JP2013224402A - インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置およびインク記録物 - Google Patents

インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置およびインク記録物 Download PDF

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Abstract

【課題】インクの保存安定性が良好で、普通紙で高い画像濃度が得られ、インクの吐出安定性が良好で、ノズル周辺にインク固着がないインクジェット記録用インク、これを用いたインクカートリッジ、記録装置、およびインク記録物を提供する。
【解決手段】水と、湿潤剤と、着色剤と、高分子微粒子とを少なくとも含有してなるインクジェット記録用インクであって、前記高分子微粒子が、スチレンまたは炭素数1乃至4のアルキル基を有するアクリル酸エステルと、炭素数1乃至4のジアルキルアミノエチルアクリレートモノマーと、下記一般式(3)[一般式(3)中、lは繰り返し単位の数を表し1〜100の整数を示す。]で表されるマクロモノマーとの共重合体から成ることを特徴とするインクジェット記録用インク。

【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置およびインク記録物に関する。
近年、画像形成方法として、他の記録方式に比べてプロセスが簡単でかつフルカラー化が容易であり、簡略な構成の装置であっても高解像度の画像が得られる利点があることから、インクジェット記録方式が普及してきた。
インクジェット記録方式は、熱により発生する泡や、ピエゾや静電等を利用して発生させた圧力で少量のインクを飛翔させ、紙などの記録媒体に付着させて素早く乾燥させること、あるいは記録媒体に浸透させることにより画像を形成する方式であり、パーソナルおよび産業用のプリンターや印刷まで用途が拡大してきている。
インクジェット記録装置には、着色剤として水溶性染料を使用した水系インクが主に用いられているが、前記染料インクは、耐候性および耐水性に劣るという欠点がある。このため、近年、水溶性染料に代えて顔料を使用する顔料インクの研究が進められている。しかし、前記顔料インクは、染料インクに比べて発色性やインクの吐出安定性、保存安定性がいまだ劣っている。
また、OA用プリンタの高画質化技術の向上に伴って、顔料インクにおいても記録媒体として普通紙でも染料インクと同等の画像濃度が要求されている。しかし、顔料インクは、記録媒体として普通紙を使用する場合、紙中へ浸透することにより紙表面の顔料濃度が低くなり、画像濃度が低くなるという問題が生じている。
また、近年特に産業用途としての需要が高まり、高速化印字化が望まれている。高速印字化に伴いラインヘッドを搭載したインクジェットプリンターも提案されてきている。高速印字化のために記録媒体に付着したインクの乾燥速度を早める為に、インクに浸透剤を添加して水を記録媒体中に浸透させることにより乾燥を早める手段がとられるが、この際水だけでなく顔料の記録媒体への浸透性も高くなってしまい、更に画像濃度が低下してしまうという現象が起こる。
画像濃度の向上については、様々な手法が提案されている。例えば、特許文献1に、インクの水分蒸発に伴う粘度上昇率(mPa・s/%)が、全インク重量に対する水分蒸発量が30重量%までは5.0以下であり、かつ、水分蒸発量が30〜45重量%の間に粘度上昇率が50を超える点を持つように構成されたインクが提案されている。
この提案のインクによると、普通紙上にインクが着弾して水分が蒸発すると急激に増粘するため高速で印字しても顔料の紙中への浸透が抑制され、高い画像濃度を示すとされている。しかし、この提案のインクは水分が蒸発すると急激に増粘するため、インクジェット記録装置内、特にノズル中で水分の蒸発が起こると増粘によってインクの吐出安定性が低下したり、ノズル周辺にインクが固着したりする問題があった。
また、特許文献2に、プロトン濃度が酸性側になると膨潤により粘性が高くなる高分子ゲル微小球を含有するインクが提案されている。すなわち、保存状態及び記録装置内では、アルカリ性側のプロトン濃度に調整されており、普通紙上に着弾すると記録媒体である普通紙からのプロトン供与により酸性側にプロトン濃度が変化し高分子ゲル微小球の粘性が高くなり、顔料が紙中へ浸透するのを抑制するとされている。この提案によると、インクジェット記録装置のノズル中で水分が蒸発しても増粘がなくインクの吐出安定性の低下は起こらない。しかしながら、画像濃度についてはまだ十分ではなく更なる改善が必要であった。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し以下の目的を達成することを課題とする。
すなわち、本発明は、インクの保存安定性が良好で、普通紙で高い画像濃度が得られ、記録ヘッドからのインクの吐出安定性が良好で、ノズル周辺にインク固着がないインクジェット記録用インクを提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の構造単位を有する疎水性モノマーと、特定の構造単位を有するpH感受性モノマーと、特定の構造単位を有する親水性マクロモノマーとの共重合体から成る高分子微粒子をインクジェット記録用インクの組成分として用いることにより、インクジェット記録用インクが普通紙などの記録媒体上に着弾した際にpHの変化(酸性側へ変化)に応答して高分子微粒子の粒子径が大きくなり、インクの紙中への浸透が抑制されて高い画像濃度を得ることができることを見出し本発明に至った。
すなわち、上記課題は、水と、湿潤剤と、着色剤と、高分子微粒子とを少なくとも含有してなるインクジェット記録用インクであって、前記高分子微粒子が、下記式(1)または下記一般式(4)で表されるモノマーと、下記一般式(2)で表されるモノマーと、下記一般式(3)で表されるマクロモノマーとの共重合体から成ることを特徴とするインクジェット記録用インクにより解決される。
[一般式(4)中、R1は炭素数1乃至4のアルキル基を示す。]
[一般式(2)中、Rは炭素数1乃至4のアルキル基を示す。]
[一般式(3)中、lは繰り返し単位の数を表し1〜100の整数を示す。]
本発明のインクジェット記録用インクは、前記式(1)または前記一般式(4)で表されるモノマーと、前記一般式(2)で表されるモノマーと、前記一般式(3)で表されるマクロモノマーとの共重合体から成る高分子微粒子を含有するため、インクジェット記録用インクが普通紙などの記録媒体上に着弾した際にpHの変化(pH値の低下:酸性側へ変化)に応答して高分子微粒子の粒子径が大きくなり、インクの紙中への浸透が抑制されて高い画像濃度を得ることができる。また、インクの保存安定性が良好で、記録ヘッドからのインクの吐出安定性も良好であり、ノズル周辺にインクの固着(ノズル固着性)なども生じない。
本発明のインクジェット記録用インクに用いる高分子微粒子の生成工程を説明するための模式図である。 本発明のインクカートリッジの一例を説明するための概略平面図である。 図2に示す本発明のインクカートリッジのケース(外装)を含めた概略平面図である。 本発明のシリアル型インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。 図4に示すインクジェット記録装置における一部拡大断面図である。 図4に示すインクジェット記録装置における他の一部拡大断面図である。 一般式(1)で表されるモノマーを用いた実施例における合成例1、2、比較合成例1、2におけるpHと平均粒子径との関係を示す図である。 一般式(4)で表されるモノマーを用いた実施例における合成例A1、A2、A3、A4、A5、比較合成例A1、A2、A3におけるpHと平均粒子径との関係を示す図である。
前述のように本発明におけるインクジェット記録用インクは、水と、湿潤剤と、着色剤と、高分子微粒子とを少なくとも含有してなるインクジェット記録用インクであって、
前記高分子微粒子が、下記式(1)または下記一般式(4)で表されるモノマーと、下記一般式(2)で表されるモノマーと、下記一般式(3)で表されるマクロモノマーとの共重合体から成ることを特徴とするものである。
[一般式(4)中、R1は炭素数1乃至4のアルキル基を示す。]
[一般式(2)中、Rは炭素数1乃至4のアルキル基を示す。]
[一般式(3)中、lは繰り返し単位の数を表し1〜100の整数を示す。]
ただし、一般式(3)中の繰り返し単位(l)は、好ましくは1〜50である。
また、前記一般式(2)中のRは炭素数1乃至4の低級アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基)が好ましく、より好ましくはメチル基またはエチル基である。
本発明において、前記(1)または前記一般式(4)で表されるモノマーを「疎水性モノマー」、前記一般式(2)で表されるモノマーを「pH感受性モノマー」、前記一般式(3)で表されるマクロモノマーを「親水性マクロモノマー」と称することがある。また、高分子微粒子を「pH応答性高分子微粒子」と称することがある。
すなわち、本発明のインクジェット記録用インクは、水と、湿潤剤と、着色剤と、pH応答性高分子微粒子とを少なくとも含有し、該pH応答性高分子微粒子は、前記式(1)または前記一般式(4)で表される構造単位(疎水性モノマー)と、前記一般式(2)で表される構造単位(pH感受性モノマー)と、前記一般式(3)で表される構造単位(親水性マクロモノマー)との共重合体から成ることを特徴とする。
なお、疎水性モノマーとして、前記式(1)で表されるモノマーと前記一般式(4)表されるモノマーの両方を用いてもよい。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
<インクジェット記録用インク>
本実施形態のインクジェット記録用インク(以下、「インク」と称することがある。)は、水、湿潤剤、着色剤および高分子微粒子を少なくとも含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有して成る。前述のように、本発明のインクジェット記録用インクは、高分子微粒子が普通紙などの記録媒体上に着弾した際に粒子径が大きくなり、インクの紙中への浸透が抑制されて高い画像濃度を得ることができる。
以下、本発明のインクジェット記録用インクを構成する組成分について更に詳しく説明する。
(水)
本発明で使用される水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水を用いることができる。
水の含有量は、インク総量に対して20〜60重量%が好ましい。
(高分子微粒子)
本発明で使用される高分子微粒子は、インクジェット記録用インクが普通紙などの記録媒体上に着弾した際にpHの変化(酸性側へ変化)に応答して高分子微粒子の粒子径が大きくなる特性を有するものである。この機能により、インクが紙中に浸透するのが抑制されて高い画像濃度を得ることができる。
本発明のインク組成分として用いられる前記式(1)または前記一般式(4)で表される疎水性モノマーと、前記一般式(2)で表されるpH感受性モノマーと、前記一般式(3)で表される親水性マクロモノマーとの共重合体から成る高分子微粒子の生成工程を図1の模式図に示す。
図1の模式図を参照して高分子微粒子の生成工程を説明する。
図1は、疎水性モノマーであるスチレン[式(1)]、pH感受性モノマーであるジメチルアミノエチルメタクリレート[式(2)]とメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライドから合成した末端にラジカル重合性基を有するカチオン性の親水性マクロモノマー[式(3)]を原料に使用した場合を例としたものである。
末端にラジカル重合性基を有するカチオン性の親水性マクロモノマー(図中、1)はメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド単位(図中、1a)とビニルベンジル基(図中、1b)とから成る。
先ず、上記カチオン性の親水性マクロモノマー(1)と、スチレンモノマー(図中、2)とジメチルアミノエチルメタクリレート(図中、3)とを混合し(図中、工程A)、スチレンモノマーおよびジメチルアミノエチルメタクリレートを重合させると、スチレンモノマーとジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合(図中、工程B)が部分的に起こるが、ビニルベンジル基(1b)との共重合(図中、工程C)が同時に起こる。共重合の結果、あたかもスチレンとジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体に上記カチオン性マクロモノマーがグラフト化したかのような構造を有する高分子が得られる。反応は極性媒体中で行われるので、疎水性のスチレン単位は内側に、上記カチオン性マクロモノマー(1)は外側に選択的に集積(局在)する(図中、工程D)。このようにして重合が完了すると、スチレン/ジメチルアミノエチルメタクリレート単位のコア部(図中、4)の表面にカチオン性高分子鎖(図中、5)が位置する高分子微粒子(図中、6)が得られる((図中、工程E)。
このように、本発明で使用される高分子微粒子は、疎水性モノマーと、pH感受性モノマーと、親水性マクロモノマーとを共重合することで、疎水性高分子とpH感受性高分子が高分子微粒子のコアとなり、その高分子微粒子コアの表面に親水性マクロモノマーの高分子鎖が局在する構造を有する。
一般的に普通紙の紙面pHは4〜7であるので、インクジェット記録用インクが普通紙上に着弾した際にプロトンを供与されてインクが酸性側となる。したがって、上記構造をもつ高分子微粒子は保存状態や記録装置内のインク中では分散状態であるが、普通紙上に着弾後はインクのpHが酸性側へ変化することで高分子微粒子のコア部分のpH感受性高分子により疎水性高分子が親水性を帯びることで、コア部分が膨潤し粒子径が大きくなると考える。
すなわち、普通紙上に着弾したインクジェット記録用インクは、pHの変化(pH値の低下:酸性側へ変化)に応答して、高分子微粒子の粒子径が大きくなることによって紙表面に留まり、紙表面の着色剤濃度が高くなり画像濃度が高くなる。
本発明の高分子微粒子を構成する前記式(1)または前記一般式(4)で表される構造単位(疎水性モノマー)、前記一般式(2)で表される構造単位(pH感受性モノマー)、前記一般式(3)で表される構造単位(親水性マクロモノマー)の比率は特に制限されないが、pH応答性の観点から、前記式(1)または前記一般式(4)で表される構造単位と、前記一般式(2)で表される構造単位と、前記一般式(3)で表される構造単位のうち当該高分子微粒子の表面に局在する高分子鎖を構成する繰り返し単位との比率が1/0.1〜5/0.1〜5の範囲が好ましく、1/0.5〜3/0.5〜3がより好ましい。
本発明に用いられる高分子微粒子は、インク総量に対し、固形分として0.05〜2.0重量%の添加が好ましい。0.05重量%未満だと十分なpH応答による粒子径の増大が得られないことがあり、インクが記録媒体に浸透してしまうことがあり、2.0重量%を超えると高分子微粒子同士が凝集することがあり、インクの粘度が高くなりインクジェット記録装置で吐出可能なインクの粘度とするのが困難になる。
本発明の高分子微粒子の体積平均粒子径(D50)は、pH8.5以上で10〜300nmであることが好ましい。前記体積平均粒径が10nm未満であると、高分子微粒子そのものの粘度が高くなりすぎるため、インクジェット記録装置で吐出可能なインクの粘度とするのが困難になる。前記体積平均粒径が300nmを超えると、インクジェット記録装置のノズル内で粒子が詰まり、吐出不良となることがある。
本発明によるpH応答性高分子微粒子の粒子径[体積平均粒子径(D50)]は動的光散乱法(Malvern製:ゼータサイザーナノZS)により測定したものである。
(湿潤剤)
本発明で使用される湿潤剤は、インク組成物において、保湿効果の付与による吐出安定化の向上に必要である。含有量は、インク総量に対して10〜50重量%が好ましい。前記含有量が10重量%未満であると、インクが水分蒸発し易くなり、インクジェット記録装置内のインク供給系でインクの水分蒸発により増粘インク詰まり等が生じることがある。前記含有量が50重量%より多いと、インクジェット記録装置内では増粘インク詰まりは発生しにくくなるが、インクを所望の粘度にするために顔料や樹脂等の固形分の減量が必要なことがあり、その場合記録物の画像濃度が低下することがある。
本発明で用いられる湿潤剤としては、以下のものが例示されるが、これらに限定されるものではない。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブチルグリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネイト、炭酸エチレン等である。
これらの湿潤剤は、単独または2種類以上混合して使用することができる。上記の中でも、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、トリエチレングリコールおよび/またはグリセリンを含むことが水分蒸発による吐出不良を防止する上で優れた効果が得られる。
(着色剤)
本発明で用いられる顔料の前記記録用インクにおける含有量は、0.1重量%以上、20.0重量%以下が好ましい。顔料の体積平均粒子径(D50)は、150nm以下が好ましい。
ここで、前記顔料の体積平均粒子径(D50)は、23℃、55%RHの環境下において、日機装株式会社製マイクロトラックUPAで動的光散乱法により測定したものである。
これらの顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機顔料、および有機顔料のいずれであってもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが好ましい。なお、前記カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、アゾメチン顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。
前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、ローダミンBレーキ顔料、などが挙げられる。前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。
黒色用のものとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料、などが挙げられる。
前記カーボンブラックとしては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、一次粒径が、15nm〜40nm、BET法による比表面積が、50m/g〜300m/g、DBP吸油量が40ml/100g〜150ml/100g、揮発分が0.5%〜10%、pH値が2〜9を有するものが好ましい。
前記カーボンブラックとして市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、No.2300、No.900、MCF−88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B(いずれも、三菱化学株式会社製);Raven700、同5750、同5250、同5000、同3500、同1255(いずれも、コロンビア社製);Regal400R、同330R、同660R、Mogul L、Monarch700、同800、同880、同900、同1000、同1100、同1300、Monarch1400(いずれも、キャボット社製);カラーブラックFW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、同S150、同S160、同S170、プリンテックス35、同U、同V、同140U、同140V、スペシャルブラック6、同5、同4A、同4(いずれも、デグッサ社製)などが挙げられる。
前記カラー用のものでイエローインクに使用できる顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー2、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー75、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー180、などが挙げられる。
前記カラー用のものでマゼンタインクに使用できる顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド48(Ca)、C.I.ピグメントレッド48(Mn)、C.I.ピグメントレッド57(Ca)、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202、ピグメントバイオレット19、などが挙げられる。
前記カラー用のものでシアンインクに使用できる顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー3、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:34、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー63、C.I.ピグメントブルー66;C.I.バットブルー4、C.I.バットブルー60、などが挙げられる。
また、本発明で使用する各インクに含有される顔料は、本発明のために新たに製造されたものでも使用可能である。
なお、イエロー顔料として、ピグメントイエロー74、マゼンタ顔料として、ピグメントレッド122、ピグメントバイオレッド19、シアン顔料として、ピグメントブルー15:3を用いることにより、色調、耐光性が優れ、バランスの取れたインクを得ることができる。
(その他の成分)
本発明のインクジェット記録用インクの組成分に用いられるその他の成分としては特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができる。その他の成分としては、例えば、分散剤、浸透剤、pH調整剤、水分散性樹脂、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
(分散剤)
前記分散剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等の種々の界面活性剤や高分子型の分散剤が挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン塩酸、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、2−ビニルピリジン誘導体、ポリ−4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアリルキルアルキルエーテル等のエーテル系界面活性剤;
ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系界面活性剤;
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール系界面活性剤等が例示される。
(浸透剤)
前記浸透剤としては、炭素数8〜11のポリオール化合物および炭素数8〜11のグリコールエーテル化合物のいずれかを含有することが好ましい。
前記浸透剤は、前記湿潤剤とは別なものであり、前記湿潤剤よりも湿潤性が比較的少ないので、「非湿潤剤性である媒質」ということができる。これら非湿潤剤性である浸透剤は、25℃の水中において0.2〜5.0重量%の間の溶解度を有するものが好ましい。
これらの中でも、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール[溶解度:4.2重量%(25℃)]、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール[溶解度:2.0重量%(25℃)]が特に好ましい。
その他のポリオール化合物として、脂肪族ジオールとしては、例えば、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオールなどが挙げられる。
その他の併用できる浸透剤としては、インク中に溶解し、所望の物性に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、エタノール等の低級アルコール類、などが挙げられる。
前記浸透剤の前記インクジェット用インクにおける含有量は、0.1〜4.0重量%が好ましい。前記含有量が、0.1重量%未満であると、速乾性が得られず滲んだ画像となることがあり、4.0重量%を超えると、着色剤の分散安定性が損なわれ、ノズルが目詰まりしやすくなったり、また記録用メディア(記録媒体)への浸透性が必要以上に高くなり、画像濃度の低下や裏抜けが発生することがある。
(pH調整剤)
前記pH調整剤としては、調合されるインクジェット用インクに悪影響を及ぼさずにpHを8.5〜11、好ましくはpHを9〜11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。前記pHが8.5未満および11を超えるとインクジェットのヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。8.5未満の時には、インク保管中にインクpHが低下して高分子微粒子が粒子径の増大により凝集することがある。
前記pHは、例えば、pHメータHM-30R(TOA-DKK社製)により測定することができる。
前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール等が挙げられる。前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
(水分散性樹脂)
前記水分散性樹脂としては、造膜性(画像形成性)に優れ、かつ高撥水性、高耐水性、高耐候性を備えて、高耐水性で高画像濃度(高発色性)の画像記録に有用である。
前記水分散性樹脂の具体例としては、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物などが挙げられる。
前記縮合系合成樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、アクリル−シリコーン樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。前記付加系合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂などが挙げられる。前記天然高分子化合物としては、例えば、セルロース類、ロジン類、天然ゴムなどが挙げられる。
この中でも、特にポリウレタン樹脂微粒子、アクリル−シリコーン樹脂微粒子およびフッ素系樹脂微粒子が好ましい。
前記水分散性樹脂の体積平均粒子径(D50)は、分散液の粘度と関係しており、組成が同じものでは粒径が小さくなるほど同一固形分での粘度が大きくなる。インクが過剰な高粘度にならないためにも水分散性樹脂の体積平均粒子径(D50)は50nm以上であることが好ましい。また、粒径が数十μmになるとインクジェットヘッドのノズル口より大きくなるため使用できない。ノズル口より小さくとも粒子径の大きな粒子がインク中に存在すると吐出安定性を悪化させる。そこで、インク吐出安定性を阻害させないために体積平均粒子径(D50)は200nm以下がより好ましい。
ここで、前記水分散性樹脂の体積平均粒子径(D50)は、23℃、55%RHの環境下において、日機装株式会社製マイクロトラックUPAで動的光散乱法により測定したものである。
また、前記水分散性樹脂は、前記水分散着色剤を紙面に定着させる働きを有し、常温で被膜化して色材の定着性を向上させることが好ましい。そのため、前記水分散性樹脂の最低造膜温度(MFT)は30℃以下であることが好ましい。
また、前記水分散性樹脂のガラス転移温度が−40℃以下になると樹脂皮膜の粘稠性が強くなり印字物にタックが生じるため、ガラス転移温度が−30℃以上の水分散性樹脂であることが好ましい。前記水分散性樹脂の前記インクジェット用インクにおける含有量は、固形分で1〜15重量%が好ましく、2〜7重量%がより好ましい。
(防腐防黴剤)
前記防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
(キレート試薬)
前記キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
(防錆剤)
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
(酸化防止剤)
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、などが挙げられる。
(紫外線吸収剤)
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
(インクジェット用インク製造方法)
本実施形態のインクジェット用インクは、水、湿潤剤、着色剤、及び、高分子微粒子(pH値の低下に伴って粒子径が大きくなる微粒子)、更に必要に応じて他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。
前記分散は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
本発明のインクジェット用インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力等が以下の範囲であることが好ましい。
前記インクジェット用インクの25℃での粘度は3mPa・s〜20mPa・sが好ましい。前記インク粘度が3mPa・s以上とすることによって、印字濃度や文字品位を向上させる効果が得られる。一方、インク粘度を20mPa・s以下に抑えることで、吐出性を確保することができる。
前記粘度は、例えば、粘度計(RL−550、東機産業株式会社製)を使用して、25℃で測定することができる。
前記インクジェット用インクの表面張力としては、25℃で、40mN/m以下が好ましい。前記表面張力が、40mN/mを超えると、記録用メディア上のインクのレベリングが起こり難く、乾燥時間の長時間化を招くことがある。
(インクカートリッジ)
本発明のインクカートリッジは、本発明のインクジェット記録用インクを容器中に収容するものであり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材を構成することもできる。
前記容器としては、その形状、構造、大きさ、材質に特に制限無く、目的に応じて適宜選択できる。例として、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルムなどで形成されたインク袋を少なくとも有するものなどが好適に挙げられる。
本発明のインクカートリッジの一態様について、図2および図3を参照して説明する。図2は本発明のインクカートリッジの一例を説明するための概略平面図である。図3は図2のインクカートリッジのケース(外装)を含めた概略平面図である。
インクカートリッジ200は、図2に示すように、インク注入口242からインク袋241内に充填され、排気した後、該インク注入口242は融着により閉じられる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に装置本体の針を刺して装置に供給される。インク袋241は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋241は、図3に示すように、通常、プラスチックス製のカートリッジケース244内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
また、本発明のインクジェット記録用インクを容器中に収容してインクカートリッジとすれば、インクジェット記録装置に配備されるインクカートリッジ装填部への着脱が容易で、かつ長期間安定したインク供給が可能となる。
(インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法)
本発明のインクジェット記録装置は、インク飛翔手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば刺激発生手段、制御手段等を有してなる。
本発明のインクジェット記録方法は、インク飛翔工程を少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば刺激発生工程、制御工程等を含む。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録装置により好適に実施することができ、前記インク飛翔工程は前記インク飛翔手段により好適に行うことができる。また、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
前記インク飛翔工程は、前記本発明のインクジェット用インクに、刺激を印加し、該インクジェット用インクを飛翔させて画像を形成する工程である。
前記インク飛翔手段は、前記本発明のインクジェット用インクに、刺激を印加し、該インクジェット用インクを飛翔させて画像を形成する手段である。該インク飛翔手段としては、特に制限はなく、例えば、インク吐出用の各種のノズル、などが挙げられる。
前記インク飛翔手段を用いることにより、前記本発明のインクジェット用インクに、刺激を印加し、記録ヘッドから該インクジェット用インクを飛翔させて記録媒体に画像を記録すれば、インク吐出不良がなく、安定したインク吐出特性によって高い濃度の画像形成が実現できる。
前記刺激は、例えば、前記刺激発生手段により発生させることができ、該刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動、光、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。なお、前記刺激発生手段としては、例えば、過熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライトなどが挙げられる。具体的には、圧電素子などの圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ、などが挙げられる。
前記インクの飛翔の態様としては、特に制限はなく、前記刺激の種類等に応じて異なり、例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内の前記インクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを例えばサーマルヘッド等を用いて付与し、該熱エネルギーにより前記インクに気泡を発生させ、該気泡の圧力により、該記録ヘッドのノズル孔から該インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。また、前記刺激が「圧力」の場合、例えば記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子が撓み、圧力室の容積が縮小して、前記記録ヘッドのノズル孔から該インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。
なお、前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
ここで、本発明のインクジェット記録装置により本発明のインクジェット記録方法を実施する一の態様について、図面を参照しながら説明する。
図4は、本発明のシリアル型インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。
図4に示すインクジェット記録装置は、装置本体101と、装置本体101に装着した用紙を装填するための給紙トレイ102と、装置本体101に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ103と、装置本体101の前面112の一端部側には、前面112から前方側に突き出し、上カバー111よりも低くなったインクカートリッジ装填部104とを有する。インクカートリッジ装填部104の上面には、操作キーや表示器などの操作部105が配置されている。インクカートリッジ装填部104は、インクカートリッジ200の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。
装置本体101内には、図5および図6(図4に示すインクジェット記録装置における一部拡大断面図)に示すように、図示を省略している左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド131とステー132とでキャリッジ133を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ(不図示)によって図6に示すように矢示方向に移動走査する。
キャリッジ133には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド134を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド134を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135を搭載している。サブタンク135には、図示しないインク供給チューブを介して、インクカートリッジ装填部104に装填された本発明のインクカートリッジ200から前記インクが供給されて補充される。
一方、給紙トレイ103の用紙積載部(圧板)141上に積載した用紙142を給紙するための給紙部として、用紙積載部141から用紙142を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ143)、及び給紙コロ143に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備え、この分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。
この給紙部から給紙された用紙142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、用紙142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる用紙142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ152と、略鉛直上方に送られる用紙142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とが備えられる。
また、搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156が備えられている。搬送ベルト151は、無端状ベルトであり、搬送ローラ157とテンションローラ158との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。この搬送ベルト151は、例えば、抵抗制御を行っていない厚さ40μm程度の樹脂材、例えば、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。搬送ベルト151の裏側には、記録ヘッド134による印写領域に対応してガイド部材161が配置されている。
なお、記録ヘッド134で記録された用紙142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から用紙142を分離するための分離爪171と、排紙ローラ172及び排紙コロ173とが備えられており、排紙ローラ172の下方に排紙トレイ103が配されている。
装置本体101の背面部には、両面給紙ユニット181が着脱自在に装着されている。
両面給紙ユニット181は、搬送ベルト151の逆方向回転で戻される用紙142を取り込んで反転させて再度カウンタローラ152と搬送ベルト151との間に給紙する。なお、両面給紙ユニット181の上面には手差し給紙部182が設けられている。
このインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙142は、ガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンタローラ152との間に挟まれて搬送される。更に先端を搬送ガイド153で案内されて先端加圧コロ155で搬送ベルト151に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。このとき、帯電ローラ156によって搬送ベルト157が帯電されており、用紙142は、搬送ベルト151に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド134を駆動することにより、停止している用紙142にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙142を所定量搬送後、次行の記録を行う。
記録終了信号又は用紙142の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙142を排紙トレイ103に排紙する。そして、サブタンク135内のインクの残量ニアーエンドが検知されると、インクカートリッジ200から所要量のインクがサブタンク135に補給される。
このインクジェット記録装置においては、本発明のインクカートリッジ201中のインクを使い切ったときには、インクカートリッジ200における筐体を分解して内部のインク袋だけを交換することができる。また、インクカートリッジ200は、縦置きで前面装填構成としても、安定したインクの供給を行うことができる。したがって、装置本体101の上方が塞がって設置されているような場合、例えば、ラック内に収納する場合したり、あるいは装置本体101の上面に物が置かれているような場合でも、インクカートリッジ200の交換を容易に行うことができる。
なお、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
本発明のインクジェット記録装置は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。
(インク記録物)
本発明のインクジェット記録方法により記録されたインク記録物は、本発明のインク記録物である。すなわち、本発明のインク記録物は、本発明のインクジェット記録用インクにより記録された画像を記録媒体(記録メディア)上に有してなる。
前記記録メディアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、普通紙、印刷用塗工紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、普通紙および印刷用塗工紙の少なくともいずれかが好ましい。前記普通紙は安価である点で有利である。また、前記印刷用塗工紙は光沢紙に比べ比較的安価でしかも平滑な光沢ある画像を与える点で有利である。しかし、乾燥性が悪く一般にインクジェット用には使用困難であったが、本発明のインクにより乾燥性が向上し使用可能となった。
本発明のインク記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、例中で用いられた%は重量基準である。
<顔料分散体の調整例>
(調整例1):ブラック顔料分散液(ブラック分散体)
下記処方(1)にて、下記カーボンブラック顔料、分散剤および純水の混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社KDL型、メディア:直径0.1mmのジルコニアボール使用)で周速10m/sで10分間循環分散してブラック顔料分散液を得た。
処方(1)
・カーボンブラック顔料(調整例1のカーボンブラック)・・・15重量%
・分散剤(ナフタレンスルフォン酸ナトリウムホルマリン縮合物(竹本油脂社製、A−45−PN)・・・3重量%
・純水・・・82重量%
(調整例2):シアン顔料分散液(シアン分散体)
上記調整例1のカーボンブラック顔料をピグメントブルー15:3に変更したほかは調整例1と同様にしてシアン顔料分散液を得た。
(調整例3):マゼンタ顔料分散液(マゼンタ分散体)
上記調整例1のカーボンブラック顔料をピグメントレッド122に変更したほかは調整例1と同様にしてマゼンタ顔料分散液を得た。
(調整例4):イエロー顔料分散液(イエロー分散体)
上記調整例1のカーボンブラック顔料をピグメントイエロー74に変更したほかは調整例1と同様にしてイエロー顔料分散液を得た。
<pH応答性高分子微粒子の合成例>
以下に、本発明に用いる高分子微粒子の合成例を示す。なお、合成例におけるポリマーの重量平均分子量は、以下の方法に従って測定した。
カラム恒温槽には島津製作所製CTO−20A、検出器には島津製作所製RID−10A、溶離液流路ポンプには島津製作所製LC−20AD、デガッサには島津製作所製DGU−20A、オートサンプラーには島津製作所製SIL−20Aを用いてGPC法によって測定した。カラムは東ソー製の水系SECカラムTSKgelG3000PWXL(排除限界分子量2×10)とTSKgelG5000PWXL(排除限界分子量2.5×10)とTSKgelG6000PWXL(排除限界分子量5×10)を接続したものを用いた。サンプルは溶離液で2g/100mlの濃度に調製し、測定に用いた。溶離液には酢酸、酢酸ナトリウム各々0.5モル/リットルに調整した水溶液を使用した。カラム温度は40℃で、流速は1.0ml/分で実施した。標準サンプルとして分子量1065、5050、24000、50000、107000、140000、250000、540000、920000の9種のポリエチレングリコールを用いて較正曲線を求め、その較正曲線を基に、ポリマーの重量平均分子量を求めた。
本発明によるpH応答性高分子微粒子の粒子径は動的光散乱法(Malvern製:ゼータサイザーナノZS)により測定した。粒子径は体積平均粒子径(D50)を示す。
本発明によるpH応答性高分子微粒子の粒子径の測定時のpH調整は、0.2%分散液を塩酸又は水酸化ナトリウムでpH調整した。
[1]親水性マクロモノマー[一般式(3)]
〔1〕メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド高分子の合成
攪拌装置、還流冷却機、滴下ロート2個、窒素ガス導入管および温度計を備えた反応容器中に、水463.5gを仕込み、加熱して温度を80℃まで昇温した。窒素気流下、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライドの80重量%水溶液500g(1.93モル)とメルカプト酢酸20.3g(0.22モル)の混合溶液および過硫酸カリウムの5重量%水溶液16.2g(0.003モル)を、同時に2時間かけて滴下した。
滴下終了後、80℃にて3時間保ち、末端にカルボキシル基を有するメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド高分子溶液(固形分濃度42.1重量%)を得た。反応終了後、アセトンで再沈殿を数回行ってメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド高分子を精製した。得られた重合物のGPC(液体クロマトグラフィー)より求めた重量平均分子量は12,000、数平均分子量は6,000であった。
〔2〕メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド高分子末端へのラジカル重合性基の導入
次に、攪拌装置、還流冷却機及び温度計を備えた反応容器中に、上記メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド高分子溶液(固形分濃度42.8%)700.0g[メルカプト酢酸単位として0.15モル(前仕込みより求めた)]を仕込み、エタノール280.0gを加え、水酸化ナトリウムの48重量%水溶液16.7g(0.20モル)、テトラブチルアンモニウムブロミド13.0g(0.04モル)、およびp−クロロメチルスチレン30.2g(0.20モル)を加えて30℃で72時間反応させ、末端ビニルベンジル基含有メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド高分子溶液(固形分濃度32.8重量%)を得た。反応終了後、アセトンで再沈殿を行って末端ビニルベンジル基含有メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド高分子[一般式(3)で示される親水性マクロモノマー]を精製した。
H−NMR測定の結果、末端へのビニルベンジル基導入率はほぼ100%であることが分かった。また、GPC(液体クロマトグラフィー)により測定した末端ビニルベンジル基含有メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド高分子の数平均分子量は6,100であった。
下記[2]及び[3]にpH応答性高分子微粒子の合成例を示す。[2]は、前記一般式(1)で表されるモノマーを用いた高分子微粒子の実施例を示し、[3]は、前記一般式(4)で表されるモノマーを用いた高分子微粒子の実施例を示す。
[2]pH応答性高分子微粒子の合成(前記一般式(1)で表されるモノマーを用いた場合)
(合成例1)pH応答性高分子微粒子Aの合成
−メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド高分子鎖が表面に局在した高分子微粒子の合成−
次いで、攪拌装置、還流冷却機、窒素ガス導入管及び温度計を備えた反応容器中に、上記末端ビニルベンジル基含有メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド高分子溶液247.6g[メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド繰返し単位として0.32モル(前仕込みより求めた)]、ジメチルアミノエチルメタクリレート100.4g(0.64モル)、スチレン33.3g(0.32モル)、水537.6gを仕込み、塩酸でpH調整後、60℃に昇温した。窒素気流下、過硫酸カリウムの5重量%水溶液81.1g(0.015モル)を加え、6時間共重合させ、乳白色のpH応答性高分子微粒子A分散液(固形分濃度22.9重量%)を得た。
(合成例2)pH応答性高分子微粒子Bの合成
上記合成例1のpH応答性高分子微粒子Aの合成において、末端ビニルベンジル基含有メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド高分子溶液227.2g[メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド繰返し単位として0.29モル(前仕込みより求めた)]、ジエチルアミノエチルメタクリレート108.6g(0.58モル)、スチレン30.5g(0.29モル)、水552.6gとした以外は合成例1と同様に反応を行い、乳白色のpH応答性高分子微粒子B分散液(固形分濃度23.0重量%)を得た。
(比較合成例1)
上記合成例1の高分子微粒子Aの合成において、末端ビニルベンジル基含有メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド高分子溶液532.0g[メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド繰返し単位として0.70モル(前仕込みより求めた)]、スチレン67.9g(0.65モル)、水319.0gとして合成例1と同様に反応を行い、乳白色の分散液(固形分濃度23.8重量%)を得た。
(比較合成例2)
特許文献2の実施例1に記載のゲル微粒子(ジメチルアミノメタクリレートをN,N−メチレンビスアクリルアミドで架橋したゲル微粒子)を作成して使用した。作製したゲル微粒子のpH5での平均粒径は380nmであった。
このようにして得られた合成例1、合成例2、比較合成例1、比較合成例2のpH応答性高分子微粒子のpHと平均粒子径の関係を図7に示す。
図7に示す結果より、本発明のpH応答性高分子微粒子は、pHが8.5以上で平均粒子径が100〜300nmであり、pHが低くなるにつれて平均粒子径が非常に大きくなる。
従来技術、例えば、比較合成例2の場合には、pHが高い時の粒子径は小さく、pHが低くなるにつれて平均粒子径が徐々に大きくなるが、本発明に比較してその変化は小さい。つまり、本発明のpH応答性高分子微粒子の場合には、pHの低下に伴って比較的高いpHから平均粒子径が大きくなり始め、飽和時の平均粒子径は大きく変化することが分かる。一方、本発明に必要な構成材料であるpH感受性モノマー[一般式(2)]を欠いた比較合成例1の場合には、pHが変わっても平均粒子径は変化しないことも分かる。
[実施例1〜12、比較例1〜10]
<インクジェット用インクの製造方法>
前記式(1)で表されるモノマーを用いた実施例及び比較例のインク組成物の構成について、下記表1および表2に実施例1〜12のインク組成物の構成を、また下記表3および表4に比較例1〜10のインク組成物の構成をそれぞれ示す。なお、表中の数値は重量%を示す。
それぞれ調整例の顔料分散体および合成例の高分子微粒子を用いてインクを調製し、1時間30分撹拌後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して各インクを得た。
なお、表1〜表4中の略号などは下記の意味を表す。
・アクリル−シリコーン樹脂エマルジョン:昭和高分子株式会社製、ポリゾールROY6312、固形分37.2重量%、平均粒子径171nm、最低造膜温度(MFT)=20℃
・ポリウレタンエマルジョン:DIC社製、ハイドランAPX-101H、固形分45重量%、平均粒子径160nm、最低造膜温度(MFT)=20℃
・KF−643:ポリエーテル変性シリコーン化合物(信越化学工業株式会社製、成分100重量%)
・Proxel GXL:1,2−benzisothiazolin−3−oneを主成分とした防カビ剤(アビシア社製、成分20重量%、ジプロピレングリコール含有)
次に、以下に示す評価方法にて、実施例1〜12および比較例1〜10の各インクジェット用インクを評価した。前記式(1)で表されるモノマーを用いた実施例及び比較例の評価結果を下記表5に示す。
なお、実施例1〜12および比較例1〜10の要点を下記に示す。
実施例1〜4は、請求項1の[一般式(2)]のアルキル基の炭素数が1の場合
実施例5〜8は、請求項1の[一般式(2)]のアルキル基の炭素数が2の場合
実施例9〜12は、本発明のpH応答性高分子微粒子の量を変えた場合
比較例1〜4は、比較合成例1のpH感受性モノマー[一般式(2)]を欠いた場合
比較例5〜8は、特許文献2に記載のゲル微粒子を使用した場合(比較合成例2)
比較例9〜10は、pH応答性高分子微粒子を含まない場合
<画像濃度>
23℃50%RH環境下で、インクジェットプリンター(リコー製IPSiO GX5000)に作成したインクを充填し、Microsoft Word2000(Microsoft社製)にて作成した64point文字「■」の記載のあるチャートをMyPaper(株式会社リコー製)に打ち出し、印字面の「■」部をX−Rite938にて測色し、下記評価基準により判定した。
印字モードはプリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準はやい」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。
〔評価基準〕
○:ブラック:1.2以上、マゼンタ:0.95以上、
シアン:0.95以上、イエロー:0.8以上、
△:ブラック:1.1以上、マゼンタ:0.9以上、
シアン:0.9 以上、イエロー:0.7以上、
×:ブラック:1.1未満、マゼンタ:0.9未満、
シアン:0.9 未満、イエロー:0.7未満、
<インク保存安定性>
各インクをインクカートリッジに充填して60℃で2週間保存し、保存前の粘度に対する保存後の粘度の変化を下記基準により評価した。
[評価基準]
○:粘度の変化が±10%以内
△:粘度の変化が±30%以内
×:粘度の変化が30%を超える
<インク吐出安定性>
28℃15%RH環境下で、インクジェットプリンター(リコー製IPSiO GX5000)に作成したインクを充填し、MyPaper(株式会社リコー製)に600dpiの解像度で連続して200枚1セットを5セットの印字を行った。このときの吐出乱れや不吐出具合を下記基準により評価した。なお、印刷パターンは、Microsoft Word2000(Microsoft社製)にて作成した紙面全面積中、各色印字面積が5%であるチャートにおいて、各インクを100%dutyで印字した。印字条件は、記録密度は300dpi、ワンパス印字とした。
[評価基準]
○:吐出乱れや不吐出は見られない
△:若干不吐出、吐出乱れが見られる
×:著しい不吐出、吐出乱れが見られる
<対ノズル固着性>
インクジェットプリンター(リコー製IPSiO GX5000)を恒温恒湿槽に入れ、槽内の環境を温度32℃、湿度30%に設定し、以下の印刷パターンチャートを20枚連続で印字した後、20分間印字を実施しない休止状態にし、これを50回繰り返し、累計で1,000枚印写した後、ノズルプレートを顕微鏡で観察し、インクの固着の有無を判断した。なお、印刷パターンは、Microsoft Word2000(Microsoft社製)にて作成した紙面全面積中、各色印字面積が5%であるチャートにおいて、各インクを100%dutyで印字した。印字条件は、記録密度は300dpi、ワンパス印字とした。
[評価基準]
○:ノズル近傍に固着が見られない
△:ノズル近傍に固着が見られる
×:ノズルプレート全面に著しい固着が見られる
上記評価結果から、前記式(1)で表される疎水性モノマーと、前記一般式(2)で表されるpH感受性モノマーと、前記一般式(3)で表される親水性マクロモノマーとの共重合体から成る高分子微粒子をインク組成分として含有する本発明のインクでは、いずれも画像濃度、インク保存安定性、インク吐出安定性、対ノズル固着性が優れており、実用において問題となる特性は見られない。
例えば、実施例1〜4および実施例5〜8と、比較例1〜4、比較例5〜8および比較例9〜10と比較した場合、本発明のインクでは、高分子微粒子の効果により、各色インクで、画像濃度が明らかに優れ、インク保存安定性、インク吐出安定および対ノズル固着性について同等以上であることが分かる。
また、高分子微粒子の量が好ましい範囲の上下限であっても、実施例9(下限)、実施例10(上限)より実施例1〜8と同様の効果があることが分かる。
高分子微粒子の量が好ましい範囲を超えると、実施例11(下限未満)で画像濃度が劣り、実施例12(上限超え)でインク吐出安定性がやや劣ることが分かる。
[3]pH応答性高分子微粒子の合成(前記一般式(4)で表されるモノマーを用いた場合)
−メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド高分子鎖が表面に局在した高分子微粒子の合成−
(合成例A1)pH応答性高分子微粒子aの合成
攪拌装置、還流冷却機、窒素ガス導入管及び温度計を備えた反応容器中に、上記末端ビニルベンジル基含有メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド高分子溶液330.6g[メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド高分子繰返し単位として0.43モル(前仕込みより求めた)]、ジメチルアミノエチルメタクリレート67.0g(0.43モル)、アクリル酸エチル43.1g(0.43モル)、水478.2gを仕込み、塩酸でpH調整後、60℃に昇温した。窒素気流下、過硫酸カリウムの5重量%水溶液81.1g(0.015モル)を加え、6時間共重合させ、乳白色のpH応答性高分子微粒子a分散液(固形分濃度23.2重量%)を得た。
(合成例A2)pH応答性高分子微粒子bの合成
攪拌装置、還流冷却機、窒素ガス導入管及び温度計を備えた反応容器中に、上記末端ビニルベンジル基含有メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド高分子溶液247.6g[メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド繰返し単位として0.32モル(前仕込みより求めた)]、ジメチルアミノエチルメタクリレート100.4g(0.64モル)、アクリル酸エチル32.1g(0.32モル)、水538.8gを仕込み、塩酸でpH調整後、60℃に昇温した。窒素気流下、過硫酸カリウムの5重量%水溶液81.1g(0.015モル)を加え、6時間共重合させ、乳白色のpH応答性高分子微粒子b分散液(固形分濃度22.8重量%)を得た。
(合成例A3)pH応答性高分子微粒子cの合成
上記合成例A2のpH応答性高分子微粒子bの合成において、アクリル酸エチル32.1g(0.32モル)をアクリル酸ブチル41.0g(0.32モル)とし、水538.8gを水529.9gとした以外は合成例A2と同様に反応を行い、乳白色のpH応答性高分子微粒子c分散液(固形分23.7重量%)を得た。
(合成例A4)pH応答性高分子微粒子dの合成
上記合成例A2のpH応答性高分子微粒子bの合成において、末端ビニルベンジル基含有メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド高分子溶液227.2g[メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド繰返し単位として0.29モル(前仕込みより求めた)]、ジエチルアミノエチルメタクリレート108.6g(0.58モル)、アクリル酸エチル29.0g(0.29モル)、水554.1gとした以外は合成例A1と同様に反応を行い、乳白色のpH応答性高分子微粒子d分散液(固形分濃度22.8重量%)を得た。
(合成例A5)pH応答性高分子微粒子eの合成
上記合成例A4のpH応答性高分子微粒子dの合成において、アクリル酸エチル29.0g(0.29モル)をアクリル酸ブチル37.1g(0.29モル)、水554.1gを水546.0gとした以外は合成例1と同様に反応を行い、乳白色のpH応答性高分子微粒子e分散液(固形分濃度23.7重量%)を得た。
(比較合成例A1)
上記合成例A2のpH応答性高分子微粒子bの合成において、末端ビニルベンジル基含有メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド高分子溶液494.0g[メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド繰返し単位として0.65モル(前仕込みより求めた)]、アクリル酸エチル65.1g(0.65モル)、水359.8gとして合成例A1と同様に反応を行い、乳白色の分散液(固形分濃度23.5重量%)を得た。
(比較合成例A2)
上記比較合成例A1のpH応答性高分子微粒子aの合成において、末端ビニルベンジル基含有メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド高分子溶液440.8g[メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド繰返し単位として0.58モル(前仕込みより求めた)]、アクリル酸ブチル74.3g(0.58モル)、水403.8gとした以外は比較合成例A1と同様に反応を行い、乳白色の分散液(固形分濃度22.9重量%)を得た。
(比較合成例A3)
特許文献2の実施例1に記載のゲル微粒子(ジメチルアミノメタクリレートをN,N−メチレンビスアクリルアミドで架橋したゲル微粒子)を作成して使用した。作製したゲル微粒子のpH5での平均粒径は380nmであった。
このようにして得られた合成例A1〜A5、比較合成例A1〜A3のpH応答性高分子微粒子のpHと平均粒子径の関係を図8に示す。
図8に示す結果より、本発明のpH応答性高分子微粒子は、pHが8.5以上で平均粒子径が100〜300nmであり、pHが低くなるにつれて平均粒子径が非常に大きくなる。
従来技術、例えば、比較合成例A3の場合には、pHが高い時の粒子径は小さく、pHが低くなるにつれて平均粒子径が徐々に大きくなるが、本発明に比較してその変化は小さい。つまり、本発明のpH応答性高分子微粒子の場合には、pHの低下に伴って比較的高いpHから平均粒子径が大きくなり始め、飽和時の平均粒子径は大きく変化することが分かる。一方、本発明に必要な構成材料であるpH感受性モノマー[一般式(2)]を欠いた比較合成例A1、A2の場合には、pHが変わっても平均粒子径は変化しないことも分かる。
[実施例A1〜A24、比較例A1〜A11]
<インクジェット用インクの製造方法>
下記表6〜表9に実施例A1〜A24のインク組成物の構成を、下記表10および表11に比較例A1〜A11のインク組成物の構成をそれぞれ示す。なお、表中の数値は重量%を示す。
なお、表中、実施例1〜24とあるのは実施例A1〜A24のことであり、比較例1〜11とあるのは比較例A1〜A11のことである。
また、表中、合成例1〜5とあるのは合成例A1〜A5のことであり、比較合成例1〜3とあるのは比較合成例A1〜A5のことである。
それぞれ調整例の顔料分散体および合成例の高分子微粒子を用いてインクを調製し、1時間30分撹拌後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して各インクを得た。
なお、表6〜表9中の略号などは下記の意味を表す。
・ポリウレタンエマルジョン:DIC社製、ハイドランAPX-101H、固形分45重量%、平均粒子径160nm、最低造膜温度(MFT)=20℃
・KF−643:ポリエーテル変性シリコーン化合物(信越化学工業株式会社製、成分100重量%)
・Proxel GXL:1,2−benzisothiazolin−3−oneを主成分とした防カビ剤(アビシア社製、成分20重量%、ジプロピレングリコール含有)
実施例A1〜A24および比較例A1〜A11の要点を下記に示す。
実施例A1〜A5は、合成例A1〜A5のpH応答性高分子微粒子をカーボンブラック顔料分散液に使用した場合
実施例A6〜A13は、カーボンブラック顔料分散液で、合成例のpH応答性高分子微粒子の量を好ましい範囲で減少又は増量した場合
実施例A14〜A20は、合成例A1〜A5のpH応答性高分子微粒子をカラー顔料分散液に使用した場合
実施例A21〜A24は、カラー顔料分散液で、合成例のpH応答性高分子微粒子の量を好ましい範囲で減少又は増量した場合
比較例A1〜A3は、実施例A1〜A5に対応するものでpH感受性モノマー[一般式(2)]を欠いた場合(比較合成例A1,A2)、及び特許文献2に記載のゲル微粒子を使用した場合(比較合成例A3)
比較例A4,A5は、実施例A6〜A13に対応するもので高分子樹脂の量を多くした場合
比較例A6〜A8は、実施例A14〜A20に対応するものでpH感受性モノマー[一般式(2)]を欠いた場合、及び(比較合成例A1,A2)、及び特許文献2に記載のゲル微粒子を使用した場合(比較合成例A3)
比較例A9〜A11は、実施例A21〜A24に対応するもので高分子樹脂の量を多くした場合
次に、下記の評価方法にて、実施例A1〜A24および比較例A1〜A11の各インクジェット用インクを評価した。前記一般式(4)で表されるモノマーを用いた実施例及び比較例の評価結果を下記表12に示す。
<画像濃度>
23℃50%RH環境下で、インクジェットプリンター(リコー製IPSiO GX5000)に作成したインクを充填し、Microsoft Word2000(Microsoft社製)にて作成した64point文字「■」の記載のあるチャートをMyPaper(株式会社リコー製)に打ち出し、印字面の「■」部をX−Rite938にて測色し、下記評価基準により判定した。
印字モードはプリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準はやい」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。
〔評価基準〕
◎:ブラック:1.2以上、マゼンタ:0.95以上、
シアン:0.95以上、イエロー:0.8以上、
○:ブラック:1.15以上、マゼンタ:0.9以上、
シアン:0.9以上、イエロー:0.75以上、
△:ブラック:1.1以上、マゼンタ:0.85以上、
シアン:0.85 以上、イエロー:0.7以上、
×:ブラック:1.1未満、マゼンタ:0.85未満、
シアン:0.85 未満、イエロー:0.7未満、
また、<インク保存安定性>、<インク吐出安定性>、<対ノズル固着性>については、上記[2]と同様の評価を行った。
上記評価結果から、前記一般式(4)で表される疎水性モノマーと、前記一般式(2)で表されるpH感受性モノマーと、前記一般式(3)で表される親水性マクロモノマーとの共重合体から成る高分子微粒子をインク組成分として含有する本発明のインクでは、いずれも画像濃度、インク保存安定性、インク吐出安定性、対ノズル固着性が優れており、実用において問題となる特性は見られない。
例えば、実施例A1〜A5、実施例A6〜A13、実施例A14〜A20および実施例A21〜A24と、比較例A1〜A3、比較例A4,A5、比較例A6〜A8および比較例A9〜A11と比較した場合、本発明のインクでは、pH応答性高分子微粒子の効果により、各色インクで、画像濃度が明らかに優れ、インク保存安定性、インク吐出安定および対ノズル固着性について同等以上であることが分かる。
また、pH応答性高分子微粒子の量が好ましい範囲の上下限では、実施例A6,A8,A10,A12,A22,A24(下限)より比較例A1〜A11よりも効果があることが分かり、実施例A7,A9,A11,A13,A21,A23(上限)より実施例A1〜A5、実施例A14〜A20と同様の効果があることが分かる。
以上より、本発明は、インクの保存安定性が良好で、しかも乾燥性が良好であり普通紙や印刷用塗工紙で高い画像濃度が得られ、記録ヘッドからのインクの吐出安定性が良好で、かつノズル周辺にインク固着がないため、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができる。本発明のインク記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用できる。インクジェット記録方式による記録装置としては、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機などが適用できる。
1 末端にラジカル重合性基を有するカチオン性の親水性マクロモノマー
1a メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド単位
1b ビニルベンジル基
2 スチレンモノマー
3 ジメチルアミノエチルメタクリレート
4 コア部
5 カチオン性高分子鎖
6 高分子微粒子
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
143 給紙コロ
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 再度カウンタローラ
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 先端加圧コロ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 デンションローラ
161 ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
200 インクカートリッジ
241 インク袋
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジ外装
特開2006−16412 特許第3155318号

Claims (6)

  1. 水と、湿潤剤と、着色剤と、高分子微粒子とを少なくとも含有してなるインクジェット記録用インクであって、
    前記高分子微粒子が、下記式(1)または下記一般式(4)で表されるモノマーと、下記一般式(2)で表されるモノマーと、下記一般式(3)で表されるマクロモノマーとの共重合体から成ることを特徴とするインクジェット記録用インク。
    [一般式(4)中、R1は炭素数1乃至4のアルキル基を示す。]
    [一般式(2)中、Rは炭素数1乃至4のアルキル基を示す。]
    [一般式(3)中、lは繰り返し単位の数を表し1〜100の整数を示す。]
  2. 前記一般式(2)中のRがメチル基またはエチル基であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
  3. 請求項1または2に記載のインクジェット記録用インクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジ。
  4. 請求項1または2に記載のインクジェット記録用インクにインク飛翔手段を介して刺激を印加し、記録ヘッドから該インクを飛翔させて記録媒体に画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
  5. 請求項1または2に記載のインクジェット記録用インクを記録ヘッドから飛翔させて記録媒体に画像を記録するインク飛翔手段を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 請求項1または2に記載のインクジェット記録用インクにより記録された画像を記録媒体上に有してなることを特徴とするインク記録物。
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