクを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法およびインク記録物 | |
JP6255907B2 (ja) | インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、インク記録物 | |
JP6175352B2 (ja) | インクジェット記録用インク、インク収容容器、インクジェット記録装置、記録物の製造方法、記録物 | |
JP6289088B2 (ja) | インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、インク記録物 | |
JP6018000B2 (ja) | インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、インク記録物 | |
JP6197624B2 (ja) | インクジェット記録用インク、インク収納容器、インクジェット記録装置、記録物の製造方法、記録物 | |
JP2015113449A (ja) | インクジェット記録用インク、インク収納容器、インクジェット記録装置、記録物の製造方法、記録物 | |
JP6197634B2 (ja) | インクジェットインク及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20151216 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160817 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160823 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160927 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20161101 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20161114 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6043657 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |